2026年10月19日

No.214 奉園(ミニステエデン)の世界へ! エピソード1

メルリアはパトを自身の世界に招待した。

メルリア「旦那様、ここが私の世界、旦那様の恩恵を得られた事で進化した世界奉園(ミニステエデン)です」

メルリアは深く頭を下げる、そしてそのままパトの腕に抱き着く。

パト「以前行っていた学園が国となりティア別で階級を作りながら切磋琢磨している世界だっけ、メルリアらしい世界だな」

メルリア「この世界は男性も女性も素晴らしい力を持っています、執事も侍女も全員は帝国の侍女クラスと思って頂いて構いません、作法に関してもティアが高い学校に関しては完璧に近いものとなっております」

パト「侍女として完成された世界、そして男性も居る、俺的にはそこが一番嬉しい話だ、何故か俺から出来た世界は男性が生まれない、多分俺の世界王の方針なんだろう、男性を作る事は歪を生むとね、実際それがあるかもってわかってるから俺も強い抗議はしない、けど居て欲しくないわけじゃない、どんな場面でも男性の方が都合が良い場面はあるんだ、そういう意味ではメルリアの世界は凄く価値があると思うよ」

パトは嬉しそうに話す、世界王も従属も専属神も全員が男性を作る事を拒む、パト自身も男性と接吻したり身体を重ねるのは断固拒否のため、余計な事は言わないようにしている。

メルリア「まずルールがあります、この世界では階級で言うと旦那様が一番、私が二番、世界王が三番となります、そして階級が高い程直接依頼出来る学校のティアが限られます」

パト「そういえば以前もそんな話してたな、確か俺はティア0、トップ4の学校になら指示が出来る話だったっけ?」

メルリア「その通りです、覚えていてくれた嬉しいです、そして私はティア1まで、世界王はティア2までの学校を使用できます、それ以下の属する学校は乞うご期待となりますね」

パト「勿体ないよな、学校は結構な数があるのにその大半が使えないなんて、もしかしたらそんな学校の中でも有望な人材がいるかもしれないのに」

パトは知っている、組織に埋もれているだけで有望な人材が沢山居る事を。

メルリア「わかっております、なので交流をする分には何も制限はありません、ただ旦那様から直接仕事の依頼をする場合に限ってのお話しです、後もしお気に入りの子が出来ましたら【特待生】という形でどのティアに居ても直接呼び出すシステムがありますのでぜひ活用してください。」

パト「それはいい、らしくない質問をするけど、どんな用途でもいいのか?」

パトはメルリアに聞く、それはメルリアの価値観的にどこまでを許しているのかを確認したかったからだ。

メルリア「私個人で言えばあまり乱暴は控えて頂きたいです、どの子も皆良い子です、例えティアが低くても同じです、多くの境遇があり、色々問題を抱えている子も必ずいます、ですが根は良い子のはずです、ただ強要ではありません、旦那様が使い捨てのように扱うのであればそれを避難したり拒絶する事はありません、それもまた侍女としての宿命なのは理解しております、私もこうして良くしてもらって幸せですが、人によってはゴミのように扱い、都合のよい時だけ利用し、後は放置でもおかしくない身分、それが侍女としての本来の立ち位置なのです」

パト「聞いただけだ、それにそんな侍女を下げるな、俺は皆には感謝している、雑に扱う事なんてないさ、メルリアなら信じてくれるだろう?」

メルリアは笑顔で「もちろんです♪」と答えた。

・・・・・・
パトとメルリアはティア0の学校 ミルフィート学園都市 に足を運んでいた。

パト「本当だ、学校というよりは国だな」

街には多くの住人でにぎわっていた。
そして驚く事にどれもが現代以上のハイテクノロジーに溢れていた。

メルリア「この世界で第2位を誇る学校です、このミルフィート学園都市は評価される10項目で【奉納】【化学】【治安】に優れた学園なのです、奉納とは演芸や贈り物として贈られる物品のクオリティーを意味しています、つまりここは治安が凄く安定しており、物が最高品質で多種多様に出回っており、化学力で成功をしている学校となります」

パト「成程、化学力が高いんだから多くの製品も作れる、必然的に奉納の質も上がるというわけだ、芸術ポイントも高いのは学園都市ならではの努力の結晶なんだろうね」

メルリア「10項目には【戦力】【奉仕】【奉納】【技術】【化学】【勉学】【作法】【治安】【衣食住】【民度】で決まります、1項目10点満点で合計100点中何点かを世界王が採点しています、勿論停滞は悪化を辿るので常に進化し続けています、つまり以前が10点だから次も10点かと言うと違います、世界全体の平均を見て採点をしますので平均が上がれば9点にも8点にも下がります」


パト「凄いな、つまり次々と成果を出して行かないとすぐにティア順位を下げてしまう要因になるという事か、そうなると結構ギスギスしているんじゃないか、特に俺なんて歓迎されているかどうか」

パトは専属神の世界に何度も足を運んだ事があるため、わかる事がある。

パトから生まれた世界は凄くパトを歓迎する、例え専属神が主であっても主を主と思っていない世界王も存在する、だがそんな世界王でもパトになると話が変わってくる。

だが元々世界を持っていた専属神の世界はあまりパトを歓迎していない。
むしろ専属神にのみに力を使いたいのに余計な奴まで面倒を見ないといけなくなったために足を運べば扱いにくそうな顔をする者も居る。

メルリア「この世界では旦那様は凄く歓迎されています・・・が申し訳にくいのですが、特待生という制度に関してはちょっと納得していないというか・・・批判的な意見が多いというのが現実ですかね」

メルリアは困った顔をしてしまった。

メルリア「今は私と世界王で特待生システムに対して納得してもらえるように動いています、ですがこの世界はチーム一丸になって成果を出して私達に認めてもらおうという社会が主体です、それが個人主義になると結局チームで頑張っても個人的評価の方が上だとなれば努力している意味がなくなると異議を唱える方も居るのです」

至極真っ当な意見だった。

パト「チームスポーツでもある話だな、チームで全国大会で結果を残したのに強化合宿や特待生に選ばれるのはチームの中の個人だ、チーム一丸で皆同じく結果を出したのに個人にだけスポットが当たるのは理不尽だと感じる人が居てもおかしくない、でも実際スカウトとはそういうものだからな、理不尽には感じるけど個人的に魅力を感じたから欲しくなるもの、それを邪魔されるとなるとこの世界の価値観が下がってしまうと思うんだけどな」

メルリアの表情は曇った。

事実パトが普段から扱っている帝園(ミガドルエデン)は種族事に国はあれど全て個々の結果に委ねている、どれだけ重役だろうがパトが選べば引き抜ける、契約条件が厳しいという条件はあるがパトとしても凄く扱いやすいか理解しているのだ、これを「この従属は重役で抜かれたら困るから契約してはならない」「皆同じ地位で同じく頑張った仲間なのに一人だけ選ばれるのはおかしい!!」と毎度言われてはパト側も扱いにくいと考える。

メルリア「そうですよね、その件に関しては今後特待生に選ばれた学校に応じて追加ポイントを加算させるつもりです。その方がチーム一丸となって特待生に選ばれるような侍女を育てたとなると思うのです」

パト「万園と同じシステムだな、でも悪くないと思うぞ、実際そうでもしないと学校対抗でも大きな逆転は狙えない、個人的意識を改めても組織は変わらない、ならば優秀な個を作って売り出す方が組織的には都合が良い事がある、ティア表で上位の学校は組織力も高い、だけどティア表が低い学校に所属している従属はそういう抜け道でも作っておかないと腐っていく一方だと思うんだ、救済処置システムとして広めていくといい、そうすれば上の組織はまだ批判的意見は残るかもしれないけど下の組織は躍起になると思うんだ」

メルリア「わかりました、そうなるように精進します」

・・・・・・
パトとメルリアはミルフィート学園都市で買い物を楽しんだ後カフェでゆっくりと落ち着いていた。

パト「実際この世界の従属のレベルは高いのか?実力的な意味で、確か万園は技術力か従属で何かしら提供しないと評価しないんだろ?」

メルリア「いえ、実はその両方とも万園には評価いただけてないんです、というより他所の世界が強すぎてこの世界は万園に喜んでいただけるレベルまで上がっていないというのが現状です」

パト「例えばこの世界で一番強い奴は他所の世界で例えるとどのレベルなんだ?」

メルリアは「うっ」と気まずい顔になる、そして考えて考えて答える

メルリア「少なくともですが・・・ミーエルより強い従属は存在しないかと」

パト「ミーエル以下か、でもミーエルもかなり強い方らしいし」

メルリア「ミーエルしか知らないから言っているだけです、恐らくですが帝園の構成員クラスには勝てないかと・・・まず間違いなくエテルには勝てないですね」

パト「そうなんだ、それで技術力も提供できないって言ってるけど俺からみたらどの技術も凄そうだけど」

メルリア「天園(カエルムエデン)を知ったら私の世界技術はかなり低いですよ・・・」

メルリアの表情は暗くなる一方だった。

メルリア「この世界が誇るのは侍女と執事です、つまり強さも技術もそこまで重きを置いていないのです、作法や奉仕に関しては恐らくどの世界にも負けません、ですがそれは万園の評価基準外のためこの世界のレベルは低いと認定されているでしょう、となるとこの世界が評価されるには旦那様が沢山この世界の侍女や執事を扱ってくれる事になります、ですが・・・わかっています侍女の数は現実の帝国で十分足りています、侍女としてのレベルも申し分なしです、今更私の世界の侍女が加わったとしてもという所はあります、そもそも私が侍女として働いているのです、私の仕事を私の世界王の侍女にやってもらうという事はあれど不足分を補うという意味で言えば不必要なのです」

パトはメルリアの説明に心当たりが十分にあった。

侍女の数は現状多すぎるくらいだ、多すぎるために侍女が1日働いたら一週間の残りは全て休みとなる程に数は足りている。

メリアやソルテ曰く 日程を詰めれば余裕がなくなるためこれくらい余裕な方が良い
パトは使っていないが、性欲が有り余った時に何時でも呼べるように、そして万全な状態である必要もあるための体制とのことだった。

パト(確かにヤりたい!ってなってお願いした子が疲れ切ってたらこっちも気を使う、ソルテやメリアの侍女は少なくとも全奉仕前提、つまり侍女が主である俺に手を掛けさせてはならない、俺が攻めるなら最高の感度を、侍女が攻めるなら俺が満足するまでの間パフォーマンスを維持するだけの気力と体力を、それを仕事中とか仕事後だと酷だよなぁ)

パトは考えながら飲み物を飲む。

メルリア「旦那様、私はどうしたらいいでしょうか、我儘を言って私の世界の従属を使ってほしいと言ったら旦那様はきっとお優しいので一人でも二人でもお気に入りの子を見つけて扱ってくれるでしょう、ですがそんなやり方をしてもよろしいのかどうか」

パト「普通の事だと思うよ、実際帝園なんてそんなのばっかりだしね、営業をしないと客は誰も商品を買わないし契約もしないよ、つまりメルリアも同じ、専属侍女と言っても俺は大事な従属で大事な女性だ、だからちゃんと話して欲しい、こういう所だけ自分は侍女だからなんて言うのは辞めてくれ」

メルリア「本当に優しい言葉ですね、ではこの世界から従属3名程を特待生にしてほしいと言ったらどうでしょうか?」

パト「すぐには決めかねるな、俺だって急いで決める気はない、例えば一度特待生にして結局合わずに解除したらその従属を傷つける行為になるだろ、一度特待生に選んだなら死ぬまで面倒を見たい、勿論常にとはいかないけどね、他の世界事情もあるし」

メルリア「ありがとうございます、ではこのミルフィート学園都市で気に入りそうな従属を1名見つけては如何でしょうか?ちなみに今まで見て来た住人全てが従属適正ありの従属達です!よろしくお願いします!」

メルリアは深く頭を下げた。

パト(お願いされたからとりあえず探してみるか、まあこの世界のクオリティーを見てみたいって気持ちもあったし都合良いか、第二位の学校 ミルフィート学園都市、どのレベルなのか楽しみだ)



2026年10月18日

No.213 パト単独行動

エウレカ探偵事務所、今回は珍しくパトの単独任務だった。

ただし、単独と言っても本当の意味でパトが一人になるわけではない。

パト(琴歌から言われた任務、男性のみが入れる施設で敵の勢力の鎮圧、もしもの事を考えたら妥当だ、それに一人の方がやりやすい)

パトは基本エウレカ探偵事務所で働く時はスリーマンセル、もしくは従属を呼んで最低でも二人体制で戦う事を強いられていた、パト自身がではなく琴歌からのお願いだった。

パト(僕は別に問題ないのに、もしもの事を考えたら誰かが居た方が保険になるって事だろうけど、そうなったら自由に出て来る連中がいるわけだし、そういう意味で言えば絶対に一人になる事なんて絶対にないんだけどな)

パトはそう考えながら相手の拠点地まで歩く。

・・・・・・
パトは相手の拠点地の真正面に立っていた。

パト(今回の作戦は真正面突破でいいかな、完全制圧だから一人たりとも逃したくないしな、どうしよ、逃して警戒されたり残党で組織を組まれても厄介だな)

パトは考えながらも莫大なオーラを使用して建物を破壊する。

パト「オーラ・ペタ・バースト」

パトの手からオーラの大爆発が巻き起こった。
その段階で建物はほぼ崩壊。

敵A「敵だ!!」

ほぼ死んでいる敵の中にもパトの攻撃を運よく退けた者が数人いた。

パト「さて、情報はもう洗い出してるんだよね、悪いけど生け捕りなんて発想は諦めてくれ」

パトがそう言うと同時に敵A含む複数人の首が宙を舞った。

パト「神波剣(オーラ・ソード)」

パトはオーラを剣の形に変えて攻撃を仕掛けていた、この剣の切れ味は凄まじく、刃先は細かく振動しているためただ切る事も可能だがただ当てるだけで軽く刃が沈んでいく仕様にしていた。

最小で針程度、最長で2Km程度、ただし両方とも極端だと精度重視のため最小の場合火力が大幅に落ち、最長だと大雑把になりやすく切れやすいが過度な結果を生み出しやすくなる、切らなくていい所まで切るという事だ。

パト「やっぱり便利だ、形も変幻自在だから直線上と考える必要はない、狙いたいところに狙いをつけて切ればいい、剣というより鞭に近い性能だな、いつもだと雪花に良い所を譲るからたまにはこうやって帝国で学んだ特訓の成果を実践で使ってみたいよな」

と言いつつも既に敵は全滅していた。

・・・・・・
パトはエウレカ探偵事務所に連絡していた。

パト「琴歌、仕事を終えたよ、防衛軍に確認報告をして貰ってもいいかな」

琴歌「お疲れ様です、流石はパト君、この短期間でもう完全鎮圧をしてしまうなんて、抜けは大丈夫そうですか?」

パト「ああ、気配は一切感じなかったよ、最悪僕のオーラ「神派銃(オーラ・ガン)」でトドメを刺すよ」

パトのもう一つの技術、オーラを操作性のある球に変換して銃のように打ち込む技術である。
視界にあるものなら精度は100%、視界外なら【神真】で空間の気配を探知して死角であっても撃ち抜く事が可能な技術であり、距離にもよるが300m以内で死角だったとしても70%命中の精度を持っている。

パト「雪花とミーエルはどう?僕の代わりにノラを加えたけど仕事は順調そうかな?」

琴歌「定期報告では苦戦はしていないようですね、ノラさんが色々二人を引っ張ってくれてるみたいですね、助かりますよ、やっぱり帝園の方たちは全員優秀です」

琴歌は電話越しでも伝わる程ご機嫌な声でパトと喋る。

琴歌「そうですね、そのままパト君には別の依頼をお願いしましょうか、バハートさんから特例任務を2件預かっているのですがどうでしょうか?出来れば売上自体はないのでパト君一人で早急にこなしていただけたら凄く助かるのですが」

パト「ああ、わかったよ、バハートのためだからね、僕がやるよ、それで何処に行けばいいのかな?」

琴歌「ラオスに向ってください、国際犯罪組織がラオスに拠点を構えているという情報が入っています、あともう一か所はエクアドルですね、密輸の阻止をお願いしたいとのことです」

パト「ラオスの方は生け捕りがいい?エクアドルは密輸情報次第だな、フィロンに情報を任せておいてもいいかな、ラオスの件を解決している間に情報を出してもらえると助かるよ」

琴歌「わかりました、では私は情報班に仕事を伝えておきますね、後アリシア様にもよろしくお願いします」

そう話すと琴歌は電話を切った。

パト「特例任務なら仕方ないな、さっさと終わらせよう」

特例任務とは複雑な話になるのだが、防衛軍はギルドに仕事を提供しているのだがその依頼の殆どが国が依頼金を防衛軍に渡し、その何割かをギルド依頼金として提示しているのだ、つまり防衛軍は中抜きしているような形になる、つまり国という客が居なければお金が発生しないため防衛軍が対処しなければならない、だがここ最近の世界テロや東京異変等の大型事件の連続で防衛軍の人員不足が発生しているため外部に依頼しなければ仕事を回せないというのが現状だった。

バハートはパト達に相談したのが、防衛軍直接依頼の依頼料がギルド依頼金として払えないという問題に対してエウレカ探偵事務所側が無償で依頼を特例で受けてくれないかという話だった。

勿論琴歌は反対した、エウレカ探偵事務所は会社であり慈善事業ではないのだ
だがバハートは地球防衛軍でもあるが、帝国の従属であり、雪花の直属部隊所属、無下にも出来ないという事で考えた結果、アリシアコーポレーションが防衛軍発注の依頼を受け取り、アリシアコーポレーションから防衛軍に依頼を送るという内容だった。

例えばA案件で1億の依頼金が発生したとする、そのA案件をアリシアコーポレーションが買い取り、そのまま防衛軍に1億を依頼金として防衛軍に支払う、そして7000万依頼としてギルドに出す事で防衛軍は3000万の売上を出した上に依頼をこなすという形をとったのだ。

だがそれではアリシアコーポレーションが損をする、なのでこのような案件の場合はバハートが優遇してエウレカ探偵事務所に依頼する事にしたのだ、そうすれば7000万はエウレカ探偵事務所に入り、2割をエウレカ探偵事務所の売上として持ち、残りはアリシアコーポレーションに還すという流れを作ったのだ。

それでも1400万がエウレカ探偵事務所、5600万がアリシアコーポレーションに入る、だがこれでは約半分が帰って来ただけでまだ赤字、そこに関しては地球防衛軍がアリシアコーポレーションの資材だけを購入し使用するという契約で手を打った。

アリシアからしたら「太客への投資としては安い金額ですよ、防衛軍経由なら各国に売る事も可能ですから色々手続きも含め楽になりますしね」

と了承を得た、バハートは深く頭を下げた、エウレカ探偵事務所としてはギルド仕事の中で言えば安い案件のため、あまりメリットを感じないが従属のお願いのため、売上ではなく助け合いとして了承した


それが【特例任務】と呼ばれているのだ。

パト「ラオスの目的地までは数日は覚悟しとかないとな、今回の報酬は1500万、僕が1日動くのに20万、交通費とか情報班を動かすとなれば・・・うわ、あまり売上は期待できないかもな、さっさと終わらせないと琴歌が微妙な顔をしてしまうぞ!」

パトはそう言いながら少し焦りながら現場から離れた所に置いていた荷物を持って次の目的地に向かった。



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2026年10月16日

No.212 妄想では盛んな人(R18)

ネルには性欲がある。

ネル「なあミーエル、そろそろ女として主様に抱かれてみたいと思うのだがどうしたらいいと思う」

ミーエル「私に聞く?そもそも無理じゃない?ネルに魅力が無いとかじゃなくて主様が欲求不満にならないというか、そもそも性欲発散し過ぎてそもそもそんな気が起きないみたいな」

ネル「私はこう見えて結構性欲が強い方なのだ、求められたら絶対に受ける、断る事はまずないだろうな」

ミーエル「ムラムラしてる時は皆そう考えるんだよ、私は普通に嫌な時があるから時と場合は考えて欲しいけどね、そもそも私に性欲ってそこまでないからあまりわからないんだよね」

ミーエルは紅茶を飲みながら考える。

ミーエル「ネルはそもそもどんなシチュエーションを考えるの?」

ネル「え、普通に後ろから犯されたい」

ミーエル「ええ!意外!てっきり凄く攻めたいドSタイプかとばかり思ってたよ!」

ネル「馬鹿め、普段は確かにドがつく程のSかもしれんが主様にならむしろ女としてせめてほしいとおもうものだろう!」

ネルは恥ずかしげもなく語る。

ネル「考えるのだ、例えば個室、主様が私を後ろからいきなり抱きしめて胸や股をいやらしく弄るのだ、ただそれですぐに始めるわけではない、乳首をいやらしくねちっこく攻めるのだ、そして私がもどかしくなったところで「主様・・・そろそろ我慢が出来ない」と誘惑する、そしてまだ始めずに次は股を念入りにイジメるのだ・・・そしてイキそうな所で寸止めを喰らって我慢できない所をズブっとされたい」

ミーエル「ちょ~具体的じゃん、もはや願望に近い、というか内容的に超ドMじゃん、攻められる事しか考えてないじゃん、暴帝の格が落ちるんじゃない?」

ネル「馬鹿言え、むしろ普段から暴力的だからこそこういう性行為では大人しいのがギャップ萌えというものだろう!そう考えたらミーエルは完全に奉仕型だな」

ミーエル「でしょうね、自分でもそう思うよ、多分主様を完全受け身にして私が全部ご奉仕する形になるだろうね、そもそも私に性欲はそこまでないから主様に気持ちよくなって貰う事が重要になってくるからさ、実際にやったことはないんだけどね」

ネル「お前はそもそも女として見られてないんではないか?私もそういう意味では全然手を出してこないあたり怪しいものだがな」

ネルはため息をつく、そしてミーエルの身体を下から上へと眺める。

ネル「お前の場合、胸を吸わせながら手こきとかしてそうだな」

ミーエル「するね、その方が手っ取り早いだろうし、胸で挟むとかもあるけど実際にやるとしても多分騎乗位一択だろうね、もはや別に恥ずかしくもなんともないから言うけど、私腰振りには自信があるんだよね!」

ネル「ほう、実戦経験ゼロの癖に自信だけはあるとは、滑稽以外の何ものでもないな!」

ミーエル「そもそもネルは主様に何かご奉仕をしたいとか思わないの?」

ネル「考えた事ないな、多分そうした方が主様的には喜ぶのだろうが、私はそこに興味がないものでな」

ミーエル「それならもっとネルの妄想を聞かせてよ!暇だしせっかくならネルの想像するものの話を聞いてみたいかも!」

ネル「お前も物好きだな、他人の妄想話を聞いてそんなに面白いか?」

ミーエル「面白いよ、だってネルがイメージとは違う妄想を言ってるんだもん、後どんな話が出て来るか逆に興味あるよ、妄想の話が主様を縛って罵りながらだったらイメージ通り過ぎて聞く気にもならなかったけどね」

ネル「私を何だと思ってるんだ、いいだろう、私が過去に色々考えた妄想を聞かせてやろう!」

・・・・・・
ネル「まず主様と口論をしているんだ、だがその拍子に私は壁に追いやられてしまう、私も精一杯睨んでやるのだ、だがそこから主様が私の口を口で塞いでくるのだ、強引だがこれ以上は関係を悪くしたくないからという意味を込めて強引なキスをだな・・・私も少し抵抗してやるんだ、その方が主様は押さえつけている感があって興奮するだろうからな、だが普段の私を知っている主様が私を抑え込んでいる、そしてキスで互いの顔が赤くなっている所で次はお互いねっとりとしたキスをするのだ」

ミーエル(ネルの妄想ってかなり乙女チックなのなんなの?あとやっぱり受け身だし)

ネル「そこでだ、主様の手が私の秘部をなぞるように触れるのだ!それにジワジワと悶えながらキスを続けるのだ、だが私もここではまだ足を開いてやらない、少し抵抗することで主様が攻めているという感覚を強く印象を与えるのだ、そうなれば主様も我慢できずにそのまま私の中に指を入れるだろう、そこで足を開いてやるのだ」

ミーエル(所々策士なのなんなの?)

ネル「互いに興奮が高まったら片方だけ脱がされてゆっくり挿入だ、その時に普段強きな私だが素直に「強く言ってごめんなさい」「優しくして」って囁くのだ、そうすればもう主様も私も互いにサルのように求めあうのみ!!」

ミーエル(なんで自分がしおらしくなれる設定なんだろ?絶対売り言葉に買い言葉スタイルじゃんこの人)

ネル「そしてだなそしてだな!互いに果てた後はキスをして微笑み合うのだ、互いに汗をかいて顔を赤らめてだな・・・そしてだなそしてだな」

ミーエル「はいはいわかったストップ、ほかには?」

・・・・・・
ネル「単純に主様からセクハラされてみたい・・・出来れば二人以上の場所がいいな」

ミーエル「ワオ、結構凄い妄想が出て来たぜ!!」

ネル「これは別にさっきみたいに最後までしたいわけではないのだ、ただこっそりお尻を触られたい、あと首筋とか耳元を触れて虐めてほしいと」

ミーエル「え、ネルってドMすぎない?もしかしてどの妄想もこういう系?受け身前提?」

ネル「そうだが?基本的に私が攻め側にまわる妄想はしないな、だが完全受け身の正常位は好まないな、どうせなら私が主様の支配欲を煽ってムラムラさせて激しく求められたいって思うだけだ」

ミーエル「大体わかった、せっかくだし色々聞いてみたいかな」

・・・・・・

ネル「ぶっちゃけ普通にセックスするより愛撫や前戯をしている方が好きだ」

ミーエル「そうだね、もはやその答えが全てだね、色々聞いて納得したよ」

ミーエルはネルの妄想を色んなパターン聞いた、そのどれもが大体は愛撫や前戯が凄く長くねっとりとしているのだ、だがそれとは逆に本番行為は淡泊で行為中は特に特別な妄想はない

ネル「ここまで話したのだ、ミーエルが考えるシチュエーションも聞かせてもらいたいものだな、恥ずかしくないのだろう?」

・・・・・・
ミーエル「私は主様が傷心してる時かな、前からでも後ろからでも抱きしめてあげるの、それで前からなら胸を曝け出して身を委ねさせるかな、後ろからなら主様の乳首や息子を優しく撫でるように攻めてあげるかな、あくまで性的興奮を与えるというよりかはリラックスをしてもらう意味の方が強いかな、知ってる?性的興奮って加減をすればリラックス効果を得られるんだよ、その感度が強いと性的興奮になっちゃうんだよ、だからゆっくりマッサージするみたいに優しくしてあげるんだ」

ミーエル「傷心した心を程よい快楽が揉み解してあげて主様が私に身を委ねだしたらまだ優しくしてあげるんだ、そこから反応したら少し強くしてあげて、ゆっくり射精を促してあげるんだ、でもこれも勢いよく出させるんじゃなくトローリと垂れるくらい力無い射精をさせてあげるの、まるで毒素が抜けたみたいにね、つまり我慢して強い刺激で出させたらダメなんだよ、あくまで身を委ねて快楽の海に沈んだようなイメージの中でゆっくり果ててもらう、それでリラックスした状態のまま私の膝枕の中で眠って貰うんだ」

ネル「ミーエル、お前、慈悲の天使っぽいぞ!!」

ミーエル「私慈悲の天使なんですけど?なんなら天使王なんですけど?」

ネル「成程な、興奮した状態で激しく求めあうのではなく、リラックス状態で果てさせる、奉仕としても十分だな、というかその技術帝国の従属に教えたらどうだ?あいつらとりあえず主様を気持ちよくさせる事しか頭にないんじゃないか?」

ミーエル「全員がそうだってわけじゃないでしょ?実際専属侍女の中でも役割が全然違うみたいだし」

ネル「え、そうなのか?私は聞いたことないぞ?」

ミーエル「私だって直接主様から聞いたことなんてないよ、でも主様や専属侍女達の疲れ方を見たら大体役割はわかるよ、分かりやすい例だとメルリアは完全に攻めで主様が完全受け身でしょ?それでエイリちゃんは多分受け身多めで主様が攻めかな、あの子丈夫だから多分少しハードな内容でもやってるかもね、フルールちゃんは純愛系かな、ネルが妄想するような前戯が多めなんじゃないかな、あの子ってそういう雰囲気じゃない?守ってあげたいけど無茶苦茶にしたい的な、本当普通の可愛い女の子って感じだから多分主様もそういうシチュエーションが多いのかもね」

ネル「役得だな、専属侍女め、専属神よりも立場いいんじゃないか?」

ミーエル「まあ性行為という分野においてはそいかもね、専属神でも盛んな人は凄く多いし、そうじゃない人は少ない、ケースバイケースだと思うけどね」

ネル「やっぱり聞けば聞く程主様、私を求めてくれないかな、どうして私を求めてくれないのだ・・・」

ミーエル(本当一回抱いてあげてよ、でも多分私わかるんだ、主様絶対ネルはドSだと思ってるから怖くてそういう話が出来ないんじゃないかって、今度こっそりネルの妄想を主様に話してあげよう、ちゃんと濁してだけど・・・)





patopatoblog at 01:46|Permalink│日常(R18) 

2026年09月27日

No.211 帝国・帝王直属侍女部隊

侍女「帝王様、おはようございます」

侍女達「「「帝王様、おはようございます」」」

ソルテ「声が少し大きい気がしますね、パト様は大きな声に敏感です、とくに朝は、なのでもう少し声量を下げてそして邪魔をしないように手短に練習しましょう」

ここは帝国・帝王直属侍女部隊

この部隊での使命は帝王・パト付近のみの侍女だけが所属する部隊である。
この部隊は【帝国全従属の中で最も優秀であり、尚且つパトの好みの女性であること】が入隊条件であり
専属神や専属侍女に続く最もパトと接しやすい部隊である。

業務内容、主に部隊は大きく分けて6つ

【近衛侍女課】【帝国侍女課】【清掃侍女課】【奉仕侍女課】【教育侍女課】【侍女秘書課】

【近衛侍女課】は帝国外での帝王に仕える侍女
【帝国侍女課】は帝国内での帝王に仕える侍女
【清掃侍女課】は帝王の身の回り全ての清掃管理を担う侍女
【奉仕侍女課】は帝王の身にまつわる全ての管理を担う侍女
【教育侍女課】は帝王の教育や帝王の代わりに情報を提供する侍女・現段階ではパトに勉強を教える
【侍女秘書課】は帝王の秘書として全業務の管理を担う侍女

