メインエピソード

2026年10月18日

No.213 パト単独行動

エウレカ探偵事務所、今回は珍しくパトの単独任務だった。

ただし、単独と言っても本当の意味でパトが一人になるわけではない。

パト(琴歌から言われた任務、男性のみが入れる施設で敵の勢力の鎮圧、もしもの事を考えたら妥当だ、それに一人の方がやりやすい)

パトは基本エウレカ探偵事務所で働く時はスリーマンセル、もしくは従属を呼んで最低でも二人体制で戦う事を強いられていた、パト自身がではなく琴歌からのお願いだった。

パト(僕は別に問題ないのに、もしもの事を考えたら誰かが居た方が保険になるって事だろうけど、そうなったら自由に出て来る連中がいるわけだし、そういう意味で言えば絶対に一人になる事なんて絶対にないんだけどな)

パトはそう考えながら相手の拠点地まで歩く。

・・・・・・
パトは相手の拠点地の真正面に立っていた。

パト(今回の作戦は真正面突破でいいかな、完全制圧だから一人たりとも逃したくないしな、どうしよ、逃して警戒されたり残党で組織を組まれても厄介だな)

パトは考えながらも莫大なオーラを使用して建物を破壊する。

パト「オーラ・ペタ・バースト」

パトの手からオーラの大爆発が巻き起こった。
その段階で建物はほぼ崩壊。

敵A「敵だ!!」

ほぼ死んでいる敵の中にもパトの攻撃を運よく退けた者が数人いた。

パト「さて、情報はもう洗い出してるんだよね、悪いけど生け捕りなんて発想は諦めてくれ」

パトがそう言うと同時に敵A含む複数人の首が宙を舞った。

パト「神波剣(オーラ・ソード)」

パトはオーラを剣の形に変えて攻撃を仕掛けていた、この剣の切れ味は凄まじく、刃先は細かく振動しているためただ切る事も可能だがただ当てるだけで軽く刃が沈んでいく仕様にしていた。

最小で針程度、最長で2Km程度、ただし両方とも極端だと精度重視のため最小の場合火力が大幅に落ち、最長だと大雑把になりやすく切れやすいが過度な結果を生み出しやすくなる、切らなくていい所まで切るという事だ。

パト「やっぱり便利だ、形も変幻自在だから直線上と考える必要はない、狙いたいところに狙いをつけて切ればいい、剣というより鞭に近い性能だな、いつもだと雪花に良い所を譲るからたまにはこうやって帝国で学んだ特訓の成果を実践で使ってみたいよな」

と言いつつも既に敵は全滅していた。

・・・・・・
パトはエウレカ探偵事務所に連絡していた。

パト「琴歌、仕事を終えたよ、防衛軍に確認報告をして貰ってもいいかな」

琴歌「お疲れ様です、流石はパト君、この短期間でもう完全鎮圧をしてしまうなんて、抜けは大丈夫そうですか?」

パト「ああ、気配は一切感じなかったよ、最悪僕のオーラ「神派銃(オーラ・ガン)」でトドメを刺すよ」

パトのもう一つの技術、オーラを操作性のある球に変換して銃のように打ち込む技術である。
視界にあるものなら精度は100%、視界外なら【神真】で空間の気配を探知して死角であっても撃ち抜く事が可能な技術であり、距離にもよるが300m以内で死角だったとしても70%命中の精度を持っている。

パト「雪花とミーエルはどう?僕の代わりにノラを加えたけど仕事は順調そうかな?」

琴歌「定期報告では苦戦はしていないようですね、ノラさんが色々二人を引っ張ってくれてるみたいですね、助かりますよ、やっぱり帝園の方たちは全員優秀です」

琴歌は電話越しでも伝わる程ご機嫌な声でパトと喋る。

琴歌「そうですね、そのままパト君には別の依頼をお願いしましょうか、バハートさんから特例任務を2件預かっているのですがどうでしょうか?出来れば売上自体はないのでパト君一人で早急にこなしていただけたら凄く助かるのですが」

パト「ああ、わかったよ、バハートのためだからね、僕がやるよ、それで何処に行けばいいのかな?」

琴歌「ラオスに向ってください、国際犯罪組織がラオスに拠点を構えているという情報が入っています、あともう一か所はエクアドルですね、密輸の阻止をお願いしたいとのことです」

パト「ラオスの方は生け捕りがいい?エクアドルは密輸情報次第だな、フィロンに情報を任せておいてもいいかな、ラオスの件を解決している間に情報を出してもらえると助かるよ」

琴歌「わかりました、では私は情報班に仕事を伝えておきますね、後アリシア様にもよろしくお願いします」

そう話すと琴歌は電話を切った。

パト「特例任務なら仕方ないな、さっさと終わらせよう」

特例任務とは複雑な話になるのだが、防衛軍はギルドに仕事を提供しているのだがその依頼の殆どが国が依頼金を防衛軍に渡し、その何割かをギルド依頼金として提示しているのだ、つまり防衛軍は中抜きしているような形になる、つまり国という客が居なければお金が発生しないため防衛軍が対処しなければならない、だがここ最近の世界テロや東京異変等の大型事件の連続で防衛軍の人員不足が発生しているため外部に依頼しなければ仕事を回せないというのが現状だった。

バハートはパト達に相談したのが、防衛軍直接依頼の依頼料がギルド依頼金として払えないという問題に対してエウレカ探偵事務所側が無償で依頼を特例で受けてくれないかという話だった。

勿論琴歌は反対した、エウレカ探偵事務所は会社であり慈善事業ではないのだ
だがバハートは地球防衛軍でもあるが、帝国の従属であり、雪花の直属部隊所属、無下にも出来ないという事で考えた結果、アリシアコーポレーションが防衛軍発注の依頼を受け取り、アリシアコーポレーションから防衛軍に依頼を送るという内容だった。

例えばA案件で1億の依頼金が発生したとする、そのA案件をアリシアコーポレーションが買い取り、そのまま防衛軍に1億を依頼金として防衛軍に支払う、そして7000万依頼としてギルドに出す事で防衛軍は3000万の売上を出した上に依頼をこなすという形をとったのだ。

だがそれではアリシアコーポレーションが損をする、なのでこのような案件の場合はバハートが優遇してエウレカ探偵事務所に依頼する事にしたのだ、そうすれば7000万はエウレカ探偵事務所に入り、2割をエウレカ探偵事務所の売上として持ち、残りはアリシアコーポレーションに還すという流れを作ったのだ。

それでも1400万がエウレカ探偵事務所、5600万がアリシアコーポレーションに入る、だがこれでは約半分が帰って来ただけでまだ赤字、そこに関しては地球防衛軍がアリシアコーポレーションの資材だけを購入し使用するという契約で手を打った。

アリシアからしたら「太客への投資としては安い金額ですよ、防衛軍経由なら各国に売る事も可能ですから色々手続きも含め楽になりますしね」

と了承を得た、バハートは深く頭を下げた、エウレカ探偵事務所としてはギルド仕事の中で言えば安い案件のため、あまりメリットを感じないが従属のお願いのため、売上ではなく助け合いとして了承した


それが【特例任務】と呼ばれているのだ。

パト「ラオスの目的地までは数日は覚悟しとかないとな、今回の報酬は1500万、僕が1日動くのに20万、交通費とか情報班を動かすとなれば・・・うわ、あまり売上は期待できないかもな、さっさと終わらせないと琴歌が微妙な顔をしてしまうぞ!」

パトはそう言いながら少し焦りながら現場から離れた所に置いていた荷物を持って次の目的地に向かった。



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2026年05月10日

No.207 強さの証明 episode1

パトはエウレカ探偵事務所で仕事をしている。

基本的には国が手を出しにくい大きな組織、テロリストの駆除、悪信教討伐等宗教関係の討伐等が最も多く依頼として行われている

それらは一度地球防衛軍が国から依頼を受け、それをギルド依頼として発注し、それをパト達エウレカ探偵事務所が受ける形になる事が多い。

見積もりを出して競争になるのだが、あまりにも規模が大きいのと難易度が高いため他企業や組織が依頼を受注出来ないため、ほぼ独占という形でエウレカ探偵事務所が請け負っていた。

今回の任務はドイツからの依頼で悪徳宗教の壊滅を依頼してきた。

被害は世界各国で少年少女を拉致監禁し、教徒として教え込ませているというものだった。
一度国側がその宗教を調べ、監禁された少女を一人救ったのだが、洗脳が酷く、少女本人は拉致されたと思っておらず、「親が君をそこに連れて行くように依頼された、立派になれば親も喜ぶ」という言葉でまさか無断で連れて来られているとは思っても居なかったのだ。

行わせていた事も質が悪かった。
まだ見境もない時期に悪習を習慣づける事で違和感を感じなくさせる、勿論自分の周りも同じ洗脳、共同生活を送っているためそのことに理不尽を感じる事はあれどそれが常識なのだと認識させる。

人は、周りが同じことをしていれば納得はしてなくても違和感を感じる事なく事を生じる習慣がある。
それを利用した手口だと判断した。

ドイツとしてはこのままではドイツの責任という事で他国から責任追及を受けかねないという事で防衛軍に依頼をしてきたという経緯だった。

・・・・・・
パト「組織の壊滅か、普通に壊すのはダメなんだよな、多分」

バハート「そうね、まずは捕まっている子供達の保護、そして被害者の隔離、そこまで済んだうえで関係者の確保、からの建物の調査からの解体かしらね、やる事が多いうえに色々準備や施設が必要になってくる案件だけど」

パト「ああ、言ってる事だけいうとかなり難しい話だ、そもそも調査から大変だろうしな、まず被害者リストとかあったらいいんだけど、それも実際ないんだよな」

雪花「各国に足を運んで行方不明者リストを手に入れるしかないわね、ドイツが独断で責任追及される前に対策したいって話なんでしょう、つまりは他国に情報が漏れる前、という事は知る由もないって事かしらね、まあドイツからしたら世界でヤバイ宗教が居ると思ったら自分の土地内で活動してたっていう貧乏くじを引いたようなものでしょうから結構同情出来る案件でもあるわね」

バハート「それで子供や被害者教徒の保護は第五部隊から施設を貸し出すからそこに収容をお願い、カウンセリングはミーエルちゃんが担当するって話でいいのかな?」

ミーエル「それが私の仕事だからね、情報部隊って事は月花様の班を使えばわざわざ国に足を運ぶ必要はなさそうだね、各国の重要サーバーに入る必要があるならソフィアちゃんの班に声を掛けてエテルちゃんを使うのも手だね、まずは情報を集めて、そこから潜入、からの被害者全員の顔写真を撮影、そこからフィロンちゃんが照らし合わせて個人情報を特定、全てを集めたら回収、そこでやっと私達の出番ってところかな」

パト「そうだな、でも潜入を誰がするかって話だ、リスクは勿論あるけど一人一人の顔を撮るってなるとかなり時間も掛かるし、一日少しで終わるような話じゃない、それこそ時間が必要になる話だと思うんだけどな」

バハート「やり方は任せるよ、私はこれ以上の手伝いは贔屓になっちゃうから、防衛軍側でどうにか出来る事ならそれなりに協力するから相談はしてきてね」

雪花「そうね、ならまたわからない事があったら連絡するわ」

そう話すとパト達は防衛軍施設を後にした。

・・・・・・
シンガポール

第五部隊本部はそこにある。
依頼競争は各国に設けている施設からでも対応は可能なのだが、仕事の説明や詳細、データでは取り扱えない書類上での機密情報の開示等の理由もあり、仕事依頼の話をするとなるとシンガポールまで足を運ぶ必要があった。

パト「ああ、とりあえず月花の班にいるフィロンとソフィアの班に居るエテルで外側と内側で行方不明者情報を集めてくれ、それまでに僕達はドイツに足を運んで拠点の監視を行うよ、あと黄金卿からファルドラの救援要請もしておいてくれないか、潜入となったらファルドラが適任だろ、僕でもいいけど僕は司令塔として動く必要があるから現場をメインに任せたいんだ」

パトは琴歌と連絡をしていた、基本的にエウレカ探偵事務所で人を動かすのはパトではなく琴歌だった。

パトが現場側で動く以上琴歌が全体を把握して人を動かす方が効率がいいという流れだった。

パト「とりあえずは問題無しかな、ドイツに足を運ぶ準備をしようか、当分は日本には帰れないぞ」

雪花「お腹壊さないかしら・・・またアリシアコーポレーションから非常食買っておこうかな・・・」

パト「ちゃんと電子決済しておけよ、経理はエイリやフルールが担当しているからな、今回の案件はかなりの額を貰っているらしい、無事成功出来たら数十年は遊んで暮らせる額は入ってくるレベルらしいぞ」

雪花「本当!ならこの仕事を無事終わらせて100連休くらいとっちゃおうかな~」

パト「ば~か、その得たお金で設備投資にするんだよ、本来被害者の保護も依頼側の範囲なんだ、それをバハートが気を利かして防衛軍の設備を貸してくれるって話で話が済んでるんだぞ、勿論掛かった費用はこっちに請求するように言ってある、でもそれも自分達で管理出来れば安く済むって話だ!」

雪花「それはバハートちゃんの恩恵を使えばいいのに、そんな設備だって維持費とか管理費が馬鹿にならないと思うんだけど、税金も凄そう」

パト「ふふふ、将来的には家族の元に還すのは勿論だけど、もし身寄りがない子だったらそのままうちの会社で働いてもらうんだ、別に稼ぐ方法はいくらでもある、僕達は力があるし知恵もあるから探偵が向いてると考えてこの職にしたけど、別になんだっていいんだ、それこそアリシアコーポレーションで補ってる非常食だってこっちで作ってしまえばいいだけの話だろ、月花が元々技術開発部隊でそれなりに知識も豊富だ、なら後はそれを理解出来る人材がいればいい、それをその施設から育て働かせるんだ」

ミーエル「自給自足で人材を育てるって事だね、外部からは居れないのはなんで?」

パト「離れる可能性があるからだよ、ちょっと性格悪い話だけど、保護して育てて貰った恩というものを最大限に利用するんだ、なら多少の理不尽くらいなら努力や根性で乗り越えてくれるだろう、そこで離れるという選択肢が取れる外部人材はあまり信頼出来ないんだ、仕事柄情報を外部に出して欲しくないしね」

雪花「その言い分だとフィロンちゃんやミオラちゃんはどうするの?」

パト「フィロンは大丈夫だと思ってる、だけどミオラはどうだろうな、メリアだったらさっさと肉体関係でも作って依存させろって言うんだろうな、とりあえずメリア流を採用するなら依存させる事だろうな、でもそれなら別に僕じゃなくてもいい、それに僕はあまり依存を使った手段は使いたくないんだ」

雪花「恩は利用するって言った奴のセリフじゃないな~、別にいいけどね」

パト達は外部に音が漏れないように力法を使いながら空港に移動していた。

・・・・・・
ドイツ空港 飛行機内

パト「さて、寝るか、色々考えてもいいけど到着してからでも遅くはないだろう」

ミーエル「そういうものだね、ただ情報が少ないよね、世界各国で動いてるって事はそれなりに大きな宗教なんでしょ?なら拠点が一か所とは思えないんだよね、複数あって一か所だけ攻めたら他に情報が回って警戒耐性に入られないかな、そうなると色々と面倒臭いと思うんだけど」

パト「そのための調査さ、でも少なくとも各国にその宗教の簡易的な拠点はあるかもね、そこまで攻める必要があるかどうかも調査してもらうつもりだよ、そもそもミーエルが言ったように一か所攻めた時点他拠点の連中は間違いなく警戒する、すると拉致した子供や被害者教徒だって隠されるか悪用されかねない叩くなら一気に同時に叩く必要がある」

パトはそう話しながら睡眠をとる態勢に入る。

パト「帝園は本当に便利な力だよ、今の僕なら100人くらいは呼べる、少ないならその分倒すだけだよ、帝園の弱者はこの世界では防衛軍の副隊長、隊長クラスだからさ」

雪花「まあ数の力で言えばこっちに分があるわよね、それとファルドラからは連絡来たの?ステラからでもいいけど」

パト「いいや、それに別に勝手に来るだろう」

パトはそのまま寝てしまう。

雪花「呑気なものね、色々大変だと思ってないんじゃないかしら」

ミーエル「多分そうだろうね、雪花ちゃんから見て今回の依頼はどう思う?」

雪花「う~ん、私は戦う専門だから戦闘という視点で言えば凄く簡単、勿論相手側だって刺客は居るかもだけど並大抵の相手なら別に何も怖くないわね、人質がってなっても正直って感じ、体内にもぐりこむとかそんな事されても・・・そもそも能力を受け付けないから」

ミーエル「私も保護した子供達のケアは簡単だと思う、ここでの難しいは情報をどれだけ性格に集められるかだからね、さっきも話してた事だけど被害者の数、建物の数、ここを見誤ると本当に大変、もしかすると今回の宗教が健全だと判断している国があった場合、そこに助けを要求するかも、どこが攻められたかまでわかれば相手だって私達にとって都合が悪い動きをしてくるかもしれない、答え合わせで完全正答をしないとダメって考えたらかなり大変だと思わない?」

雪花「成程、だからパトも楽観的なんだ、自分の分野は簡単だから気にしても仕方ないって」

ミーエル「そう言う事でしょうね、主様らしいというか、でも事実私達が出来る事は今の所はほぼないに等しいと思うよ、刺客を送られたら対処するくらいじゃないかな?」

雪花「それならどんどん来てほしいわね!この飛行機内で襲われたりしないかしら、流石に退屈過ぎるわ」

ミーエル「縁起でもない事言うのは辞めてよ、ここで墜落したら陸に足を運ぶ方が面倒臭いよ」

・・・・・・
ドイツに到着。

パト「腰が・・・それに暑いな・・・」

雪花「パト、とりあえずホテルでゆっくりしましょう、観光は明日からで」

ミーエル「観光に来たわけじゃないでしょ!」

???「や~君達にぽん人だね!私にぽん大好きな~のよ~」

パト「な、勝手に来るって言っただろう?」

パト達の前に立っていたのは黄色のローブを被り、黄色の仮面をかぶったパトと似た身長をした男性だった。

パト「ファル、よく来てくれた、潜入の準備はいつ頃出来そうかな?」

ファルドラ「おいおい、まずは久しぶりに会ったんだから一杯酒盛りしてからだろ、そもそも僕だって今来た所だし、情報は色々集めながら来てたけどそれにしても休みたい」

パト「それもそうだな、とりあえず宿を探すか、ファルはどうする?一応今回はエウレカ探偵事務所側の依頼だからファルの金銭面は全面こっちで見るつもりだけど、都合が悪いなら自腹でもいいぞ」

ファルドラ「お!ならお言葉に甘えて全額援助してもらおうかな!僕もそれなりに稼がないと生活が困るからさ、ほら僕達の組織って別に各自報酬制だから給料とかないし、最悪バイト探しだってしないといけないくらいなんだぞ」

パト「秘密結社がバイトは笑えるな、ならしっかり働いてもらうよ」

パト達は宿を探し出した。

・・・・・・
宿を見つけた、シングル4部屋は難しかったため、ダブルの部屋を2部屋とりパトとファルドラ、雪花とミーエルで部屋に泊まった。

パト「さて、最近はどうだったんだ?悪信教と何かしら進展はあったの?」

ファルドラ「雑魚はね、だけど公爵クラスになると全然、気になるのが君主クラスも顔を出さない、闇側の動きがここ2年大人しかった、それが気になるな、2年前なんて世界テロから色々あったわけだしな、僕自身問題も起こしたけどそれだってラディウスが悪信教として暗躍していたからっていうのもあったわけだしな、あの時は確か東京に悪信教が集結していたんだよな、何かしら暗躍しようとしていたってわけだ、だけど今は本当に何も起きていない、いや正式には今回みたいな案件はあるけどそれにしても平和過ぎる、もっと力ある闇側勢力が動いてもいいって思うんだけどな」

パト「2年前の防衛軍は僕から言ってもかなり弱体化してたからね、正義側を壊滅させたいならあのタイミングだと思って僕自身警戒はしてた、だけどそれからはまったくの音沙汰なし、何か企んでいるのかもな」

ファルドラ「そうそう、しかも今回は悪信教とは違うが宗教関係の問題だろ?なら悪信教が裏で絡んでる可能性も充分ありえるだろ、だからこの案件は僕にとっても好都合ってわけだ、何かしらヒントを得られればいんだけどな」

パトはファルドラと真面目な話をしながらも世間話に花を咲かせる。

パト「誰か良い人とか出来たのか?」

ファルドラ「馬鹿言え、そんな事ありえないね」

パト「ぶっちゃけ宝華さんとはどうなんよ?」

ファルドラ「あれは対象外だ、見た目が幼くなったとはいえ中身はあまりにも変態な叔母さん過ぎる、見た目は17歳、中身は37歳は洒落にならんだろ」

パト「でもファルドラは年下が好きなんだろ?え、違うの?」

ファルドラ「それは多分フィロンの事言ってるのか?なら違うな、僕は年下が好きなんじゃない、フィロンが好きなんだぜ?相棒?」

パト「さすがにキモいな、いい歳してるんだからヤバイ発言は控えとけよ」

ファルドラ「お前に言われたくねえよ、実際どうなんよ、どんだけの女を口説いてきたんだ?」

パト「そうだな、最低でも100万人の女神かな、モテモテだぞ、もうそれはそれはマジプレッシャー」

ファルドラ「あれか、自分の行動全てが神格化されるって奴か、動きにくいにも程があるな、エロゲとかの趣味は健在なんだろ?」

パト「勿論だろ、ギャルゲーとかエロゲ―はエロ抜きにしても最高のコンテンツだぞ、それをやめるなんて僕には到底出来ないね」

ファルドラ「それでこそ相棒だな、現実の方がエロゲよりエロゲ主人公やってるのにエロゲの方を選ぶそのヘタレ具合、中々のポテンシャルだぜ!」

パト「うるせ!」

パトはファルドラの肩に対して軽く肘で小突く、そんな会話をして二人は睡眠に入る。

次の日から仕事をするために英気を養うために。

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2026年05月06日

No.204 第四期の女帝達episode2

シンはハルの元から離れて少し休憩していた。

シン「あの子、私の攻撃・・・」

結局通用しなかった攻撃、その攻撃はどこまで彼女に通用したのか、本当に本気を出せば通用していたのか、そんな事を考えるシンだが、一度離れてしまった以上もう一度試すという行為を選ぶのは何処かプライドに傷がつく、そう考えた彼女は次の場所に居る【愛全の究極系 アム】の件について考える事にした。

シン「一度ミール様の所に戻ってみようか」

・・・・・・
シンは再度ミールの居る場に足を運ぶ。

ミール「どしたの?忘れ物かな?」

シン「白々しいですよ、見てたんですよね?」

ミール「まあね、シンの思惑通りだよ、彼女、いやもう一人のアムもだけどあの二人には強さの基準というか概念がないから順位が存在しないよ、戦って勝つ事もないし、負ける事もないって所かな、そんな子に順位をつけろっていうのが無理な話だと思わない?」

シン「では私でも勝てないと?」

ミール「どうだろうね、私なら勝てると思うけど、でもそれって強さでっていうよりほぼズルで勝つって意味に近いんだよね、私自身の力で勝つというよりかは帝園という世界そのものを利用して脅す感じかな、そうでもしないと勝敗をつけれない子に勝てないんだよ」

シン「ミール様程の人でもそんな子が帝園に居るんですね」

ミール「そうだね、でもそれって凄く特殊というか特別枠だね、例えば君達の母、エステルだって私は彼女を殺せないし、彼女自身に順位はないよ、勝ち負けとかいう概念が彼女にはないからね」

シン「そうなんですか、てっきり私達のような従属を作る事に特化した方なのかとばかり・・・」

ミール「その認識で間違いないよ、でもそんな彼女をもし殺そうとしても絶対に死なないって話、例えば私が世界を使って彼女を無限に殺したとしも私は彼女を殺しきれないんだよ、勿論彼女自身に戦う力は備わってないから私が負ける事がない、ほら、勝敗がつかないでしょ、だから順位がつけられないんだよ、なんで死なないかって話になると彼女自身が帝園と直結してるからかな、別に帝園にだけに限らないんだけどね」

シン「そうなんですか?私エステル様の事、結構知ってるようで何も知らないんですね、少しでもいいので教えてもらってもいいですか?」

ミール「ユグドラシルって知ってる?世界樹でもいいけど」

シン「はい、知ってます」

ミール「あれって星の生命エネルギーと直結して育つ植物ってイメージだよね、エステルはそんな感じの能力も持ってるんだ、つまり帝園だから栄えたんじゃないんだ、エステルが帝園に居るから栄えたんだよ、エステルが帝園のエネルギーを利用する事で君達が生まれた、そして直結した世界とエステルは同化する、つまり人間の姿のエステルを殺しても無意味なんだよ、本体は帝園なんだから、だったら世界を壊せば終わりだと思うでしょ?でもそのエステルの根が私自身にも芽生えていたらどう?つまり私が死なないとエステルを絶対に殺せないって事になるよね、それがエステルを殺せない理由なんだよ」

ミールが語ると少し笑顔になって完結を述べる。

ミール「結論から言うとエステルは帝王様と同じ性質を持ってるの、本人だけ殺しても死なない、多くの条件を満たしたうえで殺さないと死なない、だけどその条件が私でも無理ゲーだから殺せないそれだけの話ってわけ」

シン「そうだったのですね、ミール様ですら殺せないなんて」

ミール「本来御神体の連中ってそんな奴ばっかりだよ、ヘブンズハートのメンバーに第七園の御神体フラ、第六園の御神体リルが居るけど、あの二人はまだ成長過程だからまだ勝敗のつく強さの範疇に居るだけ、元々御神体は帝王様単体から生まれた未成熟な世界王達、シン達が【世界王の素質を持つ従属】とするならば御神体は【成熟する前の世界王】ってことになるのかな、勿論世界王として覚醒してる私みたいなタイプも居るけどね、そして最近世界王として成った第八園御神体エテル・ホープ・ノーミール、が最近私に続いて二人目の世界王として現れた」

シンは聞いていると疑問に思う。

シン「なんでフラやリルをヘブンズハートに?本来であれば世界王として何もしなくても覚醒する従属なのでしょう、ならわざわざ第二園に所属させる意味がないと思うのですが」

ミール「環境が悪いって所かな、ほらフラの所もリルの所も御神体である彼女達に凄く甘いんだよ、つまり現状に全然困ってない、世界王覚醒には余程強力な力を備えているか、もしくは帝王様と契約して一定数の強化を施してもらうかの手段が必要になってくる、御神体単体だけで世界王覚醒まで持っていく事は可能だけどそこまで意識の高い子なんて居ないからね、あの第四園御神体ティエルでさえ自己鍛錬なんてまったくしてないんだから、それが結局の所の現状なのよね、だから第二園で鍛えた方がいいかな~って思って入れたんだ、意味合い的にも別に間違ってるわけでもないしね」

シン「そうですか、色々理由があって所属している子もいるのですね、色々お話出来て良かったです」

シンはミールとの話を終えると次の場所に向おうと準備を始めた。

ミール「あ、次はアムの所に行くんだよね?」

シン「はい、どんな子か私が直接確かめようと思いまして」

ミール「なら粗相は気を付けてね、あの子、自分からは何もしてこないけど、こっちから攻撃をすると多分シンでも負けちゃうかもだから」

ミールはニヤっと笑いながら告げる、その言葉の意味を理解出来なかったシンは不安な表情をしながらもアムの所に向かう。

・・・・・・
シンはアムの居る場所に向かう、場所を聞いていたが同様を隠せなかった。

シン「ずっとここに居たの・・・?」

シンが驚くのも無理はなかった、そこは第二園が存在する時からずっと存在する建物、今や誰も居ない、主が誰かもわからない、御神体を祀る御神殿だった。

シン(ここは私でも足を踏み入れた事が無い場所、というよりかは足を踏み入れられなかった場所、ミール様から聞いている、第二園の御神体カル、名前だけミール様が見つけ出しただけで姿、存在すら認知されていない御神体の一人の唯一の手掛かりになる場所・・・そこに居るっていうの?)

シンは思い出すミールが「御神体かも」という言葉の意味を。

・・・・・・
シンは御神殿の前に立つ、足がすくむ、先ほどシンが御神殿に立ち入らなかった理由でもある、それがこの恐怖心だった。

シン(確かこの場所、ネルが好奇心で入ろうとしてたけど、あのネルでさえ、「興が冷めた、帰るぞ」と言って立ち去った場所、ベルも「ここなんか気持ち悪い、帰る」と言って帰った、私も同じ気持ちだったから立ち去った、今も全然変わらない、でも愛全の究極系アムはここに居る。)

シンは恐怖心を抑えながら御神殿の扉に触れる、するとシンの身体全身に電撃が流れる、実際には流れていない、だがそう錯覚する程にシンの身体は身動きを取る事が出来なかった。

???「立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ」

シンは冷や汗で身体を埋め尽くしていた、今すぐにでも服を脱いで楽になりたい、だけど服を脱いだらきっと死ぬ、そんな命の危機を感じる程にこの扉の威圧感は凄かった。

シン(もし、もし御神体が居た場合、その場合ミール様以上に強いなんてことがありえるのだろうか、でもミール様が名前までしか認知出来ていないという事はそれ以上の情報を意図的に抑えているという事になる、つまり一部とは言えあのミール様を掻い潜る力を持っているという証明になっているのではないか)

シンは長い時間扉の前で立ちすくんでいた、進むのが怖い、だけど進まないとアムという女性に会う事が出来ない、別に会わなくてもいいのではと思いはするがそれでは結局彼女の事を知る事が出来ない。

シン「行こう・・・」

シンは扉をゆっくり押す、既にシンは全力の力を身に宿していた。そして扉を開けて奥に入る。

・・・・・・
そこには一人の少女が居た。

茶色の髪、眼鏡をつけてただ座っていた。

シンは一瞬でわかった、彼女がアムなのだと。

シン(嫌な気配が消えた?良かった・・・)

シンは緊張が薄まった事に安堵し目の前に居る彼女に話しかける。

シン「貴女がアム、でいいのかしら?」

??(アム)「?私の事ですか?私はアムという名なのですか?」

シン「違うのかしら?なら貴女は何者?」

??(アム)「わからない、ずっとここに居るけど、私をアムと呼んだ人は貴女が初めてです、私はアムという名前なのでしょうか?」

シンは確信した、アムという名はミールがつけた名なんだと、名が存在しないからミールが名付けていた名前なんだとすればこの子には本来の名前がある、それが何かをシンは本能で確信して、それを言葉にする。

シン「カル・・・なのですか?」

??(アム)「カル?アムではなく?」

シン「ごめんなさい、気にしないでください、ですが貴女はずっとこの場所に居たのですか、ここは第二園、一般人はこの園どころか、このような場所に立ち入る事すら出来ません、いつからここに居るのですか?」

??(アム)「わかりません、ですが私が認識しているこの一週間の間はずっと自然に衣食住の物が自然と集まりました。」

シンはそう言う彼女の周りを見ると確かに豪華な衣類、充分どころか一人分にしてはあまりにも多く、そして貴重な食材の数々、そしてこの御神殿という住居、全てが整っていた。

シン「一週間というのは、それまでの記憶は存在しないんですか?」

??(アム)「わかりません、私も自分の事を考えた事があります、自分が何者で何処から来たのか、何故この建物の中に存在しているのか、でもそう考えていても答えは出ません、ただ私自身何も出来ない、でも目に見えない誰かが私の事をずっと見守ってくれてるみたいに色々助けてくれるんです、だから私はここに居た方が良いんだと思って・・・ずっとここで過ごしていました。」

シンは彼女の言葉を聞き、一言「ちょっと調べさせて貰ってもいい?」と承諾を得て建物内を調べる。

・・・・・・
綺麗な建物、生活感があるが一週間以上住んでいると根拠づける物が一切ない。

シン「片付けや洗濯は全部自分で?」

??(アム)「いえ、私は一度もやった事がありません、ただ着替えが必要だと思ったら置いてくれている服に着替えていました、食事も料理が出来ないのですが誰かが私の口に合う料理と食材を選んで作ってくれます、建物もいつも綺麗になっています、一度私が食事を落として汚してしまっても自然にその汚れが消えてしまいました、でもそれがこの建物での日常であるなら私はそうなのだと受け入れていました、なにせ自分自身の事が一番わかっていませんので・・・」

シン(これは厄介ね、さっきから言ってる誰かの気配なんて一切感じない、それなのにこの子は一貫して誰かに守られていると言ってる、私は全然気配を感じないのに彼女は何かを感じている、それが全然わからない)

今までにない得体の知れない存在。それがシンにとってアムの第一印象だった。

シンはその存在を確認するために御神殿に攻撃を仕掛けた。

シン(ごめんなさい、でも試させて、正直私ですら意味がわからないのよ)

シンは無数の攻撃を御神殿にうち放つ、その威力はネルに及ばずだがその性能に最も近い威力で撃ち抜き続ける。

シンは能力の究極系、その性能は全究極系が集結した時、どの分野に置いても一番ではないにしても二番手であれる程の素質を持つ、それは別名【万能の究極系】とも言いかえれる程の性能を持っている。

シンはネルの即死性能を持つ絶対的攻撃性、ベルの絶壁性能を持つ絶対的防御性を兼ね備え、ノラの無限性能を持つ無限性能を掛け合わせ御神殿に対して攻撃を続ける、その威力は帝園序列6位に相応しい、あの第七園御神体であるフラ以上の力を持つ化物的性能を発揮する。

シン「はああああああああああああああああああ!!!!!」

ガガガ!ドドドドド!!!バババ!!!

建物は粉々に壊れていく、その破片がアムの無情にも降り注ごうとしていた。

シン(女帝ならこの程度でくたばったらダメ!!)

シンは心を鬼にしてアムに特大の光線をうち放つ!その性能はテルやセラレベルですら受ければ無傷では居られない程の火力!

シンは攻撃を止めた。
そして見た。

アムの周りの次元が歪んでいた、全てを抑えていた。
アムは怯える所か現状を一切把握していなかった、恐らくアムの見ている風景は何も変わり映えのしない風景なのだろう、アムを怖がらせてはいけない、そう思わせられる程歪んだ空間内は何も変わり映えのしない空間が広がっていた。

シン(無傷、どんな現象ですら絶対に突破する性能を持った攻撃を狙ったのだけど・・・)

アムの周りで留まっていた現象が歪んだ空間の中に取り込まれていく、そしてシンが反応した一瞬の間でシンの周りの空間が真っ白に広がる!

シン「な?!」

シンは驚きを隠せなかった、全てが何事も無かったかのように元通りに戻っていたのだ。

シン「時戻し?時空を操った?でもそんな気配は一度も?!」

シンも能力の究極系、時を支配する事は造作もない、むしろそれも考慮して時耐性を強力にし絶対に干渉させないようにしていたほどだった、だが通用しなかった。

シン「どんな手品を使ったのよ?!」

アムは何事もなかったようにシンの元に歩く。

シン「・・・この感覚、まさか姉妹とフェアとティエル、ミール以外で感じる事になるなんてね」

シンは本気の目になる。

シン「フィルドレッド・ハルグレンダーサ・シュパローン」

シンの周りに全次元が集結する

シン「穿て!!」

シンは全次元をドリルのように回転させ、アムに攻撃を仕掛けた!

シン「それで終わると思うな!!ウラドラーマ!!!カガファードラ!!ニュトラスラボエンダ!!!!」

全時が止まった、未来も過去も全ての選択肢も全てが止まった!完全にシンが「完全的中」という絶対だけを引き当て確実にアムに当てる準備を整える!

世界の耐性という概念を全て壊した、これでシンの意志一つで全てが崩壊する、全ての生命も虚しく崩壊する!

シンの肉体は高次元体となる、結果全ての攻撃が無効化は勿論全ての攻撃がシンに当たった場合高次元物質へと変換され相手の特別な特性全てを適応させた絶対的貫通性を持って反射する!

シンの持つ最強クラスの能力を一気に3つも使用した!

シン(妥協はしない!さっきハル相手に私は無様を晒した!試すならここまでしないと何もわからない!ミール様が勝敗でどうにかなる次元ではないと言った以上その言葉がどこまで真実か、それを確かめる必要が私にはある!!!)

シンはアムに攻撃を仕掛けた!!!

・・・・・・
シンは目を一切逸らさなかった、次はちゃんと全て見えた。

アムはダメージを負った、アムを守っていた歪みがシンの猛攻に耐え切れずにアムに傷を与えてしまった、だがその瞬間だった。

アムの頭に鬼の角が現れた。

アム「最も攻撃性に優れた姿で・・・」

アムがそう呟いた瞬間全ての能力攻撃をアム自身が全て弾き飛ばし始めた!
その間に一度貫通した次元は修復し、さらに強固なものになった、そしてシンを敵と認識したのか
その歪んだ次元はシンに襲う!だがそれを想定していたシンにその攻撃が届くことが無かった!

だが歪んだ次元がシンに触れた事でシンがその歪んだ次元の正体を理解出来た。

シン(帝園?!?!)

その答えは帝園そのものだった。
帝園という世界そのものがアムを守っていた、そして帝園がシンに敵と認識し襲い掛かって来た!

シン(馬鹿な・・・帝園そのものがあのアムに纏っていたというの?!愛全って・・・まさか世界そのものも含まれるの?!馬鹿げている、全てに愛される究極系・・・それでミール様はそんな名前を)

シンは次に見たものは鬼化していたアムが次に精霊化したのだ、そして全ての現象を吸収し始めた、
そして次に聖人化、エルフの耳を生やした彼女が凝縮した現象全てをシンに向けて撃ち返してきたのだ!

シンは自分が一度高次元体に変換した物質のため防ぎきれないと考えかわす!

シンが一瞬目を話した瞬間にアムは再度鬼化してシンの頭部に蹴りを入れる!!
シンは軟体化しその衝撃を吸収し、変幻自在を扱い、アムを取り押さえる!

シン「もう攻撃はしない!治まりなさい!!!」

アム「抑えられて動けない、もっと力が欲しい」

アムはそう言うと帝園がアムに向けて力を与える!その中にはシンの力も含まれている!

シン「はあ?!馬鹿げている!!愛されているからってそんな事まで貢がせるつもり?!もういい加減にしなさい!!」

シンはアムの頬にビンタする!だがその攻撃も辛うじて歪みが抑える。だがその行動でアムが冷静になるには充分だった。

・・・・・・
シン「悔しいけど本物だわ、強いわ、それに・・・」

シンは確信した、彼女は第二園の御神体カルだと。

シン(記憶を失っている理由も全然わからないけど絶対に彼女はカルだわ、あんな戦い方が出来る従属なんて絶対に居ないわよ!そもそも色んな種族に変わっていたのもどの種族の特徴にも当てはまってないし!神族の私ですらそんな芸当なんかできないわよ!)

シンは頭を悩ませた、ミールは気付いてないのか?彼女が今まで姿形も現さなかった御神体だってことを、恐らくミールの攻撃がアムに通用しなかったのは同じく帝園を利用した攻撃だったからだろう、だから同じく帝園の力を扱うアムに通用しなかったのだ。シンの攻撃は相当に火力を上げてしまえば貫通した、彼女が何故記憶喪失かはわからないがもし、その力を満遍なく扱えたならシンですら勝つ事は困難になるだろう。

シン(愛全って事は魅了の力が凄まじいって事?という事は最悪私も魅了されて無力化したところをって事もあり得る力なのか、普通に怖いし強いじゃない!勝敗つくわよ!全然強いし負けるわよ!本当ミール様も適当が過ぎる!)

シンはアムに謝罪をしたうえでミールが出した指示の話をした。

アム「私が【愛全の究極系】として選ばれた女帝?素質あるのでしょうか?」

シン「あの私とほぼ互角にやりあえたんだから大丈夫よ、というか記憶喪失だったのに戦い方は覚えてたの?」

アム「?いえ、どこからか声が聞こえて教えてくれました、そして身を委ねたら自然と戦っていました、不思議な体験でした・・・」

シン「不思議な体験でした・・・じゃないわよ・・・」

多分その声がカルの人格に一枚噛んでいるんだろうとシンは考える。

シン「準備が出来たら叡天の羅針盤にいらっしゃい、移動方法は・・・多分願えば勝手にどうにかなると思うわ」

シン(どうせ帝園が彼女を守ってすべての事をやってくれるでしょ、はあ、凄い規格外が混じって来ちゃったなぁ、どうしよう、また私のメンツが・・・)

シンはそう思いながらその場を去る。



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2026年05月04日

No.202 第四期の女帝達 episode1

今ここで4名の女性が新たな女帝として君臨しようとしていた。

絆結の究極系 ユイ 【朧(ろう)】
厭悪の究極系 エル 【黎(れい)】
涅槃の究極系 ハル 【桜(よう)】
愛全の究極系 アム 【銅(どう)】

ユイは第四の園 天使族で元所属は神園帝使の序列7位、勝利属性の天使王として玉座に座っていた。
ユイの力、勝利属性の天使が持つ能力は勝つ事が全て、そのため戦闘寄りの能力になりやすい傾向にあった、その中でユイネルの能力は全ての力を一つにして戦う、もしくは集めた能力を他の子に分配してしまう能力にあったため、ある意味集団の力を彼女一人で全て補ってしまう、そのため勝利の天使王として君臨していた。

経歴に問題なく立派な女帝だ。

エルは第十二の園 邪人族で元所属は最高重罪人として最深部の牢獄に捕らわれていた。
理由は邪人族の肌は褐色であるのが普通だがエルは白色、そして邪人族は漏れなく主パトや月花、パト寄りの人間達を嫌う傾向にあるがエルはその逆でパト達に強い好感を抱いていたため即処刑を言い渡されたが物理攻撃が一切通用しないエルを誰も殺せなかった、むしろ増大な悪意で一時的に帝園順位30位以内の実力を発揮した事でその場に居た邪人族全員を一掃した経歴があり、その結果誰も殺せないという事で監獄内に捕らわれていた。

経歴に問題ない実績を持っていた。

ハルは第七の園 聖人族で元所属は禁忌として扱われていたため、園内では腫物として扱われていた。

ハルは技術の究極系テルの姉に当たる存在で第七の園内で多くの実績を残し続けたテルに比べてハルは逆に多くの実績を奪い続けて来た。
それは彼女自身が望んだものではなく、彼女の特性がそうされたものだった。
彼女の周りには生も死も存在しない、彼女しか存在しない、してはならない、そのような独特な領域が存在する、つまり彼女が存在ある物に触れると消滅してしまうのだ。例外として遺伝子の繋がりがあるテルは例外として触れる事が出来たが、テルの能力は例外ではなかったため絶縁している。
ハル自身は消極的な性格のため誰も近寄って来ない事をむしろ好都合と考えていたため、今まで問題なく過ごしていた。

知名度とその評価は問題なく女帝の実績だった。

アムは第二の園で偶然発見された謎だらけの存在だった。

アムに記憶はなく、記録もなく、ミールが見る事で明らかになる情報全てが何もない、帝園の順位も表示されない、異質な存在だった。

ここで何も持たないアムに実績を与えたのはミールだった。
彼女はアムに対して殺す勢いで密に攻撃を与え続けた、ミール自身に殺意はなかったが、ミールの範囲外に位置する彼女がどれほどの力量を持つのか不明だったため、それなりに遠慮せずに攻撃を行った。

結果だけ言えば全て無傷、アムが何かをしたわけではなく世界そのものが時空を歪めミールの攻撃を拒んだのだ。
そこから何をしてもアムに攻撃は届かなかった、あと観察して気付いたのだがアムが例えば水を求めた時、水が自らアムの口元まで近づいてアムの体内に入って行った。
食料を求めた時には近くの生物が果物をアムに届けてくれた、果物だけでは身体に悪いと考えたのか、焼けた肉等の食糧が偶然アムの前に現れたりもした。
ミールはこの現象を見て【今だ正体を現していない御神体ではないか】と考え保護する形で女帝に任命した。アムという名もミールが決めた。

彼女はミールを認めさせる事で女帝となった。

・・・・・・
ミール「今回私が選抜した女帝はこの4人かな、どう?結構凄いのが集まったと思わない?」

シン「確かに経歴は問題ありませんが、戦闘面での実績が少ない子が多過ぎませんか?」

シンはミールからの言葉で質問を投げかける。

シン「本来第二の園に所属する女帝は強くて当然、何かに突出しているだけの曲芸師を集めているわけではありません、強さあってこそです、欲を言えば一人で園全体を壊滅するだけの力は欲しいんです。」

ミール「それが出来るのはネル、ベル、シンまででしょ、いやフラも出来るか・・・ノラもギリギリかな~」

シン「別に最難関である五光帝連合(第一園から第五園までの園)の園を単独で壊滅とは言いません、例えば第十二園を最低でも一人で壊滅出来るだけの実力は最低限持っていて欲しいと思うのです。

ミール「ならエルはクリアしてるね、事実壊滅まで追い込んで結果封印されていたような子だからさ」

シン「エルは第四期ではありますが候補自体で言えば第二期のメンバーと同時期です、彼女は私自身も認めてます、だから第三期のメンバーを決める時に最も警戒していました。今回だって反対寄りですが主様も厭悪の扱い方を学ばなければいけない年頃、過保護にし続けるのもいけないと私なりに判断した結果、受け入れる事にしたまでです。」

ミール「じゃあ誰が気に入らないの?」

ミールはまたシンの面倒臭い所が始まったと溜息交じりで肘をついて話しを聞く。

シン「ハルとアム、この2名の実績は納得できません」

ミール「ユイは納得してるんだ?」

シン「ユイエルの実績は本物ですから、帝園内で園外との戦争は基本禁止ですが彼女が単独で戦場に行けば第七園くらいは平気で吹きとばしますよ、それだけの事をしてくれるだろうという信頼があります、だからこそ今回の第四期の首席として私が認めました、元々天使王としての実績もありますから統率も出来るでしょうしね」

シンは真面目な顔で話を続ける。

シン「エルも同様、実績が証明されているのでいいです、ですが他2名は別、何も実績がないじゃないですか」

ミール「う~ん、まあそれなりの実績と地位があれば納得してくれはするだろうけど・・・どうしてもっていうならシン本人で試してみる?結構キツイかもよ?」

シンはミールにそう言われて、実際に確かめるにはそうするしかないかと納得し、ミールの質問に答えた。

シン「そうですね、ここで私が文句を言っても仕方ないですね、私が直接二人を審査します」

シンはそう言うとミールの居る場所から離れた。

ミールは少し笑いながらシンを見届ける。

ミール「ハルとアムの順位は【なし】順位という指標に当てはまらない分野の子達相手にどう立ち向かうつもりなのかな、シンは」

・・・・・・
シンはまずハルの元に向った。

ハルは第七園の禁断の地、【終わらぬ大地】に向った。

シン「第七園の禁断の地【終わらぬ大地】ここでは全ての現象に変化が起きない、外部から新たな生命が立ち入ることもない、全てがこの空間だけで完結していると言われている場所、名前だけは知っていたけどここに住人が居るなんて知らなかったわ」

【終わらぬ大地】では食料となる植物や生物が存在するが食べる事が出来ない、実を取ろうとしてもまったく身動き一つしない、生物を殺そうとしてもその生物に攻撃が一切届かない、刃を立てようとしても生物にも、突き立てた刃にも何も起こらない【死ぬことも生きる事も出来ない】現状維持だけが続く空間だった。

シン(ここでは空気も止まっている、私の中に入る事も無ければ出ていく事もない、存在はするけどまったく活動しない、言わば数値だけはまともな無重力空間のようなもの・・・頭がこんがらがるわね)

シンは自身の能力でその空間に立ち入った。
物音一つ起こらない、音すらも生まれることも無ければ死ぬこともない。

シン(例えば無理矢理音をこの空間内で作ったらその音はずっとこの空間で留まり続けて鳴り響き続けるのかしら、そして作り続けていけば最終的に容量オーバーを起こして・・・どうなるのかしら)

試してみたいと考えていたが今回はそのような要件で来たわけではない。

シンは大地を歩き続ける。それなりに歩き続けた先に異様な光景が広がっていた。
それは綺麗な桜の木達だった。

シン「なにここ、今までとは違って嘘みたいに綺麗ね、ここまで綺麗なのが逆に歪に感じる程に・・・」

ハル「誰ですか?」

シンは声の方向に振り向く。

そこには淡いピンク色の髪をした女の子が立っていた。

ハル「ここにどんな要件でしょうか・・・」

シン(この子がハル、涅槃の究極系としてミール様から選ばれた子、そう言えば順位を聞いていなかったわね)

シン「私は第二園、最高責任者のシン・ハート。第二園がどんな所かくらいは流石の貴女も知ってるわよね?」

ハル「はい、この帝園を統べる女帝達だけが住む園、私の妹も女帝に選ばれたと聞いています」

シン「テルの事ね、絶縁していると聞いてたけどちゃんと情報は入れてるみたいね」

ハル「はい、それで女帝の王様がこんなところに何の用でしょうか?私はただここで一人、過ごしているだけなのですが」

シン「そうね、本来ならこんなところに足を運ぶことなんてしないわ、別に私観光が趣味ってわけでもないしね」

シンは少し世間話をすると本題に入る。

シン「貴女が第二園の女帝に選ばれたと言ったらどうする?」

ハル「・・・私がですか?何もしていない、何も持たない私が女帝ですか?それに一体何の意味があるのですか?私にはわかりかねます、何を求めてるのですか?」

ハルはただシンと出会った時のまま桜の木の下にある大きな石に座ったまま話を続けていた。
丁度その高さがシンを見下すにはちょうどいい高さだった。

シン「それが私にもわからないの、決めたのは私じゃなくこの帝園の長、ミール様だからね、だから試しに来たの、私自らが納得しないとね、誰かが決めた事に不満を抱いたまま引き継がれるのは私としても納得できないし嫌いなの」

シンはそう言いながら手元で作った能力が凝縮した刃をハルに投げつける。

だがその攻撃はハルに一切届かなかった。
ハルに届く前に消滅したのだ。

シン「能力・・・じゃないわね、体質、特性的なものかしら」

シンは次に特性や体質等の恩恵を無効化する能力を付与し直して再度攻撃するために刃を生成し、ハルに攻撃を仕掛ける。

シュン・・・・・・・

だがそれでもハルには一切届かなかった。
能力がハルの所に届く前に消滅してしまったのだ。

シン(なにこれ、特性でも恩恵でもない、あらゆる系統の能力を無効化する能力を付与して攻撃したのに・・・なんだこの力は)

シンは動揺をしながらも次は近接へと攻撃手段を変更する。

シュン、シュン、シュン、シュン。

不思議な現象だった。

シン(攻撃の威力が・・・死んでる、いや、失っている。どんな勢いのある攻撃も全て勢いがなくなって最終的には止まってしまう)

シンの攻撃が一切通用しない、届かない。これは確かに不気味だと感じたシン。

シン(これ、私が全力を出しても攻撃が届くのかしら、というかベルの守備もネルの攻撃もこの子の前で通用するのかしら・・・全てが無に返されてしまう、ウルとは全く違う系統の無)

ハル「あの、満足していただけましたか?」

シン「え、まあ、そうね、色々不思議ではあるけど・・・そうだ、貴女から私に攻撃してくれないかしら?出来れば本気で、それできっと納得できると思うわ」

シンの想像が正しければ彼女の攻撃はシンに届かない、きっと彼女の力、涅槃とは不変の力であると考えていた。

ハルはオーラで攻撃を放つが、その攻撃はシンに届かなかった。

シン「やっぱり、今の本気なのね、だとすれば貴女は不変の天才なんだと思うわ、だから強さが存在しない、何故なら優劣を付けられないから、恐ろしいわね、倒す事も出来ないし倒される事も出来ないなんて、場合によっては矛盾を起こしそうな存在なのね」

ハルはシンの言葉を耳に受け入れてはいるがまったく頭に入っていなかった。

シン「無欲、不変、それが私達同様【絶対】の価値を持つ、久しぶりに見たわ、私達と同格の子、それはミール様も選ぶわけだわ、だけどどうやって叡天の羅針盤に来てもらおうかしら、色々貴女自身危険な存在よね?勝敗はつかないにしてもその無欲、不変を絶対に共用させてしまうんだから、困ったものだわ」

シンは頭を悩ませる、この子はこの場から動かさない方がいい。

今ここまでシンが歩いてきた道、その距離にして25キロ、その範囲内は全てハルのテリトリーだった。
空気が止まっている、音も止まっている、風も、生物も、全てが不変となり老いる事もなく死ぬこともなく、ただ静止している、生きている、ただそれだけの状態にさせられる。

シン「ねえ、貴女が触ったものはどうなるのかだけ教えて」

シンはお菓子を取り出し、ハルの近くまで投げる、先ほどと同じくそのお菓子は描いていた放物線が弱まりハルに届く事なく落ちてしまった。

ハルはそのお菓子の元に足を運ばせ、触ろうとする、するとそのお菓子は見るも無残に砂のように散ってしまった。

ハル「あ・・・まただ・・・」

シン(確定だわ、この子は女帝にしておかないといけない、禁忌の意味がよくわかった。彼女の居る空間の範囲では輪廻が止まる、つまり生死が全て止まる、だけど彼女に触れた瞬間止まっていた輪廻が急激に回って破滅をもたらす、何も残らない、これが彼女の全て、多くの事が出来る私達と違ってこの子はこれしか出来ない、でもきっとそれだけで充分)

シン「ハル、貴女は私が許可するまではここに居なさい、本来であれば全員を集めてってしたかったけど今回のメンバーは違う意味で曲者揃い、まともに集めてはいけないのかもしれないわ・・・だから私が許可するまではここから出る事を禁止します」

ハル「つまりいつも通りってことか・・・」

シンは(不気味な子・・・)と考えながらその場を後にする、シンですら能力が無ければハルの居る地に足を踏み入れる事が出来ない、その禁忌的存在を実感しながらもう一人の元に足を運ぶ。


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2026年01月10日

No.201 メリアの闇Ⅱその後

メリアはシスリットとの話を切り上げ、ファナの実験場に向った。

・・・・・・
メリア「シスリットに使命を伝えたわ」

ファナ「そうか、同情するよ、女帝に言われたら断れないだろうにな」

メリア「理解してましたよ、国が人質にされてる事・・・残念です。賢過ぎるのも問題ですね」

ファナ「馬鹿言え、そこまでの知能があるから難しい使命を与えたんだろう、一体どんな話をして説得したんだ?」

メリア「簡単な誘導です、タブーの話を出しただけです、【女性の妊娠】【いじめ】という簡単なお話です。」

ファナ「それに的確な答えなんてあるのか?」

メリア「【女性は子供を産め】ですか?これに関してはシンプルですよ、リスクを考えてしまっているのと責任があまりにも大きすぎるが故に子供を産むという選択がとれない、簡単な話ではないですからね、でもこれは倫理的に考えるから駄目なんです。賢い人程リスクを想定してしまい前に進めなくなる、ただここでいう賢い人は【力を持たない賢い人】です、己に力がなく、だけど半端に知識や教育を受けたおかげである程度の知能は手に入れた、その結果、子供が産めなくなったんです。」

ファナ「まあ、私はエルフ族だから子孫繁栄にあまり興味がないからわからないが、そこまで変わるものなのか?」

メリア「簡単な例えで言えば勉学を受けられない、常に平穏とは程遠い地、先ほどの話ならば人間は繁栄出来ないと思いませんか?何故なら平穏ではなく、戦争の地なら尚更子供なんて作ってる場合じゃないでしょうね、ですが子供は生まれます、子供を作れないと言っている国の住人よりも貧しい国でも多くの子供が生まれます、何故でしょうか?私はそこの民族が知性的ではなく本能的だからだと思っています、つまり本能的な民族程生物としての生き方に近いため子孫を残す事に対して多くの事を考えないのです、私やご主人が居た日本でも同じです、数百年前の戦時中、確かに人口はそこまで多く増えていません、ですがそこまで大きく減ってもいません、今よりも確実に荒れている時代なのに何故なのでしょうか?今は平和そのものなのに、何故子供が作れないのでしょうか?」

ファナ「さあな、私には興味がないよ」

メリア「そうですね、ここまで長く話しても無意味なので簡単にしましょう、いらないんですよ、知性なんて。権利だって必要ありません。極端な話になりますよ、だって塩梅の良い話なんて存在しないのですから。それは早計だ、浅はかだと誰もが思うでしょう、ですがそれが最も簡単な方法であり、単純なのです。」

メリアは笑顔で近くの椅子に座り楽しそうに話を続ける。

メリア「例えば強制的に子供を作る、なんてどうでしょう?きっと誰もが考えた簡単な方法だと思いませんか?誰かと誰かをパートナーにして子供を作らせる事を義務にすればいいとか、でも昔はそれはお見合いという文化であったんですよ、勿論自由恋愛もありましたが、歴史を辿れば政略結婚や家柄同士の結婚なんて当たり前にあった事ですよね?そしてそれは60年前、70年前という比較的新しい時代までお見合いや親同士の許嫁という言葉があるくらいには文化的な半強制的な結婚と子孫を残す行為が行われていたんです」

メリア「ならば何故今は?自由にさせ過ぎてる、権利を与えすぎてる、役割を与えすぎてる、簡単にまとめればここですかね、自由とは便利な言葉です、ですが悪い意味で言えば自己判断にゆだね、放置する、自分でなんとかしろ、と面倒を見る事を放置しているとも言えますね、つまり昔自力でパートナーを探せなかった人でも親や周りの力でなんとか結婚出来ていたのが、その補助すらもなくなったのが今ですかね、昔に比べてではなく、文化が変わった結果とも言えます。」

メリア「次に権利を与えすぎてる、これは男性としての権利、女性としての権利の話ですかね、差別的な発言になりますが、どちらにもメリットデメリットが存在するのです、私的には男女平等は当然であると考えます、個人的には男は根絶やしにしたいですが、それではあまりにも無慈悲ですからね。ですが子供を作るとなると女性側にデメリットが多いんです、嫌でしょ、多くのリスクを抱えるなんて、余程子供が好きなら良いですが、妊娠すれば妊娠に苦しみ、子供を産めば自分ではなく子供を優先にした人生を送らなければならない、自分が主人公という世界を捨てなければならない、女性は多くの事を捨てなければならないんです、権利が多い程そのデメリットは多いと私は考えます、ですがもし権利が少なければ?【昔のように女性は男性に尽くし、子供を産み、家を支え、子供を育て、旦那を支える】これだけが女性の役割だと割り切った人生を生まれてからずっと言われ続けた時、女性はどう考えるでしょうか?」

ファナ「一種の洗脳というわけか、お前は子孫を残すために生まれた存在だ、それが出来ない欠陥品は生きる価値がない、そう思わせれば勝ちという事だな」

メリア「正解です、単純な洗脳程簡単に出来ます、今は昔と違って価値観も違います、女性一人一人が活躍出来る社会、素晴らしいです、ですが結果的にそれが子孫を残すという最も大きなリスクを追う事から遠ざけた結果・・・と言わざるを得ないのではないでしょうかね」

ファナ「憶測としか言えないがな、答えは果たしてどうか」

メリア「興味はありませんよ、勿論こんなどうでもいい事に結論を出す事もありません、他所の話です。ですが【子供を産むのは自由】と言ってる限り将来性はないでしょうね」

ファナ「私も女帝も女だ、冷たすぎるんじゃないか?」

メリア「私はずっと簡単ですからね、ご主人の従属神達はご主人の遺伝子を貰い、子孫を繁栄させなさいと、それ以外の劣等遺伝子は無駄だと、だからこそのこの帝国ですから」

ファナ「私もいずれは帝王の子種を頂けるのか、光栄だね」

メリア「ええ、光栄に思いなさい、貴女のような人でも慈悲を与えるのが私ですからね」

ファナ「嫌味をどうも、それでイジメの方はどうなんだ?」

ファナはメリアが喋り続けるため実験に集中出来ないと考え、作業の手を止め、休憩に入る。

メリア「イジメ?ああ【いじめられる側にも問題がある】ですか?それに関しては結構喋ったつもりですが、私情を挟むとなればイジメなんてあって当たり前なんですよ、何故なら生き物は常に優劣を決める生き物ですから」

メリアはファナから渡された紅茶を受け取り、「ありがとうございます」と一言言うと口に含む。

メリア「例えば-10~+10の20段階評価で、0が標準、マイナスが非友好的、プラスが友好的でいきましょうか、組織の中で無難に過ごせるのは-5~+5の人だけです、ですがその枠を超えれば異常者、異端者扱いになる、それはわかりますか?」

ファナ「ああ、私がその異端者だからね」

メリア「例えば【喋らない人】【空気を読まずにうるさい人】真逆の人間であれど関わりたくないという共通点があります。後は普通という枠から離れた存在、【圧倒的に落ちこぼれている人】と【圧倒的に優秀な人】、これらも真逆でありながらも疎まれる存在です。これらの人間はヘイトを受けやすくイジメの対象になりやすい。もちろん加害者が普通の人間に対して因縁があるからイジメるというパターンもありますが、基本的に集団的にイジメに会いやすいのはこの普通という枠から離れた人間です。」

ファナ「自信があるんだな」

メリア「実際にやらなくても想定すればいいんです、自分が加害者になるなら、絶対に誰かを虐めなければならない時、誰を選ぶか?その時に普通に人を選べば周りから反感を喰らい自分の立場を下げてしまうリスクを追います、それに良心が少しでもあれば普通の人に対して暴行を働こうとは私でも考えません。無差別に誰でも良かったって人が居ますがそれは除外です。そんな思考放棄した人まで考慮していたらなにも結果を生み出せません」

メリア「逆に私が被害者なら。加害者が居てその人から目を付けられないようにするためにはどうすればいいか、私が凡人なら加害者とは一定の関係を持ちつつ関わらずに過ごします。何故なら先ほどの20段階評価は集団評価の他に加害者の自己評価もあるからです。ここで大事なのは加害者の中で【普通】と判断される事です。ここで極端に加害者が嫌いだから関わらないとなれば加害者が私をターゲットにするリスクが高まります。だからと言って過剰に関わりを持てば被害者にならないにしても加害者側になる可能性が高いです。【お前もあいつを虐めろ、仲良いんだから出来るよな?】と一種の圧力を賭けられます、断れば一気に悪印象に陥ります、ですが一緒に虐めれば加害者です、ですが加害者からは気に居られ間違いなく虐められることはないでしょう。」

ファナ「面倒臭い話だな、つまりはバランスを見誤らない事が大事だって言いたいのか?」

メリア「そうです、どんなに【イジメはダメだ】と言っても無くならないのは多くの要因と原因が生まれるからです。学校で例えましょう、クラスでイジメがあった、先ほど話した被害者側と加害者側が居ます。イジメは関わりたくない人達、ここでは他のクラスメイトも【被害者候補】と言っていいでしょう、となれば私が想定した動きになります。一定の距離感を保つ者、関わらない者、過剰に関わり一緒に加害者側になる者、どの立場でもこの均衡が崩れる事でリスクがあります。」

ファナ「リスクね、それがさっき言っていた弱者強者か?」

メリア「そうですね、生き物は優劣を決めるものです、優位に居た人間が転落した時、今まで優位に居た者に手も足も出なかった弱者が優位に居た人を攻撃します。そこでお前は下だと、自分達よりも上に居るのが憎い、上がって来るなと・・・徹底的に潰そうとします。ですがそれが生き物なんですよ。」

メリア「私はご主人に誘われてネットというものを使いましたがあの世界は好きです。人の貪欲なものがよく見えます。」

メリアはまるで楽しい出来事があったかのように目を輝かせながら語る。

メリア「人はまず当事者じゃなければ納得しろと同調するくせに、いざ自分が当事者になれば納得できないとわめきます。この例えで言えば新聞とネット記事の文化ですね、ネット記事の文化が栄えたら新聞という文化が廃れました。勿論新聞関係者は納得できない所があるでしょう、ペーパーレスなんてと思いますが時代の流れには逆らえない、周りから紙の無駄遣いをするな、やり方が古いと無理矢理納得させようとしましたね」

メリア「ですが、AI技術が発展した時に多くの作品がAIで賄えるとなった時、その作品を作る人達が納得できない、と問題になりました、そのAIは作品を読み込ませ、学習させる事で作るというもので結果的に今まで居た作品を作る人の技術が無断で奪われたという結果になりました。ですがこれ、構図は似てませんか?勿論私も酷いと思う部分はあります、ですがAI技術の発展は今後多くの方が望む技術となるでしょう、それが正式な手順か否かは別としてAI技術で自分達の立場が危うくなれば騒ぎましたよね?ですがその人達は新聞のネット化、ペーパーレス化に異議を唱えたかという話なのです。むしろいい話であり、ネット化の方が便利だから新聞は有料だし場所を取るしで要らないと切り捨てた人も居たのではないでしょうか?」

ファナ「日本の文化は知らないが、技術が発展すれば以前の技術者に価値が無くなるというのはよくある話だ、仕方ないと言えばそれまでだがな」

メリア「そうですね、ですがそれをネットは簡単に見る事が出来ます、先ほどのイジメもそうです、【イジメはダメ、だけどイジメるに値する理由があればイジメてもいい】という謎の理論で人は他人を叩き、炎上させ、人を壊します。行き過ぎた正義感という最も悪に近い感情ですね。」

ファナ「本末転倒だな、それでよくもまあ【いじめはダメ】と言ったものだ・・・そうか、それはさっきのイジメの被害者、被害者候補、加害者に話に繋がるのか、炎上させられた被害者、炎上させた加害者、そしてそれを黙って距離感をとって様子を見る第三者(被害者候補)・・・面白いな」

メリア「ええ、しかもこの炎上、自身で起こすパターンを誰かが火をつけて炎上させるパターンがあるんです、というかほとんどは誰かが火をつけて炎上させるパターンですね、リークと言って裏の情報を無断でバラす事で本来表に出てこなかった問題を敢えて表に出して燃やし、全員でイジメの対象を作りイジメる。それが今のネット環境です。凄いですよね、ここまで来ると何を言っても無意味、一人の言葉とはどこまでも無力なのだと思い知らされますよ」

ファナ「想像出来るな、おおよそ、どんなに弁明しても聞く耳を持たない、証拠がない、もしくは出せもしない証拠を求める事で結果弁明しきれない、と言ったところか、魔女狩りみたいなものだな、【お前は魔女か?】に対してどれだけ否定しても否定を確定する証拠不十分のため疑わしきは罰すると言わんばかりに処刑を行う。たとえ無実であれど集団に言葉は通じずと・・・」

メリア「ええ、これは誘導、洗脳に近いものを感じますよね、しかもその殆どが第三者にとってどうでもいい事なんです、内輪揉め、浮気、不倫、不貞、密会、当事者の問題なのに何故か第三者が喚き散らすんです、しかもそれだけ怒ったにも関わらず一ヵ月もすれば忘れるんです、次の炎上にまた怒っているんです、面白いでしょ?この第三者はいったい何がしたいんでしょうね?自身よりも弱者であると判断した者を攻撃する事で自身が強者であると錯覚したいのでしょうかね・・・哀れなものです」

メリアは語りながらも紅茶を飲み干した。

メリア「色々楽しかったですよ。実験の邪魔をしてすみません、実験体の数は足りてますか?」

ファナ「そろそろ補充して欲しい所だな」

メリア「わかりました、では専攻部隊に私の【帝国情報暗部部隊】の隊員を混ぜて拉致しておきますね、大事に扱ってくださいよ、出来る限り従属神や配下神は使いたくないのでね」

ファナ「わかっている、では頼んだぞ」

メリア「はぁ~、本当心理って楽しい、洗脳誘導、依存、私が得意とする分野ですからね、しっかり生かして見せますよ」

メリアは暗い廊下の暗闇に姿を消した。

patopatoblog at 03:15|Permalink

2025年12月30日

No.200 出揃った円卓の王(エテルの進化)後日談

万園に在籍する世界王全員に通達が行き渡る。

ストレリチア「円卓の王 13名はただちに万園の玉座に集まってください」

・・・・・・
誤謬「これが円卓の王だけが許されているというストレリチア様への謁見・・・」

円卓の王 第十三席 誤謬(ごびゅう)

誤謬は円卓の王の中では一番若い世界王であり、最も円卓の王として新しい王。
今までストレリチアから招集に立ち会う事がなかったため動揺する。

・・・・・・
花神「とうとう・・・ですか・・・」

円卓の王 第十二席 花神(かしん)

白い部屋と巨大な純白のクッションの上で裸で横になっているのは花神、彼女は花で服を見繕いながらクッションの上に立ち上がる。

・・・・・・
凄艶「ストレリチア様、動き出すのですね」

円卓の王 第十一席 凄艶(せいえん)

多くの芸術作品、そして大きな舞台の真ん中に立つのは凄艶、彼女は歩みを始める。

・・・・・・
媛命「さて、今回はどんな厄介事を押し付けてくるのかな」

円卓の王 第十席 媛命(えんめい)

心安らぐ豊かな空間の中、彼女は憂鬱そうな顔で空を見上げる。

・・・・・・
怜悧「いくね、きっと私達にとっても良くない事が起きるかもね」

円卓の王 第九席 怜悧(れいり)

神経を研ぎ澄まし、ローブを纏う彼女、そしてその周りには無機質で巨大な手、そして怜悧を囲うように舞う無機質な龍のような生物

・・・・・・
玲瓏「終わらせたい仕事があったのですが、仕方ありませんね、これもストレリチア様、そして主様のお導きなのですから」

円卓の王 第八席 玲瓏(れいろう)

多くの本が積まれている書庫の最奥で一人呟くのは玲瓏、彼女の声は現実にしてしまう効果を無意識レベルで持ってしまうため、効果が出ないように極力声を小さくする。

・・・・・・
仙厳「地獄の始まりか、それとも天国の扉が開く音か・・・」

円卓の王 第七席 仙厳(せんげん)

仙厳は気を引き締めてストレリチアの場所に向かう、その表情は硬く、これから起きる事に対して緊張感を持っていた。

・・・・・・
神籟「さて、このタイミングでって事は主様絡みでしょうね、ただし嫌な形でしょうかね」

円卓の王 第六席 神籟(しんらい)

神籟は今から起るであろうことに大体の予測をつけ、移動を開始する、その足取りは何処か楽し気だった。

・・・・・・
惺紡「私の力をもってしてもか、平穏が崩れる音が聞こえるな」

円卓の王 第五席 惺紡(せいほう)

惺紡は過去の世界王戦争の再来を危惧した。だがそれはストレリチア本人が拒んだ結果、
同じ過ちを繰り返す事はないはずだと心の中で自身を言い聞かす。

・・・・・・
朔薬「・・・・・・いったい誰が告げ口したのでしょうね」

円卓の王 第四席 朔薬(さくやく)

疎ましそうにつぶやく彼女の顔はどこか曇っていた。

・・・・・・
円卓の王達が次々とストレリチアが在籍する世界に集まる。

誤謬「ここが・・・そしてお前達がごびゅ~と同じ世界王・・・」

花神「こうして十三席から四席まで集まる事は稀ですね、過去に一度も無かったのではないでしょうか?」

凄艶「そうだね、でもこうして私達を集める理由はないかな?今まで好きにさせてもらっていたのに」

媛命「どうでもいいよ、どうせストレリチア様が決めた事に断れるわけじゃないんだしさ、そもそもそんな事を考えてたら君達、死ぬよ?」

怜悧「珍しく媛命と意見があったね、変な考察はやめるね、どうせすぐに答えは聞けるね」

玲瓏「・・・」(ただ他の世界王達の話を聞く玲瓏)

仙厳「静かにしろ、今ここには朔薬様や惺紡様も居る、どの発言が刑に処されるかわからないぞ」

神籟「そうですね、ですが自由な発言で罰則はありえません、発言の自由を奪う事はストレリチア様は求めていない、寛大なお方ですからね」

惺紡「神籟のストレリチア様至上主義には尊敬に値するね、それはストレリチア様から直接仕事を頂ける立場故かな?神籟?」

神籟「代わりたければ譲ってもいい、だけど果たして惺紡がそんな事出来るのかな?いや出来たとしても話の意図を理解できないだろうね、君は所詮暴力にものを言わすしかないんだからね」

朔薬「神籟、惺紡、これ以上言い合いは辞めてください、そろそろトップ3が入ってきますよ」

朔薬がそういうと3つの光の柱が現れる。

・・・・・・
ストレリチアが座る玉座、その前に3つの椅子が現れる。

誕爛「皆もう集合してるね、こうやって皆の姿を見られるのは凄く感慨深い、気を休めるといい」

円卓の王 第三席 誕爛(たんらん)

円卓の王の中で最も身長が低い誕爛が現れた椅子の上で足を組む、そしてその視線は全員を凍らせるには充分だった。

神籟「相変わらずずっと威嚇してるのね、怖いのよ、いい加減」

誕爛「すまないね、どれだけコントロールしてもこの微細な漏れはどうしようも出来ないんだ、なにせこれは【息を吸って吐く】のと同じ程度の微量なオーラなのだから、これを止めるのは息をするなというのと同義だ」

祖占「いやいや、同義じゃないよ、それは君がオーラの制御が下手だからだよね?下手の理由をオーラの責任に擦り付けるのは私としてはどうかなって思うわね」

円卓の王 第二席 祖占(そうらな)

誕爛「いえいえ、僕のオーラ量は祖占殿以上のものでしてね、というよりほぼオーラという概念を持たない貴女に到底理解出来るものではない、そもそも僕が本気を出せばランクを一つあげるくらい容易だ、あまりデカい態度で居ると僕は君を第三席の座に座らせないといけないな」

祖占「やってみろよガキ、お前みたいな軍隊蟻を量産して出した所で雑魚は雑魚だろうが、それともまさかお前が指揮した従属なら私に届くとでも思ってるのか?それこそ心外だ、第七席連中ならそれで充分殺せるが私を殺せるとは到底思えないけどね」

第三席と第二席が睨み続ける。

軍として最強の力を持つ第三席

個として最強の力を持つ第二席

この二人の意見がかみ合う事は一切ない。

・・・・・・
「待たせたね、全員集まってるね、嬉しいわ」

円卓の王達「「「「来たな」」」」

最後の一席に一人の女性が現れる。

祖占「重役出勤お疲れ様界羅、随分遅かったんじゃない?」

界羅「色々準備に手間取ってね、祖占も誕爛も元気そうね、ずっと自分の殻に閉じこもってばかりじゃなくたまには表に顔を出したらどう?」

誕爛「お生憎だね、僕は既に僕の力を分け与えた僕の世界王を主様の専属神の一人、カナに送っている、彼女は優秀だよ、ランク以上に出来る事が多い、強すぎればカナ本人が壊れる可能性があるからね、あの程度の世界王で丁度いいと僕は思ってるんだけどね」

