No.161 あの夜琴歌が感じた物は(R18)第五章429話その後│No.163 クズの誘い

2024年12月15日

No.162 カナ冒険記その1 第四章425話

カナはカルティナの会話を終えるとそのまま案内された世界、第八世界【ヘスティディア】に転送された。

カナが転送された場所は草原だった。

カナ「本当にRPGか!ってくらい再現されてるね、という事はもしかしてモンスターが?!」

バッとカナは振り向く、だが周辺には何も居なかった。

カナ「そういえばさっきまで写ってたステータスみたいなの、消えてるね、もしかしてそういう世界じゃないってこと?」

カナはオーラを込める、だが全然オーラが溜まらない。

カナ「成程ね、この世界はオーラという概念がないのか、なら魔力とか?という事は現実世界の私の力はこの世界ではまったく意味を成さないってことなのかな?」

そもそもオーラが纏えない以上身体能力にそこまで期待できるものではない。

カナ「でもまあ私龍だし~、人間に比べたら筋力は~~~ある!!!!」

ドゴー――ン!!!

カナは地面を思い切り殴る、すると規模は小さいが地面が少し盛り上がった。

カナ「う~ん、地面じゃわからないなぁ、木が近くにあれば今の力量を確かめる事が出来るのになぁ」

カナはそう言いながら次は走る、カナは龍族であるため人に比べても脚の筋力がある、どれくらい速いかと言うと陸上競技全競技素で人間の世界記録を余裕で更新してしまう程にはある。

カナは生まれ持っての龍族のためそもそも身体の作りが異なっているのだ。

・・・・・・
カナは草原を走り続ける、脚は充分、だが問題は体力だった。

カナ「はぁ、はぁ、つ、疲れた・・・」

カナは身体能力は高いのだが、唯一体力がないのだ、それは単純に訓練不足。

カナ(最近大会でもそうだったけど真面目に訓練してなかった事が悔やまれる場面が多いなぁ、技術とかはすぐに覚えるのになぁ、はぁ、私もソフィアみたいに能力戦闘特化の性質をしてたら良かったんだけど・・・いやいや!そんな事を悔やんでも仕方ない!)

カナは少し休憩してから再度走り出す、だがそれを繰り返していると違和感に気付く。

カナ(あれ?私こんなに体力なかったっけ?こんな距離で疲れるならパトとメリアが行方不明になった時、ソフィアと調査するためにわざわざ東京から東北まで飛んだんだよ、あれだってオーラ以前に体力だった、でも全然苦じゃなかった・・・もしかしてこの世界では【スタミナゲージ】が存在するの?!)

可能性がある話だった、ゲームではよくある設定だ、
常に走れないようにHPゲージとは別にスタミナゲージが搭載されている、この世界はもしかするとそれが採用されている、だからずっと走り続けられないのかもしれない、カナはそう考えた。

カナ(あり得る話だね、だとすればこの世界は私の知ってるゲームの中で何が一番近いか、それをまずは認識する必要性があるね、そこからこの世界に適応していかないと大事な場面で取り返しがつかない事になるかもだからね)

カナは何度も走る、そして何度も止まる、それを繰り返す事で自分の現在スタミナを理解する。

カナ「うむ、大体全力疾走で20秒、駆け足程度だと30秒、あまり差はないね、何回か計ってみたけど時間も距離も同じ、どんどん呼吸が苦しくなってどうしても限界が来て止まってしまう、それが20秒、これ、もしかして飛ぶとか、上り下りとか、水泳とかでも影響を受けないよね?だとすればこの世界で大事なのは体力を上げる事になるかも、う~ん、もっと情報が欲しい、そもそもHPゲージは見えないけど多分存在するよね、攻撃力とか守備力ってどういう概念なんだろう、敵が現れないとなんとも」

そんなこんなと考えていると草原の先から野生の獣が現れる。その姿は狼のようにも見える。

カナ「おお、モンスターって奴だね、最初の敵がウルフ型か、最近では見ないスタイルだね、大体ゴブリンとかスライムとかだと思ってたけど多分これはファンタジー系じゃない、もっとリアル要素を詰め込んだような・・・あれ・・・これもしかして狩り系のゲーム??」

カナは今武器を持って居なかった、素手で戦うしかないと構える、そして狼はカナに襲う、だがカナからすれば一直線の単調な攻撃、複雑な動きをしない相手ならとそのまま身をかわし、狼の腹部を蹴り上げる!