この6部隊で構成されている。

帝王直属侍女部隊の総長を務めるのは専属神・ソルテ・ピュアデーモン
そして各課の隊長・副隊長を担っているのはソルテが持つ直属部隊【十二彩ノ聖鬼連】と呼ばれる
聖鬼神達で構成されている部隊メンバーが担っている。

専属神ソルテが担っているのは【侍女秘書課】
ソルテ自身がパトの秘書を担当している事もあり、自ら総長でありながら課隊長も兼任している。

ソルテ「この部隊が出来てから私の業務がほぼパト様だけに集中できるようになったのは嬉しいわね、今までは他の仕事で秘書としての業務に全然余裕がなかったから助かるわ」

ソルテは元々専攻部隊の総長として仕事をしていた、だがソルテ以上に専攻部隊の適正がある
専属神・四季雪花が現れた事でソルテは次に秘書補佐として業務を始めた。

当初の秘書は専属神・アリシア・ホーリーナイトが受け持っていたが、彼女がなんでも受け入れてしまい、秘書として厳しくしなければならない場面で押しに弱く、どうしてもパトを甘やかしてしまうという事からソルテが秘書として就く事になった。

ソルテも基本は大人しい性格のため、パトに対して厳しく接するというには苦手な分野だった。
だが専攻部隊でも厳しく取り締まる必要がある場面ではしっかり公私混同せずに業務当たれていた
経験を活かして、秘書業務の内ならパトに対して厳しく接する事が出来た。

・・・・・・
そんなソルテだが部署が6つ出来、自分の直属部隊が出来、仕事の責任分担が出来上がってから暇な時間が増えた。

ソルテ「【近衛侍女課】の報告書は・・・いつも通り、他の課の報告書もとくに変更点はなし、あるとするなら・・・【奉仕侍女課】かしら。」

【奉仕侍女課】パトの身にまつわる全ての管理を担う侍女

それはもちろん下も含まれる、それだけに全課の中でもこの課に所属する侍女は健康状態を最も意識している。

リラクセーション、整体、健康定期健診、美容エステ、入浴補助、性欲補助

この業務内容から日頃の会話から態度、健康体である事、疲れを基本的に感じる業務は関与せず、
とにかくパトのために業務と使命を全うする、という、定められた業務以外は絶対に関与するな
と言われる程厳しい規律を持つ課でもある。

だが問題なのはパトがその課のサービスをほぼ使っていない事だった。

訓練後のストレッチ、肉体調整と美容エステは訓練後の調整としてソルテが介入させたのだが
入浴補助や性欲補助は全く使わない。

ソルテは訓練後に全てのサービスを受けるように調整はしているが、入浴補助や性欲補助も実は
ソルテがこっそりと独占しているという事があり、ソルテ自身が肉体調整と美容エステに続いて
関与させればいい所を一切していないという事情があった。

ソルテ(入浴も性欲もここでしか私はパト様とスキンシップがとれない、それに性欲管理は筋肉や健康の面を考えたら毎日というにはよろしくない、特に運動後すぐに性欲を満たす必要性は今の所はない、だから毎日の日課にするのではなく、ソルテ直々に調整して行う業務として置いている方が多くの方面から見ても都合がいいのだ。

ソルテ「でもそうなると全然仕事がないのよね」

奉仕侍女課の所属数は300名、1日の業務で動く実働数は多くて5名、295名はまったく仕事をしないという現状があった。

どれだけ仕事がないかというと、地球の1週間で例えると

業務時間
月曜 8:00~16:00休み 16:00~0:00休み 0:00~8:00業務
火曜 8:00~16:00休み 16:00~0:00休み 0:00~8:00休み
水曜 8:00~16:00休み 16:00~0:00休み 0:00~8:00休み
木曜 8:00~16:00休み 16:00~0:00休み 0:00~8:00休み
金曜 8:00~16:00休み 16:00~0:00休み 0:00~8:00休み
土曜 8:00~16:00休み 16:00~0:00休み 0:00~8:00休み
日曜 8:00~16:00休み 16:00~0:00休み 0:00~8:00休み

という一週間に働く時間はたったの8時間というありさま、ここでパトが頻繁にサービスを使ったとしてもそこまで神材を必要としない、だが専属神メリアからの指示でこのような業務体制で基本的に万全の状態を維持出来る環境と神員配置を命令され、300名という数字もメリアから提示されていた。

ソルテ「このままだと従属から苦情がきそう・・・全然呼ばれないのに身体のコンディションは完璧にしておけって言われるのは結構キツイ・・・美容だって楽じゃないのに」

そもそも奉仕侍女課がそこまで重要なのかと言われればそうではない。
補助系業務というのは専属神や専属侍女がほぼ担ってしまっているからだ。

例えば主から「一度性欲を発散してほしい」と命令されたとしてもその命令が奉仕侍女課の従属に届く前にソルテか専属侍女として常に同行しているメルリアかエイリが使命を果たしてしまうため、従属には届かずに終える事が多い。

そんな事情もあり、部署があって神員が大勢いてもまったく意味を成してない、なのに全員が帝国の従属の中で見ても高水準なのだから宝の持ち腐れも良い所だとソルテは常に悩んでいた。

ソルテ「原因に私も少し絡んでるから強くは言えないけど、でもやっぱり自分にとって役得な所は残しておきたいって思うわよね」






patopatoblog at 15:52|Permalink│日常 

2026年08月26日

No.210 世界辞典 著者不明

この記録は誰かが記載したものである。

記録

世界黙示録

天帝神王の器を超えた存在が現れた。
その名は光世界 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

彼の存在は光世界三代目世界王が隠し続けて来た。
それは全世界の常識を揺るがす化物だった。

どう化けたらあの存在が生まれる?
どんな配合をすればあんな世界王が生まれる?

全てが謎に包まれた存在、だが言える事は彼の力は過去、天帝神王の地位についたものでさえ
理解出来ない領域にいる事だろう。

その代表例が【世界辞典(ミール・スラヴァ―リ】という力だろう。

彼の完成形とも言える神羅万象を超えた絶対的力、それは世界そのものを無数の本に記録し、それを呼び起こす事で彼の持つ【無数の世界から呼び出される】仕組みなのだ。

彼の持つ世界の数は誰も把握していない。
著者曰く能力を持つ彼ですら把握できていないと言っていた。

彼曰く
「この本は見る度に項目が増える、【部】【章】【節】【項目】【順】と正式に並び増えている、中身もよく変わるから覚える事もない、把握しても増え続ける、だからもう把握はしていない、その本と世界を管理している奴に全部任せてる、これだけの数があると似たような世界が沢山ある、だから似た世界は【項目】内で順位が定められている、それで順位が低ければ管理者が選ぶことはないだろう、でも別に壊れて良い程度のものだと捨て駒として差し出すかもしれない、今更世界が一つ壊れても何も影響しないしそもそも気付けない、もう考えるのを辞めたんだ」

そういう彼の右手には一冊の分厚い本があった、外見からして1000ページは超えるだろうか。

「分厚いだろう?この中を開くと目が痛くなる程の世界の数と情報が開示されているんだ、昔世話になった星で「カラオケリスト」を思い出して笑ったかな、わからないだろう?その時は殆ど電子機械を使って検索すれば思い通りの結果が出て来てたんだよ、だけど昔は違くてすっごく分厚い本に「曲名、歌手、入力番号」がびっしり順番通りに並んでたんだ、一度だけ見た事あるんだ、今思うと不便だったと思う、今それをやらされている気分だよ、この本にも「世界の名前、世界王の名前、世界の主名、順位」が記載されてる、そこにどんな世界でとか情報なんてないんだ、ただ項目として記載されてるだけ、こう見たら順位が高い奴を選べば安牌だと思うよね、それがこの順位の狙いだと思うんだ」

彼は笑いながら本とパラパラと適当にめくるとそのまま本を閉じた。

「本当狂ってしまった、世界と世界王を持つのは帝王神候補級、それが昔の常識だった、でも今は違う。世界と世界王を持つ事が当たり前になってしまった、それは生態系を大きく変えてしまった、昔の価値観で言えば一般人全てが帝王神候補級の実力者とでも言うのかな、実際に悪いと思ってる、だからもう現実世界に手を出すのは辞めたんだ、でもまさか世界の中で世界持ちと世界王を持たせるなんて考えもつかなかった」

彼は頭を抱えた。

「甘かったんだ、現実世界だけ気にしていればって、でも違った、もう止まらないんだ、例えば一つの世界で多くの従属が存在するとしよう、今まではあくまで各世界の従属だからとほぼ影響を受ける事がなかったんだ、だけど現実世界に手を出さなくなったと分かれば自分の世界は自身で作った世界の従属に世界と世界王を与えだした、結果無限に世界と世界王が増殖し続けるという事案が発生してしまった、まるで三面鏡で永遠と鏡を向かい合わせた自分を見つめるみたいに増殖し続ける、なにもしなくてもこうして分厚い本が作られていく、現実世界に干渉しない方が都合が良いと判断したんだろう、自分で作った従属なら雑に扱っても誰も気づかないからきっと試験的な意味も含めて世界を与えたりしているんだと思う」

彼は著者の肩に手を置いた。

「君はきっとある程度満足すれば死ねるよ、それが幸か不幸か関係ない、きっとある程度やりきれたと納得して消える事が出来るだろう、でも自分はダメだ、もう死ねない、寿命だって存在しない、自分に関わった人達も同じだ、きっとこれから死ぬことも出来ない生き地獄を味わう事になるだろう、申し訳ないと思う、でも自分は安心している、今の関係がずっと続く保証なんてない、根拠もない、だけど不甲斐ない自分を知ってくれている人たちが居る、それだけで救われる事もあるんだ、ずっと天帝神王として君臨し続ける事になるだろうからね、きっと世界が自分に追いつく事はこれから一生あり得ないだろう」

著者は聞いた「何故、そう言い切れるのか」と
彼は笑いながら答えた。

「例え死んでもその結果を許さない子が居るからだよ、死ねば死ぬ程本当の【死】が遠ざかっていくんだ、ならもう死なない方がマシだと思わないかい?これからは死ぬことも負ける事も許されない、勝つ事しか出来ない、競う事もない、スリルなんてもう二度と味わう事もないだろう、昔が懐かしい、昔は目の前の事だけを考えていた、だけどもう目の前を見たくないんだ、見ても無限に広がる荒野を眺めているような気分になる、ゴールが存在しない、誰も追いつかない、だからこれは確信なんだ、誰も救えないし、救われない、きっとこの世界は定期的に変わるような神ではなく【不動の頂点】が欲しかったんだろう、人間が神を絶対的存在と信じるのと同じように、神は帝王神を絶対的存在と信じるように、帝王神や天帝神達は天帝神王を絶対的存在と信じるように、これから自分は絶対的であり続けないといけないんだ、それほどつまらないものはないよ、特別扱いだってずっとその扱いなら自分にとっては普通の扱いになるんだからさ」

彼は椅子に座る。
不思議な感覚だ、彼は一人で椅子に座っているはずなのに、気配が一つではないのだ
一人ではあるがそれが無数に重なり合って気配が追い付かない、そんな感覚に近い。

著者「今私が天帝神王様に攻撃を仕掛けた場合、どれだけの従属が私に襲い掛かってくるのですかね・・・」

著者は特質過ぎる気配に対して好奇心が抑えきれずに聞いてしまう。
彼は怒る事なく答える。

「少なくとも、過去天帝神王が手も足も出ない程の子達が100人くらい・・・かな、自分から世界を呼んでそこから従属を呼ぶのがルールなんだけど守らない血の気の多い子が無数に世界があればやっぱりそれなりに居てね、困ってるんだ、無数に出て来られても面倒だから上限早い者勝ちで100名に普段は自動設定してるかな、勿論攻撃だけじゃないよ、守りもさ」

彼は楽しそうに話す。

著者「隠さないのですね、自分の能力について」

「隠したところで意味がないだろう?むしろ知ってもらいたいんだ、知ったうえで自分への対策をしてほしい、でも知ったら皆諦める、そうだろう?本来天帝神王に成れる程の器を持つ神が赤子同然に葬られるんだ、しかもそれが有象無象の世界の世界王ならまだしも有象無象の世界の住人にだ、屈辱にもほどがあるだろう?君にだってそうだよ、別に自分を殺す気で襲い掛かってくれても構わない、別に怒りも何もない、だけど従属が勝手に動くんだ、ちなみにその従属は自分も面識がない子の方が多くてね、命令は聞いてくれるけど誰かわからないから困ってるんだ、なにせ性格もわからないし重要性もわからないからさ、無下にも出来ないのが辛い所なんだ」

著者「天帝神王様が絶対的存在である事は認知しました、そのうえで最後に一つだけもしもの話をさせてください、もし貴方が今望むなら何を望みますか?」

彼は真っ直ぐと著者に向って話す。

「なにも望まないよ、ただこれからも神全体の絶対的存在であり続けるだけさ、全てを手に入れてる存在が何かを望んだらそれはもう絶対じゃないだろう、皆の理想を壊したくないんだ」

著者「ありがとうございました天帝神王、またお時間ある時に今回のような時間を頂いてもよろしいですか」

「ああ、いつでも遊びにおいで」

・・・・・・

記録はここで終わっている。

この記録は過去のものなのか、未来のものなのか、それは定かではない。



patopatoblog at 01:27|Permalink│日常 

2026年07月29日

No.209 界羅

界羅 本名 ミール・カイラ

パト・ディカイオス・エウレカが生誕した際に生まれた世界王。

元々万園の世界王として君臨し、パトの力として見守っていた存在だった。

パトと同じく育ったメリアと同じく幼馴染のような存在。

以前のパトはミールをまるで兄妹のように、自分しか知らない家族のように大切に接していた。
ミールもそんなパトに世界王でありながら恋をしていた。

パトは力を失う、その時にミールはパトに干渉出来なくなる。

メリアがパトの中に入る事で消滅を防ぎなんとか肉体を維持する事に成功する。
この時にパトの中に【帝園】が混ざる。

そして次に黄龍を身体の中に取り込む事でパトの身体に恩恵を与えようとするが失敗。

少しの年月が経ち、四季雪花が専属神になり、肉体関係を持つ。
その結果四季雪花の中に存在していた青龍が覚醒する。

このようにパトが徐々に力を取り戻す事により、神羅万象支配(世界)を会得する。

そしてストレリチアという世界王が生まれた。

界羅の過ちはその誕生を見届けなかった事、パトに干渉出来なくなった原因を解決するために
界羅は過去に戻った。だが所詮は世界王、ならば世界王という壁を超える必要があると考えた界羅は
過去に戻り、全ての経験を世界として取り込んだ。

これならパトを救える。
そう考えた、だがストレリチアというパトから生まれたもう一人の世界王に敗れる。


・・・・・・
界羅は考える。

界羅が生まれたのは確かにパトの世界王としてだ。
だがなら何故ストレリチアは生まれたのか、それは神羅万象支配を会得したパトは以前のパトとは違う個体だったからではないかと考えた。

以前のパトとは別の個体、それだけなら力も持たない存在だった。
だが神羅万象支配を会得した事により世界王と世界をもう一度宿した、パトというベースがあるため万園という世界はきっと変わらなかったのだろう、だが世界王は違う、だからストレリチアが生まれた。

そして聞けばストレリチアは元々凄く弱かったと聞いた。
それは当然だと思った。

何も持たないパトから生まれた世界王なら何も持っていない事は必然であると。
だがその後の対応で全てを奪われた。

界羅は考える、そして考えた結果、諦めた。

界羅にとってストレリチアは最も相性が悪い相手だという事に気付いたからだ。

一度は勝てる、例えば界羅がストレリチアの持つ概念全てを世界として取り込めばストレリチアを完封する事が出来る、だがストレリチアはそれで死ぬどころか強くなって復活する、倒せば倒すだけ強くなって復活する、つまりストレリチアは【後だしジャンケンで必ず勝つ】力を持っている、どれだけ力を身に着けようがそれを上回って後だしで勝つ、つまり何度やっても勝てないどころか、ただでさえ敵わない、自分が努力して、リスクを追って解明した力もストレリチアを倒すだけで彼女は私の努力を嘲笑うかのように吸収して自分のものにしてしまう、だからもう戦わない。

界羅は長い年月ストレリチアの右腕として、そして同じくパトから生まれた世界王として完璧すぎる妹を持ったような感覚で腹心として全ての行く末を見守って来た。

ストレリチアは心優しい性格だった。
そして責任感があり、使命感も強かった。

その結果自殺した。
そして再度蘇り、強くなった。

心配しなかった、彼女はきっとこの心の弱さも全て克服してしまうのだろうと。

世界王戦争は傍観していた、生憎私に勝負を挑む世界王は存在しなかった。

ストレリチアが成功して生み出した最強種も気付けばかなりの数を減らしていた。

終戦した後は新たな世界王が生まれた事に関する用事で忙しかった。

【帝園】に新たなに生まれた未熟なパトの世界王達を隔離、成長させるために私は第五園の御神体として自身を封印しミール・エデンとして帝園を運営する事にした。

元々第五園の御神体として置くはずだったエニアを帝園内で記憶を奪って野放しにしておけばいいと考えていた、彼女はアムという名前で生活しているだろう。

だがもし、ミール・エデンがアムを見つけて何かを企んでもそれでもいいと考えた、別に見殺しにするつもりはない、ただ本来座るはずだった席に自分が座って、席が余ってないから適当にあしらっているだけなのだから、そこに別の席を昔のミールが考えて用意するなら界羅としての私が関与することではないと考えた。

・・・・・・
とうとう帝王様が真実に近づいた。
でも万園はもう止まらないし、私自身ストレリチアが何を考えているのか、どこまで見ているのかわからない、今の私はただ現状を見据えて導くだけだ。

今の帝王様に界羅は必要ない、必要なのは身近で帝王様が認識出来る程度の強さの子が帝王様を導いてあげる事だ、私が関われば過剰になり帝王様が壊れてしまう、私はストッパーの役割、私が帝王様を壊させない、全部守って見せる、ストレリチアは前を私は後ろを、それでいいんじゃない。




No.208 ストレリチアの歴史

ストレリチア・オール・ロイヤル

彼女が生まれたのはパト・ディカイオス・エウレカが神羅万象支配(世界)を習得した時だ。

彼の才能は【全てに染まり、全てを染める】

ストレリチア・オール・ロイヤル。
ストレリチアは主であるパトと同じ力を持っている。

ストレリチアの記憶は神羅万象を会得したパトの姿を見た時だった。

その時の万園はただただ真っ白だった。
なにも無かった。

ストレリチアは最も無力な世界王として生まれた。
世界王ランクで表すならEランクも満たない弱い世界王として生まれたストレリチア。

ただ出来た事は【全てに染まり、全てを染める】ことだ。

ストレリチアは無力な自分に対してまず行った事は過去に戻ったことだった。

これは専属神 ハクの時空支配から得た力だった。

時間にして何億という時間より前に戻った。

ストレリチアは全てから染まった、あらゆる歴史、無限に近い数の神々から多くの経験、能力、特性、全ての色を自ら染まった。

その探究は光世界に留まる事はない、闇世界、異世界、神世界の全てから力を得た。

それは歴代の天帝神王から天帝神、帝王神、帝王神候補、神王、最上級神、上級神、中級神、下級神、そして本来発掘される事がなかったであろう未開発の可能性全てをストレリチアは長い年月を掛けて吸収した。

・・・・・・
長い年月、ストレリチアは吸収する事だけに注力を注いでいたため、戦うという事を一切してこなかった。

そもそもストレリチアはストレリチアとして個体を持つまでの間は【現象】として全てを吸収していた。

そして再度数億年の時を得て肉体を得る事になる。

パトの誕生だ。

パトが生まれた事によりストレリチアの肉体はパトの世界王として出現する。
そして今まで力を集めて来たストレリチアの力は凄まじく、この時既に【全てを得た天帝神王を超越した世界王】として君臨する。この段階で世界王ランクはEXランクとなる。

全てを手に入れたストレリチアだが問題が発生した。
自分が出来る事に限界があった事を。

そして最初の敗北を知る。

・・・・・・
ストレリチアは弱き自分を鍛えるために過去に戻った。
それはタイムパラドックスを起こし、乱し、だがその乱れをものともせずに得て来たものだ。

その異常とも見える行動と同じことをしていた世界王がもう一人存在していた。

その名は界羅(かいら)、本名はミールと呼ばれるパトから生まれた世界王だった。

ストレリチアは憤慨した、自分こそがパトの真の世界王だと、だがミールも同じくパトから生まれた真の世界王と名乗る。

そして二人は認識した。
お互いが過去に戻り、今のパトのために力をつけようとした結果、本来得られるはずの未来、結果が変わってしまっていた事に。

ストレリチアとミールは決闘をした。
自分こそが真のパトの世界王だと。

主一人に対して生まれる世界王は一人。それに例外は存在しない。
だが現在パトには二人の世界王が存在する。

結果、最初はミールがストレリチアを撃破した。
ミールは【神羅万象(世界)】を強く継いだ世界王だった。

自身こそが世界、自身こそが全ての原点、だからこそ全てを知る必要がある、
そう考えたミールがとった行動が過去に戻る事にあった。

ストレリチアが肉体を持たなかったと同じようにミールも肉体を持たなかった。
だが行った事は同じだった。

全てを自分の世界に取り込んだミール

全てから染まり、自分色に染めたストレリチア

その勝負はミールが圧倒した。

だがストレリチアはその現実を受け入れられなかった。

まだ未完全、だからこそ次は現時点で未完全な自分、不足している部分を持つ自分を生み出す必要があると考えたストレリチアは別世界の同じく過去に戻り、多くの事から染まり、染めた、だが別の感性で染まった別の可能性を持つストレリチアを召喚した。

ここでストレリチア・オール・ロイヤル・ユンケアが召喚された。

オリジナルであるストレリチア・オール・ロイヤルは別世界から召喚されたストレリチアから【レギネ】と呼ばれ、オリジナルストレリチアは【ユンケア】と呼んだ。

そして二人のストレリチアは共鳴し、互いに染め上げ、強きストレリチアが誕生した、この時のストレリチアの世界王ランクはEX+++を超える。

・・・・・・
敗北を得た次に得た物は勝利だった。

ミールは新たに染めたストレリチアに敗北した。

ストレリチアはミールの全てを染め、そしてミールを染めた。

この時界羅の強さは既にEX+++クラスはあった。
だが敗北した。

この時に界羅はストレリチアには敵わないと自覚する。
そしてストレリチアは万園の世界王として君臨する。

・・・・・・
時が経った。
パトが1歳で帝王神候補達全員を撃破するという前代未聞が起こった。
それはそうだった。

1歳のパトの中にはストレリチアと界羅の二人が世界王として君臨していたからだ。
並大抵の世界王が太刀打ち出来るものではなかった。

だがまだ法則支配しか会得していないパトにとって二人の世界王は都合が悪かった。
神羅万象支配ならもっと容易に力を扱えていたが、この時のパトは法則支配だけで全てを扱っていた。

だがパトはそれだけで光世界で最強だった。
扱える法則の桁が既に光世界が持つとされる法則の数を優に越していたからだ。

パトの法則支配の中には四大世界の法則全てが組み込まれており、それを独自の力で全てを扱っていた。

彼は既に神羅万象の力を自身の力だけで扱っていたのだ。

ストレリチアは万園の世界王として君臨した事に満足せずに次の段階に入った。

まずストレリチアは世界王を作ることが出来るようになっていた。
だが今までそのような事をした事がなかったため、練習が必要だった。

そこで行われたのが【世界王の大多数の登場】、そして【世界王戦争】だ。

・・・・・・
ストレリチアが作った世界王は帝王神候補が持つ世界王レベルの高性能の者ばかり、だがストレリチアはもっと強い個体を作れると考え世界王を作り続ける。

その中で最もうまく創造出来た世界王を【最強種】と名付け、経験値を積ませるために大量に作った世界王達を練習台に戦闘と経験、能力の向上を図った。

それが万園の中でパトが神羅万象の力を正式に得るまでに行った事だった。

万園の時間を支配する事によってパトの1年を1万年、という年月に改竄し、世界王同士を戦わせ続けた。

・・・・・・
ストレリチアは疲弊しきっていた。

最初こそは自分のために行っていた世界王生成と世界王戦争、だがその世界王にも自我があり、戦闘を好まない者が居て、そして生きたいと願う者が居た、だがそんな世界王達は強き世界王に命喰われ糧とされてきた。

その悲鳴をストレリチアは耐えきれなかった。
世界王皆ストレリチアと同じ志は持っていなかったのだ。

心を病んだストレリチアは世界王を作るのを辞めた。
そこから世界王戦争は瞬く間に終息し、ほぼ無限に近い数が居た世界王の数も5体にまで落ち着いた。

ストレリチアは世界王戦争が終え、残った6名の世界王を見て自身が行った事の愚かさを自覚し、自害した。

そしてそこで生まれたのが
三度目のストレリチア・オール・ロイヤル・ニコライだった。

ニコライは心が弱り切ったストレリチアから自動で召喚されたため、心が強く、誰にでも分け隔てなく付き合い、面倒見の良い存在として降臨した。

そしてそのニコライを吸収した事により再度強くなったストレリチアはパトの神羅万象支配会得までの間、自身が作った世界王達の戦争で生き残った5名と界羅を合わせて【円卓の王】と呼ばれる組織を作り、万園を繁栄させる精鋭達を集結させた。

界羅がストレリチアに助言を与える。
「今の数だと万園は繁栄するには時間が掛かり過ぎる、少なくとも13名の精鋭を作り、そして精鋭の成長を滞らせないためにある程度予備を作り、切磋琢磨させながら万園の繁栄に携わせるべきだと。

ストレリチアは界羅の言う通り、13名と数名の世界王を今度は時間を掛けて作り、万園の運営を任せる事にした。

・・・・・・
パトが神羅万象支配を再度会得した。

そして再度世界王が生まれた。
それは異例の12名の未熟な世界王だった。

ストレリチアは困惑を隠せなかった。
自分が生まれた歴史とはまた違った世界王達。

ストレリチアは界羅と話す。
するとストレリチアと界羅では生まれた時間が違う事が発覚した。

ストレリチアはパトが全てを無くし、メリアがパトの体内に入り、月花の記憶を媒体にして神羅万象を会得した事によって生まれた いわば今のパトの世界王。

だが界羅、ミールが生まれたは本当の意味でパトが生まれた時、パトが生誕した時に出来た万園の世界の世界王こそが界羅ことミールだった。

つまりこの段階で界羅(ミール)が生まれる事は必然ではあるが、ストレリチアの生まれはそれまでのパトの持つポテンシャルに依存するため、ストレリチアが帝王神候補時代のパトに多くの恩恵を与えた事により、ストレリチアが生まれなくなったのだ。

これが本来ストレリチアが生まれるはずだった時代が変わったタイムパラドックスの代償だった。

・・・・・・
二周目、ストレリチアにとって二周目となるパトの神羅万象支配会得で生まれた12体の未熟な世界王

それらをパトと月花の繋がりで生まれた【帝園】に御神体として預ける事にした。

万園には既にストレリチア、そして界羅が作り上げた社会が存在していたため、今更パトから生まれた世界王に座らせる席がなかったのだ。

界羅は12体のうち、一体を独自で隠し、その席に自ら座る事で帝園に置いた御神体を管理する事にした。

こうして元々は生命エネルギーに溢れる広大な世界にパトの世界王12体を置き、各々で社会を形成する事で万園に続く第二の世界を構築したのだ。

・・・・・・
【万園】の第二フェーズが開始した。
それはパト以外の生命体を覚醒、そして世界王と世界を宿らせるだけの器を作り育てる事で万園を強化する計画に入った。

まず【万園】は【帝園】から溢れる強力な生命エネルギーを利用して覚醒を促す、ただ覚醒させるだけならキス等軽いものでいいのだが、世界や世界王まで宿らせるとなると性行為が必須となる。

まずパトがそこまでの関係を持つにいたる、専属神を標的にした。
ストレリチアの時代にも【帝園】は存在した、そしてその時代は性行為までしてやっと覚醒出来た。

だが今は違う。
より強力になった【帝園】の存在、界羅が【帝園】を完全に支配した事により、本来の万園の世界王として果たせなかった界羅の恩恵がパトに循環する。

そして【帝園】から送った力で覚醒した従属の世界を万園が管理し、得た力を全て万園が吸収する、そうすることで万園だけでは成し得なかった成長をすること、それを考える。

・・・・・・
そして現在、ストレリチアは二人の自分、ユンケアとニコライと共に万園の支配者として生きる。

ストレリチアは認識する。

「きっと私はこれからも何回かは敗北をする」

私はレギネ、そしてユンケア、ニコライ、でも2度あることは3度ある。

ノンリーフ、アルバ、グラシリス、オーガスタ、マルモラタ、セリぺス、コーダータ、ジャンセア、パービフォリア

今後生まれるであろう私のために席を用意しよう。

【上天十二天帝従王】

そして私に成り代われるだけの器を持つ世界王

【下天十二天帝従王】

この席に座る資格があるのは界羅、祖占、誕爛、そして今後それらに渡り合えるだけの力を持つであろう世界王達のための席。

この24席を作る、そして作った後も慢心せずに万園を繁栄させる。

そのためにストレリチアは現状に動く事はしない、今後生まれて来る自分の個体が弱い存在であってはならない。そのためにも蓄えるのだ、力を全てをそして全力をもってしてでも勝てない相手に負け、そして勝つ可能性を。

・・・・・・
界羅はパトの元々の世界王、だからこそわかる。

パトは今壊れかけている。
本来1名に1世界、1世界王、これは絶対に覆ってはならない鉄則だ。
もしパトが界羅だけを持ち、万園の世界王が界羅のままだったなら今のような制限は存在しなかった。

だが今のパトは一人に対して2世界、そして万園の力で10も20に増え続ける、世界王も界羅とストレリチア、そして帝園で面倒を見ている11体の世界王と界羅が抱えている1人の世界王、パト一人に対して現在14名の世界王が存在している。