祖占「それを言えば私もだね、四季雪花、彼女の力はまさに私の後釜に相応しい、私がユミルを送り込んだ、上手くいけばきっと四季雪花は私のような力を手に入れる、全てを失う代わりに全てを得る最強の力をね、それこそ主様が求める最強の専属神だと思わないかい?」

界羅は二人の話を聞き、少し笑いながら首を横に振る。

界羅「お話にならないね、確かに結果的に言えば世界王も世界の質も貴方達二人が関わった子は別格の物となっている、結果的に帝王様の力になれる、それは大変すばらしい事だと私は思います、ですが肝心の帝王様本人を蔑ろにした政策に一体何の意味があるのでしょうか?」

円卓の王 第一席 界羅(かいら)

第四席より下の世界王達はトップ3の会話をただただ聞いていた。
聞く以外の選択肢がなかったのだ。

神籟「聞きたい事は山ほどある、だけどここで口を挟めば誰かの機嫌を損ねてしまうかもしれない、トップ3の実力は万園内でも異常な程の上だ。

その3人の逆鱗に触れる事が何よりも恐怖だった。

界羅「今回の提案も私が行いました、由々しき事態であり、そして今後の万園の在り方を・・・それを明確にしてもらうための時間です、そこで私は貴方達でも帝王様のお力になれる政策を考えストレリチア様に提案しました。あの方は最初こそ悩みはしましたが最後は了承してくれました。」

祖占「おい待て、私達はストレリチア様の話を聞きに来たんだ、お前の話を聞きに来たわけじゃないぞ界羅、これ以上出しゃばるな」

祖占は界羅を睨みつける、だが界羅はそれをものともせず話を続ける。

・・・・・・
界羅「まず一件、万園経由から外れた世界王が生まれた、名はエテル・ノーミール。もとは帝園(ミガドルエデン)出身の従属だった、だけど最近昔の私がそのエテルに敗れたの、それはもう一方的に・・・そして不手際でまさかの私が彼女の相手にすることになった・・・」

仙厳「それが本当ならば異常事態ですね、早く万園の世界王として登録するべきです、でなければ制御が効かずに主様に被害が」

界羅「余計な事はしなくていい、むしろ喜ばしい事です、良い傾向です、なにせただの従属が世界王に進化した、本来ならば世界王に適正がある従属が各世界で育て、万園と帝王様がその従属を選びこの万園の世界王として扱う、だけどその流れを無視したイレギュラー、それをすぐに排除するのは勿体ない、そうは思いませんか?」

凄艶「界羅様、仙厳様や玲瓏様はその状況を放置できない立場にあります、元々界羅様は私達を集めてどうするつもりだったのか、それを聞かせてはくれませんか?」

界羅「世界王としてのトリガー、それは世界王遺伝子を取り込む事、それは誕爛もわかっていることでしょう、なにせ全世界で世界王を作れるのはストレリチア様と私と誕爛の3人だけ・・・今まではその世界王遺伝子を適正がない子に植え付けても身体が朽ちるだけだった」

界羅は冷たい眼差しで円卓の王全員を睨む。

界羅「エテルは元々世界王適正外の従属だった、だけど世界王に進化した、SSSクラスの私を殺す程の力を持って・・・でもそうね、相性で勝っただけで彼女自体のランクをつけるとするなら・・・E+かDかな、進化した【死界の手】はまさに即死級、どんな策も現象もその手の前では無力、近いと言えば祖占に近いかな、それはいいとして、彼女は私の権限で見守る形をとってもらう、一切の接触を許さない」

誕爛「彼女は何が目的なのか、把握して、それで尚安全という保障を得ての発言と取っていいのかな?」

界羅「そうだね、あとはそうね、私を殺そうとしたけどそれでも私の可愛い娘みたいな存在なの」

界羅は笑う。

朔薬「次の話はどのような内容なのでしょうか?」

界羅「これは第七席から言える事なんだけど、君達、実力は確かなんだけど経験値が圧倒的に足りてない、それって偽りの強さともいえるのではないかなって思うの」

神籟「まさか!?あの話が進んだの?!」

神籟は自分の世界から立ち上がる。
界羅は神籟を見て頷く。

界羅「ええ、万園に上層世界と下層世界を設ける。ピラミッド式で条件を満たせば上の層に上がれる仕組み、そして最上層は私達が居る空間、最上層は戦う事はしない、死んだら困るからね、でもそれより下は話は別、居てもいなくても帝王様の力になれない、だから死んでも別に構わない、だから現在円卓の王以外の世界王達は最上層より一段下に降りてもらう、そして条件を満たした者だけこの層に居る権利を与える。」

界羅は笑う。

界羅「別に円卓の王だけが優秀だとは思っていないからね、だからこそ優秀な世界王は歓迎する、勿論帝王様が選んだ別世界の世界王も最上層だ、彼女達は大事な客人であり、帝王様の力になってくれる大事な存在だからね」

円卓の王達全員の表情が曇る。

神籟「ストレリチア様は許したというのですか?!」

界羅「帝王様のため、それで納得してくれました、現時点で約50億体の世界王生成を完了しました。あの方は以前の【世界王戦争】の時に比べて大きな力を得ました。そして世界王戦争はあくまでストレリチア様が世界王を作る練習として増やしていたにすぎない、だけど今回は明確に、目的をもって世界王を作る、その結果が一日で50億体の世界王投入、素晴らしい。私では到底真似できない芸当です、誕爛はどうですか?真似、出来ますか?」

誕爛「1日では無理ですね、それにストレリチア様が作るとなると・・・弱くないですよね、ストレリチア様が直々に作る世界王の強さは最低SSランク、つまりそのレベルの連中が最下層から競い合い、喰らいあい、この層にやってくると」

神籟「EXクラスの量産が目的ですか?」

界羅「あれはストレリチア様ですら作れない領域、そしてただ喰らうだけでなれる領域ではない、そこまでは期待しない、だけど将来的にはそれもありかもですね」

惺紡「今居る円卓の王が落ちた場合、そのままこの層に残留する、その認識でいいのかな?」

界羅「そうだね、既に私達は帝王様にとって大事な存在、そして例外としてメリアの世界で世界王をしている無命、ノルン、も最上層です、目的は先ほども言いましたが帝王様を強くするためです、私達の地位なんて無意味、我々は帝王様に尽くすために生まれた存在、それはストレリチア様だって変わらない、その目的に沿って私は動いた、それだけ、すぐに結果は出ないでしょう、ですが、私はエテルを見てまだこの世界もやり方によってはまだまだ化けると考えた、そして先ほどは否定しましたが今居る円卓の王達が全員EXクラスに到達出来る事を夢見てます、それが結果的に帝王様のためになるのですから・・・」

・・・・・・
その後、界羅は一通りの説明を終えると黙ったまま、ストレリチアを待つ。

その後ストレリチアが現れ、界羅が説明した要件そのままの内容を話す。
そしてこの会議は終える。

円卓の王が下層に向かう事は不可能である、そしてもし今の自分に不満を感じるのであれば円卓の王という立場を失う事を条件に下層に降り、進化を狙う事を許可するという話で落ち着いた。

だが現状円卓の王達が下層に降りるという判断をする者は誰もいなかった。

それもそのはず、この戦いは一部の人を除いて誰も望んでいない結果だったからだ。
だがその中で自分は例外という条件を出してもらえるならその恩恵にあやかりたいと考えるのは普通の事だった。

だが不安もある、もし下層から上がって来た世界王が円卓の王の座を賭けて勝負を仕掛けてきたら、戦闘経験が浅い第七席以下の世界王は太刀打ちできるのか?そういう疑念を持ちながらも各自の世界に戻った。

・・・・・・
神籟「最後に言われた・・・【この事は円卓の王内だけの超重要機密事項である】他の世界から来た従属達に絶対に伝えてはならない、勿論主様本人も、これは万園が独自で行う選別である・・・と」

神籟は界羅という第一席を侮っていた。
元々ミールの時から主様至上主義の考えを持つ、従属も自分すらも主様の為だけの存在、それ以外はあい、だからミールはどこか従属を物として扱う事がある、そしてきっと何か主様関係で起きた時、ミールは無情に従属を殺すだろう、だがそれがミールであり、界羅だ。

ミールはパト以外はどうでもいいと考えているサイコパス気質であり、ヤンデレ思考の持ち主。
最も主を裏切らない存在であり、最も主の善良な心を苦しめる存在、だがストレリチアと同様に最も主に近い存在故に世界はミール、界羅の異常性を隠し通さなければならない。

神籟「本当・・・トップ3にろくなやつがいない・・・全員狂ってるよ。いや、それはトップ3に限らずか、あの戦争で生き残った私達6人全員・・・揃って狂ってるのかもね・・・」

自分のそうだったら、という空想が界羅に奪われ、実現してしまった責任を感じながら神籟は自身の世界に戻った。

そして最下層では再度地獄が始まろうとしていた。

ストレリチア「・・・ごめんなさい、娘たちを殺し合わせるような真似をして・・・許してとは言いません、ですが万園の質を今以上にするために、停滞させないために、そのためなら私は・・・心を鬼にします!」



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2025年12月15日

No.198 従属の強化(R18)記憶のカケラその1

パト「以前聞いたことあるけど従属はなんで俺から体液とか、エネルギーを貰うと強化されるんだ?」

パトは暇つぶしで呼んでいたシンに聞いていた。

シン「セクハラですか?」

パト「いや、まあそう思われても仕方ないな、でもそこ否定的ならシンには今後はそんな関係は望めないね」

シン「冗談ですよ、そんな事言わないでくださいよ!えっと説明しますとですね!私達は主様の力から生み出された存在なんです、それはまず理解してますか?」

パト「それは勿論、でも帝園だと月花の力も影響しているだろ?」

シン「そうですね、ですから帝園という世界を強化して恩恵を受けられるのは主様と月花様の二人のみです、そして逆に私達に恩恵を与えられるのもお二人のみです」

パト「って事は月花の体液やエネルギーでも良いってわけ?」

シン「実際はそうですね、ですが密度が全然違います、例えばですが、主様の場合、唾液よりも精液の方が主様の情報量が多いのはわかりますか?遺伝子的な意味で捕えて貰っても構いません」

パト「うんうん、そうだね、それはなんとなくでもわかる」

シン「次に月花様の場合ですが、月花様の場合はそうですね、唾液、ここでは愛液と言いましょうか、それらを摂取したとしても遺伝子的な情報量は少ないですよね」

パト「確かにね、となると女性の場合は卵子とか?」

シン「そうですね、ですがそれを得る方法は?」

パト「・・・現実的に摂取出来るものじゃないな、ああ、もしかしてだから精液の方が効率がいい的な?」

シン「はい、もちろん唾液でも主様や月花様の体内で生成された分泌物には変わりないです、だから強化は出来ますが・・・効果が薄いんです」

パト「血液とかは?」

シン「ありですね、血液は特に遺伝子情報がありますからね、ですが魔族や妖怪族みたいな血を好んで飲む種族から良いですが私達は流石に嫌です、だって血を飲むなんて生理的にも嫌です」

パト「まあ、そうだな、俺も月花の血を飲めって言われたら結構きついかも・・・」

シン「そうです、つまり気持ちの問題という所もあります、例えば従属が男で主が男と女両方居た場合、男の精液を摂取する手段を選ぶと思いますか?」

パト「俺が従属だったとしても女の人の方がいいな」

シン「それが本音です、摂取方法で言えば私は主様と月花様から摂取可能です、ですが私は女であり、もちろん性欲もあります、そして私は主様が大好きです、そして同性恋愛に一切の興味がありません、となれば月花様から唾液を貰ったり、愛液をすするような手段を選ぶことに抵抗があるのはわかりますか?」

シンは順序よく説明する、パトもシンが恥ずかしがることなく説明するため、下心なしで真面目に話を聞けた。

これがシンの人柄がなせることだとパトも納得していた。

パト「うん、わかる、選択肢はあっても取りたくないってことだね」

シン「その通りです、だから極力私達は主様の唾液や精液で強化されたい、ひとつの我儘だと思ってください」

パト「そう言えば昔ミールから聞いたことあるんだけど、唾液は1帝オーラ相当、精液は5帝オーラ相当って聞いたことあるけど実際そうなの?」

シン「間違いはないですが、補足があります、それは摂取方法ですね、言わば【どうやって摂取したか】によって効率が全然違います。」

パト「それは初耳だな」

パトは勉学的意味合いで興味を持つ。
シンは分かりやすいように指から光の映像を映し出す。

シン「問題です、主様の唾液を一定数摂取したとします、口から摂取するのと股間から摂取するの、どちらが効率が良いかわかりますか?」

パト「ええ、口からじゃないの?」

シン「外れです、女性型の従属の場合股間、主に膣内から子宮に届ける方が摂取効率が高いです。卑猥な話などではなくこれは女性が最も遺伝子を吸収しやすい臓器があるという意味です。口からは栄養として吸収するので勿論効果はあるのですが残念ながら子宮程の効果は得られませんね」

パト「どれくらいの差があるんだ?」

シン「大まかに例えるなら唾液を口から摂取した場合1帝オーラ相当の強化だとすれば、子宮からの摂取は3帝オーラ相当の強化が見込めます、勿論量や質にも関係します、ですが3倍の効果は見込めます」

パト「っとすれば精液の場合は5帝オーラ相当だから15帝オーラ相当か、それって凄くないか?」

シン「はい、これは主が男、従属が女だから成り立つ最大限の強化方法です、男と男、女と女、女と男ではこうはいきません、主が女で従属が男の場合は主である女の人が男の従属から力を吸収する関係性になります、というかそもそも女神が複数の男性と関係を持つと穢れが発生して朽ち果てますので実際は成り立ちませんね」

パト「そうだよな、確か複数の遺伝子を持つことが出来ないからだっけ?」

シン「その通りです、女神は一つの遺伝子を取り込んで次の子孫を残す事が可能ですが、それが二つの遺伝子が交わることで穢れが生まれる、結果的に女神は身体を維持出来ずに崩壊する。そういう意味では人間や動物、生物の方が肉体的には強いですね」

パト「そうか、だから主である俺が男だから女の従属が生まれやすいとか?」

シン「主様の場合、主様が今構成されているものが月花様、メリア、カナと雪花の4名ですから、女性だけの世界が生まれるのは仕方ないですね、実質女性と女性が作り上げた世界のような認識なんでしょうね」

パト「俺男なんだけどなぁ、でも世界を作られる時に世界は俺を女と認識しているって事か、何か微妙な気分だな」

シン「それがむしろ良かったです、先ほども言いましたが男の主と男の従属は相性が悪いのです、戦いとか相棒的意味合いで言えば優秀なのかもしれないのですが、強化方面では絶望的ですね、女性と女性も同じです、女と男は・・・逆に従属に殺されるパターンが多いですね」

パト「シンはそういう所も把握してるのか?」

シン「勿論、能力で把握していますよ、勉強してますので、ミール様が色々な世界線を作って教えてくれたりもするんです、ですが・・・酷いものですよ」

パトは聞いた。
女が主で従属が男だらけの末路、それは強姦による女主の消滅。
女が強いが男が反乱を企て、実力で勝てないため数狙いで強姦し、消滅させる等。

殆どが強姦による消滅だった。

パト「胸糞悪い話だ、でもそれって専属神内でも居たよな、ソフィアとソルテの世界には男の世界王や従属が、危ないのか?」

シン「ソフィアは大丈夫ですね、なにせ二人は身内ですし、人との従属契約は存在しないので、ソルテは・・・どうですかね、人との契約はありませんが世界の中ではわかりかねます」

パト「逆に言えば女しか居ない世界は安心って事か、メリア、アリシア、雪花、ハク、琴歌、ラル、月花の7人は問題無しなのは救いか、カナは・・・よくわからないんだよな、あの世界、カルティナの世界ってゲームみたいな世界だろ、それって魔物に負けたらって展開にならないのかな?カナ曰く負けたらゲームみたいに消滅するからとは言ってたけど、逆に負けなければって事もあり得るよな」

シン「それは世界王が守りますよ、先ほどの世界は世界王が居ない世界でしたので、世界王が居れば世界王が主を守ります、なので基本は大丈夫です、そのため世界王が居る世界か否かでは世界の質が全く異なるのですよ」

パト「そうなのか・・・それは良かった、というかなら早く言ってくれよ、心配したじゃないか!」

シン「いえいえ、でも心配するのは大事ですよ、それで話を戻しますが、主様についてですが、ストレリチア様がそもそも男を作らないと思います、効率が悪いというのもありますが、主様が男なら従属は女性の方が色々と扱いやすいのですよ、肉体的にも精神的にも蹂躙しやすいっていうメリットが強いですからね」

パト「俺はそんな事しないぞ!それにそもそも俺だって女だけだと居心地が悪いというか、扱いに困ると言うか、捨て駒として扱えないというか・・・色々気にしてしまうんだよ!心配事が増えるというか」

シン「それは主様が優しいからですね、でもそのメリットを覆せる話にはなりません、むしろそのメリットが残っている限り万園は絶対に女しか作りません、主様が女性を作りやすいというのも相まってね、専属神や従属神達も女性ばかりですし、女性の世界王が定着しやすく、そして従属も女性を作れる」

パト「結果、俺の能力で俺だけのハーレム世界の完成ってわけか、とんだなろう小説みたいな話だな、いや、なろう小説の方がまだ御利巧さんだよ」

シン「10人とか100人とかのレベルではないですからね、メリアみたいな事を言って申し訳ないですが肉体関係は積極的に取って欲しいです、私達にとって意味合いが異なりますので、愛情表現というのもありますが、私達を育てるという意味でもありますから、そもそも肉体関係は一つの信頼関係を築くにもうってつけです、卑下する気持ちもわかりますが、価値観が違うとだけ言っておきます」

パト「シンまでメリアみたいな事言うんだな、それが一番幸せの形だって」

シンは頭を横にふる。

シン「それはあくまで効率の話です。主様が効率よく私達を鍛えたいならこうした方がいいという話です。私は自身で言うとお勧めはしません、価値観は違えど嫉妬等の感情はあります、特にネルは間違いなく主様に強い恋愛感情を抱いてますし、私も勿論主様が大好きです。だからこそ義務的に性行為をしてほしくない、愛して欲しいと願います、そもそも私達は強いですから力なんて求めてません、十三天の心は力よりも愛情が欲しいです、それは別に肉体関係に限らず定期的に呼んでこうして話してくれるだけでも凄く嬉しいものなのです」

パト「そうか、何処に言っても俺は男であることでしか評価されないのかと思ったよ」

シン「これは教養です、だから知識を入れた上で主様が選べばいい事です。ほかに聞きたい事はありますか?」

パトはシンから従属の強化について話しを聞けたことで満足したがもう一つ聞きたい事があった。

パト「世界王の立場はどうなんだ?」

パトはネルが世界王に進化したりと世界王というクラスに属する従属とも接点が増えた、ミールも帝園の世界王として存在している、だがそれは他の従属と同じなのか?

シン「基本は同じです、ですがネルによると、世界王に進化してから唾液交換では強化出来なくなったと聞きました。」

パト「え、そうなのか?でもネルはそんな事一言も」

シン「ネルから聞いた話になりますが、万園の神籟(しんらい)?という方が言うには、世界王は世界王を喰らうか、主本人、もしくはストレリチア様から直接恩恵を頂かないと強化出来ない、少なくとも万園関係の世界王はそうだと言っていたそうです、つまりストレリチア様から功績として世界王としての経験値を貰うか、主、ここではパト様が高濃度、相当量の精液提供で強化出来るというわけですね、勿論子宮に直接です、吸収率も考えたらこれだけの条件でやっと世界王が強化される、ただの従属よりも成長の難易度がかなり高いと見た方がいいですね」

パト「ストレリチアの恩恵っていうのは?」

シン「それは神籟様も知らないみたい、その恩恵を受けているのは万園でもたった一人の世界王だけと聞いたから、ほかの世界王は皆世界王を喰らって強化された存在であると答えたらしいわ、ネルが言われたのは「貴女は私達が出来なかった強化方法、主様からの恩恵を得て強化する方が近道、ストレリチア様が現在世界王を頻繁に作らない今、後天的な強い世界王は生まれないから」とおっしゃったそうですよ」

パト「万園も性行為を勧めるわけか、もう嫌になるな・・・」

パトの表情は暗くなる。

シン「酷い妄想と言えばどれだけ良かったか、私が主様の立場なら恐らく同じことを考えます、どの世界に言っても肉体関係を迫られる、そうしないと強い従属を手に入れてもそれ以上の強化が出来ないと強制してきているみたいなものですからね、心中お察しします」

パト「何かいい方法はないのかな、例えば血液とか!」

シン「致死量に至らなければいいですね、ですが性行為が無理ならそれも致し方ない決断です、ですがそれは危険な橋です。血液だってしっかりと主様の体内で生成された高濃度な遺伝子情報が入った血液が必要となります、つまり回復しながら血液を与えるのは不可能なんです、何故なら回復で生み出した血液は瞬時に身体を強化して作り出しているものであって濃度が高くありません、勿論精子だって透明なものに意味はないです、しっかりと白い事が前提です、つまりは高濃度で無ければならない事が条件です、血液ならばかなりの量を取られます、ですがまだ楽ではありますね、ですが貧血だったり、身体が弱る事は免れません、それに比べ性行為による精子提供はおおよそ3回が限界でしょうが、命の別状がない上に身体的不調になる事もありません、すみません何度もでも結局のところ皆さんが勧めるだけの事はあるのです」

パト「選択肢はあってもそれを選ぶか否かは話は別って事か」

シン「そうです、毎日キスをして唾液を与えるよりも1回の性行為、血液1リットルを提供するよりも1回の性行為、この際汗や尿、涙でもいいですよ、ですがそれらを一定量飲むよりも1回の性行為、全て性行為1回に勝る効率的手段が存在しないんです、むしろそれが主が男、従属が女の関係だけが許された最大級の利点と言ってもいいです」

パト「・・・ありがとう!いい勉強になったよ!」

パトはシンの頭を撫でながら褒める。
シンは顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに身を委ねる。

パト(・・・どいつもこいつも結局は身体かよ・・・いちいちこんなことで腹を立ててる自分が本当に気持ち悪い、周りが求めてるんだから協力するという形でやればいいのに・・・こうやって俺の気持ち一つで皆を困らせてるのが現状っていうのがわからないのか?本当反吐が出る)

これはパトがEDになる要因になった一つのきっかけ、
【肉体関係こそが全従属が求めている事である】という事実。

patopatoblog at 20:26|Permalink

2025年12月07日

No.196 召喚士最強

地球防衛軍第五部隊はギルドを起ち上げた。

それはロイドが発案し、実現させたプロジェクトであり、世界で防衛軍に入ってはいないが力を持つ者の力をなんとか防衛軍側に貸してもらおうという第三勢力の加入を狙った案だった。

内容は防衛軍第三部隊、第五部隊の二部隊で発生した業務の外注依頼、それをランク分けして依頼する事で防衛軍隊員の安全な業務、そして今までに比べて防衛軍の負荷を軽減する効果があった。

Sランク、Aランク、Bランク、Cランク

基本はこの4ランクで仕事があり、グループや企業で登録した組織にも所属しているメンバーや組織実績によってランクを定め、受けられる仕事を調整している。

Sランクは隊長・副隊長クラスが受けるレベル
Aランクは選抜組隊員(幹部)クラスが受けるレベル
Bランクは選抜組隊員(新人)クラスが受けるレベル
Cランクは一般隊員クラスが受けるレベル

とされているためどの仕事も基本難易度が非常に高く、登録しているグループや組織、企業でも
仕事が受けられるCランク以下のDランク、Eランクが多く存在する、その時はCランクチームが格下チームを雇う事で仕事に参加出来るシステムであり、このギルドではCランク以上の組織というのは強い意味を持つのだ。

ロイドがここまで考えたのはあくまで協力者であるため死者を出してはいけないと考えたためだ。
そのため、登録されたメンバー各自にランクが設定され、仕事での役割バランスを整えるために
【職業】というものも同時に登録された。

それはまるでゲームのRPGのようなもので、剣士、治癒士、能力者等その役職の役割が出来る者を片っ端から称号を付けるシステムを採用している、そのため実力者は役職が複数ついている事が当たり前であり、仕事を受ける時もその役職持ちが何人必要等最低条件が組み込まれている事が殆どのため、複数の役職を持つ者が居て、ランクが高いメンバーが居るのは優良と判断されていた。

・・・・・・
ここまで説明してまずパトが立ち上げた組織

エウレカ探偵事務所

エウレカ探偵事務所の組織ランクはギルド最強とされる【Sランク】本来ならばクランを作って普段誰も取れない【Sランク】【Aランク】の案件を元請け受注者として格下組織を雇い共に業務をやらせるというのが本来の組織としての在り方だろう。

そして職業の話に戻る、その中で最も珍しいとされている職業、それは【召喚士】

防衛軍ギルドに登録されている召喚士は全体の約1%未満、現時点で1000人ギルド登録しているとすればたったの10人にも満たないレア職である、

元々は獣魔使い、魔物使い、日本になると式神使いの類がこの役職に選ばれる。

エウレカ探偵事務所ではパトと月花が選ばれた。

・・・・・・
パト「召喚士だけの親睦会って何をしろって言うんだ・・・」

月花「数少ないって事はそれだけ成長のきっかけ、発見が少ないって事でもあるから同職者同士で色々刺激を与えて成長してくださいって事でしょうね、でも」

パトはスティアを、月花はセキを連れていた。

その周りに居るのは獣使い、魔物、悪魔、妖怪のような雑魚キャラと言ってしまえばそれまでの生き物しか居なかった。

セキ「おい月花よ、わしはこやつらと同じ類か?月花はわしの事を犬と思っておったのか?」

セキは不機嫌そうに睨む

月花「犬なんて思ってないわ、鳥とは思ってるけど」

セキ「そう言う事を言っとるんじゃないわ!なんでわしがこやつと同系統扱いなのじゃ!酷いのじゃ!酷いのじゃ!わしはお主の守り神で今はパートナーじゃろうが!!」

月花「じゃあ琥珀かアイレでも良かったのよ?あの子達と散歩してあげるの楽しいし」

セキ「おいおい、月花よあんな理性や品性が欠ける奴らと同じ空間に置いていたら二人が危ないじゃろう、琥珀はまだ大丈夫じゃがアイレが心配なのじゃよ」

月花「セキ、あまり大きな声で喋らないで、ヘイトが私に向くでしょ、周りを下に見てるって勝手に思われて恨まれたらどうするの」

セキ「むしろ同程度と思われるくらいなら劣等感を抱いてて欲しいのじゃよ・・・」はぁ

セキはため息をつく、それを横目で見ていたパトは心の中で安堵する。

パト(良かった、スティアは基本寝ているし、こういうのに一切興味ないからセキみたいにイライラすることもないし、とりあえずこの場はなんとか凌ごう・・・ネルなんて出したら絶対にセキ所の話じゃないぞ・・・)

パトはスティアではなくネルを連れてきていたらと想像し、溜息をついていた。

召喚士A「あの、パトさんですよね、僕WCBTを見てまして!2年前ではありますが凄く強くかっこよかったです!昨年は出ていませんでしたが今年は出られるのですか?」

パト「え、ええそのつもりです、ですが今年は各国予選かららしいですね、まずは日本代表にならないといけませんからね、となるとやはり強敵は昨年準優勝の四季雪花ですかね、彼女は僕の大事なパートナーであり、相棒であり、家族ですから、もちろん月花も警戒してますよ」

パトは月花に話しかける。

月花「日本代表になれるのはたったの4枠、そしてアジア大会で16枠、ヨーロッパ大会16枠、アフリカ・オセアニア大会16枠、アメリカ大会16枠、計64名のWCBT大会だったかしら、アジア大会だったら問題ないのだけど日本大会となると凄く大変ね、パトと雪花、美魅、今年は出るかわからないけど、カナやハクも日本国籍、私を含めたとしても誰かは必ず予選落ちするしね」

パト「ソフィアも一応日本国籍だな、となると・・・はは、日本で既にWCBT準決勝レベルだな、激戦区だ」

召喚士A「いやはや、今年は大変そうですね、ですが今上がった名前って殆どがエウレカ探偵事務所のメンバーですよね、流石です、Sランクは伊達じゃないですね、パトさんも召喚士だったのは本当以外でした、ご本人がそこまで強いのに召喚獣を扱う場面ってあるのですか?」

パト「そうだね、基本僕は従属に頼ってるんだ、僕自身はあまり何もしないかな、僕がそうしたいっというより従属達が仕事を奪われるのを極端に嫌うというか、というわけであまり従属達の仕事を奪わないようにしてるって感じだね」

召喚士A「達って今頭の上に乗っている子だけじゃないですか?!えっと、あまり詮索するのはご法度なのは理解してますがその・・・その子は実力で言うと何番目ですか?」

パト「考えた事なかったですね、ですがこの子自体は相当強いですよ、かなり上の部類ですね」

召喚士A「そうなのですか、あ!これ使ってみます?」

召喚士Aはパトに万歩計のような機械を渡した。

パト「これは・・・」

召喚士A「召喚した生物の力量を計る機械です、人間のオーラと違ってこれは総合戦闘力を見る機械らしくて、数字は思った以上にシビアだと聞きました」

召喚士Aは自分で精霊を召喚した、その精霊は風属性の光の粒のような存在だった。

召喚士A「僕は恥ずかしながら・・・戦闘力21です、ランクはEです、ですが風魔法は素晴らしいものですよ!」

パト「おお~~」
月花「おお~~」

パトと月花は面白そうだと思い、セキに提案した。

月花「セキ、やってみたら?」

セキ「わしがこれを?おい月花よ・・・」イライラ

召喚士A「え?!まさかそこの女性の方、四季月花さんの召喚した方なのですか?!人型?!凄すぎる?!」

召喚士Aは驚く、そしてその声を聴いて周りも動揺する

召喚士B「あの人が召喚した生物?!人でしょ?!」
召喚士C「いやいやありえないって、でもいいなぁ~」

パト(やっぱりセキは目立ちすぎじゃないか・・・月花)

月花(他の子の方が大問題よ、フォティアとかリアの方が人型ドラゴンってファンタジー感強いからね)

パト(でもなんか話題を持っていかれたみたいでなんか悔しいな)

月花(パト、今でもこういうのでスゲーー!って言われるの好きだしね~、ネルでも出したら?)

パト(いやいい、そもそもミーエル、エテル、美魅がその従属ですって言えば終わる話だしな)

パトは変な所で目立つのは嫌がった、というのが自分よりも従属の方が優秀と思われるのがプライドが傷つくため、ほかの人達にそれだけは伝えたくなかった、実際は自身よりも強い従属だらけなのだが。

召喚士A「あの、ぜひこの戦闘力測定器を当てて貰えませんか?比較してみたいです!」

月花「いいけど、これって最大値はいくら?」

召喚士A[9999が限界みたいです、人とは違いますからね」

月花「セキ、とりあえず壊しておきなさい、牽制しておきましょう」ボソボソ

セキ「パト坊に話題を向けないためじゃな、いいじゃろう、ならわしがちょっと驚かしてやろうではないか!」

セキは戦闘力測定器に触れ、力を込めた、すると即座に数値が9999と表示された。

召喚士A[9999?!カンストですか?!ここに居る大体の人で最高は156だったのに・・・」

パト(まあ、当然だろうな、うちのスティアならもしかすると500くらいで済むかも、全然強化してないし)

月花(そうね、でも大丈夫でしょ、なにせもう話題はセキに向いてるからここからパトに向く事なんて)

召喚士B「まさかパトさんの従属もそれくらい強かったりするのですか!」

パト(うわ、全然駄目じゃん、でもいいか、今のスティアなら!)

パト「そうだね、でもうちの子は今寝てるし、そこまで期待しない方が・・・」

パトがそう話しているとスティアが起きた、そして運悪く、空腹で人型の姿に戻った。

スティア「主様!お腹空いた~~!ご飯~~!美味しいお肉をご所望~~」

召喚士B「獣人?!いや、これは・・・まさか神獣?!」

場がどよめく、パトは困惑する、スティアに事情を説明するまえに召喚士Bはもう一台の戦闘力測定器をスティアに持ってきていた。

召喚士B「あの!これを持ってもらってもいいかな?」

スティア「んん?なにこれ?」

パト「おいおい!勝手に僕の従属に接触は・・・」

スティアが戦闘力測定器を持った瞬間数値が9999と表示されたが煙が噴き出し、爆発した。

スティア「あれれ~~?壊れた?」

召喚士B「はわわわわわわ・・・・・・」動揺

パト(やってしまった・・・とりあえず勝手に渡した事について注意を)

月花「すみません、パトがしっかり躾をしているとは言え貴女に何かあればパトの責任になります、不用意に他人の従属に触れるのは辞めてください。」

月花は真面目な顔で相手を睨みながら注意する、
さっきまでざわめいていた召喚士達の空気が変わり、大人しくなる。

召喚士B「すみませんでした・・・」

パト「ちなみにこの事は内緒にしていてくれ、僕達は召喚士の職を与えられたけど召喚士として仕事をするつもりはないんだ、これはあくまでこの場だから連れて来ただけですので」

パトが周りに口止めをしようとする横で声がした。

ネル「主様よ、むしろここでこいつらを徹底的に脅して格の違いというものを見せておいた方が面白いのではないか?」

パト「ネル?!馬鹿お前なんで出て来た?!」

ネル「馬鹿とはなんだ主様よ、随分な挨拶だな、私が出たら主様がここに居たのだろう、まあ状況は案の定大体把握しているわけだがな」

ネルはニヤニヤしながら召喚士Aの元に歩く。

ネル「それを貸せ、私は主パトの無限に存在する従属の中で最も愛用されている最強の従属だ、お前達みたいなゴミと主様との格の違いを徹底的に教えてやろう」

ネルは召喚士Aの持つ機械に指をさす、それだけでその部屋にあった全ての測定器を破壊した。

召喚士A「ふ・・・触れても無いのに・・・全てをカンスト破壊・・・ば・・・化物?!」

ネル「ああそうだ、思うだろう?私のような化物が居て、お前達を見る時の感想は何か?それはゴミがどれだけ集まってもゴミだ。戦力になりやしない、ゴミがデカいか小さいかの違いだ、全てちりとりの中にしまい込めば違いもわからん、私からすればそれだけの事だ」

ネルは召喚士A含むその場に居る召喚士達にドヤ顔で語る。

パト(詰んだな・・・後でネルには説教だ・・・)

月花(パト以上に目立ちたがりが居るのを忘れてたわ・・・)

二人は頭を抱える、セキも溜息をつくが今この場において誰もネルを止める事は出来ない。

ネル「おい雑魚共、お前らのゴミを出せ、やる気ある奴から私に掛かってこい、相手してやる、ただし、私に近づける奴がいるかどうか・・・いた?!」ぽかん!

ネルは後ろからパトに殴られた。

パト「威圧するな、事情を知っているなら大人しくしていろ、なんで親睦会なのに悪目立ちしなくちゃならないんだよ」

ネル「相変わらず小者精神の主様よ、ここはお前らと自分達では格が違う、だから不可能だが精々私達のように使えるゴミになってみろくらいは言ってみせろ、これだから主様はダメなのだ」

パト「だ~か~ら~!そういう場じゃないって言ってるだろう!」

スティア「ネル~~、私お腹空いてるから後で良い?」

ネル「仕方ないな、それではここらのゴミに実力差を見せる前に飯にしよう!時間の無駄は止すんだ主様よ、こいつらが生涯鍛えたところで今の主様にも届かない、従属だって所詮はあのおもちゃの数値で1000くらいが精一杯の奴が一人くらいでるだけだろう、ゴミだ、少なくとも帝園の一番雑魚でもあんなおもちゃの数値なんてすぐにカンスト破壊可能だ、いつまでも庶民の娯楽に付き合ってる暇はないぞ」

ネルはスティアと共に食堂に向っていった。

・・・・・・
パト「本当に最悪だ、ほかの召喚士達やる気をなくしてなかったら良いんだけど」

月花「まあいいんじゃない、どうせライバル企業になってたかもしれないし、レア職を持って居たらレアな仕事も負かしてくれるかもしれないじゃない!でもレア職の召喚士が居なくなれば仕事独占!いいお金になるわ♪」

パト「はぁ、僕は普通に仲良くなって終わりたかったのに、戦闘面で役に立たなくても情報面で役に立つと思ってたのに・・・これじゃあ僕だけハブられるよ」

月花「まあ、あれね・・・どんまい♪ネルにちゃんと事情説明してなかったパトも悪いって割り切るしかないわ」

パト「そうだよな、うんありがとう、とりあえずネルには説教だな)

パトは疲れた背中を月花に向けながら食堂に向った。

月花「でも本当パトは大変よね、力をつけるために帝園の従属を倒す、だけどそれで契約が完了するからパトが扱う従属の数が増える、しかも帝園は毎日従属を数えきれない数生み出しているみたいだから
サボっちゃうと後々大変だし、従属の軍隊を扱う世界ってよく言った物ね」

パト「倒すだけが条件じゃないにしても大体が倒したら契約してやる、認めてやるみたいな奴ばっかりだから友情ゲットみたいな奴は本当稀だな、最初が、というかスティア、エテル、ミーエルがただただおかしかったんだなって思い知ったよ」

パトと月花は二人で待機室話していた。
ネルとスティアの帰りを待っているのもあるが騒動が治まるまで時間を空けていた。

パト「さて、どう説明するか・・・」

パトと月花は元居た部屋に戻る。

・・・・・・
召喚士A「パトさん!四季さん!すみません!気を使わせてしまって」

パト「いえ、僕も申し訳ありません、彼女は凄く生意気といいますか、強さ故にって所がありましてですね、僕自身あまり彼女をこの場に連れて来たくはなかったのです」

召喚士A「いえ、こちらが詮索したのが原因ですし、むしろ彼女クラスの相手にあそこまで言われても正直納得という言葉しかありません、もちろん私達の従属が弱いというわけではなく、彼女程の実力者の前では弱者は無力というのはこの世界に居る以上誰もが認識している事です。もちろん悔しいから努力もします、世界は広いんだって思えました、いい機会を与えて貰って感謝です」

召喚士B「私も申し訳ありませんでした、テンションが上がってしまって・・・」

月花「私達の従属は強いが故にどこでどのように一般人や貴方方に支障をきたすかわからないので、お互い気を付けていけたらそれでいいですよ」

全員が謝罪しあい和気あいあいと従属達の話で盛り上がっている所に再度ネルが帰ってくる。

ネル「主様よ、どうだ?雑魚共を一掃してやるが話はついたか?」

パト「ネル、それ以上言うと本気で怒るよ、礼儀と作法は弁えろ」

ネルはため息をつきながら笑う。

ネル「まったく最近の主様は暴君が足りないな、シンみたいになってきてるぞ、まあそれでシンの適正値が上がるなら別にいいが、中途半端な心変わりなら私も異議申し立てはあるぞ」

ネルはそう言いながら近くの椅子に座り、全員を眺めていた。

セキ「何故わしの隣に座るのじゃ」

ネル「従属はここに座るルールなのだろう?なら私がここに座っても問題ないだろう」

ネルは腕と足を組みパトを見つめる。恐らく本気で怒ると言われ少し拗ねているのだろう。

パト「本当にすまなかった、それじゃあ従属について話そうか」

パトは召喚士とされる人達に従属との向き合い方や共に戦うについてを話した。
結果を言えば次元が違い過ぎてまったく参考にならなかったというのが最後のオチとなった。

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2025年11月10日

No.190 ヤクザの道 サン

サンは迷っていた。

まずパトがエウレカ探偵事務所を起ち上げた時、サンとカロは一緒に地球に来ていたが二人はエウレカ探偵事務所に所属しなかった、パトがそれを拒んだのだ。

結果サンとカロは各自住まいと就職先を見つける必要があった。

だがサンは普通に働く事が出来ないのは既に理解していた。
結果自身の力を存分に発揮出来る極道の道を選んだ。

・・・・・・

太陽組

サンが立ち上げた組織だ。

そもそも極道は何をするのかわからなかった。
どうやってお金を得るのかもわからないし、暴力でどうにかこうにかしていたとしてもそれで生活が出来なければ意味がない。

サンは極道系の動画を見た。

覚せい剤密輸販売、賭博や夜の店の用心棒代、民事介入のよる暴力行為や企業対象暴力等、基本暴力で物事を解決する、変な客が集まりやすい店や商売で身を守るための用心棒として働く事で資金を得る。

詐欺行為もあったり、団体からの上納金、テナント貸し借りや土地の貸し借りで得た収入もあったりするらしい。

サン「成程ね、ならまずは資金調達をして土地と空いているビルを徹底的に買うしかないね、漫画を見ると大体各町にはヤクザの島つまり、テリトリーがあるから勝手な事をしたら目をつけられて酷い目にあうと、そこで紛争があったりと揉めたりとか色々問題が発生する・・・うんうん物騒なのは嫌いじゃないよ私は」

サンは早速資金を調達をしたいが得られる手段がないため奪う事にした。

・・・・・・
まずはエウレカ探偵事務所が立っている街の拠点を構えるヤクザ、登龍組に喧嘩を売った。

サン「ねえねえ、この組私にくれないかな?」

組長「ああ?姉ちゃん、あまり馬鹿な事言ってると酷い目にあうのがわからんか?若さにかまけて馬鹿してるもんちゃうで?」

サン「いいから、暴力でわからせたらいいんでしょ?銃でもなんでもするといいけど、そんなので私を殺せるかな?」

サンは銃を構えるように手を組長に向ける。

サン「こんなことだって出来るんだよ」

サンは指から赤い光線を放つ、だがそれは細く繊細で組長の横をすり抜け壁を貫通した。

組長「何をしたんじゃ?」

サン「うしろ見なよ」

組長は後ろを見る、するとそこに小さな穴が綺麗に空いていた、まるで元々そこに穴が空いていたかのように自然と。

サン「まあかなりの高熱で溶かしたからね、穴をよく見たらわかるけど溶かした後も何もないでしょ?これは私の繊細な技術の賜物なんだ、だから証拠なんて一切残さないよ」

組長「脅しのつもりか?」

組長はサンが空けた穴を眺めながら問う。

サン「うん、組員は何人?喋ってくれた方がいいかもよ、もし喋らないと私が今把握している12人の組員全員脳だけ綺麗に焼いちゃうかも、喋ってくれたら組長の言葉を信じてその人数分だけ殺してあげる、0人とか馬鹿みたいな事言ったら問答無用で全員殺すけどね、居なくなってくれたら私がここで商売出来るわけだしね、よく言えば君達が私の配下に居てくれた方が色々楽出来るからいいんだけど?」

組長「俺らにここまでの脅しとはええ度胸じゃのう、どっちかが死ぬまで殺し合おうや!!」

組長は視線の合図を出すと横の部屋から組員が一人現れサンに銃を放つ!

だがその銃はサンに届かずに溶けて消えてしまう。

サン「だから言ったでしょ、多分そこの組員能力者だね、普通の銃にしては威力が高かったけど、結局は鉄、私の高温に耐えれないと思ったよ」

サンのオーラは特異体質であり、オーラには強い熱が込められており、それに触れるだけで跡形もなく溶けてしまうのだ。

だがサンはオーラ技術も高く、薄い膜のようなオーラを身体に纏っている、それだけで大抵の攻撃は防ぎきってしまう、先ほどの銃もサンの薄いオーラに触れただけで跡形もなく消え去ってしまった。

サン「私のオーラは特殊でね、ちなみにその穴をあけたのも能力じゃなくてただのオーラ、君達如きに能力を使うなんて弱い者イジメが過ぎるだろ?オーラでも過剰なのに、でも暴力で納得させたらそこから治療させないといけないし手間じゃん?だから今この段階で納得してくれると助かるわけなんだけど」

サンは笑いながら組長に問う。

サンは普段は礼儀正しい、だがスイッチが入るとどんどん口調が悪くなる。そして私から僕に変わった時が真骨頂、皇園の従属No.1サン・ソレイユの本性が現れる。

組長「撃て!どんどん撃てやボケが!!」

組員は銃を連発する!そして撃ち終えたと思えばサンに向って蹴りを入れる。

サン「馬鹿が」

銃は全て溶けた、そして組員がサンの顔に蹴りを入れようとした瞬間組員の足がサンに当たる部分のみ全て溶けたのだ。

組員「ぎゃあああああああああああああ!!!」

組員は傷みでのたうちまわる!だがその傷口からは血は一切出ていなかった。

サン「止血はサービスだよ、血で汚れたら掃除が大変だ、【僕】は掃除が嫌いなんだ」

サンはそう言いながら地面でのたうち回る組員を見下し、冷たい目で喋る。

サン「こいつは使い物にならないなぁ、死ね」

サンはそういうと一瞬で組員を跡形なく溶かし尽くしてしまった、まるでそこには何もなかったかのように一瞬で

サン「こうやって証拠も何も一切残らないんだ、どうする?あ、僕のオーラは特殊って言ったんだけどもう一つ効果があるんだ、それが気配が消えるって所でね、写真や映像に僕は映らない、そして僕がもっとこのオーラの火力を上げたら僕も透明人間のように消える、もちろんその状態で僕に触れれば溶けて死ぬ、理不尽だよね?でもそれが僕だ」

サンは組長の元に歩く

サン「さあ選べデブ、僕についてくるか、消し炭になって一生見つからない行方不明者となるか・・・まだ海に沈む方がいいんじゃないか?」

組長はサンの威圧に負け、屈した。

組長「好きにせえや、せやけどお前が組員一人一人説得せえ、俺は関与せえへんからな!」

サン「非協力的だな、お前が出来る事なんて組員に威張り散らして仕事させることだろ?それを放棄するならお前要らないぞ?」

サンは組長に近づき手をかざす、その手が組長の腕に触れようとした瞬間腕がドロっと溶けだした。

組長「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」

サン「痛いねえ、今火力下げたんだ、弱火でじっくり、料理が美味しく頂ける秘訣だよね」

サンはじわじわと腕に手を近づける、組長は傷みで表情が歪みながら声に出してサンの言う事を聞く事を誓った。

組長「わかった!俺が全部なんとかする!!だからやめてくれ!!!!!!!!」

サン「うん!素直でよろしい!じゃあ私は帰るから次の日までに説得よろしく!あ!私の事を反対する馬鹿が居たら明日呼んでおいて!さっきと同じ拷問するから」

サンは笑顔で登龍組を後にする。

・・・・・・
次の日

サンは登龍組に足を運ぶ

サン「それでこれで全員?」

組長「全員ついていくと決めました、今後もよろしくお願いします!」

サン「うんうん!良い返事が聞けて嬉しいよ!じゃあ私は次の組潰しに行くからここでいつも通り営業してて」

組長「え、まさかどんどんエリアを増やしていくつもりですか?!」

サン「当然でしょ?こんな小さな島で満足してたら主様に怒られちゃう、どうせなら日本全土を踏破して上納金を貰う方が楽でしょ、私にヤクザの仕事とか向いてないし」

組長含め組員はサンの言葉を聞き恐れたという。

組長(こいつ頭がイカれてる、汚い事に手を出すよりもワイら脅して上納金貰って悠々自適に過ごす方が楽なんてそう簡単に言える言葉ちゃうで・・・怖い奴が現れたもんや)

サン「さて、まず登龍組は月売り上げの2割私に上納してね!優しい値段でしょ?私を怒らせて上納金増やさせないでね?潰れても私、困らないから」

サンは可愛い笑顔のまま扉を閉める、机の上にはサンが作って間もない口座番号が書かれた紙が置かれていた・・・。

patopatoblog at 02:54|Permalink

No.189 玲瓏(れいろう)とカロ

万園(オールエデン)には世界王が現時点で27名在籍している。

サンとカロは万園に入るための修行期間として一時的に万園の一部の世界で面倒を見ているが基本は
パトの傍に居させている。

用事がなくてもパトと共に過ごせば適正率も上がるという考えあっての事だった。

パトがエウレカ探偵事務所を起ち上げた時、サンとカロはエウレカ探偵事務所には入らなかった。
それどころかパトと一緒に過ごすわけでもなく、各自活動をしていた。

サンは現在現実世界で自分に適正がありそうな職を探していた。

そしてカロは現実世界で研究員として働けば貢献出来る、だがその信頼度がなくどこの研究機関にも落とされてしまった。

結果的に万園で世界を創る事に集中していたのだが、それも上手くいっていないかった。

・・・・・・
カロ「カロの世界、それはいったいどんな世界なのか、どんな世界がいいのか、悩むなぁ」

カロは考える、そして試行錯誤しながら世界を形成していく、世界を創る時オーラを膨大に消費する、そのため一日に出来る作業量は決まっている、だが考えや構造に行き詰まるともちろん作業も止まる、結果的に一日分全部のオーラを消費した事が今までに一度も無かった。

カロが試行錯誤していると一人の世界王が姿を現した。

玲瓏(れいろう)、万園に所属世界王で円卓の王第八席に属する王

彼女は音を支配する世界王であり、歌姫系統の究極最終系に属する、言わば月詠琴歌や琴歌の世界王ソラリアの最高位に位置する存在である。

玲瓏「おや、世界づくりに苦労していますね、何か助言を差し上げましょうか?」

カロ「えっと・・・心遣い感謝します・・・貴女は?」

玲瓏「私の名は玲瓏(れいろう)この万園の世界王で円卓の王第八席です、よろしくお願いしますね見習いさん」

カロ「あわわわあわあわ?!?!」

カロは圧倒的格上の存在に同様を隠せなかった

玲瓏「慌てないで、私は別に貴女を咎めたりしないわ、頑張ってると思ったから少しでも助言が出来たらなと思っていましてね」

カロ「ありがとうございます!でも今まで会ってきた中で一番偉い方だったので、たしか玲悧様で第九席でしたよね、花姫様で第十二席、はわわわわわ~、やはり役割も凄いのですか?」

玲瓏「私の役割は万園に属する世界がパト様や万園に悪影響、過剰影響を及ぼす可能性がある場合、規制もしくは助言するのが役割、つまりは規制官です」

カロ「という事は私の世界の世界王、リエル様が何か問題を起こそうとしたら規制する役割ってことですよね?」

玲瓏「立場的にはそうですね、ですが私は乱暴を好みません、大体は私の言う事を聞いてくれますので助かりますよ、争いは百害あって一利なしですからね」

カロ(珍しい、この世界で平和主義の人が居るなんて、しかもカロからみても常識人に見える、大体個性派揃いで苦労しそうだなって思ってたのに、なんか安心したかも)

玲瓏「それで世界作りで何か困りごとでも?私で良ければ相談に乗りますよ?」

玲瓏はカロの横に正座で座り、カロの顔を覗き込む。

カロ「えっと・・・自分の世界というのがイメージ出来なくてですね、そもそもカロってどんな世界を求めてるんだろうって考えてたら全然手が動かなくて・・・」

玲瓏「成程、自分の事がわからないから作業が進まないと、カロさんは波動に特化した方ですよね、でしたら波動に満たされた世界を作っては如何でしょうか?」

カロ「一番に考えました、でも波動、つまりオーラなんですけど、想像が出来ないんです」

玲瓏はカロの悩みについて一つ提案をする

玲瓏「ならばオーラで全てを満たしてしまえばいいのですよ、そしてオーラで何でもできる世界を創る、それって凄く面白くないですか?」

カロ「オーラだけで全てを作る世界?」

カロは想像してみる、だがいまひとつピンと来ていなかった。

玲瓏「例えばカロちゃんが日頃から過ごしている環境、それらすべてをオーラで作り上げられた世界を創るとしましょう、そしてオーラを永久的に作る機関も作ってしまえば貴女はオーラを枯渇する事がない無限にオーラを生成出来る世界を持つ世界王になれませんか?そうですね、もっとわかりやすいイメージで言えばお菓子で出来た家です!」

カロ「それならイメージ出来るかも!」

カロはお菓子で出来た家をイメージした、そしてオーラで世界を形成していく、カロはオーラを創る技術を既に持っていたため、それを形として具現化、それらを世界に各地に置く事で無限に湧き出る水の如く世界にオーラが満たされ形が形成されていった。

玲瓏「いいですね、オーラが無限に形成されれば早ければ一日で世界を創る事も現実的になりそうですね」

カロ「ありがとうございます!凄く助かりました!玲瓏様のおかげです!」

玲瓏「カロちゃんは現実では何をしているの?パト様との関係は上手くいってる?」

玲瓏はカロの現状を聞く

カロ「ううん、多分性格とかは凄く合うんだけど、やっぱり日が浅いというかお互いが寄り添うタイプじゃないから全然接点が無くて・・・今回もカロとサンは強すぎるから基本的に自由にしててって言われちゃって、でも現実世界でやりたい事がないというか、あっても全然やらせてくれないしそんな資金もないしで・・・困ってたりします」

玲瓏「そうなのね、だったら私の所で働かない?私こう見えて毎日現実世界に出てるの、私自身がっていうより、もう一人の私がって言っちゃうとややこしくなるよね、簡単に言うと私は万園の玲瓏、そして現実世界で密にパト様に恩恵を与えれるように人間の肉体として活動しているもう一人の私が存在するの」

カロ「二人の玲瓏様が同時に行動しているってこと?」

玲瓏「そうそう、でもこっちの私は疲れる事は一切ないんだけど、現実世界の私は人間の肉体と同じだから万園の私の感覚で働いてたりすると過労で倒れちゃったりするの、だからカロちゃんが私の助手として現実世界の私を甘やかしてくれたら助かるなぁ、研究員として雇いたいけど多分分野が全然違うから」

玲瓏は少し遠慮をしたような態度でカロに話す。

カロ「玲瓏様が現実世界でやっている事はなんですか?」

玲瓏「私がやっているのは詠唱術開発と販売、例えば私が作った詠唱がこもった玉、それを持ってオーラを込めるだけで私が詠唱として埋め込んだ能力が発動するみたいなね、物じゃなくても詠唱を乗せた本とかもあってね、その本を持って詠唱をすることでオーラがあればだれでも詠唱に埋め込んだ能力を扱う事が出来るの!まるで魔法みたいでしょ?」

玲瓏は何もない空間から自分の制作した本を取り出す。

玲瓏「この本の場合は全120ページ、つまり120個の詠唱が描かれていてそれを音読するだけで120種類の能力を扱えるの!」

玲瓏は本を持ち1つの詠唱を唱える、すると本が光りだし、そこから8連撃の炎が飛び出して来た。

玲瓏「コントロールや火力もこの詠唱で全て調整してるから詠唱とオーラを込めるだけで誰でもそれなりの能力を扱える優れもの!ただもっと火力を弱めたいとか強めたいとか、さっきのは8連撃だったけど4連撃でいいとか、そういう微調整は無理っていう欠点があるのよね、でも扱えるだけマシってところかな」

カロ「凄い技術ですね・・・」

玲瓏「一番便利なのはやっぱり本かな、【炎の書】だったら100ページ分で100パターンの状況に合わせた詠唱を入れてるの、現実世界で日本円だと大体1000万円くらいかな、ちょっと相場がわからないからとりあえず1000万円にしたけど、無能力者や能力者が他の能力を扱えるなんてロマンがあると思わない?」

カロ「カロもそう思う!凄いよ!」

玲瓏「商品を買ってもらう時は一応私と面談をして誰でも買っていい状態にはしてないの、あとはオーダーメイドで魔法書を作ったりもしててね、でも毎度詠唱を読むのは手間だって人向けに最初に見せた詠唱球を売ってたりするの、手のひらサイズだったり、銃の玉サイズにして専用の銃に装填して撃つだけでその詠唱が発動したりね、即効性がある分こっちは人気があるかな~」

カロ(この人、凄い研究者気質だ!カロと凄く話が合いそう!)

カロ「カロもそこで働きたい!カロはオーラの研究をしているんだけどもしかすると消費者に求めているオーラを使わずに詠唱球や詠唱書を扱う事も可能かも!」

カロは空中にオーラを使って絵を描く

それは本の裏側等にオーラ充填用スペースを設け、そこに回数分のオーラを詰め込む事で使用者はオーラなしでも詠唱を扱えるというものだ

先ほどの拳銃タイプも装填部分の他にもう一つオーラを蓄えるタンクを備える事でオーラを必要とせずに撃ち続ける事も可能、それどころかオーラを上手く扱えれば連射も可能だったり、銃や詠唱書の反動を抑える役割も担えると語った。

玲瓏「凄いわね、オーラの専門家が加わるとここまで多くのバリエーションが増えるなんて、面白い!ぜひ私の研究所で働いてほしい!もちろん自分の好きなタイミングでいいわ!給料は働いた分出すわ!どうかしら!」

カロ「よろしくお願いします!」

玲瓏とカロは握手を交わす、そしてカロの就職先と師匠が見つかった。





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2025年11月09日

No.187 美魅の挑戦【鬼下民】episode3

美魅「帰ったで」

美魅はただそれだけ報告すると疲れた表情のままその場に立つ。

パトはその美魅を見て質問する。

パト「苦しいか?」

パトから見て美魅は自分よりも弱い相手、無抵抗な相手に一方的に攻撃するのは気が向いていないのではないかと感じていた。

美魅「はあ?うちは全然問題ないわ、それにまだ39ポイントやで、まだまだ殺さな出世なんて出来へんのや」

パト「そうか、美魅、非情になれとは言わない、思う所があるならそれと向き合う事だ、無視していいものじゃない、普段の訓練に比べて疲れる原因は何か?現場での緊張、ストレス、果たしてそれだけなのか、もしくは他の要因があるのではないか、そう考えていくんだ、今の美魅を見ていると日頃の訓練よりも疲れているように見てたんだ、勿論本番だからっていうのもわかる、だがあいつらは俺と普段訓練している美魅にとって疲れる相手だったか?俺はそんなに弱いか?」

美魅はパトの言葉を素直に聞いていた。

美魅「・・・疲れたのは別に気を使ってたからやない、そうやな・・・」

美魅は自分の今の状況を考える、どう言葉にすればいいのか考えている様子だ。

美魅「別に個々を襲う時はこんな感情にならへんかった、確かに隠密で気をかなり使って疲れていたのはあった・・・せやけど今回はどこか違う、集団相手を殺してうち一人がその場に立っていた、その現状が凄く・・・孤独に感じたんや」

美魅は自分の気持ちをなんとか言葉にした、そして出て来た言葉が【孤独】。

パト「孤独か、言い得て妙だな、確かに強者は最終的にはその場で孤独になる、そうか、美魅にとってその殺戮の現場は祭りのように高揚していた、そしてそれが終わり、自分だけしか残っていない現状を知って一度冷静になり疲れが出た・・・なのかな」

旅行やテーマパークに行った時の状況に似ている

人は何かをして楽しんでいる時、疲れを感じにくい、だが一度遊び終え、家、主に自分の肉体や精神が休まる場所に戻った時に疲れが一気に出て来る感覚、脳のスイッチが切り替わったような虚無感や脱力感、美魅はその感覚に近いと言った。

パト「美魅、今日はもう休め、明日別の場所に向おう」

美魅「どこで休むんや、第十一園は休む場所なんて・・・」

美魅は自分で喋っていて途中で気が付いた。

美魅「いや、あるな、うちが殺したこの村の家が・・・」

パト「そうだ、美魅、もしお前が望むならこの村は美魅の物になるんだ、それだけの強さと戦いを繰り広げたんだぞ、美魅が」

美魅は眼を見開く。「ここ全部がうちの好きにしてええんか・・・」とボソっと呟く。

美魅「・・・とりあえず休むで、うちはもう疲れたんや」

美魅は村で一番綺麗な建物を選びそこで休む事にした、
それは元々住んでいた鬼族が美魅を殺すために抜け出した家、だからこの家に死体や返り血はない、
だがパトや美魅にとってこの家はボロ屋であり、とてもじゃないが衛生面が整っているとは言えない家だった。

美魅「ここで風呂に入るなら水を布に浸して拭くしかないで」

美魅は家の中にある比較的綺麗な布をパトに手渡す。

パト「じゃあ先に美魅が身体を拭いておいで、かなり疲れてもう寝たいだろ?」

美魅「そうやな、主も別に家の中ならどこででも拭いててえんやで、シャワーとか湯舟とかないんやからな、そもそも溜めて置ける水だって満足にない、綺麗な水なんて貴重品なんや」

パト「ああ・・・」

パトは美魅にそう言われると個室に入りそこで身体を拭く。

・・・・・・
パトと美魅は身を寄せ合うように眠っている。
水で身体を拭いたため体温が下がっている二人は身を寄せ合い、お互いが向き合う形で寝る事で対応を確保しようとしていた。

美魅「うちは温いけど主はええんか?」

美魅は頭から足までパトの内側に収まっていた、パトは美魅に腕枕をし、もう片方の腕を頭を撫で気を落ち着かせていた。

パト「俺だってこういう環境は慣れてる、それに今頑張っているのは美魅であって俺じゃない、一番体力を回復してほしい子に一番休んでて欲しいんだ」

パトは美魅の頭を優しく撫でる、美魅はその手のぬくもりに心を落ち着かせ眠りに入る。

パト「・・・」

パトは考えていた。

パト(美魅は孤独と答え、俺はそれを娯楽特有の疲れと例えた、けどそれは寂しさもある、ずっと美魅は一人だった、そして俺と出会い、エテルというほぼ同じ歳の女の子の友達が出来た、帝国で学校に行かせてあげる事で沢山の友達を作ったとも聞いていた。月花の九騎神使の子達とも仲が良かったと聞いて凄く微笑ましかったしね)

だからこそパトは不安を感じていた。

パト(美魅は・・・本当は殺し合いじゃなくて仲良くしたいんじゃないかな、ここの制度の都合上どしても相手を殺さないと出世できない、そして立場が弱いままだと自分の意見すら言えず、生殺与奪も自分で選ぶことが出来ない、美魅は今その葛藤の中に居るんじゃないか、そう考えてしまうんだ)

本当は殺したくない、仲良くしたい、だけど殺さないとその夢は実現しない

そんな最悪の矛盾を生んだ現状が美魅の中で違和感として残っているのではないかと
だが美魅自身そこに気付いていないのではないかと。

パト(平和を望むために戦争をする・・・そんなジレンマと同じってわけか、これは武力による戦争だ、勝者の方針がこの国の方針になる、強い者が発言した言葉で弱い者達が無償で言う事を聞いてくれる【戦う必要がなくなる】そんな歪んだ正義が美魅の中にあるのではないか・・・と、考え過ぎか)

パトが考えていると美魅は既に眠っていた。

パト(あと何日掛かるかわからない、でも俺は美魅の主であり保護者なんだ、しっかり導いてあげないとだよな)

・・・・・・
そして数日が経過し、美魅は他の鬼下民階級の鬼達を撃破していった。

そして100ポイント取得に成功した。

パト「帝園に入って大体3週間くらいか、結構長かったな」

美魅「せやな本来なら生活しながら地道にポイントを稼ぐもんやからな、時にスピード出世を狙った奴が大量虐殺をするっていうのも珍しいわけじゃないけどな、早く済ませようとしても時間は掛かるもんや」

パト「それでどうするんだ?昇格戦、やるか?」

パトは美魅に提案する、だが美魅は浮かない顔をしていた。

美魅「うち一度だけ格上と戦ってみたいわ、正直今の内はどれだけ強いのか・・・それを知りたいんや」

パト「そうだな、正直次の階級である【鬼中民】の実力は俺も知らないからな」

美魅「鬼中民から人数が限られてくる、つまり一つ階級が上がるだけでも大出世なわけや、こんな広大な大地に鬼中民はたったの約16000人しかおらんわけや、日本の人口に直してもその狭い門やって事はわかるやろ」

パト「そうだな、そう考えたら昇格出来る鬼はたったの4万人、それに対して鬼族の総人口は・・・」

美魅「それは知らんな」

パトはミールを呼ぶ。

ミール(おおよそ9800億人ですかね、鬼族はそこまで多くは作られていませんので)

パト「9800億だって、ってことは1%未満の超エリートって事じゃないか、美魅、本当に挑むのか?なんか数字だけ聞いたらかなり強いんじゃないかって不安になったんだけど」

美魅「ビビってる場合ちゃうで!せっかく挑戦権を得られたのに次に行かんなんてアホやろ!」

パト「待て!冷静になって考えてみろ、9800億の鬼族が居て日々そこまで変動していないって事はそれだけ鬼中民の強さは秀でているって事だ、これが1億程の人口ならまだ向上心が少ないやつが多いのかって納得するけど、9800億も居てここまで殺伐とせず平穏に階級が変動しないのはおかしい」

美魅「ビビりやな、そんなもん簡単な話や100体も殺せないって事や、そもそも鬼族は頭が悪いんや、教養なんて皆無や、算数だってまともに出来ない馬鹿ばかり、1+1なんて簡単な問題も2年前のうちだったら絶対に応えられへんかった、それがこの世界の現状や、うちみたいに教養を得て作戦を立てる頭がないんや、やからとりあえず殺して、殺されてを繰り返して100ポイント溜めてをやって来てるんや、効率なんてもんこの園には存在せえへん!」

パト「そ、そうか、そんなレベルなのかここは」

美魅「そもそもここは常に食糧難や、まともにご飯も食べれへん奴が殆ど、やから共食いやって当然のように起っとる、うちはそれすらもありつけなかった、やから土を、虫を、微かに生えてる雑草を・・・食べて来たんや、弱い奴は共食いにも参加出来へん、むしろ狩られるだけや、ほんで肉体だけは治る」

パトは美魅を強く抱きしめた、当時はただの成り行きで面倒を見る形だった。
だが今は違う、あの時に美魅に出会ってこうやって保護出来て本当に良かった。

パト「美魅、今の生活は満足か?」

美魅「満足?当然や、毎日当たり前のようにご飯が出て来る、当たり前のように勉強が出来る、当たり前のように寒い時は温かい部屋、暑い時は涼しい部屋におられる、お風呂にも毎日入れる、周りに気を許せる友達がおる、それでなんで満足出来ないや?意味がわからへん」

パトは美魅を強く抱きしめる。

パト「今更だな、こんなこと今まで聞いても来なかったから全然美魅の居た環境に対して想像出来なかった、でもこうやって聞いて、美魅が満足しているなら俺は凄く嬉しい・・・」

美魅「今更何言うとんねん、でもやからわかるんや、きっと鬼中民はそんなに強くない、うちは確かに突出した力はない、所詮は子供や、真鬼縛解してやっと戦える程度や、やけど今のうちには知恵がある、技術がある、本能だけでは補う事が出来ない強さがある、多くの敗北もしてきた、多くのタイプの人と何度も戦ってきた、やからこそこの経験は実力以上の物を発揮する、そううちには確信があるんや」

パト「はは、父さんみたいな事を言うんだな、経験に勝るものはなし、かそうだよな、筋力が強くても上手く扱えなかったら意味がない、知恵だけあってもそれを行使出来るものがなければ意味がない、両方があってこそやっと力としても発揮出来る」

パトはいつもこう考えている

力が50 知恵が30だった場合、実際に発揮させる力は30程度に収まるのではないかと

力80 知恵50 だった場合は実際に発揮される実力は知恵の50に影響されて力は50までしか発揮出来ないと

アンバランスでは互いの力を存分に発揮出来ないのではないかと、パトはこの理論を常に頭の中で組み立て教育してきた。

パト「わかった、なら一度鬼中民と戦ってみろ、だけど負けそうになったら今回は俺が仲介に入る、だがそれは美魅を逃がすためだ、代わりに俺が鬼中民を倒すって事じゃない」

美魅「はあ!何勝手な!」

パト「勘違いするな、美魅を守るためじゃない、俺だって鬼中民の実力は把握しておきたいんだ、今後鬼族と契約をするとなれば最低でも鬼中民クラスの連中を相手にして倒したい、俺の都合だ。」

美魅「主はうち以外の鬼族も仲間にする気なんか」

パト「当然だ、鬼族と契約すれば俺の身体能力が向上する、以前俺が帝園の全園の従属大量契約をした話をしただろう、その中には勿論美魅と同じ【鬼下民】の子もいる」

パトは以前契約方式が【討伐式】の従属を中心に多くの契約を得た、そして強化された

精霊族はLv.1を10体
怪人族は一般妖怪を20体
鬼族は【鬼下民】を20体
邪人族は【五等兵】を10体

それ以外で言えば
獣は4体
天使族は【天使】を10体
龍族は4体
聖人族は【五等聖】4体と【四等聖】1体
機械族は4体
魔族は6体

パトは少なくとも88体の従属契約に成功し、それだけ力も得ている、

パト「わざわざ召喚する事もないし、出してないだけでそれなりの従属は既に居る、でもこれからだって力をつける、実戦経験を得るために戦い続ける、真名開示式や任意式だって結局のところ力で屈服させてるなら認めてもいいっていうほぼ討伐式と変わらない契約だって事もわかってるしな」

美魅「なんかずるいわ・・・」

パト「でも美魅はそんな俺を超えたいって努力してるんだろ、なら頑張れ、俺も美魅が強くなれるように傍で見ていてやるからさ、そして【鬼下民】で契約した子が大出世して強くなった!って言わせてくれよ、その方が俺も誇らしいしさ」

パトは美魅の頭を笑顔で撫でる、美魅は複雑そうな顔をするが、パトの笑顔が自分にだけ向いている現状、ここまで我儘を言っても向き合ってくれる、それだけでも美魅の気持ちは充分に満たされた。

美魅(多分これが愛情って奴なんやろうな、ここが居場所なんやって身体が、脳がそう納得しとるんや、エテルも最近家族愛について考えていたって聞いてたし、うちも似たような感覚になってたかもしれんな)

美魅にとってパトは当初と変わらず憎い相手だ、だがそれ以上に我儘を言っても許してくれる、心を開ける大事な存在だ。

美魅「よし、なら探すで!うちが鬼中民を倒しても文句言うなよ!」

パト「言わない言わない、そもそも美魅で倒せるなら俺でも倒せそうだしな~」

美魅「うっざ!ええわ!ここで一気に強くなって主ビビらしたるわ!うちが勝ったらどっちの稽古かわからんなるな~」

パト「俺に勝ってから言えっての!」

パトと美魅はそう話しながら【鬼中民】を探す。

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2025年10月16日

No.185 美魅の挑戦【鬼下民】episode2

パトと美魅は準備をして帝園に入った。

パトが帝園に入るとそこには十三天の心 ノラが立っていた。

ノラ「主様、お待ちしておりました、第十一園ですね、では今すぐ案内します」

パト「話が早くて助かるよ」

美魅「・・・」パトの後ろに隠れる

パト達はノラに運ばれ第十一園の【鬼下民】達が過ごす部落で止まった。

ノラ「ここまでしていいか考えましたがいずれはこのような場所に辿り着く、そのため私が最も効率よくポイントを稼げる場所に案内しました」

パト(やだ!この子しごできだわ!(仕事が出来る人の略))

美魅「よし・・・やるで・・・」

ノラは二人を心配そうに見つめながら拠点に戻る。

パト「美魅、最初に作戦を聞かせてくれるか?」

美魅「作戦、まずは離れの民家を狙う、子供、老人を狙う、そして不意打ちや、正面でやりあって増援されたら返り討ちにあう可能性もあるからな」

パト「うん、悪くない、正面突破って言わない限りは了承するつもりだったから問題ないよ、好きにやってごらん」

パトはそう言い美魅の背中を押す。

パト(美魅に卑怯な手で勝ってほしくないって気持ちは当然ある、だけどこれは戦場であり、この園では合法、ならその手段を使わないなんてありえないだろう)

パトは卑劣な行為に対して目を瞑りながら美魅の行動を見守る。

・・・・・・
美魅はまず作戦通り一番遠い民家を狙う、気配探知はやめておく、美魅が探知するという事は相手も美魅の気配を探知する事が出来るからだ、隠密行動では表に何も出さない、これはもちろんパトから学んだ事だ。

美魅(この隠密でうちは何度も寝込みを襲われ、反応できずに首に刃を突きつけられた(もちろんおもちゃの)つまりそれだけ隠密行動スキルが高かったら実力差があっても戦わずして勝つ事が可能ってわけや、身をもって知った事や、油断はせえへん!)