狼「ぎゃふ??!!」

カナ「いいの入ったね!気が進まないけどごめんね!!」

カナはそのまま倒れている狼の頭をかかと落としで決め、完全に頭蓋骨を割った。

その瞬間一瞬の悲鳴と共に頭部から多くの血が辺り一面に飛び散った。

カナ「げ~、ここはリアル再現か・・・特に経験値という制度はなし、狼も別に勝手に消えたりはしない、お金を落とす事もない・・・もしかしてこれ、素材剥ぎ取りとかしないとダメな奴・・・?」

カナは青ざめる、今までそんな経験がないというのもあるが、もしカナの予想通り狩り系のゲームをモチーフにされた世界だった場合、それを意味するのは今後の展開で天災級の化物と対峙しないといけない、しかもそのゲーム規模が一体の地域なのか、星規模なのか、それとも宇宙規模なのかでスケールが大きくかわる、だがここはカルティナが創った世界、地域という小さな世界で収まるわけがないと考えるとすると星規模か宇宙規模、となると今ここは果てしない物語の始まりでしかないという現実を突きつけられる。

人によっては想像もつかない、無限に広がるような世界、やり込み要素が沢山あるという事に喜ぶゲーマーも居る、だがカナはそのタイプではなかった、果てしない、始まりの時点でゲームプレイ時間100時間以上プレイしても果てしない大規模スケールのゲームだとわかると始めた段階で面倒臭いという気持ちが勝ち、逆にやる気を失うタイプなのだ。

カナ「外れじゃん!レベル制度がないって事はレベルさえ上げれば雑魚無双できるわけでもないし!こういうのって大体は装備とか料理とかアイテムで状態を管理するのが殆ど!つまり基礎ステータスうんぬんの強化は無理!!つまり雑魚狩りとか無双系は出来ない!しっかり面倒臭い!あ~~~~!!!」

カナは頭を抱える、まだレベル制なら努力をすればステータスが上がったり、魔法や特技を覚えたりで楽出来る場面が多くなり見返りも多いのだが、アクションゲームは完全なプレイヤー技術が求められる、そして常に努力をしても次から次へと敵が強くなり、作った装備がすぐに弱いものになる、現時点で強い武器を必死に作る!だが少し進めたらそれが最強じゃなくなり、最悪使い物にならなくなる。

もっと言えば属性耐性とかの話になれば敵に合わせた装備を何パターンか揃える必要も出て来る、
何属性付与の武器、そして相手が雷属性だったらそれに耐性のある防具シリーズ、それらを揃えるためには魔物を狩り続ける、ゴールがないのだ。

カナ「しかもこういう系のゲームってよりにもよって倒すのが難しいモンスターが素材対象だったりするからね・・・はぁ」

カナは意気消沈しながらも先に進む、何か強くなるきっかけがないかと。

・・・・・・
カナ「まず戦闘は避けよう、戦っても何もメリットないし・・・」

カナは神格開放を行おうとしたが発動しなかった、恐らくだが発動条件を満たしていないのだろう。

カナ「あるある、新機能実装!だったり、こういう新必殺技システム導入!って謳い文句のくせに使えるようになるのは中盤くらいからって奴・・・序盤が重要なのにさ・・・はぁ」