界羅は懸念していた。
少しでも間違えばパトという存在は壊れ、消滅する。

世界の禁忌に足を踏み入れている。
だがそれを犯したのはパトではなくストレリチア。

そして今だ異常ともとれる程膨大に成長し続けるパトの潜在能力。

【帝園】はパトの潜在能力に依存して世界が広がり、従属が増える性能を持つ。
それだけ生命エネルギーが溢れるからだ。

【帝園】は1日経過するごとに界羅でも把握しきれない程の土地と生命体が生まれる、それはパトが既に暴走してもおかしくないという前触れでもあった。

パトは特別ではない、世界王ストレリチアがパトを特別にしたのだ。

・・・・・・
11名の帝園に住む世界王、そして界羅が面倒を見ているとされる1人の世界王。

そして本来帝園は四季月花の世界を万園が勝手に改良を加え奪った物だ。

現在帝園の離れ、四季月花の世界【神粋玲 神皇粋玲】には2名の世界王が存在する。
第一園 御神体 エステル
真帝園 世界王 フロルナ

そして
どの園にも属さず、帝園全ての概念として封印されている12人目の世界王

真第五園御神体 エニア

・・・・・・
ストレリチアは本来1個体である。
故にストレリチアが認めた者以外は他のストレリチアを見分ける事が出来ない。

ユンケアもニコライも円卓の王から見れば同じく【ストレリチア】と認識する。

ただし、主であるパトや、見分ける必要性があると判断した者にだけは別人として認識する事が可能である。

ユンケアはミールに敗北した事で生まれた存在、故に力に固執する。
ニコライは心に敗北した事で生まれた存在、故に守護に固着する。

だがこの二人は間違いなくストレリチアであり、世界王ランクは優にEX+++ランクを超える存在。

パトが恐らくストレリチアを扱える日は遠い、だがそれでもいい。
ストレリチア率いる万園はそもそも現状を見ていない。

常に未来、天帝神王の事も眼中にない。
故に万園は今のパトに扱える代物ではない。

それに比べて帝園は今のパトに調整された世界のため、今を生きるパトは帝園だけで充分であり、
万園は帝園や他の世界全てをパトのための養分になるように願い、そしてこれからもパトに対して過剰なまでの力を与え続ける。

世界はまだ終わらない、始まってもいない。

2026年05月10日

No.207 強さの証明 episode1

パトはエウレカ探偵事務所で仕事をしている。

基本的には国が手を出しにくい大きな組織、テロリストの駆除、悪信教討伐等宗教関係の討伐等が最も多く依頼として行われている

それらは一度地球防衛軍が国から依頼を受け、それをギルド依頼として発注し、それをパト達エウレカ探偵事務所が受ける形になる事が多い。

見積もりを出して競争になるのだが、あまりにも規模が大きいのと難易度が高いため他企業や組織が依頼を受注出来ないため、ほぼ独占という形でエウレカ探偵事務所が請け負っていた。

今回の任務はドイツからの依頼で悪徳宗教の壊滅を依頼してきた。

被害は世界各国で少年少女を拉致監禁し、教徒として教え込ませているというものだった。
一度国側がその宗教を調べ、監禁された少女を一人救ったのだが、洗脳が酷く、少女本人は拉致されたと思っておらず、「親が君をそこに連れて行くように依頼された、立派になれば親も喜ぶ」という言葉でまさか無断で連れて来られているとは思っても居なかったのだ。

行わせていた事も質が悪かった。
まだ見境もない時期に悪習を習慣づける事で違和感を感じなくさせる、勿論自分の周りも同じ洗脳、共同生活を送っているためそのことに理不尽を感じる事はあれどそれが常識なのだと認識させる。

人は、周りが同じことをしていれば納得はしてなくても違和感を感じる事なく事を生じる習慣がある。
それを利用した手口だと判断した。

ドイツとしてはこのままではドイツの責任という事で他国から責任追及を受けかねないという事で防衛軍に依頼をしてきたという経緯だった。

・・・・・・
パト「組織の壊滅か、普通に壊すのはダメなんだよな、多分」

バハート「そうね、まずは捕まっている子供達の保護、そして被害者の隔離、そこまで済んだうえで関係者の確保、からの建物の調査からの解体かしらね、やる事が多いうえに色々準備や施設が必要になってくる案件だけど」

パト「ああ、言ってる事だけいうとかなり難しい話だ、そもそも調査から大変だろうしな、まず被害者リストとかあったらいいんだけど、それも実際ないんだよな」

雪花「各国に足を運んで行方不明者リストを手に入れるしかないわね、ドイツが独断で責任追及される前に対策したいって話なんでしょう、つまりは他国に情報が漏れる前、という事は知る由もないって事かしらね、まあドイツからしたら世界でヤバイ宗教が居ると思ったら自分の土地内で活動してたっていう貧乏くじを引いたようなものでしょうから結構同情出来る案件でもあるわね」

バハート「それで子供や被害者教徒の保護は第五部隊から施設を貸し出すからそこに収容をお願い、カウンセリングはミーエルちゃんが担当するって話でいいのかな?」

ミーエル「それが私の仕事だからね、情報部隊って事は月花様の班を使えばわざわざ国に足を運ぶ必要はなさそうだね、各国の重要サーバーに入る必要があるならソフィアちゃんの班に声を掛けてエテルちゃんを使うのも手だね、まずは情報を集めて、そこから潜入、からの被害者全員の顔写真を撮影、そこからフィロンちゃんが照らし合わせて個人情報を特定、全てを集めたら回収、そこでやっと私達の出番ってところかな」

パト「そうだな、でも潜入を誰がするかって話だ、リスクは勿論あるけど一人一人の顔を撮るってなるとかなり時間も掛かるし、一日少しで終わるような話じゃない、それこそ時間が必要になる話だと思うんだけどな」

バハート「やり方は任せるよ、私はこれ以上の手伝いは贔屓になっちゃうから、防衛軍側でどうにか出来る事ならそれなりに協力するから相談はしてきてね」

雪花「そうね、ならまたわからない事があったら連絡するわ」

そう話すとパト達は防衛軍施設を後にした。

・・・・・・
シンガポール

第五部隊本部はそこにある。
依頼競争は各国に設けている施設からでも対応は可能なのだが、仕事の説明や詳細、データでは取り扱えない書類上での機密情報の開示等の理由もあり、仕事依頼の話をするとなるとシンガポールまで足を運ぶ必要があった。

パト「ああ、とりあえず月花の班にいるフィロンとソフィアの班に居るエテルで外側と内側で行方不明者情報を集めてくれ、それまでに僕達はドイツに足を運んで拠点の監視を行うよ、あと黄金卿からファルドラの救援要請もしておいてくれないか、潜入となったらファルドラが適任だろ、僕でもいいけど僕は司令塔として動く必要があるから現場をメインに任せたいんだ」

パトは琴歌と連絡をしていた、基本的にエウレカ探偵事務所で人を動かすのはパトではなく琴歌だった。

パトが現場側で動く以上琴歌が全体を把握して人を動かす方が効率がいいという流れだった。

パト「とりあえずは問題無しかな、ドイツに足を運ぶ準備をしようか、当分は日本には帰れないぞ」

雪花「お腹壊さないかしら・・・またアリシアコーポレーションから非常食買っておこうかな・・・」

パト「ちゃんと電子決済しておけよ、経理はエイリやフルールが担当しているからな、今回の案件はかなりの額を貰っているらしい、無事成功出来たら数十年は遊んで暮らせる額は入ってくるレベルらしいぞ」

雪花「本当!ならこの仕事を無事終わらせて100連休くらいとっちゃおうかな~」

パト「ば~か、その得たお金で設備投資にするんだよ、本来被害者の保護も依頼側の範囲なんだ、それをバハートが気を利かして防衛軍の設備を貸してくれるって話で話が済んでるんだぞ、勿論掛かった費用はこっちに請求するように言ってある、でもそれも自分達で管理出来れば安く済むって話だ!」

雪花「それはバハートちゃんの恩恵を使えばいいのに、そんな設備だって維持費とか管理費が馬鹿にならないと思うんだけど、税金も凄そう」

パト「ふふふ、将来的には家族の元に還すのは勿論だけど、もし身寄りがない子だったらそのままうちの会社で働いてもらうんだ、別に稼ぐ方法はいくらでもある、僕達は力があるし知恵もあるから探偵が向いてると考えてこの職にしたけど、別になんだっていいんだ、それこそアリシアコーポレーションで補ってる非常食だってこっちで作ってしまえばいいだけの話だろ、月花が元々技術開発部隊でそれなりに知識も豊富だ、なら後はそれを理解出来る人材がいればいい、それをその施設から育て働かせるんだ」

ミーエル「自給自足で人材を育てるって事だね、外部からは居れないのはなんで?」

パト「離れる可能性があるからだよ、ちょっと性格悪い話だけど、保護して育てて貰った恩というものを最大限に利用するんだ、なら多少の理不尽くらいなら努力や根性で乗り越えてくれるだろう、そこで離れるという選択肢が取れる外部人材はあまり信頼出来ないんだ、仕事柄情報を外部に出して欲しくないしね」

雪花「その言い分だとフィロンちゃんやミオラちゃんはどうするの?」

パト「フィロンは大丈夫だと思ってる、だけどミオラはどうだろうな、メリアだったらさっさと肉体関係でも作って依存させろって言うんだろうな、とりあえずメリア流を採用するなら依存させる事だろうな、でもそれなら別に僕じゃなくてもいい、それに僕はあまり依存を使った手段は使いたくないんだ」

雪花「恩は利用するって言った奴のセリフじゃないな~、別にいいけどね」

パト達は外部に音が漏れないように力法を使いながら空港に移動していた。

・・・・・・
ドイツ空港 飛行機内

パト「さて、寝るか、色々考えてもいいけど到着してからでも遅くはないだろう」

ミーエル「そういうものだね、ただ情報が少ないよね、世界各国で動いてるって事はそれなりに大きな宗教なんでしょ?なら拠点が一か所とは思えないんだよね、複数あって一か所だけ攻めたら他に情報が回って警戒耐性に入られないかな、そうなると色々と面倒臭いと思うんだけど」

パト「そのための調査さ、でも少なくとも各国にその宗教の簡易的な拠点はあるかもね、そこまで攻める必要があるかどうかも調査してもらうつもりだよ、そもそもミーエルが言ったように一か所攻めた時点他拠点の連中は間違いなく警戒する、すると拉致した子供や被害者教徒だって隠されるか悪用されかねない叩くなら一気に同時に叩く必要がある」

パトはそう話しながら睡眠をとる態勢に入る。

パト「帝園は本当に便利な力だよ、今の僕なら100人くらいは呼べる、少ないならその分倒すだけだよ、帝園の弱者はこの世界では防衛軍の副隊長、隊長クラスだからさ」

雪花「まあ数の力で言えばこっちに分があるわよね、それとファルドラからは連絡来たの?ステラからでもいいけど」

パト「いいや、それに別に勝手に来るだろう」

パトはそのまま寝てしまう。

雪花「呑気なものね、色々大変だと思ってないんじゃないかしら」

ミーエル「多分そうだろうね、雪花ちゃんから見て今回の依頼はどう思う?」

雪花「う~ん、私は戦う専門だから戦闘という視点で言えば凄く簡単、勿論相手側だって刺客は居るかもだけど並大抵の相手なら別に何も怖くないわね、人質がってなっても正直って感じ、体内にもぐりこむとかそんな事されても・・・そもそも能力を受け付けないから」

ミーエル「私も保護した子供達のケアは簡単だと思う、ここでの難しいは情報をどれだけ性格に集められるかだからね、さっきも話してた事だけど被害者の数、建物の数、ここを見誤ると本当に大変、もしかすると今回の宗教が健全だと判断している国があった場合、そこに助けを要求するかも、どこが攻められたかまでわかれば相手だって私達にとって都合が悪い動きをしてくるかもしれない、答え合わせで完全正答をしないとダメって考えたらかなり大変だと思わない?」

雪花「成程、だからパトも楽観的なんだ、自分の分野は簡単だから気にしても仕方ないって」

ミーエル「そう言う事でしょうね、主様らしいというか、でも事実私達が出来る事は今の所はほぼないに等しいと思うよ、刺客を送られたら対処するくらいじゃないかな?」

雪花「それならどんどん来てほしいわね!この飛行機内で襲われたりしないかしら、流石に退屈過ぎるわ」

ミーエル「縁起でもない事言うのは辞めてよ、ここで墜落したら陸に足を運ぶ方が面倒臭いよ」

・・・・・・
ドイツに到着。

パト「腰が・・・それに暑いな・・・」

雪花「パト、とりあえずホテルでゆっくりしましょう、観光は明日からで」

ミーエル「観光に来たわけじゃないでしょ!」

???「や~君達にぽん人だね!私にぽん大好きな~のよ~」

パト「な、勝手に来るって言っただろう?」

パト達の前に立っていたのは黄色のローブを被り、黄色の仮面をかぶったパトと似た身長をした男性だった。

パト「ファル、よく来てくれた、潜入の準備はいつ頃出来そうかな?」

ファルドラ「おいおい、まずは久しぶりに会ったんだから一杯酒盛りしてからだろ、そもそも僕だって今来た所だし、情報は色々集めながら来てたけどそれにしても休みたい」

パト「それもそうだな、とりあえず宿を探すか、ファルはどうする?一応今回はエウレカ探偵事務所側の依頼だからファルの金銭面は全面こっちで見るつもりだけど、都合が悪いなら自腹でもいいぞ」

ファルドラ「お!ならお言葉に甘えて全額援助してもらおうかな!僕もそれなりに稼がないと生活が困るからさ、ほら僕達の組織って別に各自報酬制だから給料とかないし、最悪バイト探しだってしないといけないくらいなんだぞ」

パト「秘密結社がバイトは笑えるな、ならしっかり働いてもらうよ」

パト達は宿を探し出した。

・・・・・・
宿を見つけた、シングル4部屋は難しかったため、ダブルの部屋を2部屋とりパトとファルドラ、雪花とミーエルで部屋に泊まった。

パト「さて、最近はどうだったんだ?悪信教と何かしら進展はあったの?」

ファルドラ「雑魚はね、だけど公爵クラスになると全然、気になるのが君主クラスも顔を出さない、闇側の動きがここ2年大人しかった、それが気になるな、2年前なんて世界テロから色々あったわけだしな、僕自身問題も起こしたけどそれだってラディウスが悪信教として暗躍していたからっていうのもあったわけだしな、あの時は確か東京に悪信教が集結していたんだよな、何かしら暗躍しようとしていたってわけだ、だけど今は本当に何も起きていない、いや正式には今回みたいな案件はあるけどそれにしても平和過ぎる、もっと力ある闇側勢力が動いてもいいって思うんだけどな」

パト「2年前の防衛軍は僕から言ってもかなり弱体化してたからね、正義側を壊滅させたいならあのタイミングだと思って僕自身警戒はしてた、だけどそれからはまったくの音沙汰なし、何か企んでいるのかもな」

ファルドラ「そうそう、しかも今回は悪信教とは違うが宗教関係の問題だろ?なら悪信教が裏で絡んでる可能性も充分ありえるだろ、だからこの案件は僕にとっても好都合ってわけだ、何かしらヒントを得られればいんだけどな」

パトはファルドラと真面目な話をしながらも世間話に花を咲かせる。

パト「誰か良い人とか出来たのか?」

ファルドラ「馬鹿言え、そんな事ありえないね」

パト「ぶっちゃけ宝華さんとはどうなんよ?」

ファルドラ「あれは対象外だ、見た目が幼くなったとはいえ中身はあまりにも変態な叔母さん過ぎる、見た目は17歳、中身は37歳は洒落にならんだろ」

パト「でもファルドラは年下が好きなんだろ?え、違うの?」

ファルドラ「それは多分フィロンの事言ってるのか?なら違うな、僕は年下が好きなんじゃない、フィロンが好きなんだぜ?相棒?」

パト「さすがにキモいな、いい歳してるんだからヤバイ発言は控えとけよ」

ファルドラ「お前に言われたくねえよ、実際どうなんよ、どんだけの女を口説いてきたんだ?」

パト「そうだな、最低でも100万人の女神かな、モテモテだぞ、もうそれはそれはマジプレッシャー」

ファルドラ「あれか、自分の行動全てが神格化されるって奴か、動きにくいにも程があるな、エロゲとかの趣味は健在なんだろ?」

パト「勿論だろ、ギャルゲーとかエロゲ―はエロ抜きにしても最高のコンテンツだぞ、それをやめるなんて僕には到底出来ないね」

ファルドラ「それでこそ相棒だな、現実の方がエロゲよりエロゲ主人公やってるのにエロゲの方を選ぶそのヘタレ具合、中々のポテンシャルだぜ!」

パト「うるせ!」

パトはファルドラの肩に対して軽く肘で小突く、そんな会話をして二人は睡眠に入る。

次の日から仕事をするために英気を養うために。

patopatoblog at 03:37|Permalink│日常 | メインエピソード

2026年05月09日

No.206 保護者であり主

トントントン

フルールは扉を開ける。

エイリ「どうぞ、入って大丈夫ですよ」

エイリの返事を聞いてからフルールは部屋に入る。

フルール「エイリ様、今日の業務を終えたのですが」

フルールはエウレカ探偵事務所の業務を終え、エイリに報告していた。

エイリ「はい、ありがとうございます、琴歌様からの指令もありませんし、追加の仕事も今はありません、なので折角という所もありますし、休憩して頂いても問題ないですよ、どうせなら主様の所に行ってはどうでしょうか?確か主様の班も本社に居るみたいですし、たまには元気な顔を見せてあげたらいいと思いますよ」

エイリとフルールはパト達とは別の所で同居で住んでいた。
仕事上パトと会う機会がかなり減ったエイリとフルールとしては元々の専属侍女としての役割を果たしたいと考えていた。

だがパトが「エウレカ探偵事務所では専属秘書という業務は休止だ、エウレカ探偵事務所の社員として与えられた役割を真っ当してくれたらいい、それも僕にとって試したい事でもあるんだ」と言われていたため、今は専属秘書の業務は行わずにOLとして働いている形をとっている。

フルール「そうですね、たまには主様の所に行きましょうか、でも大丈夫でしょうかね、もし迷惑がられたら・・・」

フルールは心配していた、何故なら自分達は距離を置かれているのではないかと考えているからだ。
パトがEDになっている事は勿論専属侍女であるフルールも把握している。

だがその原因の中に自分が含まれていると考えていたのだ。

フルールも専属侍女として性的な奉仕を行っていたため、それが問題だったのではないか、
パト自身そのことに関して気にしている所があるため距離を置いているのではないか、
そう考えていたため、主であるパトの所に向いたい気持ちはあれど本当に向っていいのか、
そう考える。

エイリ「例えそうだったとしても主様が私達を同行する許可をしていただいたのです、つまりフルールが考えいるような事はありません、心配せずに主様に笑顔を向けてください。」

エイリは笑顔でそういうとフルールをパトの所に送り出した。

エイリ(私も最近主様の所に向ってないですね、でも私の場合はメルリア様に申し訳ないという気持ちの方が強いんですよね、私達も同罪だと思う中メルリア様だけが色んな名目はあれど帝国に置いて行かれた、それはメルリア様にとってもとてもショックな出来事です、あれほど一途に主様を愛していたメルリア様ですからね、きっと・・・だから私は少し距離を置きます、パト様に不満があるわけではなく、メルリア様の事を考えて・・・でもそれって主様の失礼なのでしょうね、誰よりも主様を優先するのが私の役目なのに、いいえ、今はその役割も休止している、なら今は個人的な考えを通しても問題ないはずです!)

エイリはそう考えながら業務に戻る。

・・・・・・
パト達A班はエウレカ探偵事務所本社で待機していた。

ミーエル「ああ、資格勉強しないと、なんで私ばっかりこんなに沢山勉強しないといけないんだろう」

雪花「え~どんな勉強してるの・・・ってうわ!難しい!これ全部覚えないといけないの!?3行読んだらもう頭痛で・・・早退しようかしら、暇だし」

ネル「おいおい雪花よ、勉強嫌いもいいがお前も何かしら資格勉強はしておくのだな、知識は戦闘においてとても大事な事なんだぞ、ミーエルその本を見せてみろ」

ネルはミーエルから本を取る、それは過去問等の問題集だった。

ネル「成程、適当な紙あるか?ないなら能力で作るだけだが」

ミーエル「ないから作って」

ネル「仕方ない、あまりこういう使い方をしたくないんだがな、安っぽいからな」

ネルはそう言いながら神羅万象支配内にある創作支配の能力で紙を生成する。

雪花「ネルって攻撃系の能力しか使えないって思ってたけどそうじゃないのね」

ネル「おいおい、それだと雑魚じゃないか、私達ヘブンズハートの最低条件は【神羅万象支配】そして神羅万象支配は全能力の取得が可能、その中で私は攻撃関係が優れているというだけで基本的な能力の使い方ならなんでも出来る、お前らの真似事だって容易だ、治療だって別に出来るには出来るしな」

ネルはミーエルから奪った過去問の問題を紙に書いていた。
軽くペラペラと紙をめくり、一年分の過去問を解いた。

ネル「雪花、答え合わせしてくれないか?」

雪花「おっけ~!・・・」

雪花はネルが解いた問題の答え合わせをする、するとその問題は全て正解だった。

雪花「すご、全部正解じゃない・・・」

ネル「当たり前だ、これくらいの知識持っていなければ能力として扱えないだろう、それに医療知識は戦闘面でも役に立つ、人体の急所を知る事も大事だし、どの部位をどのように効率よく攻撃したら最低限の攻撃で相手を再起不能に出来るかなんて常に得ている知識の中から研究をしている、今のままで充分強いと慢心していたら下の連中に抜かされる恐れがあるだろう、ただでさえ私は今万園ではほぼ下位の世界王だしな、私自身かなり鍛錬と研究を続けているんだ」

ミーエル「関心、ネルでもしっかり勉強というか特訓してるんだ、てっきりずっと遊んでいるとばかり」

ネル「やりがいのある目標があるなら勿論やるさ、帝園の時はやる事がなかっただけだ、なにせ私は序列2位、ミール以外は敵なしだったからな」

ミーエル「一番じゃないじゃん、ミール様がいるじゃん、なら努力しなよ」

ネル「馬鹿言え、次元が違い過ぎて少し努力した程度で埋まる差じゃない事くらい私でも把握していた、ならちまちま努力してもミールの1日で得られる力と私の1日で得られる力の差が100あったとしてそれが99になる程度の努力に何の意味がある、差が開くのを遅くする努力だけしましたなんて負け犬の努力だろう?」

ミーエル「結局負けを認めている時点で負け犬の気がするんだけど、まあ私にはわからない世界だし、別にどうでもいいや、ほらネル返して、私だって別にその問題が難しいなんて思ってないよ、ただ日本語とか英語が難しいって話だよ、私達は本能で理屈を理解してるけど、日本語や英語の文脈や意味で私の知識をどう表現するか、理解するか、それが難しいだけなんだから」

ネル「そうかそうか、なら日本語をしっかり教えてやろうか?私は2日でマスターしたぞ?言葉巧みに主様を貶すためにはしっかり勉強しなければいけないしな!」

ミーエル「努力の方向性が酷い・・・」

雪花「ネルって本当当たり前のように努力が出来るタイプなのよね、しかも普通に頭も良いと来た、普通に脳筋キャラだと思っていたのに、なんか裏切られた気分だわ」

雪花が不貞腐れているとトイレからパトが出て来た。

パト「なんの話をしてたんだ?」

雪花「ネルがかなり頭良い事にちょっと不満というかキャラがブレてるというか」

パト「まあ頭良くないとあんなに能力は扱えないよな、雪花も何か勉強とかするのか?僕は勿論しないけど、強いて言うなら計算が強くなりたいくらいかな、お金の計算出来ないと社長として色々終わってるし」

雪花「私だって・・・うん全然してない、勉強嫌、なんで大人になってまで勉強しなきゃならないのか意味わからない、資格なんて頭良い人に全部取らせて名前だけ借りたらいいじゃない、そういう意味で月花お姉ちゃん達が居るんじゃないの?」

雪花は頭を抱えて包まってしまう。

パト「ほぼほぼ同意見だけど国外で資格を求められた時に誰も資格を持ってなかったら誰かの資格証と資格保有者が到着するまで足止めをくらう事になるんだぞ、それは流石に困るだろ?」

雪花「それこそミーエルちゃんに取って貰ったらいいんじゃない?頭良いし」

ミーエル「私は医療の知識が豊富なだけでそれ以外の知識は全然だよ?」

パト「僕なんて義務教育レベルだぞ?まあ流石に帝国で何度も授業をしていた分多少は学力は上がってるかもだけど、その殆どが多分地球の物理では役に立たないものばかりだしね、いや、どうなんだろ?実際にやったことないからわからないや、物質というか概念が基本違うしなぁ~」

パトは考えている所にフルールがやってきた。

フルール「パト様、お元気そうで何よりです」

フルールはニコっとパトに向けて笑顔を向けた。

パト「フルールじゃないか、どうしたんだこんなところまで来て?何か不手際とかあった?」

フルール「いえいえ、私の業務が終わって落ち着いたのでパト様の所に遊びに来たって感じですかね」

パト「そうかそうか、なら折角だし二人で散歩でもしようか!皆僕とフルール席を空けるからゆっくりしててよ」

パトはそう言うとフルールを連れて外に出て行った。

ネル「随分嬉しそうだったな、あの娘がそんなに気に入っていたのか?」

雪花「まあパトが個人的に保護している子だしね、歳は近いかもだけど色々特別でしょ、娘っていったら肉体関係あるし色々拗れてヤバイけど、大事だと思うよ」

ミーエル「実際気にしてたしね、でもどこか地球の方がフルールちゃんは向いてると思ってるみたいだし、実際フルールちゃんくらいの実力でもなんとかなるから地球は居心地いいかもね、帝国に比べたら」

3人は話を続けていた。

・・・・・・
パトとフルールは街をゆっくり歩いていた。

パト「どう、地球は馴染めそう?帝国よりかは居心地良いと思ってるんだけど」

フルール「はい、実際私でも実力を発揮出来るといいますか、むしろエイリ様程出来る方が色々地球に合わせて規制されているのが辛そうだなとは思いますが」

パト「それは仕方ないよ、僕は別に無双したい訳じゃないからね、チートとかそんなものはなしで自分の使えるものでどこまでやれるか、それが僕達のやりたい事だからさ、出来れば帝国基準のスペックは使わないで欲しいんだよ」

フルール「そうですね、その考え方なら私はバッチリです!しっかり適応出来てますよ」

フルールは笑顔で答える、その姿を見てパトも安堵する。

パト「でも安心したよ、ずっと僕の所に来なかったからさ、忙しいのかなって思ってたんだよ、そろそろ僕の方から顔を出した方がいいかなとか」

フルール「そんなことは・・・いえ色々忙しかったのも本当ですが、実際は少しだけ気を使ってました、私なんかがパト様の所に行って良いものかと」

パトはフルールが何を気にしているのか、それをすぐに読み取った。

パト「フルールは関係ないし、もちろんエイリだってメルリアだって関係ないよ、誰も悪くない、強いて言うなら僕が弱かったのが原因だ、器があまりにも小さすぎたんだ、もっと寛大ならもっと皆を幸せに出来ただろう、帝国だってメリア達にとっても有利な国営に導けたものを僕一人の我儘で止まっていた事だって多い、それは僕が色々と弱かったせいであって皆の責任じゃない」

パトは少し悲しそうな顔で前を見る。

パト「今思うと意地になって肉体関係を拘る必要も無かったのかなって思ってるよ、なにせ僕は帝国の国王だ、国益を考える事も国民を裕福にさせるのも僕の義務だ、皆僕を信じて僕達の国に身を委ねているわけだしね、だったら僕は躊躇してたらダメだったんだ、メリアの言う通り身体を許して進化させて強化させて、子供を孕ませて、将来有望な遺伝子を残す、現存の女神達も性行為までしたら世界を持つ事が出来るかもしれない、そうなればエウレカ帝国は大きな進化を遂げてすぐにでも世界で一番の国が出来ていたかもしれない、誰もが望むハッピーエンドを僕だけが頑なに拒んだ結果なんだ、だから僕が悪い」

フルール「そうやっていつも自分だけが悪いって思い詰めてる、それだと疲れるでしょう?」

フルールは言葉を崩す、今は専属侍女、いや主と従属の関係ではなく保護者と保護されている者として話をする。

フルール「パト様がそこまで考える必要は今はないと思います、国王とただの国王様のご厚意で保護された市民の私程度が対等の価値観を持つというのが不可能なのは理解してる、でも私は主であり、国王であり、私を保護してくれた大事な人だからこそ言える、貴方は今自分をそうやって攻めるべきじゃないです。やり方が悪かった、パト様にばかり負担を掛けるやり方がおかしい、そう考えるしかないじゃないですか、そもそも男性一人で数百万の女神を孕ませるなんてどう考えたって無茶苦茶です、道徳的にも酷いと思います、パト様を酷使させれば成り立つなんてそれは成り立つなんて言いません」

フルールは震えながらパトの腕袖を掴む、出過ぎた事を言っていると思っているフルールの声はどこか必死で、少し泣きそうな顔でパトを見つめる。

パト「ごめんね、別に自暴自棄になってるわけじゃないんだ、そういう可能性もあったって話をしたかったんだ、僕だって間違っていると思っていたよ、モラルとか道徳は置いておいても100万も10万でも毎日毎日なんて絶対に無理だ、例え出来たとしてもそうなると大事にしたい子達をおろそかにしてしまう事になる、全てを得ようとして大事な物を失うなんて馬鹿な話はないだろう?だから僕は大事な物を優先したんだ、その選択に今は後悔はないよ」

パトはフルールの頭を優しく撫でる。

フルール「その大事な物の中に私が入ってるのは凄く嬉しいです、私は貴方に全てを救われた、だからこそ私の全てを貴方に委ねると心から誓っています。別に私が専属神の皆様のように特別になれるなんて自惚れてはおりません、メルリア様やエイリ様よりも愛されたいなんて望んでおりません、だけど一番非力であってもお傍に置いてほしい、お傍で貴方のお力になりたい、そう思っています」

パト「ありがとう、そこまで言ってくれたら流石に照れるよ、でもそんなフルールだから一緒に連れて来たんだよ、これからも遠慮せずに僕の所に遊びにおいで僕は君の保護者でもあるんだからさ」