まず美魅は民家の中に何処から侵入するかを調べる、物音一つ立てれば相手は勘付き逆に攻められる可能性もある、【鬼下民】はマシな所であればそれなりの家に住んでいるが、基本は木造の穴が空いたボロ屋、それはまだいい方で野宿をしていつ襲われてもおかしくない状況で睡眠をとる鬼も存在する、美魅もその一歩手前まで来ていたため、第十一園の治安の悪さは理解していた。

美魅(よし、やっぱりこのボロ屋、玄関の鍵が窓の施錠と同じ、外からはどうやっても施錠出来ない欠陥品、ほんでこんだけボロやとそもそも玄関のドアごと取れるもんや)

美魅はドアを持ちあげる、そして少しずつ揺らしながら鍵部分を解錠する、少しずつ動く、錆びているため戻る事なく徐々に解錠されていき、何度か美魅が揺らす事で完全鍵を開ける事に成功した。

そして美魅は民家に潜る、床の木が軋むため、壁側により、脚を上げずにすり足で進む、勿論、足を動かし体重をかける前に軽く確認する、そうして各部屋を探る。

すると寝室らしき部屋を見つける。
現在深夜、部屋に電気なんてものはなく、ロウソクで灯す手段しかない、そのため部屋の電気が暗く、そして玄関で戸締りをしていた段階で家の中に鬼が居る事は確実だった。

美魅(よし、このまま睡眠薬を吸わせて首をナイフで切れば完璧や)

美魅は今回のために帝国の技術開発局から気体の睡眠効果がある薬を無断で盗んでいた。

美魅(おった、あれは・・・老婆と子供か)

美魅はターゲットを確認すると作戦通りに睡眠薬を二人の口元に近づける、そして数分待ち、効果が出ている頃合いを見計らって二人の首をナイフで切る、それは派手さはなくただ無音のまま殺害が実行された。

・・・・・・
パトは美魅が動いてから1時間ほど身を潜めて待っていた。

パト(さて、上手く出来てるのかな美魅は、大騒ぎになってない所を見るにバレてはないみたいだ、でもあの美魅が隠密を選ぶとはね、でも勝つなら間違いない選択だ、美魅はまだ子供、真鬼縛解(しんきばっかい)で力を解放すれば一時的に戦えるかもしれない、だけどそれは短期決戦限定、集団相手にまったく向いていない、だからこそ子供状態でも戦える方法を身に着ける必要があった、子供の美魅はなんとて非力だ、以前まで持っていた大剣なんて絶対に持てない、今持ってる刀は軽量化してあるから持つ事は出来るけど重さが無い分持ち主の力が必要になる。美魅は非力故に軽量の刀を持ってるだけ、となると・・・勝負向けではなく自衛向けの武器という事だ・・・)

パトは考えていた、美魅を1年間面倒を見て、どう戦える状態にするか、それを考えて来たからだ。
1年経ったと言っても美魅は11歳の女の子、それは鬼族であっても変わらない、そこの認識をまず持たないと美魅は何も出来ないのだ。

そうこう考えている内に遠くから美魅が歩いてきた。

美魅「帰ってきたで」

パト「お疲れ様、どう?上手く行ったか?」

美魅「ああ、とりあえずは4つの民家を狙ったわ、どれも上手くいった、殆どが一人暮らしやったんやけど、一つだけ二人暮らしやったんや、おかげで今は5ポイント、残り95ポイント、先が長いで・・・」

パト「そうか、夜が明けるまでがタイムリミットだ、陽が上がる前だと散歩する鬼が居てもおかしくない、農家だったら尚更朝は早い、そこも踏まえてしっかり動くんだぞ、朝を迎えればすぐに襲撃の情報は村人に入る、明日もここを狙うとなれば難易度はかなり跳ね上がるぞ、既に5人の犠牲者を作ってるんだからな、後村のコミュニティは狭い、すぐに情報なんか回る、油断するな」

美魅「わかったで、今日が一番楽やからしっかりやれってことやな」

美魅はそう言うと闇の中に消えていった。

パト「本当言うなら正々堂々力比べをしてポイントを貯めろ!じゃないと修行にならないだろ!って言いたいんだけど・・・100人切りをって言われたらどうしても効率を考えるなぁ、それに美魅の弱点も考えると・・・とてもじゃないけど指示出来ないや」

パトは陽が出るころまで待った。

・・・・・・
美魅は襲撃に何度も成功していた、美魅は自分の弱点をしっかり把握出来ているため、力技を選ばない、少なくとも子供の姿では絶対に。

美魅(うちは非力や、勿論この刀もうちの非力じゃ一刀両断なんて技は無理や、せいぜい出来るのはこの刀の切れ味を生かしてゆっくりと刃を入れることだけ、でもそれを理解してるならそれでええ、しっかりやれることをやるんや)

結果的に11名の殺害に成功した美魅。

・・・・・・
パト「よし、とりあえずこの村から距離をおくぞ」

美魅「そうやな」

パトと美魅は当てもなく村を離れる、そして山の中で身体を休める。

パト「一応ここを拠点に出来たらと思って穴を掘っておいたよ、残り89人、まだまだ先は長いな」

美魅「せやな、しかもここから奇襲の件が行き渡る、警戒が強まるってわけやな」

二人は一晩を過ごす、その間美魅は休み、パトは村の方に出向き情報を集めていた。

・・・・・・
パト「うん、しっかり情報が回ってた、それで今日緊急で役員達が集まって策を練っていたみたいだ、内容までは聞けなかったけど相当警戒してないといけないぞ美魅」

美魅「ならここからは隠れてもダメって事やな、ここで力を解放して戦うしか」

美魅がそう話しているとパトがその言葉を遮る。

パト「それはまだ早い、むしろ今一番警戒されている、ならそれを利用しない手はない」

美魅「どうするんや?」

パト「今日は何もしない、だけど言葉通り何もしないわけじゃない、そうだな、遠くから民家に爆竹を投げて音を出してもいい、まずは相手の警戒を強めて疲弊させよう、投げる距離も離れてる方がいい、だから銃のようなデザインがいいだろうな」

パトはそう考えると召喚でネスを呼ぶ

ネスは第十園 妖怪族でネス工房という独自の工房で生計を立てているパトの従属。

ネス「うっす、えっと、なんのようっすか?」

パト「ネス、着弾時すっごい音がなる銃弾、それとそれなりに距離がでる銃を作ってくれないか?」

ネス「えっとなら見積もりと製作期間を」

パト「悪いけど製作時間は明日の夜までだ、それ以上は待ちたくない、後見積もりは後日にしてくれないか?俺はいつもネスが求める金額をしっかり払ってるだろう?信頼してくれないか?」

ネスは考える。

ネス「いいっすよ、ほかの従属なら逃げられるかもっすけど、主は逃げられないっすからね、あと明日までなら全然余裕っす、銃弾は何発必要なんすか?明日までなら1000弾くらいなら余裕っすけど」

パト「流石だな、だけどそんなに持てないから100弾でいいよ、ありがとうな、ネス」

パトはネスの頭を撫でる、ネスをはわわわ~っと慌てながらもパトの手を受け入れる
それを横から見ていた美魅は少し不貞腐れるが今自分に出来る事を考え、パトがそれに対して最大限のバックアップをしてくれている事を考えると我儘は言えないと考えていた。

・・・・・・
一日が経った。

パトはネスを呼ぶために基地で待機していた。
美魅は村に偵察に向っていた。

美魅「自警団みたいな連中がおるな、やけど気配的にどいつもこいつも大した事なさそうやな」

パト「油断するな、相手も鬼、美魅と同じ真鬼縛解を持ってる、あれは最も力が出やすい肉体に変化して戦う鬼族特融のスキルだろ、それは間違いなく相手も持ってるんだ、使われたら美魅だって苦戦するかもしれないぞ」

美魅「知っとるわ、うっさいな、ほんでネスは来たんか?」

パト「今から呼ぶところだ」

パトはネスを呼ぶ、するとネスの手には銃と銃弾100発分を手に持っていた。

ネス「やっと呼ばれたッス!いつ呼ばれるかヒヤヒヤしてたっすからずっと両手に持って待機してたっす!」

パト「あ、そうなの、悪いね、でもありがとう、料金はまた見積もりしてくれたらその金額渡すから」

ネス「暇だったんでしっかり見積もり作って来たっす!」っす!

ネスは笑顔で見積書をパトに渡す。
パトはそれを確認し、了承し、金額をネスに渡す。

ネス「まいどっす~~♪」

パト「ちなみにネス、素材の原価はいくらだ?」

ネス「え?あ、その・・・忘れたッス・・・」ささ

パト「またどんぶり勘定で査定したなーー!お前それ出来ないとずっと赤字経営だぞ!!」

ネス「すんませんっすーーー!!」

ネスがパトにつかまり、じたばた暴れる、そしてパトはネスに追加の金額を手に持たせネス工房に戻す

パト「いいかネス、多分本来ならこれくらいの金額にはなるはずだ、持っとけ!あと帰ったらすぐに原価を確認!いいね!」

ネス「うっす・・・ありがとうっす・・・」すぅ~~

ネスは消えた、そして準備が整い、パトは美魅にその銃弾一式を手渡す。

パト「撃つのは美魅だ、それに殺傷性はない、凄い音が出るだけだ、1日10発、それをあらゆる方向から撃つ、そして相手の警戒心を高め疲れさせる。ずっと警戒してたら精神がやられるからな」ドヤ

美魅「これどうやって使うんや?」

パト「弾を充填してここをセットして、引き金を引く、それだけだ、出来れば民家にぶつけて鳴らすのが一番だな、その方が村の中で何かが起こったって思ってくれる」

美魅「やったるわ・・・」

そして二人は夜を待つ。

・・・・・・
夜

美魅は銃を構える。

美魅「撃つで・・・」

美魅は構える、ターゲットは暗い中でうっすら灯る民家の光、それを狙い定め撃つ!

バン!!!

弾は美魅の想定の弾道を外し、民家から離れた所に着弾し、けたたましい音が鳴り響く

パ―――――――――――――ン!!!!

村が大騒ぎになったのを確認した。

美魅「なんやこれ!大分ズレたで!!」

パト「そりゃそうだ、距離があるってことはその間の空気抵抗、風の向きだってある、それらを考えないと弾道なんて変わる、そもそもこんな距離素人がどうこうするなんて無謀なんだよ、それより移動するぞ、次は別の方向から撃つ、それをそうだな5日間はやる」

美魅「ちまちましとんな・・・」

パト「俺はここでのポイント稼ぎ、美魅は子供のままクリアしてほしいんだ、子供の美魅は戦う事が出来ない弱い存在だ、ならどこで補うか、それかこういう策で地道に狙う、これだって勝利しやすくするための手段、手を抜いていいものじゃないわかるか?」

パトは美魅に教育をしながら野山を走り次のポイントに向かう。

パト「ここだ、美魅ここで撃て」

美魅「はぁ・・・はぁ・・・待てや、今息が上がってそれどころじゃないんや・・・」

パト「これも鍛錬だ、自然の野山を走るのは疲れるだろう、地面が整ってないし暗いし、障害物多いし、速度を出せば出す程障害物という情報が早く美魅を襲う、それは戦闘でも同じだ、自分が早く動けばそれだけ早い判断能力を必要とする、美魅はスピードタイプで強くなるなら判断力を高める必要があるんだ」

美魅はパトの言葉に耳を貸しながら呼吸を整え銃を構える、そして発砲、民家に命中する事なく近くの木に命中、そして再度けたたましい音が鳴り響く!!

・・・・・・
この作戦を5日間続けた、昼は帝国に戻り、夜は発砲する。

それを続けた結果成果が出始めた。

美魅「ええ感じやな、全然覇気がないで、あいつら」

パト「かなり疲弊しているんだろう、ここはあまり裕福な村じゃないしな、食料だってまともに手に入ってないんだろう、どの鬼の女性も皆細い、狩られる側の鬼だからこそって感じだ、美魅、自警団を闇討ちで狙え、後ろからだ、2人ずつくらい削れ、大体8人だからな、徐々に削って自警団を消滅させればそのまま真鬼縛解で打ち落としていい、実力者はその時には不在だろうからな」

帝園のルールで帝園内で死んだ場合、1週間後に蘇る、そのため自警団を狙うと決めた以上1週間以内に決着をつけないといけない。

美魅「わかったで、なら行ってくるわ」

・・・・・・

美魅は上手く気配を消し、疲弊しきっていた自警団を狙う、そして自警団の二人が美魅が隠れている民家の横を過ぎる瞬間、美魅はそのタイミングを逃す事ないく一人の首を切る!

自警団A「うが?!」ぶしゃああああ
自警団B「誰?!どこにいるの?!」

自警団BはAの様子を見てすぐに警戒を強めた、そして大きな声で威嚇するがその時には美魅は姿をくらませ、背後から自警団Bの首を切る、そして二人共地面に伏し、息絶える。

美魅(あかんな、いまの大声で集まってくるかもしれん、となると作戦とは違うけどここで狩れるだけ狩っておく方がええか・・・)

美魅はその場で身を潜める、すると先ほどの声を聴きつけて二人組の自警団CとDが現れAとBの惨状を見て唖然とする、だが偶然二人は同じ体勢、同じ同線に居たため美魅はチャンスと二人同時に首を切る!

自警団C「うがぁ?!」
自警団D「おのれーーー!!!」

自警団Dがもたつく足を何とか動かし美魅に反撃を仕掛ける、だが美魅は距離を取り、瞬時に懐に入ると自警団Dの首を再度切りつける、そこから出血多量で倒れる。

15ポイント。

美魅「さて、戻るか・・・」

・・・・・・
次の日

パト「自警団の人数は増えてないな、美魅が昨日二人多く倒したから今日は4人行動だ、多分離れる事はないだろうな、ということではい、銃!」

美魅「行ってくるわ」

美魅は村に降りると4人行動をしている自警団を見つける、すると美魅は少し離れた民家に向って銃を撃つ、するとけたたましい音が鳴り響く、美魅も初めて近くで発砲したためその音のデカさに驚く。

自警団4人は慌てて音がなった場所を確認する、もちろん4人居たとしても一人は確実に3人よりも後ろに立つ事になる、美魅はそこを狙う。

自警団E「うぎゃああああああ!!!」

残りの自警団が振り向くと首を切られ、血をまき散らしながらのたうち回る仲間の姿があった。

自警団F「警戒して!!」

美魅「もう遅いで」

美魅は少し離れた場所から再度一発、だが今度はそれを自警団に撃つ」

自警団F「うが?!」

殺傷性はなくともそれなりの勢いで飛んできたものが当たれば激痛だ。
そしてその弾の本来の性能は音。

パ――――――――――――――――ン!!!!!!!

自警団達「ぎゃあああああああああああああ!!!」

3人が耳を抑える、だが美魅をそこを狙う、

1人・・・2人・・・・3人!!!!!

混乱の中美魅は3人の首を切る事に成功した!

そして地面で暴れる3人の首を再度刺し、その場を離れた。


19ポイント

・・・・・・
美魅「これで自警団はおらんなったな」

パト「ああ、だけど次の行動はどうなるか、わかるか?」

美魅「わかるで、集団行動やろ、身を寄せ合って身を守る、やからうちが真鬼縛解して一気に畳みかけるって話やろ」

パト「そうだ、集団の守り状態に居たらまともに相手は戦えない、だけどこっちは狙い放題、もうこっちが有利なのは変わりない、無慈悲に全滅させてこい!」

美魅はパトに言われるまま次の日の夜、鬼達が集まる集会所を襲撃する。


・・・・・・

39ポイント

美魅「これで全部やな・・・」

むせかえるほどの血の臭い、美魅の一撃が多くの村人の頭や胴を飛ばした。

美魅(これでもたったの39ポイント、ほんまに誰も住んでないんやな)

美魅は帰る、パトの元へ。



patopatoblog at 07:22|Permalink

No.184 美魅の挑戦【鬼下民】episode1 ※設定説明あり

美魅はパトと出会った1年で強くなった。

ネルとの約束で帝国でもパト以外誰も美魅に特訓の面倒を見なかった。
パトがずっと美魅の鍛錬をしていた。

結果的にパト達が出場した第五回WCBT、その次の年に開催された第六回WCBTにてベスト16という
輝かしい結果を残した。

だがこの結果に美魅は納得しておらず負けた事でパトに無理を言って訓練を続けていた。

・・・・・・

美魅は悩んでいた、【もう挑んでみてもいいのかしれない】と。

元々美魅は帝園 第十一園の従属であり、階級は一番下の【鬼下民】

もっとも弱く、そして一番多く所属する落ちこぼれの地位でもある。

地位の決め方にはルールがあり、
鬼下民の階級達は誰かを殺す事で1ポイントが入り、逆に殺されれば1ポイントを失う。

100ポイント溜める事で一つ上の階級【鬼中民】への挑戦権を得られる。
【鬼中民】であれば誰にでも挑戦しても良く、勝てば昇級、負ければ100ポイントを失う、再度0ポイントから集める必要がある。

【鬼下民】側が勝てば挑んだ【鬼中民】と階級を入れ替わる。
そこからはピラミッド式に限られた席を奪い合い、時には死守をする。
鬼族達は己の階級を最も大事にしており、そして最も戦いを好む戦闘種族。

露草美魅は生まれてから誰にも勝つ事が出来ずにいた、それどころか負け続け与えられていた領土も奪われ、畳1枚分の領地しか存在しなかった程の崖っぷちに居た10歳の少女だった。

あれから一年、師を得て技を磨き、戦術を得て力を手に入れた。
美魅は今再度下克上を起こすべく挑戦を始めようとしていた。

・・・・・・
美魅「主、うち帝園に一度戻りたいんや・・・一緒にきてくれんか?」

パト「いきなりどうしたんだ?何か忘れ物でもしたか?」

美魅「馬鹿か、うちは何ももってへん、やからある奴らから奪いたい、つまりは挑戦したいんや」

パトは美魅の言葉を聞き、とうとう戦いの場に身を投じるのかと考える。

パト「わかった、なら一緒に行こう、俺の他に同行者は居るか?」

美魅「いらへん、あと手出しも無用や、別に死んでも生き返る、ちゃんとそういう仕組みや、うちが危ないからって庇うんやないで、これは正々堂々の殺し合いや、そこに鬼族でもない部外者が介入したとなったら末代までの恥や」

パト「そうか、わかった、ならサポーター兼コーチとして美魅を見守ってる、それで昇級までに何が必要なんだ?」

美魅「手っ取り早く言うとやな、100人【鬼下民】を殺せばええ、格上の連中殺しても同じ1点やからな、無差別に戦いを挑んでたらいつまで経っても昇級なんて夢のまた夢や、やからまずはしっかりと格下、もしくは同程度の奴らを殺す」

パト「うん、冷静だ、その判断は間違ってない、偉いぞ美魅」

パトは美魅の頭を撫でる。
美魅は少し顔を赤くしながらパトの手を受け入れる、だが目線は右へ逸らし少し居心地悪そうにパトが頭を撫で終わるのを待つ。

パト(最初に会った頃の美魅なら片っ端から戦う、相手を選ぶなんてそんな卑怯な真似は出来へん!!とか言ってただろうな、ちゃんと学んだんだな)

美魅「とりあえずいつまでも【鬼下民】じゃ恰好がつかん、いずれは最上位の階級になるんや!」

パト「そう言えば階級ってどれだけあるんだっけ?」

美魅「全部で13階級や・・・


【鬼下民】→【鬼中民】→【鬼上民】→【鬼女爵】→【鬼子爵】→【鬼伯爵】→【鬼侯爵】→【鬼公爵】→【鬼大公】→【鬼王】→【鬼親王】→【鬼皇帝】→【鬼天皇】

【鬼下民】所属数は無制限
【鬼中民】所属数は16384名
【鬼上民】所属数は8192名
【鬼女爵】所属数は4096名
【鬼子爵】所属数は2048名
【鬼伯爵】所属数は1024名
【鬼侯爵】所属数は512名
【鬼公爵】所属数は256名
【鬼大公】所属数は128名
【鬼王】所属数は64名
【鬼親王】所属数は32名
【鬼皇帝】所属数は16名
【鬼天皇】所属数は13名

昇降級条件
【鬼下民】⇔【鬼中民】
1殺害1ポイント(合計100ポイント)で【鬼中民】挑戦権獲得
相手は誰でも可、【鬼下民】が勝利した場合、昇格
【鬼下民】に負けた【鬼中民】は降格
【鬼下民】に勝った【鬼中民】は残留、【鬼下民】はポイント全剥奪

【鬼中民】⇔【鬼上民】
ランキング制 年4回
【鬼中民】上位128名と【鬼上民】下位128名が決闘
【鬼中民】が勝てば昇格、【鬼上民】が勝てば残留。

【鬼上民】⇔【鬼女爵】
ランキング制 年4回
【鬼上民】上位128名と【鬼女爵】下位128名が決闘
【鬼上民】が勝てば昇格、【鬼女爵】が勝てば残留。

【鬼女爵】⇔【鬼子爵】
ランキング制 年4回
【鬼女爵】上位128名と【鬼子爵】下位128名が決闘
【鬼女爵】が勝てば昇格、【鬼子爵】が勝てば残留。

【鬼子爵】⇔【鬼伯爵】
ランキング制 年4回
【鬼子爵】上位128名と【鬼伯爵】下位128名が決闘
【鬼子爵】が勝てば昇格、【鬼伯爵】が勝てば残留。

【鬼伯爵】⇔【鬼侯爵】
ランキング制 年2回
【鬼伯爵】上位64名と【鬼侯爵】下位64名が決闘
【鬼伯爵】が勝てば昇格、【鬼侯爵】が勝てば残留。

【鬼侯爵】⇔【鬼公爵】
ランキング制 年2回
【鬼侯爵】上位32名と【鬼公爵】下位32名が決闘
【鬼侯爵】が勝てば昇格、【鬼公爵】が勝てば残留。

【鬼公爵】⇔【鬼大公】
ランキング制 年1回
【鬼公爵】上位16名と【鬼大公】下位16名が決闘
【鬼公爵】が勝てば昇格、【鬼大公】が勝てば残留。

【鬼大公】⇔【鬼王】
ランキング制 年1回
【鬼大公】上位8名と【鬼王】下位8名が決闘
【鬼大公】が勝てば昇格、【鬼王】が勝てば残留。

【鬼王】⇔【鬼親王】
ランキング制 2年に1回
【鬼王】上位4名と【鬼親王】下位4名が決闘
【鬼王】が勝てば昇格、【鬼親王】が勝てば残留。

【鬼親王】⇔【鬼皇帝】
ランキング制 2年に1回
【鬼親王】上位2名と【鬼皇帝】下位2名が決闘
【鬼親王】が勝てば昇格、【鬼皇帝】が勝てば残留。

【鬼皇帝】⇔【鬼天皇】
承諾制 (最高責任者と当事者2名の計3名の同意の元で行われる3ラウンド2先取決闘制)
【鬼皇帝】と【鬼天皇】が決闘
【鬼皇帝】が勝てば昇格、負ければ10年間の挑戦権を剥奪
【鬼天皇】が勝てば残留、負ければ10年間の挑戦権を剥奪

【鬼天皇】1位~13位内
承諾制 (最高責任者と御神体、当事者2名の計4名の同意の元で行われる3ラウンド2先取決闘制)

挑戦権は年に1回のみ、挑まれた側は消費なし、
挑戦者は勝ったら順位入替、負けたら挑戦してから1年間指示に従う(拒否権はなし)
応戦者は勝ったら順位残留、負けたら挑戦者順位を入替、1年間指示に従う(拒否権なし)

っていうのがルールやな」

パト「よし、メモッた、成程、現実世界で言うと将棋とかの昇格戦に似てる所があるな、とりあえず美魅が目指すところは【鬼中民】、100ポイント獲得のために100人の鬼族を殺害、結構大変そうだな」

パトは美魅に拳をつきだす。

パト「だけど決心したんだろう、なら全力だ、やるぞ!美魅!」

美魅「任せえ!!」

patopatoblog at 02:32|Permalink

2025年10月10日

No.183 エテルの進化episodefinal

エテルが目を覚ますとそこにはパトが居た。

エテル(あれ、あれからあまり時間経ってないけど、どれくらい時間が経ったんだろう?それともただ朝を迎えただけ?)

エテルは脳内で考えるが答えは一瞬で出た。

月花「んん・・・」

その布団には何故か月花も居た。

エテル(主様と月花が寝てるって事は数日は経ってるのかな?何かやってたというより夜遅くなったからそのまま寝たみたいな感じかな)

エテルは狭いベッドから抜け出し、カーテンを開ける。

エテル(まだ夜、時間は深夜3時、えっと、デジタル時計に表示されてるカレンダーからするに・・・3日程経ってるね、やっぱり時間の進み方が全然違うんだね、帝園は)

エテルは寝静まった街と暗くなった街のおかげでよく見えるようになった星空を眺め終えるとカーテンを閉め、机の上に置かれている書類に目を通す。

エテル(見積書、成程、建設会社から見積書が届いたから見比べてたのか、あ、設計書もある、色々メモしてるね、一応主様と月花なりにメリットデメリットを考えてたんだね、確かにそれらをまとめないと他の皆に伝えられないからね、でもこれ、まとまるのかな?)

エテルが見ていた設計書はどれもよく出来ていた。
事実どの設計書もしっかりをメモが記載されており、パト達が凄く悩んでいるのが見て取れた。

エテル(とりあえず設計書、私も見ておこうかな、暇だし)

エテルは設計書を暗い部屋の中でただ見つめる、エテルは機械族のため暗くてもしっかり内容は把握出来る。

エテル(ミール様に勝った、だけど得体の知れない人に負けた、でも力は失ってない、という事はあのまま覚醒した状態で現実世界に出られたって事だね・・・でももう二度と帝園には戻れないな)

エテルは設計書を眺めているが先ほどまで行われていた戦闘を思い出す。
結果的にエテルは覚醒し、その力を得たまま現実世界に戻ることが出来た。

エテルは自分にどのような変化があったのか、冷静に考えていた。

まずシオから御神体であるホープ・ダイヤモンドのデバイスを受け取った。

そしてミールと対峙し、御神体が自分自身と一体化する感覚があった。

ミールの世界を殺し続け、そのエネルギーを吸収した事で莫大なエネルギー、パト流で言うならゲームの経験値のようなものが大量に入った、そして御神体と一体化した身体は進化した。

そう、私はただの従属ではなく、【世界王】として覚醒した、しかもネルとは違う、誰かからの恩恵で進化したわけではなく、独自の力のみで覚醒した。

エテル(世界王に進化したからどうなったってわけじゃない、さっきまで凄く感情が高ぶってたのに今はいつも通り、私自身が変わったとはいえ、私という人格が変わるわけじゃない、そういう事なんだね)

エテルはもう設計書を見ていなかった。

エテル(決めたんだ、私は主様のためだけにこの力を使うと、だから進化出来たのかもしれない、ただ目標もなく前を進もうとしてたら多分何も成し遂げられなかっただろうね、そうか、こうやって道を決める事が出来たのも私が成長した証なのかな)

エテルは思い出す、自分の故郷第八園から追い出され、ただ帝園という広大な大地を歩き続けた日々を、ただそれには目標はなく、ただ何も求める事なくただ景色が変わっていく風景を眺めながら歩いていた、その先にパトとの出会いがあった。

パトと出会った事がエテルにとって人生最大の分岐点だった。
スティアとの会話を聞いていたエテル、最初はただ気まぐれだった。

【暇だし、何かあればいいかな】

そんな気まぐれがパトという運命の相手を見つけた。

エテル(この2年、凄く楽しかった、私は愛されてるんだって自覚出来たし、疑いもしなかった。そんな愛情を与え続けてくれた、あれからも多くの従属と接点を持ったのに私をずっと傍においてくれた、こんな私を特別にしてくれた、従属なのに従属としてではなくまるで家族のように接してくれた、沢山の事を教えてくれたし、褒めてもくれたし、怒ってもくれた、私以上に私の事を考えてくれた。こんな幸せな事はない)

エテルの顔から笑みがこぼれる。
凄く充実した感覚、エテルはきっとパトの事が好きだ。

ただそれは異性としてではなく、家族愛、まるで自分の親に向ける愛情、替えの効かない存在

エテル(私に家族は居ない、だけどもし両親が居たとしたらお父さんは主様、それでお母さんはシオなのかな、二人から沢山の物を貰った、だから二人にために私の力を使いたい、使えたらいいな・・・)

そう考えるエテルの眼には光が宿っていた。
それはまるで機械族の表情ではなく、年相応の女の子の表情、幸せに満ち足りた笑顔。

エテルは間違いなく豊かな感情を手に入れた。
朧げに感じていた自分の感情が今ならよくわかる。

エテル(私、世界王に進化したなら自分の世界があるのかな、それなら一度世界に入ってみたいな、どんな世界なんだろう)

エテルは望んだ、自分の世界が一体どのような世界なのか、エテルは自分の世界に何を望んだのか、エテルという存在からどのような世界が生成されたのか、それが気になって仕方なかった。
だからエテルは自分の世界に入るために意識を鎮める。

・・・・・・
エテルは眼を開く、

風がある、陽が当たる、温かくて心地いい世界だ。

エテルの視界には広大な自然が広がっていた。

エテル「綺麗な世界・・・あれ、頭の中に名前が浮かぶ?」

【崩園(デストルエデン)】

エテル「崩園、名前からして物騒な世界だと思うけど・・・一体ここはどんな世界、・・・あ」

エテルは広大な自然の大地に一つ浮かび上がる球体を目にする。

エテル「なにこれ?」

エテルは不自然に浮かぶ球体に触れる。
何もわからないエテルの中に多くの情報が入ってくる。

【未練はないか、もしあるならその未練を崩壊させましょう】

エテルの脳内に入って来たのは今苦しんでいるパトの姿だった。

帝国で多くの過ち、挫折、後悔をして苦しむパトの姿。
それを見たエテルは心が苦しくなる、だけど自分ならこんな苦しい出来事をどうにか出来る。

そう確信した。

エテル「そっか、ここは私が納得できない未練を崩壊させる場所なんだね、それは悪い事も良い事も含め全部、それが私の世界なんだね」

エテルは歩く、そして次の球体を見つける

そこには神羅万象支配という才能を開花させたシオの姿が映し出された、そして無理矢理自分の居場所を奪われ、法を破り、孤独に苦しみ、ミールやパトを恨み、時にパトと対峙したがその結果エテルを救ってくれた恩人に対して酷い事をしたという罪悪感からミールの世界に閉じこもってしまったシオの姿。

エテルはここまでのシオを知らない、だけど全ての経緯、そして未練の元凶が映し出される、だがその映像には色がない、まるで記録として存在しているだけで何も意味を成さない、そう見せつけられているようなもどかしさを感じる。

エテルは歩き続ける。

次の球体、そこには糾弾した第八園への怒り、苦しみ、これはエテルの未練、恐怖の対象としか見られなかったことで孤独になったエテルの記憶、だけどこの映像にも色がない。

エテルは歩き続ける、そこには先ほどに比べて小さい球体が空中に散らばっていた。

エテルは球体に触れていく、それは日常での後悔、日常での思い出、美魅とリルと遊んだ時の思い出、
そのどれもがエテルにとって大事な記憶だった。

エテル「そっか、わかったよ、ここは記憶の世界なんだ、私が今まで記憶してきたものがこの球体として保存されている、だけどこれはその記憶の前後、私が知るはずのない経緯も記録として残ってるんだ、例えば私が美魅と口喧嘩した日、私はただ美魅の機嫌が悪いから怒ってるって思ってた、けどこの球体を見てわかった、美魅は嬉しい出来事があったんだ、だけど私はそんな事も知らずに美魅の嬉しい気持ちを共有出来なかった、それが美魅にとって悔しい出来事だった、だから喧嘩になった。そしてその後、美魅は私の事に対して文句を言ってる、だけど次は絶対に羨ましいと思わせてやる、そういう出来事の続きがあった。」

やりなおした・・・

エテルは思う、こんな現状を知ればもっと美魅が満足する言葉を選んであげられた、きっと美魅は満足するだろう、そしてこの記録は嫌な思い出ではなく良い思い出として残るだろう。

それが崩園、記録を崩壊させる世界、きっとここで変えた記録は現実の結果も変えるのだろう、だけどそれは難しい程球体は大きく、簡単な程球体は小さい、さっきの美魅とのお話、エテルは球体に触れる事で同じ環境を体験した。

・・・・・・
美魅「エテル!今日なあの駄主から一本とったんやで!あの悔しそうな顔!エテルにも見せてやりたかったわ~」

エテル(もう間違えない、ここで私が出す答えは)

エテル「凄いね、美魅は本当に努力家だね、次もきっと一本とれるよ」

エテルは薄く笑う、それはわざと。
美魅がエテルに対して疑問を抱かない程度に。

美魅「せやな!これならあの駄主を超える日も近いで!日頃の特訓にもやる気が出るってもんや!!」

美魅は喜んだ、エテルは美魅の喜びの気持ちを分かち合った。
始めて他人と気持ちを共有した。

エテル(そっか、他人の感情を知るってこんなこともあるんだ、なんでだろう、私の事じゃないのに美魅の嬉しさが伝わってくる、私も何故か嬉しくなる、共感覚、不思議な感覚だな・・・)

たったそれだけのこと、日常でありふれた出来事の一つ、だけどエテルが納得した結末に辿り着いた。
エテルの意識は球体から離れる。

・・・・・・
エテルが眼を開けると、その球体には色がついていた、鮮やかな記憶。
エテルは再度球体に触れる、すると先ほどまで感じていた温かい気持ちがあふれてくる。

エテル「凄い、私は嫌な出来事を殺したんだ、そして新たな出来事を誕生させた、これが私の死と生の世界」

エテルは走る、最初に触れた球体、パトが苦しんだ記録。

エテルは触れる、だがその球体に入る事が出来ない、するとそこにはパズルのような景色が広がる。

エテル「そっか、この記憶に触れるためには条件が必要なんだ、それがパズルとなって存在する、きっと全てのピースを埋めればこの記憶にも干渉出来る・・・」

エテルはシオの記録に触れる、同じくパズルが現れる、エテルの記憶に触れる、同様にパズルが現れる。

エテル「きっとこの記録に触れるためには私の知っている事だけではダメなんだ、私の知らないピースを知って、得る必要があるんだ、そして全てのパーツが揃う事でやっと干渉して美魅との思い出みたいに変える事が出来る、私が不都合な出来事を殺して生まれ変わらせる事が出来る」

それは誰かにとって幸せでも誰かにとっては不幸になる出来事かもしれない。
そのことで未来が大きく変わるような修復はきっと出来ない、だけど思い出を変える事は出来る。

でもそれで充分だ、悪い思い出が良い思い出になる、それだけで人は前に進める。
前に進めるだけの改変が出来ればきっと・・・パトもシオも前を向ける。

エテル「もっと先に行こう!」

エテルは歩く、そして沢山の球体を目にする。
そして大事な球体を管理する事が出来る事を知ったエテルは思い描く建物を構築する、するとエテルが望んだ理想の建物が現れる、そこにエテルは球体をしまっていく。

無くさないように、忘れないように、

まるでパソコンのフォルダ分けのように球体を仕分けていくエテル。それは凄く希望に満ち溢れていた。

エテルの居る崩園、破壊のためだけに使おうと考えていたらきっとこのような球体は現れなかっただろう、エテルが望んだから才能が開花し、エテルが望んだ世界が生まれた。

エテルは仕分けを終えた。
全ての球体を仕訳けたわけではない、これから生きていけばきっと球体は増え続けるだろう、
だから全てを拾わない、それでいい、全てを救う事は出来ないのだから。

エテルは自分が大事だと思える人達のためにこの力を使う。
エテルが得た力はパトのために使う、誰かを無差別に傷つけるための力ではなく、
パトという存在、肉体的にも精神的にも支えられる、パトがエテルにやってきた事を次はエテルがパトに恩返しをする。

エテル「よし、戻ろう!」

エテルは崩園から抜け出す、その時にエテルは自身の姿を球体越しで見る。

エテルの姿が変わっていた、緑の髪と青い髪、そして今の今まで気付かなかった長い髪。

エテル(これが今の私、だけどきっと私が変わっちゃうと主様は寂しくなるよね、だからこの身体は大事な時に、普段はいつも通りの私でいよう、今まで通り・・・)

エテルは元の姿に戻る、そしてパトの元に戻る。
それがエテルの成長、進化のお話しである。

patopatoblog at 00:22|Permalink

2025年10月09日

No.182 エテルの進化episode5

エテルはミールの世界から出た。

その場にはミールしか居なかった。

ミール「変わったね、シオから力が失った、もう彼女は女帝の器じゃない、そうか、それが御神体の正体だったってわけだ・・・ホープ・ダイヤモンド、現実世界に存在するブルーダイヤモンド、まさかそのままの形状をしていたなんてね、私の予想は外れたけど結果的にエテルが御神体になったわけだ」

ミールは少し笑いながらエテルに話しかける。

ミール「それでシオから御神体の力を得て何か答えを得られた?君が一人の才能を奪ってまで得た答えは?」

エテルはミールの問いに答える。

エテル「悩む事なんてなかった、私は主様を無条件で助けるよ、そのためなら何者にだってなる、手段だって選ばない、例えこの才能がどこまでも成長出来たとしても私はこの力を主様のためだけに使う、それが私を助けてくれた恩返しだよ」

ミール「言葉でわかる、以前のエテルじゃないね、機械族とは思えない程の力強い意志を感じる、でもまだ君は御神体に乗っ取られた身体に過ぎないよね?私としては誰かに取り付かないと御神体としての力も発揮出来ない同僚に少し、いや、かなり落胆してるわけだけどさ、どうするの?このまま主様の所に戻るの?」

ミールはエテルに近づく。

エテル「うん、だってこのままだと主様はきっと私達と心の距離を空けるよ、それはもう二度と戻らないかもしれない、そうなる前に私が繋ぎとめる、主様のトラウマなんて殺してやる」

ミール「過剰戦力・・・そう言わざるを得ないわね、エテル、第二園に所属し、究極系として主様を守りなさい」

ミールは今のエテルの力はパトが扱っていい次元のものではないと考え、今後開花するであろう才能を見越して第二園へ所属させてしまおうと考えた、そうすれば第二園のルール上、帝オーラを都度提供しなければ力を発揮出来ない、それでバランスをとる事が出来る。

エテル「断るよ、それだと主様は救えない、私は今の私のまま現実世界に戻るよ」

ミール「逆らうと・・・では力づくで・・・いくしかないですね」

ミールはエテルに対して世界そのものをぶつける!!

エテルはミールの世界に飲み込まれる。

そこはマントル世界、無限に続くマントルの世界。その中にエテルは入っていた。
だがエテルはそのような世界で傷つく事もなく平然と漂う。

そしてエテルは自身の手でタナトスハンドを出し、ミールの世界を殺す。

ミールは次々とエテルに世界をぶつける、エテルはミールの作る世界を次々とタナトスハンドで相殺する。無限に近い数の世界を、次々とエテルはタナトスハンドで壊し続ける。

世界を殺し続ける、そのエネルギーがどんどんエテルの身体に蓄えられる。
そしてエテルの姿が変わっていく。

エテルの髪下半分が青く染まっていく、そして後ろ髪がどんどん伸びていく。
御神体の力がエテルの中に溶け込んでいく。

シオのように御神体の力をただ借りていただけとは違い、エテルが御神体を吸収し、エテル自身が御神体となっていった。

そしてミールの膨大な力を殺し続ける事でエテルは急速に成長し、御神体エテルはさらに進化を果たす。世界王として覚醒する。

ミール(まずい!!こいつ!私と相性最悪だ!!世界を次々と殺される!!)

ミールは焦る、今この時点で帝園に二人の世界王が現れた、ミールとエテル。

エテルのタナトスハンドは見た目が変わり禍々しい手から青く何処かプログラムのような手に変わっていた。

エテル(これが私の真のタナトスハンド・・・)

エテルは身体から無数の青いタナトスハンドをミールに向けて飛ばす!!

今まではエテルが触れなければ効果がなかったタナトスハンドだったが、世界王と覚醒した今、触れなくてもタナトスハンドが自我を持ち、無数に現れては敵と認識した相手に向って飛んでいく!

帝園産の世界王、それはまさに化物だった。

エテルの留まらない猛攻にミールは押される!
ミールの表情には今までにない程の焦りが現れる!

ミール(私が押されてる?!私が負ける?!こんな一従属だった子に?!!)

ミールは必死に理不尽な世界を創ってはエテルにぶつける、だがエテルはその世界を涼し気にただただ殺し続ける、そしてダメージを負わないエテルはただただミールの喉元だけを狙う。

エテル「私を現実に返して、それだけでこの戦いは終わる、もしこのまま返さないなら・・・殺す!!!!!」

エテルに殺意が芽生える、それに同調するかのようにエテルのタナトスハンドは勢いを増す!
そしてとうとう1本の手がミールの頭を捕える!!!!

ミール「うが???!!!!」

ミールは飛ばされた、ミールに初めて外傷を与えた存在となったエテル。

ミールが吹き飛ばされた事で世界生成が遅れる、そしてエテルは勢いのままミールの対して無数のタナトスハンドをぶつけ始めた!!

ミールはどんどん跡形もなく朽ちていった。
それはどんどんミールだったものとなっていく、いやタナトスハンドに触れた段階でミールだったものは既に絶命していた。

そしてエテルの感情が治まり、ミールへの猛攻が止む。
そこには血すら残らない黒い後だけが残っていた。

エテル「勝った・・・私があのミール様に・・・」

エテルは立ち尽くしていた、自分自身が世界王に進化し、姿が変わっている事も気付かずに。
だが疲れで立ち尽くしているとエテルは世界に包み込まれ眠りについてしまう、そして元に姿に戻ってしまった。

・・・・・・
エテルが眠った。

そのエテルの前に立っていたのはミールだった者。
いや、それは本来のミールだった。

???「まさかミールの人格が負けるなんて・・・想像しませんでしたね、私が最も【未熟】な時代の姿では流石に完璧には程遠いですか・・・」

その姿はミールであってミールではない、ミールの髪は短かったが彼女の髪は地面につく程の長い髪、そして少し前髪は眼を覆っていた、だがその立ち振る舞いはまさに高みの存在。

界羅「私がこの姿に戻ったのは万園では数百年ぶり・・・帝園では・・・何万年ぶりでしょうか・・・」

万園 円卓の王 第一席 界羅(かいら)

その正体は本来のミール。
本来のミールは帝園のミールの髪飾り5つの宝石で封印しており、
本来ミールは5段階の強化があり、その最終形態として界羅の姿が待っていた。

だが今回はタナトスハンドがミールの封印の髪飾りを取った事で段階を飛ばして界羅が現れた。

界羅は万園含む全世界でストレリチアが作った世界王で最強を誇る存在。
それはパトの全てを凝縮した存在、パトの全てであり、現時点で界羅に勝てる存在はどの世界含めても存在しない。そのような圧倒的存在だった。

界羅「ミールももう少し改良が必要ですね、せめてタナトスハンドで世界が壊されないくらいの強度がある世界を作って貰わないと・・・」

界羅はまだ壊れていない状態の封印の髪飾りを見つけ、自身の頭に身に着ける。

界羅「キング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、お騒がせしました、ポーンであるミールが敗れたのですが、その拍子に髪飾りを飛ばしてしまったみたいでして、即座に私が対応する事になってしまいました、本来ならこれほどの事象であればナイトで充分でしたのですがね、ポーンはまだ意識を失っていますので、ナイトの人格のミール、ポーンの人格のミールのデスペナルティーが終えるまでの間、よろしく頼みますね、私はまた眠りにつきます・・・」

界羅の姿が変わり、徐々に以前のミールの姿に戻る、だが以前のミールに比べ身長が少し高く、身体全体がある程度発育している状態のミールだった。

ミール(ナイト)「まさか我の人格が出る時がこの帝園で来るとは、この少女は末恐ろしい潜在能力を持っていますね」

ミールは賞賛に値すると、第二園への移籍はなしにし、そのまま帝園に在籍のまま外に出してしまった。

ミール(ナイト)(世界王に進化した事で【崩園】という世界を解放していましたね、中身は見ていませんでしたが、万園産とは違う方式で生まれた世界、果たしてそれはどんな世界なのか・・・帝王様にだけに力を使う、才能を使うと豪語した子ですからね、きっと帝王様にとって都合の良い世界である事を望みますよ」

ミールはその場を後にする。
そしてエテルは現実世界で目を覚ます。

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No.181 エテルの進化episode4

ミールはエテルが第八園の御神体ではないかと頭によぎる。

ミール(帝園のは12体の御神体が存在する、それは各園事に存在する、だがその中には今だに姿を現さない者も居る、この世界はそもそも月花様の帝園をパト様が上塗りした世界、そして12体の御神体はパト様経由で生まれた準世界王のような立ち位置、もちろんその中には世界王として覚醒している者も居る、といってもそれは私だけ、そしてこの帝園には私ですら把握していない第玲園という領地が存在する事も知っている、だがどこに存在しているかわからない、そのように実在するのは知っているがどこにあるかわからない、そのような存在が帝園の王ミールですら存在する)

第一園 神族 御神体エステル
第二園 究極 御神体カル
第三園 獣族 御神体フェア
第四園 天使族 御神体ティエル
第五園 精霊族 御神体ミール
第六園 龍族 御神体リル
第七園 聖人族 御神体フラ
第八園 機械族 御神体ホープ
第九園 魔族 御神体ワルプルギス
第十園 妖族 御神体ティス
第十一園 鬼族 御神体鬼媛 漸(おにひめ やや)
第十二園 邪人族 御神体 闇(アン)

その中でも現時点で実物を今だに見せていない者が存在するそれが
第二園・第八園・第九園・第十園・第十二園

どこで何をしているのか、どのような存在なのか、全てを把握しているはずのミールですら把握出来ない御神体、それは一部の分野でもミールを超える何かを持つという意味なのか、それすらも把握出来ない存在。

ミール(その不明の御神体の一角第八園の御神体ホープ、それがもしこのエテルなら・・・私は彼女を同格の存在として警戒しなければならない・・・)

ミールは確かめたくなった、今までにない存在であるエテルだからこそ彼女がミールが把握していない御神体なのではないかと、そのためにミールはエテルにとある提案をする。

ミール「エテル、いいでしょう、私も意地悪をしたいわけではありません、そこまでエテルが帝王様の事を考えているのなら、私もそれなりに協力しましょう、まずはそうですね、望み通りシオに合わせましょう、それでどうですか?私としてはこれ以上の物をエテルに提供は出来ませんが」

シンは驚く、あのミールがたかだか一従属の話を聞き条件を飲んだ、普段なら絶対にあり得ない、何故ならミールは基本帝園の従属をパトを強化するための道具でしか見ていない、だから帝園の従属が最低限の生活が出来ているならそれ以外はどうでもいい、興味がなく、パトの都合でその従属が邪魔なら容赦なく消す事だって厭わない、きっとパトがミールに「あの従属を殺せ」と言えばミールは擁護する事なくその従属を邪魔だと切り捨て殺すだろう。それがシンやネルが把握しているミールである。

自分が全て、それ以外はミールの傀儡、操り人形、所詮この帝園もミールにとっては小さな箱庭、おままごとの駒程度の存在が帝園の従属。

シン(何か思惑が?でもここでもし私が反論してミールの機嫌を損ねたら折角のチャンスを無駄にする、ネルならきっとこんな場面でも聞いちゃうんだろうな)

シンは経緯を見守るしかなかった。
エテルはミールの提案に対して考える、まさか了承されると思わなかったからだ。

ミール「どうしますか?入るなら今ここで私に触れてください、そうすればシオの居る世界に繋げましょう」

エテルはミールの近くまで歩く。
ミールはエテルに手を伸ばす、そしてエテルはその手を取る。

するとそこから光が発せられエテルは包み込まれる。
そしてエテルはミールの世界に入り、その場から消えた。

ミール「シンは帰っていいですよ、エテルの要件が済めば私が現実世界に送り届けます、大丈夫ですよ、エテルは帝王様の大事な常駐契約の従属、傷物になんかしません、いえ、そもそもこの子は傷物にはならない存在でしたね」

シンはエテルがミールの中に入った事でやっと疑問をぶつけた

シン「どうして了承したのですか・・・」

ミール「んん、気分です、いえ、正直言うと興味が湧きました、シン、今のエテルを見てどう思いました?私は異様に見えました、「なんだこいつ?これが機械族か?」と、あまりにも異質過ぎる、そもそも彼女は生まれから異質過ぎる、機械族は元々守りに特化した種族、なのにエテルは守りは勿論、攻撃力もずば抜けて高い、タナトスハンドなんて代物をあの機械族が持つ意味は?生まれてからずっと叡天眼所持のエテル、私は彼女がもしかすると行方不明の御神体ではないかと・・・考えました」

シン「行方不明の御神体・・・」

シンの御神体の件は把握していた。

ミール「もしエテルが私の力だけでただ名前だけ知っているだけの御神体の正体ならば・・・十三天の心のメンバーに加える必要がありますね、ただ覚醒していないだけで・・・ふふふ」

シン「エテルが御神体・・・そんな事、あるはずがない・・・」

・・・・・・
エテルは真っ白な世界の真ん中に立っていた。

エテル「ここはどこ・・・こんなところにシオが居るの?」

シオ「エテル・・・?」

エテルは声の方向を振り向く、そこには驚いた表情でエテルを見るシオの姿があった。

シオ「ど、どうしたの?こんなところで・・・もしかしてエテルもミール様の逆鱗に触れたの?」

シオは今にも泣きそうな顔をする、だがエテルは応える

エテル「違うよ、私は自分の意志でここまで来たの、シオに会いたいからシンに頼んで、ミール様に頼んで、ここまで来たんだよ」

シオはその言葉で泣き崩れる。

シオ「強くなったんだね、自分の意志でここまで来れる程にエテルは強くなったんだね・・・」

エテルは泣いているシオの元に行こうとするがシオがそれを止める。

シオ「来ちゃダメ、私は貴女に会わせる顔がないの、今のエテルは私には眩しすぎるの」

シオはそう言うと自らエテルと距離を取る。
エテルはシオの行動に対して強い動揺を覚える。

エテル「なんで、会わせる顔ならあるよ、だって私はシオを頼りにここまで来たんだよ、教えて欲しい、主様が今凄く辛い思いをしてる、皆はそれを主様自身の問題だから、時間がきっと解決してくれるからって見守ってる、でも私はね、近くで主様を見てきっとそんな悠長な事を言ってられないんじゃないかなって思ってる、でも主様が誰も頼らない、自分自身の力で克服したがってるからって見守ろうって・・・皆そう考えてるのに私は主様の力になりたい、そう思うのは私がおかしいからなのかな・・・」

エテルはシオに語る、だが話していくうちにエテルの表情は曇っていき、最終的には俯いてしまう。

エテル「ねえ、機械族はこんな感情を持たないんだよね、教えて、これはどの回路のどの部分から来てる信号なの?私は壊れちゃったのかな?今までこんなに誰かのために力を使いたいって考えた事もなかった、だけど今は凄く主様のために力になりたい、ねえ、シオならどうしたらいいと思う?」

シオ「それをなんで私に・・・」

シオはエテルに尋ねる、エテルは少しの間をおいて答える。

エテル「私が知ってる機械族の中で一番感情が豊かだからだよ、私にはわからない機械族特融の感情をきっとシオなら知ってる、同じ機械族のシオじゃないときっと私のこの現状を理解出来ない、そう考えたから私はシオを頼ったの・・・」

エテルは前を向く、そしてずっと泣いているシオを見る。
シオはそんな真っ直ぐな目をしているエテルの顔を見て感じていた。

シオ(この子は・・・到達したんだ、私ですら辿り着けなかった領域に)

シオはエテルを見つめる。

シオ(気付いてる?今の貴女、凄く人間らしい顔になってるよ)

シオから見たエテルは何処か苦しそうで、でも真っ直ぐと強い意志でシオを見つめていた、
ただボーっと見つめていただけのエテルとは違う、目にはしっかりと意志が宿っていた。

シオ(気付いてる?今の貴女、私よりも立派だよ)

シオから見たエテルの佇まいは今にも倒れそうで何かの支えがないと立っていられないシオとは違い
堂々と立派に立っていた、それは誰にも揺るがせない強い意志が見て取れた。

シオ(気付いてる?今の貴女、どの機械族よりも・・・)

シオはエテルを見つめる、そして決断する。

【【私はもういいかな】】

シオはエテルに声を掛ける、「こっちに来て」とただその一言を、そしてエテルは真っ直ぐとシオの所まで歩く。

シオ「私がエテルに教えられる事は何もない、それは私も知らない感情だから、きっと機械族の誰もそれを知らない、貴女は今機械族の誰よりも前に居る、それは誰よりも感情豊かな環境で育って来たから、主様から沢山の愛情を頂いたから得られた物、それは私ですら持ち合わせない、エテルだけの唯一無二だよ・・・それに」

シオは自身の頭についている宝石を取る。

シオ「私は偽物だよ、私はね、この宝石のおかげで誰よりも感情を持っていたの、きっとこの宝石を無くせば私は他の構成員の子達と変わらない、ただの機械族に戻っちゃうの」

エテル「そうなの?でもその宝石はシオのメインデバイスじゃないの?」

機械族には身体の一部にメインデバイス、その人物の情報を管理するために機械がついている、エテルは頭についている二つの機械、そしてシオは宝石のような機械と花のような機械。

シオ「ううん、この宝石はね、私のじゃないの、この宝石は【第八園の御神体】この宝石が御神体そのものなの、実在する人物じゃない、このメインデバイスが御神体なの、その力で私は力を覚醒させ候補生までなった、機械族の力を飛躍的に上げる事が出来る上に本来の感情がより豊かになるの、私はただ継承してただけ、本来なら機械族の最高責任者に代々継がれるもの、だけど私はこの力も含めて第二園に選ばれた、だからずっと身に着けてたの」

シオはエテルの頭に宝石を乗せる。

シオ「だけどもう要らない、これはエテルにあげる、きっと私は才能を失う、多分神羅万象を失って第八園に戻るでしょうね、そして今の最高責任者がよければきっと私は元の席に戻るでしょう、それでいい、私には有り余る席だったのよ、だからこうやっていつまでも十三天の心のメンバーにもなれずにここで閉じこもってた、ずっと間違い続けた、だからね、最後くらいは間違えたくないの」

エテルはシオの言葉に涙を流す。
エテルは感じてしまった、「きっとここで自分が知っているシオと二度と会えなくなる」と
それは実質シオという人格の死を意味する。
そして第二園に選ばれる程、候補生とまでなったシオの物語の終わりを迎えようとしている事を。

エテル「教えてよ・・・ただ託されただけだと私、ここに来た意味がないよ」

シオ「それはきっとこの宝石が答えてくれる、だって私より詳しいもん、私はその感情を知らない」

エテルは泣き続ける、でもそれは何故?目的を達成できなかったから?違う。

エテル「シオはもう・・・帰ってこないの?」

シオ「ううん、私は帰るよ、エテルがもう帰ってこないの、別の所に行っちゃうんだよ、私達が心の底から望んだ存在、どの生物よりも高みに上り詰めた存在、その世界に」

エテル「私はそんな事望んでないよ・・・」

シオ「ううん、きっと望むよ、だってそこでしか今のエテルが抱える問題を解決出来る策はないんだよ、だからエテルはそのまま前に進んで、そして御神体と一体化したらもう一度ミール様の前で考えてみて、そこでもし答えが出たなら、それがエテルの望む答えだと・・・私は思うから」

エテル「うん・・・ごめんなさい、シオに何もあげられなくて・・・」

シオ「ううん、最後にこんなにも成長したエテルを見られて凄く嬉しかったよ、ありがとう、ここまで来てくれて。もしエテルが一人でここまで来てくれなかったら私はきっと気付けなかった、また間違ってたかもしれないから」

エテルは涙を拭く。そんな姿を愛おしく見つめるシオ、だがシオの中で心境の変化が明らかに出て来ていた。

シオ(あ・・・ダメだ、エテルを見ても何も感じなくなってきてる、さっきまで凄く感情で溢れてたのに、その感情が枯渇していってる・・・本来の私に戻ろうとしてる・・・)

シオ「エテル、笑って・・・」

シオは感情が消える中、エテルに伝える。
エテルはその言葉を聞き、最後だからと満面の笑みでその言葉に応える

エテル「にこ~~~!シオ!大好きだよ!!!!」

シオ「・・・・・・すっごく可愛い・・・最高の笑顔だよ、エテル、ロリコンで本当に良かった~~」

シオはもう以前のように笑えない、シオはもう以前のように泣けない、だけど最後の最後に温かい気持ちになれた、心が揺さぶられるような幸福感溢れる気持ちを得た。

シオ(良かった、私はきっと今までの得て来た感情を忘れない、この気持ちも、きっと最後まで忘れないよ)

ここからのシオはただ記憶にある感情を演じるだけの機械族となった、
エテルはシオと話しているとそれがわかり、次第に心が辛くなった。

エテル(シオは以前ように感情が溢れてこない、ただこの時はこういうリアクションを取ればいい、そういう記憶を遡ってなんとか違和感を出さないように話してくれてる・・・けどわかるよ、だってもうシオの声からイキイキとした言い表せない力みたいなものが感じられないから・・・)

エテルは次第に感情を得ていく、そして相手の言葉から感情を理解したり、空気から多くの情報を得る事が出来るようになった。

それがきっとエテルにとっての御神体への進化だった。



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2025年10月08日

No.180 エテルの進化episode3

帝園第三園

エテル「そっか、私あの時から帝園には戻ってなかったんだね」

エテルが居た場所、それは約2年前パトと初めてあった場所から少し進んだ場所だった。

エテル「私が召喚された場所から変わってない、でもいいよ、私の目的ははっきりしてるから」

エテルは眼を瞑る、そして第二園へ電脳化で実体を電脳世界に移し移動する。

・・・・・・
エテルは第二園へ到着した、場所は【叡智の羅針盤】十三天の心のメンバーしか立ち入る事が出来ない建物だ。

エテル(う~ん、ネルに会いたかったけどどうすればいいんだろう?チャイムとかないのかな?)

エテルは入り口で困ったように立っていた。
すると扉が開き中からシンが現れた。

シン「エテル、珍しくお客さんかと思ったら、中には入れないから・・・っと」パチン!

シンが指を慣らすと即座に空間が変わり、広い室内になる。

シン「次元支配で部屋を生成してみました、これで問題ないでしょ、それで誰に用事があってここまで?」

エテル「う~ん、ネルに聞こうと思ったけどシンの方が詳しそう、ねえ、主様の心の傷をどうやったら治せる?」

シンはエテルの言葉に驚く、それはエテルがパトのためにここまでの行動を起こしたからだ。

シン「エテルはどうやったら主様の心の傷を癒せると思う?」

エテル「質問を質問で返すなんて・・・でもどうだろう、私は機械族だから・・・ちょっと嫌な事があってもすぐにどうでもよくなる気がする」

シン「じゃあエテルが今主様に感じてる感情、それは時間が経てばどうでもよくなる?」

エテル「・・・わからない、でも主様はずっと私を面倒見てくれた、こんな私を嫌な顔一つせずにずっと美魅と一緒に傍に居させてくれた、私が甘えても絶対に応えてくれる、今も私の好きなようにさせてくれる、のびのびと過ごさせてくれる、それを時間が経ったからと言ってどうでもよくなるなんて・・・」

シン「そう言う事です、もしかするとエテルも主様と100年程関係を絶てば先ほど言った通りどうでもよくなるかもしれない、それを私達は【時間が解決してくれる】って言うの、だけど今すぐとなるとどうしても色々考えてしまうから忘れたくても忘れられない、心の傷ってそういうものだと思うの」

エテル「だからミーエルの治療でも治らないんだね」

シン「ええ、感情の浮き沈みを和らげるくらいなら私でも出来る、それはどちらかと言えば脳を騙すという行為に近くてね、でも本当の心の傷は治せない、要因を廃除するか、克服するか、それくらいしかないの」

シンは椅子に座り、真剣な眼差しでエテルに応える
エテルも椅子に座り、空間が出来たと同時に机に置かれている飲み物に手を出し、口に含む。

エテル「じゃあ今の所誰も主様を治す事は出来ない、だけど主様、凄く苦しそう、いや悲しそうなんだ、だからどうにかしてあげたくて」

シン「見守るしかない・・・って言いたいけど納得しないんでしょうね、だからここまで来た、帝園で心の傷を癒す能力を持つ従属を見つけてでも、そう考えてる?」

エテル「うん・・・だから最初にネルに話して協力してもらおうって思ったの、ネルは主様の事になると協力的だから、でも甘やかしたらダメだって断られる可能性も勿論考えてた、だから少し悩んでた」

シン「流石ね、私も半分半分って感じるわ、むしろネル本人が「他の女の事も政治の事も全部忘れさせてやる!さあ抱け!主様よ!!!」って言いかねないわね」呆れ

シンはネルの物まねをするが溜息をつき、ネルの物まねをした事を少し後悔する。

シン「私から言える事は心の傷のみを治す能力者は居るわ、勿論私含めて多くね」

エテル「そうなの!でもどうやって!」

シン「忘却支配、消滅支配、破壊支配、幻惑支配、幻想支配、精神支配、色々な能力で対応可能よ、でも共通して言えるのは強制的に忘れさせる、そして忘れても尚身体が覚えているのは別の事が原因と上塗りする」

シンは指を立てる、そして立てた指が光、映像が映し出される。

シン「今主様の身体で最も影響が出ているのはおちんちんです!」

エテル「んん?」

シン「これは保健体育だと思ってください、結構大真面目なので、今の主様はどれだけ女性からアプローチを受けても全然おちんちんが反応しません!それは心の傷が間違いなく影響しています」

エテル「んん・・・」?

シン「色々な理由を言ってますが間違いなく性交渉、つまりセックスが原因です!ただでさえ複数の人と関係を持つのは疲れる、なのに主様が心に傷を負う出来事が何度も起きた、帝国従属全員とキスをし、強制的に覚醒させた事件から始まり、専属従属の3名、メルリア、エイリ、フルールの3人と4Pセックスをキメて、セックス価値観が瓦解した、そしてそんな時にギリギリ全員を平等に愛してるからセーフ!!っていうセーフティーラインをメルリアが壊した、独占事件だね!「私とだけセックスして!私以外とセックスする気が起きないくらい朝と夜でしっかり性処理します!!」って数日逆レイプまがいな事をずっとされてとうとう主様の最後のラインも壊れ、最終的に性的な事が怖くなった。」

シンは顔を真っ赤にしながらも事の経緯を大袈裟に話す。

シン「つまり、簡単に言えば女性が怖いんです、今の主様は、だからおちんちんが立たない!そりゃあ女性からアプローチされても立ちませんよ、だってエロじゃなくて恐怖の対象なんですから!でも顔見知りは信頼出来るからなんとか平然と居られる、だけど多分知らない女性相手だと警戒して心も開けない、これが今の主様の現状、それを書き換えればいいの」

エテル「ああ、元々の話を忘れてたよ、途中から主様のトラウマの話ばかりしてたから」

シン「今の出来事の記憶を別の記憶に書き換えればいい、そしてトラウマとして反応してしまう現象に関しては別の理由に置き換えてしまえば多少はマシになります。例えば【メルリアから毎日逆レイプをされた、だけどメルリアから距離を取る事で現実的な問題は解決、トラウマはメルリアの逆レイプが原因だからメルリアが居ない今の環境は大丈夫!】ってやったらどう?つまり全部メルリアの責任にしちゃう形ね、それならメルリアだけを悪者にして原因とトラウマを簡単にして克服に持っていく事が出来る」

エテル「成程、全部騙すんだね」

シン「そうそう、だけどそれをやらないのは今回の件は主様にとってもかなり大きく考えてるから、今の主様の中では間違いなく好意の序列がついてる、専属神内でもね、今こうやって地球に連れてきてる専属神が比較的に高かった子じゃないかな、勿論アリシア、ソルテやラルみたいにどうしても帝国に置いておかないといけない人達も居るけどね」

シンは立ち上がる。

シン「エテル、何かをしてあげたい、その気持ちは凄く大事、そして別にエテルが治したいと思うなら誰も止めない、それで主様が悪化したとしても私達がフォローする、だから好きに動くといいわ、貴女も主様に認められた従属なのだから、羨ましいわよ、常駐契約は。本来なら従属全員が喉から手が出る程羨む席、リルから情報は得てるけど今回の件で席が一つ空いた、座れるなら私が座りたい、最高責任者なんてベルでもノラにでも渡して私も一人の女性として、ネルみたいに自由に主様の隣に居たい、私は諦めてないわ、なにせ最近私と主様の適正率が上がって来てるみたいだからね!」

シンは嬉しそうに話す、まるで自慢する子供のように。

シン「エテル、ネルの代わりに私が協力してあげる、何かいい案があったらまたここに」

シンがエテルに手を差し出そうとした時、エテルは即答で答える。

エテル「シオに会いたい、シオは今どこにいるの?」

・・・・・・
あれから1時間後

シンとエテルはミールの間に来ていた。

それはエテルがシオの所在をシンに確認したところから戻る。

シン「シオ・・・幻想の究極系候補生か、今も尚ミール様の謹慎処分中とは聞いてるけど今どこで何をしてるかと言われると・・・気にした事もなかったわね」

エテル「シオからも意見が聞きたい、私、いつも分からない事はシオから聞いてた、シンからさっき私の好きなように動けばいいって聞いて真っ先に思いついたのが【トラウマという現象自体の死】私のタナトスハンドでそもそもトラウマ事殺せたなら後は主様の気持ちの問題だけで済むのにトラウマがそれを邪魔してるように感じた、トラウマっていうのがどんな存在かわからないけど、もし私にそんな事が出来るなら、やってもいいなら・・・でもわからない、だからこういう時シオなら、同じ機械族ならどう答えるか気になった」

シン「成程ね、面白い発想だな、タナトスハンドは命を刈り取る手だとばかり思ってたけど現象そのものの命も奪いとれる、能力への理解度を高めるにしてはありね、でも私とエテルでは種族が違うからどうしても納得できない所があって不安と、なら私がどうこう言う筋合いはないわね」

シンは少しため息を吐き、エテルの言われた通り、シオの所在を能力で調べた。
だがまったく反応する事がなかった、シオは今帝園に居ない。

シン「シオは今帝園に居ないわね、もしかするとミール様が作った独自の世界の中かも、今からミール様に聞きに行くけどどうする?エテルもついて来る?」

エテル「うん・・・行く」

そういう経緯で二人はミールの居る空間に訪れた。
そこにはミールが立っていた。

ミール「どうしました?シン?エテル?珍しい組み合わせですね」

シン「ミール様、一つ伺いたい事があります、第二園 幻想の究極系候補生 シオの現在の所在地を教えて頂いてもよろしいでしょうか」

シンはミールに質問する。
するとミールは特に溜める事なく普通に答える

ミール「今私の作った世界で罪を償ってますよ、罰を受けているので貴女達の都合で合わせることは出来ませんね、ちなみにどのような要件でシオに会いたいと?」

エテル「シオと少しだけお話出来ればそれでいい、教えて欲しい事があるから聞きたい、それだけ、その後は罰の続きをしてもらっていいから」

ミール「成程、まあ先ほどのシンとエテルの話は勿論、現実でも帝王様の現状は全て把握してますのでわざとらしく聞きはしましたが全て把握しています、結論から言わせていただくと辞めた方がいい」

ミールはエテルに対して拒絶する。

ミール「エテルがここまで帝王様のために動いてくれる、それはあの機械族からは考えられない程の進歩です、むしろここまで好意という感情が芽生えるのかと驚いているくらいです、ですが余計な事はしなくていい、それは私が考える事です、私が今回の件で帝王様が帝園を求める場合最善の答えを用意する、私が何も考えてないとでも思いましたか?勿論常日頃から帝王様を見ているので望む物は全て理解しています。」

シンはミールの圧に臆しながらも会話を続ける。

シン「では知ってて助けなかったと?」

ミール「はい、ですが帝王様が帝園に助けを求めたら即座に助けました、私から帝王様にお節介をするのは違います、それはメリアと同じ、いずれ帝王様の心を壊すとわかっていました。帝王様は自分自身で何かを成し遂げられることで自信を得たかったのは知っていましたから、勿論そこにはプライドもあった、だから私は知ってても尚手を差し伸べなかった」

シンはその言葉を聞き怒りを向ける

シン「あの人は確かに助けられる事でプライドに傷をつけるかもしれません!ですがそれで彼が壊れてしまったら意味がないでしょう!貴女は未来のハクの件から何も学ばなかったのですか!!」

シンは自身が立っていた場所から3歩程無意識にミールに向って足を運ぶ、それは強い異議による自然の行動だった。

ミール「難しい事を言いますね、でも現状帝王様は私達従属を求めていない、それが全てじゃないかしら?求めてない、指示も使命も貰っていない一従属風情が感情を持って、帝王様の考えを身勝手に代弁して動く、それは失礼いえ、無礼極まりない行為だと思いませんか?そうですね、現実世界ではそういう人を【勘違い野郎】とでも言うのでしょうかね」

エテル「二人の言い分はわかるよ、私達が勝手に主様の気持ちや考えを代弁しても意味がない「主様はきっとこう考えてる、主様はきっとこうしてほしい」でもそれは私達の憶測であって、直接そうしてほしいって言われたわけじゃない、だからこれは一方的な思い込み、私もそう思う」

ミール「流石は機械族、冷静ですね」

エテル「でも思い込みでも主様のために力になりたい、そう考えるのはおこがましい事?本当に無礼なのかな?わからない、こんなに私以外の事で考えた事がないからわからない、でもあんなに寂しそうな主様を間近で見て見て見ぬふりは出来ない、主様が私に助けを求める事は絶対にない、だって今も私は主様に助けられてるから、助けられてる存在の私が主様を助けるなんておかしな話ってわかってる、だけどそんな理屈じゃない、合理的じゃない考え方が今もずっと私の頭で回ってる、だからわからないんだよ・・・」

エテルの顔には今までにない程の強い動揺が現れていた、今までこんな気持ちになった事がない、こんな自分を知らない、そんな困惑の中でなんとか捻りだしたエテルの今の悩みだった。

シン「エテル・・・」

ミール「機械族・・・いや、もしかしてエテル貴女・・・」

ミールはエテルの異様な態度に困惑を見せる

ミール(ここまで感情をむき出しにした機械族が今まで居たか?いや存在しない、これも帝王様のおかげ?でもここまで感情を持つ事なんてあるの?もしかして機械族という枠を今超えようとしている?)