カナは飛んで当たり一体を確認したかったが神格開放が出来ない以上龍の姿にはなれないので視界に入る中で一番高い場所を探す。

・・・・・・
カナ「さて、まずは木登り・・・っと」

カナは走り続ける事数分、やっと一本の木を見つける、結構大きい木のため登って確認するには最適だと考え木に登ろうとする。

カナ「・・・掴むところないね!これ!!」

その気は綺麗に真っ直ぐと伸びていた、そして凸凹が少ないため少しくらいなら足を引っかけられる場所を見つけられるのだが、途中で何をなかったりする、そこは現実と同じ仕様らしい。

カナ(そこはゲーム感覚で上りやすいようにしててよ!!リアル再現必要ないって!!ジャンプしたけど脚力だけじゃ全然上の枝に届かないし!何かしらのアイテムが居るのかな~、もう!本当面倒臭い!)

何度も挑戦するが登れなかった、木登りはフィクションのように簡単には登れないのだった。

カナは木登りを諦め、先に進む、感覚を研ぎ澄ませてはみるが、気配は一切感じない、このままだと空腹で動けなくなる可能性があるため、とりあえずは燃えそうな枯れ木、落ちている石等を集める。

カナ「そういえば能力も使えないんだった・・・龍なのに火も扱えないなんて・・・普通こういうゲームなら街からスタートするもんじゃないの?」

カナは文句を言いながら材料を集める、訓練時代野宿は何度かしているため野宿の心得はある、そして念のためと先ほど倒した狼の肉を狼の割れた頭蓋骨をナイフ代わりに使い切り離していた。

カナ「近くに水があるなら洗いたいけど、全然見えない、最悪次会った魔物の血液を飲まないとなぁ、はぁ、あれ本当嫌なんだよなぁ、変な病気貰いそうでさ、でも貴重な水分でもあるし」

野宿訓練時代に実践させられていた、提案者のメリアも流石に血液を飲むのは躊躇していた記憶がある。というよりも本当に最終手段としてだったため、リスクの観点からおススメはしないと言っていたのだ。

カナ(まだ安心といえるのは自分の尿を飲む事か、サバイバルでは自分の尿はまだ安心出来る部類の水、だけど色々嫌だ!!水たまりとか川水は寄生虫のリスクが高い、だから飲むにしても火を通す必要がある、後は雨水作戦もあるけど・・・どれも全滅、尿かな・・・)

ただここにも問題が一点、カナの身体は尿を分泌しないのだ。
龍族というのもあるが、神族でもあるカナは、食べた物は全て余す事なくエネルギーとして変換される、つまり跡形も残らない、故に尿や糞といった物が存在しない。

故に尿と言っても【他の誰かの尿】になるのだ。
そうなるとリスクは変わらない。

カナ「水問題、これをなんとかしないと、まずは食事!最悪血液!」

カナはまだ焚火をする、そして先ほど狩った狼の肉を焼けるように薄く切り、食べる、臭みが凄く野生の味がした。

カナ「うへ、マズイ、臭すぎる、しかもただ焼いただけだから味も質素、というか興奮状態で殺してるから筋肉に血液が行き届いててマズイ・・・」

狩りの話になるが、動物を狩る場合、狩る前に興奮状態、もしくは運動をさせた状態で殺すと血が肉に行き届き、マズくなる、だからこそ一瞬で意識を奪うという手段が取られている、そこには苦しませないようにしようという道徳的な意味合いもあるのだろうが、基本苦しませてストレスを与え続けられた肉はマズい。

カナ「次は水探し・・・後天候の影響も考えないと、ここまで制限されてるなら現実世界での体質はない物だと思ってた方がいいよね」

カナは龍族であるため気候の変化に強い、主に暑さに強く、多少のものなら平然と居られる、だが今のカナはわからない、今居る草原の気候と気温が丁度良い事もあり、夜になった時どれだけ当たりが冷えるのか想像がつかないのである。

カナ「水場を探そう、そこさえ見つけられれば生命線はなんとかなる」

カナは思った。多分この短期間では何も得られないだろうと・・・。

No.161 あの夜琴歌が感じた物は(R18)第五章429話その後│No.163 クズの誘い