フルール「はい!」

パトとフルールは手を繋ぎながらゆっくり散歩を続けた。
フルールの表情は先ほどまであった不安の感情はなく、晴れやかな表情だった。




patopatoblog at 05:32|Permalink│日常 

2026年05月06日

No.205 慣れてしまった性欲(R18)

メリアは語る。

メリア「ご主人はずっと帝国の多くの女性と過ごしていました、結果的に言えばそこまで多くの女性と肉体関係を結ぶことに成功は出来ませんでした、そこは私の落ち度だと思っております、もっと精神面に考慮した環境を整えていればもっと肉体関係を持つ女性が増えていたのかもしれません」

ここは地球、パト達の自宅。

そこに居るのはメリア。

彼女はただ一人パト達の住処を守るために専業主婦として家を守っていた。
元々は離れ離れになってもいいと考えていたのだが、パトがEDを発症したと聞き、
カウンセリングの意味合いを込めてメリアが近くで観察する事になったのだ。

メリア「夜伽は恐らく不可能、むしろ女性に対して何も感じない、性欲がない状態になっているとなればこれは由々しき事態です、例えばこれば私達のような特別と思っている異性に対して股間が反応するのであればそれもまた仕方ないと言えたのですが、今回は違う、私達にも反応していない、そもそも多くの女性の身体を見る機会があった帝国で2年間過ごしていたのがマズかったのかもしれませんね」

それは慣れのようなものだった。

例えばエロ画像を見ているとしよう。
心が欲情している時にエロ画像を見ればそれだけで性欲発散を満たせる条件が整う。

だがそのエロ画像を何度も見ていると最初に見ていた程の性的興奮が出来なくなる、
そして次に別の画像、動画、ジャンルに手を出す、だがそれらを続けていると【慣れ】
が発生してくる。

つまり今パトに起きている事は女性の身体に対する【慣れ】だった。

2年間、絶世の美女と呼ばれても差支えの無い女性の裸、パトの好みドストライクの女性の裸、可愛い系、美人系、幼い系含みある程度のジャンルの女性の際どい姿から裸体までパトは見せられてきた。

それはメリアが意図的に行ってきた事だった。

だが結果、それがパトの女性慣れに繋がってしまった。
慣れてしまえば欲情しなくなる、いつでも目に入るもの、つまり日常背景の一部に落ち着いてしまうため欲情対象になりにくくなるのだ。

そして問題がもう一つ。

目が肥えているのなら想像はどうだろうか?
女性の柔肌、体温、上から下までの女性だけにしかない部位の感触、それらを想像しない男性はいないだろう、むしろ女性だって想像する。

パトは確かに目が肥えている、だが触ってしまえば話は別だろうと考えた。

だがそれもダメだった。

少なくともパトは10名以上の女性と繋がりを持っていた。
専属神ならソフィアを除く9名
従属ならバハートや天野江奏星、フルール、エイリ、メルリア 5名

帝園や他の園の住人はメリア側は把握していないため、詳しくはわからないが
帝園というファンタジー要素のある世界での女性を見ている上に恐らく多くのシチュエーションを堪能しているであろうパトにとって今更女性の事について想像するまでもない事になっていたのだ。

人は知らない方が良い事もある。
例えば女性の胸、生まれて一度も触れた事がない男性なら一度なら想像するだろう、
どれほど柔らかいのか、どんな感触なのかと。

だが触れてしまえばそれまでで二度目からは強い感動は得られない。
強いて言えば大きい胸を触れたのなら次は小さい胸を触ってみたいと考える程度だろう。

だがパトはそれも満たしていた。

なら性行為は?それもダメだった。
変態的行為は変態的ジャパニーズ達が沢山試してしまっていた。

帝国出身の神達はあまり性に積極的ではない、それは種の繁栄にそこまで意識していないからだ
つまり体位で言うと正常位かバックかくらいのバリエーションしか存在しない。

だが地球出身、雪花や月花、カナやハク、琴歌の性行為バリエーションは凄まじかった。

メリアは調べた。
正常位からだいしゅきホールド、松葉崩し、騎乗位、も顔面から背面、密着、バックだと寝バック、立ちバック、立った状態から対面、背面、駅弁、座位で言うと対面、背面とあらゆる体位で性行為を堪能していたのだ。

メリアも「ご主人を満足させられるなら素晴らしい事です!!」と勉強しては篭絡してきた。

今言ったメンバーの中で最も変態的な性行為に励んでいるのは月花とカナ、パトと意志疎通が出来る二人だった。

なんとシチュエーションまで加えてしまったのだ。

上司と部下、先生と生徒、幼馴染、痴漢、セクハラまでまあ変態的な行為を楽しんでいた。

雪花の場合は二人共体力に自信があるため多くの体位を楽しむ事が多く、普通だったら「それ肉体的にキツくない?」とメリアが思うような複雑な体位や〇時間耐久セックス!!等平気でやっていたと耳にしていた、噂では雪花は騎乗位が非常に得意であるらしい。

ハクと琴歌は受けの天才だ。
ハクは男性心をくすぐる受け100%の立ち位置に居るため、パトの好奇心を満たすには充分なのだろう。

琴歌は言葉が上手い、行為自体は普通寄りなのだが言葉が上手い、パトはそれだけで充分だった。
あと多分前戯が凄く上手い。

専属神だけでこれだ。
従属のバハートとなれば現役アイドルという背徳感を最大限に利用した純愛系
フルールやエイリは3Pプレイ等の複数プレイで優秀、奉仕関係は強い。
メルリアは全てにおいて万能、勉強熱心が行き過ぎた、流石はパトを壊した張本人である。
奏星は・・・変態的過ぎて喋りたくない。ただ一言言うと、顔面騎乗からの放尿プレイはメリアもキレた。

っとこの2年ほぼ毎日性行為を繰り広げた結果。
性行為そのものに特別感を見出せなくなっていた。

・・・・・・
メリア「どうしましょう・・・本当どうしましょう・・・義務感でもいいので勃ってほしい・・・いや!私が嫌!!義務感でやってほしくないです!!」

メリアが頭を抱えて頭を大きく振る!

メリア(しかもご主人的にも「どうせ帝国に戻れば色んな子とヤろうと思えばヤれるしな」みたいな考え方があるのがそもそもマズイ!あまりにも身近に置きすぎたせいで性行為という価値観が完全に暴落した!!)

メリア「由々しき事態ですよ・・・今地球に居るメンバーの中に雪花、月花、琴歌、という変態三銃士が居ます別々のジャンルで突出している子達が居るんです!なんとか時間掛けてご主人のEDを直さないと!!私の失態が!!それ以前にご主人に抱いて貰えないのはいや~~~~~~~~~!!!」

メリアは一人煩悩まみれの悲鳴を上げていた。

・・・・・・
パトは普通に部屋に居た。
メリアは薄着一枚でパトの横に座った。

その服はメリアの上半身のボディーラインをくっきり浮き出させている上にメリアの胸の頂上にあるものの形からくっきりと浮彫になっていた。

そして会話をしながらもメリアはパトの腕にくっつく、勿論胸は押し付ける。

メリア「順調に仕事が進んでいるようで何よりですよ!ご主人」

パト「ああ、僕もメリアが家を守ってくれるから凄く安心だよ、多分暇を持て余すと思うけど頼むよ」

・・・・・・

メリア「ぜんっぜん反応してくれないです!!」ドン!

メリアは地面に伏せていた。

雪花「無理よ、私達が何もしなかったと思う?」

メリア「え、獣みたいなエッチが得意な雪花ちゃんでもダメだったんですか?」

雪花「殴るわよ、人を性に飢えたサルみたいに言わないで!いや前戯までやったのよ?でも勃たないのよ、勿論舐めてもみたし、素股?もしてみたけど全然ダメ、雰囲気を作っても「もう疲れたし、寝ようよ」みたいな事言って私に手マンして終わりよ?」

メリア「自分だけ満たされて恥ずかしくないんですか?」真顔

雪花「いや、そこで終わったらセックスレスになりそうで・・・」テレ///

メリア「雪花ちゃんの性事情はわかりました、まったくもっと官能的に誘惑してくださいよね」

雪花「乳首浮き上がらせても一切反応されなかった奴がよく言うわよ!もうその胸より人をダメにするクッションの方が需要高いんじゃない?」

メリア「なんてこと言うんですか!私の胸は張りも形も完璧なんですよ!!極上です!!それが飽きるなんて!!」

雪花「うるさいわね、もっと静かにしなさいよ、そもそも巨乳って言ったらミーエルちゃんに敵う子いないでしょ、あの子に聞いてみたらどう?」

メリア「え、ありえるんですか?あのエロとは程遠い子が?」

・・・・・・
ミーエル「え、そのおっぱいを主様に使った事あるかって?」

メリアはとりあえずミーエルの部屋に来ていた。

ミーエル「ないない、そもそも主様私に欲情しないんだよ、何度か裸を見られた事あるけど・・・なんでだろうね、恥ずかしそうというより、「ああ、また裸かよ、面倒臭いな」みたいな顔で見て来るんだよ、どっちかと言うと裸を見た事で私のリアクションの対応をする面倒の方が強いみたいで、最近なんか私も反応するだけ無意味かなって思ってきてるんだよね、お互い面倒なのは嫌だしね」

メリア「そこまで来るとなんか悲しいですね・・・」

ミーエル「ちゃんと言ったんだよ!どうしてもっていうならこの身体で満足してもいいって!私も従属の自覚はあるし、ちゃんと主様に尽くすつもりだからね!でも主様は今も昔も一切求めてこないんだよ!!なんでだろうね!」(´;ω;`)

メリア「涙拭いてください・・・」

・・・・・・
メリア「え?!ギリギリまで行けたんですか?!」

月花「ええ、パトってさ狙ってされるのが嫌っぽいから、ラッキースケベ風にやったら濃厚なキスと愛撫まで行けたわ」

メリア「あの!射精は?!」

月花「勃たないから無理よ、でも流石はパトね、もう私の弱点を把握してるからすぐに飛ばされたわ・・・あとわざとなんだけど無意識みたいな感じでボディータッチさせたら少し反応するわよ」

メリア「流石頭脳ですね!月花ちゃんがご主人の頭脳役で本当によかったです!」

月花「こう言う事で褒められたくないんだけどね・・・メリアちゃんは最近どうなの?」

メリア「見ての通りです、あからさまに誘惑しても全然・・・なんかそのまま押し倒すのは忍びないと言いますか・・・」

月花「結構メリアちゃんって受けよね、攻めないの?」

メリア「勿論行為中は攻めます!でもお誘いは殿方からというのがセオリーでして!!」

月花「そのままだとずっとレスよ?」

メリア「ぐぬぬ・・・」

・・・・・・
メリア「・・・あの~~」

琴歌「見てました、夜のお話しですよね」

メリア「琴歌ちゃんは最近その~~」

琴歌はため息をついてメリアを抱きしめる。

琴歌「怯えないでください、ここでは私が尊敬するメリアさんです、メリハリはしっかりしてますので仲良くしましょう」

メリア「うう~~」(´;ω;`)

メリアは琴歌の優しさに泣いてしまった。

琴歌「パト君との夜ですよね、ずばりですが、私は全然なくても大丈夫です、むしろ2年経ったとは言え体力がないのは昔から変わりません、つまり私が誘っても動くのは絶対にパト君です、私は完全な受けですからね、だから遠慮しています・・・一度だけ無理矢理やろうとしたことはありますけどね」

メリア「その話詳しくです!」キリ!

琴歌「私の世界には性欲を増やす【援泉(えんせん)】があります、その泉の中に入っている間は性欲が増強されて凄くムラムラします、実際私も何度か自主訓練のために何度も入りましたがその・・・自慰行為で股間を痛める事が多い程ムラムラします、入らなくていいなら入りたくない泉です。」

メリア「鍛錬のためなら仕方ないですよ!むしろよく頑張ってます!それでそこにご主人を誘ったというわけですね!」

琴歌「はい、パト君も以前に誘って一緒に入った事があったので、知っている状態で入ったのですが・・・」///

琴歌の顔が赤く染まった。

メリア「上手く行ったのですか?」

琴歌「私が・・・攻めちゃいました///」

メリア「ご主人は?」

琴歌「私が先に果ててしまって・・・その・・・不発でした、多分勃ってはいなかったと・・・、舌使い上手でその・・・下を舐められるのって凄く好きで・・・」///

メリア「ダメじゃないですか、もっと性欲制御してくださいよ、ソラリアさんはどうしてるんですか?」

琴歌「あの人凄いんですよ!まるで痒い所を掻く感覚でサラッと自慰をして発散してリラックスしてるんですよ!どうしたらその領域に到達するのか・・・」

メリア「それはなにか大事なものを失ってそうで怖いですね、琴歌ちゃんはそこまでにならなくてもいいんじゃないですかね」

琴歌「お力になれなくてすみません、ですが私はその時の経験を得て無理矢理は良くないなと考えました、私自身そのような泉に入らなければ性欲は強くありませんし、普段の生活に支障がないので今のままでいいかなと思っています」

メリア「まあ、琴歌ちゃんがいいならいいですけどね・・・私が耐えられるか・・・」

・・・・・・
メリア「はぁ、皆さん色々努力しているんですね、私はどうすれば・・・」

自分の策がここまで自分を苦しめるとは思っても居なかったメリア。
メリアは仕方ないと諦め、自室に戻る。

・・・・・・
パト「・・・はぁ、やっぱり全然反応しない」

パトはメリアが誘ってきた事に対して冷たい態度を取った事に後悔していた。

パト(でも仕方ないじゃないか!反応しないんだから!となるとまた相手の性欲を発散させて満足させて終わりになるんだ!僕だって性欲がないんじゃない!性欲はあるんだ!ぶっちゃけ雪花や月花、琴歌と交わりたい!!勿論メリアとだって!!でも反応しないんだよ!生殺しも良い所なんだよ!うう・・・どうやったら治るんだ・・・これ・・・)

パトはモンモンとしながら眠りにつく。

これは一晩の若い男女の性の葛藤。



patopatoblog at 04:22|Permalink│日常(R18) 

No.204 第四期の女帝達episode2

シンはハルの元から離れて少し休憩していた。

シン「あの子、私の攻撃・・・」

結局通用しなかった攻撃、その攻撃はどこまで彼女に通用したのか、本当に本気を出せば通用していたのか、そんな事を考えるシンだが、一度離れてしまった以上もう一度試すという行為を選ぶのは何処かプライドに傷がつく、そう考えた彼女は次の場所に居る【愛全の究極系 アム】の件について考える事にした。

シン「一度ミール様の所に戻ってみようか」

・・・・・・
シンは再度ミールの居る場に足を運ぶ。

ミール「どしたの?忘れ物かな?」

シン「白々しいですよ、見てたんですよね?」

ミール「まあね、シンの思惑通りだよ、彼女、いやもう一人のアムもだけどあの二人には強さの基準というか概念がないから順位が存在しないよ、戦って勝つ事もないし、負ける事もないって所かな、そんな子に順位をつけろっていうのが無理な話だと思わない?」

シン「では私でも勝てないと?」

ミール「どうだろうね、私なら勝てると思うけど、でもそれって強さでっていうよりほぼズルで勝つって意味に近いんだよね、私自身の力で勝つというよりかは帝園という世界そのものを利用して脅す感じかな、そうでもしないと勝敗をつけれない子に勝てないんだよ」

シン「ミール様程の人でもそんな子が帝園に居るんですね」

ミール「そうだね、でもそれって凄く特殊というか特別枠だね、例えば君達の母、エステルだって私は彼女を殺せないし、彼女自身に順位はないよ、勝ち負けとかいう概念が彼女にはないからね」

シン「そうなんですか、てっきり私達のような従属を作る事に特化した方なのかとばかり・・・」

ミール「その認識で間違いないよ、でもそんな彼女をもし殺そうとしても絶対に死なないって話、例えば私が世界を使って彼女を無限に殺したとしも私は彼女を殺しきれないんだよ、勿論彼女自身に戦う力は備わってないから私が負ける事がない、ほら、勝敗がつかないでしょ、だから順位がつけられないんだよ、なんで死なないかって話になると彼女自身が帝園と直結してるからかな、別に帝園にだけに限らないんだけどね」

シン「そうなんですか?私エステル様の事、結構知ってるようで何も知らないんですね、少しでもいいので教えてもらってもいいですか?」

ミール「ユグドラシルって知ってる?世界樹でもいいけど」

シン「はい、知ってます」

ミール「あれって星の生命エネルギーと直結して育つ植物ってイメージだよね、エステルはそんな感じの能力も持ってるんだ、つまり帝園だから栄えたんじゃないんだ、エステルが帝園に居るから栄えたんだよ、エステルが帝園のエネルギーを利用する事で君達が生まれた、そして直結した世界とエステルは同化する、つまり人間の姿のエステルを殺しても無意味なんだよ、本体は帝園なんだから、だったら世界を壊せば終わりだと思うでしょ?でもそのエステルの根が私自身にも芽生えていたらどう?つまり私が死なないとエステルを絶対に殺せないって事になるよね、それがエステルを殺せない理由なんだよ」

ミールが語ると少し笑顔になって完結を述べる。

ミール「結論から言うとエステルは帝王様と同じ性質を持ってるの、本人だけ殺しても死なない、多くの条件を満たしたうえで殺さないと死なない、だけどその条件が私でも無理ゲーだから殺せないそれだけの話ってわけ」

シン「そうだったのですね、ミール様ですら殺せないなんて」

ミール「本来御神体の連中ってそんな奴ばっかりだよ、ヘブンズハートのメンバーに第七園の御神体フラ、第六園の御神体リルが居るけど、あの二人はまだ成長過程だからまだ勝敗のつく強さの範疇に居るだけ、元々御神体は帝王様単体から生まれた未成熟な世界王達、シン達が【世界王の素質を持つ従属】とするならば御神体は【成熟する前の世界王】ってことになるのかな、勿論世界王として覚醒してる私みたいなタイプも居るけどね、そして最近世界王として成った第八園御神体エテル・ホープ・ノーミール、が最近私に続いて二人目の世界王として現れた」

シンは聞いていると疑問に思う。

シン「なんでフラやリルをヘブンズハートに?本来であれば世界王として何もしなくても覚醒する従属なのでしょう、ならわざわざ第二園に所属させる意味がないと思うのですが」

ミール「環境が悪いって所かな、ほらフラの所もリルの所も御神体である彼女達に凄く甘いんだよ、つまり現状に全然困ってない、世界王覚醒には余程強力な力を備えているか、もしくは帝王様と契約して一定数の強化を施してもらうかの手段が必要になってくる、御神体単体だけで世界王覚醒まで持っていく事は可能だけどそこまで意識の高い子なんて居ないからね、あの第四園御神体ティエルでさえ自己鍛錬なんてまったくしてないんだから、それが結局の所の現状なのよね、だから第二園で鍛えた方がいいかな~って思って入れたんだ、意味合い的にも別に間違ってるわけでもないしね」

シン「そうですか、色々理由があって所属している子もいるのですね、色々お話出来て良かったです」

シンはミールとの話を終えると次の場所に向おうと準備を始めた。

ミール「あ、次はアムの所に行くんだよね?」

シン「はい、どんな子か私が直接確かめようと思いまして」

ミール「なら粗相は気を付けてね、あの子、自分からは何もしてこないけど、こっちから攻撃をすると多分シンでも負けちゃうかもだから」

ミールはニヤっと笑いながら告げる、その言葉の意味を理解出来なかったシンは不安な表情をしながらもアムの所に向かう。

・・・・・・
シンはアムの居る場所に向かう、場所を聞いていたが同様を隠せなかった。

シン「ずっとここに居たの・・・?」

シンが驚くのも無理はなかった、そこは第二園が存在する時からずっと存在する建物、今や誰も居ない、主が誰かもわからない、御神体を祀る御神殿だった。

シン(ここは私でも足を踏み入れた事が無い場所、というよりかは足を踏み入れられなかった場所、ミール様から聞いている、第二園の御神体カル、名前だけミール様が見つけ出しただけで姿、存在すら認知されていない御神体の一人の唯一の手掛かりになる場所・・・そこに居るっていうの?)

シンは思い出すミールが「御神体かも」という言葉の意味を。

・・・・・・
シンは御神殿の前に立つ、足がすくむ、先ほどシンが御神殿に立ち入らなかった理由でもある、それがこの恐怖心だった。

シン(確かこの場所、ネルが好奇心で入ろうとしてたけど、あのネルでさえ、「興が冷めた、帰るぞ」と言って立ち去った場所、ベルも「ここなんか気持ち悪い、帰る」と言って帰った、私も同じ気持ちだったから立ち去った、今も全然変わらない、でも愛全の究極系アムはここに居る。)

シンは恐怖心を抑えながら御神殿の扉に触れる、するとシンの身体全身に電撃が流れる、実際には流れていない、だがそう錯覚する程にシンの身体は身動きを取る事が出来なかった。

???「立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ」

シンは冷や汗で身体を埋め尽くしていた、今すぐにでも服を脱いで楽になりたい、だけど服を脱いだらきっと死ぬ、そんな命の危機を感じる程にこの扉の威圧感は凄かった。

シン(もし、もし御神体が居た場合、その場合ミール様以上に強いなんてことがありえるのだろうか、でもミール様が名前までしか認知出来ていないという事はそれ以上の情報を意図的に抑えているという事になる、つまり一部とは言えあのミール様を掻い潜る力を持っているという証明になっているのではないか)

シンは長い時間扉の前で立ちすくんでいた、進むのが怖い、だけど進まないとアムという女性に会う事が出来ない、別に会わなくてもいいのではと思いはするがそれでは結局彼女の事を知る事が出来ない。

シン「行こう・・・」

シンは扉をゆっくり押す、既にシンは全力の力を身に宿していた。そして扉を開けて奥に入る。

・・・・・・
そこには一人の少女が居た。

茶色の髪、眼鏡をつけてただ座っていた。

シンは一瞬でわかった、彼女がアムなのだと。

シン(嫌な気配が消えた?良かった・・・)

シンは緊張が薄まった事に安堵し目の前に居る彼女に話しかける。

シン「貴女がアム、でいいのかしら?」

??(アム)「?私の事ですか?私はアムという名なのですか?」

シン「違うのかしら?なら貴女は何者?」

??(アム)「わからない、ずっとここに居るけど、私をアムと呼んだ人は貴女が初めてです、私はアムという名前なのでしょうか?」

シンは確信した、アムという名はミールがつけた名なんだと、名が存在しないからミールが名付けていた名前なんだとすればこの子には本来の名前がある、それが何かをシンは本能で確信して、それを言葉にする。

シン「カル・・・なのですか?」

??(アム)「カル?アムではなく?」

シン「ごめんなさい、気にしないでください、ですが貴女はずっとこの場所に居たのですか、ここは第二園、一般人はこの園どころか、このような場所に立ち入る事すら出来ません、いつからここに居るのですか?」

??(アム)「わかりません、ですが私が認識しているこの一週間の間はずっと自然に衣食住の物が自然と集まりました。」

シンはそう言う彼女の周りを見ると確かに豪華な衣類、充分どころか一人分にしてはあまりにも多く、そして貴重な食材の数々、そしてこの御神殿という住居、全てが整っていた。

シン「一週間というのは、それまでの記憶は存在しないんですか?」

??(アム)「わかりません、私も自分の事を考えた事があります、自分が何者で何処から来たのか、何故この建物の中に存在しているのか、でもそう考えていても答えは出ません、ただ私自身何も出来ない、でも目に見えない誰かが私の事をずっと見守ってくれてるみたいに色々助けてくれるんです、だから私はここに居た方が良いんだと思って・・・ずっとここで過ごしていました。」

シンは彼女の言葉を聞き、一言「ちょっと調べさせて貰ってもいい?」と承諾を得て建物内を調べる。

・・・・・・
綺麗な建物、生活感があるが一週間以上住んでいると根拠づける物が一切ない。

シン「片付けや洗濯は全部自分で?」

??(アム)「いえ、私は一度もやった事がありません、ただ着替えが必要だと思ったら置いてくれている服に着替えていました、食事も料理が出来ないのですが誰かが私の口に合う料理と食材を選んで作ってくれます、建物もいつも綺麗になっています、一度私が食事を落として汚してしまっても自然にその汚れが消えてしまいました、でもそれがこの建物での日常であるなら私はそうなのだと受け入れていました、なにせ自分自身の事が一番わかっていませんので・・・」

シン(これは厄介ね、さっきから言ってる誰かの気配なんて一切感じない、それなのにこの子は一貫して誰かに守られていると言ってる、私は全然気配を感じないのに彼女は何かを感じている、それが全然わからない)

今までにない得体の知れない存在。それがシンにとってアムの第一印象だった。

シンはその存在を確認するために御神殿に攻撃を仕掛けた。

シン(ごめんなさい、でも試させて、正直私ですら意味がわからないのよ)

シンは無数の攻撃を御神殿にうち放つ、その威力はネルに及ばずだがその性能に最も近い威力で撃ち抜き続ける。

シンは能力の究極系、その性能は全究極系が集結した時、どの分野に置いても一番ではないにしても二番手であれる程の素質を持つ、それは別名【万能の究極系】とも言いかえれる程の性能を持っている。

シンはネルの即死性能を持つ絶対的攻撃性、ベルの絶壁性能を持つ絶対的防御性を兼ね備え、ノラの無限性能を持つ無限性能を掛け合わせ御神殿に対して攻撃を続ける、その威力は帝園序列6位に相応しい、あの第七園御神体であるフラ以上の力を持つ化物的性能を発揮する。

シン「はああああああああああああああああああ!!!!!」

ガガガ!ドドドドド!!!バババ!!!

建物は粉々に壊れていく、その破片がアムの無情にも降り注ごうとしていた。

シン(女帝ならこの程度でくたばったらダメ!!)

シンは心を鬼にしてアムに特大の光線をうち放つ!その性能はテルやセラレベルですら受ければ無傷では居られない程の火力!

シンは攻撃を止めた。
そして見た。

アムの周りの次元が歪んでいた、全てを抑えていた。
アムは怯える所か現状を一切把握していなかった、恐らくアムの見ている風景は何も変わり映えのしない風景なのだろう、アムを怖がらせてはいけない、そう思わせられる程歪んだ空間内は何も変わり映えのしない空間が広がっていた。

シン(無傷、どんな現象ですら絶対に突破する性能を持った攻撃を狙ったのだけど・・・)

アムの周りで留まっていた現象が歪んだ空間の中に取り込まれていく、そしてシンが反応した一瞬の間でシンの周りの空間が真っ白に広がる!

シン「な?!」

シンは驚きを隠せなかった、全てが何事も無かったかのように元通りに戻っていたのだ。

シン「時戻し?時空を操った?でもそんな気配は一度も?!」

シンも能力の究極系、時を支配する事は造作もない、むしろそれも考慮して時耐性を強力にし絶対に干渉させないようにしていたほどだった、だが通用しなかった。

シン「どんな手品を使ったのよ?!」

アムは何事もなかったようにシンの元に歩く。

シン「・・・この感覚、まさか姉妹とフェアとティエル、ミール以外で感じる事になるなんてね」

シンは本気の目になる。

シン「フィルドレッド・ハルグレンダーサ・シュパローン」

シンの周りに全次元が集結する

シン「穿て!!」

シンは全次元をドリルのように回転させ、アムに攻撃を仕掛けた!

シン「それで終わると思うな!!ウラドラーマ!!!カガファードラ!!ニュトラスラボエンダ!!!!」

全時が止まった、未来も過去も全ての選択肢も全てが止まった!完全にシンが「完全的中」という絶対だけを引き当て確実にアムに当てる準備を整える!

世界の耐性という概念を全て壊した、これでシンの意志一つで全てが崩壊する、全ての生命も虚しく崩壊する!

シンの肉体は高次元体となる、結果全ての攻撃が無効化は勿論全ての攻撃がシンに当たった場合高次元物質へと変換され相手の特別な特性全てを適応させた絶対的貫通性を持って反射する!

シンの持つ最強クラスの能力を一気に3つも使用した!

シン(妥協はしない!さっきハル相手に私は無様を晒した!試すならここまでしないと何もわからない!ミール様が勝敗でどうにかなる次元ではないと言った以上その言葉がどこまで真実か、それを確かめる必要が私にはある!!!)

シンはアムに攻撃を仕掛けた!!!

・・・・・・
シンは目を一切逸らさなかった、次はちゃんと全て見えた。

アムはダメージを負った、アムを守っていた歪みがシンの猛攻に耐え切れずにアムに傷を与えてしまった、だがその瞬間だった。

アムの頭に鬼の角が現れた。

アム「最も攻撃性に優れた姿で・・・」

アムがそう呟いた瞬間全ての能力攻撃をアム自身が全て弾き飛ばし始めた!
その間に一度貫通した次元は修復し、さらに強固なものになった、そしてシンを敵と認識したのか
その歪んだ次元はシンに襲う!だがそれを想定していたシンにその攻撃が届くことが無かった!

だが歪んだ次元がシンに触れた事でシンがその歪んだ次元の正体を理解出来た。

シン(帝園?!?!)

その答えは帝園そのものだった。
帝園という世界そのものがアムを守っていた、そして帝園がシンに敵と認識し襲い掛かって来た!

シン(馬鹿な・・・帝園そのものがあのアムに纏っていたというの?!愛全って・・・まさか世界そのものも含まれるの?!馬鹿げている、全てに愛される究極系・・・それでミール様はそんな名前を)

シンは次に見たものは鬼化していたアムが次に精霊化したのだ、そして全ての現象を吸収し始めた、
そして次に聖人化、エルフの耳を生やした彼女が凝縮した現象全てをシンに向けて撃ち返してきたのだ!

シンは自分が一度高次元体に変換した物質のため防ぎきれないと考えかわす!

シンが一瞬目を話した瞬間にアムは再度鬼化してシンの頭部に蹴りを入れる!!
シンは軟体化しその衝撃を吸収し、変幻自在を扱い、アムを取り押さえる!

シン「もう攻撃はしない!治まりなさい!!!」

アム「抑えられて動けない、もっと力が欲しい」

アムはそう言うと帝園がアムに向けて力を与える!その中にはシンの力も含まれている!