元々機械族は生物が辿り着けない領域に辿り着くために生まれた種族、
生物は本能があり、生まれ持っての価値観や感性がある、だが機械族にはそれが存在しない、無から全てが生成される、故に多くの事が欠如しており、とても生き物として欠陥品と見られることが多かった。

もちろんミールもその一人であり、機械族に何を期待しても無駄。何故なら彼女達には感情も無ければ全て合理的に判断し、情なんてものは永遠に持ち合わせないから。だから生き物として信用出来なかった。

だがミールの目の前に居るエテルはどうだ、感情があり、合理性等一切なく、自分自身の考えを述べ、それに対しておかしいと思ってもその考えを信じたいという人間のような不条理な思考回路。

ミール(まさか・・・この子、御神体の適正があるの・・・)


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No.179 エテルの進化episode2

パトと月花、エテルの3人は建設会社に足を運んでいた。

エテル「なんでわざわざ人間の建設会社を使うの?帝園から従属契約して呼んだ方が早いよね?」

パト「違法建築になるからだよ、一応日本のルールに則った建物を建てないといけないからな、書類申請も業者なら大体やってくれるし、こっちの方が手っ取り早いんだよ、アリシアみたいに国を作ってそこを拠点にアリシアコーポレーションを建てるなんて力技は出来ないって事だ」

月花「そうそう、一部だけ任せるとかしちゃうと相手も稼げないからって仕事自体を請け負ってくれないとかあるし、ここは一から十全部任せてしまうのがいいのよ」

エテル「そうなんだね、なんか面倒臭いね、ただ生きるだけじゃダメなんて」

パト「この世界は中々その日暮らしが難しいからな、ある程度安定してないと生活がままならないんだ」

パトは考える

パト(よく考えたらエテルが地球人の生活をするのは初めてなんだな、エテルにとっては色々面倒臭いルールがいっぱいあるけど、連れて来た以上はしっかり覚えてもらわないとな)

そして3人は建設会社に入る。

・・・・・・
パト「今ので5社目か、次はどこを当たるんだ?」

月花「バンバン建設かしらね、実績はそこそこだし、それなりにデザイン性を拘る会社みたいね、ほかの所は機能性重視だったり、安さ重視、高級感重視と分野に特化した建設会社を当たったからね、私的にはデザイン性と機能性が高い会社が良いんだけどね」

月花はそう話しながらエテルにも声をかける。

月花「エテルは聞いててどう思った?」

エテル「ちょっとしたら壊れそうな構造ばっかり、能力者の襲撃とか防げないね」

月花「そこは想定してないから仕方ないわね、でも自然災害はかなり意識してるから耐震構造とか耐熱防水性能はかなりのものよ、帝園や帝国の技術に慣れられてたらどうしようもないけどね」

エテル「別に私ずっと帝園では野宿だったし、雨風凌げたらどうだっていいかな、帝国は確かに豪華だったと思うけど、わざわざあそこまでの設備で過ごしたいとも思ってないし」

パト「エテルは拘りがないんだな、住めればOK!みたいな感じか?」

エテル「そうだね、実際そうだから、だから私はどんな建物でもいいよ、野宿でも生きていける事を知ってたら基本何も怖くないね」

パト(強いなぁ、エテルは)

・・・・・・
そして5社目にして本日の活動は終えた。

月花「お疲れ様~!とりあえず数日はフリーね!今日パトとエテルちゃんの部屋遊びに行っていい?雪花にはもちろん内緒ね!」

パト「また雪花と喧嘩になるぞ、俺は別にいいけど、エテルもいいよな?」

エテル「うん、私は全然気にしない」

月花「それじゃあ外食してホテルに戻りましょう♪」

・・・・・・
3人はホテルに戻る、そしてそのままパトの部屋に入る。

パト「疲れた~~~~」

パトはベッドの上に勢いよく寝転がる
エテルはそんなパトの横にひょこっと座り、エテルの荷物から本を出し、読み始める。

月花「なんか様になってるわよね、家族みたい」

月花は洗面台で手を洗い、うがいをしながら部屋に足を運ぶ、そしてそのままパトの上にダイブする

月花「きゃ♪」

パト「おいおい、もう少しで顔と頭がぶつかる所だったぞ」

月花「いいの~、こうやってイチャイチャ出来るなんて久しぶりだもの、この際エテルちゃんは気にしないわ~」

エテルは二人の行動に対して意識を向ける事なくただただ本を読んでいた。

パト「ダメだ、エテルの教育に悪い、エテルが変な事覚えたらどうするんだ」

月花「え~~、キスもダメなの~?」

パト「ダメ!」

月花「上脱がすのは?」

パト「ダメ!」

月花「下を脱がすのは?」

パト「悪化してんじゃねえか!!」

月花「仕方ないわね、じゃあ私が脱ぐしかないか」

月花はそう言いながら服を脱ぎだす。

月花「下心なしでそもそも私は部屋では薄着の方がいいのよね、出来れば下着でウロウロしたいタイプなのよね」

パト「それは知ってるけどわざわざ同じ服着直すの面倒じゃないか?」

月花「確かに!でもこのホテルはホテル服があるからお風呂入ってとりあえずホテルの服着て部屋に帰ればいいし、そこまで問題じゃないわ!」

パト「その部屋の服は俺とエテルのどちらかの物だってことは忘れるなよ」

月花「どうせパトはシャツでしょ!エテルちゃんはどうなの?」

パト「ちゃんと服着てるぞ、今は帝国でちゃんと教わったのかお風呂もしっかり入れてるし俺が気にすることもなし!いや~、いい子に育ってくれてよかったよ」

月花「たまには一緒にお風呂入ったら?」

パト「エテルはお年頃だぞ?エテルの方が嫌だろ」

エテルはそういう話をしている間も特に意識を向ける事なく本を読み続ける。

月花「エテルちゃんは何の本を読んでるの?」

エテル「感情を上手く表現する本、人間の感情を理解しないと今後大変だと思って」

パト「実際どうなんだ?」

エテル「わからない、そもそも私は機械族だから相手の感情というか・・・感情そのものがわからない、私にも嬉しいって気持ちはある、でもなんか私の嬉しいって気持ちは他に人に比べたら弱い気がする、強い感情っていうのがわからない、だから理解したい」

エテルはパトを見る

エテル「主様が最近笑顔なのにどこか虚ろに感じるのは私の気のせい?それも感情?だけどそれはどんな感情?私わからないからどう主様に歩み寄ればいいかわからない、だから今こうやって勉強してるの、この違和感を払拭出来ればきっと・・・」

パトと月花はエテルを優しい目で見る。

月花(そうか、エテルちゃんもエテルちゃんなりにパトの事を気にしてるのね、パトはあれから本当に苦しんでる、私達がどうにか出来る問題でもない、時間が解決してくれるのを願うしかない)

パト「エテル、ありがとう、でも気にするな、これは俺自身の問題なんだ、だからエテルも月花も他の皆も気にする必要なんてない、俺がどうしようもなく心が弱い、肉体的に強くなっても結局心は中々強くなれないんだ」

月花「そうね、私だって色々あった頃から完全に心が完治したかと言われたらそんな事ないわ、少しでも業務で疲労を感じるとトラウマが蘇ってしまう、過呼吸になる事だってあるわ、人って年を重ねる事に多くの経験をする、良い経験も悪い経験も含めて、きっと大人って平然としてるけど私達が考えられないような苦しい経験を沢山してそれだけ心にトラウマを植え付けて来てるのよね」

パト「そうだな、歳をとって色々な景色を見ればみるほど抱えるものが増えて来る、楽なもんじゃないよな、きっとこの行動も良い思い出として残るんだろうけど、そこには少なからず嫌な思い出も残る、でも嫌な事から逃げてばかりだと何も出来ないからな、だからこそ前に進むし、心が壊れても立ち止まってられないんだ」

エテル「心が壊れる・・・苦しくないの?」

パト「死ぬ程苦しいよ、エテルに言う事じゃないけどさ、俺の場合股間が反応しないんだ、それは女性関係にトラウマを持ってるって事も勿論ある、だけどそれ以上に自分に自信がないんだ、強くなっても地位を得ても結局俺は大きく変わってない、でも俺が変わらなくても周りは変わり続ける、成長し続ける、変化し続ける、それに適応出来ない自分と適応しようと頑張ろうとする自分、そこに差があってそれが大きくなれば成程その苦しみはきっと癒える事はないんだよ」

エテル「じゃあ・・・私は主様の心を癒してあげる」

エテルは本を置き、パトの頭を優しく抱きしめる。

エテル「いつも主様からやってくれて凄く落ち着いた、こうやって包み込まれてる時は嫌な記憶も忘れられた、だから同じことしてあげる」

パト「ありがとうエテル、本当エテルは優しいな・・・」

パトは笑う、だけどその笑顔はどこか悲しみが浮かんでいた。

・・・・・・
月花「それじゃあ私は帰るわね~、久しぶりに一緒のお風呂、楽しんだわ♪」

エテル「んん」

月花はエテルと一緒にお風呂に入り、髪を乾かした後自室に戻った。
ホテルの部屋服で帰ったため即座に雪花にバレたがそれは別のお話し。

パトは一人でお風呂に入った後エテルと一緒に布団の中に入る、そして互いに向き合い、エテルを包み込むように抱きしめながら眠る。

そうすればエテルは落ち着くらしく、パトもエテルの体温と微かにかおる髪からシャンプーの香り。

パト(不思議だな、どう考えても機械族にも見えない、生身の人間にしか見えないんだけどな)

パトはそう考えているとエテルがパトに話しかける。

エテル「私、一度帝園に戻りたい、ちょっと用事を思い出したの」

パト「用事?」

エテルに用事があるのか?そう疑問に感じるパトだが、意図は聞かない事にした、
何故なら珍しくエテルがパトにお願いをしてきたから。

パト「どれくらいで戻ってくるんだ?」

エテル「う~んどうだろう、無理そうならすぐ、でも可能性がありそうならちょっと時間が掛かるかも?」

パト「なんで疑問形なんだよ、いいよ、なら帝園に戻るといい、数日はフリーだしな、エテルも折角だし好きに行動したらいい」

エテル「うん、ちゃんと帰って来るからね」

エテルはそう言うと光に包まれ、パトの中に消えた。

パト(エテル・・・)

パトは一人、そのまま夢の世界に入った・・・。




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2025年10月01日

No.178 エテルの進化episode1

パトの精神は壊れていた。

それは多くの挫折もあっただろう。
今のパトは帝国に行く前のパトに比べて笑わなくなった。
ふざけたりもしなくなった。

だがそんなパトの変化を最も身近で見て来たエテルはその変化も「当然」という形で受け入れて来た。
何故ならエテルは感情の変化が少なく、時に楽しい事があれば笑い、嫌な事があれば顔をしかめる、それだけの事しか出来ていなかった。

だからパトの変化の異常性に気付けなかった。

・・・・・・
これはパト達が帝国から旅立ち、地球に降り立ってすぐの頃のお話し。

パト「さてと、まずは資金だな、会社を起ち上げるためにはまずはお金だ!、とりあえずバイトでもするか?」


パトは雪花達に話しかける。

雪花「普通に防衛軍から仕事を貰えば良いんじゃない?大体いくらくらい資金が居るの?」

琴歌「そうですね、株を買ってもらって資金を集める手段もありますが、実は私もそこまで詳しくないんです、だからまずはある程度の資金を集めたいですね、おおよそ8000万園くらいですかね?商業オフィスを借りるならテナント料金を意識すればいいですが・・・私達がやろうとしている仕事内容を考えたらあまり他社との合同施設を使うのはお勧めできませんね、襲撃を受けた時責任を取りかねますし」

月花「じゃあ会社を一から作る方が良いってわけね!なら業者に声掛けて見積もりをしてみるわ!会社起ち上げの申請も私がしておくから他の皆は仕事をして資金を集めてくれない?そうね、目標はこの一ヵ月で合計1憶!!」

ソフィア「おっけ!じゃあアリシアから貰ってくるね!!」

パト「待て待て!俺達だけの力でやるって言っただろ!でも月花、一ヵ月で1憶なんて無茶苦茶だぞ、どう頑張っても1千万が・・・」

月花「っと言いたいところだけど、実は私達、お金、あるのよね」

パト「え?あったっけ?」

雪花「忘れたの?私達がWCBTの時に悪信教の司教倒してかなりのお金貰ったでしょ、あのお金まだ口座に入れっぱなしだからまだまだ使えるわよ!もちろん1憶なんて楽勝なくらいね!」

パト「まあ、あれは俺達のお金だからな、セーフなのかな」

雪花「使えるお金は使わないと!そもそも株とかよくわからないものに手を出して外部から口出しされるくらいなら自分でどうにかした方が絶対にいいって!ね!もう使っちゃおう!」

月花「そうね、じゃあマイホームも含めて建てちゃう?」

パト「マイホーム?家建てるのか?」

月花「当然、アパートでも良いけどこの人数どうやって住むの?って話じゃない?」

パト「待て!全員が同じ屋根の下で暮らす前提なのか?!」

月花「当然でしょ!まだパトや琴歌ちゃん、雪花や私なら良いけど、ソフィアちゃんとか帝園の従属、帝国の従属達はどうするのよ、生活出来ないわよ」

パト「別に帝国で過ごしてたんだし・・・でも買い物とか料理とか出来ないか・・・」

それにまだソフィアやエテル、美魅、リルは未成年の年齢、ソフィアはまだ良いとしてもエテルと美魅、リルは幼過ぎて生活スキルがあるとは思えない。

パト「仕方ない、じゃあ俺、雪花、月花、琴歌、ソフィア、エテル、美魅、スティア、リル、フルール、エイリの11人が住める家を建てるしかないな、凄い豪邸になるんじゃないか・・・」

月花「最悪従属を減らすって案もあるわね、私はもう帝国に居ないんだからリルちゃんを帝園に戻してもいいと思うわ、後はスティアちゃんは家を守る番犬的な役割がいいわね、仕事を任せてもいいけど本能的に動く子が探偵はちょっと・・・」

こう話している間専属神以外の従属達は買い出しに行っていた。
フルールが地球にある程度馴染んでいたため、買い出し等を頼めるようになっていたのだ。

パト「それも仕方ないか、今は少しでも負担を減らしておきたいしな」

こうして話がまとまり、フルール達が帰って来るのを待っていた。

・・・・・・
リル「常駐契約を破棄?!私が何をしたっていうの?!」

パト「リルは帝国で教育をさせるって事でこっちに居たんだ、だからリルは帝園に戻って貰って十三天の心としての業務に戻って貰おうって思ってね、少なくとも今から行うこっちの生活に比べたら充実しているし、俺としてもリルを万全の状態にして呼ぶ方がいいんだ、ダメかな?」

リル「・・・まあ主様がそういうなら、別に私が嫌になったってわけじゃないんでしょ?」

パト「当然!エテルや美魅と仲良くしてたからこの場面でリルだけ話すのは凄く心苦しい、けどエテルは帝園の居場所はないし、美魅も帝園に戻れば命の保証がない、俺が保護してあげないとこの二人の立場は危ういんだ、わかってくれる?」

リル「そうだね、その事情は把握してるから納得したよ、それじゃあ私は常駐契約解除という事で」

パトは言葉を選び、リルが落ち込まないように説得し、リルとの常駐契約を終わらせ、リルに帰って貰った。

パト「エテルと美魅も寂しくなると思うけど我慢してくれよな」

エテル「?私は別に?」
美魅「?いや全然?」

パト(こいつら、薄情にも程があるだろ・・・)

・・・・・・

リルが減ったとは言え、残り10名、このままでは生活がままならない、家が建つには半年の時間が掛かる、会社を建てるにも同じく時間が掛かる。この期間をどうやって補うか、それを考えていた。

そして今日はとりあえずとビジネスホテルを取り、二人一組で部屋を取った。
パトとエテル
雪花と月花
ソフィアと琴歌
美魅とフルール
スティアとエイリ

そしてパト含む専属神の6名がパトとエテルの部屋で今後について話していた。

パト「とりあえずアパートを探そうと思う、そうだな、1LDKで5人、つまり二部屋を借りる、というのはどうだろう?」

雪花「相当狭いわね、私結構私物あるけど」

月花「それは各自キャリーバックに収まる程度だし、家が出来るまでの我慢としましょう、でも家電は妥協できないわよ、だって5人が住むんでしょ?」

琴歌「そうですね、しかもお布団とバック、食事用の机、これだけでもう一杯ですね」

ソフィア「テレビは絶対に置けないね~、でも仕方ないか」

パト「どうしてもって話なら2LDKの部屋を探したらいいと思う、少し大きめのアパートならそれくらいの部屋はあるだろうし、部屋があれば荷物置き場に出来るし、寝室として使える、便利な場面は多いしね、リビングがごちゃごちゃしないってだけでも充分ストレスフリーだとは思うな」

月花「ここらで2LDKといえば大体12万くらいか、それを半年、しかも二部屋となると・・・120万」

パト「半年で済むならいいけどな、でも拠点は必要だ、それに仕事をするにしてもまずは住所が必要だしな・・・おい今気づいたけど地球出身じゃない奴ってどうやって戸籍手に入れるんだ?」

月花「それは大丈夫、帝国時代に今ここに居る子達は全員アリシアコーポレーション関係でしっかり戸籍を持ってるわ、アリシアコーポレーションは各国に住所を何点か持ってるの、日本だと30階建ての高層ビルね、それが日本で戸籍が必要になった時用の家で住所を持てるから色々便利なのよ」

パト「あくどい事してるな、でもそのおかげで市役所に申請するだけでとりあえずは済みそうだな、琴歌、お願いできるか?」

琴歌「任せてください!」

ソフィア「私達はどうするの?」

パト「俺と月花で会社建設と住宅建設の打ち合わせをしていくしかないな、それで当分はそっちに付きっきりになる、雪花とソフィアはバイトするなり、自由に過ごしててくれ、今の所やってもらう事がないからね」

こう話している間、エテルは座っているパトの膝の上に居た。そしてパトはエテルの頭を撫でながら話す。

ソフィア「そういえば見ない内にエテルちゃんパトに凄く懐いたね!」

パト「そうかな?でもエテルはここが落ち着くみたいだし俺もこうやって話してる時にエテルの頭を撫でてると落ち着くんだ」

エテルは特に表情を出す事なく、パトを見上げるように表情を確認する。

エテル「私こうやって頭撫でてもらうの嫌いじゃないんだ」

琴歌「本当可愛いですよね、羨ましいです、私もパトさんのような力があれば自身の従属をそうやってめでたいですね」

月花「ソラリアさんが居るじゃないww」

琴歌「うう、あの人は一応メリアさんに言ってアリシアコーポレーション側で金銭面は面倒を見るって言ってくれたので・・・もしこっちが面倒を見るとなると・・・禁酒は確実ですね、それか何かしら働いてもらうしかないですね」

月花「琴歌ちゃん、なんか怖いわよ・・・」

・・・・・・
このビジネスホテルはセミダブルサイズのベッドに枕が二つあるタイプの部屋だった。
そのためパトとエテルは一つのベッドで身を寄せ合う形で眠っていた。

パト「エテル、確か睡眠を必要としないんだっけ、大丈夫か?」

エテル「うん、スリープモードがあるし、どうしても暇ならそれで意識を飛ばすよ、気にしないで」

パト「たまにロボ要素出て来るな・・・エテルはこうやって一緒に寝るの嫌じゃないのか?」

エテル「え?なんで?全然嫌じゃないよ?むしろ落ち着く・・・」

パト(本当エテルって年の離れた妹って感じなんだよな、普段中々表情には出さないけどでもやっぱり心を許してくれてるんだなってわかる、なんかいいな、こういうの)

パトは帝国では肉体関係を求められる日常が普通だった。
きっかけはメルリアだったかもしれない、だがパトはメルリアを恨んではいなかった。
今でもメルリアを愛しているし、今回の件で距離を置いてしまった事に罪悪感もあった。

エイリやフルールとも健全な関係かと言えばそうじゃない、時間がある時はエイリとも関係を持っていた。

肉体関係で言えば専属神なんて当然のようにあった。

専属神以外で言えば天野江奏星とも肉体関係があった。
勢いでバハートとも肉体関係を持った事もある。

そのように男女の仲になってしまう、それが当たり前となっていたパトにとってエテルという存在はとても心地よかった。

パト(今は俺の息子も機能してないし、どう足掻いても欲情しないし、それが今は凄く心地いいや・・・)

パトは眠りにつく・・・

エテルは起きていた。
そしてエテルはパトが睡眠に入った事を確認した後、パトを眺める。

エテル(主、ずっと平然としてるけど違和感を感じる、でも何がこんなにも違和感なんだろう、普通の人ならわかるのかな?)

エテルはそう思いながらパトの胸の中に顔をうずめる。

エテル(心拍数は普通だ、特に体調が悪いとかの反応もない、だけど今まで主とは違う、何が違うんだろう・・・)

エテルはそうこう考えていると寝ているパトに抱きしめられた。
それはまるで近くに心地いい抱き枕があったかのように。

エテル(起きて・・・ない、ただ寝ぼけてるだけか、でも良かった、苦しくない、むしろ優しく抱きしめてくれるから落ち着く・・・)

エテルは心地よさに身を委ねようとする。
そこでエテルは違和感の正体に気付く。

エテル(そうだ、私は今主に抱きしめられて落ち着いていた、例え私が機械族でも心拍や発汗、脳内から出て来る分泌物作用で身体の反応が変わる、だけど今の主にはそれがないんだ、落ち着いてるから?でも本当にそれだけ?)

エテルはそう考えると自身の手をパトの股間部分に手を伸ばす。
エテルは知識として生殖器は相手の感情を高ぶらせる効果を持つと知っていたため、確認のために触れた、そこには下心は一切なかった。

ムニムニ

エテル(・・・うん?)

だがまったく変化が見られないパトの生殖器、だがそもそもエテルはその生殖器に触れたところでどう変化するかも知らない、何がどうなるのかもわからない、どう感情が高ぶるのかも知らない、故に確かめたものの結果を得られる方法として正しかったのか考える。

エテル(わかんない、そもそも寝てる時に触れても意味がない?じゃあ今度起きてる時にもう一度試そうかな、何かわかればいいんだけど)

エテルはそう考えながらじっとパトの体温に身を委ね時間を過ごしていた。

patopatoblog at 22:09|Permalink

2025年09月14日

No.177  諦められない気持ちepisodefinal

琴歌はフィロンに問う。

琴歌「フィロンさん、どうでしょうか?どうせ今部隊から嫌われているならこのまま嫌われる事をしませんか?どうせ良い事をしても覆らなかったのでしょう?なら嫌われ者のまま成果を出していきませんか?もう貴女の立場はその立ち回りでしか評価を得られません、【誰もフィロンを認めないけど、結果がある以上だれもフィロンに対して文句を言わせない】そんな状況を作りませんか?」

パト(本当上手いな、嫌われ者としての立ち回りとして僕達を使えと、第四部隊で使うのではなくフィロンがエウレカ探偵事務所を使えという流れか)

フィロン「・・・やっぱり無理だよ、だって私は嫌われたくないんだもん、嫌われたくないから頑張って来たんだもん、別に好かれたい訳じゃない、でも誰かから認められて好かれもせず、嫌われもせず、適度な距離感でずっと仕事をしていたかっただけだもん・・・だから琴歌さんの案に賛同は出来ません」

琴歌「なら防衛軍辞めたらどうですか?」

琴歌はきっぱりと言い放つ。

琴歌「無理ですよ、現状が回復するなんて、雪花ちゃんから聞いてます、貴女、兄をまだ探しているのですか?もし探しているのならなんの目的で探しているのですか?」

フィロン「家族が無事かどうか心配するのはおかしいことですか!?」

琴歌「おかしいなんて言ってません、ですが2年も貴女程の情報のスペシャリストが探して一切情報を得られないのはおかしいじゃないですか、なのに何故諦めないのですか?」

フィロン「それは・・・」

フィロンも最近わからなくなっていた事だ、

勿論家族として心配だ、だが最近はファルドラがもし生きており、ファルドラの東京異変が正義によるものだったとすればきっと第四部隊での自分の評価が変わる、フィロンにとってファルドラの存在は希望なのだ。

琴歌は眼の力を使い、フィロンの一瞬の思考を読む、そしてそれを言葉にする。

琴歌「ファルドラさんが希望なんですね、可哀想に・・・こんな目的でもしファルドラさんが見つけられてもきっと心の底から喜べないでしょうね・・・妹が自分を探して言う事が「私の無実を証明して!!!」ですからね」

フィロンの表情は絶望に染まる。

琴歌「ごめんなさい、私思考を読む力があるのですよ、今一瞬フィロンさんは悩みましたよね?その時に考えた疑問を私は見逃しませんでした、わからなくなってるのでしょう?この現状のせいで、ただ家族として安否を気にしていただけなのに、目的が変わってきてる、この現状がフィロン自身一番納得できないのでしょう?ならもう防衛軍辞めたらどうですか?」

パト「悪い事は言わない、僕からも今までの話を聞いてフィロンさんは防衛軍に居るべきではないよ、僕は2年前ファルドラと最後まで戦った、だから言える事だってある、ファルドラは今のフィロンさんに会っても絶対に喜ばない、いや、悲しむだろう、それがわからないか?」

フィロン「うう・・・うう・・・」

フィロンはただその場でうずくまる、全てが真実で、全てがフィロンにとっての現実だったからだ。

月花(どうするの?このままだと契約なんて無理だよ、パト)

パト(契約?ああ、僕は今の第四部隊と一緒に仕事をする気なんてない、そもそもこれが正義だと言えるのか?ふざけるなよ、僕はこのままフィロンを第四部隊に置いていたらきっとファルドラから殴られるだろうな、「何故その環境から妹を救わなかった!!」ってね、だから僕はもう第四部隊と一緒に仕事をする気はない、だけどフィロン、この子は僕が助けるよ)

パト「提案だ、フィロン副隊長、エウレカ探偵事務所に来ないか?」

フィロンは驚くような表情でパトを見る

パト「今現状君が防衛軍に縋っている意味がもしファルドラ捜索であればエウレカ探偵事務所はそれに関して最も適した環境だと言えるだろう、それともしエウレカ探偵事務所に所属してくれるならファルドラの情報を僕は提供出来る、君がこの2年間見つけられなかった情報、僕はそれを大量に持っている、それを条件にうちに来ないか?このままだと僕はきっと君の兄、ファルドラに怒られてしまうんだ、友人としてね。」

フィロンの頭の中は多くの思考でいっぱいだった。

フィロン(私が防衛軍を辞める?ここまで頑張って来たのに?でも何のために私はここまで頑張って来たんだろう?名誉のため?でも私一度も名誉なんて欲してない、なのにそのためにこれからも頑張る理由は何?それにパトはお兄の情報を今も持ってる、もしかして生きてる?でも私はこの2年間何も情報を得られなかった、という事はパトがお兄を匿っているんだ、だから情報を持ってる、だけどお兄もパトのアシストがあって今も生きてる、でもここまで情報を隠しきれるパト側の技術は本物、きっとこれからも防衛軍で私が独自で詮索しても何も出てこない、ここで断ればきっと二度とお兄の情報は得られない、その等価交換が防衛軍第四部隊副隊長の地位を捨てた私自身。)

フィロンは考える、今自分にとって何が一番大事なのかと、そしてそれは防衛軍に入るきっかけとなり、防衛軍内でも支えてくれた兄、ファルドラの存在だと。

フィロン「そうだ、お兄を敵対視する組織に居ても私は一生浮かばれないんだ・・・」

フィロンは立ち上がる。
月花はその様子を見て、立ち上がる。

月花「もし気が向いたらこの電話番号に電話して、これは私の業務用携帯の電話番号だから、もし貴女からこの電話番号に電話がかかってきたら、エウレカ探偵事務所に入る意志があるって判断するからね」

フィロンは月花から渡された紙を握り締める、するとその場で電話を取り出し、月花が渡した電話番号に即座に電話を発信する。

そして月花の胸ポケットに入っていた業務用携帯が鳴る。

琴歌とパトも立ち上がる。

フィロン「こんな私ですが、よろしくお願いします。悩む必要はありません、私はファルドラ・ニートロフを探します、それは家族として、安否を確認したいからです、そこに不純な動機は要りません、だから私は防衛軍を捨てます、お兄を見つけて「見つかったか」って笑ってもらえるように私も「見つけたよ!お兄!!」ってかくれんぼをして鬼が標的を見つけた時みたいな無邪気な気持ちで言ってあげたいんだ・・・」

琴歌「ようこそ、エウレカ探偵事務所へ、私達は貴女を歓迎しますよ」

パト「第四部隊との契約は失敗だな、でもそれ以上の契約は得られた、僕はそう君を評価するよ、ようこそエウレカ探偵事務所へ」

月花と琴歌はフィロンを抱きしめる。

琴歌「この2年間、頑張りましたね、私達が必ず貴女を悲しませないようにしますから」

月花「もう誰も貴女を否定なんかしない、だから安心してうちにおいで」

琴歌も月花も泣いていた。
そしてフィロンも泣いた。

パト(ファルドラ、これで良かったかな、悪いな、お前は妹に正体をバラしたくない、闇側に関与させたくないって言ってたのに、だけど僕はこれ以上この子を放ってはおけなかったよ)

パトは窓からの景色を見つめる。

きっとこの場所はあいつ、ファルドラが守りたかった景色なんだ、
あいつはいつもお調子者だが確かに正義があった。

パト「まだエウレカ探偵事務所は開業したばかりでまだまともな業務が始まってないんだ、だから一ヵ月、それくらいなら待てる、それまでに引継ぎしておいで、そしてそこからは僕達は仲間だ」

フィロン「はい・・・よろしくお願いします。」

それから10分ほど、3人はお互いを抱きしめ合いながら泣き続け、
パトは窓を眺め続けていた。

・・・・・・
一ヵ月後。

フィロン「不束者ですがよろしくお願いします。」

エウレカ探偵事務所にフィロンは来ていた。
それはどこか不安そうな、だけど期待を抱いているような表情だった。

雪花「いらっしゃい!フィロンちゃん!久しぶりだね!今日から仲間としてよろしく!!」

雪花がフィロンを抱きしめる、フィロンは照れ臭そうに笑う。

フィロン(懐かしいな、こうやってわかりやすく好意を向けてくれるの、凄く温かいや)

琴歌「以前は失礼な発言の数々申し訳ありませんでした」

琴歌は自席から立ち、フィロンの前まで行くと深く頭を下げた。

フィロン「ううん、あれで私も目が覚めたから、きっとあれくらい言ってくれなかったらきっと私は今だに防衛軍にしがみついてた、だけどあれだけ言ってくれたから私は防衛軍を手放す事が出来たんだと思う」

琴歌「貴女が所属する部署は【情報管理課】、所属する班はB班、情報推理班です!班長は四季月花、エテル・ノーミールさん、フィロン・ニートロフさんの3名です!あと【情報管理課】の課長はソフィア・ターフェアイトさん、エテル・ノーミールさん、フィロン・ニートロフさんの3名です!待機中は基本的に情報管理課の部署で仕事してもらい、仕事が入ったらB班・情報推理班として行動してもらいます!二人共知能が高く情報に長けているのできっとフィロンさんも馴染めると思いますよ♪」

雪花「むしろソフィアちゃんから凄く懐かれるから疲れるわよ~」

雪花(あの子も一年前に月花お姉ちゃんを病ませた経験があるし、あれから節度を弁えるようになったから今のソフィアちゃんなら安心してフィロンちゃんを任せられるかな)

パト「エテルも見た目は幼いけど、凄く優秀な子だよ、口数は少ないけどそれは性格だから気にしないであげてね、でもフィロンさんも話すのが得意じゃないならむしろ相性がいいかもね、最低限の会話で成り立つ関係って凄くありがたいからね」

フィロン「あの・・・早速ですがエウレカ探偵事務所はどのような仕事をするのですか?」

琴歌「情報推理班は文字通り情報を入手したり、奪ったり、時には殺人等の推理や調査、一応探偵業務のメインをやって貰います、勿論浮気調査も受け付けますし、一般的な探偵業務もやって貰いますよ」

雪花「つまり馬鹿には出来ない仕事ってわけね!私には不向きな課だわ!」

パト「雪花は武力で制圧してくれたら問題なしだよ、一緒に頑張ろうね」

琴歌「本当なら協力組織があったらいいんですが、まだ見つかっていないのでまたこちらで探しておきますね、情報分野なので信用出来る所じゃないと私達も業務委託は難しくて」

フィロン「大丈夫だよ!この私!情報のスペシャリストフィロンがなんでも解決しちゃうんだから!!」


ああ、この言葉を発するのは2年ぶりだな・・・

フィロン「ぶい!!!!」

patopatoblog at 19:43|Permalink

No.176 諦められない気持ちepisode2

フィロンはずっと泣いていた。

家に帰るとずっと身体が重かった。

フィロン(なんで、私何も何も悪い事してないのに、どこで狂ったの?何がいけなかったの?私はただこんな私でも役に立てたらって、お父さんや二人の兄さんのように頑張れたらって・・・。)

・・・・・・
フィロンが防衛軍に入隊したのは今から4年前、
ファルドラが東京異変を起こす2年前。

選抜2位合格、1位はレーデ・ラルフッドに負けた。

だがこんな私でも決勝まで進めた、自分に自信が持てた、そして情報という分野では入隊した時点で誰よりも優秀だった。

隊長がファルドラだったこともあり、第四部隊での私の待遇は凄く良かった。

何かあれば私は裏方として情報を提供し、仕事に貢献してきた。
そして将来は第四部隊の副隊長、兄妹揃って隊長、副隊長となり隊長を支える副官として生きる
そんな未来を私は夢見て頑張ろうって・・・ずっと考えていたのに。

・・・・・・
フィロン「私の関係ない所でその夢は壊れちゃった・・・」

・・・・・・
エウレカ探偵事務所が第四部隊に訪れる日、

第四部隊内でも話題になっていた。

パトは女性人気も男性人気も凄く高かった。

女性からはどこか可愛らしい所があるのに凄く男らしい一面もあるのが良い
周りに女性しか居ないという事はそれだけ魅力があるって事、あの中に私も加わりたい。

男性からは間違いなく隊長クラスの実力があるのに謙虚である事。
本来自身に力があり、優秀であればそれを表に出したい、大胆に自慢する事はないが
微かにでも自慢をしたいと思うのが人というもの。
だがパトにはそれがない、それが同じ男として凄いと思う、後女性から沢山好かれて羨ましい死ねばいいのに。

みたいな尊敬と嫉妬が混ざったような評価。

フィロン「パト、正直全然興味がない、確かに東京異変ではお兄の事件を解決してくれた人、だけど、だからといって何かに惹かれるような事はない」

フィロンは少し虚ろな目で会談室に向かう。

・・・・・・
琴歌「今回お話してくれるのはフィロン副隊長、あのファルドラ・ニートロフの妹さんみたいです。」

パト「ファルドラの妹か、雪花から聞いたな、確か僕が2年前帝国に連れて行かれている間にファルドラ捜索を手伝ったって」

月花「今も探してるのかしら、だとしても真実をフィロン副隊長に話すの?」

パト「いや、それはステラとの契約違反だ、黄金卿はステラが管理しているけど組織自体の主導権は僕にある、それだけ黄金卿に投資してあるからね、黄金卿の不利益は僕達の不利益だ、今後エウレカ探偵事務所の仕事を黄金卿にもやらせるつもりだ、もちろん悪信教絡みに限りだけどね、だからこそ部外者に情報を与える事は出来ない、兄妹であろうが組織が違えば他人、部外者だよ」

パトは冷たく言い放つ、今までのパトなら温情で悩んでいただろう、
だがこの2年でパトも変わった、良くも悪くもメリアの影響を受けたのだろう。

そう話していると扉からノックの音がする。

・・・・・・

フィロン「お待たせしてすみません、私が地球防衛軍第四部隊副隊長フィロン・ニートロフです。今回はここまで足を運んで頂きありがとうございます。早速で申し訳ないのですが本題を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?」

フィロンは世間話をする気はないと言わんばかりに即座に本題を話せと言う。
琴歌も臆せず、そのまま本題を話す。

琴歌「地球防衛軍第四部隊はネットワーク情報関係に強いと伺っております。私達エウレカ探偵事務所は第四部隊の業務分野で何かしらのお手伝いが出来ると考え、ここに足を運ばせて頂きました」

フィロン(やっぱり・・・)

ヘルナとフィロンの予想通りだった。

フィロン「私達の部隊は情報を何よりも大事にしている部隊です、部外者に情報を仕事とは言え一時的に渡す事も、それを取り扱わせる事も出来ません、なので仕事で何かしらの依頼をすることは私達からはないと思います。」

琴歌「そうですね、情報はとても大事なものです、部外者に触れさせる事なんてあってはならない、何故ならその情報は物ではないから、物でない以上抑制は困難です、盗んだかどうかなんて相手の脳を見ないとわからない事ですからね」

フィロン「ご理解いただけて幸いです、でしたら」

琴歌「ですが第四部隊の情報管理技術、それはどこまで信用出来る者でしょうか?」

フィロンは怪訝な表情を浮かべる。

琴歌「傷口に塩を塗るような発言ですが、2年前第四部隊隊長ファルドラ・ニートロフが日本東京で大規模テロを起こしたのはまだ記憶に新しいです、あの復興に私達の企業も多く参加しましたからね、そしてその後押しとなったのは第四部隊の情報だと思っております、そうでなくとも既に反逆者が第四部隊内から出た以上その情報管理にどこまでの信頼性があるのでしょうか?」

フィロン「私達だけでは信用に値しないと?」

琴歌「いえいえ、防衛軍の情報ですから私達外野から何かを申すなんて事はありません、ですがそれだけ大事にしてる情報をどこまで厳重に管理しているのかと、私は疑問に思います。」

フィロン「君達には関係ない話でしょ!!!」

フィロンは怒りを抑えられずに声を荒げてしまう、
それは第四部隊を侮辱されたからではない、ファルドラを侮辱されたからだ。

月花(琴歌ちゃんもえげつない切り方をするわね、でもここは琴歌ちゃんの方が優秀、私達は様子を伺うだけ)

パト(上手いな、敢えてファルドラが悪いという話でフィロンを怒らせたか、でもこうなったら業務提携は難しくないか?)

フィロン「お引き取りください、貴方方から信頼もない第四部隊と業務提携を結ぶ必要なんていないでしょう!!私達は忙しいのです!」

フィロンはその場から立ち去ろうとするが琴歌がそれを許さない。

琴歌「第四部隊の情報、全部私達の組織が奪えると言ったらどうしますか?逆にそれを守れるのも私達の組織だけと言ったらどうしますか?」

フィロンは琴歌の言葉に耳を貸そうとしなかった、だが琴歌は歌姫の力を使い無理矢理フィロンの動きを止め、耳に言葉を入れさせる。

琴歌「私達が貴方達に協力出来るのは貴方達の大事にしているデータを防衛することです。もちろん中身は確認しません、ただ現状のまま管理する、それが私達には出来る、貴方達が大事にしている情報なんて私達からすればすぐに全部盗める、いつでも閲覧出来る、今はそうとだけ言っておきます。」

フィロン「へぇ、面白い、じゃあどんな情報を盗んだの?教えてよ、私も第四部隊の情報は全部知ってるから」

琴歌「フィロンさん、貴女が今防衛軍でいじめを受けている件、それについてどうでしょうか?」

パトと月花は琴歌の方に振り向く、それは最後の切り札だったからだ。
そして極力出したくないカードでもあったからだ。

琴歌「調べてますよ、フィロンさん、貴女はずっと部下から迫害を受けていると、そしてそれに苦しんでいると、直接的な暴力はなくても貴女の部下さんはSNSで匿名で貴女へ誹謗中傷をしてますよね、しかもこれ、防衛軍サーバーから、知ってますよね?でもこれを暴けばフィロンさんに向けられる敵意は増すばかり、それどころか防衛軍内でこんなことをしている人が居ると表に情報が出てしまえばとうとう第四部隊が終わりですね」

琴歌はここぞとばかりに足を組む、普段は絶対に琴歌がしない仕草だがここは威圧を与えるためにわざと足を組み、冷たい表情でフィロンに話しかける

琴歌「【こっちを向いて】」

琴歌が言霊を発した、するとフィロンは琴歌の方を無理矢理向いてしまう。
その時のフィロンの表情は先ほどの怒りを失い動揺を隠せていなかった。

琴歌「フィロンさん、情報のスペシャリストならそれくらい把握してますよね、ですがフィロンさんは何も出来なかった、動けば全ヘイトはフィロンさんに向くから、「エゴサして処罰とかキモ」「部下の処罰の前に仕事しろよ」「兄弟そろって第四部隊の面を汚しやがって」情報から導き出せる評価ですね、それがフィロンさんもわかっていたから怖くて何も言えなかった、そしてそれはどんどん部隊内でエスカレート、フィロンさんは強い、だけどその力を部下に使えば間違いなく批判を喰らう、フィロンさんは何も悪くない、だけど部下は間違いなくフィロンさんを悪者にする、だけどフィロンさんはきっと情報を全て提示して部下が悪いと・・・断罪出来る」

琴歌が今喋っているのはもしもの話だ、実際に起きた話ではない、だがフィロンはその言葉に心当たりがあるのか涙目のまま、唇を震わせながら琴歌の言葉を聞く。聞くしか出来ない。

琴歌「部下と溝が深まるばかり、結果的に今の立場も無くす可能性が高い・・・ヘルナ隊長は優しい方ですからね、きっとフィロン副隊長を守るという意味で副隊長の座を剥奪するでしょう、ですがフィロン副隊長にとってその席は手放したくない大事な物、だから自身が耐えていれば、将来ヘルナ隊長が出世して官長になるか、何かの事件で死亡するかすれば、その時が来るまでこの苦しみを耐えていればいつかはって・・・」

フィロン「もうやめて!!!!!!!!!!」

フィロンは泣きだした、琴歌は言霊を解いた、するとフィロンはその場に座り込んでしまう。

琴歌「今話したのは全て憶測です、根拠も無ければ証拠もない、だけどイジメがあった現状、SNSで誹謗中傷をされている現状、なのになにも対処しない現状からフィロンさんの心境を勝手に代弁したまでです、ですがその表情からするに間違ってはいなかったみたいですね」

フィロン「だって・・・私、何も悪くないもん・・・私は皆のために頑張ってるだけなのに・・・なんで皆私を悪者だって言うの・・・」

琴歌「そうですね、フィロンさんは何も悪くありません、悪いのはファルドラです、後は第四部隊という組織そのもの、閉鎖的な環境ですからね、集団行動では誰かが悪者なっている方が組織は上手くいくものです、きっと今の第四部隊はフィロンさんを悪者にすることで一致団結出来ているのでしょう、汚い話ですが、それもまた事実です。」

国という組織でも政治家がヘイトを買いやすいように
学校のクラスでは大人しい子がイジメの対象になりやすいように
会社では仕事が出来ない上司が陰口の対象になったりと

組織である以上標的は生まれるものだ。

エウレカ帝国ではメリアがその役割を全て担っていた。
全員が円満で居られるようにとメリアが悪役を徹していた。

琴歌はそれを知っていた、誰もやりたがらない、手を汚す仕事をメリアは率先して行っていた。
琴歌は勿論大反発した、今でも納得していない、だがそれが必要な行為である事は理解している。

組織でも作品でも光と影がある。

誰かが凄く好かれるなら逆に誰かは凄く嫌われる。

専属神内で言えば光は雪花、影はメリアだろう。

専属神内で雪花は誰からも好かれる存在だ、誰かと喧嘩した話も聞いたことないし、
雪花の陰口を聞いたこともない。

だがメリアは専属神内でもそれなりに陰口は聞く、だがその反面納得している部分はある。

琴歌は組織である以上どうしようもない現状を理解していた。
だからこそ現在悪者役となっているフィロンに突きつける事でしかこの場の話を進めることは出来なかった。

琴歌(嫌われ者は嫌われ者の立ち回りがあります、きっと第四部隊の総意は【部外者を介入させてはならない】なのでしょうね、ですがフィロンさん、貴女だけはその創意から外れる事が出来る、【部外者を使って組織を安定させる】その方法が取れるのはフィロンさんだけ、今回の会談でフィロンさんだけ来てくれたのは好都合、絶対に私はこの路線でフィロンさんを納得させてみせます!!)





patopatoblog at 18:37|Permalink

2025年09月13日

No.175 諦められない気持ちepisode1

その場所では一人に向けて複数の人達がギリギリ聞こえるくらいの声で話す。

「見ろよ、あいつの兄貴あんな事したのによく平気で防衛軍に居られるな」
「あれで副隊長なんてありえない、もっと他にいい人いるだろ」
「そもそもWCBTでも本選にすら残れない副隊長とかいいのか?別の役職にしたらいいんじゃね?第四部隊の質が落ちるっつうかさ」
「なんかずっとゴーグルつけてて不気味なんだよね」
「消えてくんねえかな、あの騒動で俺のダチ死んだんだけど」
「本当防衛軍の面汚しよね、本当最低、家族諸共死んだらいいのに」

「消えろ」「死ね」「邪魔」「ウザい」「キモい」「帰れ」「姿見せんな」

そんな正義の防衛軍内で悪質なイジメが行われていた。
その対象者はフィロン・ニートロフ 地球防衛軍第四部隊副隊長

ファルドラ隊長が日本 東京で大規模テロを起こし、多くの犠牲者と損害を生んだ。
そして隊長が行方不明となり、空席となった席に副隊長だったヘルナが隊長となった。

当時はヘルナの隊長就任に反対する者が多かった。

「隊長の実力じゃない」

ヘルナは強さの基準となっているWCBTでも最高成績はベスト16、
第一回ではラディウスに負け
第二回ではビリアンに負け
第三回ではジョルジュに負け
第四回では再度ビリアンに負ける

ここまで全てベスト16

そして第五回はまさかの本選1回戦敗退、その相手が本選初出場の藤吾 秀という無名選手

仕事の実績も隊長に押せるかと言われたらそこまでではなく
精神面でも弱い所がある。
そして実績が隊長候補であるシェインやジョルジュに比べ少ない。

そんな中ヘルナが隊長に選ばれた、そしてその副隊長として選ばれたのが、
実績はそこそこあれど、現場では活躍はなし、
WCBTも本選出場経験なし、情報に特化したフィロンが副隊長に選ばれた。

だがそれにはヘルナ以上のバッシングがあった。
その最大の原因は兄ファルドラの存在だった。

反逆者の家系が何故今だに防衛軍の最高の地位に立っているのか?
防衛軍は何も学ばないのか?

そのように隊員達にも不信感を抱かれていた。

・・・・・・
フィロンはそんな状況でも兄ファルドラが生きていると信じ、防衛軍の仕事と同時に兄捜索を続けていた。

だが結果で言えば防衛軍の仕事も兄捜索も上手くいっていなかった。

防衛軍

フィロンは情報分野に長けているがそれはアシスト向きのため誰かに指示を出して隊員を動かすという事がまったく出来なかった。

フィロンはただでさえ内気で人見知り、自ら話しかけるなんてもってのほか、言葉も他人にはたどたどしく態度も自信が無さげ、一般人ならそれも可愛いで消化されるだろうが、防衛軍では批判の対象となった。

そして反逆者ファルドラの妹、そんな奴の指示を鵜呑みにしたくない、信用しないという隊員が多かった。

フィロンが情報を集め、隊員達に提出するもその情報をまったく活用しない隊員が多く、結果仕事の効率が悪くなるという現象が起きていた。


現状第四部隊は最悪の状況だった。

東京異変から約2年、そんな壊滅的な状況でも第四部隊は組織として生き残っていた。

それはヘルナの存在が大きかった。

隊長となった事でヘルナは強く成長し、第四部隊の隊長に相応しい存在なろうと努力し、隊員達も
そんなヘルナを見て信頼を得ていった。

だが逆に副隊長になっても今だ変わりもしないフィロンは批判が今まで以上に集中する。

結果
ヘルナ隊長は優秀、フィロン副隊長はゴミ、第四部隊の面汚し、お荷物、汚染の発生源

と言われていた。

・・・・・・
フィロンは限界だった。

兄ファルドラの情報が何も得られず、そして隊員達からも嫌われ自分の立場が全くなかった。
人間不信になっていた。

フィロン「・・・死んじゃった方が楽なのかな・・・」

フィロンはボソっと独り言を口にする。

正義とはなんなのか?
私は何もしていないのに、兄であるファルドラが行った罪を何故私が背負わなければならない。

私がやったわけじゃないのに!!!!!!!!

フィロンの頭の中は憎悪に満ちていた。
だが一つの希望として兄ファルドラが生きていれば、あの東京異変の真相を世に広め、兄が無罪である事を証明できれば


フィロンは誤解し悪意を与え続ける人達を見返せる。

この2年でただ真相を知りたかったフィロンの動機から色々な物がくっついていた。
だがフィロンはそんな事にも気付かずにただ昔のまま兄の情報を探し続けていた。

・・・・・・
とある情報が第四部隊に入って来た。

ヘルナ「明日、エウレカ探偵事務所が第四部隊に訪問に来るらしいわ、フィロン、話を聞いてくれるかしら?」

フィロン「エウレカ探偵事務所?それだれが来るの?」

ヘルナ「四季パトさん、四季月花さん、月詠琴歌さん、この3名ね、名の通り、パト勢力が立てた事業みたいね、恐らく第四部隊の仕事を請け負いたいのかしらね、私は反対だけどフィロンはどう?」

フィロンは考える、普通に考えたら反対だ。
ネットワーク犯罪や世界各国の機密情報をも取り扱う情報特化の部隊、そこに部外者の組織を入れれば
情報漏洩のリスクに繋がる。

基本的に得る情報も含め部外者に知られたくないのだ。

フィロン「私も反対かな、月詠隊長と四季隊長の御子息達っていうのもわかる、だけどそれ以上にパトという人の周りは得体が知れない、私ですら持ちえない情報が多く存在する。そんな存在に私達の情報を一部でも取り扱わせるのは危険、私はそう思います。」

ヘルナ「じゃあそう伝えて貰えるかしら、私は中国拠点に戻らないといけないの、ここ日本拠点に来るみたいだから私は相手出来ないの」

フィロン「はい、わかりました、では私が対応します。」

フィロンはヘルナにそう言い、ヘルナはその日の仕事をフィロンに与え自室に戻って行った。

フィロン(四季雪花、彼女も所属してるのかな・・・あの人は数少ない私の目的を知ってる人だし、
ちょっと来た時に元気かどうか聞いてみよう)




patopatoblog at 20:54|Permalink

2025年05月21日

No.170 カナ冒険記その3

カナはまずは旅に出るために資金調達、そしてそこから道具や保存食を買って準備を整えなければならないと考え、野宿した後そのまま狩りを始めた。


ウルフの群れを見つけたカナ

カナ「よっしゃーー!!ウルフの毛皮1枚で50ロンだから、どんどん剥ぎ取れば塵積で金になる!」

カナはそう叫びながら次々と現れるウルフを殴り倒していく!

そして一時間後・・・

カナ「よし、ざっと100体くらいかな、今から剥ぎ取るのが面倒なんだよね~、しかもこれ全部取ったとしても5000ロンって・・・時給換算したらいったい何円なんだか・・・割に合わないなぁ、バイトした方が稼げたりするのかな?時給いくらか見てなかったよ」

カナは文句言いながらもウルフの皮を剝ぎ続け、村に戻る、そして買取屋に向かう。

カナ「今日は大量のウルフを見つけたからこれ!大量っしょ~~♪」

買取屋「うわあ~~~、勿体ない・・・」

カナ「え?なんで?」

買取屋「ウルフが群れで生息しているって事は間違いなく農家かこの村から討伐依頼が出ているはずなんですよ、だからそこから依頼を受けて討伐したらもっと収入があったのに・・・これだとタダ働きですね~」

カナ「え!!それっていくらくらいになるの?!」

買取屋「ざっと1万ロンですかね、結局こういう毛皮は追加報酬みたいな位置ですしね、報酬と手元に入れるお小遣い的な?」

カナ「ミスった~~~!!」

カナはその場で項垂れながらウルフの毛皮買取料5000ロン記載される。

・・・・・・
カナ「ねえ、いい仕事ない?」

カナは半泣きで受付嬢に話かける。

受付嬢「ど、どうしました?先ほど買取屋の所で項垂れてましたけど」

カナ「聞かないで、不幸な事故があっただけだからさ・・・、それより仕事!」

受付嬢「仕事の募集はあそこのパソコンから確認してください、そしていい仕事を見つけたら自分の冒険者IDを記載して申請していただけたら受注完了です!後は早い物勝ちになりますね!いつも朝8時に依頼が更新されますので冒険者の基本は朝早くにここに来て仕事を見つける事です!それが面倒という方は自分でパソコンを買ってますね、ネットワークさえ繋がって入ればギルドのサイトにいつでもログインできますので」

カナ「超現代的・・・でもわかりやすい!ありがとう!!」

カナはそう言われるとすぐにギルドに沢山並べられたパソコンに触れる、そして自身のIDを入力して依頼一覧を確認する。

・バルバートン討伐 報酬8万ロン
・レッドウルフ討伐 報酬6千ロン
・ベアウッドの卵10個収集 報酬2万ロン

カナ「え?たったの3つ?!全然仕事ないじゃん!これで生計立てれるの?!」

カナは考える、いち早くここでお金を集めて次の街に向わなければ先に進めないと。

カナ「とりあえずバルバートン討伐任務やるか・・・っていうか夜なのにまだ仕事残ってるって事は結構面倒臭いのかな?それか誰か仕事してるけど時間が掛かる的な?生息地が遠いとか?」

まずは情報収集しかないなと考えるカナ。

・・・・・・
カナはとりあえず今晩のご飯をと考え食堂を探し、見つけてはそのままお店に入る。
そして今日の報酬金を使ってお腹いっぱいになるまでご飯を食べる、その金額460ロン

お腹を満たしたカナはそのまま聞き込みを始める、まずは店員さんに話かけ、相場を確認する。

店員「バイトの大体の時給?時給換算とか面倒ではないですか?基本的に日当換算ですね、ちなみに1日4時間以上で1500ロンですよ!、一ヵ月分(30日)働けば4万5千ロン、お金に困ってる人は掛け持ちで仕事をしているのが普通なので、朝は建設、昼は配達、夜はお店のスタッフ、みたいにやってて、最高なら13万ロンくらいなら稼げるかな~」

カナ(一般人、12時間以上の勤務で月約13万ロンか、宿代一泊1000ロンだったり、今日の食事でも460ロン、これを30日分で考えた場合、宿代約3万ロン、食費約1万5千ロン、最低でも月4万5千ロン稼いでおかないと生きていくのは大変って事か)

カナ「ここって税金みたいな制度ってあるの?」

店員「もちろんよ、冒険者の場合はどこで仕事しているかによるわね、例えばこの街の依頼を最後に受けたらこの街に納税する事!みたいなね!」

カナ「へぇ、納税ってどれくらいなの?」

店員「年に50万ロン、それだけ払えば問題ないわよ、どんなに貧乏でも裕福でも50万ロンさえ払えば義務は果たされるの、だけどそれはこの村での話、例えば隣の街の【シルムコッド】なんて年200万ロンも払わないといけないの!だから時期が来ると冒険者はこぞってこの村に来るわね、もう依頼争奪戦!ただでさえこの街の仕事はかなり少ないのに街を拠点にしてる冒険者がこぞってここに来るから、おかげで住んでもないのにこの村に沢山納税してくれるから村なのにあんなデカいギルドが建てられたり、設備が豊富だったりするんだけどね~」

カナ「へぇ~そんな事情があるんだね~、それっていつもどの時期なの?」

店員「12月はとくに凄いわね、その年の最後に受けた依頼達成場所で決まるから1月に達成しても意味ないのよね、だからこの村も12月は普段は出てこないような難しい任務ばかり、それでも皆こぞって仕事をしてくれるから便利なものよ~」

カナ「それはもちろん個人依頼は適応されないんだよね?」

店員「されないわね、それを許したらズル出来るからね、ギルドからの正式な依頼をこなしてやっと正式に認められる!聞けば1月の段階で既に税金を払って後はのびのび過ごしている冒険者が多いって聞くし、強いって自由よね~、私なんて全然実力ないからこういう仕事しか出来ないのにね」

カナ(つまり私の納税義務はこの村って事か、ラッキーだね!でも良い話が聞けた!ギリギリで納税額の少ない街で仕事をこなす!)

・・・・・・
カナはそのまま次に別の卓で食事をしている女性達に話しかける。

カナ「ねえねえ!私今度初めて【シルムコッド】に行こうと思うんだけどあっちの物価って高いの?」

女性A「高いわね~、でもこの村では絶対に売ってないような物ばかりだから仕方ない所はあるかもね~、人によってはシルムコッドで住むのは無理だからこの村からシルムコッドに行って仕事する人多いわよ」

女性B「でもこの村は食材が安いのが救いよね~、家も建てやすいし、借家でも支払い金少ないし、基本的に掛かるお金が少ないっていうのが魅力的なのよね~、仕事がないのは辛い所だけど!あはは~~」

女性A「だから公務員になれば安泰なのよ!ほら!ギルドとか!受付嬢の倍率高いからね~~」

女性B「だってわざわざ都会の街で良い学校行ってこのへんぴな村に来てギルド職員になるって・・・わりにあわないって・・・」

女性A「勉強とかかなり難しいらしいしね~、でも一度くらいシルムコッドよりも都会の街に行ってみたいわよね~」

女性B「わかる!私港街に住んでみたい!でも港街の人からすれば山側に住む私達を羨ましいって思うのかもね~」

カナ「うんうんなるほどね~、良い話聞けたよ!ありがとう!ジュースおごるね!」

・・・・・・
カナは店を出て武器屋や道具屋に向かう。

カナ「アルミソード750ロン、鉄ソード2500ロン、鉄の鎧8000ロン、高いねぇ~」

武器屋「お嬢ちゃん冒険者かい?ならそんな重たい武器よりもレイピアみたいな軽い武器の方がいいんじゃねえか?なんか得意な武器とかあるか?」

カナ「私槍と武術が得意なんだよ!槍を持たせたらもう!それはそれは!」

武器屋「槍か!いいね!なら鉄槍とかどうだ?1500ロンだぜ!」

カナ「ナックル的な奴も欲しいな~硬くない的にわざわざ槍を使うの面倒だしさ!ある程度は殴って蹴って終わらせたい!」

武器屋「いいね!ならこの装備一式でどうだ!全部で5000ロンだぜ!」

カナ「買った!!!!」

・・・・・・

カナ「回復ポーション、疲労回復ポーション、アツアツポーション、サムサムポーション、エラ呼吸ポーション(30分)、ハイ回復ポーション、状態異常回復ポーション、結構揃ってるね!」

道具屋「いらっしゃい!何か必要な物はありますか!冒険のお供から日用品まで全て揃えております!」

カナ「鞄とかある?」

道具屋「もちろん!丈夫がウリの皮の鞄です!沢山入りますよ!」

カナ(そっか、この世界は魔法という概念がないからなんでも入る魔法の鞄みたいな概念無いんだ・・・)

道具屋「もしかして新規の冒険者様ですか?ならなんとこのお店の特別商品!初めてセット!なんと各種類のポーション1本セットと鞄!そして冒険に欠かせない革製の靴や服も合わせて1万ロン!どうでしょう!」

カナ「買う!でもお金ないからまた明日以降でお願いします!!!」

カナは道具屋を後にする。

・・・・・・

カナ「今日も野宿か・・・」

所持金6000ロン
食費460ロン
武器防具一式5000ロン
現在所持金540ロン

カナの冒険はまだまだ始まらない・・・

patopatoblog at 18:52|Permalink

2025年05月20日

No.169 カナ冒険記その2

カナは自身の世界、【界園】に入る。

するとそこには以前死んだ場所と同じ場所に立っていた。

カナ「はぁ~、まさか死んだ場所からか~、まさか前回夜に獣たちに襲われるとは・・・しかもこの世界!現実世界の私のHP全無視じゃん!なにさ!HP概念あるなら表示くらいしてくれてもいいじゃん!馬鹿!アホ!不良品!!」

カナはその場で地団太を踏む、だがその行動に何も意味はなく、仕方なく世界攻略を始める。

カナ「前回は確か、街を探そうとしてたんだっけ?久しぶりに入ったから目的忘れちった・・・」

カナはとりあえず先に進む、結局水は見つけられずにいた、そのため獣の血を狙うしかないと考えたカナは街を探しながら獲物が現れるのを待つ。

カナ「武器は前回倒したウルフの骨、それが無くても別に倒せるけど・・・血か・・・すっごく生臭いから嫌なんだよなぁ・・・しかも変な菌が移ったらどうしよう、この世界に感染症とかあるのかな、あるよね!普通に!むしろこういう世界だからこそ感染症とは伝染病とかの設定が生きて来るもんね!あ~~あ!やってらんない!」

カナは大声で一人で喋り続ける、気が狂ったわけではなく、こうした方が獲物からカナの方に寄ってくるのだ。

カナの作戦は上手くいきまた野生のウルフがカナを狙う。

カナ「来たね来たね~~!」

カナはウルフの様子を伺う、そしてウルフが襲ってくるとカナは軽くかわし、そのまま回し蹴りをウルフの顔面に食らわせる!

そのまま吹っ飛んだウルフに対してカナは容赦なく頭を踏みつける!そして血が吹き溢れる!
カナはウルフの血液をすくい、飲み干す、マズかった、口の中に残る生暖かく、そして喉に引っかかるねっとりとした感触、中々退かない臭み、やはり不愉快という感情が勝った。

カナ(我慢我慢!生きるために食事をする!世界旅をしてた時にメリアから教わった!あの時は猪だっけ・・・う、あの後お腹壊したの思い出した、原因を出せないからただただ皆で苦しむっている苦行だったな・・・)

カナはそのままウルフを裁き、食事をする、やはり美味しくなかった。

カナ(マズイ、でも薄く切ればまだ食べれる、香草を使えば多少はマシになるし、工夫次第でどうにかなるものなのかな~)

カナは近くにあった香りがある野草を取っていた、それと一緒に肉を焼く事で野草の臭いで肉の臭みを誤魔化し、食べる事にしたのだ。

そしてある程度食事を済ませ先に進む。

・・・・・・

カナ「やった・・・初めての村だーーーー!!!」

カナはやっとの思いで村に到着した、まずは資金調達とこの時のために倒して来たウルフの毛皮を大事に持っていたカナは買い取り屋みたいな建物を探す

カナ「ねえねえ!ここらで獣の皮を買い取ってくれる店知らない?」

村人A「ああ!それならギルドがいいね!ギルドならそれを買い取ってくれるぜ!だけど嬢ちゃん、冒険者か?とてもそんな風には見えねえが・・・」

カナ「ああ!よくある奴ね!私ギルドに加入するために今までギルドの無いへんぴな村で鍛えて来たのさ!だからこうやってウルフも軽くボコボコに出来るってわけ!」

村人A「なるほどな!ウルフを倒せるなら大丈夫だろ!ギルドはあの一番デケェ建物だ!頑張れよ!」

村人Aは軽く手を振り去っていく。

カナ「中々気前のいいおじさんだったね!でもまさにチュートリアル!よくあるパターン!王道!このまま進めば順調に冒険者ライフを過ごし!将来はカルティナが言ってたこの世界を統べる真龍の所まで行ける!・・・かも」

カナはそう言いながらギルドに到着する、そしてギルドの受付で冒険者新規登録手続きを行うために受付嬢に話掛ける。

受付嬢「新規の方ですね!では登録しますのでまずはこちらの書類を記載して貰っていいですか?」

カナ「ねえねえ!職業とかあるの!ジョブってやつ!あとは属性適正とか!レベルは!そういう奴を見られるステータスカードみたいなのないの?」

カナはとりあえずと小説やゲームで培った知識を受付嬢に全てぶつける、だが受付嬢から帰って来た答えはカナの期待に応えることはなかった。

受付嬢「魔法?ジョブ?職業は冒険者ではないのですか?属性とは?武器で戦うのに属性は必要なのですか?ステータス?そんなもの視覚化出来たらどれだけ楽か、夢がありますね・・・」

っと苦笑いされてしまった・・・。

カナ(つまんな!魔法もジョブもないの?!でも武器は自由に選べるっぽいけど・・・こんなんで連載出来ると思ってんの!!普通はステータスをオープンしたら類稀な才能があったりとか!逆に平凡以下だけど何かの条件で爆発的に強くなるとか!そういうファンタジーはないわけ!!)

カナは不貞腐れた、せっかくのファンタジーがことごとく砕かれていく。

・・・・・・
受付が終わり、新規登録を済ませた。

受付嬢「では後はご自由にお仕事を探してください!頑張ってくださいね!」

カナ「待った!まさかギルドランクみたいなのもないの?!」

受付嬢「ランク?冒険者様が自身で取って来た仕事をわざわざ私達で選ぶなんて恐れ多い、私達ギルドからは勿論仕事を紹介しますが、それをやるやらないは冒険者様達が決める事で私達はそれを承諾するのみです」

カナ「なんでそこはリアルと同じなの~~」

受付嬢「まずはキャリアと名声が必要なのは間違いないですけどね!もちろんギルドから毎度仕事を貰うのもいいですが自身で仕事を見つけ顧客を捕まえ独立し!独自のチームを作るのも手ですね!」

カナ「やっぱりあるの!人気のあるチーム!!」

カナは心躍らせる!やはり名声の高いチームがギルド内に居るのは王道!

受付嬢「えっと・・・この街でとりあえず仕事を任せておけば安心と言われるのは【ナリアナグループ】、依頼料は高いですがほぼ難しい依頼も達成するまでこなしてくれる!逃げた事や放棄した事は今までに一度もない!【ジンワークス】、一般価格よりも安く依頼を受けてくれるけど達成率は50%、達成できれば安上がりに済んでラッキー!失敗しても安く済んでるからメンタル的にダメージが少ない!貧乏人の強い味方!【リストアップ!】この3グループですかね」

カナ「そうそう♪そういうの待ってたんだよ~~♪」

カナ(【ナリアナグループ】はよくある企業って感じ、【ジンワークス】は少し高価な弁護士事務所!みたいなイメージかな、【リストアップ!】はなんか地域密着型の小さい企業って感じかな~、私的には【リストアップ!】がお好みかな~)

受付嬢「他にも多くのグループはありますので、どこかに所属したいのであればぜひ自身を上手くアピールする事ですね!独立して自身でグループを立ち上げるならまずは名声を!そしてカナさんにこそ依頼したい!と思ってくださるお客様を沢山見つけることですね!」

カナ「そうだね!色々考えてみる!沢山教えてくれてありがと~~♪」

カナは受付嬢に御礼を言いながらウルフの毛皮を買い取ってくれる買い取りカウンターに向かう、そして毛皮を渡すと100ロンを記載されたカードを手渡される。

買取屋「君お金カードを持って居なかったから特別にあげるよ、そのカードは財布と同じだから絶対に無くしたらダメだぞ!もし心配なら体内にチップを打てば手をかざすだけで会計が全て事済むけど?」

カナ「それは便利だね!じゃあまたその施術をしてくれる店を探すよ!いくらぐらいするの?」

買取屋「無料ですよ!ですがこの街では行っていないのですよ、少し離れた所にここよりも栄えた街【シルムコッド】があるのでそちらに向かって頂けたら」

カナ「【シルムコッド】ね!というかこの村ってなんて名前なの?」

買取屋「【ウェコ村】ですよ!自然豊かで作物がよく育っている村なんですよ!この村から先ほどの【シルムコッド】に食材を提供しています!ぜひゆっくりしていってくださいね!」

・・・・・・
カナはギルドを後にする、先ほど紹介されたグループは全て【シルムコッド】に拠点があるらしい、この村もグループはあるがまったく名声はなく、細々と暮らしているらしい、だがこんな街に居座ってくれる冒険者は珍しく、村の住人は凄くありがたい存在だと思ってくれてるらしい。

カナ「なんかいいよね、お互いが求められている関係って、現実だと中々目に見えないからさ・・・」

カナはそう思いながら宿っぽい店を見つけ、一泊しようと受付に話しかける。

宿屋「一泊1000ロンだよ!」

カナ「・・・・・・」

カナは野宿した・・・。

patopatoblog at 22:10|Permalink

2025年05月16日

No.168 カロとサン

サン「こうやって対面で会うのは久しぶりかな、カロ、天園でも元気にしてる?」

サンはカロに手を差し伸べる、だがカロはサンの差し伸べた手を受け取らなかった。

カロ「すみません、どうしても貴女に会うと卑屈になってしまいます、皇園から逃げた私、あんな劣悪な世界でずっと【一輝星】であり続けたエリート」

サン「カロは私を買い被りすぎだ、【強化分野】はあまり需要がないのだ、君みたいな【波動分野】みたいに人気な分野とは違う、なにせ一週間の決闘で強化分野は半年同じ相手だったこともある、それだけ後継者が生まれないものなんだよ」

カロ「それはサンが完璧だったからでしょ、サン以上の強化分野に特化した従属を作れなかったからずっと放置されていた、それに比べて私の波動分野は次から次へと新しい子がやって来ては私の席を狙ってきた、それでも最高成績で【四輝星】が限界だった、あれだけ大変なのにサンには届かない、それが皇園の現実だった・・・」

サン「カロ・・・」

カロはそう言うとサンを避けて先に進む。

その光景を傍から見ていたネル。

ネル(こいつら何かしらの因縁があるのか、まったくこれからは同期だというのに、結局万園に選ばれなかった時点で全員が敗者、選ばれればどんな人生を送ろうが勝者、私も万園に来て実感した、私達は万園に認められるレベルの従属になってやっとスタートライン、万園以外の世界でいくら最強と言っても万園の中では最弱、広いと思っていた世界も万園に入ればその常識が覆される、だからあまり深く考える必要はないんだがな)

ネル「とりあえず難しい事は後は、主様の所に向うか♪」

ネルはパトの所に向う、今日は万園に選ばれた3名、ネル、サン、カロの対面式を行うらしい。

・・・・・・
ネルは帝国の玉座の間にやってきていた。

ネル「主様、遅れてスマンな、ミーエルと乳繰り合っていたら遅くなった」

月花「意味わかって言ってるとしたら恐ろしいわね、ネル、百合の花でも咲いちゃった?」

ネル「馬鹿め、冗談に決まっているだろう、正確に言えばただただミーエルを弄んでいただけだ、あいつは帝国で孤立しているからな、私がこうして相手してやらねば寂しくて哀れな天使に成り下がってしまうだろう?」

パト「ちゃんとミーエルにも友達とか仲の良い奴はいるし、結構充実してるよ!まったく!」

パトは玉座の間の隅にあるソファーに寝転がっていた。

ネル「おやおや珍しい、ソルテがよく許してくれたな」

ソルテ「今は休憩中ですからね、ずっと玉座に座っているのが仕事だとしても休憩時間は必要です」

ネル「そうかい、なら私もソファーにお邪魔しようかな」

ネルは空いているソファーに腰を鎮める、そしてソファー周辺で待機している侍女部隊の侍女に「紅茶を」と一言放つ。

ネル「それでまだサンとカロはここに来ていないのか?さっきここに来る前に見かけたんだがな」

月花「まだまだ時間があるからね、ネルくらいよ、こんな早い時間に玉座に足を運ぶのは、普通は恐れ多くて入ってこれないんじゃないかしら」

ネル「私が?馬鹿言うな、どんな立場になろうがこのヘタレで鈍感で脱いだ靴下を裏返したまま洗濯機に入れてしまう系の主様にどうやって恐れろと言うのだ」

ネルはクスクスと笑う、パトはその姿を見て「別に俺だって威厳を出そうとだなんてしてないっつうの」っと不貞腐れる。

ネル「それより主様、家族びいきと所属びいきだが、もっと私達と関わりを増やすんだな、他所の従属が今回こうして私と肩を並べるようになったわけだが、正直あまりいい気はしないんだ、青系統の連中を理解しろとは言わんが、せめてシンでもいいから攻略してくれてもいいんだぞ、やはり姉だからな、妹達の進路を気にしてしまうものなのだ・・・」


ネルは紅茶を口に含み、少し寂しそうに話す、だがパトは容赦なくネルに聞く

パト「その心、パシリが居なくて大変だって言いたいんだね!!」

ネル「よくわかっているじゃないか、シンなら容赦なくパシリに出来る、他の奴らだと頼みにくいのだ、頼んで下手に主様への貢献度を上げてしまえば意味がないからな」

パト「ネル側にも味方を起きたいって話かよ、まったく暴帝なら自分でなんとかしたらいいんだよ」

この話をしているとずっと空気になっていたメルリアが話に入ってくる。

メルリア「パシリとは言ってますがネルも本心で身内が優遇されて欲しいって気持ちはあると思いますよ、ツンデレですからね♪」

メルリアはパトに膝枕をしていた、最近見慣れた光景のため誰もそのことに対してツッコむ事はもうない。

ネル「そもそも一般従属はそもそも候補に入らないというのがシビアなものだな」

パト「確か最低条件が【神羅万象】持ちだからね、それ持って居ないとそもそも万園の従属に選ばれない、だからどの世界も神羅万象持ちの従属を優遇するんだろ?」

ネル「言ってみただけだ、可能性というのは不平等だ、私はその不平等の中チャンスを得て、そして主様と最も相性が良かった、それだけの話だ」

こうしていつも通り世間話をしていると約束の時間になる。

・・・・・・・
サン「皇園出身 強化分野筆頭 【一輝星】サン・ソレイユ、主パト様に呼ばれ参上いたしました!」

カロ「天園出身 王冠第三首席 波動分野局長 カロ・ムーンライト、主パト様に呼ばれ参上致しました。」

ネル「カロは確か元々皇園の従属で波動分野で1位の座を奪われ、奪還を狙うも最終順位は18位まで下がり、天園に転生したという経歴持ちらしいぞ」

パト「おいネル、本人の前であまりべらべらと」

カロ「いえ、隠す事ではありません、むしろ主様に隠し事等恐れ多い事をするなんて・・・」

ネル「サンは皇園では私と同じ立場に居たようだな、常に世界王に続くNo.2、ずっとその席を譲る事もなく絶対的な存在、うんうん」

パト「あまりイジる所がないからってうんうんで終わらせる奴があるかよ」

ネル「んで、こいつらを呼んだ理由は?」

パト「わかってんだろ、今現時点で万園に最も選ばれやすい候補2名、そしてそれは今後俺の成長に最も役立つであろう要素でもある、ネルが【攻撃】ならサンは【強化】、カロは【波動】そしてサンもカロもネルと同じく接点がなくても元々の適正率が高い、現時点であまり接点がないのに70%越え、万園は90%超えたら万園入りの条件を満たす事が可能だ、だがそこから自分が受け入れるか否かで最終の合否が決まる、今のままだと俺は二人がもし適正率を独自で上げたとしても許可は出せない、世帯の知れない奴を万園に入れたくはないからな」

ネル「その通りだな、私も得体の知れない奴を入れるのは反対だ」

パト「そこでだ、ネルの元で二人は定期的に集まって万園に選ばれる心得というかノウハウを学んでほしい、そして出来れば定期的に俺の元に来てほしい、サンやカロの持つ技術や分野のノウハウを教えてほしい、確か俺が二人からノウハウを教えてもらい理解する事で適正率が跳ね上がると聞いたことがある、二人にとっても嫌な話じゃないと思うんだけどな、どうだろう?」

サンとカロはパトの言葉で様子を伺うと思われたが、思いのほかあっさりと返答する。

サン「願ってもない事です、という事は主様から私を定期的に召喚してくださるという認識でよろしいでしょうか?」

パト(確か皇園から従属を出すときはアリシアが凄く苦しむんだよな、かなり気が引けるけど・・・仕方ないか)

パト「ああ、アリシアには承諾を得ている、何か他にもいい案があれば提示してくれるなら助かる、帝国なら常駐契約みたいな特別な契約があったりね」

カロ「天園は営業出張という名目であれば力は出せませんが現実に出る事は可能になります、もちろんリエル様とラル様から許可申請が降りればの話になりますが」

ネル「そこは大丈夫だ、ラルはパトの言う事なら二つ返事、リエルだってストレリチアが絡めば嫌でも頭を縦に頷くだろうさ、そもそもお前達が万園に選出されれば世界王はメリットしかないんだ、応援する事はあれ、拒むなんてありえないだろう、それをするのは零園のユミルくらいだ、あいつは根っからの変わり者だからな」

サン「ならば私も皇園で何かしらの特別処置がないかシリノア様からお聞きしましょう、力を出せないけど召喚は出来るという応急処置なら出来ると思いますし、なにせ従属に特化した世界ですし」

パト「ああ、二人とも頼むよ、ネルからは何か言う事は?」

ネル「別に何もって言いたいところだが、やる気がない奴は評価しない、やる気というのは別に一生懸命教えるとか仕事をするとかそういう話じゃない、お前達のそもそもの使命、主様に尽くすという使命に対して全うするか否か、その話をしている、使命よりもお前らの世界王、専属神を優先するようであれば万園には不適格だ」

ネルはパトの元に歩き、後ろから抱きしめる、そして二人に言い放つ。

ネル「私は身勝手な暴帝だ、常に自由人で命令なんて聞かない、だが、何よりも主様を第一優先にしている、主様のために動く、主様のために尽くす、主様のためならこの手をいくらでも汚す、それだけの覚悟がない奴が万園に来ることを私はお勧めしない、万園はどいつもこいつも主様ファーストだ、主様の二の次に回した時点で万園で死ぬことになるぞ?」

サンとカロはネルの脅しに涼しい顔で聞く。

ネル「まあ、何が言いたいか、まずは自分の上司くらいは黙らせる、もしくは有利な条件になるよう上層部である万園に営業をかけさせてでも自身に有利な条件を作れって事だ。そういう意味でもうちのミールは相当優秀だぞ?なにせストレリチアのお気に入りでもあるからな」

サン「シリノア様にも聞かせてあげたいですね、あの人は皇園の自室から中々出てきませんからね」

カロ「リエル様は遊び過ぎるからもっと世界王らしい仕事をしてほしいですね、羨ましい」

パト(やっぱり思う所があるんだな、ミールはなんだかんだいって仕事は出来るからな、こまめにフォローしてくれるし)

ソルテと月花、メルリアは今回の経緯を見守っていた。

ソルテ(強化と波動、サンは龍でカロは天使、まさにパトさんの種族とも適合している、ネルは神族だし)

月花(本当私の世界ってかなり整っているのね、なんか誇らしいわね)

メルリア(いずれは私の世界からもこうやって旦那様の側近になれるような従属が現れるように頑張りたいですね!)