シン「はあ?!馬鹿げている!!愛されているからってそんな事まで貢がせるつもり?!もういい加減にしなさい!!」

シンはアムの頬にビンタする!だがその攻撃も辛うじて歪みが抑える。だがその行動でアムが冷静になるには充分だった。

・・・・・・
シン「悔しいけど本物だわ、強いわ、それに・・・」

シンは確信した、彼女は第二園の御神体カルだと。

シン(記憶を失っている理由も全然わからないけど絶対に彼女はカルだわ、あんな戦い方が出来る従属なんて絶対に居ないわよ!そもそも色んな種族に変わっていたのもどの種族の特徴にも当てはまってないし!神族の私ですらそんな芸当なんかできないわよ!)

シンは頭を悩ませた、ミールは気付いてないのか?彼女が今まで姿形も現さなかった御神体だってことを、恐らくミールの攻撃がアムに通用しなかったのは同じく帝園を利用した攻撃だったからだろう、だから同じく帝園の力を扱うアムに通用しなかったのだ。シンの攻撃は相当に火力を上げてしまえば貫通した、彼女が何故記憶喪失かはわからないがもし、その力を満遍なく扱えたならシンですら勝つ事は困難になるだろう。

シン(愛全って事は魅了の力が凄まじいって事?という事は最悪私も魅了されて無力化したところをって事もあり得る力なのか、普通に怖いし強いじゃない!勝敗つくわよ!全然強いし負けるわよ!本当ミール様も適当が過ぎる!)

シンはアムに謝罪をしたうえでミールが出した指示の話をした。

アム「私が【愛全の究極系】として選ばれた女帝?素質あるのでしょうか?」

シン「あの私とほぼ互角にやりあえたんだから大丈夫よ、というか記憶喪失だったのに戦い方は覚えてたの?」

アム「?いえ、どこからか声が聞こえて教えてくれました、そして身を委ねたら自然と戦っていました、不思議な体験でした・・・」

シン「不思議な体験でした・・・じゃないわよ・・・」

多分その声がカルの人格に一枚噛んでいるんだろうとシンは考える。

シン「準備が出来たら叡天の羅針盤にいらっしゃい、移動方法は・・・多分願えば勝手にどうにかなると思うわ」

シン(どうせ帝園が彼女を守ってすべての事をやってくれるでしょ、はあ、凄い規格外が混じって来ちゃったなぁ、どうしよう、また私のメンツが・・・)

シンはそう思いながらその場を去る。



patopatoblog at 02:43|Permalink│日常 | メインエピソード

2026年05月04日

No.203 経営対策会議(微R18)

パトは帝国で多くの女性を見て来た。
全員が可愛らしく、綺麗であったためパトの目は随分と肥えてしまっていたのだろう。

エウレカ探偵事務所で働いていると逆恨みを買う事も珍しくもなく、
時には会社自体の評判を下げてやろうと権力者が裏でスクープを掴ませて弱みを握らせてやろうと罠を仕掛ける。

その代表的な例がハニートラップだ。

芸能人や著名人、スポーツ選手が異性との不純異性交遊が摘発され問題になる。

現代においてそのような問題が多く上がっている。
都合よくそこにスクープを狙う者が居る、都合よく情報をリークする身内が存在する。
都合よくイメージが悪いという理由だけで起用をやめる企業がいる。

全てが都合よく起こってしまう。
それが罠としての特徴ともいえるだろう。

本来誰もがスクープを警戒している、隙を見せるものは少ないだろう、だが出て来るのは何故か?
油断していた?気が緩んでいた?相手の方が一枚上手だった?

それは仕組まれていた事だとすればどうだろうか?

有名な話で言えばアイドルだ。

アイドルというのは基本異性と付き合う事はNGとされている。
もちろんアイドルを目指す子はそのことを充分に理解してアイドルを目指し、そしてアイドルとなって
ステージに立っている。

歌が上手い事、ダンスが出来る事、体力がある事、表現力、愛嬌がある事、可愛い事、そんな要素を全て満たしてやっとアイドルというステージに立てる。そこから有名なグループとなれば勿論それだけ厳しくもあるだろう。

だが日々異性との関係でグループを脱退するアイドルが後を絶たない。
一時的な性欲がそれまでの努力を上回ってしまうのか?

一部はそうだろうが蓋を開けて見れば少し違う、そこには計画的な犯行が存在する。
どの業界にも昔から存在する事だが

悪役と守る役が存在する。

悪役とはターゲットに執拗に悪口や迷惑行為等で攻撃をする役。

守る役はそのターゲットを守る側の役、そして関係性を深めて肉体関係まで発展させ情報をリークし金を生み出す役。

ターゲットを依存させ陥れる昔から現在に至るまで使用される手口の一つだ。
攻撃され続ければ人は誰かを頼りたくなる、そうでなくとも寄り添ってくれる人が居れば寄り添いたくなるもの、そういう心理を利用してくるのだ。

・・・・・・
パト「というようにこういう仕事をしていると多くの罠が存在する、相手がどこかのお偉いさんだったり、政治家だったりするとまあ、ネット批判とか、現実的所でいう理不尽な事に巻き込まれる事も沢山あるだろう、圧力もきっとかかってくる、そうなると弱みを握らせて、表に出たら会社の皆に迷惑が掛かる、誤解されるとか考えて自分で抱え込んで結果的に取り返しのつかない事になる・・・という事も考えられるだろう、それについて考えようか」

琴歌「圧力は実際ありますね、弱みというのはどのような場面が多いのでしょうか」

雪花「場面なんて関係ないでしょ、今どきAIで何処にでも居るように編集出来る時代よ、それがオフィスで男のお客さんと話してたとしても編集でラブホの前にすることだって余裕でしょうよ」

ミーエル「私達は絶対にそういうハニトラに掛かる事はないにしても、世間ではそういう情報は餌食になりやすいからね~、怖い怖い」

パト「そうだ、つまりこっちもそのような事にならないように帝国では護衛する役割の子達が居た、事実それで助かった事も多かった。近寄って来た相手が一般人なのか否かも全て見定めて、そして逐一証拠として動画を残しているという事もあった、だけど今その役割を担える人が居ない」

雪花「こっちも犯罪をしているようなものだから表には出せない証拠って奴になっちゃうのよね」

月花「そもそも動画を撮り続けるなんて容量的にも現実的じゃない、しかもプライベートも含みだしたらほぼ不可能かしらね」

雪花「用心棒というかヤクザとかで脅して「うちのバックにも○○組がおるんやで!ちょっかい出しら海に沈めんぞーー!!」って出来たらいいけどヤクザと関係性がある会社は排除ってよく言われてるのよね、武力が最も強い交渉手段なのにそれを奪うあたり日本も中々に面倒臭いわよね」

月花「別に日本に限った話じゃないけどね、でもそれは表ではの話でしょ、裏ではしっかりヤバイ連中と繋がりはある、何度も探偵の依頼をしていて「うわ~、この情報はヤバイな~」って内容はいくらでもあったわ、皆表では法を守ってるけど、裏ではもうそれはそれは無法も良い所よ、視えないから好き放題、視えないからこそ何をしても証拠にならない、上の連中が正統と言えば正統になる世界なのはどこも一緒なのよ」

パト「はい、とりあえず今回の議題はこれまで、ここは女性が9割を占める会社だ、となれば逆ハニトラを仕掛けて来るパターンは多いだろう、「○○と仲良くしないと仕事が回って来なくなるよ」みたいな圧力はこれからかなり多いだろう、肉体関係を求めて来る奴も居るだろうな、断った結果あからさまに仕事が減るのも想定済みだ、だからこそ防衛軍の仕事は抑えている、最悪は国潰しも悪くない、別に正義の味方じゃないからな、ここで失敗しても帝国があると考えて欲しくはないが、ダメなら徹底的に潰す、売られた喧嘩は相手が謝るまで辞めない、それだけは忘れるな、解散」

・・・・・・
パト「って話をしてたんですけどね・・・」

白鳳「まあ、お前の所は女が多いからな、そういう輩に遭遇する確率はかなり高いだろうな」

パトと白鳳は自宅で飲んでいた。
そこには琴歌も居た。

白鳳「琴歌だったらどうする?お前が営業なら一番遭遇率が高いだろう」

白鳳は琴歌に対して質問する。

琴歌「そうですね、枕営業自体は表に出てないだけでそれなりにあると思います、綺麗事なしにきっとそれで成り上った人も多く居るでしょうね、その現実はまずしっかりと見たうえで言いますと脅し返しますね。これは帝国でのやり方なのですが、相手が有利な脅しは最初は頭を悩ませるものです、相手が求める事を答えなければ全て失敗、むしろ相手が求めた事以上の事をするから優遇しろって話を持っていくのがどれほど簡単か、それはアリシア様やメリアさんから教わりました。」

パト「そんな教育があるのか」

琴歌がパトの傍に座り演技を始める。

琴歌「ねえ、パト様、私と肉体関係を持ってくれるなら今後の商談や情報のリークをしてもいいんですが・・・」

パトは琴歌の演技に乗って断ってみる。

パト「そういうのは求めてないな」

琴歌「ではこの話はなかった事で、ですが今後この業界で仕事するとなれば色々大変だと思いますがね」

パトは成程、確かにこれは返答に困るなと考える。
白鳳は二人の演技を酒を飲みながら眺める。
すると琴歌がパト役で返答する。

琴歌「わかりました、これからもごひいきにお願いします、これからも関係を続けるにあたって、お力に慣れる事があるのなら・・・ほら営業がやりやすい」

パト「本当だな、これを断るとなるとどうなるんだ?」

琴歌「相手次第ですが、普通なら彼女経由では絶対に仕事が来ません、それどころか彼女の息が掛かっている会社からは絶対に仕事は入って来ないと考えた方がいいでしょう、肉体関係を求めて来ているにはそれだけでリスクです、ですがそれだけのリスクを冒しても問題ないだけの力があるから行ってくる手段でもあります、となれば断った時の損害はかなりのものと言えるでしょうね」

白鳳「結果その女の言いなりになって終わるってだけだけどな、言わば主導権が完全に女側になる以上お前はその女に対してイエスとしか答えられなくなる、女側の会社で不利益な事があれば即座にフォローに回らないとならない、これでお前は女王アリの元で働く働きアリってわけだ」

パト「恩恵が多い分リスクも多いと」

白鳳「目先の利益で見れば成功と言えるがそれは誰かに生かされている成功だ、己自身の成功とは違う、それを綺麗事と言うなら別に止めはしねえよ、懐に大量の金さえあれば一応この世界では成功者として生きていけるからな」

白鳳は酒を飲む。

白鳳「昔の俺ならとりあえず利益関係なく抱くな、つまり商談からマジもんの色恋に変えるんだ」

琴歌「最低ですけどお父さんらしいやり方ですね、メリアさんなら多分丸をつけていたと思います」

パト「成程、あくまで商売ではなく個人的な恋愛として肉体関係を持ってしまえばこっちにも勝機があると」

白鳳「ああ、これは男女関係なくだ、簡単に言えば惚れたほうの負けって奴だ、セフレでも結構おいしいけど、ここはガチで落とす、そうすれば立場が変わると思わないか?」

パト「ただそれ、刺されないか?何人にもそれをやるんだろ?」

白鳳「は?何人とも関係持つに決まってるだろ?俺が相手を惚れさせるんだぜ?こっちは相手に惚れてない、つまり誰の穴にチンコぶち込んでも自由って話だろうが」

琴歌「本当最低、表現が汚いですね、ですがパト君はそれくらいの事はしてほしいって気持ちはありますね、私達は別の手段になりそうですがね」

白鳳「恋愛が無理なら、脅すしかねえな、逆ハニトラって奴だ、危ない橋だが、乗ったふりをしてギリギリの所まで誘導するってやり方だ」

パト「ドラマで見た事ある!ホテルまで入って仲間に証拠の写真を抑えさせた所で騒いで問題にする、そしてそれを脅して立場を逆転させるやり方だ!」

白鳳「それだ、だがそれはそれなりに相手をその気にさせねえと駄目だ、つまり琴歌がパトじゃない他の男性の腕を掴んだり胸を押し付けたり、誘惑しないといけねえって事だが、まあ無理だな」

琴歌「無理ですね、殺した方が楽でいいです」

白鳳「物騒な事を・・・となると琴歌はどうやってそういう問題に向き合うんだ?」

琴歌「そもそもその仕事を取りません、汚い商売には汚い何かがついてきます、だから私は即切りますね、例えば今は安全と見ている防衛軍側の仕事も国からの圧が掛かればきっと私達から仕事を奪う事が可能でしょうね、エウレカ探偵事務所に仕事を与えるなってね」

白鳳「まあ、そう言ってきそうな連中は居るな、黙らせるけど」

パト「白鳳さんが居るのは本当心強いです、ですがそうなるときっと内輪内では済みませんよね、何かと因縁をつけて会社を潰しに掛かるでしょうね法的とか言いながら、印象操作だってしてくるかも、嫌がらせとかもあるかもね」

琴歌「出る杭は打たれる、きっと実際に杭を打とうとしている連中は何の杭を打ってるのかわかってない人でしょう、少額の報奨金で満足するような方はどの国にでも沢山居ますからね」

パト「どうするんだ?」

琴歌「ふふふ、実は考えているんです、知ってますか?最近サンがヤクザの組を乗っ取ったって話」

パト「聞いたことあるな、まさかそれを利用するつもりか?!」

琴歌「エウレカ探偵事務所の横にヤクザの事務所、そしてエウレカ探偵事務所のもう一つ横に警備会社、これはどうでしょうか?」

白鳳は笑った。

白鳳「流石だ!お前あくどいな!隣にヤクザの島があったら流石の馬鹿も手出ししにくいわな!しかも警備業が割と警察と繋がりがある奴らも多い、臭い噂を警備の連中に流せば警察の連中もヤクザの事務所に張り込みする事が増える、そうなれば馬鹿をする連中も減る、全てが全て上手くいくとは思わねえが防衛としては良い線だと思う」

琴歌「実はそれを想定してこの事務所を建てる時に多く土地を買っていたんですよ、だからある程度知名度がついてきたら次は警備会社ですかね、エウレカ警備会社とでも事業登録をして帝国から暇な子を連れて来てもいいかなって思っています、帝国も実際私達の動向を見て何かをしたくてウズウズしているのは知っていますから、なら形ばかりの会社を作ってやる事はやって貰おうって話です、ですがそうなれば経営者をやってもらう人が必要になりますね、元警察官とかも欲しい所です」

白鳳「そこの当てをどうせ俺にやらせるつもりだろ?いいぜ、お前ら既に防衛軍から有望株を奪って言ってるがこの際転職希望の連中と警察でやる気のある奴を見つけといてやるよ」

パト「本当助かる!ヤクザの方は?」

琴歌「それはパト君からサンに言ってください、あの子は私達よりもパト君の言葉を優先しますからね、いい子ではありますが手段を選ばない所はヤクザに向いていると思いますし、きっとうまくやるでしょう」

パト「僕は何も聞かなかった、視なかった事にしよう」

こうしてパト達は会社を守るための策を考えていった。



patopatoblog at 18:50|Permalink│日常(R18) 

No.202 第四期の女帝達 episode1

今ここで4名の女性が新たな女帝として君臨しようとしていた。

絆結の究極系 ユイ 【朧(ろう)】
厭悪の究極系 エル 【黎(れい)】
涅槃の究極系 ハル 【桜(よう)】
愛全の究極系 アム 【銅(どう)】

ユイは第四の園 天使族で元所属は神園帝使の序列7位、勝利属性の天使王として玉座に座っていた。
ユイの力、勝利属性の天使が持つ能力は勝つ事が全て、そのため戦闘寄りの能力になりやすい傾向にあった、その中でユイネルの能力は全ての力を一つにして戦う、もしくは集めた能力を他の子に分配してしまう能力にあったため、ある意味集団の力を彼女一人で全て補ってしまう、そのため勝利の天使王として君臨していた。

経歴に問題なく立派な女帝だ。

エルは第十二の園 邪人族で元所属は最高重罪人として最深部の牢獄に捕らわれていた。
理由は邪人族の肌は褐色であるのが普通だがエルは白色、そして邪人族は漏れなく主パトや月花、パト寄りの人間達を嫌う傾向にあるがエルはその逆でパト達に強い好感を抱いていたため即処刑を言い渡されたが物理攻撃が一切通用しないエルを誰も殺せなかった、むしろ増大な悪意で一時的に帝園順位30位以内の実力を発揮した事でその場に居た邪人族全員を一掃した経歴があり、その結果誰も殺せないという事で監獄内に捕らわれていた。

経歴に問題ない実績を持っていた。

ハルは第七の園 聖人族で元所属は禁忌として扱われていたため、園内では腫物として扱われていた。

ハルは技術の究極系テルの姉に当たる存在で第七の園内で多くの実績を残し続けたテルに比べてハルは逆に多くの実績を奪い続けて来た。
それは彼女自身が望んだものではなく、彼女の特性がそうされたものだった。
彼女の周りには生も死も存在しない、彼女しか存在しない、してはならない、そのような独特な領域が存在する、つまり彼女が存在ある物に触れると消滅してしまうのだ。例外として遺伝子の繋がりがあるテルは例外として触れる事が出来たが、テルの能力は例外ではなかったため絶縁している。
ハル自身は消極的な性格のため誰も近寄って来ない事をむしろ好都合と考えていたため、今まで問題なく過ごしていた。

知名度とその評価は問題なく女帝の実績だった。

アムは第二の園で偶然発見された謎だらけの存在だった。

アムに記憶はなく、記録もなく、ミールが見る事で明らかになる情報全てが何もない、帝園の順位も表示されない、異質な存在だった。

ここで何も持たないアムに実績を与えたのはミールだった。
彼女はアムに対して殺す勢いで密に攻撃を与え続けた、ミール自身に殺意はなかったが、ミールの範囲外に位置する彼女がどれほどの力量を持つのか不明だったため、それなりに遠慮せずに攻撃を行った。

結果だけ言えば全て無傷、アムが何かをしたわけではなく世界そのものが時空を歪めミールの攻撃を拒んだのだ。
そこから何をしてもアムに攻撃は届かなかった、あと観察して気付いたのだがアムが例えば水を求めた時、水が自らアムの口元まで近づいてアムの体内に入って行った。
食料を求めた時には近くの生物が果物をアムに届けてくれた、果物だけでは身体に悪いと考えたのか、焼けた肉等の食糧が偶然アムの前に現れたりもした。
ミールはこの現象を見て【今だ正体を現していない御神体ではないか】と考え保護する形で女帝に任命した。アムという名もミールが決めた。

彼女はミールを認めさせる事で女帝となった。

・・・・・・
ミール「今回私が選抜した女帝はこの4人かな、どう?結構凄いのが集まったと思わない?」

シン「確かに経歴は問題ありませんが、戦闘面での実績が少ない子が多過ぎませんか?」

シンはミールからの言葉で質問を投げかける。

シン「本来第二の園に所属する女帝は強くて当然、何かに突出しているだけの曲芸師を集めているわけではありません、強さあってこそです、欲を言えば一人で園全体を壊滅するだけの力は欲しいんです。」

ミール「それが出来るのはネル、ベル、シンまででしょ、いやフラも出来るか・・・ノラもギリギリかな~」

シン「別に最難関である五光帝連合(第一園から第五園までの園)の園を単独で壊滅とは言いません、例えば第十二園を最低でも一人で壊滅出来るだけの実力は最低限持っていて欲しいと思うのです。

ミール「ならエルはクリアしてるね、事実壊滅まで追い込んで結果封印されていたような子だからさ」

シン「エルは第四期ではありますが候補自体で言えば第二期のメンバーと同時期です、彼女は私自身も認めてます、だから第三期のメンバーを決める時に最も警戒していました。今回だって反対寄りですが主様も厭悪の扱い方を学ばなければいけない年頃、過保護にし続けるのもいけないと私なりに判断した結果、受け入れる事にしたまでです。」

ミール「じゃあ誰が気に入らないの?」

ミールはまたシンの面倒臭い所が始まったと溜息交じりで肘をついて話しを聞く。

シン「ハルとアム、この2名の実績は納得できません」

ミール「ユイは納得してるんだ?」

シン「ユイエルの実績は本物ですから、帝園内で園外との戦争は基本禁止ですが彼女が単独で戦場に行けば第七園くらいは平気で吹きとばしますよ、それだけの事をしてくれるだろうという信頼があります、だからこそ今回の第四期の首席として私が認めました、元々天使王としての実績もありますから統率も出来るでしょうしね」

シンは真面目な顔で話を続ける。

シン「エルも同様、実績が証明されているのでいいです、ですが他2名は別、何も実績がないじゃないですか」

ミール「う~ん、まあそれなりの実績と地位があれば納得してくれはするだろうけど・・・どうしてもっていうならシン本人で試してみる?結構キツイかもよ?」

シンはミールにそう言われて、実際に確かめるにはそうするしかないかと納得し、ミールの質問に答えた。

シン「そうですね、ここで私が文句を言っても仕方ないですね、私が直接二人を審査します」

シンはそう言うとミールの居る場所から離れた。

ミールは少し笑いながらシンを見届ける。

ミール「ハルとアムの順位は【なし】順位という指標に当てはまらない分野の子達相手にどう立ち向かうつもりなのかな、シンは」

・・・・・・
シンはまずハルの元に向った。

ハルは第七園の禁断の地、【終わらぬ大地】に向った。

シン「第七園の禁断の地【終わらぬ大地】ここでは全ての現象に変化が起きない、外部から新たな生命が立ち入ることもない、全てがこの空間だけで完結していると言われている場所、名前だけは知っていたけどここに住人が居るなんて知らなかったわ」

【終わらぬ大地】では食料となる植物や生物が存在するが食べる事が出来ない、実を取ろうとしてもまったく身動き一つしない、生物を殺そうとしてもその生物に攻撃が一切届かない、刃を立てようとしても生物にも、突き立てた刃にも何も起こらない【死ぬことも生きる事も出来ない】現状維持だけが続く空間だった。

シン(ここでは空気も止まっている、私の中に入る事も無ければ出ていく事もない、存在はするけどまったく活動しない、言わば数値だけはまともな無重力空間のようなもの・・・頭がこんがらがるわね)

シンは自身の能力でその空間に立ち入った。
物音一つ起こらない、音すらも生まれることも無ければ死ぬこともない。

シン(例えば無理矢理音をこの空間内で作ったらその音はずっとこの空間で留まり続けて鳴り響き続けるのかしら、そして作り続けていけば最終的に容量オーバーを起こして・・・どうなるのかしら)

試してみたいと考えていたが今回はそのような要件で来たわけではない。

シンは大地を歩き続ける。それなりに歩き続けた先に異様な光景が広がっていた。
それは綺麗な桜の木達だった。

シン「なにここ、今までとは違って嘘みたいに綺麗ね、ここまで綺麗なのが逆に歪に感じる程に・・・」

ハル「誰ですか?」

シンは声の方向に振り向く。

そこには淡いピンク色の髪をした女の子が立っていた。

ハル「ここにどんな要件でしょうか・・・」

シン(この子がハル、涅槃の究極系としてミール様から選ばれた子、そう言えば順位を聞いていなかったわね)

シン「私は第二園、最高責任者のシン・ハート。第二園がどんな所かくらいは流石の貴女も知ってるわよね?」

ハル「はい、この帝園を統べる女帝達だけが住む園、私の妹も女帝に選ばれたと聞いています」

シン「テルの事ね、絶縁していると聞いてたけどちゃんと情報は入れてるみたいね」

ハル「はい、それで女帝の王様がこんなところに何の用でしょうか?私はただここで一人、過ごしているだけなのですが」

シン「そうね、本来ならこんなところに足を運ぶことなんてしないわ、別に私観光が趣味ってわけでもないしね」

シンは少し世間話をすると本題に入る。

シン「貴女が第二園の女帝に選ばれたと言ったらどうする?」

ハル「・・・私がですか?何もしていない、何も持たない私が女帝ですか?それに一体何の意味があるのですか?私にはわかりかねます、何を求めてるのですか?」

ハルはただシンと出会った時のまま桜の木の下にある大きな石に座ったまま話を続けていた。
丁度その高さがシンを見下すにはちょうどいい高さだった。

シン「それが私にもわからないの、決めたのは私じゃなくこの帝園の長、ミール様だからね、だから試しに来たの、私自らが納得しないとね、誰かが決めた事に不満を抱いたまま引き継がれるのは私としても納得できないし嫌いなの」

シンはそう言いながら手元で作った能力が凝縮した刃をハルに投げつける。

だがその攻撃はハルに一切届かなかった。
ハルに届く前に消滅したのだ。

シン「能力・・・じゃないわね、体質、特性的なものかしら」

シンは次に特性や体質等の恩恵を無効化する能力を付与し直して再度攻撃するために刃を生成し、ハルに攻撃を仕掛ける。

シュン・・・・・・・

だがそれでもハルには一切届かなかった。
能力がハルの所に届く前に消滅してしまったのだ。

シン(なにこれ、特性でも恩恵でもない、あらゆる系統の能力を無効化する能力を付与して攻撃したのに・・・なんだこの力は)

シンは動揺をしながらも次は近接へと攻撃手段を変更する。

シュン、シュン、シュン、シュン。

不思議な現象だった。

シン(攻撃の威力が・・・死んでる、いや、失っている。どんな勢いのある攻撃も全て勢いがなくなって最終的には止まってしまう)

シンの攻撃が一切通用しない、届かない。これは確かに不気味だと感じたシン。

シン(これ、私が全力を出しても攻撃が届くのかしら、というかベルの守備もネルの攻撃もこの子の前で通用するのかしら・・・全てが無に返されてしまう、ウルとは全く違う系統の無)

ハル「あの、満足していただけましたか?」

シン「え、まあ、そうね、色々不思議ではあるけど・・・そうだ、貴女から私に攻撃してくれないかしら?出来れば本気で、それできっと納得できると思うわ」

シンの想像が正しければ彼女の攻撃はシンに届かない、きっと彼女の力、涅槃とは不変の力であると考えていた。

ハルはオーラで攻撃を放つが、その攻撃はシンに届かなかった。

シン「やっぱり、今の本気なのね、だとすれば貴女は不変の天才なんだと思うわ、だから強さが存在しない、何故なら優劣を付けられないから、恐ろしいわね、倒す事も出来ないし倒される事も出来ないなんて、場合によっては矛盾を起こしそうな存在なのね」

ハルはシンの言葉を耳に受け入れてはいるがまったく頭に入っていなかった。

シン「無欲、不変、それが私達同様【絶対】の価値を持つ、久しぶりに見たわ、私達と同格の子、それはミール様も選ぶわけだわ、だけどどうやって叡天の羅針盤に来てもらおうかしら、色々貴女自身危険な存在よね?勝敗はつかないにしてもその無欲、不変を絶対に共用させてしまうんだから、困ったものだわ」

シンは頭を悩ませる、この子はこの場から動かさない方がいい。

今ここまでシンが歩いてきた道、その距離にして25キロ、その範囲内は全てハルのテリトリーだった。
空気が止まっている、音も止まっている、風も、生物も、全てが不変となり老いる事もなく死ぬこともなく、ただ静止している、生きている、ただそれだけの状態にさせられる。

シン「ねえ、貴女が触ったものはどうなるのかだけ教えて」

シンはお菓子を取り出し、ハルの近くまで投げる、先ほどと同じくそのお菓子は描いていた放物線が弱まりハルに届く事なく落ちてしまった。

ハルはそのお菓子の元に足を運ばせ、触ろうとする、するとそのお菓子は見るも無残に砂のように散ってしまった。

ハル「あ・・・まただ・・・」

シン(確定だわ、この子は女帝にしておかないといけない、禁忌の意味がよくわかった。彼女の居る空間の範囲では輪廻が止まる、つまり生死が全て止まる、だけど彼女に触れた瞬間止まっていた輪廻が急激に回って破滅をもたらす、何も残らない、これが彼女の全て、多くの事が出来る私達と違ってこの子はこれしか出来ない、でもきっとそれだけで充分)

シン「ハル、貴女は私が許可するまではここに居なさい、本来であれば全員を集めてってしたかったけど今回のメンバーは違う意味で曲者揃い、まともに集めてはいけないのかもしれないわ・・・だから私が許可するまではここから出る事を禁止します」

ハル「つまりいつも通りってことか・・・」

シンは(不気味な子・・・)と考えながらその場を後にする、シンですら能力が無ければハルの居る地に足を踏み入れる事が出来ない、その禁忌的存在を実感しながらもう一人の元に足を運ぶ。


patopatoblog at 17:33|Permalink│日常 | メインエピソード

2026年01月10日

No.201 メリアの闇Ⅱその後

メリアはシスリットとの話を切り上げ、ファナの実験場に向った。

・・・・・・
メリア「シスリットに使命を伝えたわ」

ファナ「そうか、同情するよ、女帝に言われたら断れないだろうにな」

メリア「理解してましたよ、国が人質にされてる事・・・残念です。賢過ぎるのも問題ですね」

ファナ「馬鹿言え、そこまでの知能があるから難しい使命を与えたんだろう、一体どんな話をして説得したんだ?」

メリア「簡単な誘導です、タブーの話を出しただけです、【女性の妊娠】【いじめ】という簡単なお話です。」

ファナ「それに的確な答えなんてあるのか?」

メリア「【女性は子供を産め】ですか?これに関してはシンプルですよ、リスクを考えてしまっているのと責任があまりにも大きすぎるが故に子供を産むという選択がとれない、簡単な話ではないですからね、でもこれは倫理的に考えるから駄目なんです。賢い人程リスクを想定してしまい前に進めなくなる、ただここでいう賢い人は【力を持たない賢い人】です、己に力がなく、だけど半端に知識や教育を受けたおかげである程度の知能は手に入れた、その結果、子供が産めなくなったんです。」

ファナ「まあ、私はエルフ族だから子孫繁栄にあまり興味がないからわからないが、そこまで変わるものなのか?」

メリア「簡単な例えで言えば勉学を受けられない、常に平穏とは程遠い地、先ほどの話ならば人間は繁栄出来ないと思いませんか?何故なら平穏ではなく、戦争の地なら尚更子供なんて作ってる場合じゃないでしょうね、ですが子供は生まれます、子供を作れないと言っている国の住人よりも貧しい国でも多くの子供が生まれます、何故でしょうか?私はそこの民族が知性的ではなく本能的だからだと思っています、つまり本能的な民族程生物としての生き方に近いため子孫を残す事に対して多くの事を考えないのです、私やご主人が居た日本でも同じです、数百年前の戦時中、確かに人口はそこまで多く増えていません、ですがそこまで大きく減ってもいません、今よりも確実に荒れている時代なのに何故なのでしょうか?今は平和そのものなのに、何故子供が作れないのでしょうか?」

ファナ「さあな、私には興味がないよ」

メリア「そうですね、ここまで長く話しても無意味なので簡単にしましょう、いらないんですよ、知性なんて。権利だって必要ありません。極端な話になりますよ、だって塩梅の良い話なんて存在しないのですから。それは早計だ、浅はかだと誰もが思うでしょう、ですがそれが最も簡単な方法であり、単純なのです。」

メリアは笑顔で近くの椅子に座り楽しそうに話を続ける。

メリア「例えば強制的に子供を作る、なんてどうでしょう?きっと誰もが考えた簡単な方法だと思いませんか?誰かと誰かをパートナーにして子供を作らせる事を義務にすればいいとか、でも昔はそれはお見合いという文化であったんですよ、勿論自由恋愛もありましたが、歴史を辿れば政略結婚や家柄同士の結婚なんて当たり前にあった事ですよね?そしてそれは60年前、70年前という比較的新しい時代までお見合いや親同士の許嫁という言葉があるくらいには文化的な半強制的な結婚と子孫を残す行為が行われていたんです」

メリア「ならば何故今は?自由にさせ過ぎてる、権利を与えすぎてる、役割を与えすぎてる、簡単にまとめればここですかね、自由とは便利な言葉です、ですが悪い意味で言えば自己判断にゆだね、放置する、自分でなんとかしろ、と面倒を見る事を放置しているとも言えますね、つまり昔自力でパートナーを探せなかった人でも親や周りの力でなんとか結婚出来ていたのが、その補助すらもなくなったのが今ですかね、昔に比べてではなく、文化が変わった結果とも言えます。」

メリア「次に権利を与えすぎてる、これは男性としての権利、女性としての権利の話ですかね、差別的な発言になりますが、どちらにもメリットデメリットが存在するのです、私的には男女平等は当然であると考えます、個人的には男は根絶やしにしたいですが、それではあまりにも無慈悲ですからね。ですが子供を作るとなると女性側にデメリットが多いんです、嫌でしょ、多くのリスクを抱えるなんて、余程子供が好きなら良いですが、妊娠すれば妊娠に苦しみ、子供を産めば自分ではなく子供を優先にした人生を送らなければならない、自分が主人公という世界を捨てなければならない、女性は多くの事を捨てなければならないんです、権利が多い程そのデメリットは多いと私は考えます、ですがもし権利が少なければ?【昔のように女性は男性に尽くし、子供を産み、家を支え、子供を育て、旦那を支える】これだけが女性の役割だと割り切った人生を生まれてからずっと言われ続けた時、女性はどう考えるでしょうか?」

ファナ「一種の洗脳というわけか、お前は子孫を残すために生まれた存在だ、それが出来ない欠陥品は生きる価値がない、そう思わせれば勝ちという事だな」

メリア「正解です、単純な洗脳程簡単に出来ます、今は昔と違って価値観も違います、女性一人一人が活躍出来る社会、素晴らしいです、ですが結果的にそれが子孫を残すという最も大きなリスクを追う事から遠ざけた結果・・・と言わざるを得ないのではないでしょうかね」

ファナ「憶測としか言えないがな、答えは果たしてどうか」

メリア「興味はありませんよ、勿論こんなどうでもいい事に結論を出す事もありません、他所の話です。ですが【子供を産むのは自由】と言ってる限り将来性はないでしょうね」

ファナ「私も女帝も女だ、冷たすぎるんじゃないか?」

メリア「私はずっと簡単ですからね、ご主人の従属神達はご主人の遺伝子を貰い、子孫を繁栄させなさいと、それ以外の劣等遺伝子は無駄だと、だからこそのこの帝国ですから」

ファナ「私もいずれは帝王の子種を頂けるのか、光栄だね」

メリア「ええ、光栄に思いなさい、貴女のような人でも慈悲を与えるのが私ですからね」

ファナ「嫌味をどうも、それでイジメの方はどうなんだ?」

ファナはメリアが喋り続けるため実験に集中出来ないと考え、作業の手を止め、休憩に入る。

メリア「イジメ?ああ【いじめられる側にも問題がある】ですか?それに関しては結構喋ったつもりですが、私情を挟むとなればイジメなんてあって当たり前なんですよ、何故なら生き物は常に優劣を決める生き物ですから」

メリアはファナから渡された紅茶を受け取り、「ありがとうございます」と一言言うと口に含む。

メリア「例えば-10~+10の20段階評価で、0が標準、マイナスが非友好的、プラスが友好的でいきましょうか、組織の中で無難に過ごせるのは-5~+5の人だけです、ですがその枠を超えれば異常者、異端者扱いになる、それはわかりますか?」

ファナ「ああ、私がその異端者だからね」

メリア「例えば【喋らない人】【空気を読まずにうるさい人】真逆の人間であれど関わりたくないという共通点があります。後は普通という枠から離れた存在、【圧倒的に落ちこぼれている人】と【圧倒的に優秀な人】、これらも真逆でありながらも疎まれる存在です。これらの人間はヘイトを受けやすくイジメの対象になりやすい。もちろん加害者が普通の人間に対して因縁があるからイジメるというパターンもありますが、基本的に集団的にイジメに会いやすいのはこの普通という枠から離れた人間です。」

ファナ「自信があるんだな」

メリア「実際にやらなくても想定すればいいんです、自分が加害者になるなら、絶対に誰かを虐めなければならない時、誰を選ぶか?その時に普通に人を選べば周りから反感を喰らい自分の立場を下げてしまうリスクを追います、それに良心が少しでもあれば普通の人に対して暴行を働こうとは私でも考えません。無差別に誰でも良かったって人が居ますがそれは除外です。そんな思考放棄した人まで考慮していたらなにも結果を生み出せません」

メリア「逆に私が被害者なら。加害者が居てその人から目を付けられないようにするためにはどうすればいいか、私が凡人なら加害者とは一定の関係を持ちつつ関わらずに過ごします。何故なら先ほどの20段階評価は集団評価の他に加害者の自己評価もあるからです。ここで大事なのは加害者の中で【普通】と判断される事です。ここで極端に加害者が嫌いだから関わらないとなれば加害者が私をターゲットにするリスクが高まります。だからと言って過剰に関わりを持てば被害者にならないにしても加害者側になる可能性が高いです。【お前もあいつを虐めろ、仲良いんだから出来るよな?】と一種の圧力を賭けられます、断れば一気に悪印象に陥ります、ですが一緒に虐めれば加害者です、ですが加害者からは気に居られ間違いなく虐められることはないでしょう。」

ファナ「面倒臭い話だな、つまりはバランスを見誤らない事が大事だって言いたいのか?」

メリア「そうです、どんなに【イジメはダメだ】と言っても無くならないのは多くの要因と原因が生まれるからです。学校で例えましょう、クラスでイジメがあった、先ほど話した被害者側と加害者側が居ます。イジメは関わりたくない人達、ここでは他のクラスメイトも【被害者候補】と言っていいでしょう、となれば私が想定した動きになります。一定の距離感を保つ者、関わらない者、過剰に関わり一緒に加害者側になる者、どの立場でもこの均衡が崩れる事でリスクがあります。」

ファナ「リスクね、それがさっき言っていた弱者強者か?」

メリア「そうですね、生き物は優劣を決めるものです、優位に居た人間が転落した時、今まで優位に居た者に手も足も出なかった弱者が優位に居た人を攻撃します。そこでお前は下だと、自分達よりも上に居るのが憎い、上がって来るなと・・・徹底的に潰そうとします。ですがそれが生き物なんですよ。」

メリア「私はご主人に誘われてネットというものを使いましたがあの世界は好きです。人の貪欲なものがよく見えます。」

メリアはまるで楽しい出来事があったかのように目を輝かせながら語る。

メリア「人はまず当事者じゃなければ納得しろと同調するくせに、いざ自分が当事者になれば納得できないとわめきます。この例えで言えば新聞とネット記事の文化ですね、ネット記事の文化が栄えたら新聞という文化が廃れました。勿論新聞関係者は納得できない所があるでしょう、ペーパーレスなんてと思いますが時代の流れには逆らえない、周りから紙の無駄遣いをするな、やり方が古いと無理矢理納得させようとしましたね」

メリア「ですが、AI技術が発展した時に多くの作品がAIで賄えるとなった時、その作品を作る人達が納得できない、と問題になりました、そのAIは作品を読み込ませ、学習させる事で作るというもので結果的に今まで居た作品を作る人の技術が無断で奪われたという結果になりました。ですがこれ、構図は似てませんか?勿論私も酷いと思う部分はあります、ですがAI技術の発展は今後多くの方が望む技術となるでしょう、それが正式な手順か否かは別としてAI技術で自分達の立場が危うくなれば騒ぎましたよね?ですがその人達は新聞のネット化、ペーパーレス化に異議を唱えたかという話なのです。むしろいい話であり、ネット化の方が便利だから新聞は有料だし場所を取るしで要らないと切り捨てた人も居たのではないでしょうか?」

ファナ「日本の文化は知らないが、技術が発展すれば以前の技術者に価値が無くなるというのはよくある話だ、仕方ないと言えばそれまでだがな」

メリア「そうですね、ですがそれをネットは簡単に見る事が出来ます、先ほどのイジメもそうです、【イジメはダメ、だけどイジメるに値する理由があればイジメてもいい】という謎の理論で人は他人を叩き、炎上させ、人を壊します。行き過ぎた正義感という最も悪に近い感情ですね。」

ファナ「本末転倒だな、それでよくもまあ【いじめはダメ】と言ったものだ・・・そうか、それはさっきのイジメの被害者、被害者候補、加害者に話に繋がるのか、炎上させられた被害者、炎上させた加害者、そしてそれを黙って距離感をとって様子を見る第三者(被害者候補)・・・面白いな」

メリア「ええ、しかもこの炎上、自身で起こすパターンを誰かが火をつけて炎上させるパターンがあるんです、というかほとんどは誰かが火をつけて炎上させるパターンですね、リークと言って裏の情報を無断でバラす事で本来表に出てこなかった問題を敢えて表に出して燃やし、全員でイジメの対象を作りイジメる。それが今のネット環境です。凄いですよね、ここまで来ると何を言っても無意味、一人の言葉とはどこまでも無力なのだと思い知らされますよ」

ファナ「想像出来るな、おおよそ、どんなに弁明しても聞く耳を持たない、証拠がない、もしくは出せもしない証拠を求める事で結果弁明しきれない、と言ったところか、魔女狩りみたいなものだな、【お前は魔女か?】に対してどれだけ否定しても否定を確定する証拠不十分のため疑わしきは罰すると言わんばかりに処刑を行う。たとえ無実であれど集団に言葉は通じずと・・・」

メリア「ええ、これは誘導、洗脳に近いものを感じますよね、しかもその殆どが第三者にとってどうでもいい事なんです、内輪揉め、浮気、不倫、不貞、密会、当事者の問題なのに何故か第三者が喚き散らすんです、しかもそれだけ怒ったにも関わらず一ヵ月もすれば忘れるんです、次の炎上にまた怒っているんです、面白いでしょ?この第三者はいったい何がしたいんでしょうね?自身よりも弱者であると判断した者を攻撃する事で自身が強者であると錯覚したいのでしょうかね・・・哀れなものです」

メリアは語りながらも紅茶を飲み干した。

メリア「色々楽しかったですよ。実験の邪魔をしてすみません、実験体の数は足りてますか?」

ファナ「そろそろ補充して欲しい所だな」

メリア「わかりました、では専攻部隊に私の【帝国情報暗部部隊】の隊員を混ぜて拉致しておきますね、大事に扱ってくださいよ、出来る限り従属神や配下神は使いたくないのでね」

ファナ「わかっている、では頼んだぞ」

メリア「はぁ~、本当心理って楽しい、洗脳誘導、依存、私が得意とする分野ですからね、しっかり生かして見せますよ」

メリアは暗い廊下の暗闇に姿を消した。

patopatoblog at 03:15|Permalink│日常 | メインエピソード

2025年12月30日

No.200 出揃った円卓の王(エテルの進化)後日談

万園に在籍する世界王全員に通達が行き渡る。

ストレリチア「円卓の王 13名はただちに万園の玉座に集まってください」

・・・・・・
誤謬「これが円卓の王だけが許されているというストレリチア様への謁見・・・」

円卓の王 第十三席 誤謬(ごびゅう)

誤謬は円卓の王の中では一番若い世界王であり、最も円卓の王として新しい王。
今までストレリチアから招集に立ち会う事がなかったため動揺する。

・・・・・・
花神「とうとう・・・ですか・・・」

円卓の王 第十二席 花神(かしん)

白い部屋と巨大な純白のクッションの上で裸で横になっているのは花神、彼女は花で服を見繕いながらクッションの上に立ち上がる。

・・・・・・
凄艶「ストレリチア様、動き出すのですね」

円卓の王 第十一席 凄艶(せいえん)

多くの芸術作品、そして大きな舞台の真ん中に立つのは凄艶、彼女は歩みを始める。

・・・・・・
媛命「さて、今回はどんな厄介事を押し付けてくるのかな」

円卓の王 第十席 媛命(えんめい)

心安らぐ豊かな空間の中、彼女は憂鬱そうな顔で空を見上げる。

・・・・・・
怜悧「いくね、きっと私達にとっても良くない事が起きるかもね」

円卓の王 第九席 怜悧(れいり)

神経を研ぎ澄まし、ローブを纏う彼女、そしてその周りには無機質で巨大な手、そして怜悧を囲うように舞う無機質な龍のような生物

・・・・・・
玲瓏「終わらせたい仕事があったのですが、仕方ありませんね、これもストレリチア様、そして主様のお導きなのですから」

円卓の王 第八席 玲瓏(れいろう)

多くの本が積まれている書庫の最奥で一人呟くのは玲瓏、彼女の声は現実にしてしまう効果を無意識レベルで持ってしまうため、効果が出ないように極力声を小さくする。

・・・・・・
仙厳「地獄の始まりか、それとも天国の扉が開く音か・・・」

円卓の王 第七席 仙厳(せんげん)

仙厳は気を引き締めてストレリチアの場所に向かう、その表情は硬く、これから起きる事に対して緊張感を持っていた。

・・・・・・
神籟「さて、このタイミングでって事は主様絡みでしょうね、ただし嫌な形でしょうかね」

円卓の王 第六席 神籟(しんらい)

神籟は今から起るであろうことに大体の予測をつけ、移動を開始する、その足取りは何処か楽し気だった。

・・・・・・
惺紡「私の力をもってしてもか、平穏が崩れる音が聞こえるな」

円卓の王 第五席 惺紡(せいほう)

惺紡は過去の世界王戦争の再来を危惧した。だがそれはストレリチア本人が拒んだ結果、
同じ過ちを繰り返す事はないはずだと心の中で自身を言い聞かす。

・・・・・・
朔薬「・・・・・・いったい誰が告げ口したのでしょうね」

円卓の王 第四席 朔薬(さくやく)

疎ましそうにつぶやく彼女の顔はどこか曇っていた。

・・・・・・
円卓の王達が次々とストレリチアが在籍する世界に集まる。

誤謬「ここが・・・そしてお前達がごびゅ~と同じ世界王・・・」

花神「こうして十三席から四席まで集まる事は稀ですね、過去に一度も無かったのではないでしょうか?」

凄艶「そうだね、でもこうして私達を集める理由はないかな?今まで好きにさせてもらっていたのに」

媛命「どうでもいいよ、どうせストレリチア様が決めた事に断れるわけじゃないんだしさ、そもそもそんな事を考えてたら君達、死ぬよ?」

怜悧「珍しく媛命と意見があったね、変な考察はやめるね、どうせすぐに答えは聞けるね」

玲瓏「・・・」(ただ他の世界王達の話を聞く玲瓏)

仙厳「静かにしろ、今ここには朔薬様や惺紡様も居る、どの発言が刑に処されるかわからないぞ」

神籟「そうですね、ですが自由な発言で罰則はありえません、発言の自由を奪う事はストレリチア様は求めていない、寛大なお方ですからね」

惺紡「神籟のストレリチア様至上主義には尊敬に値するね、それはストレリチア様から直接仕事を頂ける立場故かな?神籟?」

神籟「代わりたければ譲ってもいい、だけど果たして惺紡がそんな事出来るのかな?いや出来たとしても話の意図を理解できないだろうね、君は所詮暴力にものを言わすしかないんだからね」

朔薬「神籟、惺紡、これ以上言い合いは辞めてください、そろそろトップ3が入ってきますよ」

朔薬がそういうと3つの光の柱が現れる。

・・・・・・
ストレリチアが座る玉座、その前に3つの椅子が現れる。

誕爛「皆もう集合してるね、こうやって皆の姿を見られるのは凄く感慨深い、気を休めるといい」

円卓の王 第三席 誕爛(たんらん)

円卓の王の中で最も身長が低い誕爛が現れた椅子の上で足を組む、そしてその視線は全員を凍らせるには充分だった。

神籟「相変わらずずっと威嚇してるのね、怖いのよ、いい加減」

誕爛「すまないね、どれだけコントロールしてもこの微細な漏れはどうしようも出来ないんだ、なにせこれは【息を吸って吐く】のと同じ程度の微量なオーラなのだから、これを止めるのは息をするなというのと同義だ」

祖占「いやいや、同義じゃないよ、それは君がオーラの制御が下手だからだよね?下手の理由をオーラの責任に擦り付けるのは私としてはどうかなって思うわね」

円卓の王 第二席 祖占(そうらな)

誕爛「いえいえ、僕のオーラ量は祖占殿以上のものでしてね、というよりほぼオーラという概念を持たない貴女に到底理解出来るものではない、そもそも僕が本気を出せばランクを一つあげるくらい容易だ、あまりデカい態度で居ると僕は君を第三席の座に座らせないといけないな」

祖占「やってみろよガキ、お前みたいな軍隊蟻を量産して出した所で雑魚は雑魚だろうが、それともまさかお前が指揮した従属なら私に届くとでも思ってるのか?それこそ心外だ、第七席連中ならそれで充分殺せるが私を殺せるとは到底思えないけどね」

第三席と第二席が睨み続ける。

軍として最強の力を持つ第三席

個として最強の力を持つ第二席

この二人の意見がかみ合う事は一切ない。

・・・・・・
「待たせたね、全員集まってるね、嬉しいわ」

円卓の王達「「「「来たな」」」」

最後の一席に一人の女性が現れる。

祖占「重役出勤お疲れ様界羅、随分遅かったんじゃない?」

界羅「色々準備に手間取ってね、祖占も誕爛も元気そうね、ずっと自分の殻に閉じこもってばかりじゃなくたまには表に顔を出したらどう?」

誕爛「お生憎だね、僕は既に僕の力を分け与えた僕の世界王を主様の専属神の一人、カナに送っている、彼女は優秀だよ、ランク以上に出来る事が多い、強すぎればカナ本人が壊れる可能性があるからね、あの程度の世界王で丁度いいと僕は思ってるんだけどね」

祖占「それを言えば私もだね、四季雪花、彼女の力はまさに私の後釜に相応しい、私がユミルを送り込んだ、上手くいけばきっと四季雪花は私のような力を手に入れる、全てを失う代わりに全てを得る最強の力をね、それこそ主様が求める最強の専属神だと思わないかい?」

界羅は二人の話を聞き、少し笑いながら首を横に振る。

界羅「お話にならないね、確かに結果的に言えば世界王も世界の質も貴方達二人が関わった子は別格の物となっている、結果的に帝王様の力になれる、それは大変すばらしい事だと私は思います、ですが肝心の帝王様本人を蔑ろにした政策に一体何の意味があるのでしょうか?」

円卓の王 第一席 界羅(かいら)

第四席より下の世界王達はトップ3の会話をただただ聞いていた。
聞く以外の選択肢がなかったのだ。

神籟「聞きたい事は山ほどある、だけどここで口を挟めば誰かの機嫌を損ねてしまうかもしれない、トップ3の実力は万園内でも異常な程の上だ。

その3人の逆鱗に触れる事が何よりも恐怖だった。

界羅「今回の提案も私が行いました、由々しき事態であり、そして今後の万園の在り方を・・・それを明確にしてもらうための時間です、そこで私は貴方達でも帝王様のお力になれる政策を考えストレリチア様に提案しました。あの方は最初こそ悩みはしましたが最後は了承してくれました。」

祖占「おい待て、私達はストレリチア様の話を聞きに来たんだ、お前の話を聞きに来たわけじゃないぞ界羅、これ以上出しゃばるな」

祖占は界羅を睨みつける、だが界羅はそれをものともせず話を続ける。

・・・・・・
界羅「まず一件、万園経由から外れた世界王が生まれた、名はエテル・ノーミール。もとは帝園(ミガドルエデン)出身の従属だった、だけど最近昔の私がそのエテルに敗れたの、それはもう一方的に・・・そして不手際でまさかの私が彼女の相手にすることになった・・・」

仙厳「それが本当ならば異常事態ですね、早く万園の世界王として登録するべきです、でなければ制御が効かずに主様に被害が」

界羅「余計な事はしなくていい、むしろ喜ばしい事です、良い傾向です、なにせただの従属が世界王に進化した、本来ならば世界王に適正がある従属が各世界で育て、万園と帝王様がその従属を選びこの万園の世界王として扱う、だけどその流れを無視したイレギュラー、それをすぐに排除するのは勿体ない、そうは思いませんか?」

凄艶「界羅様、仙厳様や玲瓏様はその状況を放置できない立場にあります、元々界羅様は私達を集めてどうするつもりだったのか、それを聞かせてはくれませんか?」

界羅「世界王としてのトリガー、それは世界王遺伝子を取り込む事、それは誕爛もわかっていることでしょう、なにせ全世界で世界王を作れるのはストレリチア様と私と誕爛の3人だけ・・・今まではその世界王遺伝子を適正がない子に植え付けても身体が朽ちるだけだった」

界羅は冷たい眼差しで円卓の王全員を睨む。

界羅「エテルは元々世界王適正外の従属だった、だけど世界王に進化した、SSSクラスの私を殺す程の力を持って・・・でもそうね、相性で勝っただけで彼女自体のランクをつけるとするなら・・・E+かDかな、進化した【死界の手】はまさに即死級、どんな策も現象もその手の前では無力、近いと言えば祖占に近いかな、それはいいとして、彼女は私の権限で見守る形をとってもらう、一切の接触を許さない」

誕爛「彼女は何が目的なのか、把握して、それで尚安全という保障を得ての発言と取っていいのかな?」

界羅「そうだね、あとはそうね、私を殺そうとしたけどそれでも私の可愛い娘みたいな存在なの」

界羅は笑う。

朔薬「次の話はどのような内容なのでしょうか?」

界羅「これは第七席から言える事なんだけど、君達、実力は確かなんだけど経験値が圧倒的に足りてない、それって偽りの強さともいえるのではないかなって思うの」

神籟「まさか!?あの話が進んだの?!」

神籟は自分の世界から立ち上がる。
界羅は神籟を見て頷く。

界羅「ええ、万園に上層世界と下層世界を設ける。ピラミッド式で条件を満たせば上の層に上がれる仕組み、そして最上層は私達が居る空間、最上層は戦う事はしない、死んだら困るからね、でもそれより下は話は別、居てもいなくても帝王様の力になれない、だから死んでも別に構わない、だから現在円卓の王以外の世界王達は最上層より一段下に降りてもらう、そして条件を満たした者だけこの層に居る権利を与える。」

界羅は笑う。

界羅「別に円卓の王だけが優秀だとは思っていないからね、だからこそ優秀な世界王は歓迎する、勿論帝王様が選んだ別世界の世界王も最上層だ、彼女達は大事な客人であり、帝王様の力になってくれる大事な存在だからね」

円卓の王達全員の表情が曇る。

神籟「ストレリチア様は許したというのですか?!」

界羅「帝王様のため、それで納得してくれました、現時点で約50億体の世界王生成を完了しました。あの方は以前の【世界王戦争】の時に比べて大きな力を得ました。そして世界王戦争はあくまでストレリチア様が世界王を作る練習として増やしていたにすぎない、だけど今回は明確に、目的をもって世界王を作る、その結果が一日で50億体の世界王投入、素晴らしい。私では到底真似できない芸当です、誕爛はどうですか?真似、出来ますか?」

誕爛「1日では無理ですね、それにストレリチア様が作るとなると・・・弱くないですよね、ストレリチア様が直々に作る世界王の強さは最低SSランク、つまりそのレベルの連中が最下層から競い合い、喰らいあい、この層にやってくると」

神籟「EXクラスの量産が目的ですか?」

界羅「あれはストレリチア様ですら作れない領域、そしてただ喰らうだけでなれる領域ではない、そこまでは期待しない、だけど将来的にはそれもありかもですね」

惺紡「今居る円卓の王が落ちた場合、そのままこの層に残留する、その認識でいいのかな?」

界羅「そうだね、既に私達は帝王様にとって大事な存在、そして例外としてメリアの世界で世界王をしている無命、ノルン、も最上層です、目的は先ほども言いましたが帝王様を強くするためです、私達の地位なんて無意味、我々は帝王様に尽くすために生まれた存在、それはストレリチア様だって変わらない、その目的に沿って私は動いた、それだけ、すぐに結果は出ないでしょう、ですが、私はエテルを見てまだこの世界もやり方によってはまだまだ化けると考えた、そして先ほどは否定しましたが今居る円卓の王達が全員EXクラスに到達出来る事を夢見てます、それが結果的に帝王様のためになるのですから・・・」

・・・・・・
その後、界羅は一通りの説明を終えると黙ったまま、ストレリチアを待つ。

その後ストレリチアが現れ、界羅が説明した要件そのままの内容を話す。
そしてこの会議は終える。

円卓の王が下層に向かう事は不可能である、そしてもし今の自分に不満を感じるのであれば円卓の王という立場を失う事を条件に下層に降り、進化を狙う事を許可するという話で落ち着いた。

だが現状円卓の王達が下層に降りるという判断をする者は誰もいなかった。

それもそのはず、この戦いは一部の人を除いて誰も望んでいない結果だったからだ。
だがその中で自分は例外という条件を出してもらえるならその恩恵にあやかりたいと考えるのは普通の事だった。

だが不安もある、もし下層から上がって来た世界王が円卓の王の座を賭けて勝負を仕掛けてきたら、戦闘経験が浅い第七席以下の世界王は太刀打ちできるのか?そういう疑念を持ちながらも各自の世界に戻った。

・・・・・・
神籟「最後に言われた・・・【この事は円卓の王内だけの超重要機密事項である】他の世界から来た従属達に絶対に伝えてはならない、勿論主様本人も、これは万園が独自で行う選別である・・・と」

神籟は界羅という第一席を侮っていた。
元々ミールの時から主様至上主義の考えを持つ、従属も自分すらも主様の為だけの存在、それ以外はあい、だからミールはどこか従属を物として扱う事がある、そしてきっと何か主様関係で起きた時、ミールは無情に従属を殺すだろう、だがそれがミールであり、界羅だ。

ミールはパト以外はどうでもいいと考えているサイコパス気質であり、ヤンデレ思考の持ち主。
最も主を裏切らない存在であり、最も主の善良な心を苦しめる存在、だがストレリチアと同様に最も主に近い存在故に世界はミール、界羅の異常性を隠し通さなければならない。

神籟「本当・・・トップ3にろくなやつがいない・・・全員狂ってるよ。いや、それはトップ3に限らずか、あの戦争で生き残った私達6人全員・・・揃って狂ってるのかもね・・・」

自分のそうだったら、という空想が界羅に奪われ、実現してしまった責任を感じながら神籟は自身の世界に戻った。

そして最下層では再度地獄が始まろうとしていた。

ストレリチア「・・・ごめんなさい、娘たちを殺し合わせるような真似をして・・・許してとは言いません、ですが万園の質を今以上にするために、停滞させないために、そのためなら私は・・・心を鬼にします!」



2025年12月21日

No.199 ユミルの価値観

雪花は自分の世界に入るのが億劫だった。

理由は明確で雪花の世界王、ユミルの会話が長いそれに尽きるからだ。

雪花「自分を強くするためには零園を有効活用しないといけないのは充分理解しているんだけど、やっぱり面倒臭いのよね、ユミルが話しかけてこないなら楽なんだけど・・・はぁ」

雪花はそう言いながらも自分の世界に入る。

・・・・・・
ユミル「あら雪花様、今日は何処の色を塗るのですか?殆ど間違った価値観で埋め尽くしているので独裁の力がドンドン上がっていってますね、私としては凄く良いと思います、このまま独裁の道を歩んでいけばきっと貴女はもっと強くなれる、さあ今日も塗りましょう!いえ!全てを雪花様の色に染め上げてしまいましょう!私はそれを求めてる!誰かが決めた法を辿っても何も面白くない!むしろ誰かが作った法に従っている以上作った人以上の存在になれない!そんなの屈辱的!!私達はそれではいけない!私達は常に道なき道に自分の道だとマーキングしながら進まないといけないのです!誰かが開拓した道なんて無価値!!」

雪花が入って来たとたん、雪花を出迎えたユミルの長い話が始まった。

雪花は相手にせずに自分の空間で最も認識している【実家】の色塗りを続けていた。

雪花(確かここの色は・・・材質は・・・私の感覚では・・・)

雪花はまずはと自分の自室の色を当てはめていった。

独裁の力は強い、きっと独裁を極めれば極端に強くなれるだろう、だがそれを極める程仲間という存在が邪魔になる。

仲間の邪魔をし、仲間が邪魔になる、それは今の自分にとっては大問題、帝国の仕事は基本自分よりも格上相手が通常、自分だけで勝てる相手なんて多くない、いつも部隊の隊員達に助けられているのが現実である。

そんな雪花が自分一人で戦う道を今選んでも自分を追い込むだけだと考えていた。

雪花(まずは周りに適応する力を身に着けるんだ、誰かのレールに収まらないと私は一人で戦う力を身に付けられない・・・今はその時ではないのだから)