パト「それじゃあさっそくだけど、親睦会も兼ねてサンとカロについて教えてくれ、もちろん俺の事も知ってもらうためにどんどん話そう!」

こうして親睦会も兼ねてソファーでパト、ネル、サン、カロの4名は互いに自己紹介を兼ねて話を募らせていった。




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2025年01月22日

No.164 聖邪大戦(別世界線の300年後)

これはソルテの世界王エクレシアとヨハネの因縁のお話し。

それはエクレシアがまだシーノと呼ばれ聖鬼神族の長として存在しており、
ヨハネは聖鬼神族の対となる存在、邪鬼神族の長として存在していた。

300年、この世界ではパトやメリアが既に居なくなった世界。
パトやメリアが何故居なくなったのか、それすらも不明であり、専属神もその世界ではパトは3人しか連れておらずその中に居たメリア、ソフィア、ソルテの3名が共に消えていた。

この世界線のシーノは聖鬼神族の中でソルテを姉のように慕っていた。
そして尊敬しており、全世界の崇拝の対象であるシーノが唯一崇拝していた人物だった。

だがソルテがパト達と共に消息を絶ち、行方不明になって数百年、シーノは神王、そしてさらに覚醒し、帝王神候補まで進化していた。

まさに聖鬼神族の選ばれし者、聖鬼神族という種族が存在してきた中で最も最強、それがシーノだった。

だがそれと同時に邪鬼神族にもシーノと同じく最強と呼ばれる存在が居た、その名はカルシオン。

カルシオンは帝王神候補に入っており、序列は6位、シーノは4位、この二人は明確な派閥があり、敵対関係にあったため、争いが絶えなかった。

・・・・・・
シーノ「カルシオンが宣戦布告か・・・面倒臭いかも(死ねばいいのに)」

シーノは頭を抱えていた、そもそもシーノは戦いを好まない、だがカルシオンは事ある事に戦を仕掛けて来る、仕掛けられたらシーノも受けなければ自身の陣営に大きな損害が生まれる、それが定期的に行われるため平和とは程遠く、そして聖鬼神族なのに数百年前と違い、聖としての要素が薄れているように感じていた、それは何度も争いを重ねて来たからだ。

シーノ「このままじゃダメだよね、カルシオンを私が始末しないと・・・この争いは一生終わらないんだ」

シーノはこんな時ソルテならどうアドバイスをくれるんだろう?どう対処するのだろう?私が思いつかないような凄い策を思いつくんだろう?そんな事ばかり考えていた。

・・・・・・
聖鬼神族と邪鬼神族の争いが始まって100年、その時は来た。

それはシーノとカルシオンの一騎打ちが起きた。

結果を言うと同士討ち、この戦いでシーノとカルシオンは同時に命を落とす。

その戦いは聖鬼神族も邪鬼神族も壊滅的な損害が出た、そして二つの勢力の長を無くした。

・・・・・・
シーノは命を落としたが、その魂はストレリチアに拾われる。

ストレリチアから、「シーノとしての未練を今度は貴女が尊敬して止まなかった人に捧げ、今度は貴女が望む世界を作り上げてみせなさい」

そしてシーノはエクレシアとして、聖鬼神族としてではなくソルテの世界王として転生を果たす。

だがそれは同時に命を落としたカルシオンも同じだった。

ストレリチア「カルシオンとしての未練、野望を果たすに足りなかったものがなんだったのか?それが知りたいのなら貴方は私達の主、パト様を慕いなさい、そうすれば貴方の野望に一歩前進出来るかもしれませんよ?新たな世界でぜひ貴方の前世から成長したという事を見せてください」

そうして生まれたのはカルシオンの生まれ変わり、ヨハネ。

ヨハネ「僕は今度こそ天下を取る、パト様を理解し、尽くせば僕は、前世を超える事が出来るんだ」

そして転生を果たしたヨハネはエクレシアの弟として世界王として転生する。
だがヨハネにストレリチアは細工をしていた。

ストレリチア「姉弟は仲良く♪仲良く駒を使って与えられた世界で世界征服してください♪」

そして「聖園(邪園)」という歪な世界と歪な二人の世界王が生まれた。

patopatoblog at 01:58|Permalink

2024年12月15日

No.162 カナ冒険記その1 第四章425話

カナはカルティナの会話を終えるとそのまま案内された世界、第八世界【ヘスティディア】に転送された。

カナが転送された場所は草原だった。

カナ「本当にRPGか!ってくらい再現されてるね、という事はもしかしてモンスターが?!」

バッとカナは振り向く、だが周辺には何も居なかった。

カナ「そういえばさっきまで写ってたステータスみたいなの、消えてるね、もしかしてそういう世界じゃないってこと?」

カナはオーラを込める、だが全然オーラが溜まらない。

カナ「成程ね、この世界はオーラという概念がないのか、なら魔力とか?という事は現実世界の私の力はこの世界ではまったく意味を成さないってことなのかな?」

そもそもオーラが纏えない以上身体能力にそこまで期待できるものではない。

カナ「でもまあ私龍だし~、人間に比べたら筋力は~~~ある!!!!」

ドゴー――ン!!!

カナは地面を思い切り殴る、すると規模は小さいが地面が少し盛り上がった。

カナ「う~ん、地面じゃわからないなぁ、木が近くにあれば今の力量を確かめる事が出来るのになぁ」

カナはそう言いながら次は走る、カナは龍族であるため人に比べても脚の筋力がある、どれくらい速いかと言うと陸上競技全競技素で人間の世界記録を余裕で更新してしまう程にはある。

カナは生まれ持っての龍族のためそもそも身体の作りが異なっているのだ。

・・・・・・
カナは草原を走り続ける、脚は充分、だが問題は体力だった。

カナ「はぁ、はぁ、つ、疲れた・・・」

カナは身体能力は高いのだが、唯一体力がないのだ、それは単純に訓練不足。

カナ(最近大会でもそうだったけど真面目に訓練してなかった事が悔やまれる場面が多いなぁ、技術とかはすぐに覚えるのになぁ、はぁ、私もソフィアみたいに能力戦闘特化の性質をしてたら良かったんだけど・・・いやいや!そんな事を悔やんでも仕方ない!)

カナは少し休憩してから再度走り出す、だがそれを繰り返していると違和感に気付く。

カナ(あれ?私こんなに体力なかったっけ?こんな距離で疲れるならパトとメリアが行方不明になった時、ソフィアと調査するためにわざわざ東京から東北まで飛んだんだよ、あれだってオーラ以前に体力だった、でも全然苦じゃなかった・・・もしかしてこの世界では【スタミナゲージ】が存在するの?!)

可能性がある話だった、ゲームではよくある設定だ、
常に走れないようにHPゲージとは別にスタミナゲージが搭載されている、この世界はもしかするとそれが採用されている、だからずっと走り続けられないのかもしれない、カナはそう考えた。

カナ(あり得る話だね、だとすればこの世界は私の知ってるゲームの中で何が一番近いか、それをまずは認識する必要性があるね、そこからこの世界に適応していかないと大事な場面で取り返しがつかない事になるかもだからね)

カナは何度も走る、そして何度も止まる、それを繰り返す事で自分の現在スタミナを理解する。

カナ「うむ、大体全力疾走で20秒、駆け足程度だと30秒、あまり差はないね、何回か計ってみたけど時間も距離も同じ、どんどん呼吸が苦しくなってどうしても限界が来て止まってしまう、それが20秒、これ、もしかして飛ぶとか、上り下りとか、水泳とかでも影響を受けないよね?だとすればこの世界で大事なのは体力を上げる事になるかも、う~ん、もっと情報が欲しい、そもそもHPゲージは見えないけど多分存在するよね、攻撃力とか守備力ってどういう概念なんだろう、敵が現れないとなんとも」

そんなこんなと考えていると草原の先から野生の獣が現れる。その姿は狼のようにも見える。

カナ「おお、モンスターって奴だね、最初の敵がウルフ型か、最近では見ないスタイルだね、大体ゴブリンとかスライムとかだと思ってたけど多分これはファンタジー系じゃない、もっとリアル要素を詰め込んだような・・・あれ・・・これもしかして狩り系のゲーム??」

カナは今武器を持って居なかった、素手で戦うしかないと構える、そして狼はカナに襲う、だがカナからすれば一直線の単調な攻撃、複雑な動きをしない相手ならとそのまま身をかわし、狼の腹部を蹴り上げる!

狼「ぎゃふ??!!」

カナ「いいの入ったね!気が進まないけどごめんね!!」

カナはそのまま倒れている狼の頭をかかと落としで決め、完全に頭蓋骨を割った。

その瞬間一瞬の悲鳴と共に頭部から多くの血が辺り一面に飛び散った。

カナ「げ~、ここはリアル再現か・・・特に経験値という制度はなし、狼も別に勝手に消えたりはしない、お金を落とす事もない・・・もしかしてこれ、素材剥ぎ取りとかしないとダメな奴・・・?」

カナは青ざめる、今までそんな経験がないというのもあるが、もしカナの予想通り狩り系のゲームをモチーフにされた世界だった場合、それを意味するのは今後の展開で天災級の化物と対峙しないといけない、しかもそのゲーム規模が一体の地域なのか、星規模なのか、それとも宇宙規模なのかでスケールが大きくかわる、だがここはカルティナが創った世界、地域という小さな世界で収まるわけがないと考えるとすると星規模か宇宙規模、となると今ここは果てしない物語の始まりでしかないという現実を突きつけられる。

人によっては想像もつかない、無限に広がるような世界、やり込み要素が沢山あるという事に喜ぶゲーマーも居る、だがカナはそのタイプではなかった、果てしない、始まりの時点でゲームプレイ時間100時間以上プレイしても果てしない大規模スケールのゲームだとわかると始めた段階で面倒臭いという気持ちが勝ち、逆にやる気を失うタイプなのだ。

カナ「外れじゃん!レベル制度がないって事はレベルさえ上げれば雑魚無双できるわけでもないし!こういうのって大体は装備とか料理とかアイテムで状態を管理するのが殆ど!つまり基礎ステータスうんぬんの強化は無理!!つまり雑魚狩りとか無双系は出来ない!しっかり面倒臭い!あ~~~~!!!」

カナは頭を抱える、まだレベル制なら努力をすればステータスが上がったり、魔法や特技を覚えたりで楽出来る場面が多くなり見返りも多いのだが、アクションゲームは完全なプレイヤー技術が求められる、そして常に努力をしても次から次へと敵が強くなり、作った装備がすぐに弱いものになる、現時点で強い武器を必死に作る!だが少し進めたらそれが最強じゃなくなり、最悪使い物にならなくなる。

もっと言えば属性耐性とかの話になれば敵に合わせた装備を何パターンか揃える必要も出て来る、
何属性付与の武器、そして相手が雷属性だったらそれに耐性のある防具シリーズ、それらを揃えるためには魔物を狩り続ける、ゴールがないのだ。

カナ「しかもこういう系のゲームってよりにもよって倒すのが難しいモンスターが素材対象だったりするからね・・・はぁ」

カナは意気消沈しながらも先に進む、何か強くなるきっかけがないかと。

・・・・・・
カナ「まず戦闘は避けよう、戦っても何もメリットないし・・・」

カナは神格開放を行おうとしたが発動しなかった、恐らくだが発動条件を満たしていないのだろう。

カナ「あるある、新機能実装!だったり、こういう新必殺技システム導入!って謳い文句のくせに使えるようになるのは中盤くらいからって奴・・・序盤が重要なのにさ・・・はぁ」

カナは飛んで当たり一体を確認したかったが神格開放が出来ない以上龍の姿にはなれないので視界に入る中で一番高い場所を探す。

・・・・・・
カナ「さて、まずは木登り・・・っと」

カナは走り続ける事数分、やっと一本の木を見つける、結構大きい木のため登って確認するには最適だと考え木に登ろうとする。

カナ「・・・掴むところないね!これ!!」

その気は綺麗に真っ直ぐと伸びていた、そして凸凹が少ないため少しくらいなら足を引っかけられる場所を見つけられるのだが、途中で何をなかったりする、そこは現実と同じ仕様らしい。

カナ(そこはゲーム感覚で上りやすいようにしててよ!!リアル再現必要ないって!!ジャンプしたけど脚力だけじゃ全然上の枝に届かないし!何かしらのアイテムが居るのかな~、もう!本当面倒臭い!)

何度も挑戦するが登れなかった、木登りはフィクションのように簡単には登れないのだった。

カナは木登りを諦め、先に進む、感覚を研ぎ澄ませてはみるが、気配は一切感じない、このままだと空腹で動けなくなる可能性があるため、とりあえずは燃えそうな枯れ木、落ちている石等を集める。

カナ「そういえば能力も使えないんだった・・・龍なのに火も扱えないなんて・・・普通こういうゲームなら街からスタートするもんじゃないの?」

カナは文句を言いながら材料を集める、訓練時代野宿は何度かしているため野宿の心得はある、そして念のためと先ほど倒した狼の肉を狼の割れた頭蓋骨をナイフ代わりに使い切り離していた。

カナ「近くに水があるなら洗いたいけど、全然見えない、最悪次会った魔物の血液を飲まないとなぁ、はぁ、あれ本当嫌なんだよなぁ、変な病気貰いそうでさ、でも貴重な水分でもあるし」

野宿訓練時代に実践させられていた、提案者のメリアも流石に血液を飲むのは躊躇していた記憶がある。というよりも本当に最終手段としてだったため、リスクの観点からおススメはしないと言っていたのだ。

カナ(まだ安心といえるのは自分の尿を飲む事か、サバイバルでは自分の尿はまだ安心出来る部類の水、だけど色々嫌だ!!水たまりとか川水は寄生虫のリスクが高い、だから飲むにしても火を通す必要がある、後は雨水作戦もあるけど・・・どれも全滅、尿かな・・・)

ただここにも問題が一点、カナの身体は尿を分泌しないのだ。
龍族というのもあるが、神族でもあるカナは、食べた物は全て余す事なくエネルギーとして変換される、つまり跡形も残らない、故に尿や糞といった物が存在しない。

故に尿と言っても【他の誰かの尿】になるのだ。
そうなるとリスクは変わらない。

カナ「水問題、これをなんとかしないと、まずは食事!最悪血液!」

カナはまだ焚火をする、そして先ほど狩った狼の肉を焼けるように薄く切り、食べる、臭みが凄く野生の味がした。

カナ「うへ、マズイ、臭すぎる、しかもただ焼いただけだから味も質素、というか興奮状態で殺してるから筋肉に血液が行き届いててマズイ・・・」

狩りの話になるが、動物を狩る場合、狩る前に興奮状態、もしくは運動をさせた状態で殺すと血が肉に行き届き、マズくなる、だからこそ一瞬で意識を奪うという手段が取られている、そこには苦しませないようにしようという道徳的な意味合いもあるのだろうが、基本苦しませてストレスを与え続けられた肉はマズい。

カナ「次は水探し・・・後天候の影響も考えないと、ここまで制限されてるなら現実世界での体質はない物だと思ってた方がいいよね」

カナは龍族であるため気候の変化に強い、主に暑さに強く、多少のものなら平然と居られる、だが今のカナはわからない、今居る草原の気候と気温が丁度良い事もあり、夜になった時どれだけ当たりが冷えるのか想像がつかないのである。

カナ「水場を探そう、そこさえ見つけられれば生命線はなんとかなる」

カナは思った。多分この短期間では何も得られないだろうと・・・。

patopatoblog at 21:00|Permalink

No.161 あの夜琴歌が感じた物は(R18)第五章429話その後

琴歌はメルトリア総本山に向かう、それはつまりもう一度リトアと会う可能性があると考えていた。
そのために眼の訓練を行っていた、

リトア戦で眼で戦う感覚を理解した琴歌、それは自分の最大の可能性であり、
つい最近まで一般人であった琴歌が唯一戦える手段、戦闘もそうだが、攻撃に対する知識が乏しい琴歌が出来る事と言えばこれだけしかなかったのだ。

琴歌「眼・・・もしかして感情とその時考えていた願望とかで変わる?」

琴歌は手鏡を見ながら自分の眼を確認する、楽しかった思い出に浸り、相手を癒したいと考えれば色が変わり、シアーネの事件を思い出し、怒りの感情を思い出し、アロケルという悪魔を自分自身の手で殺めたいと考えた時、鮮明に色が変わった、そこで眼が変わる原理は自分自身の精神状態とその時の望みに由来するものだと理解する。

琴歌(まずはそれだけ理解出来ていればある程度意図的に眼を選ぶことが出来る、なら後はこのバリエーションを試してみて・・・効果までの余力があるかどうか・・・ですね)

周りが各自仮眠や見張り等で動いて居なくなったフロアでその場から動かずに自分の力を試し続けた。

・・・・・・
眼の訓練をして、休憩してを繰り返し、流石に寝ないと次の日に支障が出ると考えた琴歌は同じ場所に居たアリシアに声を掛けた。

琴歌「すみません、仮眠室はどこにありますか?」

アリシア「あ、ああ、あの扉から入って真っ直ぐ進み、右4つめの扉を開けて貰えたら仮眠エリアになります、琴歌ちゃんは専属神という特別な存在だからパト様達と同じ特別仮眠室で寝て貰いますね」

琴歌「ありがとうございます、私は一度睡眠をとります、アリシアさんも休んでくださいね」

アリシア「ありがとう、でも私は消耗しないから大丈夫ですよ、安心して眠ってください」

アリシアは笑顔で琴歌を見送る、ただアリシアの顔はどこか上の空というか顔が赤くなっていた、
琴歌はそんなアリシアを気にも留めず仮眠室に足を運ぶ。

・・・・・・
琴歌「ここですね、わあロビーみたいになっているんですね」

琴歌はアリシアに言われた通りの道を進む、そして扉を開けると白く広い部屋が広がる、そして各通路がある、その通路からはデザインも変わり、各仮眠室が容易されていた。

琴歌(確かパトさんはソフィアさんと一緒に先に寝てましたよね、一度顔を見ておきましょう、もしかすると一緒に遊んでいるかもしれませんしね)

琴歌の中ではソフィアは性的な事は一切しない、そもそも興味も無ければあまり積極的ではないという事をホテルで一度聞いたことがあった。

・・・・・・
琴歌「感度が高い・・・ですか?」

ソフィア「そうそう、エッチな意味じゃなくてね、私は本来歩くだけでも凄く感度が良いから痛いって感じやすいんだ、だからお湯だって熱すぎると痛くて我慢できないし、逆に冷たいのもダメ、だけどオーラでそれをなんとかフォローしてる感じかな」

琴歌「それは・・・不便ですね、私よりも酷いのでは・・・」

ソフィア「突然変異体の宿命みたいなものだね、強すぎる力には何かしらの代償があるんだよ、パトもきっとあったはずだよ、メリアはパトは突然変異体なのに全然バッドステータスがないみたいな事を言ってたけどね、今のパトになったから問題が解決したのかもしれないしね、例えば強すぎるけど短命だったとかも・・・知らないけど」

琴歌「今のパト君はそんな事ありませんよね?」

ソフィア「そうだね、突然変異体ではあるけど一度肉体と魂分離しちゃってるからね、でもある意味以前より強い力手に入ってるし結果オーライじゃないかな」

琴歌はそんな些細な話をお風呂の中で話していると、恥ずかしながらもちょっとした疑問をソフィアに聞く。

琴歌「あの・・・痛くないのですか?あの・・・パトさんとその・・・夜を致す時は・・・」

ソフィア「エッチの話?私パトとエッチしたことないよ?キスまでかな~、だって流石に情緒が乱れてる時にオーラを気に掛ける程余裕はないし、そうなったら多分気持ちいいよりも苦痛に耐える方が勝っちゃうと思うんだよね、折角愛し合うエッチが不快感で満たされたら嫌でしょ?パトも気を使うし、私も嫌だし、だから私はエッチはしない、というより興味がないかな、パトも別に私の身体を目的にしてるわけじゃないし、むしろ求めない事がパトにとって安息の場所になってるし、あまり女を出したくないんだよ私はね」

琴歌「そ、そうなのですね、デリケートな話をしてすみません・・・」

ソフィア「まあ私に気にせず琴歌ちんもそういう流れになったらちゃちゃっとやっておいたらいいよ、あのハクちゃんだって経験済みなんだよ、カナっちも表ではあれだけ元気だけど、裏ではしっかりやる事やってるし、皆凄いよね~、別に誰も咎めないし、自分から行かないと本当ずっとお預け喰らっちゃうからね、ハクはもうずっと奥手だから不満沢山あるみたいだしね~、あの子も何気にちゃんと性欲があって私は安心だよ~」

琴歌「えっと・・・その時は参考にさせていただきます」

琴歌は自分で振った話題なのに恥ずかしさが勝ち、湯舟に顔を鎮める。

・・・・・・
琴歌(ソフィアちゃんは絶対にない、だから安心してパト君の所にいけますね!)

琴歌はそう考えていると通路の方から誰かの声が聞こえた。

琴歌(女性の声?なんか切なそうな・・・でもなんか声をなんとか抑えてそうな・・・どこでしょうか?)

琴歌はその時頭の中で「女性が一人で慰めているのかも」「体調が優れない人がいるのかな」等考えていなかった、それは眼を酷使した事で偏頭痛を現在患っていたことが関係していた、とりあえず考えるよりも声の正体を知ろうという好奇心で動いていた。

そして琴歌が声の出所を突き止めた、それは【パト専用仮眠部屋】と書かれた扉だった。

琴歌はパト専用の部屋で女性の声が聞こえる、そしてその声が喘ぎ声であると気づき、感情が高ぶる

琴歌(誰かがパト君と性行為をしている?!!!!)

琴歌の心臓は凄くドキドキしていた、
手が震える、思考が整理できない、手に汗がにじむ・・・

そのまま立ち去ってもよかった、だが琴歌はこのような場面に生まれてから一度も立ち会った事がない、それどころが病弱であった事、女子高に通っていた事もあって性的な興奮を感じる事がそもそもなかったため、抵抗のない琴歌にとってこの現状は逃げ出したいという気持ちとずっと聞いていたいという好奇心が同時に身体の主導権を奪おうとしていた。

琴歌(こ、ここはパト君と私達専属神達だけの仮眠室エリアだって言ってた・・・だからこの相手も専属神・・・誰・・・かな)

琴歌は我慢できずに扉に耳を当てる、するとその声はソルテだと判断する。

ソルテ「うん///、ごめんなさい、私、こんなこと、んん///パト様が寝てる時に///あ、汚しちゃって・・・」

琴歌(ソルテさん?!ソルテさんがパト君と?!)

琴歌はもう動揺を隠しきれなかった、息が荒くなる、心臓の鼓動がうるさい、そして今までにない程興奮している、もう他の事に気が回らない、ただ扉の先で何が行われているのか、その一点にしか意識が向かなくなる。

琴歌(駄目、このまま立ち去らないと、でもこんな・・・気になる・・・)

琴歌はそのまま扉に耳を当てる、そしてそこには声だけではなく身体と身体がぶつかり合う音、水のような音が聞こえる、琴歌は興味はなくとも年頃の女性でもあり、知識としては知っていた、だがそれは知っていただけで今こうして耳に入ってくる音は琴歌の持つ性知識を凌駕しており、生々しい情報に脳が溶けそうになる。

琴歌(うう、なんでだろう、むずむずする)

琴歌は無意識に右手を自分の股間部分に触れる、そして今までにない程むずむずをなんとか解消しようと琴歌は自分の敏感な部分に触れる、それはまるで蚊に刺され、痒くなったからどうにかしようとするみたいにただ琴歌は自分の敏感な所を弄る。

琴歌(声だけじゃくて見たい、どんな風に行われているのだろう、でも扉を少しでも開けたらバレちゃう、いや、ここでこんなことしていてもバレちゃう、どうしよう、どうしよう)

琴歌はそう考えていると先ほどまでずっと眼の訓練をしていた事もあり、今の精神状況と願望でどうにか透視出来ないか試みる

琴歌(み、見える・・・)

成功した、自主訓練中はあくまでその場で思い出して実践していた、だが今は強い感情と願望で行われている、そのせいか自主訓練時よりも鮮明にそして正確に実行出来ていた。

琴歌が透視で見た背景はパトが仰向けで寝ており、その上にソルテが覆いかぶさっているような光景だった、不慣れなソルテはゆっくりとゆっくりと、だけど時に我慢できないのか速度を上げて性欲を満たそうとしていた、ソルテはパトから精液を貰う事が目的のため自分が果てて終わるわけにもいかずになんとか不慣れで、だが今まで誰にも侵入された事がない自分の体内の敏感な所に当たる感触に対して我慢しながら動いていた。

琴歌はその一部始終をソルテの後ろ姿という形で見る事が出来た。

琴歌の視線がそこから離れる事はない、ただその生々しい光景だけを見て、どんどん自身の股間がむずむずするのをなんとか抑えようと敏感な所をさっきよりも強くこする。

琴歌(入ってる・・・のかな、扉は多分近いから透視出来たけど・・・ソルテさんお布団で隠してパト君に覆いかぶさってるから見えにくい・・・でもわかる、お布団越しでもソルテさんが腰を動かしている・・・)

琴歌は服越しではなく直で触る、凄く濡れていた、ここまで自分の股間が濡れているのは初めてだった。だが琴歌はそんな事に気を留めずに擦り続ける、それだけでも十分発散されるのだが、もし挿れられたらどんな感じなのか、そんな目の前の光景を羨ましむように自分の指を今だに溢れ続けている自分の穴にゆっくり入れてみる、今までにない程濡れている事もあり、すんなり入った、不思議な感覚だった、肉体の内側を触っている感覚、指先に感じるのはヌルヌルした感覚、後は今目の前で行われている事を自分の指で実演してみる事だった。

琴歌(ソルテさんは上下に、後前後に腰を動かしてる・・・そうした方がいいのかな・・・)

琴歌は体勢的に腰を振る事は出来ない、だからと自分の指を上下前後に動かしてみる、するとただ指を入れているのとは違う、別の感覚に襲われる。

琴歌(ここ・・・気持ちいいかも)

琴歌は痒い場所を見つけた時のように無我夢中で一点を掻く、痒い所を掻く、その時に満たされる感覚以上に満たされる感覚、これならこのむずむずを我慢出来ると搔き続ける。

そして扉越しに聞こえる声、

ソルテ「あ・・・・あ・・・出てる・・・出してくれてる・・・ダメ、イク・・・」

ソルテは最後切なそうな声でパトに体重を預ける、琴歌はその光景を見て、ソルテはパトに出されたのだとわかり、琴歌の興奮はピークを迎える。

琴歌(中に出された?!どんな感じなのかな、イク?イクって何?イクってどんな感じなの?)

琴歌の心臓が過去一番に高まっている、そして琴歌は決定的瞬間を見た

それはソルテが起き上がり、布団が剥がれる、見えた、ソルテとパトの結合部、そしてソルテはそれをゆっくり出す、そしてそこには艶めかしい液体、そしてソルテの股から垂れる白い液体、琴歌はその光景を見てもうパンク寸前だった脳が完全にパンクし、それが琴歌の刺激し続けて来た股間にダイレクトに伝わる。

琴歌「んんん!!!んんんん~~~~~~~~」

身体全体が痺れる感覚、そして満たされる感覚、そして今までのむずむずが嘘のようになくなり、ただそこには下着がぐしょぐしょに成程に溢れた自分の体液だった。

琴歌「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」

琴歌の呼吸は乱れ続けている、そして初めてイッたという事もあり、足に力が入らなかった。
だがこのままではいけないと、琴歌はなんとか隣の仮眠室に入る。

琴歌「はぁ・・・はぁ・・・凄いものを見てしまいました・・・パト君は動いていなかったという事は寝ていたのでしょうか・・・でも」

あれがセックスだなんて・・・
自分の好きな人が他の女性と性行為をしている光景、それは凄く心が痛む、だけどそれ以上に興奮が勝った、恥ずかしいし、背徳感もある、強い嫉妬感もある、自分にもしてほしい、愛されたい、もっと恋人のような事をしたい、独占したい、【むちゃくちゃにしてほしい】あれほど自分でも抑えきれなかった股のむずむずをパト君が収めてくれたらどれだけいいんだろう、自分の手でもあれほど気持ちよかったのに、パト君のアレが入ればどれだけ満たされ、気持ちいいのだろう、そんな多大な情報や欲情が琴歌の脳内を駆け巡る。

琴歌「ダメ・・・まだ収まらない・・・」

琴歌は自分が今居る仮眠室でまた自身の股間を弄る、この時、自分の濡れている股間を見る、今までこのような状態になった事がない、自分の身体なのに自分の身体とは思えないような感覚、フワフワして下腹部が熱くなる感覚、その感覚が新鮮で切なくて、だが興奮して、そしてそれはソルテの光景と重なり、また手を伸ばしてしまう・・・。

この後アリシアがパトの所で同じように、いや正確には同じではなく、複数のアリシアを駆使してパトのパトの身体を使い、本当の意味で男女が求めるような、だがパトはソフィアの不可能支配で目覚める事が出来ない状態で、アリシアはパトと繋がる、その光景を再度琴歌が見てしまい、その日だけでも自分の胸にある突起物が触り方次第では気持ちよくなる事も、身体を愛撫される光景を見て、自身の身体を優しく触れる事も、繋がる瞬間も全部、琴歌の知識として頭に入る、そして少しでもその光景を近くで見たいという願望が今まで琴歌が苦戦していたパトとの視界リンクを成し得るきっかけとなったのだ。

パトは寝ていても一人のアリシアが裸でパトの身体を支える、その時うっすら開いた視界越しで琴歌は完全に女の発情した顔になっているアリシアを見る、そしてその行為の一部始終を見届ける。

・・・・・・
翌朝

琴歌は起きたら全裸だった、だが昨晩の出来事を思い出し、自分が狂ったように何度も何度も、そして何時間も快楽を求めていた事を思い出し、恥ずかしさと罪悪感でいっぱいになるが、そこで琴歌は認識した。

琴歌「私、もしかしてパト君が他の人とエッチをしてる所を見るのが好きなのかも・・・」

琴歌はボソっと声に出すが誰が聞いてるわけでもないのに慌てたように訂正する。

琴歌「わ、私はまだ経験がないのに!そ、それはパト君と初めてエッチしたときに分かる事だよね!!」

琴歌はこの時初めて「私を抱いてくれないかな・・・」とパトの身体を求めるようになったのだった。

patopatoblog at 16:47|Permalink

2024年04月16日

No.145 黎明の陽射しNo.3 邪悪な銀龍

メリアは自身が密に持って居る組織、【黎明の陽射し】達の普段の行動は特に制限を掛けていなかった。

メリアとしても基本的に用事がある時意外はあまり関わりを持ちたくないメンバーでもあるからである。
メンバーの中でも特にメリア自身が毛嫌いしているのはNo.3 白銀帝王龍のエラトマ・マールムだ。

エラトマとメリアが初めて会った時、エラトマは今にも消滅しそうな状態だった。

・・・・・・
エラトマ「恨みを買いに買い、気付けば朽ち果てる・・・欲に覚えてしまった代償か~、んん~~続々する♪」

身動きも取れない、ただ自分の消滅を地に倒れ空を見上げながら待ち続けていた。

するとメリアがその場に現れた。

メリア「野生の白銀帝王龍ですか・・・珍しい拾い物ですね、」

エラトマがメリアに感じた印象は「温室育ちのボンボン」だった。

エラトマ(なんだこの女、身なりも喋りも立ち姿も綺麗だ、ムカつく、野心も何もなさそうな奴が私を見下ろすなってんだ、あ~あ、股間乾いたわ、マジ最悪)

メリアは消滅仕掛けているエラトマに蹴りを与えた。

バゴ!!

頭部に思い切り蹴りを入れ、そしてそのまま何度も踏みつけ、そして首に足を置いた、もちろんエラトマは動揺した。

メリア「不愉快な眼ですね、反抗的・・・私が最も嫌う眼です、なんで貴女程の種族が死にかけているのか知りませんが、私がトドメをしてあげましょうか?ただし、楽には殺しませんけど?」

足に力を込め、エラトマの首を圧迫する、エラトマは動揺と同じくゴミのように蹴り壊そうとするメリアに怒りが込みあがっていた、動けないエラトマは絞り出すように声を出した。

エラトマ「放せ・・・殺すぞ」

メリア「威勢のいい言葉、でも残念ながら殺されませんし、私が殺します」

メリアは頭、首、胸部、腹部、陰部と急所となる箇所を徹底して蹴り壊し始めた、
エラトマはその激痛に耐え切れず悲鳴を上げた。

メリア「陰部が一番いい悲鳴あげますね、ここですか?」ドゴ!!!

メリアはフルスイングでエラトマの股間に蹴りをぶつける、エラトマはあまりの激痛に失禁してしまった。

メリア「情けない、まさに生き恥、死ぬ前にここまでの恥を得られたことを感謝しなさい、ほらさっさと消えて良いですよ」

メリアはスッキリしたのか、失禁し、今にも意識が飛びそうなエラトマを置いて帝国に帰ろうとした時、エラトマがメリアを止めた。

エラトマ「なんで・・・こんな事をするんだ・・・私が・・・あんたに・・・何かしたかよ・・・」

エラトマは睨む気力もないまま泣き崩れた顔でメリアに問いかける。

メリア「ええ、貴女は私に不愉快な眼を向けました、それは重罪です、今は良い眼です、私を恐怖対象として見ている、どう?私のペットとして飼いならされてもいいなら直してあげてもいいけど、もちろんある程度なら好きな事もさせてあげる、だけど少しでも私に反抗したら・・・」

メリアは失禁して濡れてしまっているエラトマの股間を思い切り踏みつけ、靴のかかと部分でグリグリと力強く押し付ける。

エラトマは悲鳴を上げ続ける。

エラトマ「もう殺してくれ!嫌だ!私は確かに悪い事ばかりしてきた!!だけど何もしていないお前にここまでされるなんて理不尽だ!!」

メリア「理不尽ですか、よく理解してますね、そうです、理不尽ですよ、ですが私はその理不尽を振るえる強者で貴女は私の理不尽を受ける弱者、もちろん貴女だって今まで弱者に沢山の理不尽を与えて来たのでしょう?よく知っているはずじゃないですか?違いますか?」

メリアは流石に靴が汚いと考え、股間を踏みつけるのは辞めた。

メリア「ちなみにさっきから消滅しないのは私が貴女に回復を施してるから、そして同時に攻撃しているの、だから貴女が自然に死ぬなんてありえない、それでどうする?回復してほしい?それともずっとこうやって拷問を受ける?私だって不機嫌なあまりストレスのはけ口になるものが欲しくなりますよ」

エラトマ「っひ!!」

エラトマはメリアという理不尽に屈するしかなかった、死を選ぼうにも無慈悲に理不尽を叩きつけられた後、何十年後に訪れるかもわからない死を痛みを屈辱を受け続けながら生き続けるのは地獄以外の何物でもなかった。

エラトマ「・・・ペットにでもなんでもなる・・・」

メリア「そうですか、今は一目もありますからね、動ける程度には回復させてあげましょう、その足で私の指定した場所に後日来なさい、来なければ・・・わかりますね」

エラトマは今更メリアに逆らう気もなかった。

そしてメリアはエラトマの消滅を抑え、傷を完全にではなく、本当に移動できる程度の治療だけを行い、エラトマをその場に置いてメリアは自身が乗っていた帝国の宇宙船に乗って帰って行った。

・・・・・・

メリア(それから後日、ちゃんと来ていたから【黎明の陽射し】のメンバーに加えて様子を伺っていた、私には恐怖の感情と服従するという行動、龍族は動物を変わりませんからね、相手の方が強いと認識させれば手懐けるのは容易です)

エラトマ「主!今日も拷問してていいんだな!もうずっと拷問している奴の表情を見ていたらさ・・・もう溢れて仕方ないんだよ、もう下着も履くの辞めたくらいさ・・・」

メリア「品性が無いのは今更ですが、もっと女性らしさを持ちなさい、髪もそんな単発ではなくしっかり女性らしく、私のペットであり部下がこんなにもおざなりな駄犬だと周知されたら私の顔に泥を塗るって言う事くらいは言わなくても理解出来るわよね?」

メリアはエラトマに睨みつける、エラトマはビクっと怯えながら先ほどまで陽気な態度だったのが一変しておどおどとした態度になった。

ファナ「女帝はいつもエラトマには人一倍厳しいな、そんなに嫌いならメンバーから外せばいいものを、もっと理性のある拷問者なら他にもいるだろうに」

メリア「そうでしょうね、あの子は馬鹿で感情的に動く子、理性なんてものはないし、論理的になんて夢のまた夢、でも私が彼女を置くのは白銀帝王龍だから・・・でしょうね」

ファナ「混沌の象徴、この組織に合っていると言いたいのかな?」

メリア「ええ、それに彼女は帝国に一切関わりのない龍、ヘマをしたら一番先に私が殺してあげますよ、彼女は主様とは無縁ですからね、いえ、関わらせるのもおこがましい、エウレカの土地にすら足を運んでほしくないですね」

ファナ「へぇ、そこまで女帝が嫌うのも珍しいものだ、私もいずれは女帝に捨てられるのかね」

ファナはメリアに笑みを浮かべ聞く、だがメリアは笑いながら返す。

メリア「サウルとファナは私から帝国の従属神として登録してます、アナリシアとシスリットは元々登録しています、その差ですかね」

メリアにとって【黎明の陽射し】に最も必要としているメンバーはNo.1サウル、No.2ファナの二人だけで残りの三人は抜けても死んでも特に支障はない存在と割り切っていた。

メリア(エラトマは黒幕役ですよ、アナリシアは馬鹿な道化、シスリットは【黎明の陽射し】が何らかの形で表に出た時の正式メンバーと公言するための保険要因、シスリットは表での信頼も高いですからね、彼女がメンバーとなれば【黎明の陽射し】という組織が悪い方向性で露見する事はない、万全を期していてもバレる時はバレる、ならその対策要員としてコマを現段階で用意しておくのは当然じゃないですか)

メリアの脳内では多くを語る、だが口ではただ「信頼してる」と含ませておく、
ファナはメリアの言葉に疑心と恐怖を感じ、敵にだけはしたくないと考え、コーヒーを飲む。

メリア「さて、エラトマの拷問を見てきますかね、確か帝国に不法侵入を図った男性の神でしたか・・・今回に限ってはエラトマの品のない拷問も楽しめますかね」

メリアは部屋の奥地に入る。




patopatoblog at 20:26|Permalink

2023年11月28日

No.137 【美】の天使王

ミーエルは帝園の事を思い出していた。

ミーエル(私が帝園から追い出されて結構な日にちが経ったなぁ~、あの頃は自由気ままに生活出来てたのに・・・いや、どっちかというと帝国の方が自由気ままにやらしてもらってるけども・・・でもたまにはホームシックになっちゃうよね)

帝園 第四の園 【神園帝使】序列4位 【慈悲の天使王】ミーエル・ファラミー

慈悲は天使族の11系統の中で最も医療に特化した種族であり、青い花眼がモチーフとなっている。
【慈悲】誰かに優しくすることに美徳を置き、他人に優しくすることでミーエル等の慈悲系統の天使は使命を全うしている。

これはミーエルが帝園の天使王として生活していた時のお話し。

・・・・・・
ミーエルは青と白をモチーフにした【慈悲帝宮殿】の最高位天使としてミーエルを慕う多くの熾天使(してんし)達に慕われていた。


天使族の階級は10段制であり

一等級 神園帝使(レイアポストール)
二等級 熾天使(セラフ)
三等級 智天使(ケルプ)
四等級 宝座天使(スローン)
五等級 統治天使(ドミニオン)
六等級 徳能天使(ヴァ―チュ)
七等級 威力天使(パワー)
八等級 君権天使(プリンシパリティ)
九等級 大天使(アーキエンジェル)
十等級 天使(エンジェル)

【慈悲帝宮殿】は【神園帝使】ミーエルを筆頭に数億という【熾天使】がミーエルを支え、【智天使】は【熾天使】を支え、と続き、最終的には十等級の無数と呼べるほどの数が存在する慈悲系統の天使がミーエルという慈悲の頂点に君臨する天使王を尊敬、崇拝していたのだ。

当然ミーエルもそんな環境のため、一寸たりとも気が抜けなかった。

ミーエル(慈悲の天使達だけが存在する宮殿、だから皆優しいし、思いやりもある、独占なんて誰もしない、物を使えばその倍の数をその場に置きなおす、誰かが選択をしたらお礼は留まる事を知らないし、誰かの役目であってもその仕事は誰かが代わりに行い、そしてお互いに褒め合い、気遣い、そしてとことん甘い甘い環境)

ミーエル「聞こえはいいけど・・・正直退屈・・・精々私の楽しみは入浴とその間に飲むジュースくらい、ルラエル様が居た頃は私が第二席の座に居たからよく見てたけどもう空気がずっとホワホワしてたもん・・・」

ミーエルはそう言いながら自分のベッドでくつろいでいた、帝園は特にやることがなく、他所の宮殿も同じらしく、活発な天使は他所の宮殿に来てはちょっかいを出しに行っているらしい。

ミーエル「慈悲の宮殿は争うという概念が存在しないし、敵対心を煽って来ても褒めちぎるから誰も遊びに来ない、いや、自分の事を褒めて欲しい天使はよく遊びにくるけど・・・私は他所に遊びに行くのもな~、会うの面倒臭いし」

ミーエルは独り言を呟きながら人20人は大の字で寝れる程大きいベッドの上で転がり続ける。

するとミーエルの身の回りを担当する【熾天使】から通達が入った。

ユンエル「ご報告致します、現在宮殿前にて、【美の天使王】ミファエル・キュレデュイ様がお越し、ミーエル様と対談したいとご要望ですがどのようになさいますか?

ミーエル「え・・・えっと・・・どうぞ中へ、って言って貰えるかな?」

ユンエル「畏まりました、ミーエル様」

ユンエル、ミーエルを支える現在の【慈悲帝宮殿】の第二席の熾天使、ミーエルと同じ青い花眼が開眼しており、そしてミーエルよりも美しい青い絹のような長い髪、そして青いドレスを身にまとっているおしとやかな天使である。

ミーエル(さてと、凄い嫌味の連発を喰らうから覚悟しないとね!)

ミーエルは即座にドレスに着替え、美の天使王を出迎えに向った。

・・・・・・
ミーエル「本日はようこそいらしてくださいました、ミファエル様」

ミファエル「ミーエル様、本日も美しいですね、せっかくなのでぜひ!私の美学を聞いて頂けたらと・・・思っております」

ミーエル(うげ、やっぱり持論を持ち掛けに来たな~~)

ミファエルは【美】と【黄色の花眼】が特徴の天使族、【美】を美徳に置く天使は美学を最も喜びとする、芸術において己の美を求め、そしてその美を誰かに教え広め、もっとも自身の美を広める事に喜びを感じる天使なのである。

ミファエルは美しい程の金髪の髪、白い肌、黄色の花眼、そして美しい装飾と黄色と白、そしてアクセントとして採用している青の花を採用したドレスを着用し、常に美を怠らない天使王だった。

ミファエル「私が教えた美、この宮殿でも採用して頂いていますね、本当慈悲の天使達は素晴らしいです、私はお好きですよ、特にミーエル、貴女はとても素敵♪」

ミファエルはそう言いながらミーエルに近づき、そっと頬に触れる、ミーエルは顔を少し赤らめながらもミファエルの手を振りほどこうとはしない、それが慈悲なのだ。

ミファエル「本当貴女達は優しい、私の美を嫌な顔せず受け入れてくれる、そのドレスも私がミーエルに送った品ですよね、美しいです♪」

ミファエルはミーエルに特別な好意を抱いていた。
それはミーエルがミファエルの美を全面的に認め、自分だけではなく、宮殿全域にミファエルの教えを忠実に再現しているからなのである、それを知ったミファエルは大変ミーエルを気に入り、何か新たな美を見つけてはすぐにミーエルの所に足を運び、こうしてミーエルと話していたのだ。

ミーエル「今日はどのような美を教えてくれるのでしょうか?ミファエル様?」

ミーエル(ミファエル・・・凄くとんでもない天使王に気に入られてしまったものだな~、この天使、独占欲が凄いで有名だから、もしそこを満たせばどんな時でも力になってくれるかもって思ってミファエルの案を私が天使王になった時に採用したのが運の尽き・・・毎度毎度違うデザイン性の芸術を押し付けられるからもう慈悲帝宮殿の改装費用が馬鹿みたいに掛かる!皆笑顔で仕事こなしてくれるけど!!)

ミーエルは毎度毎度変わるミファエルの美に肝を冷やしていた、酷い場合180度ガラッと雰囲気が変わる事もあるのだ、現在青と白をモチーフにした宮殿はミーエル自身凄く気に入っていたが、ミファエルが来たという事はこのデザインともおさらばなのだ。

ミファエル「今回はですね、このドレスです、このドレスのように青と白という美しい慈悲の象徴カラーにアクセントを付けては如何かと・・・あとその色を私達の象徴、黄色を採用するというのは・・・如何です?」

ミーエルは脳内で悩み、悩んだ結果、悩むだけ無駄と悟り、二つ返事で褒めたたえながら了承する。

ミーエル「素晴らしい案ですね、ミファエル様、そうすれば私達の宮殿にミファエル様と私との友好の美をお見せできる、私は凄く嬉しいです、それともミファエル様はこのような認識では納得いただけませんか?」

ミーエルは知っている、ミファエルは自分自身を大変気に入っている事を、そして自分とミファエルの関係性を含ませた言い方をすると大変上機嫌になるという事も。

ミファエル「凄く嬉しいです、では私の【美帝宮殿】に私とミーエルの間にある友情の証として青のアクセントを追加しましょう!そしてお互いの宮殿が相思相愛であることを他の宮殿にも知らせましょう!ミーエル!本当に貴女は素晴らしいわ!」

ミファエルはお淑やかに笑う、やはり美の天使王というだけの事はあり、身のこなしも美しい。

・・・・・・
数時間程ミファエルは滞在していたが、ミーエルとの対談で大変満足し、そのまま自身の宮殿に戻っていった。

その後入れ替わるようにユンエルが入ってミーエルにジュースを提供する。

ユンエル「お疲れ様です、ミーエル様、本日もミファエル様は大変満足されていましたね♪」

ミーエル「ええ、私とミファエルは仲良しですから、満足して頂いて私も嬉しいです」

ミーエル(相槌と褒め地獄!もう途中から意味のわからない美学をとことん離されたけど全然わからなかった!もう途中から【流石ミファエル様です、そのような素晴らしい美をお持ちなんて羨ましい限りです♪】【私もミファエル様のように美しくなれたらどれほど幸せなのか、想像がつきませんね】が交互に出てくる数時間!疲れた・・・次はいつ来るかな、以前は数週間前で、その前は数か月前だった気が・・・いや、時間感覚ここと外では全然違うから当てにならないなぁ・・・)

ミーエルが部屋着に着替え、そのままお風呂に向った。

ミーエルはミーエル専用の大浴場が存在する、その大浴場に入る事を許された天使は将来の天使王候補になれると言われている、それを決めるのはミーエルなのだが、現在十二席、つまり12人の熾天使を認め、側近として置き、ミーエル戦闘大浴場に入る事を許可している。だが今日は誰も居なかったため一人で大浴場を堪能していた。

ミーエル(ああ・・・このために生きてる~~)

・・・・・・
現在

ミーエル「はぁ、今は何かと忙しいけどやっぱりたまにはあの環境に戻りたいよね・・・というかミファエルが私が原因で追いかけて来るとかないよね・・・別にたまに話す程度ならいいけど・・・まあ契約なんて到底今の主様では不可能だし、私は帝園に戻れないし、数千年は会う事ないでしょ!うんうん!」

ミーエルはそう言いながら修行で怪我し、治療室で寝ているパトの横で一人思いにふけていた。





patopatoblog at 03:30|Permalink

2023年10月20日

No.134 黄金卿の拠点事情

ステラの朝は早い。

だが別に毎朝の日課があるわけでもなく、ただ習慣で早く起きてしまうのだ。

【黄金卿】

ステラが立ち上げた【対悪信教特化光過激派組織】である。

拠点を四季神社の現在使われていない修行僧が寝泊まり、修行する用のボロ屋にしていた。

それは礼花がステラに言ったのだ

礼花「絶対面倒事に巻き込まれるんだから毎月の家賃、そして庭の手入れ、そして四季神社のバイト!これらをしないのであれば絶対に場所を提供しません、そして私は絶対に関わらないわ!」

ステラ「ええ~~~~!!姉さんお願い!貸して!」

礼花「別に他の建物借りたらいいじゃない!」

ステラ「私達身分証明書ないの!だから借りれないし、名が表に出ちゃう~~~!!」

礼花「だからといってあんた達匿ってたら変な噂立てられんでしょうが!闇側が襲撃してきたらどうすんの!ここ私の家なんだからね!しかもこの神社で生計立ててるのに!壊されたら私どうやって生きていけばいいのかしら!!」

ステラ「姉さんならなにをしてもお金になるじゃん!そもそも姉さん神社経営してないじゃん!ずっと医療関係の仕事じゃん!」

礼花の仕事は医師である。

礼花「ただし、私はあくまで能力治療の医師、神社経営の一環でやってるだけだから医師免許とか持ってないの、正式に医師名乗ってないの!」

ただし、礼花の場合、医師免許は無く、神社営業の一環という形で能力を使用した治療を行っている、そのため他の病院よりも安く、そして効果が高いと評判が高いため、神社経営が成り立っている。
そのため、神社が無くなると礼花も医療でお金を稼ぐことが困難になるため非情に困る事になるのだ。

ステラ「ならもう一回防衛軍に入ればいいのに、今幹部人手不足だから礼花姉さんなら凄く歓迎してくれるかもよ?」

礼花「却下!もうあんな命を賭けた日常に戻るなんてうんざり!一度こういう平穏を味わったらあんなブラック企業に入る必要性を感じないわね、しかも今は世界復興で凄く忙しいでしょう、凍夜でも全然以前に比べて帰って来れないんだから」

礼花は凍夜を通じて防衛軍の忙しさを知っているため、絶対に防衛軍に入るという選択肢を取らなかった。

・・・・・・
そして毎月の家賃と四季神社運営の無償労働を条件に四季家で使われていない建物を使わせてくれる許可を得たのだ。

部屋は6畳の部屋が10個、修行用の広間が1つだけの部屋だったが礼花がお金を出し(ステラの貯金から使って)それらを新築同様に作り直したのだ。

その費用まさかの1億

礼花「絶対に自分で作った方が良かったでしょ、私が名義貸してあげたのに」

ステラ「まあ、それもあるけど・・・」

ステラとしては拠点を2つ作っておきたかったのだ。四季家内部に本拠地、そして他の拠点をダミーとして持っておき、ダミー側を使う事で敵の情報をかく乱させる事が狙いだった。

ステラ「礼花姉さん、今こんな広い神社で一人って凄く寂しいでしょ、だから私や他の子が居たほうがいいかなって・・・姉さん、今度から私も一緒だからね♡」

礼花「キモい、それに別に私は一人の時間嫌いじゃないから問題なし、せっかく育児終わって人段落ついてるんだからゆっくりさせてよね」

月花は18歳の時に高校中退
雪花は16歳の時に高校中退
桜花は中学卒業で高校入試は全部落ちている
芦花は中学卒業後リオの能力技術開発局に就職し、同時に地球防衛軍に入隊している。

まさかの全員中卒という近年学歴社会においてまさかの結果となったが、全員がしっかり生活出来ているため、礼花も気にしていなかった。

ステラ「凄い話しよね、22歳に芦花ちゃんを産んで、37歳で育児終了って」

礼花「年齢なんて私取っては合って無いようなものだし、気にもならないわね、私の見た目、20歳くらいから全然変わらないし、周りからは美魔女とか言われているけどもうそろそろ魔女になりそうで怖いわ」

ステラ「確かにね、天野江の血も厄介なのよね」

そう話しながら二人はリビングでのんびりしていたところ、ファルドラがステラに用事があるため庭から入って来た

ファルドラ「ステラ、荷物全部運んだぞ、それで他のメンバー勧誘は順調なのか?僕は人見知りだから嫌だぞ」

ステラ「まだまだね、二人で動いても悪信教という世界レベルの組織相手に勝てるわけないものね、こればかりはこちらもそれなりの戦力が必要になるわね、この1年はメンバー探しと資金調達がメインの仕事だと思いなさい、そのためにもしっかり稼いでね!なんのためにハッキング出来るの?情報をいい値で売って稼ぐためでしょ!」

ファルドラ「それでダークウェブを使って稼げと、正義のやる事じゃないんだよなぁ」

ステラ「馬鹿ね、私達は悪信教さえどうにでもなればOK、それ以外の悪は無視、むしろ利用するし利用される、それで金を稼ぎ、情報を手に入れる、防衛軍は悪側との接点を持つ事はNGだけど、私達は積極的に闇側と接触し繋がりを作る、この一年は黄金卿の基盤を作る一年だと思いなさい」

ファルドラ「へいへい、わかりましたよ~~」

ファルドラはそう言いながら黄金卿の拠点に向かう。

礼花「思い切ったわね、大丈夫なの?」

ステラ「ネットは詳しくないけど、ファルドラなら大丈夫でしょ、あの子防衛軍内一のハッカーで闇側の情報とか監視カメラのハッキングからの証拠抑え、そして嘘を巧みに使って相手を騙し、奥の奥に潜む連中を捕まえる、そういう仕事が凄く得意でこれが出来ていたのは防衛軍でも彼だけだったから」

礼花「優秀なのね、まああの虚構迷宮を作って東京全域を混乱に陥れた張本人だし、そこの実力は疑わないわ、あの子のレプリカとも戦ったしね弱かったけど」

ステラ「アシストをやらせたら防衛軍最強よ、理想を言えばそんな優秀な子を沢山欲しいわけだけど、なかなかどうしてね、やっぱり優秀な子となると争奪戦だし、自信がある子はわざわざ何処かに所属しようとはしない、組織が金銭面全面アシストするから入ってくれ~って契約ならくる子も居るでしょうけど私はそうするつもりはないしね、それに悪信教に強い悪意を持ってくれてないと間違いなく方針で揉める、難しいわね」

礼花「まあ、好きなだけ居なさい、もう月々の家賃10年分は前払いで貰ってるし、好きに、だけど迷惑をかけないようにしてよね!」

礼花はそう言うと空っぽになっている二人のお茶を組みなおす。




patopatoblog at 06:56|Permalink

2023年10月13日

No.130 奴隷の少女episode3(Final)

次の日早朝、ステラはまだ皆寝ている中一人だけ外の空気を吸うために外出する。

ステラ「んん~~~、やっぱり国が違うと空気の味も雰囲気も変わるわね~、私もいい加減拠点を構えたいところだけど」

ステラが背伸びをしながら深呼吸をしていると背後からパトが現れた。

パト「起きるの早いんですね、ステラさん」

ステラ「まあね、見た目は子供でも中身は38歳よ、もうどうしても朝早く起きちゃう身体なのよ、パト君はどうしたの?もしかして私と二人きりになりたいからってわざわざ狙ってきたの?大胆ね、私は今からどんな辱めを受けるのかしら?」

ステラは冗談交じりで喋るがパトはその冗談に対して返答する。

パト「あながち間違いではないですよ、二人きりは狙いましたから、どうしても二人で話したい事があったので、僕、どうしても一人きりにはなれないもので」

ステラ「それは幸せな悩みね、それでどうしたの?」

ステラがパトの方を向くと、パトはステラを抱き寄せる、そして二人の顔が近くなる。

パト「正直、ステラさんは本当に僕でいいの?あの場では僕についていくって言ってたけど本当に嫌じゃない?」

ステラは顔を真っ赤にしているがパトは真剣だった。

パト「僕は確かに保険のために貴女と一度キスをしました、ですがそれは間違いなく愛情はありません、ですが死んでほしくない、ステラさんの目的に少しでも協力出来たらと思ってやったことです、結果的に不老不死と神化という進化の呪い受けました、僕はこれは恩恵ではなく呪いだと思っています、何故ならもし僕とこのまま一度でも肉体関係を持てばステラさんの恋愛の自由が奪われるからです、僕が言った事は本心ですよ、もし目的を果たしても僕の所に来る必要はない、強要は一切しない」

ステラは顔が赤いままパトの話を聞く

パト「僕は既に寿命と恋愛の自由を貴女から奪った、もう貴女が一度男性と肉体関係を持つと、もう他の男性と結ばれない、寿命がないからそれが一生続く、生き地獄です」

ステラは顔を隠しながらやっと喋る

ステラ「なし崩しなんかで言ってないわよ、それに私がこの身体になった時にもう決めてたの、私は異性への理想が高すぎるらしいからね、貴方と初めて戦った大会、今でも覚えてる、あれは間違いなく私の恋だった、薄情するけど若い頃は月詠隊長が好きだった時期もあった、凍夜義兄さんが好きだった時期もあった、だけどそれは琴歌ちゃんや月花ちゃんが産まれる前の話、今私は貴方に恋してる、私がこうやって乙女で居られるのは貴方の前だけなの、それ以外では防衛軍の時は皆の前に立つ天野江宝華、今は【黄金卿】を束ねるリーダー、甘える事が出来ないの」

ステラは話しながらパトを見る

ステラ「貴方も私を失恋させるつもり?」

ステラはそう言いながらパトに口づけをする・・・
そして少しの間互いに口を交わらせ、そして離れるとステラは話す。

ステラ「何年も生きてると惚れた、惚れられたなんて話はいくらでもある、私は私よりも強い男性が好き、そしてリーダーシップのある男性が好き、趣味を理解してくれる人が好き、今の私を救ってくれるヒーローみたいな男性が好き、そこに年上も年下も関係ない、私は私の意思で貴方についていくと決めた、だから貴方の言う呪いを受けたの、嫌じゃない、むしろ私を受け取って、パト君」

パト「はい、喜んで、絶対に目標を叶えます、そして貴女の途方も無いほどの人生は僕が責任もって支えます」

ステラ「成長したわね、パト君、大会の時はまだ少し頼り無かったのに、今はもう頼りになる一人前の男性だわ」

パト「いえ、僕は逃げてここに居るんです、買い被り過ぎですよ」

ステラ「逃げて早々独立して着いてきてくれた子達を養うと決めるのはそう判断出来る事じゃないわよ、自信もちなさいよ」

パト「はい」

ステラ「さて、私はこのままでも凄く心地いいのだけどいつまで私を乙女扱いしてくれるのかしら?」

パト「宝華さんの気が済むまでです、僕の身体は一つしかありませんし、この場所はあまりにも狭いですから」

ステラ「ならもう少し甘えちゃおっかな、今なら見た目相応だし、誰も見られてないから私も乙女になれるから・・・」

ステラはそう言うとパトの身体に落ち着くように身を委ねる。

パト(俺がこの人を必ず幸せにする、男の約束だからな)

・・・・・・

パトは数分後寝室に戻る、するとそこには雪花が居た。

雪花「宝華さんの所に行ってたの?」

パト「ただ用を足してただけだよ、それじゃダメ?」

雪花「そんなに宝華さんの臭いを身体中に付けておいてよく言うけど、まあ、今回は見逃してあげる、どうせ何も進展ないのはわかるし」

パトは帝国から出ていく時、精神病を患っていた、それは軽度な【女性恐怖症】と重度な【性恐怖症】、そしてそれに伴う結果でED(勃起不全)になってしまっていたのだ。

雪花「むしろまあ、宝華さんを抱きしめれたと思うわ、大事だったのね」

パト「ああ、でももう大丈夫、宝華さんも幸せにする覚悟は出来たから」

雪花「なら私の直属部隊に宝華さんの席を空けとかないとね、あの人本当優秀だからぜひ私の部隊に欲しいわ、只今私の部隊は変態しかいないから宝華さんもきっと馴染めるわ」

パト「確かに!奏星も居るし、上手くやれるよ」

パトは雪花と談笑をした後、そのまま支度を進めた。

・・・・・・

雪花「いい加減起きなさいよ~~~!!」むに~~

雪花はいつまでたっても起きないミーエルの頬を引っ張る。

ミーエル「うひ~~、起きる~~!痛い~~~」

パト「ミーエル凄い髪ボサボサだぞ、髪といてやるからそこ座りなよ」

パトはそう言うと渋々座ったミーエルの髪を慣れた手付きでほぐす。

ミーエル「ああ、いつやってもらっても感慨深い、最初カナちゃんがやって貰っているの見てて凄く羨ましかったからな~、私、主様の天使なのにね~」

パト「なんか徐々に俺の天使って実感が湧いたよね、最初の頃は回復が得意な従属くらいだったし」

ミーエル「え~~酷いなぁ~、でも自分の物って自覚してくれてるだけでいいかな~」

ミーエルがパトの手によって髪を整えて貰っている間に荷物を全てまとめ、エウレカ探偵事務所までのルートを描いた地図、今回保護したノノという少女が国から出るための書類を作成していた。

ミーエル「あれ?そういえばステラはもう行ったの?」

パト「ああ、準備があるからって早々に出ていったよ、真面目だよな、あの人」

雪花「ミーエルちゃんとは大違いね、ほら!準備出来たしパトに手伝ってもらったんだからさっさと顔洗う!そして歯を磨け!早く早く!」

ミーエルは雪花に急かされ、渋々洗面所に向かっていった。

・・・・・・
ノノ「だ、大丈夫かな・・・」

ノノは震えていた、だがミーエルがノノの手を優しく繋ぐ。

ミーエル「大丈夫、ノノちゃんはこれからは私達と同じ家族だからね、胸を張って前を見たらいいんだよ!」

パト達は空港から飛行機に乗り、日本に帰って来た。

パト「さてと、ここからが少し長いんだよね、行くぞ~~」

パト達は電車を乗り換え、タクシーを使い、エウレカ探偵事務所に数日ぶりに帰って来た。

・・・・・・
エウレカ探偵事務所内の電気が付いていたため、そのまま中に入ると琴歌率いるD班(営業経理班)のメンバーが揃っていた。

エイリ「主様!おかえりなさいませ!」

フルール「長旅お疲れ様でした!」

エイリとフルールが出迎えてくれる中、琴歌はそのままパトに抱き着き、最高の笑顔で出迎えてくれた。

琴歌「お疲れ様です!パト君!任務完了報告と孤児院への加入申請書類は作っています!どうぞ後は私達に任せて長旅の英気を養ってください!」

雪花「あ~モテモテね、パトは~~ハーレムハーレム~~」

パト「茶化すなよ、やっぱり俺も全然会えないとなると寂しいもんだよ」

琴歌「そうですよ、それに雪花さん、勤務中にキスまでは許しますけど、ご奉仕はやりすぎなのではないですか?見てないと思ってたら大間違いですよ~~♪」

雪花「この悪趣味!覗き魔!昼休憩だからセーフですー!」

琴歌「パト君の事を気に掛けてくれての事だと判断して見逃してあげます♪」

雪花「ほ~ほ~、随分口が達者になったわよね~!正妻の余裕って奴かな~」(# ゚Д゚)

琴歌「正妻はこの日本でのお話しですから、絆の深さで言えば私は雪花さんには敵いませんよ、まあ、元気な雪花さんも見られた事で私も安心出来ましたので、自分の仕事に戻りますかね」

琴歌はそう言うとパトから離れ、そのまま自分の席に座り、先ほど言っていた書類をフルールに渡す。

琴歌「エイリさん、ノノさんの証明写真を撮って現像出来たら完了です、申請書を出して正式に住民票を作りますよ、またシェインさんの名前を借りないとですね」

雪花は琴歌の机にお尻を軽く乗せ話す

雪花「防衛軍の第三部隊隊長で琴歌ちゃんの義姉妹なんだからこういう時に身内は使っておかないと!」

琴歌「そうですね、あ、休憩が終えたら次の仕事がありますので会議室に集まってくださいね!」

パト「は~い」

パトはエウレカ探偵事務所秘書室(琴歌の仕事部屋)にあるソファに寝転がる。
ミーエルはその反対側のソファに座り、雪花もミーエルの横に座りミーエルにもたれかかる。

ミーエル「重い~~!」

雪花「ミーエルちゃん女の私から見てもすっごく柔らかいから心地いいの~~」

琴歌「雪花さんを見ているとネルさんを思い出しますね」(*^-^*)

パト「そういえば現場に居た時はこっちに顔見せなかったなぁ、まあ汚いプレハブ小屋だったし、流石のネルも嫌だったのかな」

ミーエル「ありえるね~、ネルだし」

パト「B班(情報推理班)とC班(科学推理班)はどこ行ってるの?」

琴歌「B班(情報推理班)は今は北海道ですね、C班(科学推理班)は~~今日は休日です!ソフィアちゃんは仮眠室でアニメ見てると思いますよ」

パト「そうか、相変わらずだな」

ーーーーーーー
エウレカ探偵事務所班組み分け

A班(特攻救命班)
リーダー パト(代表取締役)
メンバー 雪花(討伐戦略課課長)
メンバー ミーエル(医療復興課課長)

B班(情報推理班)
リーダー 月花(専務)
メンバー エテル(情報営業課所属)
メンバー フィロン(情報営業課所属)(面接入社)

C班(科学推理班)
リーダー ソフィア(情報営業課課長)
メンバー ミオラ(討伐戦略課所属)(面接入社)
メンバー 美魅(討伐戦略課所属)

D班(営業経理班)
リーダー 琴歌(常務兼代表取締役秘書)
メンバー エイリ(医療復興課所属)
メンバー フルール(医療復興課所属)
ーーーーーー

パト「二人共上手くやれてるかな・・・心配だ」

雪花「癖が強い二人だからね、まあ、月花お姉ちゃん昔からコミュ力お化けだし大丈夫でしょ!、ソフィアちゃんは~~、もしかするとイライラさせてるかもしれないけど」(;'∀')

琴歌「二人共しっかり馴染んでますよ、ですが私は二人にもパト君の恩恵は渡していた方がいいと思いますけど・・・」

パト「ダメだ、それは断固拒否!相手から望むとしても相当検討する!ほいほいと覚醒させたり、不老不死にさせたり、帝国の恩恵を使う訳にはいかないよ、責任持てないし、ああいう普通の価値観を持つ女性達がこの会社をまともにするのです!ぶい!」

ミーエル「女性が世界最前線で戦える職場!集え!分野に特化した強者達よ!だっけ?」

パト「そうそう!本当は男性社員も採用したかったけど、満場一致反対喰らったからね、せめて女性が働きやすい職場を目指すしかないじゃん、タダでさえ今のメンバーは帝園組を除いて肉体関係あるんだから」

雪花「ソフィアちゃんもあれで17歳でしょ?いい加減性教育教えたら?ミーエルちゃん?」

ミーエル「なんで私?!」

雪花「保健体育の先生でしょ~」

ミーエル「違うもん!どっちかというと保健の先生だもん!体育は専門外!」

パト「とりあえずあの二人は俺から何かすることはありません!そもそも出来ません!嫌になったらいつでも辞めたり普通の生活を送って貰います!」

琴歌「まあ、パト君がそこまで言うなら・・・そうだ、帝国からメリアさんが遊びに行くと連絡ありましたよ」

パト「大歓迎、メリアも落ち着いたらまたこっちに住んだらいいんだよ、仕事は口出しさせないけど」

琴歌「間違いないですね、それでは雑談も程々にして仕事の話をしましょう!」

琴歌は手を叩き、人数分の書類を各自に渡した。

パト「さて、次はどんな仕事か・・・」

終わり

patopatoblog at 07:52|Permalink

No.129 山奥川遊び(R18)

パトはエウレカ探偵事務所の関係で山奥に来ていた。

パト「雪花、僕はいつからお風呂に入って居ない?」

雪花「もう3日ね、流石の私もこういう仕事を帝国の時からやってきてたけど、流石に入りたい、もう髪ベトベトよ、はぁ」

ミーエル「そうだね、だから毎回街に戻ってホテルに泊まろうって言ったのに」

パト「馬鹿言え、どこにそんな金あるよ、借金地獄だぞ、これくらい堪えないとどうするよ」

雪花「そんなんじゃいつか社内クレームが来るわよ、特に私から」

パト「まあ、現場でこんなことしてるのは俺達の班くらいだからな、他の班は街中でゆったりしてるんじゃないか、今どんな仕事してるか知らないし」

雪花「あんた社長でしょ、なんでそんな事理解してないのよ」

パトと雪花は文句を言い合いながら渋々と山道を歩く、そして目的の品を見つける!

雪花「パト!あれじゃない!絶対あれよ!」

雪花がテンションを上げながら先ほどまでの不満を垂らしていた時とは大違いの元気さを見せながらその目的の品を掴みとる!

雪花「松茸ゲットだぜ!!」

パト「本当に松茸か!というか雑に引っこ抜くな!品質大丈夫なんだろうな?!」

パト達の班は山奥で【松茸収集】をしていた。
個人的に食べたいというわけではなく、しっかり依頼だった。

しかもエウレカ探偵事務所初の民間依頼のため、パトがその依頼を請け負ったのだ。
その依頼内容とは【一般人が中々立ち入れない程の奥地の山にある松茸を出来るだけ多く回収してほしい】だった、手付金で15万、品質と重さから追加報酬として原価よりも多めの13000円で買い取るとのことだった。

雪花「これで30キロ!品質に問題なければ追加は約40万!最初の手付金を合わせると55万!大赤字だわ!!」

パト「馬鹿野郎、こういう赤字だったとしても民間との距離感を縮めていけばよりいい仕事が入ってくるんだ・・・うん」

雪花「うわ~無理矢理納得しようとしてる・・・」

パト達は3日掛けて松茸を集めたという事で、山を下りようと話がまとまった。

・・・・・・
パト「さてと、せっかくだし、自然の天然温泉でも探すか?」

雪花「そんなファンタジーじゃないんだからあるわけないでしょ、そうだ!川はあったわよね!水浴びしましょうよ!」

パト「いいね!賛成!って水着ないぞ、俺達、この服濡らすのもあれだし・・・」

雪花「何言ってんの、裸でいいでしょ、今更お互いの裸で照れるような仲でもないでしょ、何回繋がったと思ってんのよ」

パト「おうおう、誰も居ないと下世話な話も容赦なしだな、まあいいけど、どうせ俺の息子は立たないし・・・、はぁ」

パトと雪花はそう話すと近くの川に向けて走って行った。

ミーエル「え?それって私も?」

・・・・・・
山奥の川に辿り着く

雪花「よっし!遊ぶわよーー!」

雪花は恥ずかしげもなくその場で服を脱ぎ、裸で川に入る。

雪花「冷た~!でも気持ちいい!やっぱり山の水だから綺麗ね!」

パト「わかんないぞ~、上流の方で動物がしょんべんしてるかも~」

パトは雪花をからかいながら服を脱ぎ、そのまま川に向かう。

雪花「あらあら、久々に見たけど、大人しくなっちゃってまあ」チョンチョン

パト「おい、俺の息子を気安く触るな!療養中だぞ!」

雪花「私が治してあげようか~」にや~

パト「いいけどそれで反応無くても逆ギレするなよ、ミーエル~、ミーエルは入らないのか?~」

パトはミーエルを呼ぶ、だがミーエルは恥ずかしそうに答える。

ミーエル「私は別に主様と肉体関係があったわけじゃないから慣れてないし・・・そもそも裸を見せるなんてそんな・・・///」

ミーエルは恥ずかしそうに答える。

パト「そっかー!なら今の内に休憩していてくれ、俺も身体の汗流したら代わるから~!」

パトは大声でミーエルに伝える。

パト「ミーエルの反応を見て思ったんだけどさ、あれが普通の反応だよな、俺、なんか感動しちまったよ」

雪花「何言ってんのよ、普通他人に裸見られるなんて抵抗あるものでしょ」

パト「いやいや、雪花さんや、貴女俺の目の前でも平気じゃないですか、それに帝国だと恥ずかしがってくれない所か誘惑がくるから怖いんだよなぁ」

パトは遠い目をしながら帝国の日常を思い出す。

雪花「結局帝国の従属神とそこまで肉体関係持たなかったんでしょう?」

パト「まあ、直属部隊なんて全然、専属神と専属侍女、後は奏星くらいじゃないかな」

雪花「随分色んな女を知っていることで~~~」ぐにゅ~~~

雪花はパトの股間を強く握る、パトはそれに対して痛みで悶えた。

雪花「正妻も琴歌ちゃんに取られるし、私だけって言うのがないのが辛いわ、はぁ」

パト「でも常に俺は雪花と一緒に居るだろ、やっぱり専属神皆を平等に愛すって言ってたけど、それでも優劣はついてた、でもその優劣の中でも雪花はずっと一番上だった、だから俺も地球で生活する決断が出来たんだ、感謝するよ雪花、何かしらの形が欲しいなら俺と雪花だけのお揃いのアクセサリーでもつける?」

雪花「つける!指輪は戦闘中壊しちゃうし、ピアスは戦闘中に引っ張られて千切られると厄介だし・・・え、まさかタトゥー?!」

雪花は青ざめる

パト「いやいや、雪花みたいな綺麗な肌にタトゥーなんて絶対入れさせないよ!でもアクセサリーだと確かに俺達常に危険区域に入っているもんだからな~、壊れやすいよな~」

パトと雪花は川に座り込み、話す、お互い裸でありながら特に気にすることなく居られるのはそれだけ二人の仲が深いという事だろう。

遠くから見ていたミーエルはその光景を羨ましく思い、自分もパトの従属なら自分から歩み寄らないといけないと考えていた。

ミーエル(なんかあそこまで互いに裸でも気にしてないのに私だけ気にしてるのってなんか蚊帳の外感があって嫌だな・・・うう、でも恥ずかしいし・・・)

ミーエルはそう考え、長い間自問自答のすえ、服を脱ぎ、パトと雪花の元に歩み寄る。

ミーエル「私も入る!なんか私だけ気にしててバカみたいだもん!」

パト「いやいや、恥ずかしいならいいんだぞ、それに俺も結構身体冷えて来たから戻ろうとしてたんだけど」

雪花「せっかくミーエルちゃんが勇気出したんだからもう少し一緒に居ましょうよ、それにしてもミーエルちゃん、ちゃんとこっちに来ても手入れしてるのね!というか天使もムダ毛とかあるの?」

ミーエル「人種が違うから生えないよ、腕や足に毛が生えるのは動物の特徴でしょ?私は天使だから毛で身を守るという遺伝子はないの、そもそも肉体細胞から構造が違うから」

パト「そういう意味で言えば雪花も神になって変わった事ないのか?俺は神になった雪花の裸しか知らないからな」

雪花「まあ、流石に人間時代は大変だったわね、でも神になって確かにムダ毛の概念なくなったかも、あと肌が白くなった!透明感が増したって感じね!やっぱりあれって神化と関係してたのね、私股間の手入れは結構気にしてたから・・・」

ミーエル「ああ、一般人の治療をしていた時に思った、人間って股間の色違うんだね、あれなんで?しかも毛も生えてるよね?なんで股間に毛が生えるの?」

パト「そういう生き物だから?でも欧米のAV見た事あるけど綺麗だったな、やっぱり人間でも違うのかな」

雪花「そう見るとミーエルちゃんは羨ましい身体してるわよね、まぁ、帝国で大分見慣れて私の精神コテンパンにされてるから今更だけど」

ミーエル「天使だからね!」

パト「・・・」

パトはミーエルの裸を上から下までじっくり見る、だがパトの息子は反応しない所かパト自身がミーエルの裸を見ても一切興奮も恥ずかしさも湧かなかった。

パト「はぁ、重症だな、女性の裸見ても心揺るがないなんて・・・どうしてしまったんだ本当」

ミーエル「トラウマだね、絶対に複数の女性と肉体関係を持たないといけないという精神的苦痛、専属神もそうだけど、平等に愛そうと努力してたのはいいけど女性10人に対して主様の身体は1つ、無理なんだよ、それでトドメにメルリア様の件や専属侍女達との集団性行為、これらが主様にとって強い罪悪感と女性恐怖症、性行為恐怖症が出ているんだよ、身体だけなら別に治す事は簡単だけど、それだとこっちで生活している意味ないよね?」

ミーエルは水の冷たさに馴染んできたため、ゆっくり川の中に座る。

雪花「強くて、防衛軍とかからは憧れの存在、大人びた風格は一般女性を二度見させる程なのに中身はこれだとね~」

パト「うっせ!仕方ないだろ!はぁ~~」

パトは深くため息をつきながら川の中だというのに防ぎこんでしまった、そんなパトを見た雪花はパトに声をかける。

雪花「パト!起立!」

雪花は少し声を上げ、パトに立つように指示する、パトも言われたままそのまま立ち上がる、するとちょうどパトの股間が雪花の顔の少し上に留まった、そして雪花はそれを躊躇なく手で撫でる。

雪花「口でやってあげたいけど、ミーエルちゃんの前だと流石の私も遠慮しちゃうからとりあえず手で包んであげる、こんなふにゃふにゃだと掴むのも一苦労だしね!」

パト「なんだよ、」

雪花「パトがその気にならなくても私がこうやって愛してあげる、別に反応が欲しい訳でも性行為で気持ちよくしてほしいわけでもないわ、まあ欲を言えば欲しいけど、今はこうやって愛情を身体で伝える事は出来る、言葉や行動でずっと伝えてるわけだし、折角真の夫婦なんだからこれくらいはさせて、もちろん、パトが元気になったら私にもやって!それで平等!パトは私の主かもしれないけど、私とパトとの間は違う、対等であり、恋人であり、夫婦なんかよりも深く信頼しあった、唯一無二の関係だと私は信じてる、もちろんそれは専属神の子達よりも私が一番だと言ってる」

雪花はパトを見上げ、笑顔でそう語った。

ミーエル「主様の股間を触ってなかったら凄く良い話しだったのに、なんで掴んじゃうかな・・・」

雪花「ミーエルちゃん、正直貴女はパトへの恋愛感情がないのはわかったわ、でもそれでいいわけ~?」

ミーエル「恋愛感情はあるよ、私だって主様は大好きだよ、でも別にだからと言って雪花ちゃんや専属神や他の皆みたいにベタベタしないだけ、私は私なりの距離感があるの!だからこれでいいの!」

雪花「ふ~ん、でももしパトから誘われたら?その時は受けるの?」

ミーエル「もちろん!この身体は主様を喜ばせるためのものでもあるからね!言っちゃ悪いけど性行為の技術は私、中々だよ思うよ!だって慈悲だし!」

パト「そこの技術と慈悲なんの関係あるんだよ、慈悲の風評被害が過ぎるだろ」

パトは呆れ笑いをした、だが二人からの愛情、無条件で即答でパトに着いてきてくれる二人だからこそパトは帝国という裕福な環境を離れ、一緒に来てくれた子達には感謝しきれない。

・・・・・・

3人は川でその後雑談をした後、服を着てそのまま山を下りた。

依頼人「おお!凄いこれは立派な松茸じゃ!お金は弾むぞ!70万じゃ!こりゃあお得意さんにじゃのう!自然動物の狩りもお願いできるのじゃろうか?」

パト「もちろんですよ、山菜でも野性の動物でも私達は依頼をこなします、もちろん高額請求はしません、この力が皆さんの助けになる事を僕は心から願いますよ」ニコ

雪花(本当、外面は良いんだけどな~、まあ中身もか、本当劇的に変わったわよね、パトは)

ミーエル「あ、琴歌ちゃんに完了報告したら次の仕事が来た、次は日本東北にて妖怪都市伝説の調査と原因対応だって!」

雪花「え?!なんか凄く嫌!!私ホラー苦手なんだけど?!」ガクガク!