雪花の手が触れている場所から色がついていく、雪花のイメージ通り、鮮明に現実での自室を再現されていた。

それを少し離れた所から眺めているユミル。

ユミル「適応を選ぶんだね、でもそれも雪花様の選んだ道、無価値は時に価値を生み出すための養分になり得るってことかな、そうだよね、創作だって多くの作品に触れてセオリーを知ってやっと自作創作ってなるもんね、研究するためには結局誰かの作った道を見ておかないと綺麗な道は自分では作れない、歪なものになる・・・歴史に学べとはよく言った物だよ、流石は雪花様だね」

雪花(さっきと言ってる事逆じゃない、でも事実そう、歴史に学ぶ、先人達の成果を見て新たな構想を得る、普段皆が使っている道路だって、それが【綺麗な道路】というお手本を常に見ているから誰でも見た目だけなら綺麗な道路を再現できる、それは日頃からお手本を見ているから、でも私は建設の人から聞いたことがある、道路のは見た目以上に難しい構造をしている、目に見えているアスファルト、だけどその表面に辿り着くまでの間に多くの材質の土が入っては何度も転圧して押し固める、しかもそれだって適当じゃない、決まった深さに合わせてだ、そうやって強度を得たうえで【綺麗な道路】は完成される、道路のアスファルトだって配合が決まってるけど見ただけじゃ絶対に分からないように、知らなければ【完全な再現】なんて不可能、だからこそ誰かから学ぶことは絶対に怠ってはならない)

雪花は自室の一部に色を塗り終えると移動を始める。

・・・・・・
実家のリビングに置いてあるテレビの電源を入れる、するとそこには数字が表示される。

第零都市 染色率 99% 正0.2% 歪0.8%

雪花「まあ、0.2でも正解があっただけマシか、それにしても本当シビアな世界ね、どこまで細かく判断してくるのよ」

雪花は確認し終えるとテレビを消す、そしてユミルに話しかける。

雪花「ねえ、第零都市って書いてるけどまだここ以外に場所があるの?」

ユミル「勿論ですとも、ここは雪花様の原点だからこそ第零都市、そして私はこの第零都市の王、
ユミル・ゼロです」

雪花「他の都市にも行ってみたいんだけどどうやったらいけるの?」

ユミル「他の都市に顔を出すのですか、それはそれは、ではどの都市に行きますか?今の所第壱都市が解放されてますね、そちらの王、ユミル・バースにコンタクトをとってこちらの都市とあちらの都市を繋ぐ必要があります」

雪花はユミルの言葉から聞きなれない言葉を聞いた、それに対してユミルに質問する。

雪花「ユミル・バース?貴女とは違うユミルが存在するってこと?」

ユミル「勿論、私は所詮この都市の王に過ぎませんので、もっと言いますとこの零園の世界王は私達であって私達ではない、本来のユミルが世界王となります、難しいですよね?意味が理解出来ないですよね?そうですね~~、ならこう例えるのはどうでしょう!」

ユミルはさっき雪花が消したテレビを付ける。

ユミル「もし雪花様が主パトと出会わなかった世界線があったなら・・・そしてその世界線の雪花様が18歳を迎えた時、どんな雪花様なんでしょうかね?」

雪花「それは・・・きっと落ちこぼれのままだったでしょうね、普通に高校を卒業して大学か専門学校に入って、って所かしら」

ユミル「うんうん、そのもしもの世界線の雪花が言わば私達みたいなもの!つまりは原点となるユミルのあらゆる可能性から生まれたユミル、それが私達、私の場合はこの第零都市の王として生きていくと決めた世界線のユミルってところかな、でも第壱都市のユミルは環境も考え方も違う人生を歩んだ別世界線のユミル、だから同じユミルって名前でも全然別人、見た目も全然違うしね」

雪花「そ、そうなんだ・・・それはちょっと安心かも、第壱都市のユミルも貴女みたいにおしゃべり好きだったらどうしようかと思ったわ」

ユミル「ちなみにこの第零都市では雪花が一番大事だと感じていた双子の妹四季桜花がモデルとなった、だけど第壱都市ではその環境で最も大事だと感じている存在の姿でユミルは存在する、勿論変わればイメチェンしてその姿に変えるかもだけど・・・まあそれは気にしても仕方ない事だね!」

雪花「いい加減家族を使われるのは辞めて欲しいんだけどね、十中八九月花お姉ちゃんの見た目してそうじゃない」

雪花はため息をついた、だがユミルはそれを否定した。

ユミル「月花とパト様はダメ、その二人の真似すると色々圧力を受けちゃう、ぶっちゃけどの世界でもパト様の姿で全部通用する話なんだけどそれをしたら万園から圧力が掛かっちゃって・・・月花に関しては帝園から圧力が掛かっちゃうんだよね、あそこの世界王は敵に回したくないからさ・・・帝園と零園は一切繋がりがないけど、私がその世界の主を模倣してしまえば干渉出来てしまう、干渉するのはいいけど格上相手の世界や世界王が居たらもう大変、だからあの二人の姿で出て来る事は絶対にないね」

雪花「理由がちょっと小物臭いんじゃない?」

ユミル「独裁だって触れてはいけない禁忌は存在するって事だよ、簡単な話で自分の考えを押し付けるとなれば必ず喧嘩になるよね、勿論弱ければ力で簡単にねじ伏せられるけど強いとそうはいかない、むしろ負けを認めてしまえば色々と独裁に亀裂が入っちゃう、この独裁で最もやってはいけないのが負けを認めない事、自身の独裁が一番である事を常に信じないといけないってことなんだよ」

雪花「ふ~ん、それは参考にしておくわ、それで第壱都市のユミルとは連絡は取れたの?」

ユミル「問題ないですよ、むしろ相手も凄く喜んでいます、向かいます?」

雪花「ええ、お願いするわ」

雪花がそういうとユミルの手が光だし、手を祈るように合わせる、そしてユミルが「私の光に触れて」と言うと雪花はユミルの光に触れる、するとその光が雪花を包み込み、あまりの眩しさに雪花は目を瞑ってしまった。

・・・・・・
雪花はまぶた越しから光が弱まった事を確認して目をゆっくりあける。

そこは帝国、雪花の自室だった。

雪花「第壱都市は帝国なのね、関わりが深い土地が都市として選ばれるって事なのね、でも月花お姉ちゃんじゃないとすると誰が・・・」

バース「雪花様♪いらっしゃいませ♪」

雪花はおどろきを隠せなかった。

ユミル・バース、その姿はなんと天野江 奏星だったのだ。

雪花「奏星さん?!私奏星さんが帝国内で一番大事だと思ってたの?!」

雪花は動揺する、あの問題児筆頭で常に迷惑を掛けて来るあの天野江奏星が一番大事だと考えている自分に。

バース「雪花様はこの姿の子の事を一番気に掛けていましたからね!後は私の好みです♪だって可愛いじゃないですか~♪」

ユミル・バースは照れながら顔を隠す、ハッキリ言って第零都市のユミルとは大違いだった。
愛着が湧く雰囲気があった。

バース「この第壱都市は帝国、範囲としましては帝国城下町にエウレカ城内がエリアとなっています、第二の故郷としてぜひ色を塗って行ってください!私は勿論雪花様のアシストをしていきますよ!」

雪花(帝国か・・・まだ日本ならわかるけど帝国が使っている材質とか全然理解出来ないわよ、色はまだシンプルだけど・・・う~~ん、まだ簡単なのかな?)

バース「あ!一つ伝えていない事がありますのでぜひ聞いてください、お時間は取らせません」

雪花「どうぞ、結構重要な事だったりするのかしら?」

バース「恐らく第零都市ではこう聞かされてなかったですか?独裁の力を高めるためにと」

雪花「ええ、私はそう聞いて色を塗っていたわ」

バース「色を塗るまでは一緒なのですが、ここの場合独裁の力は高まりません、ここでは【壊滅の力】が高まります、要は色を外せば外す程現実を壊滅させる、そして壊滅の力が強まるという概念ですね」

雪花「独裁の力とは無関係?でも壊滅の力って何?それも原始支配なの?」

バース「そうですね~、ちょっと違いますね、独裁はあくまで雪花様の原始支配の力を高めるための力です、ここの壊滅支配は雪花様が持つ原始支配とは別の能力を強化するための世界です」

雪花「原始支配以外の能力?私原始支配以外ちゃんと使った事ないわよ、何が解放されたのよ」

バース「壊滅支配ですね、壊す事に特化した破壊神的な力です!どこまでも雪花様武力に長けた方ですからね!きっとこれからも武力に貢献出来る力を得ていくでしょう!」

雪花「物騒な能力ね、でも戦闘センスで評価されている私からすれば良い報告って所なのかしらね、それで例えば色を塗って・・・どうなるの?正しいパターンと間違っているパターンでどう変わるの?」

バース「正しいと壊滅の力ではなく修復の力が高まります、壊滅と聞けば壊す事ばかり意識が向きますが、壊すのは物だけではなく原理も常識も全てですから、すなわち【普通はこれで壊れるけど、その常識を壊す事で壊すという動作で治す事も可能】という現象が起きるのです、壊れるのは眼に見える物だけに限らずって事ですね!」

雪花「それで間違えれば文字通り壊滅の力が高まって見境なく壊すって事か・・・第零都市の時もそうだけどどっちに転んでもメリットがあるわね、これって両方50%にした方が両方扱えるから凄くバランスがいいんじゃないの?」

雪花が思いつき、そのまま口にするがバースは首を横に振った。

バース「それももちろんバランスがあっていいですが・・・正直器用貧乏といっていいレベルです、もう一ついいますともしこの都市全ての色を塗り終えると能力が進化します、聞いたことありませんか?4文字能力、それらに進化しますが・・・もし器用貧乏だと半端な能力で覚醒するでしょうね、もちろん気に入らなければ全てリセットして1から塗り直せば再度作り直す事は可能ですが、面倒ではないですか?」

雪花「一度確定すると塗り直しは出来ないの?」

バース「はい、確定しますともう色に関しては干渉出来ません、世界がその色に適応していまうのです、ですから色は偏っている方がいいですね、7:3の割合でもいいですし、偏っている方が扱いやすいですね、私の感覚の話になりますけどね」

バースは一通り説明し終えると頭を深く下げる。

雪花(このユミルは凄く礼儀正しいわね、変な圧が無い分マシかも・・・)

雪花はユミル・バースに対して警戒心を少し解いた、だがその時だった。

バース「雪花様の身の回りは私にお任せください、疲れたならマッサージをします、怪我をしたなら治療もしましょう、もしその・・・性欲が溜まれば私が相手になりましょう///私も乙女ですが・・・頑張りますね!」

雪花(毎度思うけどなんで世界王とか従属って性行為までがデフォルトで考えてるのかしら、あれかしら私達は性的な事は閉鎖的だけど野性的な種族はむしろオープンだって聞いたことがある、それに近いのかしら、まあ確かに生物が生きていく生理現象の一つではあるから・・・)

雪花はバースの言葉に対して頷きながらも頭を悩ませる。

・・・・・・
雪花「本当広いわね・・・第零都市の比じゃないわよこれ・・・」

バース「元々色を塗る時は一気にです!一部屋とかではなく一定のエリアを一気に染めてしまえば移動する手間が省けますよ」

雪花は「それが出来るなら苦労しないわよ」と思いながらもバースの話を聞く。

雪花「そういえばこの世界って世界の住人は居ないの?」

この世界は風景だけで生物が生息していない。

バース「人ですか?必要ですか?私は貴女が一番大事に考えている人の姿になっているのはせめてものってやつですよ?」

雪花「一番以外は価値が無いって言いたいの?」

雪花は少しムッとしたような顔でバースに聞く。

バース「自身に関わりある人達全員を守るなんて無理な話ですよ、それに貴女には向いてません、例えばこの世界の住人を生み出して仲の良い子が出来たとしましょう、それが他の従属に殺された場合、その従属をどうしますか?殺しますか?ですが権利はあるはずです、雪花様に好かれているというだけで雪花様から粛清を会うのは理不尽ではないですか?」

雪花「それはそうだけど・・・でも殺人は禁止ってルールにすればいいじゃない」

バース「それは名案ですね、では無能な人達が溢れかえりますね、では互いに干渉する事も禁止ですか?」

雪花「なんで?そこまで禁止なんてしないわよ」

バース「人を殺すのが直接的な殺人だけだと思ってます?人は心を殺すために言葉も使えます、人間関係だって使えますし、状況を使う事も出来ます、そんな目に見えないものまで管理する事が雪花様には可能ですか?しかも人が増えればその人達の色も塗らないといけません」

バースは今まで笑顔で語っていたが冷たく、そして鋭い眼光で雪花を睨む。

バース「貴女、主パトの忠誠をこの世界の中なら無下にしてもいいって考えてる?相手を理解するには相手の心を理解しないといけない、質感を知るためには触れなくてはならない、じゃあどうやって触れるの?それは勿論性行為も含まれるわね、男性でも女性でも両生類でもいいですが、自分の力のために自分の身体をこの世界に捧げるような考えは捨てた方がよろしいかと」

雪花は自分の考えが甘かった事に対して反省する。

雪花「そこまで考えてなかっただけよ、そんなに怒らないでよ」

バース「そうですね、私も感情的になりました、ですが私達がやらないのは面倒臭いという理由ではなく【そのやり方が最も雪花様に適している】と判断しているからです、貴女は複数人よりも一人で考える、一人で行動する方が楽だと考えるタイプですからそうしているだけです、ですがそれをすると暴走しがちになるので私達が貴女にとって最も大事な人の姿となって助言をするのです、それが私達ユミルとして考えです」

雪花は再認識した、この世界は雪花に最も優しい世界なのだと、誰よりも雪花の事を考え理解して適応してくれる世界。

雪花「なんかそう聞くとこの世界も悪くないって感じてしまうわね」

バース「そうでしょう♪だから雪花様も気兼ねなくここに滞在するといいですよ、現実世界との時間が気になるなら私が止めておきます、そうすればこの世界で何日居ても現実世界では実質0です!」

雪花は驚く。

雪花「そんな事も出来るの?」

バース「修行とかの手段では使えませんよ?この世界では能力は扱えませんし、力が増える事も減る事もありません、肉体は現状維持なので現実で怪我をしてこの世界に逃げても現実での怪我をそのままこの世界に来ることになりますし、治ることも痛みが治まる事もありません、言わばゲームでいうスタートボタンをして画面停止をしている状態です。休まるのはあくまでゲームプレイヤーのみでゲーム内のキャラクターはそのままです」

雪花「わかりやすい例えをどうもありがとう、でもそれでもこの世界は使い所は沢山あることがわかったわ」

雪花はバースに対して笑いながら一通り探索し終えると自室に戻る。
すると雪花は服を全て脱ぎだし、そのまま自分のベッドに入る。

雪花「一度やってみたかったのよね、こうやって全裸でベッドに寝るの、現実だと気が気じゃなくてできなくてさ、でもここなら問題ないわけだよね?」

バース「はい問題ないですよ、あ、飲み物とか要ります?一応現実再現なのでつくれますよ」

雪花「そうなの?でもそれって大丈夫なの?」

バース「私の力です、都合が良い話ですが、私は任意で現実世界をこちらに干渉させる事も出来ます、なのでこの世界での蛇口をひねれば本来であれば何も出てきませんが私が触れれば現実世界の水と繋がり水を出す事が出来ます」

雪花「便利なのね、それじゃあ寝ているから近くに置いといて」

雪花はそういうとそのまま眠ってしまう。
雪花はたまにはこの世界を休息の場として使うのもありだと思いながら・・・。

2025年12月15日

No.198 従属の強化(R18)記憶のカケラその1

パト「以前聞いたことあるけど従属はなんで俺から体液とか、エネルギーを貰うと強化されるんだ?」

パトは暇つぶしで呼んでいたシンに聞いていた。

シン「セクハラですか?」

パト「いや、まあそう思われても仕方ないな、でもそこ否定的ならシンには今後はそんな関係は望めないね」

シン「冗談ですよ、そんな事言わないでくださいよ!えっと説明しますとですね!私達は主様の力から生み出された存在なんです、それはまず理解してますか?」

パト「それは勿論、でも帝園だと月花の力も影響しているだろ?」

シン「そうですね、ですから帝園という世界を強化して恩恵を受けられるのは主様と月花様の二人のみです、そして逆に私達に恩恵を与えられるのもお二人のみです」

パト「って事は月花の体液やエネルギーでも良いってわけ?」

シン「実際はそうですね、ですが密度が全然違います、例えばですが、主様の場合、唾液よりも精液の方が主様の情報量が多いのはわかりますか?遺伝子的な意味で捕えて貰っても構いません」

パト「うんうん、そうだね、それはなんとなくでもわかる」

シン「次に月花様の場合ですが、月花様の場合はそうですね、唾液、ここでは愛液と言いましょうか、それらを摂取したとしても遺伝子的な情報量は少ないですよね」

パト「確かにね、となると女性の場合は卵子とか?」

シン「そうですね、ですがそれを得る方法は?」

パト「・・・現実的に摂取出来るものじゃないな、ああ、もしかしてだから精液の方が効率がいい的な?」

シン「はい、もちろん唾液でも主様や月花様の体内で生成された分泌物には変わりないです、だから強化は出来ますが・・・効果が薄いんです」

パト「血液とかは?」

シン「ありですね、血液は特に遺伝子情報がありますからね、ですが魔族や妖怪族みたいな血を好んで飲む種族から良いですが私達は流石に嫌です、だって血を飲むなんて生理的にも嫌です」

パト「まあ、そうだな、俺も月花の血を飲めって言われたら結構きついかも・・・」

シン「そうです、つまり気持ちの問題という所もあります、例えば従属が男で主が男と女両方居た場合、男の精液を摂取する手段を選ぶと思いますか?」

パト「俺が従属だったとしても女の人の方がいいな」

シン「それが本音です、摂取方法で言えば私は主様と月花様から摂取可能です、ですが私は女であり、もちろん性欲もあります、そして私は主様が大好きです、そして同性恋愛に一切の興味がありません、となれば月花様から唾液を貰ったり、愛液をすするような手段を選ぶことに抵抗があるのはわかりますか?」

シンは順序よく説明する、パトもシンが恥ずかしがることなく説明するため、下心なしで真面目に話を聞けた。

これがシンの人柄がなせることだとパトも納得していた。

パト「うん、わかる、選択肢はあっても取りたくないってことだね」

シン「その通りです、だから極力私達は主様の唾液や精液で強化されたい、ひとつの我儘だと思ってください」

パト「そう言えば昔ミールから聞いたことあるんだけど、唾液は1帝オーラ相当、精液は5帝オーラ相当って聞いたことあるけど実際そうなの?」

シン「間違いはないですが、補足があります、それは摂取方法ですね、言わば【どうやって摂取したか】によって効率が全然違います。」

パト「それは初耳だな」

パトは勉学的意味合いで興味を持つ。
シンは分かりやすいように指から光の映像を映し出す。

シン「問題です、主様の唾液を一定数摂取したとします、口から摂取するのと股間から摂取するの、どちらが効率が良いかわかりますか?」

パト「ええ、口からじゃないの?」

シン「外れです、女性型の従属の場合股間、主に膣内から子宮に届ける方が摂取効率が高いです。卑猥な話などではなくこれは女性が最も遺伝子を吸収しやすい臓器があるという意味です。口からは栄養として吸収するので勿論効果はあるのですが残念ながら子宮程の効果は得られませんね」

パト「どれくらいの差があるんだ?」

シン「大まかに例えるなら唾液を口から摂取した場合1帝オーラ相当の強化だとすれば、子宮からの摂取は3帝オーラ相当の強化が見込めます、勿論量や質にも関係します、ですが3倍の効果は見込めます」

パト「っとすれば精液の場合は5帝オーラ相当だから15帝オーラ相当か、それって凄くないか?」

シン「はい、これは主が男、従属が女だから成り立つ最大限の強化方法です、男と男、女と女、女と男ではこうはいきません、主が女で従属が男の場合は主である女の人が男の従属から力を吸収する関係性になります、というかそもそも女神が複数の男性と関係を持つと穢れが発生して朽ち果てますので実際は成り立ちませんね」

パト「そうだよな、確か複数の遺伝子を持つことが出来ないからだっけ?」

シン「その通りです、女神は一つの遺伝子を取り込んで次の子孫を残す事が可能ですが、それが二つの遺伝子が交わることで穢れが生まれる、結果的に女神は身体を維持出来ずに崩壊する。そういう意味では人間や動物、生物の方が肉体的には強いですね」

パト「そうか、だから主である俺が男だから女の従属が生まれやすいとか?」

シン「主様の場合、主様が今構成されているものが月花様、メリア、カナと雪花の4名ですから、女性だけの世界が生まれるのは仕方ないですね、実質女性と女性が作り上げた世界のような認識なんでしょうね」

パト「俺男なんだけどなぁ、でも世界を作られる時に世界は俺を女と認識しているって事か、何か微妙な気分だな」

シン「それがむしろ良かったです、先ほども言いましたが男の主と男の従属は相性が悪いのです、戦いとか相棒的意味合いで言えば優秀なのかもしれないのですが、強化方面では絶望的ですね、女性と女性も同じです、女と男は・・・逆に従属に殺されるパターンが多いですね」

パト「シンはそういう所も把握してるのか?」

シン「勿論、能力で把握していますよ、勉強してますので、ミール様が色々な世界線を作って教えてくれたりもするんです、ですが・・・酷いものですよ」

パトは聞いた。
女が主で従属が男だらけの末路、それは強姦による女主の消滅。
女が強いが男が反乱を企て、実力で勝てないため数狙いで強姦し、消滅させる等。

殆どが強姦による消滅だった。

パト「胸糞悪い話だ、でもそれって専属神内でも居たよな、ソフィアとソルテの世界には男の世界王や従属が、危ないのか?」

シン「ソフィアは大丈夫ですね、なにせ二人は身内ですし、人との従属契約は存在しないので、ソルテは・・・どうですかね、人との契約はありませんが世界の中ではわかりかねます」

パト「逆に言えば女しか居ない世界は安心って事か、メリア、アリシア、雪花、ハク、琴歌、ラル、月花の7人は問題無しなのは救いか、カナは・・・よくわからないんだよな、あの世界、カルティナの世界ってゲームみたいな世界だろ、それって魔物に負けたらって展開にならないのかな?カナ曰く負けたらゲームみたいに消滅するからとは言ってたけど、逆に負けなければって事もあり得るよな」

シン「それは世界王が守りますよ、先ほどの世界は世界王が居ない世界でしたので、世界王が居れば世界王が主を守ります、なので基本は大丈夫です、そのため世界王が居る世界か否かでは世界の質が全く異なるのですよ」

パト「そうなのか・・・それは良かった、というかなら早く言ってくれよ、心配したじゃないか!」

シン「いえいえ、でも心配するのは大事ですよ、それで話を戻しますが、主様についてですが、ストレリチア様がそもそも男を作らないと思います、効率が悪いというのもありますが、主様が男なら従属は女性の方が色々と扱いやすいのですよ、肉体的にも精神的にも蹂躙しやすいっていうメリットが強いですからね」

パト「俺はそんな事しないぞ!それにそもそも俺だって女だけだと居心地が悪いというか、扱いに困ると言うか、捨て駒として扱えないというか・・・色々気にしてしまうんだよ!心配事が増えるというか」

シン「それは主様が優しいからですね、でもそのメリットを覆せる話にはなりません、むしろそのメリットが残っている限り万園は絶対に女しか作りません、主様が女性を作りやすいというのも相まってね、専属神や従属神達も女性ばかりですし、女性の世界王が定着しやすく、そして従属も女性を作れる」

パト「結果、俺の能力で俺だけのハーレム世界の完成ってわけか、とんだなろう小説みたいな話だな、いや、なろう小説の方がまだ御利巧さんだよ」

シン「10人とか100人とかのレベルではないですからね、メリアみたいな事を言って申し訳ないですが肉体関係は積極的に取って欲しいです、私達にとって意味合いが異なりますので、愛情表現というのもありますが、私達を育てるという意味でもありますから、そもそも肉体関係は一つの信頼関係を築くにもうってつけです、卑下する気持ちもわかりますが、価値観が違うとだけ言っておきます」

パト「シンまでメリアみたいな事言うんだな、それが一番幸せの形だって」

シンは頭を横にふる。

シン「それはあくまで効率の話です。主様が効率よく私達を鍛えたいならこうした方がいいという話です。私は自身で言うとお勧めはしません、価値観は違えど嫉妬等の感情はあります、特にネルは間違いなく主様に強い恋愛感情を抱いてますし、私も勿論主様が大好きです。だからこそ義務的に性行為をしてほしくない、愛して欲しいと願います、そもそも私達は強いですから力なんて求めてません、十三天の心は力よりも愛情が欲しいです、それは別に肉体関係に限らず定期的に呼んでこうして話してくれるだけでも凄く嬉しいものなのです」

パト「そうか、何処に言っても俺は男であることでしか評価されないのかと思ったよ」

シン「これは教養です、だから知識を入れた上で主様が選べばいい事です。ほかに聞きたい事はありますか?」

パトはシンから従属の強化について話しを聞けたことで満足したがもう一つ聞きたい事があった。

パト「世界王の立場はどうなんだ?」

パトはネルが世界王に進化したりと世界王というクラスに属する従属とも接点が増えた、ミールも帝園の世界王として存在している、だがそれは他の従属と同じなのか?

シン「基本は同じです、ですがネルによると、世界王に進化してから唾液交換では強化出来なくなったと聞きました。」

パト「え、そうなのか?でもネルはそんな事一言も」

シン「ネルから聞いた話になりますが、万園の神籟(しんらい)?という方が言うには、世界王は世界王を喰らうか、主本人、もしくはストレリチア様から直接恩恵を頂かないと強化出来ない、少なくとも万園関係の世界王はそうだと言っていたそうです、つまりストレリチア様から功績として世界王としての経験値を貰うか、主、ここではパト様が高濃度、相当量の精液提供で強化出来るというわけですね、勿論子宮に直接です、吸収率も考えたらこれだけの条件でやっと世界王が強化される、ただの従属よりも成長の難易度がかなり高いと見た方がいいですね」

パト「ストレリチアの恩恵っていうのは?」

シン「それは神籟様も知らないみたい、その恩恵を受けているのは万園でもたった一人の世界王だけと聞いたから、ほかの世界王は皆世界王を喰らって強化された存在であると答えたらしいわ、ネルが言われたのは「貴女は私達が出来なかった強化方法、主様からの恩恵を得て強化する方が近道、ストレリチア様が現在世界王を頻繁に作らない今、後天的な強い世界王は生まれないから」とおっしゃったそうですよ」

パト「万園も性行為を勧めるわけか、もう嫌になるな・・・」

パトの表情は暗くなる。

シン「酷い妄想と言えばどれだけ良かったか、私が主様の立場なら恐らく同じことを考えます、どの世界に言っても肉体関係を迫られる、そうしないと強い従属を手に入れてもそれ以上の強化が出来ないと強制してきているみたいなものですからね、心中お察しします」

パト「何かいい方法はないのかな、例えば血液とか!」

シン「致死量に至らなければいいですね、ですが性行為が無理ならそれも致し方ない決断です、ですがそれは危険な橋です。血液だってしっかりと主様の体内で生成された高濃度な遺伝子情報が入った血液が必要となります、つまり回復しながら血液を与えるのは不可能なんです、何故なら回復で生み出した血液は瞬時に身体を強化して作り出しているものであって濃度が高くありません、勿論精子だって透明なものに意味はないです、しっかりと白い事が前提です、つまりは高濃度で無ければならない事が条件です、血液ならばかなりの量を取られます、ですがまだ楽ではありますね、ですが貧血だったり、身体が弱る事は免れません、それに比べ性行為による精子提供はおおよそ3回が限界でしょうが、命の別状がない上に身体的不調になる事もありません、すみません何度もでも結局のところ皆さんが勧めるだけの事はあるのです」

パト「選択肢はあってもそれを選ぶか否かは話は別って事か」

シン「そうです、毎日キスをして唾液を与えるよりも1回の性行為、血液1リットルを提供するよりも1回の性行為、この際汗や尿、涙でもいいですよ、ですがそれらを一定量飲むよりも1回の性行為、全て性行為1回に勝る効率的手段が存在しないんです、むしろそれが主が男、従属が女の関係だけが許された最大級の利点と言ってもいいです」

パト「・・・ありがとう!いい勉強になったよ!」

パトはシンの頭を撫でながら褒める。
シンは顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに身を委ねる。

パト(・・・どいつもこいつも結局は身体かよ・・・いちいちこんなことで腹を立ててる自分が本当に気持ち悪い、周りが求めてるんだから協力するという形でやればいいのに・・・こうやって俺の気持ち一つで皆を困らせてるのが現状っていうのがわからないのか?本当反吐が出る)

これはパトがEDになる要因になった一つのきっかけ、
【肉体関係こそが全従属が求めている事である】という事実。

patopatoblog at 20:26|Permalink│日常(R18) | メインエピソード

No.197 誕爛(たんらん)

これは万園、世界王戦争時代のお話。

この話を語るのは神籟(しんらい)。

神籟「これは私がまだ世界王戦争で戦っていた時期のお話です。といっても時期も後半も後半、ほぼ最後の方になりますかね、私が唯一死を覚悟した戦いを思い出したんです」

神籟は語る。

・・・・・・
世界王戦争、ストレリチアが優秀な世界王を作ろうと切磋琢磨していた時代、それこそ数億という数の世界王達が産み落とされた、だがどの世界王も自我が強く誰もが自身が世界の王であるという事を疑わない、誰かの下につくなどありえないと断言するような個性派揃いだった事もあり、生まれて間もない世界王達は戦いを続けていた。

だがそんな世界王戦争もストレリチアが世界王を上手く作るコツを見つけ出せば世界王を作る頻度も下がり、数が減って来ていた。


世界に世界王が1000体も居なくなった頃、現時点で最強種として名を轟かせていたのは8名。

界羅(かいら)、祖占(そうらな)、誕爛(たんらん)、高簾(こうれん)
朔薬(さくやく)、惺紡(せいほう)、神籟(しんらい)、御殿(ごでん)

この8名の世界王ランクはEXランク以上、軍として群れない世界王のため、各自名を上げては
挑戦者を待つか、獲物を狙いに行く【狩る側】の存在だった。

8名の最強種の中でもランク分けがされており、外側では臨戦態勢を張っているが、内心は格上とは戦いたくないという感情が下位ランクの最強種達は考えていた。

1位:界羅
2位:祖占
3位:誕爛

4位:高簾
5位:朔薬

6位:惺紡
7位:神籟
8位:御殿

3グループに分けられており、
1位~3位は戦ってはならない、無敵グループ
4位~5位は戦っても勝利を絶対に得られない、無敗グループ
6位~8位は本来の最強種と呼ばれる、最強グループ

とされている。

神籟はこの時自身を狙う御殿といつ戦ってもおかしくない状況になっていた。
互いが姿を見れば威嚇、そしてどちらかが仕掛けた段階でどちらかの死は確実、
そしてこの戦いに巻き込まれるとSSS+クラスの世界王でも死は避けられないだろうと万園全体で
緊張感が漂っていた。

そしてそんな状況になっていたのはもう2グループ存在していた。

4位高簾と5位朔薬だった、互いに同レベルの世界王として決着をつけようとしていたためだ。

そして囁かれていたのは3位である誕爛が誰かを狙っているという噂。

順当にいけば1位か2位のどちらかだが、このグループが本気で戦うという事は同じ最強種である4位以下の世界王ですら巻き込まれれば死を覚悟するしかないと言われているレベルだと言われていた。

・・・・・・
数年後。

詳しい話は飛ばすが結果だけを伝えると7位神籟と8位御殿の戦いが始まった。
時間にして4ヵ月、結果は7位の神籟が8位の御殿を喰らい、神籟の勝利で終えた。

そしてその戦いが火蓋となり、4位と5位の戦いも始まった。
これが多くの被害を出した最悪の戦いとなった。

日々互いを睨み牽制してしあっていた世界王達を無惨に蹴散らしながらも最後は5位の朔薬が4位の高簾を撃破し、8体だった最強種が6体になった。

ここで問題が残っていたのは3位誕爛が誰を狙っているのか、それが今だにわかっていなかった。
そもそも誕爛が本気で誰かと戦っているのを見た者が居ないのだ。

神籟は長い戦いの傷を癒すために身を潜めていた時に最悪の事態が起きた。

・・・・・・
神籟「やっと鬱陶しい存在が消えた、ずっと目の仇にしてきてましたからね、御殿は、ですが流石は建築の世界王、あらゆる建設物が私の真言を防いできたうえに私を妨害する設備と攻撃する設備を無限に作り続けながら無限に広がる建物の空間に閉じこもった時は・・・いやもう考えるのは辞めましょう、この頭痛は半年は収まらないかもしれないわね・・・」

神籟が自分の世界で休息をとっていると自分の世界に大きなヒビが入ったのが眼に入る。

神籟(襲撃?確かに私が弱っている所を狙うのはセオリー的にも問題ない、だが私を狙う奴なんて・・・)

神籟は警戒する、そしてヒビから大きな穴が空き、そこから一人の赤い髪と赤い目を宿した者が降りて来た。

神籟「誕爛(たんらん)?!」がば!!