依頼人「ほうほう、次は東北ですか、ここ九州からじゃと遠いじゃろうに、頑張れよ!若者!」

パト「依頼人さんもいつまでも元気で居てくださいよ!それでは!」

3人はそのまま東北に向った、もちろん交通機関を使って!!

patopatoblog at 06:07|Permalink

2023年10月12日

No.128 メリア直属部隊 アナリシアの事情

メリアの直属部隊には5人のメンバーが存在する、そして5人には各々役割があり、各自その役割をこなすことが使命となっている。

アナリシア「えっと、私はメリア、主様・・・ではなくご主人、雪花ちゃん、雪花ちゃん、アリシア様はアリシアと呼び捨てで・・・」

黎明の陽射しのメンバーである、アナリシアの役割はメリアと入れ替わり、メリアの代わりに仕事を進める事である、ただ重要な判断、専属神との会話、主であるパトとの会話をする際はメリア本人に代わるが、従属神と話す時、仕事の命令をする時はアナリシアが代理を務めていた

アナリシア「なんで私がこんな重要な役割を・・・もし失敗してしまったら私消されてしまうのでは・・・ああ怖い」

アナリシアは自分の役割の責任の重さに胃を痛めていた。

アナリシアは元々帝国所属の無所属従属神出身だった、覚醒したことで【最上級神】クラスのポテンシャルは持ち合わせているらしいのだが、本来は上級神だったため、実力は上級神のままだった、そして帝国部隊から選ばれなかった事で無所属で帝国内で与えられた自身の敷地内の住宅で引きこもっていた所、メリアからスカウトを受けた。

・・・・・・
アナリシア「あの・・・なんで他部隊の神すら求めてこなかった私なんかを・・・まさか捨て駒でしょうか・・・」

アナリシアはメリアとの出会いを思い出していた。そしてメリアからスカウトを受けた時、アナリシアはメリアに対して捨て駒に選ばれたから自身の前に現れたのかと聞いた。

メリア「いえいえ、貴女は確かに帝国業務には適してないでしょうね、ですが無所属とは個性を尊重した場所であり、決して蔑ろにしているわけではありません、ご主人から恩恵を受けているのですから」

メリアは笑顔だった、そしてアナリシアにとって格上の神なのに威圧を一切感じなかった。

メリア「貴女をスカウトしたのはその無個性と能力です、その無個性は魅力的、無個性で努力を諦め、自身への努力を諦めた怠惰、本来なら忌み嫌う存在です、組織を壊す存在として入れるわけにはいきません、他部隊が貴女を入れなかったのは正解ですね」

メリアからは威圧を感じない、だが言葉は違った、アナリシアを冷静に貶す、まるでお前の存在は帝国は必要としていないと言わんばかりの存在否定、だがアナリシアはそのメリアの言葉に対して

アナリシア「ええ、あの・・・」

メリア「ここまで言われても別に通常通りなのですね、メンタルが強いとは違う、自分の評価が低く、プライドが存在しない、故に私の威圧を物ともしないのでしょうね」

アナリシア(この方は何を言っているのだろう、私はこんなにもメリア様を恐れているのに・・・)

メリア「恐れてなんかいませんよ、貴女は、本当に恐れている人は私を見ると足が震えますし、多少警戒をします、ですが貴女は警戒ではなく諦め、もはや何も希望を感じてなんかいないし、死ねといわれれば甘んじて死ぬ、そんな狂気を感じるのですがどうでしょう?」

アナリシアはメリアの言葉が一つも理解できなかった、自分はメリアを恐れている、死ぬのは怖いし、今にも逃げ出したいほど居心地が悪かった。

メリア「立ち話もなんですし、私と一緒に来てもらえますか?服は・・・しっかり着替えてください、正装ですよ」

そしてメリアに連れられ、アナリシアは【黎明の陽射し】の拠点に足を運んだ。

・・・・・・
暗い部屋、だけど清潔でセンスは悪くなかった。

メリア「ごめんなさいね、辛気臭くて、他のメンバーの子が明るい部屋が気に入らないらしいの」

アナリシアは近くにあった椅子に腰かける、メリアはアナリシアの行動を見つめる。

メリア「それで、ここまで来た以上は貴女に二択の選択肢を与えなければいけません、【直属部隊に入る】【断って死ぬ】の二択です、この直属部隊は表では存在も明かしていない暗部です、もちろん貴女も本日をもって表では死んだ事になっております、なのでここで貴女が選ぶ行動は私の直属部隊として働く、どうですか?」

アナリシアはメリアの言葉に動揺したが、頭で悩むより先に口から言葉が出た。

アナリシア「私メリア様が求めるような高度な任務をこなせるほど優秀ではありません!失望します!私なんかを選んだ事をメリア様は後悔します!きっとこの部隊も表沙汰になるような失態を犯してしまうかもしれない!そんな重要な事を私なんかが出来るわけない!でも死にたくないです!嫌です!ここで住みますのでどうかお許しください!尽くします!脅さなくても尽くします!お願いします!私は無理です!怖いです!!」

アナリシアは下に俯きながら早口で話す。

メリア「他には?」

アナリシア「メリア様は勘違いしている、私はなにも取柄がない、買い被り過ぎです、ミスを犯してます、私を部隊の人が私を選らばなかった地雷をメリア様自ら選ぶなんて正気の沙汰じゃないです、ですが私は死にたくない、だからここで召使をします!侍女としてアシストをします、お願いしますお願いします」

メリア「よくもまあ、言い訳と私を落とす言葉をスラスラと、貴女、やっぱり私のこと全然怖くないでしょう?普通無理でもこの場では【やります】と言うのですよ、そして否定をするのはその発言を発して内容を説明した後です、なのに貴女は私が出した二択を選ぶのではなく、私が出した二択を三択にでもしてやろうと言わんばかりに言葉を並べる、ただの愚か者と見るのは容易い、ですがその図太い精神、私の求める役割には最適です、ますます気に入りました」

アナリシアは自分の想定していた反応とは違う愕然とした表情でメリアの顔を見た、そのメリアの顔は笑っていた、だがその笑みからは何も感じない、怒りも殺意も喜怒哀楽を一切感じられない」

アナリシア「えっと・・・あの・・・」

メリア「貴女のその鈍感な精神、そして機転の速さ、そして自分の考えを譲らない傲慢さ、そして【変幻支配】、素晴らしいです」

奥の部屋から黒髪のエルフ、ファナが勢いよく扉を開けた

ファナ「女帝!ずっと殺意を出さないでくれないか!今重要な実験なんだ!」

アナリシアはファナの汗まみれの顔を見て驚く、そしてファナの言葉を聞いて驚く。

メリア「ファナ、ちなみにですがいつから私の殺気に気付いてました?」

ファナ「馬鹿な事を聞くな!この施設に入ってきてからずっととんでもない殺気を放っていただろう!集中できないんだ!勘弁してくれ!!」

メリア「それはすみません、もう殺気を出しませんので戻ってください、後でその実験、私も確認します」

ファナはメリアの言葉を聞き、殺気が無くなった事を確認してから研究室に戻る。

メリア「・・・わかりました?私、ずっと貴女に殺気を出していたのですよ、格下なら震えあがり汗が止まらないほどです、ですがおかしいですね、貴女、私の目の前に居たのに一切私の殺気を感じてませんでしたよね?」

アナリシア「え?・・・え?」

メリア「知ってますよ、貴女はコミュニケーション能力が皆無、人の気持ちを理解出来ないし、周りの状況を一切理解できない、常に自分のことが第一で自分の事で精いっぱい、私の言葉なんて耳に入っているようでまったく耳に入っていない、二択を出しているのにまったく駆け引きどころか自分の話しかせずに三択目を出そうとしている、そして私を貶す、それも悪気はないのでしょう、集団行動を求める部隊では致命傷でしょう、貴女のような場を乱す神は」

アナリシアはメリアの言葉に動揺する

アナリシア「えっと、研究がありますよね?私の時間を掛けるなんて勿体ないですよ!私も考える時間が欲しいですし一度あの方の所に行かれてはどうでしょう?」

アナリシアは必死だった、今この場から逃げたい、メリアの言葉なんて一切気にせず自分の事でいっぱいいっぱいだった。

メリア「貴女のその無個性で自分の事しか考えない自己中心的な思考、欠陥ではなく才能です、私の身代わりをして生きなさい」

アナリシアはメリアの顔を見て止まる

アナリシア「私がメリア様の・・・身代わり?やっぱり死ねってことですか?」

メリア「違います、私になりすましなさいと言っている、もちろん命を狙われたらその限りではありませんね」

アナリシア「いやだー-!!死にたくない!私がメリア様になるなんて無理ー-!」

アナリシアは頭を抱え込んだ、そしてぶつぶつと自分の殻に閉じこもってしまった。

メリア「では死にますか?」

アナリシア「えあ、それは、嫌で」

メリア「では引き受けてくれますか?」

アナリシア「いや、それも嫌で」

メリア「ではどうしたいのですか?」

アナリシア「帰りたい、」

メリア「帰る場所はもうないですよ?帰るというなら私は貴女を殺さなければなりません、使えない子の面倒を見ている暇はありませんので」

アナリシア「うあ、だって勝手に」

メリア「ええ、勝手です、ですがこの帝国では上の立場に居る者がルールです、それを知ってこの帝国に入ったのでしょう?」

アナリシア「ううー--」

アナリシアは頭を埋めたまま唸り続けた

メリア「ちなみに危険な仕事ではありません、死ぬかもとは言いましたが、貴女なんかに重要な任務は任せません、精々私が他所に出かけたり、ここに来る理由を作るきっかけを作りたいだけ、神が入ってきたらすぐに私に代わればいい、貴女はハリボテで構わない、どうですか?役割があって、基本的には貴女専用の部屋で自由に過ごせばいい、そして私が行動する数時間、私を代わりをする、誰とも話さなくていいし、私のやっている事を少しも理解しなくていい、貴女に求める事は最低限の私のしぐさと言葉の癖を理解してくれたらいい、貴女にとって難しい話ではない、どう?」

メリアはアナリシアの耳元で呟く。

メリアは知っている、こういうタイプは自分の都合が良い言葉にはすぐに食らいつく。

メリア知っている、最後に美味しい話を出すことで先ほどまで話した小出しのデメリットを感じなくなる事、わかりにくいリスクはこの女は理解できないと。

メリアは知っている、こういうタイプは徐々に役割を増やす事で本人が気付かないうちに自ら沼に入っていくと。

これはメリアの得意とする話術だ。

アナリシア「え、本当に私はそれだけでいいの?難しいことはしないでいい?」

メリア「ええ、私の姿になるくらい貴女にとって簡単な事でしょう、それだけでいい」

アナリシア「じゃあ・・・やってみます・・・」

メリア「良かったです!ではこのままそこで休んでてください、貴女が言った通り実験の確認をしてきますので!」

メリアは笑顔で奥の部屋に入っていった。

アナリシア「楽な仕事なら・・・別にいいか、よく考えたらお城よね!なら命を狙われるなんてありえない!そう!私は役割を与えられたんだ!もう無所属だからって負い目を感じなくていい!あのメリア様の直属部隊所属!大出世!私凄い!」

・・・・・・
ファナ「女帝、あんな鬱陶しい女、本当に入れるのか、貴女の判断を疑っているわけではないが、どう考えても使えないぞ」

ファナはフラスコを揺らしながらメリアに話しかける。

メリア「だからいいんでしょう?あそこまで鈍感で馬鹿で自己中で、怠惰で傲慢、強欲、あれほど自分のことしか考えない子は帝国では逆に稀です、優秀な子しか居ませんからね、逆にあそこまで出来損ないを見つけるのが苦労しましたよ」

ファナ「捨て駒ということか?」

メリア「捨て駒ですが見捨てるなんてことはしません、ご主人の従属神ですからね、あくまで私はご主人の従属神を借りている身、ですから【私からは見捨てることはしません】」

ファナ「ああ、そういうことか、下衆だな」

メリアが言いたいことは

アナリシアがもしミスをして正体がバレた時、メリアに化けて居たことから帝国の重要な情報を盗む、主であるパトを騙して近づき、関わりを持とうとした狂神にしか見えない、そしてアナリシアはコミュ障であり、人の話を聞かない、その上空気を読まない、メリアは見ていたのはそこだった。

【どこまで愚かであるか】【どこまで話が通じないか】【どこまで虚言に聞こえるか】

話が通じないなら誰もアナリシアが真実を言っても信じないだろう、メリアを貶めようとした重罪で処刑になる、メリアから見捨てることはない、だが帝国から見捨てられる、殺される、そんな存在がメリアにとって必要だった。ただメリアに化ける神材を探すなら帝国なら腐るほど良い神材は存在する。

メリアの周りにはメリアの動向を常に注意深く監視している神も居る、故に優秀な神でもメリアの思考や行動理念を理解し完全に模倣するのは不可能、故にバレてもすぐにトカゲの尻尾切りが出来る存在がメリアにとって大事だった。

メリア「ファナが何を考えているか知りませんが、私は自らの手を汚していませんし、仲間を見捨てるつもりはありませんよ、ただ国、ご主人が判断したなら私はその決断に従う、議論の余地はありませんね」

ファナ「その時点で見捨てているじゃないか、まったく恐ろしい事を考える、狂神と呼ばれた私でもドン引きだ」

メリア「貴女は講義しちゃいますね、私にとって必要不可欠ですから、サウルとエラトマも同様です」

ファナ「嬉しいね、精々私を守ってくれ」

ファナは真顔でフラスコに血液を混ぜ、反応を確認する

メリア「さて、戻りましょうか、あの子本当に話にならないので、会話が疲れます、どれだけ都合良く話すか・・・」

メリアは少しため息を吐きながらアナリシアが居る部屋に戻った。

・・・・・・

そして時は戻る。

アナリシア(はぁ、そろそろメリア様が来る時間、私もメリア様に化けて準備をしよう)

アナリシアはメリアに化ける、そして今日も特に意味もなくメリアと入れ替わる。




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2023年10月07日

No.127 完全密着!パト解析24時!episode1

ソルテが新体制になって仕事負担が減った事により最初の頃に比べて生活にゆとりが生まれた、
毎朝の準備はメルリア率いる専属侍女がやってくれる、そこからの玉座までの面倒は他の侍女部隊の子に任せておけばいい、そして玉座に到着したら近衛部隊総長で補佐である月花に任せておけばいい。

ソルテの仕事はパトの日程管理のみとなり、侍女部隊もそもそも各部隊のエリートを選んでいるため、教育に時間が掛かる所か、数日でソルテの知る限りの技術を全員が超えてしまったため、教えるどころか、教えられる事の方が多い程であった。

ソルテ「秘書としては少し寂しいって感じる時があるのよね、今までは付きっきりなのが私の特権だったのに」

別に秘書のため、いつも通りパトの横には居る、だがお世話をしなくなったのは少し寂しさを感じるソルテ。

パト「それじゃあちょっとアリシア呼んでくれるか?」

パトはソルテにアリシアを呼ぶように指示していた。

以前言っていた【身代わり】についての話をしたいらしいのだ。

ソルテ「はい、既にこちらに向かっていると思いますがお出迎えします」

月花「それでスライム計画はどうなの?私最近脳を休めるために接続OFFにしてたから聞いてなかったのよね」

パト「そうか、なら常にOFFにしているといいぞ、俺はその方が休まるし」

月花「ええ~~!私の娯楽を取らないでほしいんだけど~」

メルリア「私もそのような事が出来るのでしたら最高の娯楽だと思います、羨ましいですね」

パト「俺のプライバシーが全部筒抜けなんだよ、悪さも出来やしない」

月花「その時は私も共犯者になってあげる♪」

パト「共犯者求めてないから!」

パトと月花、メルリアがいつも通り3人で話していると雪花が現れた、どうやら本日の仕事が暇なため玉座の側近勤務に来たらしい

雪花「相変わらずのメンツね、ラル様は来てないの?護衛部隊も結構暇そうだけど」

パト「ラルは直属部隊に入ったばかりの子の教育で時間を取られているらしいからね、えっとララエルだっけ?」

月花「ええ、初めてラル様が認めた子だから優秀な子なのかなって思ったけど、ラル様は直属部隊のリーダーにするつもりは一切ないらしいわ、感情論過ぎるからリーダー向きではないらしいわね」

雪花「でもやる気があればいいじゃない?そのやる気のベクトルがおかしいと私の直属部隊になるのだけどね」

雪花はそう言いながらパトの膝の上に当たり前のように座る、月花とメルリアもその光景に慣れたのか、特に気にもせずに話が進む。

パト「バハートさんは元気なの?定期健診で帝国には定期的に来ているんだろう?」

雪花「そうらしいけど、私も知らないのよ、別にあの子に仕事をして貰いたい訳じゃないし、もちろん地球で動きやすくしてくれたらなって気持ちはあるけどね」

月花「そういう意味で言えばもし宝華叔母さんが目的を終えて本気で帝国の組織に入るってなったら雪花が面倒見るようになるの?」

雪花「まあ、そうでしょうね、宝華さん凄く優秀だし、変態っぷりがうちの直属部隊のメンバーと合ってるし、私は全然問題なし、というよりあの人戦況を見るという分野に関しては本当に私でも頭が上がらないからね、今はパトが関与してないから以前のままだけど、もし覚醒したらどんな進化をするか楽しみよね」

パト「確かにそうだけど、俺は別に従属とかそういうのに拘りはないからな、俺は覚醒を促すだけ促して好きな人と結ばれてくれたらそれでいいわけだし、別に好きでもない俺に一生を捧げるなんて、それに自分を客観視しても俺と付き合うとかデメリットしかないでしょ、基本的に我慢させるわけだし、俺なら絶対に嫌だね」

パトはそう言いながら呆れたような表情をする。

メルリア「確かに競争倍率は高いですね、そういう意味で言えば今この場に居るのは勝ち組と言わざるを得ませんね」

月花「そうね、専属神という枠をもってしても全然関係を持ててない子も居るわけだしね」

雪花「今勝ち組ポジションに居るのは【メリアちゃん、私、カナ、ソフィアちゃん、琴歌ちゃん、ソルテ様、ラル様、月花お姉ちゃん、メルリア様、エイリちゃん、フルールちゃん】って所ね」

月花「専属侍女って言うのがもはやズルいのよね、元々私達の役割なのに」

雪花「ええ、でも私侍女みたいな仕事はしたくないわね、仕事を言えば今の仕事が向いているわ、地球なら間違いなく地球防衛軍に入って第三部隊でブイブイ言わせてるわね!」

パト「ただ単独限定って話になるけどね、チームワークとか全部壊しそう」

月花「そもそも雪花は頭悪いから周りに指示とか無理でしょww、座標計算とか風速計算、距離計算とか出来るの?算数はまだわかる?」

雪花「馬鹿にすんじゃないわよ・・・出来ないけども」しゅん(´;ω;`)

パト「大丈夫!勘でどうにかなるさ!俺も計算出来ないしな!授業で習ってもさっぱりだ!」

月花「私と同じ頭脳を持っているはずなのに・・・使い方が悪いのね」

そうこう話しているとアリシアをつれてソルテが入って来た。

・・・・・・

アリシア「パト様!最近は頻繁に私を呼んでくれて嬉しいです!」

パト「呼ばれなくても来ても良いんだぞ?アリシアだって専属神だし、大体皆そうしてるし」

雪花「そうそう、パトは放っておいたら玉座か部屋に籠ってるかの二択なんだから、根暗陰キャ属性を知ってないと!」

パト「お、俺だって最近は頑張って陽キャになろうとだな!」

雪花「無理無理!ぜったいに!ジュース賭けていいわ!」

ソルテ「雪花ちゃん、今からアリシアとパト様が話すのだから降りなさい、そんなところに居たら顔を見て話しが出来ないでしょう」

雪花「それもそうねっと」ひょい

雪花がパトの膝から下り、玉座の隅にあるソファーに寝転がってくつろいぎだした。

アリシア「玉座を自分の部屋みたいに・・・自由ですね、あの子は」

パト「基本的に誰も来ないわけだしね、それでスライムの改良はどう?」

パトとアリシアは以前の専属神契約を上手く活用する計画で【身代わりに出来るスライム】を作り出した、そしてその後の改良と性能をパトとアリシアは頻繁に会いながら互いに意見交換をしているのだ。

アリシア「今の所私が一度提案した【飲み込んでも大丈夫なスライム】の課題をある程度クリアしています、後はスライムの問題ですけど・・・」

スライムは元々アリシアの無限支配からアリシアの身体を媒体に作り出された物で、ある程度の能力とオーラ、生活に必要な知能、パトへの忠誠を持つための知能を併せ持たせている、そのためか自我が強い傾向にあり、アリシアもその件で手を焼いていた。

パト「普通に自我を取り除けばいいじゃね?」

アリシア「ダメです!ある程度の判断能力がないと助けになりません!性能確保のためにはある程度の知能向上と自我の確率、判断能力向上を目指して行かないといけないんです!」

パト「でも元々はアリシアの分身体だろ?なのになんでアリシアとは違う人格がこんなにも生まれてくるんだ?」

ソルテ「無限支配だからですよ、まったく同じ物を作るのは可能かもしれませんが、既にスライムというアリシアとは似ても似つかない個体生命体です、ならその分調整が必須になるのですよ、器がまったく違いますからね、それで能力とか性格とか知性とか調整しているとアリシアとは別の個体が産まれやすくなるっていうのはまあ、仕方ない仕様だという事ですね」

アリシア「はい、ソルテの言う通りです、出来る限り私と同じ性格にしたいのですが、性格の微調整を優先するわけには行きませんので、まずは性能重視です」

パト「まあ、別に肩代わりしてくれるだけで良いんだけど、別に飲む必要はないわけだし」

月花「いやいや、やっておいて損はないわよ、出来る策をしないのは馬鹿の所業よ、パトの命は今や私達だけにとどまらず帝園、帝国の従属数京という馬鹿みたいな数字の主なの、どんな分野でも絶対にパトを死なせないようにって動いている中、パトがそんな意識低かったらどうしようもないでしょ!しっかりしなさい!」

月花が珍しくパトに説教をする、パトも月花の説教に大人しく聞き入れる。

パト「俺って万が一自殺しようとしても死ねないんだな、逆にお前ら俺を殺さないといけない程の大悪党になったらヤバいぞ~」

メルリア「その時はその道を共に歩むのみです、アナタだけが悪党になる事はありません」

月花「そうそう、ここにはパトにとってのイエスマンしかいないんだから気にしなくていいのよ」

アリシア「それで今後の課題なんですけど、パト様のオーラ性質を確かめるために私をお傍に置いて頂けないでしょうか?出来れば四六時中がよろしいのですが」

アリシアはどこか申し訳なさそうに提案するが、パトは即決で了承した。

パト「問題ないよ、アリシアの好きにしなよ、業務はどうする?俺のために動いてくれていることだし、俺からメリアに言っておこうか?」

アリシア「いえ、どちらにせよこの後メリア様の所に報告にいくつもりだったので、私から伝えておきます、ですが仕事の引継ぎをしないといけないので、その分時間が掛かってしまいます」

アリシアがそう言うと、ソルテが提案する。

ソルテ「なら私がアリシアの代わりをするわよ、別にアリシアの仕事で今難しい所はないでしょう、政治関係も今は琴歌ちゃんに任せてあるみたいだし、アリシアもパト様の秘書でしょ、なら業務に支障も出ない、ほら、数日、数か月程度なんの問題もないから」

アリシア「え、本当に良いの?」

ソルテ「ええ、秘書業務も今凄く余裕があるのよ、だから全然、アリシアなら私よりも仕事が出来るし片手間感覚でメインの役割に専念出来ると思うわ」

パト「ソルテが言うならいいんじゃないかな、俺は問題なし!」

アリシア「ありがとうございます!では数日間程、共感覚をONにして出来る限りパト様を把握出来るようにします!必ず最高の結果を出してパト様が満足いく形に仕上げますね!」

パト「お手柔らかに、月花もそれでいいよね?」

月花「私に仕事振らないでくださいよ、私の仕事はあくまでパトの補佐なんですからね」

アリシア「うん!絶対に月花ちゃんやメルリア様にはご迷惑かけない!それだけは約束します!」

アリシアは月花とメルリアに頭を下げながら約束する。

パト「でも俺に専念するって事はソフィアの事は良いのか?」

アリシア「ソフィア様には申し訳ないですけど、今はパト様優先です!今まで専属神としてパト様個人に対して成果を出せていなかったので、仕事ではなく、アリシア個人としてパト様の役に立ちます!」

パト(真面目だな~、貢献度で言えば間違いなくアリシアが一番貢献してるだろうに・・・)

秘書アリシアのパト密着機関が始まった!

patopatoblog at 04:25|Permalink

2023年09月15日

No.124 奴隷の少女episode2

少女が次に目を覚ました時には色んな人の話し声が聞こえて来た

少女「あれ・・・また寝ちゃってたんだっけ・・・」

ミーエル「起きたね、ぐっすり眠れたようで良かったよ、ちょっと待っててね!」

ミーエルは少女にそう言うと隣の部屋に居るパト達に少女が目覚めた事を伝えに言った。
少女はその話声を聞いていた

ミーエル「目が覚めたよ!主様!」

パト「そうか、体調は大丈夫なんだろう?」

雪花「まあ、ミーエルちゃんが見てるわけだしそこはお墨付きでしょ、言語は大丈夫?私日本語しか話せないわよ?」

パト「だからあれほど英語を勉強しておけって・・・あ、ここ英語も無理だ、終わった・・・」

ミーエル「なんちゃって英語だからそもそも主様でもまともに話せないでしょ!あと言語に関しては脳を弄って日本語にしてあるから!しかもあっちも日本語がしっかり理解出来るようにしたの!」

雪花「え!それ私にもやってよ!そうしたら勉強しなくて済む!」

パト「雪花の場合能力を無力化するからただただ脳を取り出すだけじゃない?」

ミーエル「脳とか取り出さないよ!でも雪花ちゃんは確かに無理かな、主様にはしてもいいけど」

パト「よし、その時は頼んだ!社長なのに喋れないのは大変だ」

そう話しながら3人が少女の部屋に入って来た

・・・・・・
パト「おはよう、よく眠れたかな?」

少女「貴方が私を助けてくれたのですか?」

雪花「そうよ、もう安心だからね」

そう言いながら雪花は少女に毛布を掛け直しながら少女の隣に座る

パト「とりあえず君が捕らわれていた組織は全員逮捕した・・・って言っても2人くらいだけどね、今は取り締まりで人身売買を世界的撲滅を計っているのだけど、中々割り出せなくてね、オークション会場だった場所の情報を手に入れても次の日にはもぬけの殻、実際どうやってオークション情報が流れてるのか知りたいけど、それは上級階級のお偉いさんがお客さんってのもあって、中々協力してくれない、やっぱり世界的に影響力のある会社のお偉いさん相手だと萎縮しちゃうのかね」

少女から見て、スーツのような服を着こなしている白髪の男性は頭を掻きながら答える

パト「僕はパト、エウレカ探偵事務所の社長、年齢は20歳で会社自体もまだまだ設立一年目の若い会社だけどここに居るメンバーの実力は本物だ、安心していいよ」

雪花「私は四季雪花、エウレカ探偵事務所討伐戦略課課長、要は暴力団だと用心棒とかをめっためたにしちゃう仕事ね!」

ミーエル「それで私はミーエル、エウレカ探偵事務所医療復興課課長、やってる事は基本的に医療関係だね」

パト「君の名前を教えて貰えるかな?」

少女は三人から自己紹介され、ゆっくりと答える

ノノ「ノノ・リシバー、です。15歳です、よろしくお願いします・・・」

パト「ノノさんか、よろしくね、それでね、君を捕えてた組織は壊滅した、勝手に調べてしまって申し訳ないけど君の親戚は皆居ない、つまり今の所、ノノさんが帰れる場所がないんだ、治ってすぐ話す内容じゃないよ思うけどね」

ノノ「いえ・・・おおよそそこは理解していました、私はお偉い方に買われ、この身を弄ばれ、そして奴隷のように過ごすのだと考えていましたので・・・特にショックではありません」

雪花「15歳でそんな事まで覚悟してたのね、可哀そうに・・・」

雪花はノノの背中を優しくさする

パト「それで僕達も仕事として組織を解体させた、だけどそこの被害者を助けてはい終わり、っていうのも冷たい話しじゃない?だからエウレカ探偵事務所は孤児院があるんだ、大人なら探偵事務所の従業員として働いて貰いたい、だけど孤児院ならそこで勉学を学んで、将来を探す手伝いが出来る、もちろんエウレカ探偵事務所で働いてくれるなら大歓迎、生活費込みだから給与は少ないけど、衣食住と少々の娯楽なら提供出来る、もちろん会社が大きくなればそれなりの給与は約束する、もちろん自分のやりたい事があればいつでも退職しても構わないし、次の会社への入社も全面的にフォローさせてもらう!どうかな!悪い話しじゃないと思うけど?」

ノノ「私の場合は・・・どちらでもよろしいのですか?」

パト「うん、孤児院は18歳までは子供として見なしている、だから18歳以下は働くもヨシ、勉強をして18歳になった時に他所に就職でもここで働いてもヨシ!自由は与えるよ」

ノノ「・・・私にとって全然悪い話しじゃない・・・むしろ良すぎて裏を感じる・・・」

雪花「裏ね、裏を言えばただの人材不足、事情はあるのだけど、とりあえず事務的作業をしてくれる人がどうしても欲しいのよね、思ったより皆現場に駆り出されるから」

パト「そうそう、大体は3人一組なんだけど、皆他国に出張、儲けはあるから文句は言えないんだけど、それでも事務処理は全然、皆出張から帰って来るなり、もうずっとパソコンとにらめっこ、大変なわけさ」

ノノ「それで今働ける人が居ないと?」

パト「孤児院を建ててそこにノノさんと同じ境遇の人は数人居る、やっぱり皆療養が必要だったり、子供だからね、遊んで勉強してって環境が大事なんだよ、当然ノノさんも同じ、だからまずは自分の生活を充実させよう、そこから余裕が生まれて人生に多くの選択肢が生まれるんだよ」

パトはそう居ながら笑いかける。

ノノ「・・・わかりました・・・孤児院で勉強をさせてもらっても・・・よろしいでしょうか?」

パト「もちろん!歓迎しますよ、ノノさん」

・・・・・・
パト達はノノの居る部屋を後にし、隣の部屋とは違う別室に向かう。

雪花「パト、綺麗事言ったわね、ただでさえこの事務所建てた時に大赤字で、起業してすぐに数億稼いで赤字から黒字にして幸先良い!ってなった時に孤児院運営でまたまた大赤字!!しかもこの事務所の数倍デカい!光熱費とか、生活費、教育費諸々とすんごいお金だけど賄えるの?」

パト「会社運営だからね、でも狙いはあるよ、恩は買っておくべきだ、後はもっと教育で探偵業をこなせる一般人を増やして大きい依頼から小さい依頼、指名手配犯の討伐から迷子の猫探しまで!あらゆる分野で活躍するのさ!そしてまずは日本展開!その後は世界!いつかは街の看板にうちの会社の広告看板を飾るんだ!」

雪花「あらあらおっきな野望、それじゃあお金稼ぐために悪信教でもとっちめに行きましょうか?雑魚でも倒せば数億手に入るし、あの孤児院代と3年分の費用は賄えるわよ」

パト「そうだな、でも防衛軍依頼で受けたら安くなるよな、なら自分達で見つけないとな、はぁ、悪信教も増えてくれないかな、こんなこと言ったらダメなんだろうけど、いいお金儲けなんだよ、本当」

雪花「そうね、今まではあの服装見ると嫌気がさしてたけど、今はお金にしか見えないわ」

パトと雪花はぐふふと怪しい笑いをする中、扉がノックされる

ステラ「ちょっと、とんでもない事言わないでよね、しかもここ壁薄くない?」

パト「そりゃあレンタルだもの、現場プレハブは安く抑える!レンタル代だって馬鹿にならないからね!」

ステラ(天野江宝華)がパト達の居る建物に足を運んできた。

パト「それで、任務は完了?ステラさん?」

ステラ「もうバッチリ、私の所に仕事を回してくれるのは感謝するわ、本当は直接防衛軍からの依頼を受けたいのだけど、あまり表に出していい組織じゃないから・・・」

パト「わかってますよ、中抜きは1割でいいですよね?」

ステラ「ええ、いつも通りね、となれば4700万か、まあ、なんとかって所ね」

パト「ちなみに次の仕事ありますけどどうです?3件程紹介出来ますよ?」

ステラ「あらあら太っ腹、パト君が受けたらいいのに」

雪花「従業員オーバー、全員出払ってま~~す、琴歌ちゃん仕事凄く出来るから従業員の数よりも多く仕事手に入れて来ちゃうのよね~、大変大変」

パト「そうそう、今回の件で助けた子をうちの孤児院に連れて行ったら次はイギリスですよ」

ステラ「この三人って事は実力重視の依頼なのね、そっちの方が楽そうね、代わりましょうか?」

パト「やだな~、馬鹿3人で集まってるのに捜査必須の依頼受けたら犯人逃しちゃいますよ~」

雪花「そうそう、私達が行くのはテロリストとか、軍隊、組織壊滅!犯人ががっつりわかって後は突破するのみ!って仕事だけ、後はそこの被害者をミーエルちゃんが直せば終わり、それが一番いいのよ、この班は」

ステラ「楽しそうで何よりだわ、防衛軍も助かってるわよ絶対、それじゃあ3件とも貰える?こっちも3つに分かれて仕事をするわ」

パト「お願いしますね、居場所は今回みたいに僕の携帯についてるGPSを辿ってきてください、近づいてきたらオーラでわかりますよね?」

ステラ「楽勝!それじゃあ報告も済んだ事だし、一杯飲みましょうか!パト君もどう?」

パト「そうですね、行きましょうか、雪花はどうする?まだ19だけどこの国なら一応酒飲めるぞ?」

雪花「お酒はパス、私お酒嫌いなの、食事だけ一緒するわ」

ミーエル「私はノノさん見てますね、3人で行ってきてください」

・・・・・・
3人はレストランで食事をしていた

ステラ「・・・忘れてたわ、見た目・・・」

パト「身分証明書は16歳だしね、仕方ないさ、ジュースお飲み」

ステラ「この身体本当嫌い!若いなんて肌がぴちぴちで筋肉痛にならないのと、胃もたれしないのと、髪の質が手入れしなくてもいいのと、何着ても許されるくらいしかないじゃない!!」

雪花「堪能してるじゃないですか、私も飲まないんだから我慢してステラさん」

パト「なら僕もジュースで、帰ってデータまとめておきたいからね」

ステラ「それにしても僕って慣れないわね、ずっと俺だったのに」

雪花「私は逆に馴染みあるけどね、俺だと社長として恥ずかしいから、僕、私とかで呼称を直してるのよ、確かに交渉とか、お客様相手に俺はありえないからね、僕でいいんじゃない?」

パト「せっかく頑張って俺にしたのに・・・僕のままにしとけばよかった、はぁ」

ステラ「プライベートくらい使い分けたらいいのに」

パト「今は慣れる期間だからプライベートでも僕、俺なんて使い分けて仕事中に出たら目も当てれない」

ステラ「努力中なのね、他の皆は元気?」

雪花「さあ、私達も次から次へと別の国に向ってるから全然、もう20日くらいは日本に帰ってないわね、仕事の依頼は琴歌ちゃんの班が取ってきて、それを事務所で仕訳けながら適当な班に振り分けてるの、防衛軍の仕事が殆どかしらね、まだ広告とかしてないから」

ステラ「出来ないわね、でも防衛軍の仕事だってそんな早く終わる事は想定してないでしょ?」

雪花「防衛軍の人でも出来る仕事なんて回ってこないからね、でも逆に天職よ、ライバルが全然居ないから、しかもWCBTで成績を残してる私達、そして下にはあの元世界三強、ステラさん率いる【黄金卿】盤石よ!」

パト「ステラさんにはこれからもお世話になりますよ、損はさせませんので」

ステラ「もちろんよ、あのアリシアコーポレーション製品も貴方達に頼めば格安で手に入るし、良い事尽くめよ!感謝してるわ!」

雪花「極力帝国の力は借りたくはないんですけどね、一応」

ステラ「確かそうだったわね、地球人の人だけで成り立たせるって事で建てた事業だものね」

雪花「はい、帝国の力を借りずに生き抜く、ステラもそうだけど、パトの恩恵を受ければ歳を取らないし死ぬこともない、不老不死、そんな長寿を生きるためにはそれなりの人生経験は必須、帝国に甘えてばかり居たら私達が駄目になる、そうでしょ?パト?」

パト「そうだな、帝国は居心地が良すぎる、俺からしたら天国だよ、全てが整っているし何もしなくても侍女が全部やってくれる、外に出たら僕は注目の的、学生の妄想を詰め込んだような世界さ、だけどそんな世界に居ても僕は満たされなかった、ずっと考えていたけど、それは自分で生き抜く感覚は一切なかったからなんだ、だから今こうやって自分達でお金を稼いで、その稼いだお金で人を助けて、仲間とこうやってご飯を食べる、それが今僕が求める幸せなんだ」

ステラ「あり過ぎてもダメか、贅沢な悩みね、でも素敵、頑張りなさい、私も貴方には恩しかないからね、しっかり働くわ、目的を果たすためにね」

パト「はい、お互い頑張りましょう!」

三人はそんな世間話をしながら食事を済ませ、ステラもどうせだからとパト達の事務所で寝るようになった。

・・・・・・
ステラ「悪いわね~、ベッドまで借りちゃって」

雪花「いいのよ、一人増えてもレンタル代は変わらないんだから、ね?パト」

パト「そうそう、あ、一緒の部屋だと気になります?」

ステラ「そういう恥じらいはとっくの昔に吹っ飛んで行ったわ、防衛軍で仕事してるとたこ部屋なんて当たり前、男と同じ部屋で寝る事なんてザラよ、もちろんイタズラしようものならその腕をへし折るけどね!パト君は許しちゃおうかな」

雪花「そんなこと冗談で言ってると本当に喰われますよ~~、言っておきますけど一度関係を持ったら問答無用で従属ですからね!ただでさえ、帝園の恩恵を受けるためにキスして少量の覚醒しちゃってるのに」

ステラ「業務的な感じだから!後冗談だから!でも約束通り目的を果たしたら貴方の物になるわ、それだけの恩と支援を貰ってるもの、私も恩知らずで居たくないわ」

雪花「予約ってことね、パトも本当次から次えと」

パト「でもねでもね!最近全然東京の時みたいなモテ期来ないんだよ!安定!」

雪花「馬鹿言うんじゃないわよ!私が横で睨んでるからよ!高級なスーツを来て、現場では服に埃を付けずに敵を薙ぎ払って、防衛軍の援助の時なんて男も女も憧れの的だったのよ!大変だったわ!」

ステラ「貴方は確かに色々目立つわね、良い環境に居たせいか、凄く美形なのよ、大人の色気が出てるとも言うわね、帝国って女性しか居ないんでしょう?だから女性への扱いというか、素振りが本能感覚で身についてるのよ、道理で私もパト君を見てたらドキドキするはずだわ!」

雪花「そこまでの効果はないわよ、ステラさん、は~やだやだ、近い将来叔母さんとも同じ関係になるなんて、ストライクゾーンが広い旦那様だこと」

パト「まあまあ、でも最近雪花も正妻の余裕じゃないけど凄く余裕が出て来たよね!」

雪花「まあ、慣れよね、どう考えても、あれだけ常に周りに女性が居て、昨日は誰とヤッてただ、今日は誰がパトの部屋に行くだ、以前はこんなプレイをしただ、私とパトはこんなプレイしてたわねとか、もう性に対してオープン過ぎるとね・・・慣れって怖いわ、いやそれでも私とパトの性行為を除いた琴歌ちゃんや月花お姉ちゃんは後で殴るけども!!」

ステラ「えげつないわね、私その世界でやっていけるかしら・・・」

雪花「嫉妬深い私が慣れたのだから大丈夫!そういう意味では奏星さんなんてかなり積極的よ!もう盛ん過ぎて猿そのものね!」

ステラ「あはは、あの子は相変わらずで良かったわ」

雪花「またタイミング見て連れてくるわね、あの子もステラさんに会いたいでしょうし!」

パト「ほら、そろそろ寝るぞ、明日も早いんだ、片付け大変だぞ」

雪花「は~い、おやすみ!」

パト達はそのまま寝てしまった、横に居たノノやミーエルは既に深い睡眠に入っていた・・・。



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2023年09月14日

No.123  次の次元に立ったハク

誰しも体験はないだろうか?

日頃ゲーム等をしていて、ふと始めた時に、なにかのきっかけで今まで出来なかった事が出来るようになった事。

なにかのきっかけで人は飛躍的に成長する時がある、それはまるで覚醒でもしたかのような優越感に浸る時もある。

ハクもそうだった。

ハク「・・・あれ?」

ハクは一瞬の閃きとその閃きに対して【上手くいくかも?】という根拠のない自信が生まれた、
そしてとりあえずで試してみると出来た、そしてそこから連鎖のように次々と難解だった事が容易に想える程次々と解決していった、ハクはその成長に楽しくなり、眠る間もなくずっと特訓空間で自分の力を高めていた。

数日・・・

カナ「ハクが数日仕事や部屋に戻ってないの!」

パト「は?!マジか!誰かハクの居場所を知っている奴はいないか?」

カナはハクが行方不明になった事を自室のパトに伝えに来ていた。

メルリア「特訓コーナーですかね、ずっとあそこにハクが居ましたよ」

パト「え、という事は数日もの間ずっとそこから帰ってないのか?!体調は大丈夫なのかよ?!」

パトは慌てて特訓コーナーに向った。

・・・・・・
パト「ハク!!?」

パトがハクの居る特訓コーナーに向かうとハクは数日間そこに居たとは思えない程元気な姿をしていた。

ハク「パト君!どうしたの?」

パト「どうしたの?じゃないよ、数日も部隊にも部屋にも帰ってなかったそうじゃないか」

ハク「あ・・・数日経ってたんだ、ごめんなさい・・・でもね!でもね!凄いの!私凄く強くなったの!パト君に見て欲しい!!」

ハクはいつもと違い凄くテンションが高かった。

パト「えっと、もしかしてずっとここで特訓をしてたのか?」

ハク「うん!凄く上手くいって、今まで難しいと思ってた事が次々と出来るようになってね!それで凄く楽しくなっちゃって!」

パト(凄くハイになってるな、でも成長を実感出来る時が一番楽しいって気持ちもわかるし、当然か、でもどう強くなったんだろう、ハクは)

パトはそう考えながらハクの実験の成果を見るために訓練相手になった。

・・・・・・
ハク「行くよ!パト君!」

パト「ああ、いつでもいいよ!」

ハクはパトの声と聞くと構えることなくその場に立ち尽くした、するとハクの周りが一瞬で凍り付いた。

カナ「すご!自然支配使ったの?」

ハク「ううん、時空支配だよ、そしてこれをね」

ハクはそういうと瞬間的に凍った空間から一瞬に業火に変えた。

カナ「凄い!次は業火!でも自然支配なら出来ると思うけど」

ハク「うん、これはね、【時を強制的に止めた反動で生み出した】現象なの」

カナ「時を強制的に止めた?!今までは時の流れを極限まで自分だけ遅める事が限界だったよね?」

ハク「うん!完全に時について答えを出せたの!だから攻撃でもね!えい!」

ハクは何もしなかった、だが特訓コーナーの壁が一瞬で大穴を開ける程の衝撃波が生まれた。

ハク「時を止めた反動を利用した衝撃波だね、弓矢と同じで、ぐぐ~~~って時の流れを止めてギリギリまで止めていっきに一点放出!そうすれば何もしなくてもこうやって強力な衝撃を生み出す事が出来るの!」

ハクは日頃と違い凄く早く喋る、それほど嬉しい事だったのかもしれない

ハク「これを利用すればあくまで衝撃は能力を私用した結果の現象、つまり雪花様の原始支配を掻い潜る事が出来るの!初めて雪花様から一手を奪う手段を手に入れたの!」

カナ「凄い技術だね、確かに止める術を手に入れたらそれだけで応用が沢山利く、もしかしてずっとそれを試してたの?」

ハク「うん!パト君!お願いなんだけど、私にオーラ弾を放ってもらっていいかな?」

パト「いいけど・・・ほい!」

パトはハクに目掛けてそこまで強くないオーラ弾を放った、するとハクの周りでオーラ弾がピタッととまってしまったのだ。

ハク「成功!うん!私の周りに時空支配を纏えば障害物が来ても勝手に止めてくれる!自分から迎えばしっかり取れる!それでこの止めたオーラをさっきの弓矢の感覚で~~~」

ハクは集中する、するとパトのオーラ弾が凄い勢いでパトの方向に飛んできた!!

パト「うわっと?!」

パトは咄嗟に避けた、だが大したオーラ弾ではなかったのだが、ハクが弾いたオーラ弾は速度が乗っていた事もあり、質の割には高火力な物になっていた。

ハク「どうどう!これで相手の攻撃を受け止める術と反射する術を手に入れたよ!あ!もしかして能力使用後の結果を私の能力よりも前に置いておけば【能力無効化】を阻止できるんじゃないかな?!」

ハクはそう独り言を言うとあの手この手で調整を始めた、その間カナがパトに話しかける。

カナ「凄いね、この技術をものにしたら専属神内でも上位クラスの人達と渡り合えるんじゃないかな?」

パト「そうだな、凄い技術なのは間違いないよ、正直あれをされると俺でもハクに攻撃できる手段がかなり限られてくる、カナはどうなの?」

カナ「多分私は大丈夫、だってハクが行っているのは時間操作だからね、次元は時間という概念を壊す事も出来る、時間という概念が無くなればハクのあの技術は根本的に消えちゃうからね」

パト「そっか、でもアリシアにならいい勝負できそうだよな」

カナ「無限と虚偽でそうはならないと思うけどね、虚偽で時間という概念そのものを壊されたり、ハク本体を壊されたら時間関係ないからね、その相手の能力事時間で抑えきれるならまだ戦えそうだけど、無限がそれを許さないだろうし・・・無限だからハクの時間と止める行為に対して、無限はその時間の質量を無限に生成してぶつける、防波堤もある程度の高波は抑えれても限度を超えたら壊れちゃうのと同じ、膨大な質量と時間で潰されたらね・・・」

パト「渡り合えないじゃん、さっきカナが言ってたくせに」

カナ「この技術がもっと質をあげたらだよ!今はの完成度だとまだ敵わないけど、もしこの時間の干渉が自分の周りだけじゃなく広範囲に広げて私達くらいまで届くと、心臓の時間だけを止める【強制心臓麻痺】とか出来そうじゃない?」

パト「おっかない事言うなよ、でもそれいい案だな、ハクが今どれだけ止める事が出来るのか聞いてみるか」

パトはそう言うとハクの元に歩く

・・・・・・
パト「どう?上手くいきそう?」

ハク「うん!時空支配で時を私の周りだけ止める、だけどさっきの【時差爆発】とそれの現象を再度外回りから固める時空支配、三重構造にしたら雪花様なら時空支配を一度壊したら溜めていた衝撃波が襲うの!操作も出来るけど、ここはオートにした方がいいよね!それでそれを常に補完出来るサイクルを作れば!・・・だけどそれはあくまで戦闘モードのお話しで、日常だと危ないし、衝撃波を常に私の周りに纏っている状態だから私からなにも触れなくなっちゃうの、そこは不便かな・・・」

パト「まあ今思いついて実戦してるわけだし、今の内にどんどん考えよう、それでハクは今時間と止める事が出来てるけど、どこまでの範囲ならいける?」

ハクはパトからそう言われた事で一度試してみる

ハク「う~ん、今までは時間を完全に止めるというより、極限まで遅くする、後は八時宝礼(やちかほうらい)でメリアちゃんから法則はわからないけど時戻しや時送り、時止めの技術は教わってた、あの技術は今思うと今の私には出来過ぎた効率重視の能力だったんだなって理解出来るよ、もしあれを自分の加減で最大出力まで出せるようになれば相当強くなれる!この世界そのものを掌握することだって可能になるよ!!」

ハクは思考が口から全て出ている状態でもお構いなしに時止めの範囲を広げる、するとハクは咄嗟にその時止めを辞めた。

パト「どうしたんだ?ハク?」

ハク「・・・危ない事を思いついちゃったんだよ・・・凄く凄く・・・だけどこれって大丈夫なのかな・・・使っていいやり方なのかな・・・」

ハクの表情が先ほどと変わって青ざめていった、それほど恐ろしい事に気付いてしまったのだろう。

パト「教えて貰えるか?どんな使い方なんだ?」

ハク「対象者だけ時の流れに逆らわせるんだよ、つまり今は一緒に時と流れてる状態なんだけど、相手だけその場に留める、そうすれば・・・多分その肉体は簡単に朽ちる・・・」

パト「そうなの?タイムリープ的な事にならないの?」

ハク「あれは時耐性がある人が偶然出来る行為だね、耐性があっても車酔いみたいになりやすいんだけど、耐性が無いと膨大な時の波に無防備な状態で当たるわけだから・・・瞬間的なら気絶、数秒ならもう身体ごと壊す事が出来るよね・・・」

ハクはそう言いながら続ける

ハク「あと考えもしたの、血流を一部時で止めて遮断とか、心臓とか一部を時止めで・・・でもそれらの殺傷力と後遺症を考えたら・・・凄いなって・・・でも今の私なら多分・・・簡単にできてしまう」

ハクは自分自身の力に怯え始めた。

パト「それでどこまで広げれそうなの?」

ハク「実用性を求めるなら・・・300M・・・それ居ないなら必中で問題ない」

パトは驚いた、ハクは近距離、中距離に置いて大きな成長を得た、いきなり過ぎる結果に驚きを隠せなかった。

パト「そうか、でも帝国ならもっと、いや、それ以上の技術は持ってる、もっとハクも切磋琢磨していいだよ、ほら、まずは疲労もあるだろうし、少し休みな」

・・・・・・
パト「メルリアから見て、ハクの成長はどう?」

カナはハクの元で話していた、そしてパトは少し離れたところにあるベンチに座り、メルリアに話しかける

メルリア「そうですね、能力の完成度で言えば上級神ですら倒せます、いえ、耐性が無ければ最上級神も倒せる力ですね、そもそも時支配というのはそれほどの代物です、しかもメリアから聞いていますけど、ハクはその時支配の中でも別格、混沌支配や超越支配で時支配の限度をものともしていない、白銀帝王龍という種族がハクを後押ししている、私も盲点でした、私達にも出来ない事です、メリアはハクを見た瞬間にその素質を見抜いたのでしょう、その組み合わせが生まれるなんて、この歴史上一度も存在しなかった、ハクは今こそこのレベルですけど、将来は私達の都合の良い世界に作り替える、それまで何度もやり直し、ハク自身が敵わない敵でも生まれる条件、それらを過去で潰してそもそも【うまれてこなかった】という存在抹消まで容易に出来るでしょう、あの子を専属神に入れておいたのはファインプレーです、敵にしたくありません、いえ、そこまで成長しきるまえに殺してしまいますね、私でも・・・」

パト「・・・・」

あのメルリアにすらそこまでの評価を与えるハク、それほどハクの力は恐ろしい物だった、時を支配する、そんなのフィクションのファンタジーものなら定番の能力と言ってもいい、だがそれらは人間が使い、小さな野望で、大した力も持たずに使っているに過ぎない、最終的にまで極めた時空支配とは世界改変行う禁忌をを許された秘儀。

パト「悪用はさせないし、ハクはそんな使い方はしない・・・俺はハクを守るよ」

・・・・・・
パトは雪花と二人で話していた

雪花「へぇ、ハクがねぇ、私もそろそろハクに負けちゃう時が来るのかしらね~」

パト「え、負けそうと思った事あるの?」

雪花「今までだとないわね、正直時空支配なんて意味ないし、でも時空支配で生み出した後の衝撃波は考えたわね、お父さんの時もそうだけど、能力で生み出した現象は能力じゃないから消せないのよね、例えば岩を私に投げてきたら、能力で岩を操作して投げる事は阻止できても投げて来た岩は阻止できない、そこは私自身がどうにかしないといけない事だからね、原始支配はそこまで便利じゃないわ、使いこなせば話は別なんだけどね」

パト「確か原始、だから1から0、0から1にする能力であり、どんな現象、物質も0にすることが出来る、が本来の原始支配だったよね?」

雪花「そうそう、だから本来なら私に届く前に全現象が私の前で消滅するはずなの、つまり、私の周りだけ無そのものになるわけね、でもそこまでオートになってないおかげでこうやって生きてるわね、能力も控えめな性格で助かったわ、これ以上のオートは望めないわね~」

パト「まだ扱えないの?」

雪花「結構扱えてるわよ、ただそれは0から1を作る方、1から0にするのはかなり難しい、ぶっちゃけ出来る気がしない、なんでもかんでもって話なら簡単なのは知ってるわよね?」

パト「確か、計算式の最後に【×0】を入れたらいいんだろ?そうすれば強制的に答えは0になる、つまり無力化出来る、そんなイメージだったよな?」

雪花「そうそう、だけどそれはかなりの荒業でそこまで数式全部を0にするから消したくないものまで消してしまうの、それが対象物だけならいいけど、自然とか、いろんなものまで関連付けてたらもう最悪、私の想像より必要以上のものが消えちゃう、だから私は【集団戦では邪魔】にしかならない、これをマニュアルで動かすよりオートの方が賢いからオートにしかしないの、練習はしてるのだけどね、こればかりは頭の悪さを嘆くしかないわね、慣れなのかもしれないけど」

パト「慣れかもしれないじゃん、シーノに聞いてみたらどう?シーノって感覚でやってそうじゃない?」

雪花「確かに!それじゃあ暇な時にシーノちゃんに聞いてみよう!あの子話してると昔の桜花と話してるみたいで複雑なのよね」

雪花は苦笑いをする。

パト「まあまあ、シーノも初めて自分が興味を持てる娯楽に出会えて楽しく過ごしてるんだし、おおめにね、ハクとは戦ってみる?」

雪花「パス、まだあの子の心を折りたくないわ、折る気はないけどね」

雪花はそう言いながら空っぽになっているコップにお茶を注ぐために冷蔵庫からお茶を取りに立ち上がった。

パト「確かもうそろそろだよな、WCBT、俺と月花、後はメリアとかソフィアは出ないけど、雪花とハクは出るんだろ?優勝できそうか?」

雪花「さあてね、でも月詠さんとは戦ってみたいかも、もちろんお父さんにリベンジもしたいし・・・準決勝でお父さん!決勝で月詠さんだね!」

パト「おいおい、ハクだって勝ち上がるだろ、あれだけの完成度だぞ、もう隊長相手でも敵なしだろ」

雪花「わかんないわよぉ~、シェインさんは時耐性かなり高いし、バハートちゃんだって時耐性は高い上に天秤で時を下げてきたらハクだってキツイわよ、アランさんもパトに負けてから混沌支配をかなり使いこなしてるって聞くし、ヘルナさんもあれだけの技を持って居たら何をしてくるかわからない、相変わらず隊長連中は油断ならないわよ」

パト「でも雪花はそれらをものともしない、強いよ、本当」

雪花「・・・パトにだけ言っておくわ、今バハートさんと約束してるの」

パト「約束?」

雪花「もしこの大会でバハートさんと当たった時、私が勝ったらバハートさんが私の直属部隊に入るって」

パト「いいのか?バハートさんだって地球防衛軍の入っているのにこっちの事もなんて」

雪花「別に直属部隊に入ったからと言って何かをさせる気はないわ、でもそうね、独占はしておきたいわね、パトの力に干渉している子なんて稀だから」

パト「まあ、雪花が欲しいと思うならいいんじゃない、というより他の専属神の条件的に雪花ぐらいしか無理だろうし」

雪花「確かに!メリアちゃんもそこらへんは被らないように配慮してくれたのかな?アリシア様と琴歌ちゃんは除いて」

パト「あるだろうね、しっかり口説き落とせよ、そしてしっかり優勝だ!」

雪花「リベンジよ!今年はどんな方法で抽選なのかしらね!まあどこに入っても優勝しちゃうわけだし~~、一回戦からお父さんでも月詠さんでもいいけどね~~♪」

パト「あ、宝華さんは出るのかな?」

雪花「出ないでしょ、正体バレたらまずいのに」

パト「でもステラで出ればよくない?仮面は壊れないだろう?」

雪花「戦い方で一発よ、あんな癖の強い暴君、知ってる人からしたら素顔隠さなくても一発よ、身体の癖までは隠せないんだから」

パト「確かに・・・でもそう考えると昨年よりレベルが下がるよな・・・」

雪花「昨年が異様にレベル高かったのよ、シェインさんも言ってたでしょ、一回戦から準決勝、準々決勝レベルだったって、本来のレベルはそんなものなのよ」

パト「そうか、そう考えると正義側のレベルの低さは問題だな・・・」

パトはそう呟きながら、お茶を飲んだ・・・

パト「これから俺達がハクのように覚醒して強くなった時、正義側も優勢に立てるのか」

雪花「正直微妙ね、強くはなるわ、でもこの力を果たして正義として振る舞っていいのか、それはちょっとズルい気がするわね、まだ私やハク、カナ、琴歌ちゃん、月花お姉ちゃんはいいわ、でもメリアちゃん、アリシア様、ラル様、ソルテ様、ソフィアちゃんの力は借りちゃダメな気がする、もちろん帝国の力もね、悪を完全に壊すのは良い事だと思う、でも行き過ぎた正義は悪と変わらないのも重々承知している、私だってこの一年戦争屋をやって多くの星に足を運んで、多くの命を消してきた、でも正義にも悪にもなる、つまり、行き過ぎた力は過剰防衛に過ぎないの、どれだけ犠牲者が出てもね」

パト「はは、メリアみたいな事を言うんだな・・・雪花も」

雪花「考えて見て、悪信教だって世界から見たら邪教集団、悪だわ、でもその宗教に救われた人は?その宗教に根付いた文化を持つ国は?それらを正義として疑わないはずよ、それからしたら地球防衛軍は悪の組織、国の言いなり、過剰な暴力で他の主張を許さない組織って見え方も出来るの、警察を正義の味方と見るか、権力を良い事に横暴を働く怖い人と見るか、それはその人達の感性で決まるのよ」

パト「話が分からなくなってきたな・・・」

雪花「つまり、私達が正義だと信じて悪を根絶やしにするのはおかしいって話、それが私達地球出身者の問題だから別にいいけど、それを地球とは関係ない帝国を連れてくるのは恥ずかしい行為って事」

パト「正義にも悪にも過剰に肩を持つなってことか、理屈でわかっていても難しい話だな」

雪花「ええ、正義と呼べる人に守りたい人は沢山いるわ、でもそれは悪と呼ばれる人も同じ、守りたい人、守りたい世界があるから戦うの、それは絶対に忘れちゃだめ」

パトは雪花の言葉を聞いて、雪花もこの一年で成長したのだと認識した、帝国という正義とも悪ともなれる国に居たからこそ至った考えなのかもしれない

・・・・・・
パトは寝室で眠っていた。

俺も東京に居た時に急激な成長をした、そこからもさらに俺は強くなった、今ハクは急激な成長を体感している最中だ、これからカナだって琴歌だって、雪花も月花も体感するだろう、各々が才能をどんどん開花させ力を得る、そして本来のポテンシャルに近づいていくんだ、その時、力に飲まれないようにしないといけないな・・・

パトは力を持つという事を考え、そのまま深い睡眠へと入って行った。



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2023年09月12日

No.122 黎明の陽射し

パトとメリアは二人の時間を過ごしていた。

パト「メリア、順調か?」

パトは深くは問わない、それはメリアにとって求めて欲しくないとわかっているからだ。

メリア「順調ですよ、ご主人♪」

メリアはそう言いながらパトに抱き着く、二人きりだと表では見せない程甘えてくる、そんなメリアの姿が愛おしく思うパト

パト「別に隠し事をするななんて言わない、嘘をつくななんて言わない、メリアの好きにしたらいい、俺はメリアの行動に文句は言わない」

パトはメリアの頭を優しく撫でながらそう言う。

メリア「そうですか、では隠し事も嘘もつきます、だけど絶対に約束します、ご主人や専属神の子達は絶対に裏切りません、それだけは約束します」

パト「それだけ聞けるならいいよ」

パトとメリアはそう話しながら時間を過ごす。

・・・・・・
メリア「ではメルリア姉様、後はご主人をよろしくお願いしますね」

メリアは身なりを整えるとリビングで待機していたメルリアに声を掛ける

メルリア「メリア、あまり旦那様を心配させないであげてくださいね」

メリア「そうですね、私は今もメルリア姉様のポジションが羨ましいですよ、今すぐにでも代わりたいくらいです!」

メリアはそう言いながら、パトの部屋を後にする。

メルリア「旦那様、着替えをお持ちしました」

パトは半裸のままベッドに座っていた。

パト「あまり抑制出来なかったなぁ、琴歌から聞いていた通りならメリアは何か悪事を働いている、俺はメリアにも汚れ役はするなと言っていた、だけど国のためなら汚れ役が必要なのもわかる、だから少しでもメリアから話してくれると期待はしてたんだけどなぁ」

パトは少し寂しそうにメルリアに語る。

メルリア「メリアなりの考えがあると思います、旦那様もメリアを信じてあげてください、メリアの姉として、お願いします」

パト「疑いなんてしてないよ、だけど辛いなら辛いって言ってほしいんだ、それだけでいいんだ、確かにメリアにとって俺の場所は休める場所なのかもしれないけど・・・」

パトはため息をつく、

パト(正直、メリアが悪さをしてたって嫌いになる事はない、それだけ俺だってメリアを愛している、だけど、だからこそ、その悪さも俺と共有してほしいと思うのは俺の我儘なのかな、いや、実際は俺がメリアに命令すればいいだけの話、メリアだって専属神なんだ、俺が命令すればメリアは断る事は出来ない、むしろ聞かれたならメリアは隠さずに答えるだろう、だけどそれをしないのは俺の覚悟の弱さだ、メリアがどれほどの闇と悪を抱えているかわからない、それを許容できるのか、その自身が今の俺にはない、弱い自分自身が悪いんだ)

・・・・・・
メリアは自室に帰る、そしてパトの事を考える。

メリア(私の事を凄く気にしてくれてますね、ですが、怖くて聞けないって所ですかね、正直ご主人が聞いてこられても少し抵抗はありますね、ご主人はまだ綺麗ですからね、人の不幸や犠牲の上で成り立つ平和に偏見を持って居る、琴歌ちゃんもそうですけど、どれだけ綺麗事を言っても、それを実験し、成果を得たからこそ、歴史と学問は存在する、知恵とは何かを犠牲にしなければ得られない世界の宝、その価値が高ければ高いほど、独占した時に優位に働く、それを平凡出身の琴歌ちゃんにはまだわからないんですよね、まだまだ甘いです)

メリアはそう言いながら、服を脱ぎ、着替える、そして自身の股に感じる温かい感触の記憶を堪能しながら、ベッドに倒れ込む。

メリア(さあ、明日はシスリットの報告ね、初仕事はどれ程の物か、正直、従属神の好感度は高くはないと思いますし、どこかのタイミングでご主人が一度つけていた【好感度眼鏡】の完成品を貰いましょう、それがいいですね、それをシスリットに渡して、好感度が一定値より低い愚か者を徹底的に教育ですね、大事なのは依存、好感度はそこからどうにでもなります、今従属神を抑えているのは将来性、つまりこの帝国に将来性を感じなくなったら即浮気される、それを阻止するためにもご主人と肉体関係を持ってもらいたいのですが、それも上手くいかない、なら好感度の低い反乱分子を尋問して洗脳して、ご主人を崇拝し、依存し、絶対的存在になって貰いましょう、そこからですね)

メリアはそう考えながら眠りについた。

・・・・・・・
メリアはパトの事しか考えていない、それはメリアはパトのために生まれ、パトという存在が自分の存在意義であり、パトという存在がメリアの全てだった、そのため、パトが絶対ではない世界がそもそも不満があり、メリアはパトのためならどんな手でも野望を成し遂げる。

メリア「さて、仕事の成果を聞きに行きましょうかね・・・っとその前にご主人の所に行っておねだりですね!」

メリアはそう言いながら、パトの部屋に向う。

・・・・・・
メリア「ご主人!おはようございます!」

パト「メリア!おはよう、珍しいね、どうしたの?」

ソルテ「メリア様、おはようございます」

月花「メリアちゃんおはよう~~」

リビングにはパトや専属侍女の3人の他に秘書のソルテと補佐の月花が居た

メリア「ご主人!以前使っていた【好感度眼鏡】が欲しいのですけど、私にひとつ貰ってもいいでしょうか?」

月花「メリアちゃん、その好感度で低い子に怒ったりしないわよね?」

メリア「そんなことしませんよ!少し入国してくる従属神を見て、調査をしたいだけです、もちろん見るのは好感度の高い低いでピックアップして低い子は何故低いのか、それを調べます、偵察やスパイの可能性もありますからね、その調査結果次第で次の政策検討会の議題にしようと考えているのです!」

ソルテ「でも従属神なら確かにそれだけする必要性はありますね、一般の神ならやりすぎですけど、従属神は既に帝国の配下、それなら国の運営関係で協力するのは義務です」

パト「別に構わないけど、あんまり住人を虐めるような事には使うなよ、命令だ」

メリア「もう、信用ないですね~、わかりました!私は絶対に悪用したりはしません!」

メリアはそう言うとパトから【好感度眼鏡】難なく入手する。

・・・・・・
メリア(私は・・・使いませんよ、私はね~~♪)

メリアは自分で使う気はサラサラなかったため、なんの問題もなかった、
パトが命令の効力を発揮するのは専属神のみ、つまりメリアはパトが強情で意思を曲げない場合、メリアですら計画を破綻させざるを得ない状況が生まれる可能性がある、だけど、メリア自身が特に何もしてなければなんの問題もなく、メリアの計画は進むのだ。

メリア(ご主人が私の手を穢す行為は許さないですからね、大事にして貰えてる証拠です、ならこの手を穢す行為は一切致しません、代わりの子にやってもらうだけです)

メリアはそう考えながら勤務部屋に入る、
そしてメリアは呼ぶ

メリア「交代の時間ですよ、しっかり勤務を頼みますよ、アナリシア」

メリアがそう言うと、即座にメリアの秘密基地に到着する。

アナリシア・サリヴァーレ 黎明の陽射しNo.4 種族:変幻神

アナリシアとメリアの現在位置を変えると同時にアナリシアがメリアに化け、メリアは常に裏の基地に居座る形となる、だが専属神との仕事はメリア自身が請け負っている、もし偽物で相手をすれば、それはパトや専属神への裏切り行為になるからだ。

・・・・・・
メリア「さて、シスリット、もう来ていたのですね、状況を聞かせて貰っていいですか?」

メリアはそう言いながらコーヒーを作る、この基地には【黎明の陽射し】のメンバーが在籍するが、雑用をするような神は一人も居ない、そのため、メリア自身が身の回りの事をこなさなければならないのだ。

シスリット「はい、まだ最初の方なので、上手く結果を出せているかわかりませんが、今の所表で主様の悪評を訴える者は居ません、それどころか帝国の政策にすら興味を示していない女神が殆どという印象です、【私達が考えた所で帝王様や専属神様の足元にも及ばないのだから考える必要がない】というのが共通の認識ですね」

シスリット・ホリーティア 【黎明の陽射し】No.5 種族:堕落劣下幸神

メリア「そうですか、それは良い話しですね」

嘘である。
メリアはそんな情報等一切求めていない、正直政策の件に関して従属神が興味が沸くはずがない、メリアが気にしてるのは女神一人一人のパトへの好感度、そこ一択なのだ。

メリア「なら政策に関しては問題ないという認識で良さそうですね、一部の声とは言え、そう認識出来るのは良い事です、それでシスリットにはこれを渡します」

メリアは【好感度眼鏡】を渡す、もちろんパトから貰ってからメリアは別のデザインに変えてある。

メリア「それは【忠誠眼鏡】ご主人への忠誠度が数字で見える眼鏡です、それが【80以下】の場合、尋問をせざるを得ませんね、対象は従属神、配下神まで手を伸ばしたい所ですけど、まだシスリット的にも辛い話しでしょう、なので、どんな力を駆使してもいいので、その眼鏡で判断してリストアップし、私に逐一報告しなさい、貴女の仕事次第でメルリア姉様の平穏な生活が懸かっていると思いなさい」

シスリット「わかりました、では今から教育に戻ります、失礼致します。」

シスリットはそう言うと即座に消えてしまった。

メリア「さて、エラトマ、そろそろ大量に仕事が入ってくるわよ」

メリアがそう言うと奥の部屋から勢いよく扉が開く!

エラトマ「やった!!どこまで痛めつけていいの!どこまで!ねえ!どこまで!!」

エラトマ・マールム 【黎明の陽射し】No.3 種族:白銀帝王龍

メリア「そうですね、殺したら意味ありません、もちろん幽閉をしたらここの存在が容易にバレます、なので、夢でも洗脳でもいいです、貴女の存在も露見しないようにしっかりと・・・ね」

エラトマ「簡単じゃん!それだけでいいの!それだけで殺し以外は何してもいいの!!やった!私やってみたかったんだ!針千本!針何本目から喘いでくれるかな~?痛覚に強い部位から弱い部位に、そして針はどんどん深く深く差し込んでね~~!【これくらいなら耐えれる】っていう救済を粉々にして泣かせるんだ~!それで千本が終わって相手が安堵したら追加の千本を持ってきてね!それを【横のバカが泣き言言うから余っちゃった~~、もし嫌なら説得してよ~~】って、そうすれば痛い思いをしたくない奴らは泣きながら、罵詈雑言を発しながら・・・う~~~~濡れてきちゃった~~~子宮が震える~~~~~!!!」

メリア「まず貴女が落ち着きなさい、別に仕事内容は任せます、最低条件さえ満たしていれば私から言う事はありません、興奮して自慰行為したいなら拷問中にでも拷問している女神を使ってでも発散しなさい、だけど言っておきます、成果は出してもらいますよ、壊したいわけではありません、【ご主人を愛さなければ恐怖がやってくる】そして忠誠を誓い、尽くし続ければ【恐怖がやってこない】それどころか【甘い蜜】が止めどなく降り注ぐ、そういう状態を作りたい、そして依存させる、肉体関係を持たせられないなら依存です、恐怖が根本にある依存は強力なものです、それが主からであれば独裁政権、つまり主への反逆を生む可能性がありますが、主は関係ない、むしろ助ける側、ヒーローになればもっとも~~~~~っと、ご主人への愛が確実になると思いません?」

エラトマ「狂気だね、流石は私が認めた主だ、それじゃあ針を沢山用意しないと♪ああ、子宮の震えが治まらない・・・疼いちゃう♪」

エラトマはそう言いながら奥の部屋に戻る。

メリア(本来白銀帝王龍は邪悪な龍、これが本来の姿、ハクは本当に異例、白銀帝王龍なのに全然狂気が存在しない、本当いい子を見つけることが出来ました、しかも最近あの子は強さに拍車が掛かっている、とうとう雑魚から格上まで、時間の耐性が存在しない相手なら傷一つ受ける事なく倒す事が出来るようになった、専属神内で言えば低いですけど、ハクは本当有望、成長が楽しみです)

・・・・・・
メリアが1時間ほど、紅茶を堪能していると基地内に入ってくる者が居た。

メリア「帰ってきましたか、どうでした?」

サウル「弱い、創造主、あれが本当に上級なのでしょうか?」

メリア「そうですよ、貴女が強すぎるのです、貴女の存在、それこそが異例、凶器なのですから」

サウル・カレウエ 【黎明の陽射し】No.1 種族:神造穢粘液神

サウルはメリアとファナが開発し、成功した神、穢れを纏い、支配する神造女神。

メリア(女神は体内に穢れを取り込む事で絶命する、それはどんな強い女神でも例外ではない、そしてその穢れの性質、特性を何百という実験体のサンプル結果を得て、この子を作り上げた、もちろん毒だって容易、そして穢れの性質を分析しているから、私や専属神、直属部隊の子達にはワクチンを打たせて貰ってる、誤って穢れを投入されたら大変だものね、死にはしないにしても気分の良い話しではないわ)

サウル「それで次は神王?」

メリア「いえ、最上級神ですよ、ですがそこまで来ると難しいですね、野良の最上級神は私達でも欲しい神材ですからね、あまり実験で消費したくないんですが・・・」

サウル「男なら?」

メリア「・・・気持ち悪い話しですが、男の神も穢れが生まれれば死ぬはずです、ですが私は男という存在が気持ち悪い、ご主人以外の男なんて死ねばいい、不愉快、少し優しくしたら気安く話しかけてくるのも不愉快、身内でも関係なくです、表には出しませんがね、触られたらその手を塵も残さずに消し飛ばしたい・・・私に触ったという記憶すら・・・許せない、私の身体はご主人のもの、私の身体を知っていいのはご主人だけ、この体温も、柔らかさも、汗も、垢も、臭いも、全部全部・・・ご主人だけの物です・・・」

サウル「なら男消す?」

メリア「辞めておきましょう、それは大変魅力的ですが、反感を買われます、流石の私も世界を敵に回す程馬鹿ではありません、ですが【神殺し】を完全な物にするのであれば、男の研究も必要ですね、ファナに任せましょう、少し席を外すわね」

サウル「どうしてたらいい?」

メリア「能力のON・OFF練習をしていなさい、後は人間形態を維持出来るように、貴女に肉体を与えなかったのはその【変幻支配】で何者にもなれる可能性を見出したかったからなのだから」

サウル「了解しました、創造主」

サウルはそう言うと幼い少女の姿から液体に戻る、それが本来のサウルの姿だった。
サウルは粘液種、スライムという存在である。肉体を持たないため怪我という概念が存在しない、そして吸収もされないため、食べられても消化されずにそのまま残る、そして内側から穢れを生み出し、消滅させる、【黎明の陽射し】最強の生まれて数か月の【神王級】である。

・・・・・・
メリア「というわけで男の穢れを研究してほしいのだけど」

ファナ「興味深い、女神の穢れは有名な話だが男の穢れは聞かない、それを見つけ出せというのか」

ファナは研究室にある液体ボックスを眺めながら考える。

ファナ「いいだろう、だがここは曲がりにも帝国だ、女帝でも研究のためとはいえ、帝国、まして女帝の手の届く範囲に男を置くのは気分が悪いだろう、別の研究施設を用意してくれるのかな?」

メリア「手配しましょう、男の神は【下級神】そして次は【中級神】と上げて、【神王】までやっておいてください、女神は大事ですが、男は要りません、まあ他の男に股を開いた穢れた女神もゴミ同然なおですがね、その男が怒って近づいてくると考えただけでも嗚咽ものです」

ファナ「女帝も大概狂ってる、だがそれがいいのだがな、良かろう、帝国の領土で帝国外に研究施設、そして研究用モルモットとして男の下級神を1000体容易してくれ、そうだな、性交をした場合も見ておきたいからな、殺しても構わない女神を100体、経験人数が1人の男は?2人の男は?と多くのパターンで研究をしたいからな」

メリア「わかりました、帝国外から拉致してきましょう、もう帝国の女神は配下神ですら財産です、ご主人の動き次第では下級神でも最上級神クラス以上のポテンシャルを持たせる事が出来る事を知ったので」

ファナ「へぇ、それは興味深い、それはいつか私達も帝王様に身体を捧げてもいいのかね」

メリア「もちろんです、ですがファナやエラトマは邪悪過ぎるので、愛想笑いを覚えてください、サウルはまだ生まれて間もないのでこれから教えますし、アナリシアはコミュ障という奴ですかね」

ファナ「だが帝王様は凄いお方だ、いつか帝王様本人を研究したいものだ、1日で現帝王神の数十倍のポテンシャルの伸び、そしてその恩恵として接吻程度で相手への覚醒、性行為で更なる覚醒とポテンシャルの大幅強化、自身の姉を使ってよくもまあ、そこまでの結果を導き出したものだ」

メリア「誘導したわけじゃないですよ、ただそう、身近に見やすい研究対象が居たので、見ていただけです、おかげで身体が寂しかったですよ」

メリアはメルリアとパトの性行為をメルリアの初体験以来全て観察していた、それは性行為の回数とメルリアの覚醒幅の観察をしたかったからだ、結果、キスや体液提供は覚醒は促せるが、ポテンシャル自体は全然上がらず、種族だけが上がったという状態になる、もちろん種族が上がっているので種族値が上がり、ポテンシャルは上がるのだが、元々高種族は成長幅が少ない、だが性行為は別である。

メリア「性行為1回でメルリア姉様程の完成された種族とポテンシャルですら関係なく覚醒した、それそして回数を重ねる事に現時点のメルリア姉様の最大ポテンシャル値から2倍、次の性行為で2倍に膨れ上がったポテンシャルからさらに2倍、つまり2回性行為するだけで本来の4倍強くなっているのです」

ファナ「化物じゃないか・・・そんな事がありえるのかい?」

メリア「もちろんポテンシャルだけの話です、実力は上がりません、ですが、ポテンシャルは上限値、それが無限に上がるというのは恐怖です、神界はポテンシャルの高さで判断しますからね」

ファナ「だがおかしな話だ、なら女帝、君は既にとんでもない量の覚醒をしているのではないか?」

メリア「してますよ、ただ封印されているだけです、ですが面白い結果は得られました」

メリアは話す。

メリア「ご主人が相手に対する好感度によって覚醒の有無が変わる、つまりご主人が相手に好意がない状態で性行為しても全然覚醒しないのです、天野江奏星、唯一専属神以外で何度も肉体関係を持って居た子です、その子も私は見ていました、ですが彼女も中々の性行為回数を重ねているにも関わらず大きな成長をしないのです、それはつまり、【好意がないと主からの恩恵を受ける事は出来ない】、メルリア姉様は2倍、それはご主人がメルリア姉様にそれだけ愛情がある証、ですがその数値を明確に出したいのです、つまり100なら2倍というのであれば、私はもっともっと媚びさせます、そして好感度200で3倍、好感度300で4倍と一度の性行為で覚醒を促せるのであれば私は帝国をそのように動かします」

ファナはメリアが意気揚々と語る姿を見て考える

ファナ(やはり狂っている、私も大概狂っていると認識しているがこいつはその比ではない、自分が第一優先でもなく帝王パトの為だけに全てを注いでいる、それ以外は帝王パトを喜ばせるパーツに過ぎないと言わんばかりな・・・これが帝王神候補だというのだからこの世界も狂っている・・・面白い!)

メリア「いつかおふざけと呈して、皆に【好感度眼鏡】を付けて貰ってご主人の好感度を見ましょう!そうすればデータは取れる!そこから計算して、ご主人の事をもっと理解することが・・・」

ファナ「女帝、貴女の目的はなんだ?」

ファナは聞く、メリアはその問いについて即答する。

メリア「ご主人が世界の中心となる世界を作る、いずれご主人は帝王神になる、そして世界の王になった時、ご主人が世界の支配者となり常識となる、全世界はご主人の手のひら、だけどそれを叶えるためには近道は出来ない、色んな不明瞭を明確にしないといけないし、反乱分子を徹底的に除去しないとカビが生えてしまう、【絶対支配】を持つ私は封印が解けた時にこれらを全て絶対にする、その下準備です。ご主人に逆らう者はゴミ、忠誠を誓えない者もゴミ、信仰出来ない奴もゴミ、難癖つける馬鹿には輪廻転生すらも許さない徹底した死を、悪と呼ばれる存在もご主人が認めるなら認める。そんな世界です、私はそんな世界を作れたら・・・もう何もしません、ただご主人の横で愛玩具として人生を真っ当しましょう、今はそんな未来を作るための投資です、だから今こうやって私がご主人から離れる事は仕方ないと割り切れます」

ファナは震えた、自分も狂気に満ちていると自覚していたが、メリアはその比ではない、格が違うと本能から理解した。

ファナ(はは・・・思い出すな、こいつが私を勧誘してきた時、そこはかとない恐怖を感じた、【こいつには絶対に逆らってはいけない】という上下関係を一目見ただけで植え付けられた、他のメンバーもそうだ、私は・・・とんでもない奴の下についたのだな)

ファナ「もういい、頭が痛くなる」

メリア「別にこの目的は皆にも言っている事ですので、まだまだ軽いですよ」

ファナ「表でもそれを平気で言ってるのか?!」

メリア「はい、別に隠す野望でもないですし、これは必然ですから」

ファナ「・・・メリア様、貴女が隠す程の野望とは・・・なんですか?」

メリア「んん?ないですよ?私はご主人の物ですから、私がNo.1の世界なんて要りません、ご主人がNo.1、そして私がNo.2これです」

メリアは軽いお喋りを済ませた感覚で挨拶をし、研究所を後にする。
研究所に残ったファナは近くにある椅子に座り、頭を抱える

ファナ「世界は広いものだ、私がまだ常識神に思える、いや、私もあの領域まで狂えということか・・・」

ファナは笑っていた、「最高の環境だ・・・」

・・・・・・
メリアはやる事を終え、メリアに偽装しているアナリシアと場所を一瞬で代わる。

メリア「ふう、業務と言ってもやる事ありませんし、ご主人が次のおふざけで【専属神達がご主人のからの好感度を見る】ように誘導しましょう、法則を見つけれれば今後良い研究になりますしね」

メリアはニコニコしながら次の行動に移す準備をする。
パトのために。

patopatoblog at 10:33|Permalink

2023年09月01日

No.120 奴隷の少女 episode1

暗い部屋、ジメジメとした空間、狭い牢屋に入れられてた悪環境

???「ケホ、ケホ」

一人の少女は足枷のついた自分の足を見つめながらみすぼらしい服を身に纏っていた。

それは薄着であり、何日もお風呂に入ってないため自分の垢と部屋の汚れで服は薄汚れていた
少女の歳は今年で15歳、それなりに成長期を迎え、胸やお尻、初潮も既に迎えているが処方されるわけでもなく、ただそれらは糞尿と共に垂れ流す、到底人としての扱いではなかった。

ここは人身売買を生業としている悪徳組織の商売品保管倉庫だった。

・・・・・・
少女は12歳の頃、世界革命テロの影響で両親を亡くし、住んでいた町、身内全て無くしていた。
だが国はそれらの子供を保護せずに国の復興資金を得るために闇金に手を染める国も少なくなかった。

それが人身売買、自身の国の孤児を他国の人身売買を行う企業に安値で売ったのだ、
少女はその売られた一人だが、この3年間売れる事はなかった。

異世界ファンタジーなら悪趣味な貴族や成金が幼き幼女の身体、処女を喜び高値で購入するという事もあっただろう、だが時代と環境が悪かった。

世界テロにあったのは孤児を買った企業の国も同じ、比較的被害が少ない国は国税を増やし、復興に当てていた、その中でもお金持ちは税金のターゲットになり、高額の資金を国から奪われてしまっていた。

そのうえ、客となる人も被害でそれどころではなく、大企業を抱える富豪の資産は暴落、
つまり、お金持ちと呼ばれる人も自身の事で手一杯のため、それどころではなかったのだ。

悪徳業者はそこまでの流れは読めてなかったのだ、復興と不況が続く世の中では性の娯楽が富豪達の中で流行ると考えていたからだ。

経営者「クソ!全然売れやしねえ!維持費にいくら掛かると思ってんだ!!」ドカン!!!

経営者は悪態をついていた、今回で各国から100名の女子供を集めていた。

10歳程の子供から20歳前の女性までを揃えていた、だが売れない。

10歳~12歳は幼さもあり、比較的安値で設定されていた
13歳~18歳は初潮も迎え、それなりに発育と成長しているため高額に設定されていた
19歳~20歳はそれなりに自我と社会性を持っているため、奴隷や性奴隷としての需要が高く、それなりに高額な設定をされていた。

そして処女か否か、体のバランス、顔の整い、性格等で一人一人に値段が細かく設定されていた。

それが原因で10歳~12歳は元値が安値でも成長の可能性、性格の調教、ほぼ確実な処女、ほぼ皆無な男性経験というステータスを加えられ、もっとも高額取引に出されていたのだ。

少女はその高額設定が原因で誰も手を出さずに3年間牢屋の中で生活をしていた。

・・・・・・
少女は同じ牢屋の中に居る女性を眺めていた。

それは元々生きていた物だった。

???「・・・臭ってきた・・・気持ち悪い・・・」

元同居人だった女性は悪環境の中病に侵され、そのまま飢餓と共に亡くなってしまったのだ。
だがこの環境では珍しい事ではなく、少女が居たこの3年間で数十人が亡くなってしまったのだ。

???「私もこの人みたいに死んじゃうのかな・・・それなら早く死にたいな・・・」

夢も希望もない、少女はそう思いながら、死体を足で隅に寄せる、だからと言って臭いがマシになるわけではないが、不愉快な感情を少しでも和らげる事は出来た。

この3年間で売れた奴隷は10人前後、死んだ奴隷は60人前後、現在は20人程しか居なかった、
だが人身売買の経営者は経済が元に戻っている事ともう売れないと考えオークションに出店しようと考えているようだった。

少女はその話が聞こえ、少しの希望が差し込んだ。

???(もし私が選ばれたらこんな地獄から解放されるのかな、でも選んだ人が性欲にまみれたおじさんだったらきっと毎日性奴隷、そうじゃなくても無賃金労働の奴隷、どっちにしてもろくな環境じゃないのはわかる)

少女希望は一瞬で途絶えた、今居る地獄から次の地獄に移り変わるだけだと、なら結局希望を持つだけ意味ないんじゃないかと。

???(別に選ばれなくてもいいや、それより早くこのまま死んでしまいたい・・・)

・・・・・・

そして数日後、少女の身体に異変が起きた。

???「ケホ、ケホ、ケホ、ケホ!!」

少女は以前から咳をしていた、だが数日経つ事に日に日に悪化していった。
少女と同居していた死体は経営者が片付けたが、その場の液体まで片付けてはいなかった、
そのため悪臭は残り、ウジやハエも沢山沸いていた。

???(よく考えたら同居人が死んだのは初めてかも、もしかしてこの虫から菌が・・・最悪・・・)

少女はそう考えながら、だが座る気力もなく、そのまま冷たい地面に横たわっていた。

???(私、このまま死ぬのかな・・・死ぬのってやっぱり楽じゃないんだ・・・)

数日前からオークションに一人、また一人と連れて行かれる、だが恐らくここの経営者の奴隷管理が業界の中でも悪質なのだろうか、評判は悪く、その業者出品の奴隷は一切売れなかった。

少女はそのことについては経営者が怒鳴るような声が牢屋の中まで聞こえていた。

経営者「見た目は綺麗にしてても病気持ちの可能性があるだぁ?!ふざけんな!全然いい値で売れねえのにどうやって品質管理の金があるってんだ!大赤字だっつうの!!」

???(ざまあみろ、お前みたいな悪はそのまま不幸のどん底に落ちてしまえ・・・)

そんな事を考える少女だった。

・・・・・・

それから数日、異変は起こった。

少女は病気のままずっと伏していた、だがここ2日程、食料が配られないのだ。

少女(まさか・・・逃げた?嘘?そんなことってある?)

他の奴隷も飢餓で伏しており、水分は自身の尿を飲み、凌いでいた。

少女(もう最悪・・・とことん理不尽だ・・・)

少女はそう考え、意識が途絶えそうな中、扉が開く

雪花「居た!!パト!居たわ!!凄い臭い・・・結構人居るわよ・・・」

パト「月花に食料と布を、ミーエルはただちにここに居る被害者達の健康状態を確認しろ」

少女は女性の声と男性の声を聞いた、そのまま意識は途絶える・・・

・・・・・・

少女は目を覚ます、それは今まで見ていた薄暗い空間ではなく、白い天井、ここ数年ここまで白い白と照明の光に目がくらむ。

少女「・・・ここどこ?」

少女はそう喋り、自身の服装、そして今寝ている場所がベッドの上だという事に気付く。

少女「・・・私・・・助かったんだ・・・」

身体が軽い、あれだけ出ていた咳も止まっている、そして何より、体中に纏わりついていた薄汚れた自信の油垢がなくなっていた。

少女「他の人は・・・」

当たりを見回すがわからなかった。

そうこうしていると扉が開き、美しい身なりの女性が話しかけて来た。

ミーエル「目が覚めた?かなり酷い状態だったけど、もう大丈夫!むしろあの状態でよく生きた方だよ!うんうん!」

少女「あの・・・ここは?」

ミーエル「病室だけど?えっと何処の病室って言われたら、【エウレカ探偵事務所】の保健室みたいな所っとしか言えないかな」

少女はミーエルの言葉をなんとか理解しようとする、そして聞いた

少女「助けてくれてありがとう・・・えっとどういう状況ですか?」

ミーエル「う~ん、私も治療班として言っただけだから詳しくは知らないけど、主様が国に蔓延る人身売買を行う業者を捕まえ、被害者を救ってほしい、みたいな依頼をその国のお偉いさんから直接貰ったみたいだよ、それなりに高額報酬だからみんな張り切ってたけど」

ミーエルはペラペラと話す、だが少女にとって常識は12歳の頃で止まっているため、気にすることもなかった、だが12歳で教育が止まっている事もあり、理解出来ない言葉の方が多かった。

ミーエル「あ、話通じないといけないからちょっと脳を弄って私達の言語に修正しておいたからね!私達の言語は会話は成立するけど、貴女の母国の言語は聞く事は出来るけど、喋る事は出来ないから注意ね!」

少女「んん?えっと意味がわからない・・・けど私は助かったの?これからどうなるの?買われたの?」

ミーエル「買われた?いや、それはないけど、これからか~~、別に救ってからの事は私も知らないし、というか・・・えっと・・・」

ミーエルは言いづらそうに言葉を曇らせる。

少女「どうしたの??」

ミーエル「えっとね・・・実は・・・あの場所で生き残っていたのは貴女一人なの、他の人は既に死んでた・・・」

少女「え?でも私が気を失う時はまだ周りは息を」

ミーエル「多分それは何度も気を失っていたから時間感覚がおかしくなっていたんだよ、私達が駆け付けた時は全員死んでた、その中で貴女だけがかろうじて生きてたから助ける事が出来たの」

少女「そんな・・・」

ミーエル「でも助かったわけだし!良かったね!後は主様と直接話して決めてね!」

ミーエルはそう言いながら部屋を後にする。

少女「・・・私だけ・・・あんな状態で・・・」

少女は自分の生命力の高さに驚きながら、そして生きているという実感を得るためにそのまま布団に倒れ込んだ。


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2023年08月30日

No.119 不愉快極まりない時間

月花が精神的に落ち込み、部署異動が決まってすぐの話。

月花はパト達のおかげで環境が変わった、だがパトにも言われたが現場の問題は解決したが、月花自身の問題は解決してはいなかった。

月花(パトやメリアちゃんが動いてくれたおかげで、技術開発部隊の異動が決まった、次からは新しい部隊と環境・・・)

月花にとっては問題ない、だがミーエルによって直された心でも全てが治るわけではないのだ。

月花(また仕事を沢山押し付けられたらどうしよう、今の私が次の仕事をこなせるのかしら?)

月花は不安だった。

周りから見れば月花は被害者かもしれない、だが月花自身はそう捉えては居なかった。

月花(自分がもっとうまく出来ていればよかったのかな、もう少し強きで断ればよかったのかな、私は出来ると思って頑張り続けたのが間違いだったのかな・・・)

月花は一人の時間、ずっと自問自答を続ける、それは1時間という時間が一瞬で過ぎていくような感覚、周りの優しい言葉が月花にとってプレッシャーであり、嬉しい言葉なのにどこか苦しい、そんな環境の中月花は与えられた時間の中考える。

・・・・・・

月花は答えの出ない思考を辞め、一度街へ出た、それはセキに進められたものだった。

セキ「久しく街を見たが随分変わったのう、娯楽の店が増えた、居心地が良くなってきたのう」

セキは月花に話しかけてくれる、だが月花にとって今、この場で街を歩いているのが強い罪悪感だった、焦燥感と言ってもいい、【他の皆は自分達の役割を全うしているのになんで私は今何もせずに街の中に居るのだろう】そんな気持ちでいっぱいになる

セキ「月花よ、考え過ぎるのは良くないのじゃ、今の月花は休養中、与えられた休みなのじゃ、その権利を使っているのじゃから問題ないじゃろ?」

セキは月花の考えを見抜いたように話す、だが月花の心は晴れない、どうしても自分という人間への自己肯定力がない、今まで自信に満ち溢れていた自分が嘘のように、今はただその場に立っていた、そうただ立っていた。

月花「そうね、今は休養中、しっかり休みましょう!」

月花はセキに心配させまいと精一杯の笑顔で答える、だがそれは笑えていたかどうかは月花にも分からない、正直笑えてなかったかもしれない。

月花(知識として知っていた、鬱状態の人に頑張れと言ってはいけない・・・その通りだと今ならわかる、頑張った結果こうなった、その上頑張れと言われ、何を頑張ればいいのかわからない、そもそも今私は凄く頑張ってる、なんとか皆と同じ所に戻ろうと頑張ってる、常にギリギリ、少しでもネガティブになると胸に大きな穴を空けたいと思う程、死にたいと考える、物理的な痛みでこの心の苦しみがどうにかなるのなら・・・そう過ってしまう、いや、実際その感情が暴走して私は・・・)

月花はまた考えてしまう、気にしないようにしても少しのワードでそのトリガーは引かれてしまう、そして結果的に同じ思考に辿り着く。

セキ(月花・・・)

笑えていない月花の表情が歩く度に暗くなっていく、温泉旅行、パトとの誓い、それは月花にとって救われた言葉だった。だがそれは同じように重荷になってしまっていた。

【皆のために早く復帰しないと】

セキ(焦るでない、月花よ、今求めるのはそこじゃないんじゃ)

・・・・・・

帝国の街に出来た喫茶店、そこで時間を過ごす二人

月花「美味しい・・・」

セキ「おしゃれな味じゃのう、わしには合わんな」

月花は少し真顔のまま、水滴のついたグラスの中身をストローで混ぜる。

セキ「月花よ、どの言葉を選んでもお主にとって重荷になるじゃろう、じゃからわしから言えるのはわしやパトがお主を守っている、とことん甘えるのじゃ、そういえば【でも、それだと皆に】って思考になるのじゃろう、じゃが仕方ない事じゃ、早く治そうと思っても傷は治らん、むしろ無理して復帰しても悪化するのじゃ、月花は辛いという気持ちをずっと抑えて、心の傷があったにも関わらずその場その場でどうにかしてきたから今こうやって限界が来たのじゃ、つまり無理をするのは結果的に悪い結果を生む、ならば今は何もしない、考えの整理がつくまで時間いっぱい休むのが良いとは思わんか?どうせ頑張っておるのなら、その頑張りをもっと月花本人を甘やかせるほうに頑張ってみんか?」

月花「・・・頭では理解してるの、私だって色んな子を見て来た、分かった気で接してきた、あの時の自分が恥ずかしい、人が弱っている時、それは自分が悲劇のヒロインの時もあれば私みたいに【懺悔】に近い感情で生活している人も居たんだって・・・」

月花は語る

月花「私は別に被害者とかどうでもいいの、ただ申し訳ないという気持ちで今はいっぱいいっぱい、だから正直言うと専属神の子、技術開発部隊の子達とは顔も合わせられない、でもそれは私に非があると考えてるからそう考える、私ね、案外自分の状況を客観視出来るの、だから思う、気持ちが沈んでいる時、それはどうして私は周りの子と違って問題を切り抜ける力がないんだろうって、世の中の人や神は今の私以上にプレッシャーの掛かる仕事、決断を日々行っている、ひとつの判断ミスで死ぬ世界に居る人だっている、なのに私はなんでこう弱いんだろう、これくらいの事でって考えてしまうの、環境が良かったから私はこうやって生きている、だけどそんな環境じゃなければ?誰も私を救ってくれずに死んでた、考えがまとまらないわね・・・でも言いたい事は弱い自分、それに対して迷惑を掛けている自分が嫌で嫌で凄く辛いの、それが今の私の感情・・・なのかな・・・」

セキは月花の言葉を黙って聞いていた、恐らく同じ話を数回聞いた、だがこの数回話す事で月花が考えが変わって居ないか、セキはそこを聞いていた

セキ(まだ月花の考えはまとまっておらんのう、じゃがまだそれは仕方ないことじゃ、ゆっくりと休ませるしかないのう)

月花とセキはひと時を過ごすと部屋に戻った。

・・・・・・

セキ「月花よ、今日はパト坊と会うのかのう?」

月花「いいえ、今日も断っておいたわ、パトは私に優しすぎる、それが辛いの」

月花は力のこもっていない笑顔で答える、それは月花の本心だった。

月花「もちろん普通に接して来られても辛いし、厳しいなんてもってのほかだけどね!つまり今の私は凄く面倒臭い女の子なのです!!」

月花は自虐を混ぜながらセキに心配させまいと陽気にふるまう。

セキ「月花がそう思うのなら良いではないか、わしは最近ハマった編み物をしておるから月花も好きに過ごすといいのじゃ」

セキはそう言いながら月花のベットの横に置いてある椅子に座り、最近始めた編み物を始める。

月花はベッドに倒れ込み、パトから借りたゲームをする。

セキ(月花は以前からそうじゃったが、今も全然眠れておらん、聞いたら【誰かが来ると思うと怖い】【皆が働いている時に眠ると罪悪感で死にたくなる】【明日の事を考えると不安で眠れない】と朝昼晩と理由が異なっておった、つまり時間ごとに考える不安は異なり、その各不安が募り眠れない状態が続いておるって事じゃ、元々重症だったのは知っておるがこれは時間がかかるのう・・・)

ミーエルが直したのはあくまで精神安定剤のような治療、一時的に心を落ち着かせるだけの治療、つまり、こころの病自体はミーエルでも完治は出来ないのだ。

セキ(以前パト坊が言って居ったな、【わし達は死んでも生き返る、じゃが心はそうじゃない、心は一度死ぬと生き返らない、だから死を軽くみるなと】、自分自身が一度精神が壊れた事もあれば、自分自身の不甲斐なさで全てを投げ出そうとした経験があるパト坊は誰よりも心を大切にする・・・じゃから優しすぎるのじゃろう)

こころの傷は治らない、トラウマのように何年経ってもずっと引きずるもの、
心の傷への痛みに耐えられない人間は多く存在する、それ故に犯罪に手を染める人も居れば、
命を投げ出す者、これ以上傷を広げまいと自衛のために引きこもる人も居る。

それほど心というものは人の身体の健康を左右する重要な存在である。
身体は健康でも心が重症だと体調を崩したり、思考は普通なのに涙が出たりする。

だが生きていく以上はストレスを抱え、心に傷を負いながら進む、寿命というゴールまで進むために。

セキ(わらわも1000年は生きた、じゃから言える・・・長寿はゴールが存在せん、じゃからこそ苦悩をずっと抱えて生きていかねばならん・・・それは・・・死んで地獄に落ちるよりも苦しいものかもしれんのう・・・)

セキは不眠と疲れで気を失ったように眠っている月花の髪を優しく撫でながら短い独り言を呟いた。

セキ「今は眠るのじゃ、心は治らんが傷みに慣れる、そうなれば少しは楽になるのじゃ、それまでの間は・・・眠るのじゃ」

そして月花の不愉快極まりない時間から一時的に逃れた月花は安らとは程遠い睡眠につく。




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2023年07月23日

No.117 琴歌と直属部隊episode1

琴歌は悩んでいた、普段の業務で常にメリアやアリシア、他の従属神達と議論を繰り返し、そして偵察や情報収集等で手一杯の中、自身の直属部隊のメンバーも見つけなければならないのだ。

だが正直琴歌には直属部隊のプランが一切見えていなかった。

琴歌(あまりメリアさんの力を借りるのも嫌ですが・・・仕方ありません、何か情報を頂けないか伺ってみましょうか・・・)

琴歌はメリアとは仕事の都合上仲があまり良くなく、あまり乗り気ではなかった、
だがアリシアに聞いても、アリシアも琴歌と同じ条件の直属部隊員を募集しているため、そもそも
琴歌に教える余裕があるならアリシア自身が既に構成員を固めているという話なのだ。

・・・・・・
トントン

琴歌はメリアの部屋のドアを軽くノックする、すると部屋の中から「どうぞ」とメリアの声が聞こえる、琴歌はその言葉を聞いてからドアを開け、メリアの部屋に入る。

メリア「あら、珍しいですね、てっきり嫌われているかと思っていたのですが」

琴歌「私も正直ここには来たくはありません、ですが仕事でなければまだ私はメリアさんと仲良く出来ると信じて居ますので」

メリア「私はそもそも嫌われたくないのだけどね、考えや価値観が合わないのは仕方ないとは言え、ご主人も認めている事ですし、許容してくれると助かるのですが」

琴歌「無理ですよ、貴女がやっている事は国民を実験体にした非人道的行いです、私の立場だと貴女の罪を法治部隊に報告して裁判に掛けなければいけないんですよ」

メリア「でも出来ないし、ハクだってそれくらいは理解してます、それにご主人がそれをもみ消すでしょうね、これは私個人の娯楽ならまだしも国の発展に必要な事、琴歌ちゃんだって理解しているはずです、私の行っている実験が帝国の教育に役に立ち、他の神国と比べても一般常識知識量が多いと、それだけ私の行っている事はこの国の発展に役立っています」

琴歌は知っている、メリアが普段裏でどれだけ配下神達を使い、多くの実験を行っているのか、

琴歌「ちなみに今はどんな実験を?」

メリア「解剖学ですね、神は生身の人間と違って死ねば蒸発するように消えますから、まずは生きたまま配下神の身体を解剖して医療に役立てようとしています」

琴歌「なんて惨い・・・」

メリア「以前の実験課題で技術開発部隊に麻酔を制作してもらって、使っては見たのだけど、感覚が麻痺していると欲しいデータが手に入らないの、だから今は麻酔なし解剖で身体反応や筋肉、血管やオーラを維持する器官がどういう仕組みなのか、それらを念入りに実験しています、試験体50体ほどですかね」

琴歌「惨いにも程がある・・・綺麗事じゃないにしても神のする事じゃない、それにそれで犠牲になった神達が報われないし、そんな犠牲の元で平和があると思うと・・・」

メリア「全て綺麗な国がどれだけ力が弱いか知っているでしょう?メルリア姉様のメルリア法国もそうでしたけど、浅い、知識がほぼ存在しない、【信じる者は救われる】【善を重ね、そして与え続ければ不幸な迷い人は生まれない】なんて迷信にも程がある、信仰は得られても力を持たない国民が育つだけ、それでは国として強くならない、そうでしょ?総理大臣様?」

メリアは琴歌の正義感に挑発をかける。

琴歌「綺麗事や根拠のない教えは無価値なのはこの部隊に配属されてから痛感しています、何もしない人には何も得ることは出来ない、求めた者だけが成果を得る、そういう仕組みなのは昔から知って居ますけど・・・」

メリア「ええ、けどまだ足りない、無情になれないあたりアリシアも琴歌ちゃんもね、それで話はなんでしょうか?」

琴歌「私の直属部隊の件です、叡天眼所有者が難しいです、役職的に賢い従属が必要なのは百も承知ですが、これでは一生掛かっても見つかりません、業務も常に予定いっぱいですし、どうにか条件の変更をお願いできませんか?」

メリア「エウレカ帝国の根本を任せる部隊ですからね、私としてはあまり妥協したくないのですがね、最低でも琴歌ちゃんクラスの頭脳は欲しいですし・・・現時点で必要とする大臣は14名、そして現時点で決まっているのは琴歌ちゃんの【総理大臣】後は書類で送りましたよね」

琴歌【総務大臣】【法務大臣】【外務大臣】【財務大臣】【文部科学大臣】【労働大臣】【農産大臣】【経済大臣】【安全大臣】【環境大臣】【防衛大臣】【復興大臣】【国務大臣】ですよね」

メリア「そうです、名前でわかる通り、各部隊に大まかな指示やルールを決める大事な役職、貴女の直属部隊の質は帝国全部隊の品質にも掛かっています、これに対して手を抜いても大丈夫、なんて言えると思います?」

琴歌「ですが叡天眼までは要らないでしょう、例えばその分野のスペシャリストでもいいではないですか!」

メリア「貴女、他の国を見ましたか?スペシャリスト、一部の分野にだけ詳しいなんちゃって大臣が行っている事を?一部だけ偉いでは話しにならない、エリートです、万物を視野に入れ、全体的に思考を巡らせる天性の叡智を持つ者、妥協は国を崩壊させる原因です」

琴歌「ではメリア様はどうなんですか?そこまで任せられる従属がこの帝国に居ると?」

琴歌がメリア様と呼んだ時は敵対心が強く出ている時だ、この状態になると二人は険悪になる。

メリア「自分で見つけなさい、そもそも神脈が怠った貴女の責任でしょう、それを私に責任があると言いたそうにしてますけど、それは責任の押し付けではないのですか?」

メリアの言っている事は正論だった、だが琴歌もそんな正論は物ともせずに反論する。

琴歌「ですがその無理難題に対して解決の算段が貴女自身に無いにも関わらず配下にそれを強要するのは無能の上司が行う事です、まずは貴女がそれを示し、私が出来ていないのは私自身が力不足だからという根拠の提示を求めますが?」睨みつける

メリア「では仮に私が貴女の従属を見つけてどうするの?そのまま私が貴女とその従属の仲介に入れば良いんですかね?それは都合が良すぎではないですか?私にそこまでさせる以上、貴女は私になにかしらの対価は払ってくれるのでしょうね?」

琴歌「話しが逸れていますよ、まずはメリア様が出来るかどうかのお話し、結果等その次です、まずは出来るか出来ないか、そこをハッキリせずにこれ以上話しても机上の空論、絵空事と変わりません」

琴歌はまずメリアに意見やその後の対応の前に結果を見せろと注文した、
本当の所は【一緒に協力してほしい】とお願いする予定だったのだが、話しがヒートアップしてきたため、ややこしくなっている。

メリアと琴歌は互いに冷たい眼で睨みつける、そしてメリアが話す。

メリア「戻りなさい、話になりません、私がそこまでする義理はありません」

琴歌「義理はあるでしょう、国の事ですよ、国全体を統括しているメリア様がまずその直下の部隊事情に関して義理がないとおっしゃるなら国も終わりですね、私、この部隊を降りてもよろしいでしょうか?」

メリア「辞める選択を出すとは、貴女には失望しましたよ」

琴歌「結構ですよ、私は貴女の専属神ではありません、パトさんの専属神です、パトさんから貴女からの指示を受け付けないように指示して貰えれば貴女の指示を聞く必要もありません、私は専属神本来の役割を全うするだけです、主であるパト様の愛玩具でも私の人生は満たされます、そもそも専属神の複数名はそれを求めています、メリア様もそれを求めていらっしゃいますよね、ならば私はその誰よりも先に役割をこなします、契約違反どころか、契約に忠実なのです、文句はないでしょう?」

琴歌は辞める選択は逃げではなく正義であると説いた、それは普段メリアも言っていた事でもあるため、そこを否定することはメリアには出来なかった。

メリア(この子は、口喧嘩が本当に強い、臨戦態勢に入ると攻撃的思考になるのは父親譲りなんでしょうね、どうしたものか)

メリアは正直困っていた、メリアも実は叡天眼保持者の目途は全然なく、無理難題だという事も理解していた、だが理想論で指定した事であるため、これを受け入れるとメリア自身も相当な時間が用いられる、しかし時間も掛けていられないのだ、時間が掛かるだけ琴歌の言い分が強くなり、メリアの発言が弱くなっていくのだ、それはメリア自身も控えたい所

メリア(と言ってもこのまま断って本気で部隊を抜けられたら代わりが居ない、アリシアに任せる事は可能だけど、それだとご主人の政策違反になってしまう、そして琴歌ちゃんが提示した案は本当に専属神としての役割通りだから駄目とも言えない、きついですね・・・弱りました)

メリアは琴歌を睨みつけながらも頭を働かせる、どう発言すれば琴歌を黙らせ、自分の思い通りに動いてくれるか、そして答えを出した。

メリア「では一ヵ月時間を与えます、それで世界中どこでも行って探してきなさい、その間の業務は私が代わりにやっておきましょう、それでどうですか?」

琴歌「メリア様に仕事を任せたら帰ってきた時にメリア様好みの政策が進んでいるじゃないですか、却下です」

メリア「では政策は全件保留という形にしておきます、そうすれば貴女が帰って来ても問題なく政策に取り組めるでしょう?」

琴歌「それってただ仕事が溜まっているだけじゃないですか、話になりません、それだと一か月後に苦しむのは私だけです、そんな事も考えつかないのですか?メリア様は業務時間が増えた場合、パトさんに報告させてもらいますよ、私は」

メリア「わかりました!政策検討会議は全件ストップします!現時点で決まっている政策調整を優先させます!なら問題ないでしょう!!」

琴歌「そうですね、それなら私の仕事は増えませんね、ではメリア様、私の他に誰かを同行させる許可をください」

メリア(次から次へと!!この子は~~!!)

メリア「わかりました、ですが他部隊は却下です、自分の部隊、もしくは無所属の従属神、配下神を使う分には問題ありません、それでいいですか?」

琴歌「わかりました、では準備を始めます」

琴歌はそう言うとそのままメリアの部屋を後にする。

メリア「はぁ、もっと仲良くしたいのにどうして毎度喧嘩みたいになっちゃうんですかね・・・はぁ」

・・・・・・
琴歌はメリアとの会話をしっかり録音していた、

琴歌「他部隊は却下、つまりパトさんは問題ないってことですね、彼は部隊所属ではありませんので♪」

琴歌はパトを誘い、一ヵ月の直属部隊探しの旅を考えていた。



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2023年07月22日

No.116 防衛軍へ営業!(微R18)

窓から日差しが入る、帝国に居た頃とは違い、6畳の部屋に二人用のダブルベット
そこには裸で寝ている二人の姿があった。

パト「うぅ、眩しいな、カーテンの隙間から入る日差しなのに・・・今日は快晴か?」

パトはカーテンの隙間を抑え、日差しを閉ざす横でぐっすり眠っている彼女は眠っている

パト(まだ寝ているか、でも起こさないとだよな、今日はこのためにわざわざ地球のアパートを使ったんだから)

パト達が居るのは以前パトと雪花が同居していたアパートだった、今はアリシアがその部屋の家賃を払い、維持している。

パトはそこで一晩過ごしていたのだ

琴歌「んん、おはようございます・・・もう起きてたのですね」

パト「おはよう琴歌、昨日は遅くまで起きてたからな、まだ寝足りないんじゃないか?」

琴歌「いえ、大丈夫ですよ、予定時間までの間に身なりは整えないといけませんからね」

パト「じゃあお風呂沸かしておこうか?汗を流しておきたいだろ?」

琴歌「お願いします」

琴歌はそう言いながら再度枕に顔を鎮める、そしてパトはお風呂にお湯を溜めると琴歌の元に戻る

パト「待ち時間があるけど、まだ寝てる?お湯が溜まったら起こすけど?」

パトがそう言うと琴歌はクスっと笑いながら布団を少しめくり、誘惑する

琴歌「どうせ汗を流すなら、どうですか?」

パト「珍しく積極的だな、でも誘いにはのります!」

そうしてお湯が溜まってからも少しの間、二人は身体を繋げ愛し合っていた。

・・・・・・
お風呂内

パト「でも琴歌が地球防衛軍に足を運ぶなんて珍しいな」

琴歌「息抜きですよ、ずっと帝国に居たら人間だった頃の感性がおかしくなりそうですからね、だからたまには地球での仕事はアリシア様にお願いして変わってもらうようにしてるのですよ」

パトと琴歌は湯舟の仲で話していた。

パト「それで俺も心配だからついてきたけど、要件は?」

琴歌「帝国が無償で貸している機器の定期点検の案内ですね、防衛軍にはパト君から何億円ほどの支援金をアリシアコーポレーションから出してますし、出来る限り帝国産の機器を無償で提供してあげて欲しいって言われてからちゃんとこなしているのですよ」

パト「まあ、身内や従属が居るわけだしね、無下には出来ないでしょ」

琴歌「そうそう、後は支援金の使用金額詳細の確認もアリシア様からお願いされているのでした、今は月数百億円程渡していますけど、その支援金がどれほど使われいるかで今後の支給額を検討するとのことなので」

パト「多すぎてもダメだし、少なすぎてもダメってことか、まあ当然だな」

琴歌「アリシアコーポレーションの売り上げ的には別に問題はないのですが、せっかくこちらで稼いだお金ですからね、他社にいいように使われるだけではこちらもいい気分ではありませんからね」

パト「定期的に使う方法を検討してくれれば別に問題ないさ、得たお金を排出せずに貯めていたら社会を壊しかねないから使ってるだけだからさ」

琴歌「アリシア様は地球の国をひとつ丸々購入してパト君の城を立てようと考えているらしいですよ、アリシアコーポレーションも元々は国をひとつ丸々購入して全権利をエウレカ帝国が手に入れてから建てたものですからね、同じことをするつもりでしょうかね?」

パト「城とか大層なのは辞めてほしいんだけどな、俺はこのアパートくらいの広さが丁度良いんだよ、帝国だって広すぎて持て余してるのにさ~」

琴歌「そうですね~、私もずっとワンルームの部屋で過ごしてましたから広すぎると落ち着きませんね、お互い感性が一致しててよかったです♪」

パト「そうだな、一応地球では俺と琴歌が正式な夫婦として処理されてるから琴歌が欲しいと思うような家があれば日本内で建てても良いんだぞ?もちろん俺も一緒に内装は決めるからな!」

琴歌「いいですね!そういうの私とても楽しみです!」

パトと琴歌は湯舟の中でそんな将来の話をしながら互いに身体を洗い、準備をする。

・・・・・・
琴歌「それでは行きますね」

パト「ちなみにどの部隊に行くの?部隊で行く建物が違うだろ?」

琴歌「第一部隊ですね、経理も担当しているらしいですから、一応お父さんにアポは取ってあります」

パト「うわ・・・」

パトは琴歌と白鳳が鉢合わせる状況に顔を青ざめる

パト(琴歌と白鳳さんか、琴歌凄く白鳳さんには当たりキツイから間違いなくギスギスするんだよなぁ~)

パトはそう考えながら、覚悟を決める。

琴歌「では転移しますね」

琴歌は慣れた動作で転移を行う。

・・・・・・
パト「琴歌、能力にも随分なれたよな」

琴歌「全自動でやってくれますからね、私が介入してる技術的なものは一切ないので楽ですよ♪」

パト(超便利な能力・・・流石は専属神内4位、メリアが帝王神候補に立候補させようとしてるだけの事はある、チートにも程があるよな)

琴歌とパトは地球防衛軍第一部隊の本拠地ビルに入る、そこで受付の女性に話しかける

琴歌「本日月詠白鳳と面談のアポを取っている四季琴歌と四季パトですが」

受付「月詠隊長の御子息ですね!お待ちしておりました!最上階の隊長室にどうぞ!ご案内致します!」

受付の隊員は琴歌とパトに道案内を行う。

パト(一応地球では四季を名乗ってるんだな、帝国では月詠の苗字を使っているからずっと使い続けるのかと思った)

琴歌「帝国内で四季を名乗ると雪花さんと月花さんと被りますからね、四季を名乗るのは地球だけなんですよ」

パトの考えを見透かしたように琴歌がパトに話す。

パト「帝国だと俺の正式名も違うだろうに」

琴歌「でも四季を名乗る度にパトさんと籍を入れたんだなって実感できるので凄く気に入っている名前なんですよ♪」

受付「初々しいですね、夫婦になって一番に実感出来ることですからね」

琴歌「はい、凄く心地いいですよ♪」

パト(雪花が聞いたら激怒しそうな話だけどな・・・)

雪花と月花は地球の家系図的に既に兄妹として登録されていたので、既に家族なら問題ないだろうと話し合った結果、琴歌と血縁を結ぶこととなった、だが雪花だけは最後の最後まで反発してきたが、
月花がなんとかなだめてくれた。

・・・・・・
受付「隊長室となります、どうぞ中へ」

琴歌「ありがとうございます」

琴歌は受付の女性に頭を下げ、扉をノックして中に入る。

白鳳「来たか、まあ座れ」

部屋の中で大きな椅子に座っていた月詠白鳳は椅子から立ち上がる

琴歌「座れじゃないでしょうお父さん?今回は私達がお客ですよ?おもてなしは礼儀でしょう?」イライラ

琴歌の顔があからさまに不機嫌そのものになっていた。

白鳳「自分の子供に接待してどうする、俺は親だぞ」

琴歌「ですが今は仕事ですけどね、秘書の方はいらっしゃらないのですか?」

白鳳「居るに決まっているだろう、おいこの二人に飲み物を」

そう言うと奥の秘書室から秘書が出て来た

秘書「お飲み物はどちらに致しましょう?」

琴歌「ハーブティーでお願いします」

パト「俺はリンゴジュースで」

白鳳「俺には高級な水を頼む」

琴歌「わざわざ高級って言わないでください恥ずかしい」イライラ

白鳳「高級って付けねぇと普通の水道水持ってくるだろうが、ここは日本じゃねえんだ」

琴歌「ちゃんと帝国産の浄水器を設置しているでしょう、充分【高級】水と大差ないですよ」

パト「まぁまぁ、それで今回の話を進めようよ」

白鳳「定期点検の案内だろ、そんなものそっちのタイミングで好きにやればいいだろう」

白鳳の適当な態度に琴歌の怒りがどんどん湧き上がる

琴歌「なら不法侵入で入っても文句言わないでくださいね!こっちも暇ではないので、各部隊の都合に毎度合わせるくらいならそっちでまとまった日にちで一気に点検させてもらった方が都合がいいんです、相手の事情も汲み取れないのですか?」イライライラ

白鳳「俺にどうしろってんだ、第一部隊ならまだしも他部隊の都合なんて知らないぞ」

琴歌「今どきはビデオチャットで会議とか打ち合わせ出来るでしょう、最新技術をしっかり取り入れないと若い人達から嫌われますよ」

白鳳「他の部隊にも言えよ、というかそういうのは第二部隊の仕事だろうが」

琴歌「勝手に進めたら怒る癖によく言いますよ、文句の一言でもお義父さんに言ったらわかるんですからね?」

白鳳「言わねえよ、そもそも毎度集まるなんて効率の悪い事をするくらいならリモートの方が幾分マシだと俺も常々思ってんだよ、後は各部隊拠点を置いている国が違うからそれらの兼ね合いもあんだよ」

琴歌「ではアリシアコーポレーションで開発した独自の通信電波を使用してはいかがでしょうか?他の国の通信会社と違って料金は格安ですよ、まあ防衛軍には支援金を送って居ますので、そこから差し引いて無料で提供出来ますので」

琴歌はそう良いながらわかっていたかのように書類を白鳳の前に置く。

白鳳「その仕事も第二部隊だから俺に持ってきても困るんだ、第一部隊は各国の重役共から仕事を貰う言わば営業職だ、防衛軍内部事情は第二部隊だ、わかったか?」

パト「では父さんに提案があったと報告だけお願いできますか?その後はこちらで対応しますので」

白鳳「面倒だな、お前から直接電話したほうが早いだろ?」

琴歌「仮にも営業なのですから筋くらいは守ってくださいよ」

白鳳はため息をつきながら琴歌が置いた書類を受け取る。

琴歌「ちなみにですが、プライベートでお義父さんと話す機会があって今回の件を知らなかったらわかりますよね?仕事してくださいよ?」

白鳳「はいはい、とりあえず機械の定期点検の日程とお前らの提案を伝達しておけばいいんだな、それこそ電話で済んだ話だろうが」

琴歌「忘れたのですか?もう一件あったでしょ!!」バン!

琴歌が珍しく声を荒げながら書類を出す

琴歌「支援金の使用用途を記載した詳細書類!もしくはデータの提出をお願いしていたはずですけど!出来たのですか?」

白鳳「ああ、あったなそんなの、待ってろ今秘書の奴に出させるから」

白鳳はそう言いながら秘書室に向っていった

琴歌「まったくあの人は!私達が相手だからって!!」イライライライラ

パト「まぁまぁ、せっかく久しぶりに家族で会ったんだから仲良くしようよ」焦り

琴歌「私だって努力してますけど、あの人のあの態度を見るとどうしてもイライラするんです!!」

白鳳が秘書室から出て来た、そして同時に秘書は飲み物を持ってきた

秘書「お待たせいたしました、書類も完成しておりますので、いますぐお持ちいたします」

白鳳「だとよ、それでその書類を見てどうするんだ?」

琴歌「予算検討ですよ、お金を与えすぎても意味ないですからね、後は遊びで使ってないかの確認です、まさか会社の二次会でキャバクラ料金をまさか支援金で払っていたり・・・とか?」

白鳳「俺はもうそんな所に行かねえよ、それに防衛軍だって世界規模の会社だぞ、数万、数十万程度の飲み会金くらい容易に経費で払える」

琴歌「そうですか、ならこの支援金は何に使って居るのでしょう?」

白鳳「今は大体は第五部隊の新事業だろうな、世界の実力者に防衛軍の仕事を依頼する【ギルド】立ち上げの件はそっちにも話言ってんだろ」

パト「ロイドさんから話しは聞いてますよ、俺もそのギルドに登録してますし、いつかは本格的にこちらもギルド依頼をこなす会社を建てるつもりです」

白鳳「まあ、どうせ詳細が出てくるからわかる話だ、今の所この支援金はギルドの建設費、その後は報酬費として運用するとのことだ、国から金貰って依頼は出すが、こっちも商売だ、何割か貰わねえといけねえんだ、だが国相手に高額積もるわけにもいかねぇ、ってことで依頼金で引いた分はギルド報酬金に充てるってわけだ、そもそも支援金は防衛軍の資産じゃねえからな」

琴歌「そういう使い道なら別に問題ありません、というか全額払うつもりなんですね、防衛軍は、そのまま抜いた額を報酬金で払ったらいいじゃないですか」

白鳳「国から来る依頼だぞ?大抵は国家指名手配者の確保、討伐、未開拓エリアの調査、どれもこれも命がけの任務だ、そんな仕事を安く受ける馬鹿が何処に居んだよ、報酬金はしっかり渡す、防衛軍がケチな集団だと思われてギルド利用者が居なくなったら本末転倒だろうがよ」

パト(難しい話をし始めたな、俺は聞いてるだけっと)

琴歌「大体一件の依頼報酬額の相場はいくらなんですか?」

月詠「数千万から数百億だな、悪信教相手だと高額報酬だな、パトも貰った事あんだろ」

パト「なかなかの大金だった!」

琴歌「っで、何割中抜きするつもりで?」

月詠「3割だな」

琴歌「なら例えば10憶の依頼が来た場合、3億は防衛軍の懐に入るんですね、っで3億は私達の支援金から賄うと」

琴歌は頭の中で計算をする

パト「大体何件くらい仕事が来るんでしょうかね」

白鳳「今の段階で防衛軍が国から来る仕事をこなしきってないのが現状だからな、最初の方は依頼数も多いだろうな、せいぜい月20~50件はあるんじゃないか?第五部隊の管轄だから知らないけどな」

パト(第五部隊管轄か、後でバハートさんに詳細を聞いておくか)

琴歌「ならとりあえずは今の金額で良さそうですね足りない分は防衛軍側でどうにかしてください、あくまで支援金はパトさんのご厚意によるものですので」

白鳳「お前、防衛軍に入ったら良いんじゃねえか?なら即隊長だろうぜ、誰も拒みはしねえだろ」

パト「冗談を、俺がどこの部隊の隊長をやれって話ですか」

白鳳「第四部隊は・・・頭良い奴じゃねえと無理だな、第三部隊はシェインが隊長に就任したばかりだからな・・・ねえわ!」

パト「はっは~~別に入る気ないけど否定されると辛いもんだな~」

琴歌「パトさんは防衛軍よりも遥か上の軍事力を持ってますので問題ないですよ」

琴歌は今秘書が持って来た書類に目を通していた、そして数分後話す。

・・・・・・
仕事が終わり、琴歌とパトはアパートに帰宅する。

パト「白鳳さんの言った通りの運用だったね」

琴歌「私ならこの運用方法なら5割は貰いますけどね、計算しましたけど、それでも数十億は余裕はあります、例え数百億の依頼があっても中抜きするのは数十億、それが100件もあれば数千億行きますけど、それは悪信教討伐レベル、悪信教も弱い地位は大分数を減らしてますし、数百億案件がそうあるわけでもなさそうですし、あったとしてもすぐにこなせるものでもない、なら私なら5割は取って依頼者に払った方がギリギリになりますけど充分利益を出せる話だと思いますけどね」

パト「難しい話だな、でも琴歌が言う通り5割取ったら、月々いくら程かかる見通しなんだ?」

琴歌「そうですね、平均400億程ですかね、月々ですからね、20件依頼があってもそれをすぐにこなせるとは到底思えません、それ相応の時間が掛かります、地球の実力者はそこまで強くないですからね、どんなに早くても1ヵ月以上は必要、なら結局依頼数よりも報酬を払う機会の方が少ないんです、なら400億見ておけば運用する分には問題なしです、毎月支援金は貰えますしね、それらをストックしておけば報酬が重なっても問題ないでしょう」

パト「凄いな、琴歌は、本当頼りになるわ~」

パトと琴歌は仕事の話を終え、アパートで琴歌の手作りご飯を食べ、再度一緒にお風呂に入り、身体を交わらせ、心地よい疲れと共に就寝していく。






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No.115 専属神内の好き嫌い

パト「専属神達って俺の前だと仲良くしてるけど実際の所、関係はどうなんだろう?」

パトはふと考えた、それはメリアと琴歌の関係が悪かったり、
アリシアと月花の関係があまり良くなかったりという仕事上の裏事情を知っているからだ。

パト(女の関係って男同士の友人関係より面倒臭いって聞くし、でも主として、ケアをしていかないといけないだろうし・・・ここは面談でもするしかない・・・いや、正直に話すか?俺に心配掛けまいと嘘つくんじゃないか?それに声に出す事でそれが公になってもっと関係が悪くなるかもしれない、これは安易に動けないな)

パトが考えていると脳内で月花が話しかける。

月花(そうね、女性同士の関係ってパトが想像しているよりもかなりドロドロしてるわね、専属神内全員が仲良しだったらよかったのだけど、実際は全然違うわね)

パト(月花が知ってる情報とかないの?ある程度把握しておきたいんだけど、だって俺の責任で関係悪化させたくないし)

月花(まあ、私が見る限りでいいなら・・・)

・・・・・・

メリア 友好関係 雪花
    不仲関係 琴歌

アリシア 友好関係 メリア・ソフィア・琴歌
     不仲関係 月花

雪花 友好関係 メリア・ハク・琴歌・月花
   不仲関係 なし

カナ 友好関係 ハク
   不仲関係 ラル

ハク 友好関係 雪花・カナ
   不仲関係 メリア

ソフィア 友好関係 メリア・アリシア
     不仲関係 ラル・月花

琴歌 友好関係 アリシア・雪花・月花
   不仲関係 メリア

ソルテ 友好関係 アリシア・ラル・月花
    不仲関係 ソフィア

ラル 友好関係 アリシア・雪花・カナ・ハク・ソルテ・月花
   不仲関係 ソフィア

月花 友好関係 雪花・琴歌
   不仲関係 アリシア・ソフィア

・・・・・・
パト(マジで・・・俺全然知らなかったんだけど・・・)

月花(メリアちゃんと琴歌ちゃんが仕事で凄く仲が悪いのは専属神内でも有名な話だけどね、結構対立してるし、でもお互いしっかりしてるから表立っていがみ合う事はしないけどね、別にプライベートまで関与してほしくない程ではないしね、あくまで仕事関係でギスギスしてるだけってイメージね)

パト(メリアはリアリストだからな~、琴歌とはやっぱり合わないのか)

月花(アリシア様はまぁ・・・私でしょうね、仲良くしようとはしてくれてるけど、一番苦手意識があるとしたら私ね、私もアリシア様とソフィアちゃんにはまだ距離を置いておきたい所だし、難しい所よね)

パト(まあ、それは時間が解決してくれるとしか言えないね、でも一度関係が壊れたら永遠とその関係を引きずっていかないといけないと思うと長寿も良い事だけじゃないよね)

月花(後は雪花は私から見ても苦手意識があるとは思えないわね、誰とでも接することが出来るし、唯一専属神内でメリアちゃんから心を許されてる存在だし、案外雪花が専属神内の中心なのかもね)

パト(流石は雪花、やっぱり深く考えない性格が良い意味で発揮出来てるって感じなのかな)

月花(カナちゃんは・・・まあ、分かり易いわね、ハクちゃんと一番仲が良いし、ラル様に苦手意識もってるしってね)

パト(仕事を一緒にしてた反動だな、っていうか仕事で関係悪化してるのばっかだな、仕事しない方がいいんじゃないか?)

月花(理想はそうだけどね、だからメリアちゃんも早く自分達が専属神としての役割を全うできるように神材育成に力を入れてるのでしょうね、メリアちゃんだって専属神内の関係はわかってると思うから急ぎたいと思ってるだろうしね)

パトと月花が二人で脳内会話をしているところ、メルリアが話しかけてくる。

メルリア「どうしました?アナタ?御顔が優れていないようですが?」

パト「ああ、大丈夫、少し考え事をしてただけだよ」ニコ

パトはメルリアにそう話しながら脳内で月花との会話に戻る、ちなみにパトは玉座に座って、月花は玉座の間の隅にあるソファーでくつろいでいた。

パト(というか月花、まだ業務中だろ、座ってろよ)

月花(いいでしょ、こうやって脳内で会話して役割をこなしてるのだから、ほら、まだ関係の話は終わってないわよ)

パト(そうだそうだ、ハクはどうなんだ?)

パトが脳内でそう言うと月花が再度話し出した

月花(ハクちゃんも分かり易いけどね、雪花とカナちゃんには心を開いてるけど、メリアちゃんには少し距離を空けてるわね)

パト(え?!ハクがメリアを?!一緒に旅をした仲なのに?!)

月花(考え方の相違ね、メリアちゃんのどこまでも感情的ではない思考がハクちゃんとは全然合わないのでしょうね、それ以外なら長い付き合いだから仲良くやってるけどね)

パト(まあ仕方ない所か、旅してた時もハクは結構メリアから怒られて泣いてたからな~)

月花(でも不仲と言っても苦手意識がある程度で本当に不仲って訳ではないからね!)

パト(わかってるって、それでソフィアは?)

月花(ソフィアちゃんか~、ソフィアちゃんを苦手としてる人は結構居ると思うけど、ソフィアちゃん本人となるとやっぱり私かな、ソフィアちゃんって多分専属神内一の引きこもり体質だからあんまり他の専属神と仕事以外で接点ないしね)

パト(確かに!プライベートで言えば俺とアリシアぐらいじゃないかな!ソフィアって自分のやりたいこと第一優先だから他人に時間を使わない傾向があるからね!)

月花(そこは仕事で痛いほど知ってるわ、天才気質の最高峰みたいな子だからね、でもあの子はああいうやり方しか出来ないんだって諦めてるわ、それに仕事じゃないならソフィアちゃんとは関係は上手くいきそうだしね、好き嫌いする子じゃないから)

パト(ソフィアの良い所でもあり、悪い所でもあるって感じだね)

月花(次に琴歌ちゃんは・・・自分で言うのもなんだけど、私には凄く信頼してくれてるわね、一番仲がいいまであるわ)ドヤ

パト(それは俺が見てもわかるな!それでやっぱり不仲なのは・・・)

月花(メリアちゃん以外いるわけないでしょ、そもそもあの子は内気な子なのよ、相手に嫌いと思わせる態度なんて絶対に取らない子、なのにメリアちゃんにはあからさまに嫌悪感を出してる、やっぱり仕事で嫌な部分を沢山見て聞いてるんでしょうね、知り過ぎるのも問題ってことかしら)

パト(メリアの考えや野望、黒い部分の話は俺も聞いてるし、知ってる、まあ俺に隠れて俺に反感を買うような事も多分沢山してるだろうな、でもそれを許容しないとメリアの長所が活かされないのも知ってるし、こればかりは仕方ないかな)

月花(へぇ、パトはメリアちゃんがやってるヤバい事には許容してるんだ、どんな非人道的でも?)

パト(それが他の専属神にも出来るなら考えるけど、そんな事が出来るのは良くも悪くもメリアだけだ、それにその実験から得た知識や情報はしっかり帝国に反映されてるだろうし、無駄になっていない、各国の歴史でも非人道的な人体実験の結果で化学や技術が発展している歴史がある以上、批判するのは軽率な判断だよ、表に出さないように上手くやっているなら俺も許容する、逆に表に情報漏洩して国民に批判を集めるような失態を犯したなら俺はメリアに罰を与えなければいけない、それが俺の責任だって思ってるよ)

月花(主としての使命ってわけね、でもそこは自分も罪を受けるってならないのね)

パト(罪なら受けてるさ、専属神の子達に罰を与えないといけないんだぞ、これがどれだけ心抉られるか)

月花(パトにはダメージ大きそうね、それで次はソルテ様だけど、彼女は難しいわね、強いて言うならソフィアちゃんかな、仕事の関係って話ね、あの人プライベートと仕事ではまったく違うからわからないって言うのが本音ね)

パト(ソルテはプライベートだと基本誰も嫌っていないよ、ただ無関心って所から来てる感じだけど)

月花(そうよね、あの人仕事だと厳しい上司ってイメージだけど、プライベートだとその真逆、大人しい文学少女!みたいなね!)

パト(一緒に居ると落ち着くんだよなぁ~、変に会話をしないといけないわけじゃなくて、ただ自分のやりたい事を互いにやってるだけっていう、でもそれが互いにとって一番いい形なんだよね)

月花(ソルテ様と友好関係が築けているならいいじゃない、後はラル様だけど)

パト(難しいよな、俺が見る限りソフィアの事はあまりよく思ってないっぽいけどどうなの?)

月花(正解ね、ラル様は基本的に面倒事ばかり持ってくるソフィアちゃんには苦手意識があるみたい、あの人自体中々神経質だからね、仕事だときっちり業務をこなさないと納得できないタイプだからソフィアちゃんとは結構対立的関係だと思うわね)

パト(ほんわかしてる時もどこか距離があるしね、というかプライベートでラルとソフィアが話してる所なんて見た事ないな)

月花(普通には話すけど一緒に何かをしよう!っとは絶対にならない二人よね)

パト(あとは月花本人だな、ぶっちゃけ誰と仲が良くて、誰が苦手なんだ?)

月花(自分か~、さっきも言ったけど苦手意識があるのはアリシア様とソフィアちゃんね、嫌いではないのだけど仕事で受けて来た仕打ちを考えると今でもまだ嫌悪感はあるわ、友好的と言えば雪花と琴歌ちゃんかしらね、他の専属神ってやっぱり専属神だから仲良くしてるって感じがあるのだけど、雪花は家族だから心を許せるし、琴歌ちゃんとは学生時代からの仲でその時から仲良かったから、今でも友好的に接する事が出来るって感じかな~)

パト(なんでも出来る万能月花がね~)

月花(私だって人の子よ?!好き嫌いはあるし、聖人君主みたいになんでも許容できるわけじゃないわよ!ただ色んな分野でこなせる程の才能があっただけ~)

パト(俺にそれがないから羨ましいと思うんだけどね、ぶっちゃけ人間社会でも普通にやっていけただろ?)

月花(そうね、多分どの職業に就いてもある程度上手く出来ただろうし、起業しても上手くいく自信もあるわね、なんだったら地球防衛軍に入隊して隊長としてやっていたかもしれないしね、あ~でも私バハートちゃんには勝てなかったから隊長までのセンスはないか~)

パト(選択肢が多い事で、俺は今がなけりゃ間違いなくニートだったぞ)

月花(その時は養ってあげてたわよ、どうせ私は出来る女だけど恋愛は出来なかっただろうしね、一度恋してると他の人に気持ちを乗り換えるのって簡単じゃないのよ?)

パト(それはそれは・・・)照れ隠し

月花(それに私は四季神社を継いでた、それでお母さんと二人で余生を過ごしてたでしょうね、お母さんは不老不死で死なないからずっと二人で過ごして姉妹が他の子と結婚して子供を産んで、たまに実家に顔を出した時にその子供達と遊んで終わり、そんな人生プランが私の中でずっと出来てたのよね)

パト(結婚は考えなかったのか?)

月花(パートナーは絶対に死ぬのよ?いずれお母さんもその時が来る、いつかはお父さんが老いて、そして亡くなって、それでお父さんと一緒に居た時間よりも長く孤独に生きないといけない、お母さんが待ってる人生はそんな感じ、それって凄く辛いじゃない、幸せだった時の思い出だけで長い年月を生きていかないといけないのは私は耐えられない、だから私は絶対に結婚だけはしないと考えてたわ)

パト(そうか、でも俺なら問題なかったわけだ、俺は月花と同じく死なないしね)

月花(そうね、私が死ぬときまでずっと傍に居てくれる、この安心感は凄く大きいわね、雪花もそれは同じなんじゃないかしら、でも心配なのは桜花よ、いつか要君と別れる時が来る、私が本来行うはずだった役割は桜花が変わってくれた、きっと桜花は要君と結婚して子供を産んで、四季家を継いでくれる、だけど、要君とはいつか必ず別れが来る、そしてお母さんと二人で過ごす生活が待ってる、辛い選択だと思うわ、自殺しないといいんだけど)

パト(大丈夫さ、要を失っても、父さんが亡くなっても、家族は居る、母さんは居るし、月花や雪花、芦花だって居る、というかその子供も不老不死を受け継ぐかもしれない、月花と雪花の子供だったら間違いなく受け継ぐ、となれば寂しくはならないさ、家族が増えていくんだからさ)

月花(そうね、私達で支え合って行かないとね、まあ、話は逸れたけどこれで以上よ、どう?今後に活かせそう?)

パト(うん!別に俺が関係を良くしようと動く訳じゃないし、気を利かせたかっただけだからな)

月花(あれ、仲介に入らないんだ?)

パト(入ってほしいのか?)

月花(いや、入ってほしくないわね、入られてもって感じ)

パト(だろ?俺が入っても表だけ仲直りするぐらいで、根本的解決にはならないって理解してるし、余計な事はする気も無いさ)

月花(っで本音は?)

パト(女性同士のいざこざに首を突っ込みたくない・・・怖いじゃん!!!)

月花(パトらしいわね!でもそれが正解よ、それじゃあ珍しく業務をこなしたし、ひと眠りでもしようかしらっと)

パト(あ!ズルい!俺も寝たいのに!!)

パトは脳内で叫ぶとそのまま寝ようとする、だがソルテに邪魔される

ソルテ「パト様、勤務中に寝てはいけません!しっかりと起きてください!」

パト「先生!月花ちゃんが寝てます!!!」ビシ!!

ソルテ「月花ちゃん!!貴女も起きなさい!ダラダラし過ぎですよ!」

月花「ぐぬぬ・・・」



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2023年07月18日

No.114 ラルの圧迫面接2

ラルはララエルと共に実戦訓練場にやってきた。

ラル「さて、次は実戦、幹部である以上強さは必須、そして指揮と指導も必須、つまり求められる物が多い、何故かわかる?」

ララエル「護衛部隊は帝国の最終防衛ラインだからでしょうか?」

ラル「正解、実際はまだ近衛部隊や侍女部隊の精鋭部隊が居るけど、護衛部隊は精鋭部隊とは違って守備に特化した部隊、この部隊が突破されるという事はいくら精鋭部隊でも防衛は困難と考えた方がいい、つまり私達の現場の防衛力が帝国を守る大事な壁となるの、その時は目まぐるしい勢いで状況が代わり、そして判断し、指示しなければならない、そうしなければ勢いと準備が整っている相手の猛攻を防ぐのは困難、イメージ出来る?」

ララエル「はい・・・」

ラル「ではその模擬試験をしてもらいます、そうね、まずはこの実戦訓練場に100体の人形を用意するわ、私は1000体の人形を操作します、もちろん私は指示をするだけで介入はしません、ララエル、貴女は今からこの10倍戦力相手から防衛して見せなさい、もちろん貴女は自身で戦ってもいいし、指示に専念してもいい、お好きなように、自分が考える策でどうぞ、チャンスは一回、一度でも負ければ死、そう考えて挑みなさい、実際この試練終了は貴女が私の人形1000体を倒すか、貴女が死ぬか、どちらかよ」

ララエルはラルから言い渡された試練の内容に恐怖を覚える

ラル「どうしたの?辞退するならいいわよ、別に責めたりしないわ、身の程を知るのも大事な事だからね、でも二度と挑戦権は与えない、一度逃げた人は二度逃げる、そんな子に大事な現場は任せられないわ、それだけは覚えておいて」

ラルはそう言いながら、ララエルに背中を見せ、自陣に移動する。

ララエル(恐い、失敗は許されない、失敗すれば私は死ぬ・・・だけどさっき私は崖から落ちる時、死を覚悟した、ラル様からも死を覚悟しなければ幹部は務まらないと言った、なら私は今ここで死を賭けないと駄目なんだ!どうせここで逃げてもダメなままなんだ!なら!!)

ララエルは立ち尽くしていたその場から自陣に走って移動し、ラルから用意された100体の人形に指示を出す!

ララエル「30!30!30!10!この4班に分かれて!」

ララエルが指示した通り人形たちが動き、4班に分かれた。

ララエル「1班は前衛防衛! 2班は中衛から補助! 3班は後衛から遠距離射撃! 4班は誘導!相手の戦力を拡散させて!」

ララエルは人形に指示を出し、ラルの軍勢を待ち構える

すると遠くからラルの軍勢が襲い掛かって来た!

ララエル(やっぱり多い!でも前衛に盾役を置いて後衛から攻撃!これなら数の戦力に耐える事が出来るよね!)

ラルの軍勢はただ真っ直ぐと突っ込んできた!

ララエル「誘導班!敵を誘導して戦力拡散!!後衛!攻撃開始!!」

ララエルは大量の人形に立ち向かう!ラルの軍勢はただ数の有利性を活かして突っ込んできた特攻戦術!それに対してララエルは誘導を仕掛けるが上手くいかなかった。

ララエル(誘導班が機能しない!なんで?!)

ラルが出した指示は【ただ真っ直ぐ突っ込め】という単純なものだった、最後の一体でも残り勝ち星を挙げていれば勝ち、命のやりとりをしないラルにとって人形への指示は特攻で充分効果はあったのだ。

ラル(さて、単純だけど強い作戦よ、これをどう攻略する?」

ラルの軍勢はララエルの前衛ラインとぶつかった!

数が倍違う戦力に流石の前衛も歯が立たなかった、そして中衛ラインの回復を急がせるが急激な攻撃なため回復量よりもダメージ量の方が多く、消費が早かった!

ララエル(マズイ!このままだと前衛ラインが突破される!中衛は援護に特化してるから、もし前衛が突破されたらそのまま中衛も突破される!それに後衛は遠距離攻撃に有利なタイプを置いてるけど、逆に近距離には強くないから駄目!ダメだ!全部突破される!!)

ララエルは酷く焦っていた!前衛ラインという防波堤が崩れればそのまま飲み込まれてしまう!それを阻止しようにもどうしようも出来ない!

ララエル(なら・・・私が動けばいいんだ!!)

ララエルはそう考えると中衛まで一気に進む!!

ララエル「私は・・・慈悲系統の天使だから!!」

ララエルはそう言うと前衛に治療を施す!それは中衛の回復スピードよりも速く敵から与えられるダメージ量と五分五分となった

ララエル(うう!このまま耐え抜けば!!我慢なら出来る!頑張れ!頑張れ!!)

ララエルは常に前衛の人形に治療を施す!そしてララエルが入り、五分五分だった回復量とダメージ量だったが、中衛の人形が加わることで、回復量が上回り徐々に前衛が回復していった!

ララエル「やった!後は後衛が倒してくれれば!!」

ララエルは必死に中衛で耐え抜き、そしてラルの人形の軍勢を撃破した

ララエル「やった・・・勝てた・・・」

ララエルは疲れ切っていた、常に回復を施していたためオーラ消費量が膨大だったのだ

ララエル「はは、これで・・・ラル様に認められる・・・??」

ララエルは置くから見えるものに注視する、それは人形に軍勢だった!!

ララエル「うそ?!なんで!私は倒したはずなのに!!」

ララエルが見た軍勢の量は先ほどの軍勢とほぼ同じ量!

ララエル「同じ・・・量?!」

ラル「気付くのが遅かったわね、私が最初に特攻させたのは500体の軍勢、そして残り500体の軍勢は待機させていたわ、相手の戦略と技量を確認するのは当然でしょ?」

ラルはララエルが用意していた誘導班は最初の軍勢で撃破しておいた、それは残りの500体の軍勢は最初の軍勢とは違い、細かく指示を出しているからだ。

ラル「観察もそうだったけど、残り500体により正確に指示を出す、そのための時間づくりも大事な事よ、つまり最初の500体は倒される前提の捨て駒、言ったでしょう?死ねと言われる覚悟はあるかと?私は必要なら平気で捨て駒にでもする、それが覚悟よ」

ララエルは目の前の光景に絶望した

ララエル(おわった・・・人形は戦える・・・でもそれは私が中衛で仕事をすればの話・・・誘導部隊を戻す?でもよく見たら誘導部隊が居ない?もしかして私が中衛に入った時に倒された?!クソ!どうしよう!どうしよう!!)

ララエルが考えている今もラルの人形部隊がララエルの部隊に襲い掛かってくる!

ララエル「??」

ラルの部隊が途中で止まり、500体全体がオーラで遠距離攻撃準備を開始したのだ!

ララエル「な?!」

ララエルの防衛は自陣に近いポジジョン、ラルの部隊はララエルの部隊から離れた位置からの攻撃!
つまりラルの攻撃を阻止する術がララエルに存在しない!耐えるしかないのだ!

ララエル(あんな距離から全員狙撃?!しまった!これじゃあ耐えるしかない!しかも前衛だけで守り切るのは不可能!中衛後衛に被害が!!)

ララエルの部隊はどこの部隊が欠けても意味を成さない、バランスが良いが、崩れた時に一斉に壊れてしまう、そんな隊列なのだ。

ラル(バランスの良い隊列は誰もが考える術、だけど私が考えるのは相手の事を考えたその場その場の特殊な策、バランスこそ悪いけど、攻撃力は高い、戦略する側の私だからこそ出来る策、ララエル、貴女はどうする?)

ララエル「今の陣形だと駄目なら・・・後衛!中衛に移動!前衛!防御態勢!中衛60体で前衛30体に治療!!絶対にあの猛攻撃を耐えるよ!!」

ララエルは防御を固めた、そして自分自身も中衛に加わり、攻撃を耐える体制を作った

ララエル(絶え間なく降り注ぐ攻撃、それをどこまで耐えるか!また我慢勝負!!)

ラルの部隊はまず250体が遠距離攻撃を執行する!そしてタイミングを見て、残り250体が同じく遠距離攻撃を行う、その間に最初に攻撃した250体が攻撃準備を行い、攻撃を行う!これを繰り返し止めどなく攻撃を行う!!

ララエルの部隊は無限に降り注ぐオーラの矢に耐えていた!!

ララエル(うぐぐぐぐぐ!!!凄い猛攻!!でもさっきまでの攻撃に比べたらダメージ量は少ない!だけどこれをずっと続けられると!!)

ララエルは打開策を考えた!だがララエルは自分の事で手一杯のため、中々考えるに至らなかった

ララエル(支持者が一緒に戦うと組織全体に指示が行き届かなくなる!!うう!頑張るだけだとこんなにも組織は機能しないの?!それに対してラル様はずっと戦況を冷静に見極めている!この差は大きい!!ラル様を出し抜くためには私も最低でも同じじゃないと!!)

ララエルは考える!そして考えた先に思いついたのは攻撃がオーラであることだった

ララエル「オーラの消費に掛けるのは無謀!それに回復は間に合ってるなら!!」

ララエルは大きな声で指示を出す!

ララエル「中衛20体!特攻!あの軍勢に突進だーーーー!!!」

そう命令した瞬間中衛に居た20体の人形がラルの軍勢500体に突撃する!!

ラル「成程、全員が交互に遠距離しているからそれを壊せば勝機を見出せると考えたのね、案外感情論ばっかりだと思ってたけど頑張るじゃない・・・だけど」

ラルは指示を出す

ラル「100体、出撃、400体は200体ずつ交互に遠距離攻撃を続行」

ラルは100体の軍勢でララエルの20体の人形を撃破させに向った

ラル「残念、500体も居れば融通も利くの」

ララエル「400体に減った!!中衛20体!遠距離攻撃開始!!」

中衛に居た20体の人形は遠距離攻撃を開始し前衛に向ってくる100体の人形に攻撃を仕掛ける!!

ラル「無駄よ、数体倒されるの覚悟、それにそうしたら前衛30体、中衛20体とララエル本人、さっきより回復は遅れるわよ」

ララエル(さっきは500体で五分五分だった!でも100体ならこっちが中衛20体と私なら充分前衛をカバーできる!)

遠距離攻撃を続ける人形はラルの前衛に向かう人形に攻撃し続け、1体ずつ確実に倒していた!
そしてララエルの前衛に辿り着くもガードに専念している前衛を崩すのは500体の特攻でも不可能だったのが今は80体ほど、充分守り切れる!

ラル(それでも400体が常に攻撃を仕掛けている、それで前衛も加わっている、余裕はないはずなのに!!)

ララエルはオーラ攻撃を防いでいた

ララエル「次は私が前衛!!80体なら今の中衛でも十分!あとの400体は私がどうにかする!前衛の負担を減らせばいいんだから!!」

ララエルは遠距離攻撃を耐え続ける!そうしていく中、徐々に前衛の戦力が少なくなり、ラルが送った100体の前衛部隊を撃破することに成功した!

ララエル「私が頑張れば勝てる!!あと忘れてもらったら困るよ!!」

ララエルが放った最初の攻撃部隊!

ラルが当初撃破に向かわせた20体の人形がいつの間にか消えていた!

ララエル「誘導部隊にマッピングさせておいたんだよ!だから遠回りになったけどやっとラル様の部隊に届いた!!」

ラル「な?!」

ララエルが放った20体の人形は遠距離攻撃に夢中になっている無防備な人形を一掃し始めた!
もちろん火力が下がり、ララエルの部隊にも余裕が生まれる!そして残り20体もそのまま攻撃に向かわせる!

ララエル「叩きこめーーー!!!」

ラル「後方に居る人形!前衛準備!前に居る人形が肉壁になっている間に準備して!!」

ララエル「前衛前進!近づき次第一斉攻撃開始ーー!!」

ララエルの部隊が一斉にラルの部隊に特攻を仕掛ける!!

ラルの部隊はラルの言う通り、前の居た人形はガードに徹する!そしてその間に後ろに居た人形が前衛準備を整える!だがそれをララエルは見逃さなかった!!

ララエル「遠距離攻撃で後方に居る人形に攻撃ーー!!絶対に準備を完了させるなーー!!」

ララエルの人形はラルの人形を一掃する!ラルの人形は責められる事に手一杯になり守りに移ろうとするが間に合わず勢いのまま撃破されていった・・・そして

・・・・・・
ララエル「・・・勝った・・・?私が・・・ラル様に?」

ララエルは死闘に勝ち抜き、多くの朽ち果てた人形達の上に立っていた。

結果はララエル2対0ラル、残り2体の半壊の人形を残し、最後、ララエルが勝ち残ったのだ

ラル「おめでとう、関心、いや、感動したわ、まさかあんな理不尽な状況を打破するなんて・・・ずっと感情論だけのおバカさんだとばかり思って居たけど、これは見方を改める必要があるわね」

ララエル「えっと・・・その・・・」

ララエルはその場に立っているだけでやっとだった

ラル「実力は目に余るけどそれは後にどうにでも出来る、学がないなら教えればどうにでもなる、でも戦略や戦場を把握する力は教えではどうにもならない、観察眼が要求される、貴女は合格、認めてあげるわ」

ラルはララエルに治療を施す

ラル「ララエル・シフィターニャ、貴女を私の直属部隊【守護天の星樹(セラフィムステラツリー)】への入隊を認めます、おめでとう、ララ」

ラルはララエルを優しく抱きしめる、それは今まで酷い事を言い、苦しめ、陥れた事への詫びだった。

ラル「ごめんなさい、沢山酷い事ばかり言って、でも貴女の覚悟には正直驚かされたわ、私の目もまだまだね、貴女みたいな子を護衛部隊に入れなかったなんて」

ララエルはラルの優しさと合格を貰えた嬉しさに耐え切れず泣き出してしまった、
ラルはそんなララエルの頭を優しく撫でながら優しく抱きしめ続けた。

これが最も専属神の中で厳しいと言われたラルの直属部隊、腹心の誕生だった。







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2023年07月03日

No.113 ラルの圧迫面接1

ラルは自身の直属部隊メンバーを見つけるために何度も部隊員を募集し、その度に面接とテストをしていた。

だがその内容が厳しすぎると有名で、最初こそはラルの直属部隊になろうとした条件を満たした天使神達が現れたが、何度も結果を蹴られ続け、最初居た天使神達はラルの面接試験に顔を出さなくなった。

ラル「さて、今回で第八回、いい加減私の腹心が務まる子が現れると良いのだけど」

ソルテ「ハードルが高すぎるのでは?」

ラルとソルテはラルの自室でプライベートを共に過ごしていた。

ラル「直属部隊は替えは効かないのよ、妥協は出来ないわ、枠は常に空けておいて、とびっきり優秀な子を採用してしっかり教育、そこまでは考えて居るのだけどね」

ソルテ「教育を考えて居るのならある程度未熟でもいいのでは?」

ラル「私はポテンシャルで判断してるの、後は性格とやる気、後はそうね・・・考え方も私に似てる方がいいわね、そこばかりは教育でどうにかなる問題でもないし、部下になる子も全然合わない私と一緒に居ても辛いだけでしょうしね」

ラルは自分自身が面倒臭い性格なのは一番理解していた、だがそんな自分と今後一生付き合っていく子を決めるのだ、ラルにとっても適当には決める事は出来ないのだ。

ラル「ソルテはなんですぐに決める事が出来たの?」

ソルテ「私はそもそも指定されてましたけど、ほぼそれでメンバーが確定してましたから、後はそのメンバーを揃えるために急いで動いただけです、皆さん無所属だったので、思いのほか楽でしたけど、もし他勢力の主力に居たり、誰かに忠誠でも誓って居ようものなら強制的に無理矢理でも倒して仲間にいれないといけなかったかもしれないわね、メルリア様みたいな感じかしらね・・・」

ソルテは最悪な状況の事を考えて眉間に指をあてる。

ラル「ソルテの直属部隊の右腕?側近は誰になるの?」

ソルテ「一応シーノね、あの子が聖鬼神の中でも最も地位が高いし、ポテンシャルだけ見れば私よりも上だしね、ああ見えて頭の回転も速いし、総合的に見て彼女しか居なかったわね、他の子は何処か偏っているから」

ラル「いいわね、世界的に見ても優秀な子で、私もソフィア様みたいに神王10人!ってやってみたいわよ、なら考える事も少なかったでしょうし」

ソルテ「最高位の天使族ってそんなに数少ないの?」

ラル「数は居るわよ、この帝国だけでも結構な数は居るわ、でもポテンシャルが低いわね、いやそもそも天使族って荒事をするような種族じゃないのよ、だからそもそもポテンシャルが高くなりにくい種族でもあるの、天使って名の通り【天(神)の使い】をしている一族、その一族の神様だから最高位でも本来の神よりもそんなに強くないの」

ラルはため息をつく

ラル「はぁ、一族を指定されなかったら私もまだ有望な子を知っていたから早い段階で勧誘できたのになぁ・・・」

ソルテ「ラルにも信頼出来る部下は居ますからね、本来はそんな子を側近に置きたいのに置けない、それは同情しますよ」

ソルテはラルの悩みを聞いて同情した、それはソルテ自身にも当てはまる内容だったからだ
ソルテだって普段の仕事で自身が信頼を置いている部下は居る、だがその部下を勧誘したくてもメリアが指定した内容に当てはまっていない、だから勧誘は出来ない、その意図を従属神に教えるわけにもいかない、そんな悩みが最初はあった。

ソルテ「あ、第八回の試験、またこの子が出て来てるわね」

ラル「ああ、その子ね・・・」

ラルは微妙な顔をしながら書類に貼られた写真を眺める

ソルテ「名前はララエル・シフィターニャ、最高位天使族の慈悲系統、青髪に赤い花眼、所属は・・・あれ?無所属?」

ラル「そうなの、私この子とは一切面識ないの、いや・・・第一回の試験から毎回出て来てるから一切ではないわね、でもおかしな子よ、髪の毛は少しボサボサだし、慈悲系統でありながら赤い花眼、中途半端な性能なのは間違いなし、パト君のおかげで覚醒したのはいいけど、まったくダメだったってことでしょ、無所属なのがいい証拠よ、どの部隊も取らなかった子、それを私の側近になんて置けないわよ」

帝国部隊には無所属というのが存在する、従属神100万名の内たった5万名だけ何処にも配属せずに普段の行動から自由を認められている従属神が居た、ララエルという天使族はその無所属従属神だったのだ

ソルテ「無能と決めつけるのはちょっと酷なのでは、実際もう今回の選考で応募してきたのはこの子だけですし、面接くらいはした方がいいのでは?」

ラル「・・・同じ事を何度もするだけよ、私だって一応面接は全員としてるわ、だけど、この子は精神論で喋ってくるから疲れるのよ、論理的じゃない、私がどんな事を聞いて脅しても、「やれます!頑張ります!努力します!」としか言わないの、頑張る、努力するのは当たり前でその成果がいつ得られるか、どのように貢献できるか、そこを具体的に聞きたいのだけどね」

ソルテ「大変そうね、でもラルにはそんな子が向いているかもしれないですよ?だって精神論で話すってことは彼女自身がそんなタイプってことでしょ?賢い子だとラル様の圧に負けてしまうけど、自分が努力すれば!っていう精神の考え方を持つ子を傍に置いておけばとりあえず仕事のやる気は見せてくれるのでは?」

ラルはソルテの考え方も一理あると考える、

ラル「もう一度面接してみるか、後は実技も含めて深い所も聞いてみてもいいかもね、どうせ彼女一人しかいないわけだし」

ラルはそう言いながら自身が定めだ日時まで過ごした。

・・・・・・

ラル「では入って来なさい」

ララエル「はい!し、失礼致します!!」

そう言うと勢いよく開けられた扉の中央には髪が少し飛んだ天使族、ララエルが立っていた。

ラル「そこに座りなさい、速く、私に時間を取らせないで」

ララエル「すみません!ラル様!!」

ララエルは即座にラルの前に置かれた椅子まで走る、そして座ろうとするが、目の前に居るラルは立ったままだった。

ラル「どうしたの?座りなさいと言ったのだけど?」

ララエル「いえ、ラル様が立っていらっしゃるのに私が座る事は出来ません、どうかラル様がこの椅子をご使用ください、私は床に座らせて頂きます」

ラル(ちゃんと礼儀を学んだようね)

ラルはララエルが持ち運んできた椅子に腰かける、そしてラルは床に座ろうとするララエルを制止し、能力で椅子を生成する

ラル「その椅子に座りなさい、床に直接座るなんて品のない事は辞めて、私まで品性を疑われてしまうわ」

ララエル「申し訳ございません、自身の事ばかり・・・」

ラル「それで本題なのだけど、正直、貴女の事は何度も面接をしているし、今更こうやって取り繕られても仕方ないの、それに貴女は常に精神論、私の話したい内容を理解していない、それはこの短期間でどうにかなる問題でもないと私は考えるのだけど、貴女はどう?」

ララエルは目に見えて困惑する、ラルの言ってる事が理解出来ていないのだ、精神論と言われてもララエルにとって考えられた回答であり、それを否定されてもララエルにはどう答えていいかわからなかった。

だが【短期間でどうやって問題解決をするのか?】ここだけはテンパったララエルの頭でも理解できたため、ララエルはこう答える。

ララエル「誠心誠意努力し、問題解決に努めます!」

ラル(やっぱり同じ回答、話にならないわね、やっぱり無理よ)

ラル「努力って簡単に言ってるけど具体的にはどんな努力をするのかしら?現時点で貴女は8回も私の試験を受けている、だけど8回もやって私の話の意図を一切理解出来ていない、全然努力の成果が出て来てないのだけど?」

ララエル「えっと・・・その・・・」

ララエルは明らかに目を泳がせていた、それは今目の前で不機嫌な顔で自身を見つめて来るラルにどう答えればいいか、それを考えていたからだ。

ララエル「何度失敗してもチャンスはある内はまだ成功の可能性がある・・・だから・・・」

ラル「そんな話してないのだけど?私の話を無視しないでくれる?そもそもチャンスがあると思ってるの?いい加減貴女には呆れているから次からは選考書類が届いた時点で拒否するつもりなのだけど?」

ラルはそう言いながらララエルの選考書類をララエルの目の前にかざす

ラル「貴女に二択をあげる、諦めて帰るか、ここで書類を破られて二度と試験資格を失うか」

ラルはそうララエルに詰め寄った、これはラルなりのやり方であり、ララエルという従属神がどこまでの度胸を持ち、自身の精神論をラルにぶつけてくるか、それを確かめるためのソルテと考えた作戦だった。

ララエル「書類を破られたら何度でも書きます、名前を変えてでも書きます、写真が駄目なら他人の顔写真を使ってでも応募します、ここで帰るだけはしたくないです!!」

ララエルはラルのプレッシャーに耐え切れず涙を流してしまうが、ラルに対して啖呵を切って来た。

ラル「へぇ、なら貴女はなんでここまでして私の直属部隊に入りたいのかしら?入ったら即護衛部隊の幹部になれるから?」

ララエル「・・・私はそんな野望なんてない、そもそも私は馬鹿だから部下なんて言われても面倒なんて見れない・・・だけどラル様の役に立てる!それだけで十分だから私は・・・直属部隊に入りたいです。」

ラル「私の役に立つ・・・なら一つテストしてあげる、そのテストで私が納得したら貴女のその言葉を許容してあげる、口でならなんとでも言える、ついてきなさい」

ラルはそう言いながら椅子を立ち、部屋を出ていく、ララエルも戸惑いながらもラルの後をついていった。

・・・・・・

ラルとララエルは大きな崖に立っていた。

ラル「この崖から飛び降りて、もちろんオーラも能力も特性も全て解除して生身で」

ラルは冷徹な目でララエルに崖から飛び降りろと命令する。

ラル「私の命令は絶対、どんな役にでも立ちたいならこれくらい楽勝よね?馬鹿なら自分の命の一つや二つ笑顔で賭けれるくらいじゃないと割に合わないわ」

この内容には流石のララエルも想定外だったため、顔面蒼白になる。

ララエル(ラル様は私に死ねと・・・言ってるのかな・・・)

生意気な事を言ったからラル様を怒らせた、悪意ある形で自害させてしまおうというラル様の考えなのかと考えが埋め尽くされ、絶望したララエルは足元から力が抜け、崩れ落ちる。

ラル「ほら、どうしたの?まさかそんな覚悟もなく、私の役に立ちたいと言ってたの?やっぱり口だけね」

ラルはララエルを煽る、だがそれが効いたのかララエルは再度立ち上がり、吹っ切れたように崖の前に立つ

ララエル「私の考えは本気!!だからここで死んでもかまわない!!!」

ララエルはそう言いながら崖から思い切り飛び降りた!!

ララエルの目に映るのは駆け抜けていく景色、そして近づいてくる地面、どうせ何度やってもダメならここで死んでしまっても同じことだろうとララエルも躍起になっていた。

だがギリギリでラルの能力【境界支配】で地面スレスレの所でララエルは止まった。

そして崖の下まで降りて来たラルがララエルに話かける

ラル「60点、私が煽らないと動けないなんて覚悟が足りないんじゃないかしら?」

ラルからすれば素直に崖から飛び降りた事に驚いていたが、そこで終わらせない

ララエル「ごめんなさい、馬鹿なのに後先考えました・・・」

ラル「そう、及第点として貴女の発言は許容してあげる、それで貴女はもし私の直属部隊に入ったらどんな仕事を率先してやるのかしら?入った場合護衛部隊の幹部、初めてなんて通用しないわ、すぐにでもリーダーシップを発揮して貰わないといけない、それが出来るの?」

ララエル「・・・努力します!それが私の役目なら!!」

ラル「・・・面接試験合格、次は実技試験とポテンシャル測定を行うわ、やる気だけで務まる程護衛部隊は甘くないの、さっき貴女が崖から飛び降りた、でも護衛部隊は国を守る部隊、何かあった時、肉壁になって死ぬ覚悟を常に持って居ないといけない部隊、全員とは言わないけど、護衛部隊に居る子はそうやっていつか私の指示で死ぬ覚悟がある、崖から飛び降りた事が凄いなんて思わない事ね、それが普通、私が死ねと命令すれば死なないといけない、それが国を守る部隊なの、わかった?」

ララエル「はい・・・わかりました」

ラルはそう言いながら次の試験会場に向かい、ララエルもラルについていく

patopatoblog at 00:29|Permalink

2023年06月04日

No.112 独占と共有は相容れない(R18)

パトは珍しい光景を目の当たりにしていた。

メリア「だからご主人は姉様だけのものじゃないんですから独占しないでください!」

メルリア「いえ!旦那様は私だけで充分です!もし旦那様が私以外の女性を求めるのなら私がその欲を全て満たしてあげます!姿を変えてでも!肉体の構造を少し変化させてでもです!!」

メリア「ご主人はこれからもっと多くの従属と関係を持ってもらわないといけないんです!!」

メルリア「でも旦那様はそれを許容してません!だから私一人が性の対象として満たせてあげます!私の能力を使えば分身を作ったりして複数プレイだって、姿を変えて性格や声も変えて他人になりきる事だって!なんでしたらマニアックでアブノーマルなプレイだって許容出来ます!なんだったらSMで私を傷つけても問題ありません!分身を作ってしまえば私自身はノーダメージなので!!」

メリア「全知全能支配をご主人の性欲事情だけに使わないでください!お母様泣きますよ!!」

メルリア「意中の殿方を喜ばせる事も出来ない方が全知全能の意味がありません!」

パト(メリアが玉座に来てからずっとメルリアと言い合いしてる・・・価値観の違いなのかな・・・)

事の発端はメルリアがパトを独占している事から始まった。

・・・・・・
朝は身体の関係を持ってからというもの、そこからブレーキが存在しない新幹線の如くパトに対して淫らな起こし方をする。

同室で過ごしているエイリとフルールも最初こそは恥ずかしがりながらも見守っていたのだが、メルリアも専属侍女である以上、自分達がわざわざ見守る必要がないと理由をつけて、今は各自掃除やら朝食やらの準備を始めていた。

パトはというと起きたら、メルリアの上に入っているか、下に入っているか、もう既にどちらかなのは明らかなので、もはや起きたら無抵抗にメルリアに委ねていた方が早いのだ。

流石のパトも早朝起きてすぐ欲情など出来るわけもなく、こればかりは朝から体力を使う分違う方法を検討してもらおうとメルリアに相談はしているのだが、

メルリア「私の愛情表現です♪、それに朝からこうやって気持ちよく起きて頂きたいのと、私の臭いをこうやってつけておくことで他の従属の方が【私が本日最初じゃないんだ】と思い込ませることが出来ます♪」

パト(メルリアってメリアと姉妹なんだなってよくわかる、一度体の関係を持ってメルリアからの好意を受け止めてからメリアと同等レベルのヤバイ思考回路を披露してくれる・・・これってメルトリア一族にとってデフォルトなのか?)

パトは毎度行為が一方的に終わり、メルリアがそれらを手入れし、着替えの手伝いが終わると朝食に入り、朝食中にソルテと月花が部屋に入ってきて、業務が開始する。

・・・・・・
昼

座学を終えると実技の鍛錬が始まるため、更衣室で着替えと休憩時間があった。

パトはよくその休憩時間を利用して仮眠をとっていた。
だがそこにも問題があった。

付き人として常に専属侍女のメルリア・秘書のソルテ・補佐の月花が3人でパトと一緒に居た。
別に勘違いしてはいけないのだが、別に従属は主に性的奉仕をしなければならないとかそんなルールは一切存在しないし、見境なくどこででも行為をするような淫らな関係でも施設でもなんでもない。

パトだって健全な関係でありたいと望むし、卑猥な関係だけの関係は求めていない。

だが国柄の問題なのか、パトは常に異性が居る環境だからこそそこまで性欲は溜まらないのかもしれないが、女性は違うのだ。

エウレカ帝国は女性が99.9%の国、つまり女性にとって欲求不満に陥りやすい環境なのだ、それは専属神メンバーだって例外ではなく、ある程度性欲が溜まる事がある。

【この環境はメリアの思惑通りであり、女神従属側が常に欲求不満状態を作る事で主側から求められた時に拒む心理を出来る限り無くさせる、それどころか禁欲からの欲求の開放は脳内にとてつもない快楽として植え付けられる、そうなればその強い快楽に依存するため、一度関係を持った女神はその快楽を求めるがあまり、主に必要以上に媚び、褒美を貰おうとする、そういう環境を意図してメリアが作り上げていた】

そして女性が中心の国ともなると異性への目だと基本的に無くなり、性的な事に対する抵抗が弱くなっていたのだ。

月花「こう考えると女性が3人居て、その相手が1人の男性っていうのも不思議に感じなくなってきたわね」

ソルテ「神界ではよくある話ですからね、国の王が男性なら女神の婿や奴隷を多く引き連れているのは常識という感覚ですしね」

メルリア「そうですね、女神はその分殿方を一人しか選べない分、慎重に慎重を重ねていましたから、私も法国の王をしていた時は意中の殿方を作れなかった要因でもあります、殿方次第では国が滅びかねませんので」

ソルテ「跡取りの子の性能が国の繁栄に直結しますからね」

月花「成程、そういえばメルリア様やメリアちゃんの兄妹って10人なんでしょう?」

メルリア「はい、女神が統括の場合、殿方から貰った遺伝子を何度も重ね、強力な子を作ります、なので兄妹が多い傾向になります、逆に男性の神が統括の場合、多くの女神に遺伝子を与え、多くの女神から子を産ませ、その中から一番優秀な子を後継者にさせるというのが主流ですね、今の旦那様もやっていますからわかりますよね」

月花「へぇ、じゃあ私達の母国なら甲斐性なしの女ったらしでも、神界だと普通どころか、多くの女神を従えている分、英雄くらいの扱いに早変わりってわけなのね」

ソルテ「まあ、強ち間違いではないわね、女神が男性に身体を許すのは女神の神生を全て捧げるということですから、そんな女神が多いという事はそれだけその男性の神に魅力があり、強いという事、間違いなく一目を置かれる存在なのは間違いないですね」

月花「へぇ~~、パトも出世したものね、つい数年前までは異性とは無縁な人生だったのにね~~」

メルリア「ですが今は違います!旦那様の魅力がこうやって神界でも深く認知された以上、これから多くの女神がこの国に足を運び、忠誠を誓うことでしょうね、となれば私は今後増える敵に備えて独占しておかなければっと」

ソルテ「今休憩中なのだからパト様に卑猥な奉仕は辞めてくださいメルリア様!」

月花「そうね、流石に行為そのものは目の前で見たくないわね、それに独占なんてさせませんよ!」

女子トークで盛り上がっている中、パトは何も考えたくないあまり、無理矢理睡眠を取っていた。

・・・・・・
鍛錬終了後

パト「疲れた・・・」

メルリア「アナタ、失礼しますね♪」

メルリアはタオルでパトの汗を拭きとりながら、能力で飲み物を宙に浮かせ、パトの口元まで器用に運ぶ。

パト(飲み物を能力で浮遊させれるならわざわざタオルは自分で拭く必要ないと思うんだけどなぁ~)

そんな事を考えながらもメルリアの好きなようにタオルを拭かせながらシャワー室に向かった。

月花「お疲れ様、精度が高まって来たわね、今なら地球だと無双出来るんじゃない?」

パト「そう単純に行くかよ、無双するなら座学をもっとしないと駄目だな」

月花「頭だけ良くてもダメな物はダメ、私がちゃんと物語ってるでしょう?」

パト「そうだな、なんならソルテみたいに問答無用に全て破壊する方が一番強いのかもな」

ソルテ「問答無用に破壊し尽くす力を持って居ても専属神序列は7位、完璧じゃないですよ」

パト「その理屈で言えばメリアやソフィアが世界最強の理想形に近いってことか」

月花「そうね、個の力ならメリアちゃんは無敵なのかもね、パトは多分どんな覚醒をしてもメリアちゃんに勝てそうなイメージが沸かないし、帝園とかを利用した軍隊の力がメインになるんじゃないかしらね、今は」

パト「確かになぁ、俺がメリアみたいな戦い方とか観察力とか、知能があれば苦労しないんだけどなぁ」

メルリア「アナタ、談話している所申し訳ありませんが、早くシャワー室に行かないと風邪を引いてしまいます」

パト「1日休めるなら風邪もいいかな~」トボトボ

ソルテ「残念ですね!侍女部隊全員が医療系のスペシャリストですので、風邪を引こうものなら徹底的に病原菌を抹殺してあげますよ」ニコ

パト「嫌なもんだな・・・はいはい・・・」

パトはため息をつきながらシャワー室に入って行った。
メルリアも同じくシャワー室に入っていった。

ソルテ「月花ちゃん、何分後に出てくると思う?」

月花「まだ脱ぎだしてないですけど、脱いだら1時間・・・あ、メルリア様脱いだ、あ~~、背後からいかれた!!・・・1時間コースかしらね」

ソルテ「本当に下の世話全部請け負うのかしら・・・」

月花「まぁ、メルリア様が落ち着くまでは仕方ないですよ・・・あ、メルリア様が身体を使ってパトの身体を洗いだした、マニアックね~~脳内でパトが混乱してるじゃない」

ソルテ「以前は一緒にお風呂ってだけで顔を真っ赤にしてたのに、いまや自身の身体を使ってパトさんの身体を洗うほどのプレイを・・・メルトリア一族の積極性には頭が上がらないわ」

月花「そうですね、神界では私達地球人組は性欲が強いと言われてきましたけど、メリアちゃん達には敵わない自信がある・・・あ、とうとう股間への集中攻撃が始まった!」

ソルテ「実況しなくていいわよ・・・よく毎度思考を見れるわよね、私なら嫉妬しそうだけど・・・」

月花「別に目に見えてる訳じゃないですし、どうせヤッてるのは知ってますし、これらは案外許容してしまえば気にもなりませんよ、でももしパトが【月花の胸より大きい】【最近月花の体臭がキツイ】【月花って他の子よりも下手】とか考えたら心抉られるわね!」

ソルテ「それは嫉妬以前に凹むやつね、でもそれがないってことはパトさんはそんな事を考えてないってことなのね」

月花「そうね、というより行為中はなんというか【快楽一点集中!!】って感じかしら、そこにどれだけ相手の事を考えながらやってるかで相手への愛情がわかるわね!」

ソルテ「そうなのね、月花ちゃん、今どのあたり?」

月花「えっともう少しで手でフィニッシュね、それで終わったらいいけど、多分メルリア様、誘惑してくるから・・・終わらないんでしょうね・・・」

ソルテ「なんでそこまで積極的なのよ・・・」

・・・・・・
玉座

メリア「私が把握している時間よりも遅い気がするのですが、ソルテ?時間管理がおざなりになり過ぎているのでは?」

ソルテ「別件が入りましたので、そちらに融通したまでです」

メリア「その別件とは?」

月花「聞かなくてもわかるでしょう?行為が始まったのよ、メルリア様」

ソルテ「【主が従属と性行為をする際は無理のない程度にスケジュールを変更することを許可する】でしたよね?問題ありません」

メリア「またメルリア姉様ですか・・・ここ最近全部メルリア姉様じゃないですか!そもそもその法則は私が仕事をさぼれる免罪符として作ったものなのに!!」

ソルテ「私欲過ぎるでしょう、どうせ【主と従属の関係をよりよくするために時間の縛りに捕らわれない活動が大事で~~】みたいな理由で法を通したんでしょうね」

月花「策士策に溺れて他の子にその特権を奪われる、哀れな金髪・・・」

メリア「うう、ちょっと抗議してきます!私の命令ならきっと!」

メリアはそう言いながら玉座に居るパトの所に向っていった。

・・・・・・
冒頭に戻る

パト「メリアも何かしら制限したらいいんじゃない?」

メリア「いえ、それはダメです、文句はありますが、間違ってはいませんので、ご主人への性処理は侍女の仕事、嫌々なら文句はありますが、積極的なら文句所か私の立場的に褒めなければなりません、ですが!個人的立場で言えば心境複雑なのです!!というより独占はダメですよ!私だって仕事終わってご主人とイチャイチャするだけが生きがいなんですから!!」

メルリア「私は他の子の臭いが着いている主様を見るとすぐにお風呂に誘導しますね、そして臭いを消したと同時に私の臭いを付けます、先ほどのシャワー室でも同じですね、私を香水だと思って頂けたら」

パト「いや、無理あるだろ、色んなエロ作品を見て来たけど自分を香水とか言い出しちゃう人は見た事ないわ、というよりそんな事をリアルで言う人初めてだわ」

メリア「ほらーー!とりあえず今日はもうダメです!私が貰います!!」

メルリア「メリア、今は業務中なので下世話な話は辞めて頂けないかしら?」ツーン

メリア「聞く耳もてーーーーー!!」

パト「メリア、丁寧語が無くなってるぞ・・・」

メリアとメルリアの奮闘はその日一日続いたという・・・







patopatoblog at 19:38|Permalink

2023年05月17日

No.110 雪花の直属部隊苦難(微R18)

雪花「なにしてんの?」

雪花が自分の直属部隊の部屋に入るとそこには腰をクネクネと動かしているメンバーの姿があった。

雪花「もう一度言うわ、なにしてんの?」

奏星「え、腰振りダンスですよ!凄く健康に良いんですよ!流行らせます!」ドヤ

奏星は左右に腰を振りながらドヤ顔していた、正直雪花から見たら滑稽そのものだった。

雪花「それでトールやルーちゃんまでやってるのは?」

トール「これするともっと威力上がるって奏星に言われたから」

ルーリエ「これするともっと応援ダンスが上手くなるって聞いたんだよ!雪花様!」

雪花「いや、いいわ・・・」

雪花は苦笑いしながら奏星の嘘にまんまと引っかかってる二人を見ながら携帯を弄っていた。

奏星「次は前後に腰を動かしましょう!こんなふうに!!」

奏星はそう言うと艶めかしい動きで前後に腰を振る、それを見た雪花は流石に見て居られなかったため奏星の頭を叩く

雪花「辞めなさい!まったくトールとルーちゃんになにやらせてんの!」バシン!

奏星「でも雪花ちゃん、二人共中々筋がいいよ!流石女の子!スジだけに!!」

雪花「ド下ネタ突っ込んでくんな!!」バシン!!

雪花は再度奏星を叩く、そして二人を見てみると奏星のような艶めかしい動きではなく、エクササイズ的な健全な動きに見えた。

雪花「動く人によってここまで印象変わるのね、なんか奏星さんって凄く淫乱なんだなって自覚したわ」

奏星「んはぁ///」

雪花「言葉攻めしてないわよ!勝手に感じんな!!」バシン!

雪花はまた奏星の頭を叩く
何度も叩いているが雪花も奏星が痛くならないように加減はしている。

ルーリエ「雪花様もやってみようよ!凄く良い運動になるよ!私凄く応援します!!」

雪花「え、私はいいわよ、あんまりそういうの得意じゃないし・・・」

奏星「得意なのは旦那様の上だけってベフ?!」

雪花「変な印象をつけようとするダメな口はパンツでも加えてなさい!」

雪花は近場何故かあった奏星の着替え用パンツをそのまま奏星の口の中に突っ込んだ。

トール「僕も気になるな!でも中々どうして腰に来るよ!これを継続してやれば体感が良くなりそうだ!」

雪花「ええ、体幹を鍛えるのは私も本望・・・ううやってみるか」

雪花は訓練の一環だと思い、渋々左右に腰振りをしてみた

トール「もっと滑らかに動かせないの?なんかカクカクしてるんだけど?」

雪花「だから苦手なの!!」

ルーリエ「雪花様!凄くいいよ!その調子!その調子!ファイト!ファイト!」

雪花「なんで3人揃って見てんのよ!というか奏星さん!いい加減口からパンツ取りなさいよ!まんざらでもなさそうな顔しないで!!」

奏星「いえ・・・これ使用済みなので・・・」

雪花「え、なんかごめん・・・」

雪花は衝撃の事実に腰振りダンスを止め、謝った。

・・・・・・
ルーリエ「フレ!フレ!雪花様!フレ!フレ!雪花様!」

先ほどの出来事が終わり、各自自分のやりたい事をやっていた、
雪花はその中でルーリエの応援に目が行った。

雪花「ルーリエって応援するときしっかり足が上がってるわよね、見てて羨ましいくらいわ」

ルーリエ「え!本当ですか!雪花様に褒められました!雪花様も応援ダンスに興味があるのですか!」

雪花「?いや、そこまで足が上がるなら中々良い蹴りが出来そうだなって、ほら高身長相手でも顎に威力を殺さずにいい蹴りを入れれそうでしょ?」

ルーリエ「乱暴だよ~、私そんなことに使わないもん」

雪花「ごめんごめん、そう気になっただけなの!でもルーリエちゃんって動きのキレが凄くいいから戦闘でもきっと無駄のない動きが出来そうだなって思うのよね」

雪花はそうルーリエに話し、そして話し終えた後もルーリエは応援ダンスの練習をしていた。

雪花(帝国特注の【元祖聖戦女神(オリジンセントヴァルキリー)】専用制服、スカートが短いから私はショートスパッツを履いているけど、ルーリエちゃんって直パンツなのね、凄い度胸・・・)

雪花達の専用制服はなんとてスカートが短い、それは美脚を見せる事で美しさを見せながらもスマートに敵を殲滅するという目的があった、もちろんその制服で戦うため、動いたらスカートの中身など当たり前のように見える、謎の力で見えない等ありえないのだ。

雪花(トールも足組んで寝てるけどパンツ丸見え、奏星さんは・・・ノーパンだと?!あの痴女!!室内だからって!!痴女軍団だと思われるでしょ!!一回ノーパンであることにトラウマでも与えてやろうか!?)

雪花は奏星のスカートから見えるお尻を見てイライラしていた。

雪花「あのさ・・・貴女達・・・流石にスカートの下にパンツだけじゃなくてその上にも何か履きましょうよ・・・まず奏星さんはパンツ履いて!もし私目線でお尻付き出して来たら剣で刺すから」

奏星「ぶっといのならいつでもウェルカムです!!」

雪花「鋭利な刃物よ!剣って言ったでしょうが!」

トール「ええ、別にいいじゃん?別に見られて困る物じゃないし」

ルーリエ「私のは見せる用のパンツです!応援ダンスをするためには必須ですから!」

雪花「あ~いやね、帝国内ではいいわ、でも帝国外だと知らない異性から見られる可能性もあるのよ?大丈夫なの?」

トール「別に、異性の裸とか興味ないし、見たいなら見たら?って感じ?だって大多数居る体の仕組みと同じなのにいちいち興奮してるってなんか変じゃん?」

雪花「確かに!男性は女性の裸を見ると興奮する!でもそれって私達からすれば大多数居て、そんな珍しいものじゃないのになんであんなにご執心になるのかな!?気になりだしたら止まらない!!」

奏星「それが人、男は無差別に女を食い散らかしたい、女はその欲求のまま弄ばれたいの」

雪花「はいはい、大多数みたいな言い方しない」

奏星「冷たい!」

雪花「とりあえず私は凄く気になるし、周囲から変態集団みたいに思われたくないから出来る限りスパッツ履いて頂戴、出来ればパンツが見えないのがベストね」

奏星「雪花ちゃん!直でスパッツ履いたら強烈な筋マンが!!」

雪花「パンツ履けって言ってんでしょ!というか直でスパッツ履くな!というかわざと食い込ませるように持ち上げるな!!」ズル!!

雪花はそう言いながら奏星のスパッツを降ろした

奏星「雪花ちゃんの変態///」

雪花「【零・無限の原始剣(ゼロ・インフィニート・エスパーダ)】」

奏星「ごめん!冗談!それは洒落にならない?!」焦り

奏星は小声で文句を言った

奏星「そもそもノーパンなのは雪花ちゃんが私のパンツを私の口の中に入れたからでしょ・・・だから乾くまでノーパンで居るだけなのに・・・」

雪花「さっきまでの腰振りダンスは?」

奏星「え、あれは旦那様の上で動くための訓練なのでもちろん!ノーパンです!むしろそれが私の勝負服!パンツをピッタリ履いてどうやって営むというんですか!!」バシン!!

奏星は再度叩かれた

雪花「やっぱり卑猥じゃない!!辞めさせて正解だったわ!!」

トール「とりあえずスパッツ部隊経費で買っといて、すぐ壊れそうだし」

ルーリエ「ドワープパンツにしようかな・・・でもそれだと足を綺麗に見せられない・・・ギリギリまで見せないといけないのに・・・」

雪花と奏星は二人で騒々しく話、トールは再度寝るために寝椅子に座り、ルーリエは応援向きなパンツがないか探していた。

雪花の苦労は絶えない。








patopatoblog at 21:23|Permalink

2023年05月04日

No.109 メリアの専属神査定1

メリアは考えていた。

メリア(最近は従属神や侍女が増えてご主人周辺の環境も良くなりました、ですがそれと同時に専属神達がご主人の事を疎かにしていないか気になりますね、専属神達の環境も良くなったおかげで各自自分の居場所に居座り続ける事が増える、そうなればご主人への奉仕も疎かになり、ご主人と専属神との距離感が開いてしまう、それだけは専属神の長である私が阻止しなければなりません!)

メリアは対策としてまずは専属神の普段の生活を査定し、どれだけパトと関わっているかの調査を開始した。

・・・・・・
メリアはまず、調査のために帝園の五光帝連合会議に出席し、シンに相談する。

メリア「シン、ご主人との関わりを可視化出来るメガネは作れませんか?」

シン「とうとうメリアからもそういうお願いが来ましたか、ちなみに理由を聞いても?」

メリア「専属神達がご主人との関わりを疎かにしていないか確認がしたいのです、以前好感度眼鏡を作ったシンならそれらが可視化できる眼鏡を作る事が可能だと思いまして」

シン「ええ、作れますけど、あれは主様のお願いだからやっていたのであって、メリアは私の主ではありませんし、無償でやるというのは」

メリア「もちろん無償なんてしません、対価は払います、といっても帝国で出来る事に限られますけどね」

シン「そうですね、私とメリアの仲ですし、あまり帝国に求める物はありませんが、それは追々作ります、では眼鏡を作りますけど、明確にどのような数値が見たいのですか?」

メリア「対象はご主人、そして各専属神や従属神を見た時、ご主人への好感度、月間接触回数、月間性行為回数、後は・・・ご主人から従属への好感度変化、比較は月間、つまり1ヵ月前から現時点までの好感度の上がり下がりが分かればいいですね」

シン「明確に主様からの好感度は見えなくていいのですか?」

メリア「そこは正直あまり私は見たくありません、低いとショックで死にたくなるので」

シン「まあ、そこは同感、わかったわ、じゃあその4項目が見えるように作るから少し時間を頂戴、その性質のメガネを作るためにティエル様にお願いしてるの」

メリア「そうなんですね、シンも眼鏡くらいなら創成支配で作れるのでは?」

シン「ティエル様お手製の方が凄く品質が良いんですよ、私の能力で作った眼鏡だと1日で効力を失ってしまうのですが、ティエル様の眼鏡ならずっと消えない!やっぱりティエル様の力は凄いですね、流石は帝園で五本指に入る実力者ですよ」

メリア「そうですね、私もこの世界を知るまではここまで上の世界があるなんて思いもしませんでした、ご主人には驚かされるばかりです」

シン「それでは完成したら持っていきますので、自室で仕事の続きをしていてください」

メリア「お願いしますね」

そうして五光帝連合会議後のシンとの会話が終わり、メリアは現実世界に戻った。

・・・・・・
メリア「ふう、後は待つだけ、その間に専属神全員呼んでおきましょうか」

メリアはそう言いながらアリシアを呼び、専属神全員をメリアの部屋に来るように命令する。

・・・・・・
数時間後、専属神全員が集まる、
そしてシンから数分前に注文していた眼鏡が完成し、メリアの手元まで届いていた。

雪花「いきなりね、何か緊急?」

ハク「多分違うよ、そこまで緊急ならアリシア様があそこまで落ち着いてないと思うし・・・」

カナ「パト関係でもないね、パトは何も知らされてないし」

月花「そうね、さて、どんな話が聞けるのやら」

そう話しているとメリアが準備を整え、各自待機している専属神に向けてメリアが話す

メリア「今から専属神一人一人と個人面談をします、終えた人から持ち場に戻っていいです、ですが結果が悪い方は次の日から私が組織に強く口出しをします、それではまずはアリシアからお願いします」

アリシア「わかりました」

専属神全員がそわそわしている中、アリシアはメリアと共に奥の個室に入って行った。

・・・・・・
メリア「とりあえずアリシア、貴女は私の秘書、つまり私の一番近くに居たからある程度は把握してるつもりだけど」

アリシア「そうですね、今の私は帝王代理直属近衛部隊ですから、以前に比べて城内の仕事が増えました」

アリシアは政治部隊から移動した事により、メリアの秘書としてメリアの命令を忠実に従う任務がメインになっていた

メリア「私は全員のプライベートまで干渉する気はまったくありません、だからと言って勤務中にサボって良いという訳でもありません、ですが私達は専属神、本来の役割は主であるご主人への絶対的忠誠と徹底した奉仕、そうですね、アリシア」

アリシア「はい、その通りです」

メリア「では少し失礼します」スチャ

メリアは眼鏡をつける、そしてアリシアを見る。

専属神No.2 序列6位 アリシア・ホーリーナイト
好感度183
接触回数2/30回
性行回数1/30回
好感度変動+3

メリア「アリシア、貴女、もう少しご主人の所に行きなさい、今月全然ご主人の元に向かっていないですよね?」

アリシア「そ・・・それは・・・はい、否定は出来ません」

メリア「アリシア、貴女の仕事は専属神内で一番優秀です、正直貴女一人でもある程度帝国という国を動かせる力があるのも知っています、ですが私達の本分は違います、ご主人との時間が取れないのなら勤務時間を減らします、もっとご主人に対して奉仕し尽くしなさい、いいですか?」

アリシア「はい、わかりました」

メリア「それではそのままソルテの面接が終わるまでの間、ご主人の所に居てください、後日頃から用事が無い場合、アリシアの分身で事が住む場合は分身の方を私の所に置いていいからご主人の所に向かいなさい、いいですね」

アリシア「わかりました、それでは失礼致します」

アリシアは深く頭を下げ、そのまま部屋を出た。

・・・・・・
アリシアが部屋から出て来た所を雪花が話しかけた

雪花「アリシア様!メリアちゃんとどんな話をしました?」

アリシア「パト様との日頃の関わりについてですね、恐らくメリア様は専属神である私達がちゃんと専属神としての使命を果たして居るか、それを確認したいんだと思います、今は以前に比べて各部隊落ち着いていますからね、仕事だからというのはあくまで私達の使命では二の次、そこを間違えなければ問題はありませんよ」

雪花「そっか、ありがとうございます!」

アリシアはそのまま部屋を後にし、次は奥の部屋からメリアが雪花を呼ぶ、そして雪花はメリアに呼ばれて部屋に入る。

・・・・・・
雪花「大体の話はアリシア様から聞いたわ、とりあえず私は仕事もしてるし、パトともちゃんと会ってるわ」

メリア「話が早くていいですね、雪花ちゃんの部隊は元々あった部隊、そして奏星さんが居てくれるおかげで組織としてのしっかり統括されています、とりあえず確認させてもらいますね」

専属神No.3 序列3位 四季 雪花
好感度301
接触回数26/30回
性行為回数18/30回
好感度変動+28

メリア「素晴らしいです、専属神の模範といってもいいですね!というよりほぼ毎日通っているんですね」

雪花「当然よ、流石に仕事で会えない日とか他の専属神や従属の子と予定があって会えない日はあるけどそれ以外は殆ど通っているわ!」

メリア「素晴らしいです!それにしっかりと性行為もしてますし、好感度もしっかり上がっています、月の半分もしていたら充分です!仕事も順調そうですし、トレーニングも順調と聞いていますし、雪花ちゃんに対しては何も言う事はありませんね!このままご主人と一緒に居てくださいね!」

雪花「もちろん、ふん、容易い面談だったわね、とりあえずこれで終わり?」

メリア「はい、後は勤務に戻っていいですよ」

雪花「おっけ~、後少しで定時だし、メリアちゃんも時間があったらパトの所で会いましょう」

雪花はメリアに手を振りながら部屋を出る、メリアも雪花に手を振り返しその場で見送った。

メリア(正直私よりも順調でしたね・・・流石は雪花ちゃんです)

・・・・・・
雪花が扉から出るとカナが話しかける

カナ「どうだった?雪花?」

雪花「凄く褒められたわ、何かメリアちゃんが眼鏡を付けて、何かを見てたみたい、多分今月分のパトと会った回数と性行為の回数かな?私はほぼ毎日仕事が終わったら会いに行ってるからかなり褒められたわね、カナは大丈夫そう?」

カナ「私は雪花に比べたら多分全然だよ、でも定期的に会っては居るし、多分怒られないと思うけどね、とりあえず行ってきます!」

カナはそう言いながら先ほど雪花が出たばかりの扉に手を掛け、そのまま中に入って行った。

・・・・・・
メリア「次はカナですね、カナは正直今の新部隊の総長として大変なのは理解してますからある程度頻度が低くても文句はないですね、カナは今の仕事はどうですか?」

カナ「本当に覚える事だらけだね、リーラが居てくれるから部隊としては起動してるけど、総長である私自身はまったく機能してないから少し焦ってるかな」

メリア「焦らなくていいんですよ、そのためのリーラですから、そもそも数か月で理解出来る仕事のボリュームではありませんし、程々でいいですよ、カナはそっちの方が向いているでしょう?」

カナ「そうだね、メリアがそう言ってくれるなら程々にしておくよ」

メリア「とりあえず確認しますね」

専属神No.4 序列8位 カナ・エウレカ
好感度200
接触回数8/30回
性行為回数4/30回
好感度変動+9

メリア「充分ですよ、さっき雪花ちゃんのを見た後だと見応えはありませんが、カナの状況からすれば十分な結果と言えますね」

カナ「良かった~、怒られたらどうしようって思ってたから~」

メリア「怒りませんよ、あくまで専属神としての使命を果たしているか現状確認がしたかっただけですから、もしそれでご主人よりも仕事が優先とか考えて居たら喝を入れないとと考えて居ただけです」

カナ「そうだよね、専属神ならパトを蔑ろにするのは自分の存在を否定するのと同義だからね、それは弁えてるよ」

メリア「それがわかっているなら大丈夫です、カナ、ご主人の思考で異変がわかったらすぐに私に知らせてくださいね、ちょっとした変化ですぐにフォローが入れますので」

カナ「そこは月花も居るし大丈夫でしょ、まあ、月花は思考がわかるだけで感情までは理解出来ないけどね」

メリア「ご主人は繊細です、すぐに罪悪感で駄目になるからカナがしっかりフォローしてくれると大変助かります」

カナ「うん、任せておいて、それじゃあ私は仕事に戻るね」

メリア「ええ、お時間を取らせてしまってすみませんでした」

カナはそう言うと部屋を後にした。

メリア(次はハクですね、ハクもカナと同じく新たな部隊ですからね、あまり無茶をさせないようにしないとですね・・・)

メリアは次入ってくるハクの事を考え、手元に置いていた水を口に含む。



patopatoblog at 03:08|Permalink

2023年03月07日

No.107 新生活の準備episode1

パトは地球に戻って来た。

パト「さて、一文無しか、まずは実家に帰らないとな~」

パト達が降りたのは日本の離れ小島(無人島)である。

雪花「とりあえずここに置いておけば問題ないでしょ、カナが居たら便利なのにね」

ソフィア「よく考えたら私の研究グッズ全部置いてきたんだった・・・」

月花「とりあえずバレないようにしておくわね、ちょっと待っててね」

琴歌「パト君、疲れてない?」

パト「俺は大丈夫、琴歌はどう?よく考えたら俺、琴歌が何処まで能力を高めたか知らないんだよな」

琴歌「まだまだ皆には敵いませんね、私はどちらかというとほぼゼロからスタートしたようなものですから、雪花ちゃんみたいに戦闘センスがあるわけでもないですしね」

雪花「よく言うわよ、能力の扱い方に関してはたった一年でメリアちゃんのお墨付きらしいじゃない、オーラこそなかれ、能力でそれらをカバー出来てるのは知ってるんだからね」

パト「それは楽しみだな!おい!あまりウロウロするなよ!3人共!」

パトは海で遊んでいる3人に声を掛ける

美魅「うっさいわ!せっかく勉強地獄から抜け出したんやから自由にさせてもらうで!!」

エテル「私機械族だけど塩水って大丈夫なのかな?」

リル「入ってみたら?中途半端に壊れたら私が苦しむ事なく一瞬で壊してあげる!」

エテル「よく考えたら私傷付かないから壊れないんだった」

美魅「うわ!海水しょっぱい!!こんなん飲めへんわ!主!ジュースないんか?」

パト「あるわけないだろ、さっき一文無しって言ったろ!お前の概念支配で海水の概念を改変して飲み水に変えたらどうだ?」

美魅「そんな的確に飲み水に出来るわけないやろ!」

エテル「頭悪いと概念そのものを理解してないから・・・」

美魅「喧嘩売っとんか!エテル!!」

美魅はエテルを睨む、だがエテルはただ無表情のまま美魅の威嚇を受け流す。

・・・・・・

月花が宇宙船を隠し、パト達は実家に戻るために走って向かうことにした。

パト「えっと、まず走りに自信ないやつ手をあげろ~~」

パトはそう言うと琴歌とミーエルとソフィアが手をあげた。

パト「なら俺が琴歌を背負って走るよ、ソフィアは雪花に任せる!ミーエル、お前は飛べるだろう」


ミーエル「飛べるけど速さを常にキープできるわけじゃないよ!お願い!」

雪花「パト、よく考えたら私も走れないわ!」

パト「嘘つけ!この中で一番走れるだろ!!というか美魅?お前は本当に走れるのか?置いていくぞ?」

美魅「主、うちをなめすぎやで!うちはこう見えてもかなり足が速いんや!なあ!リル!エテル!」

エテル「まあ、私達のクラスの中では一番早いかな」

リル「私は本気じゃなかったけどね!」

パト「おっけ~、じゃあ行くか」

こうしてパトは琴歌を連れ、雪花はソフィアを連れて走った。
速度は時速400キロ、全員が問題なく走れる速度で移動を開始したが、早速ついてこれない人物が現れた。


美魅「置いて行かんといて~~!いやや~~~~~!!」(´;ω;`)

美魅が泣きながら置いて行かれていた・・・

パトはやっぱりなと思いながら琴歌を背中に背負い、美魅を抱っこした状態でそのまま走り出す。

月花「パト凄いわね、人二人も背負ってそれだけの速度が平気で出せるのね」

パト「知ってるだろ、帝国のトレーニングの方が負荷が大きかったんだから、美魅も琴歌も軽いしこれくらいならトレーニングよりも楽なくらいだよ」

ソフィア「おお!パトはしっかり鍛えてたんだね!私はちなみに何もしてなかったら全然変わりないよ!」

ソフィアは雪花の背中の上ではしゃぎながらパトに話しかける

雪花「ちょっと!ソフィアちゃん!あまり背中の上ではしゃがないで!バランスが崩れるでしょ!」

パト「ミーエル、この速度ならついてこれるか?」

ミーエル「帝オーラがあればなんとか・・・ぜえぜえ」

ミーエルは既に呼吸が乱れていた。

パト「今から海を渡るぞ!足元にオーラをしっかり纏ってろよ!ちょっとでも乱れたら海にドボンだからな!」

雪花達はパトの言葉を聞き、全員足元に綺麗なオーラを纏った。

パト「エテル、リル、疲れてないか?」

エテル「電波の中を通ってるから問題ないよ」

リル「平気すぎ、やっぱり私は優秀なんだね!」

エテルは消えたり現れたりとしていたが平気な顔でついてこれていたので、問題ないと判断し、リルも無理してる感じではなく、本当に楽そうなのでそのまま走ることにしたパト達

そしてある程度走り、実家に到着した。




patopatoblog at 22:30|Permalink

2023年02月24日

No.106 メルリアの独占episode8(Final)

パトはソフィアの居る技術開発部隊の仮眠室に足を運ばせていた。

ソフィア「どうしたの?パト?元気がないよ?」

パト「俺って本当馬鹿だよなって思ってさ・・・」

パトはそう言いながらソフィアに小瓶を渡す。

ソフィア「え?これって雪花の遺伝子?本当に手に入れて来たの!?」

パト「俺が馬鹿だった、皆の想いを無下にしてきた末路だ、愛した人の人権すらも軽視してこんなものをソフィアの手元に運んでしまうような・・・そんなダメな主になったんだよ、俺は」

ソフィア「ええ、何があったの?それにそんなに嫌ならこれは私、受け取らないよ?元々パトのお願いだったわけだし、パトが嫌ならこの研究はしないけど」

パト「いや、それだけはやってくれ、せめて結果がついてこなかったら皆に申し訳ないんだ・・・頼んだよ」

パトはソフィアにそう言いながらソフィアの頭に手を乗せ、そのままその部屋を後にしようとした、
ソフィアは何か嫌な予感がしたため、パトにその先へ行かないように抱きしめる。

ソフィア「ねえ、帰ってくる?私、寂しくならない?もう寂しいのは嫌だよ?」

ソフィアは不安な表情でパトに聞く、だがパトの眼には光が無く、ただソフィアに対して申し訳なさそうに一言告げた。

パト「それじゃあね」

パトはそう言うとソフィアの身体を放し、部屋を後にする。

・・・・・・
パトは自室に戻り、荷物をまとめていた。

メルリア「アナタ?どうしたのですか?そのような荷造りなど・・・」

パト「俺は帝国を離れるよ、そうだな、数日とかじゃなくて、数年、俺に帝国は早すぎるんだ・・・」

メルリアはパトの言葉が一瞬理解出来なかった、そしてメルリアは土下座をし、深く頭を下げる

メルリア「私の責任です、私がこのような状況を生み出してしまったから・・・旦那様がこの帝国を離れるのなら私だけがこの帝国から・・・アナタから離れます、だから・・・そのような事を言わないでください・・・もう独占しようなどと思いません、私は帝国に所属する女神達にどう言えばいいか・・・」

メルリアは泣きながらただパトに対して懺悔の言葉を述べていた。だがパトはそんなメルリアに優しく言葉を掛ける勇気も自信も無くなっていた。

パト「メルリア、命令だ、帝国で俺が帰って来るまでの間、皆を守れ、命を賭けてだ、それで・・・いやいい、フルールとエイリを呼んでくれるか?」

メルリア「・・・はい・・・」

メルリアは泣きながらフルールとエイリを呼んだ、
フルールは何とも言えない空気の中、パトに対して頭を下げる。
エイリも不安を隠せない表情で同じくパトに頭を下げる。


パト「フルール、エイリ、お前達二人は支度しろ、お前達二人が地球での報告係だ、帝国を離れると言っても近況報告なしだとメリア達も納得しないだろうしな」

パトは二人に眼も合わせずに淡々と喋る

パト「俺は声を掛ける奴が居るから帰ってくる間に準備をしておいてくれ」

エイリ「パト様・・・あの・・・どうしてメルリア様は・・・お連れになられないのですか?この大役ならメルリア様にこそ相応しいのでは」

パト「メルリアはどう足掻いてもメリアが手放さないからだ、メルリアは今や帝国の大事な戦力、居ないと帝国全土の大問題になるんだ、それに対してエイリとフルールはそのような事はない・・・いや俺もだ、俺だって居なくても問題ない、周りからは必要と言われ続けたけど、その意味がまったくわからないんだ、居るだけでいいとか、ただ従属の女神を愛でて性のはけ口にすればいいとか、俺はお前らのオブジェでも自己欲求を満たすための愛玩具でもねんだよ・・・」

エイリは普段にないパトの冷たい言葉に怯える。

エイリ「私は・・・そのようなことなど・・・ご無礼をお許しください・・・」

フルール「なんでそんなに威圧するの?私達がそんなにご不満ですか?私達が主様になにか致しましたか?日頃からご無礼がないように接してきたのに」

パト「そうだな、最高のひと時だった、それは嘘でも偽りでもない真実さ、男にとっては楽園だと思う、ただ居るだけで大勢の美しい女神に無条件で愛されて、尽くされて、褒めたたえられて、尊敬されて、気持ちいいに決まってるだろ」

パトは悲しく笑う。

パト「でもダメなんだ、俺はそんな環境に居たら俺が俺じゃ無くなるんだ、俺はもうここに来た時より一人一人を愛せない、何処か軽視してしまって、傲慢に染まっているんだ、何をしても許される、何をしても正義になるこの世界は俺をダメにする、だから離れたいんだ。気持ち悪いんだよ、今の俺は・・・」

フルール「主様・・・」

パト「別にお前達の責任でも従属や専属神の責任じゃない、俺が弱いだけだ、不機嫌なのは俺が今一番自分自身に嫌悪感を抱いてしまったからいち早くこんな自分を変えたいんだ。それだけなんだ・・・」

フルールはパトの絞りだしたような声に何も言い返せなかった。

パト「もういいか?なら準備をよろしくな」

パトは自分の部屋を後にする、残されたメルリアは地に泣き崩れ、エイリとフルールはただメルリアを介抱するのではなく、ただ見つめていた、二人の心境的に誰かに気を使うという余裕がなかったのだ。

エイリ「私達がしてきたことは・・・パト様にとって迷惑だったのでしょうか・・・」

フルール「わかりません、ですが、今のパト様は・・・母星を離れる時の私の心境と似ている気がします。自分の情けなさに苛立つ気持ち・・・パト様も実は私と変わらないのかもしれませんね、度重なる過大評価がパト様を神格化させている帝国ですが、パト様本人はまだその段階ではない、だからその差についてこられなかった、恐らく今までは頑張って馴染もうとしたんだと思います・・・ですがもう無理だと判断したのかも・・・しれません・・・すみません、新参者がわかったような口を・・・」

エイリ「いえ、私はパト様の事を・・・まだ何もわかっていなかったのですね・・・」

・・・・・・
パトはカナの部屋に到着していた。

パト「聞いてたろ?どうする?カナ?」

カナ「・・・私は・・・ここを離れたくないよ・・・」

カナはしっかりパトの脳内を聞いていた、だがカナは帝国に残りたかった、それは今自分の役割を全うするために目標に向かって努力をしているからである、そして何よりそんなカナを支えてくれる仲間が出来た事でカナは帝国という自分の居場所を離れるわけには行かなかった。

カナ「ごめんなさい、強制なら行くよ、だけど私は多分地球で何かを得られない、私にとって地球がパトにとっての帝国なの、あの星だと私は成長出来ない、だから私は帝国から離れたくない・・・」

パト「そっか、いや、いいんだ、俺の我儘だから、別に来るなとは言わない、いつでも遊びにおいで」

パトはそう言うとカナの部屋を出る、恐らくパトはカナが断るという事を予想していたのだ。

パト(カナは帝国に来てから大きな成長を遂げている、だからカナは断るんじゃないかって思ってたんだ・・・だけど辛いな、わかっていても心のどこかではついてきて欲しかったと思う俺が居る、自分の事を後回しにして俺の所に来てくれるカナを期待してしまったんだ・・・都合の良い解釈だ、それが結局帝国に甘えて来た代償か)

カナ「パト!私はそんな・・・!?」バタン

パトの思考と共に扉が閉まった。
カナはそのままその場で泣き崩れてしまった。

カナ「ごめん・・・寄り添ってほしかったのに・・・私は自分の事を選んじゃった・・・ごめんなさい・・・」

カナはパトに着いて行かなかった。

・・・・・・
次にパトはハクの部屋に訪れた。

ハク「パト君!大丈夫?!」

ハクは心配そうに仕事机から飛び出すように駆け寄って来た。

ハク「泣いてるの?辛い事があったの?」

ハクはただパトの事を心配してくれる、優しい女性だ、だがパトは聞かないといけないのだ。

パト「ハク、俺は数年帝国を離れる、ハク、一緒に着いてきてくれないか?」

パトはハクにすがるような気持ちで言葉を贈る。
勿論ハクはパトの問いに困惑を隠せなかった。

ハク「・・・数年っていつまで?」

パト「わからない、俺が満足するまでだよ」

ハク「それまで私も帝国に帰っちゃダメなんだよね?」

パト「ああ、帰らないで欲しい、地球で一緒に過ごして欲しい・・・」

ハクは少しの間沈黙を続ける、ハクの部屋にはハクの特別従属神であるフリムが心配そうに様子を伺っていた。

ハク「ごめんなさい・・・私・・・今の環境が好きなの・・・パト君と一緒に居たいけど・・・この居場所を捨てる事は出来ないよ・・・」

パト「そっか・・・そうだよな・・・悪い、気にしないでくれ!俺の問題だからな、ハクは帝国で自分の生活を見つけたらいいよ、じゃあね、いつでも遊びにおいでよ・・・」

パトはそう言いながらハクと距離を取る。
そしてそのまま部屋を出る。

ハク「パト君!!パト君!!」

フリム「いいのですか?ハク様は主様の専属神、私達従属の事よりも優先しなければいけないのでは・・・」

ハク「でも・・・でも・・・」

ハクは悩んでいた、どっちを取ればいいのかと・・・
だがフリムはそんな悩むハクに話す。

フリム「一つお聞きします、今のハク様にとって一番大事な物はなんですか?」

ハク「え、それは・・・」

ハクはすぐに答えが出なかった、一瞬で多くの物を思い浮かべたのだ。

フリム「すぐに答えが出ないのですね、それが答えです、今のハク様は主様が一番大事だと、思えていないのではないでしょうか?」

ハクはフリムの言葉にハッと驚く。

フリム「私がもし聞かれればハク様と答えます、もちろん私の真の主様はパト様です、ですが今誰かのために死ねと言われれば私はハク様のために死にます、そう即答できます、今のハク様は・・・私や私達を捨てれなかった時点で主様の事を以前よりも愛していらっしゃらないのではないですか?」

ハク「そんなことないよ!!なんでそんな事言うの?!!」

ハクは気が動転していた。
ハクはパトのためなら命をも掛け、世界すらも敵に回す覚悟もあると自分の中で認識していた。
だがフリムに否定されて、普段怒らないハクですら強い憤りを隠せずにいた。

フリム「ではなぜ着いて行かないのですか?主様が心配ではないのですか?世界を敵に回す覚悟があっても今、この環境を壊す度胸もないのでしょうか?ならその覚悟は嘘です、思い込みです、今のハク様はパト様の事は二の次です。今のハク様はパト様の事で命は掛けません、だって今着いて行かないと選択したのですから、他所の地で死んで終わりですよ」

ハクはフリムの言葉を言い返そうとしたが出来なかった。

ハク「・・・私・・・薄情なのかな・・・」

フリム「はい、専属神失格です、ですが私はそんなハク様のお傍に居ます、ですが今の回答は到底理解出来ないとだけ」

ハクはそこまでフリムに言われてもパトを追いかけなかった。
否、追いかける資格がなかった。

ハクはただパトが立っていた扉の前で立ち尽くしていた。

・・・・・・
パトは泣きながら琴歌の部屋に来ていた。

パト(笑えるな、カナもハクも・・・俺を選ばない、これは俺が色んな女性を関わってあの二人を蔑ろにしてきた罰だ、これが俺がやってきた事だ・・・本当、なんで今頃気付いたんだろうな・・・俺は)

そう想いながらパトは琴歌の部屋の扉をノックする。
そのタイミングで琴歌は荷物を持ってパトの前に立っていた。

琴歌「待ってました、行きましょうパト君!」

パト「琴歌・・・何処かに行くのか?」

琴歌「はい!パト君と一緒に地球に行きます!数年でも数十年でも、数百年でも!私はパト君の傍に居ます」

琴歌はそう言いながら笑いかけてくれた。

パト「琴歌・・・政治はいいのかよ?総理大臣だろ?そんな重役が帝国を留守にするなんて」

琴歌「関係ありません、私は総理大臣の前にパト君の専属神であり、恋人です。貴方が何処かに行くのに私が着いて行かない理由はありません、私はパト君のおかげで今の世界があるから、私にとってパト君が居る場所が世界だから、一緒に行くよ」

パトは琴歌の真っ直ぐな言葉に泣き崩れてしまった。

パト「ごめん、ごめんな・・・ずっと寂しい想いばかりさせて、お前達を・・・俺は・・・」

琴歌「ううん、仕方なかったんだよ、お互い、だから地球でお互いをもっと知って、もっと一緒になりましょう」

琴歌は泣き崩れ地に膝がついているパトを優しく抱きしめた。

琴歌「懐かしいですね、私とパト君が出会った頃は逆だったのに、今は私がパト君を抱きしめてます」

パト「情けないな、いや、琴歌がたくましくなったのかな、ははは」

パトと琴歌は二人で笑い合いながら、琴歌はポケットにしまっていたハンカチでパトの顔を拭いた。

・・・・・・
琴歌「今回の騒動はうっすらとは聞いていましたけど、パト君は今回の件で自分の判断があまりにも他人を軽視している事と、自分の傲慢な思考が自分の周りの人達を不幸にさせてしまったことに罪悪感を感じて、雪花ちゃんと話した事も相まって、今の自分の醜さが浮き彫りになったからこそ、今の自分を変えたいってことなんですね」

パト「ああ、これが真実だよ、琴歌なら話してもいいかなって思ったから話したけど、メリアの所には違う伝わり方をしているんだ」

琴歌「わかっています、という事は私と雪花ちゃんが今の所一緒に地球で一緒に行くのですね、月花先輩はどう言っているのですか?」

月花(私は行くわよ、約束したじゃない、私は絶対にパトと離れない、それに私にとって失う物はなにもないの、私にとってパトを失ったら全てを失う事と同意だから、だから私も何百年掛かっても一緒に地球で過ごしてあげる、それにパトの葛藤や悩みは私が一番近くで聞いていたんですもの、一番の理解者が傍に居た方がいいでしょ?)

パト「ありがとう、月花・・・」

琴歌「3人ですね、他の方には声を掛けないのですか?」

パト「俺の価値観を理解して共感してくれるのは同じ日本人だった人なんだ、悪いけど帝国出身の専属神とは一緒に過ごせない・・・」

琴歌「メリアさんもアリシア様もラル様もソルテ様もソフィアちゃんも・・・全員悲しみますよ?」

パト「だろうな、だけどあの5人が居ると俺はきっと甘えてしまう、あの5人の地球の規模に収まりきらない力に頼ってしまうかもしれないんだ。」

パトはそう言うとソフィアが琴歌の部屋に入って来た。

ソフィア「私も行く!!私もパトと離れたくない!!それに私も何も出来ないよ!!お願いだから私をそんな評価しないで!!」

パト「ソフィア・・・」

ソフィアは不可能支配でパトの会話を聞いていたのだろう、ソフィアは泣いていた、そして本当にすがるようにパトにしがみついて離れなかった。

パト「・・・そうか、ソフィアも確かに俺と同じだもんな・・・来るか?ソフィア?もう贅沢な生活も出来ないぞ?」

ソフィア「いいよ!!パトと離れるくらいなら地球の生活の方が何倍もマシだよ!!」

パト「そっか、ごめんな、勝手に決めつけて・・・一緒に来てくれるか?ソフィア?」

ソフィア「当たり前だよ!!!」ゴン!!(頭突き)

ソフィアはパトの腹部に頭突きをする。パトはいきなりの攻撃に怯んでしまう。

・・・・・・
パトは雪花の所に向かった。

雪花「留守にするけど部隊の事はお願いします、奏星さん」

奏星「私も地球人なんだからお声を掛けて欲しかったのですが、雪花ちゃんが行くなら仕方ありませんね、ですが頻繁に泊まりに行きますからね!」

雪花「もちろん!トールもルーリエも暇な時はいつでも遊びに来なさい!何日でも泊めてあげるから!」

ルーリエ「雪花様!!頑張れ~~!私は毎日通います!!」

トール「おお~、しっかり主様を守るんだぞ、専攻部隊は僕に任せな~!」

雪花「それじゃあ行ってきます!!」

雪花はそう言いながら専攻部隊の部屋を後にした、そしてその扉の先にパトが立っていた。

雪花「月花お姉ちゃんから聞いたわ、決断してくれてありがとう、本当に嬉しいわ」

パト「俺のためでもあるからね、俺は自分の価値感を取り戻したい、もっと帝国に相応しい神になれるように成長したいんだ、まだこんな未熟な状態で帝国に腰を据えたくないだけだよ」

そう言いながらパトと雪花は強い握手を交わす。

雪花「私ももっと成長する、子供のままでは居られないもの・・・」

こうしてパトと共に地球で生活する専属神が決まった。

雪花・ソフィア・琴歌・月花

・・・・・・
そしてパトはメリアの元に向かう。

メリア「そうですか・・・帝国を離れるのですね」

パト「否定しないんだな」

メリア「ご主人が決めた事ですからね、私が何を言っても無意味でしょう、ですが悲しいですね、私は選ばれなかったのですね・・・」

パト「俺がメリアを選ばなかったのは帝国があるからだよ、この帝国はメリアのおかげで成り立っている、だからメリアに任せたいんだ、それに俺はメリアの力を借りずに生きてみる、ずっと支えてくれた事に感謝している、愛してる。」

メリア「通い妻しますよ?私は」

パト「それは好きにしなよ、俺もメリアに会えないのは寂しいからさ、来なかったら呼ぶかもしれない、いや・・・もうメリアだけじゃないな、専属神や従属神もそうだな」

メリア「それなら帝国と変わりませんよ、もうご主人は・・・ごめんなさい、私がもっとご主人の傍に居られればこんなことにはなりませんでした・・・役割を果たせませんでした。」

パト「ならメリアに俺からの命令だ。メリアの力なしでも帝国が他国にも負けないくらい回る国にしなよ、そうすれば俺はメリアを今のポジションから外して俺の傍に置くよ、約束する」

メリア「それは魅力的ですね、では頑張りましょうかね・・・琴歌ちゃん達をお願いします、皆さんは帝国で多くの挫折を味わってご主人と同じように精神が壊れかけそうだった人達です。ずっと心配はしてましたから・・・」

パト「じゃあな、他の専属神もいつでも仕事じゃなくて遊びに来るように言っておいて」

メリア「はい!行ってらっしゃい!パト君!」

・・・・・・

そしてパトは帝園の従属を全員集め、事情を説明し、パト達は帝国の宇宙船に集まった。

パト
雪花・ソフィア・琴歌・月花
ミーエル・スティア・エテル・美魅・リル
エイリ・フルール

計12名

帝国の従属神が知らない間に、残る専属神とメルリアに見送られながら地球に向かった。

メルリア「私の責任です・・・」

メリア「いえ、私の責任ですよ、メルリア姉様の独占を見て見ぬふりをしました、それは帝国の繁栄を考えてです、ですがそこにご主人の事は間違いなく配慮に欠けていました。独占からは何も生まれない、いえ、離れる事はないと疑いもしなかった。私も考え方を改めなければいけませんね。私も反省です。帝国はご主人のためのもの、なのにご主人のためと言いながら蔑ろにしてしまった時点で私も思って居た以上に本来の目的から離れていたのかもしれません」

メリアは表情を変えないままただパト達が乗った宇宙船を見上げながら涙を流し、言った。

メリア「次ご主人が帰ってきた時、この帝国はもっとご主人に寄り添った国にします。もうご主人に無茶なんてさせません、気を使わせません。それが私の課題です」






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