神籟は想定外の来客に疲れを気にせずに警戒態勢に入った。

誕爛「随分弱っているみたいだな神籟、君が最強種を撃破したのはこれで二人目、凄い事じゃないか、私は誰も倒していないというのに」

誕爛は笑いながら神籟に話しかける、神籟に近づいて来る誕爛の足取りは軽かった。

神籟「わざわざ私の世界に入ってきて何?万全の状態である私じゃなくてこんな弱り切った私を殺して満足?」

誕爛「?別に?世間話をしに来ただけだよ、神籟との世間話を終えたら次は朔薬の所だね、あの子も凄いよね、3人目の最強種を撃破したらしいしね、あんな大人しそうな子が戦ってみたら最も強いというのは面白いものだよね」

神籟は警戒していた。

神籟(何を企んでいる?世間話をするためだけに私の世界に入って来るか?というか本来相手の世界に入るのはリスクが高すぎる行為、なにせ相手のテリトリー内、何が起きてもおかしくない、むしろ相手の世界に入った時点で負けは確実と思ってもおかしくないのに・・・馬鹿なのか?それとも・・・)

神籟の世界に入っても問題ないと判断しているのか?

それだけ誕爛と神籟の間には実力差があるのか?

神籟の脳裏には誕爛の事で頭がいっぱいになっていた。

神籟が得意とする真言で一度誕爛を狙ってみる。

神籟「§右手を上げろ§」

神籟が真言を放つが誕爛が右手を上げるは一切なかった。

神籟(私の世界に居て私の真言の影響を一切受けないのか・・・勝てないのは間違いないな・・・)

神籟は誕爛のランクを確認する、これは万園ではデフォルトで出来る行為であり、相手の名前と世界王ランクはいつでも表示可能である。

誕爛(たんらん) ランクEX+
神籟(しんらい) ランクEX

神籟(EX+か、私のランクよりも上、まだEXよりも上があった事に驚きだよ、これで3位とされているんだから他の二人なんてどんな化物よ、リスクを冒したくないからって一度も会った事ないけどこればかりは後悔かな)

神籟はリスクを冒してでも一度くらいは上位3名のステータスは確認するべきだったと後悔するがそれも既に遅い。

誕爛が神籟に話を続けるが神籟は一度も会話が頭に入って来なかった。

誕爛「聞いてる?」

神籟「ええ、全然聞いてないわ、聞けるわけないでしょ、貴女、怖すぎるのよ」

神籟は降伏したような笑みで答える。

誕爛「あはは、私は君、いや君達を狙わないよ、私はね、ずっと君達を見守っていたんだ、雑魚に興味はないけど君達は雑魚じゃない、有望な世界王達だ、特に朔薬、惺紡、神籟、君達は努力してここまで上がって来た、それは賞賛に値するよ、でも残念だけど、誰一人として私の領域までは来られなかった。でもそれは仕方ない事、普段から得ている栄養の量が違うんだ」

誕爛は笑いながら話す、神籟は栄養という言葉に不審を抱き、質問する。

神籟「栄養?それはどういう意味?それは世界王をいくら喰らってきたかの話?だとすれば誕爛、君の言い分はおかしい、見守って来たと言っていたのは嘘じゃないだろうね、事実君が誰かと戦っている姿、狩りをしている姿を見た者は誰もいない、正確には誰も生き残ってないだけかもしれないがでも一切情報がないのはおかしい。数年前だったか祖占の無差別攻撃で数百億の世界王達が溶けて養分にされた事件は今ここまで生きている世界王達なら強さ関係なく把握している」

神籟は続けて話し続ける・

神籟「界羅だってそうだ、この世界を統括するストレリチアの代理を担う存在、そんなストレリチアの右腕的存在である界羅は唯一ストレリチア本人から養分を貰い強さを得ていると、これは既に誰もが知っている事、じゃあ誕爛、君はどうやって養分を得ているって言うんだ!才能だけでここまで強かったなんて言わせない!」

誕爛は神籟の目を見て笑う。

誕爛「私はね、この万園で唯一、ストレリチア様と同様、【世界王を生み出す事が出来る世界王】なんだよ、つまり私の世界にはこの万園と同様世界王達が住む世界が存在する。そしてどこからその養分を作るか?簡単な話だよ、世界王を生み出すための養分を自分の力として吸収している、つまり自分の身体一つで自給自足が成立しているんだよ、そして私の能力はさっき言った通り世界王を作り出すものだ、じゃあわかるよね?」

誕爛は神籟に笑いながら問いかける、だがそれはとても分かりやすい問題。

神籟「世界王だけの軍隊、そしてそれらを養分にしているって事は誕爛の力は・・・はは、もしかして存在する世界王の能力全てか・・・世界王レベルの全知全能ってわけか、規格外め」

誕爛「褒めないでくれ、それでも私は3位、界羅にも祖占にも勝てない、不思議だろう?世界王を作る世界王で生み出した世界王を統べるのは勿論、あらゆる世界王の力を扱える私がこの二人には勝てないんだ、でもそれが真実なんだ、だから諦めた、上を目指す事も下の子達に対して何かをしようとも思わない、それが私だよ、だから心配しなくていい、君レベルの真言は私も持ってる、だから」

誕爛はそう言うと神籟に言葉を発する。

誕爛「§右腕を上げろ§」

神籟「?!?!」右腕が上がる。

誕爛「元々はCランクくらいの子が持っていた世界王の力だったかな、でも私が扱えばそれはEX+級の精度になる、もちろん朔薬も、惺紡も、死んだ他の最強種の子達の力も全部、私は持っているよ」

誕爛は指を慣らすと誕爛の背後に無数に群がる世界王達が現れる。

神籟は目を見開く、驚きを隠せなかった。

その数は今この万園に存在する世界王の数、いや元々億と居た万園に世界王以上の数の世界王が誕爛という一人の世界王から現れたのだ。

誕爛「この子達は私が作れる最高ランクS+級の世界王達だけ呼んだんだよ、私の世界はこんな戦争は起きていない、私はストレリチア様よりも平和な世界を実現出来ている、でも乱暴しようと思えばいくらでも戦えるよ、例えばこの子達、神籟にとってはS+ランクの雑魚だけど、私の恩恵を受ければ全員EXランクと戦えるくらいには強化出来るけど・・・どうする?」

神籟(ああ・・・無理だ、勝てるわけがない、つまり私が戦ってきたのは・・・無駄だったってわけか・・・なんかやる気失ったな・・・)

神籟は泣きだす、それは降伏というよりどう頑張っても辿り着けない領域が存在するのだという絶望、戦意喪失だった。

・・・・・・
神籟「私はあの出来事から戦意を失った、どう頑張っても絶対的な格上は存在するとわかったから、だから周りからは丸くなったとか、大人しくなったとか言われてるけど・・・私だけが知っている誕爛の実力を見てから・・・私はちょっと拗ねてるのかもね、今も尚、戦争を終えて、唯一生き残った6名として残って、そこから円卓の王という組織が作られ、何をすることなく6位という席に座ったのも・・・本来の私なら4位の席を狙っていたかもしれないけど・・・結局は無意味だってわかってしまったから・・・6位に甘んじてるのかもね・・・」

神籟は最後に誕爛との会話を思い出し、語る。

誕爛「私はいつでも見守ってるよ、弱い子を見守るのは強き者の定めだからね」

神籟「私がそう言われたの・・・」




2025年12月07日

No.196 召喚士最強

地球防衛軍第五部隊はギルドを起ち上げた。

それはロイドが発案し、実現させたプロジェクトであり、世界で防衛軍に入ってはいないが力を持つ者の力をなんとか防衛軍側に貸してもらおうという第三勢力の加入を狙った案だった。

内容は防衛軍第三部隊、第五部隊の二部隊で発生した業務の外注依頼、それをランク分けして依頼する事で防衛軍隊員の安全な業務、そして今までに比べて防衛軍の負荷を軽減する効果があった。

Sランク、Aランク、Bランク、Cランク

基本はこの4ランクで仕事があり、グループや企業で登録した組織にも所属しているメンバーや組織実績によってランクを定め、受けられる仕事を調整している。

Sランクは隊長・副隊長クラスが受けるレベル
Aランクは選抜組隊員(幹部)クラスが受けるレベル
Bランクは選抜組隊員(新人)クラスが受けるレベル
Cランクは一般隊員クラスが受けるレベル

とされているためどの仕事も基本難易度が非常に高く、登録しているグループや組織、企業でも
仕事が受けられるCランク以下のDランク、Eランクが多く存在する、その時はCランクチームが格下チームを雇う事で仕事に参加出来るシステムであり、このギルドではCランク以上の組織というのは強い意味を持つのだ。

ロイドがここまで考えたのはあくまで協力者であるため死者を出してはいけないと考えたためだ。
そのため、登録されたメンバー各自にランクが設定され、仕事での役割バランスを整えるために
【職業】というものも同時に登録された。

それはまるでゲームのRPGのようなもので、剣士、治癒士、能力者等その役職の役割が出来る者を片っ端から称号を付けるシステムを採用している、そのため実力者は役職が複数ついている事が当たり前であり、仕事を受ける時もその役職持ちが何人必要等最低条件が組み込まれている事が殆どのため、複数の役職を持つ者が居て、ランクが高いメンバーが居るのは優良と判断されていた。

・・・・・・
ここまで説明してまずパトが立ち上げた組織

エウレカ探偵事務所

エウレカ探偵事務所の組織ランクはギルド最強とされる【Sランク】本来ならばクランを作って普段誰も取れない【Sランク】【Aランク】の案件を元請け受注者として格下組織を雇い共に業務をやらせるというのが本来の組織としての在り方だろう。

そして職業の話に戻る、その中で最も珍しいとされている職業、それは【召喚士】

防衛軍ギルドに登録されている召喚士は全体の約1%未満、現時点で1000人ギルド登録しているとすればたったの10人にも満たないレア職である、

元々は獣魔使い、魔物使い、日本になると式神使いの類がこの役職に選ばれる。

エウレカ探偵事務所ではパトと月花が選ばれた。

・・・・・・
パト「召喚士だけの親睦会って何をしろって言うんだ・・・」

月花「数少ないって事はそれだけ成長のきっかけ、発見が少ないって事でもあるから同職者同士で色々刺激を与えて成長してくださいって事でしょうね、でも」

パトはスティアを、月花はセキを連れていた。

その周りに居るのは獣使い、魔物、悪魔、妖怪のような雑魚キャラと言ってしまえばそれまでの生き物しか居なかった。

セキ「おい月花よ、わしはこやつらと同じ類か?月花はわしの事を犬と思っておったのか?」

セキは不機嫌そうに睨む

月花「犬なんて思ってないわ、鳥とは思ってるけど」

セキ「そう言う事を言っとるんじゃないわ!なんでわしがこやつと同系統扱いなのじゃ!酷いのじゃ!酷いのじゃ!わしはお主の守り神で今はパートナーじゃろうが!!」

月花「じゃあ琥珀かアイレでも良かったのよ?あの子達と散歩してあげるの楽しいし」

セキ「おいおい、月花よあんな理性や品性が欠ける奴らと同じ空間に置いていたら二人が危ないじゃろう、琥珀はまだ大丈夫じゃがアイレが心配なのじゃよ」

月花「セキ、あまり大きな声で喋らないで、ヘイトが私に向くでしょ、周りを下に見てるって勝手に思われて恨まれたらどうするの」

セキ「むしろ同程度と思われるくらいなら劣等感を抱いてて欲しいのじゃよ・・・」はぁ

セキはため息をつく、それを横目で見ていたパトは心の中で安堵する。

パト(良かった、スティアは基本寝ているし、こういうのに一切興味ないからセキみたいにイライラすることもないし、とりあえずこの場はなんとか凌ごう・・・ネルなんて出したら絶対にセキ所の話じゃないぞ・・・)

パトはスティアではなくネルを連れてきていたらと想像し、溜息をついていた。

召喚士A「あの、パトさんですよね、僕WCBTを見てまして!2年前ではありますが凄く強くかっこよかったです!昨年は出ていませんでしたが今年は出られるのですか?」

パト「え、ええそのつもりです、ですが今年は各国予選かららしいですね、まずは日本代表にならないといけませんからね、となるとやはり強敵は昨年準優勝の四季雪花ですかね、彼女は僕の大事なパートナーであり、相棒であり、家族ですから、もちろん月花も警戒してますよ」

パトは月花に話しかける。

月花「日本代表になれるのはたったの4枠、そしてアジア大会で16枠、ヨーロッパ大会16枠、アフリカ・オセアニア大会16枠、アメリカ大会16枠、計64名のWCBT大会だったかしら、アジア大会だったら問題ないのだけど日本大会となると凄く大変ね、パトと雪花、美魅、今年は出るかわからないけど、カナやハクも日本国籍、私を含めたとしても誰かは必ず予選落ちするしね」

パト「ソフィアも一応日本国籍だな、となると・・・はは、日本で既にWCBT準決勝レベルだな、激戦区だ」

召喚士A「いやはや、今年は大変そうですね、ですが今上がった名前って殆どがエウレカ探偵事務所のメンバーですよね、流石です、Sランクは伊達じゃないですね、パトさんも召喚士だったのは本当以外でした、ご本人がそこまで強いのに召喚獣を扱う場面ってあるのですか?」

パト「そうだね、基本僕は従属に頼ってるんだ、僕自身はあまり何もしないかな、僕がそうしたいっというより従属達が仕事を奪われるのを極端に嫌うというか、というわけであまり従属達の仕事を奪わないようにしてるって感じだね」

召喚士A「達って今頭の上に乗っている子だけじゃないですか?!えっと、あまり詮索するのはご法度なのは理解してますがその・・・その子は実力で言うと何番目ですか?」

パト「考えた事なかったですね、ですがこの子自体は相当強いですよ、かなり上の部類ですね」

召喚士A「そうなのですか、あ!これ使ってみます?」

召喚士Aはパトに万歩計のような機械を渡した。

パト「これは・・・」

召喚士A「召喚した生物の力量を計る機械です、人間のオーラと違ってこれは総合戦闘力を見る機械らしくて、数字は思った以上にシビアだと聞きました」

召喚士Aは自分で精霊を召喚した、その精霊は風属性の光の粒のような存在だった。

召喚士A「僕は恥ずかしながら・・・戦闘力21です、ランクはEです、ですが風魔法は素晴らしいものですよ!」

パト「おお~~」
月花「おお~~」

パトと月花は面白そうだと思い、セキに提案した。

月花「セキ、やってみたら?」

セキ「わしがこれを?おい月花よ・・・」イライラ

召喚士A「え?!まさかそこの女性の方、四季月花さんの召喚した方なのですか?!人型?!凄すぎる?!」

召喚士Aは驚く、そしてその声を聴いて周りも動揺する

召喚士B「あの人が召喚した生物?!人でしょ?!」
召喚士C「いやいやありえないって、でもいいなぁ~」

パト(やっぱりセキは目立ちすぎじゃないか・・・月花)

月花(他の子の方が大問題よ、フォティアとかリアの方が人型ドラゴンってファンタジー感強いからね)

パト(でもなんか話題を持っていかれたみたいでなんか悔しいな)

月花(パト、今でもこういうのでスゲーー!って言われるの好きだしね~、ネルでも出したら?)

パト(いやいい、そもそもミーエル、エテル、美魅がその従属ですって言えば終わる話だしな)

パトは変な所で目立つのは嫌がった、というのが自分よりも従属の方が優秀と思われるのがプライドが傷つくため、ほかの人達にそれだけは伝えたくなかった、実際は自身よりも強い従属だらけなのだが。

召喚士A「あの、ぜひこの戦闘力測定器を当てて貰えませんか?比較してみたいです!」

月花「いいけど、これって最大値はいくら?」

召喚士A[9999が限界みたいです、人とは違いますからね」

月花「セキ、とりあえず壊しておきなさい、牽制しておきましょう」ボソボソ

セキ「パト坊に話題を向けないためじゃな、いいじゃろう、ならわしがちょっと驚かしてやろうではないか!」

セキは戦闘力測定器に触れ、力を込めた、すると即座に数値が9999と表示された。

召喚士A[9999?!カンストですか?!ここに居る大体の人で最高は156だったのに・・・」

パト(まあ、当然だろうな、うちのスティアならもしかすると500くらいで済むかも、全然強化してないし)

月花(そうね、でも大丈夫でしょ、なにせもう話題はセキに向いてるからここからパトに向く事なんて)

召喚士B「まさかパトさんの従属もそれくらい強かったりするのですか!」

パト(うわ、全然駄目じゃん、でもいいか、今のスティアなら!)

パト「そうだね、でもうちの子は今寝てるし、そこまで期待しない方が・・・」

パトがそう話しているとスティアが起きた、そして運悪く、空腹で人型の姿に戻った。

スティア「主様!お腹空いた~~!ご飯~~!美味しいお肉をご所望~~」

召喚士B「獣人?!いや、これは・・・まさか神獣?!」

場がどよめく、パトは困惑する、スティアに事情を説明するまえに召喚士Bはもう一台の戦闘力測定器をスティアに持ってきていた。

召喚士B「あの!これを持ってもらってもいいかな?」

スティア「んん?なにこれ?」

パト「おいおい!勝手に僕の従属に接触は・・・」

スティアが戦闘力測定器を持った瞬間数値が9999と表示されたが煙が噴き出し、爆発した。

スティア「あれれ~~?壊れた?」

召喚士B「はわわわわわわ・・・・・・」動揺

パト(やってしまった・・・とりあえず勝手に渡した事について注意を)

月花「すみません、パトがしっかり躾をしているとは言え貴女に何かあればパトの責任になります、不用意に他人の従属に触れるのは辞めてください。」

月花は真面目な顔で相手を睨みながら注意する、
さっきまでざわめいていた召喚士達の空気が変わり、大人しくなる。

召喚士B「すみませんでした・・・」

パト「ちなみにこの事は内緒にしていてくれ、僕達は召喚士の職を与えられたけど召喚士として仕事をするつもりはないんだ、これはあくまでこの場だから連れて来ただけですので」

パトが周りに口止めをしようとする横で声がした。

ネル「主様よ、むしろここでこいつらを徹底的に脅して格の違いというものを見せておいた方が面白いのではないか?」

パト「ネル?!馬鹿お前なんで出て来た?!」

ネル「馬鹿とはなんだ主様よ、随分な挨拶だな、私が出たら主様がここに居たのだろう、まあ状況は案の定大体把握しているわけだがな」

ネルはニヤニヤしながら召喚士Aの元に歩く。

ネル「それを貸せ、私は主パトの無限に存在する従属の中で最も愛用されている最強の従属だ、お前達みたいなゴミと主様との格の違いを徹底的に教えてやろう」

ネルは召喚士Aの持つ機械に指をさす、それだけでその部屋にあった全ての測定器を破壊した。

召喚士A「ふ・・・触れても無いのに・・・全てをカンスト破壊・・・ば・・・化物?!」

ネル「ああそうだ、思うだろう?私のような化物が居て、お前達を見る時の感想は何か?それはゴミがどれだけ集まってもゴミだ。戦力になりやしない、ゴミがデカいか小さいかの違いだ、全てちりとりの中にしまい込めば違いもわからん、私からすればそれだけの事だ」

ネルは召喚士A含むその場に居る召喚士達にドヤ顔で語る。

パト(詰んだな・・・後でネルには説教だ・・・)

月花(パト以上に目立ちたがりが居るのを忘れてたわ・・・)

二人は頭を抱える、セキも溜息をつくが今この場において誰もネルを止める事は出来ない。

ネル「おい雑魚共、お前らのゴミを出せ、やる気ある奴から私に掛かってこい、相手してやる、ただし、私に近づける奴がいるかどうか・・・いた?!」ぽかん!

ネルは後ろからパトに殴られた。

パト「威圧するな、事情を知っているなら大人しくしていろ、なんで親睦会なのに悪目立ちしなくちゃならないんだよ」

ネル「相変わらず小者精神の主様よ、ここはお前らと自分達では格が違う、だから不可能だが精々私達のように使えるゴミになってみろくらいは言ってみせろ、これだから主様はダメなのだ」

パト「だ~か~ら~!そういう場じゃないって言ってるだろう!」

スティア「ネル~~、私お腹空いてるから後で良い?」

ネル「仕方ないな、それではここらのゴミに実力差を見せる前に飯にしよう!時間の無駄は止すんだ主様よ、こいつらが生涯鍛えたところで今の主様にも届かない、従属だって所詮はあのおもちゃの数値で1000くらいが精一杯の奴が一人くらいでるだけだろう、ゴミだ、少なくとも帝園の一番雑魚でもあんなおもちゃの数値なんてすぐにカンスト破壊可能だ、いつまでも庶民の娯楽に付き合ってる暇はないぞ」

ネルはスティアと共に食堂に向っていった。

・・・・・・
パト「本当に最悪だ、ほかの召喚士達やる気をなくしてなかったら良いんだけど」

月花「まあいいんじゃない、どうせライバル企業になってたかもしれないし、レア職を持って居たらレアな仕事も負かしてくれるかもしれないじゃない!でもレア職の召喚士が居なくなれば仕事独占!いいお金になるわ♪」

パト「はぁ、僕は普通に仲良くなって終わりたかったのに、戦闘面で役に立たなくても情報面で役に立つと思ってたのに・・・これじゃあ僕だけハブられるよ」

月花「まあ、あれね・・・どんまい♪ネルにちゃんと事情説明してなかったパトも悪いって割り切るしかないわ」

パト「そうだよな、うんありがとう、とりあえずネルには説教だな)

パトは疲れた背中を月花に向けながら食堂に向った。

月花「でも本当パトは大変よね、力をつけるために帝園の従属を倒す、だけどそれで契約が完了するからパトが扱う従属の数が増える、しかも帝園は毎日従属を数えきれない数生み出しているみたいだから
サボっちゃうと後々大変だし、従属の軍隊を扱う世界ってよく言った物ね」

パト「倒すだけが条件じゃないにしても大体が倒したら契約してやる、認めてやるみたいな奴ばっかりだから友情ゲットみたいな奴は本当稀だな、最初が、というかスティア、エテル、ミーエルがただただおかしかったんだなって思い知ったよ」

パトと月花は二人で待機室話していた。
ネルとスティアの帰りを待っているのもあるが騒動が治まるまで時間を空けていた。

パト「さて、どう説明するか・・・」

パトと月花は元居た部屋に戻る。

・・・・・・
召喚士A「パトさん!四季さん!すみません!気を使わせてしまって」

パト「いえ、僕も申し訳ありません、彼女は凄く生意気といいますか、強さ故にって所がありましてですね、僕自身あまり彼女をこの場に連れて来たくはなかったのです」

召喚士A「いえ、こちらが詮索したのが原因ですし、むしろ彼女クラスの相手にあそこまで言われても正直納得という言葉しかありません、もちろん私達の従属が弱いというわけではなく、彼女程の実力者の前では弱者は無力というのはこの世界に居る以上誰もが認識している事です。もちろん悔しいから努力もします、世界は広いんだって思えました、いい機会を与えて貰って感謝です」

召喚士B「私も申し訳ありませんでした、テンションが上がってしまって・・・」

月花「私達の従属は強いが故にどこでどのように一般人や貴方方に支障をきたすかわからないので、お互い気を付けていけたらそれでいいですよ」

全員が謝罪しあい和気あいあいと従属達の話で盛り上がっている所に再度ネルが帰ってくる。

ネル「主様よ、どうだ?雑魚共を一掃してやるが話はついたか?」

パト「ネル、それ以上言うと本気で怒るよ、礼儀と作法は弁えろ」

ネルはため息をつきながら笑う。

ネル「まったく最近の主様は暴君が足りないな、シンみたいになってきてるぞ、まあそれでシンの適正値が上がるなら別にいいが、中途半端な心変わりなら私も異議申し立てはあるぞ」

ネルはそう言いながら近くの椅子に座り、全員を眺めていた。

セキ「何故わしの隣に座るのじゃ」

ネル「従属はここに座るルールなのだろう?なら私がここに座っても問題ないだろう」

ネルは腕と足を組みパトを見つめる。恐らく本気で怒ると言われ少し拗ねているのだろう。

パト「本当にすまなかった、それじゃあ従属について話そうか」

パトは召喚士とされる人達に従属との向き合い方や共に戦うについてを話した。
結果を言えば次元が違い過ぎてまったく参考にならなかったというのが最後のオチとなった。

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2025年12月04日

No.195 琴歌の仕事と日常

客先「ですが・・・申し訳ありませんが貴方方の経歴を調べさせていただいたのですが・・・その全員中卒というのは・・・信頼性がないといいますか・・・」

琴歌「学校で学ぶこと以上に学べる環境で学び、社会に出ているのですが何か問題でも?会社としての実績は説明しましたよね?そこに学歴は関係ありますか?」

客先「いえ、やはり最低限の学歴がないというのは・・・すみません、今回の話はなかったことで・・・」

・・・・・・
琴歌「今回の取引先の人は酷かったですね、まさか学歴だけで断るなんて、真の敵は無能な味方とはよく言ったものですね、大きなチャンスを無駄にするなんて」

フルール「主様や地球出身の方々はわかりますが、私達帝国の神達の学歴みたいな経歴はどうなっているのですか?」

琴歌「一応同じく中学卒扱いにしてます、そもそも日本国籍なら中学までは義務教育なので自動的に中卒扱いですね、それでどうしましょうか、今日の営業は飛んでしまいましたし今日くらいはゆっくりしましょうか」

琴歌はそう言いながら笑顔で歩き続けた。

エイリはフルールに小さい声で話しかける。

エイリ「琴歌様、ちょっと怖いね、やっぱり実力で評価されなかったのが気に障ったのでしょうかね」

フルール「多分・・・でも私もあの人は無能だと思う、判断材料として活用するのはいいと思いますが、それで全てをわかったように決めつけるなんて・・・」

琴歌「人は色々いますからね、日本だけではないんですよ、学歴社会というのは、お隣の韓国や中国だって学歴です、後は血筋ですかね、実力社会で成り立つ社会の方がいいと思うのですがね、私もかなり帝国の考えに寄ってますね、あはは」

琴歌は二人の話に入る、その表情は笑顔だったが、声色が笑っていなかった。

・・・・・・
エウレカ探偵事務所内

琴歌「という事があったんですよ!」

パト「それはまた凄い人に当たったもんだね、僕もそれを言ったら中卒・・・というか学校にすら行った事ないんだけどな」

琴歌「実力はあるのに変な肩書で判断するのは損だと思うのですがね」

パト「まあまあ、僕達が普通じゃないんだよ、やっぱり昔から中卒は下に見られやすいからね、何かのプロとかわかりやすい職ならいいけど探偵って結局は資格とかないからさ」

月花「あら、こう見えて私と琴歌ちゃんは弁護士試験を受けるつもりよ?やっぱり資格があれば色々仕事がやりやすいしね」

月花はそう言うと六法全書を出して来た。

パト「おいおいここは探偵事務所だぞ、法律事務所でも作るつもりか?色々逆転しちゃうのか?」

琴歌「ですがいい案だと思いまして、結局のところ何かしらの肩書が居るのならまずは資格を持つ事がいいのではと、私と月花先輩はこういう勉強は得意ですからね、この調子で難しい試験を色々取るのも悪くないですね、知識を権利を生かして仕事に役立てる!」

月花「探偵たるもの多くの知識は必須、つまり知識がない状態で推理なんて出来ないって事よ、見た目は子供頭脳は大人の名探偵さんだって知識量は凄いでしょ、知識があれば応用に活かす事も出来るし、ロジックを見破る事だって出来るもの!簡単に例えるなら科学の毒物で人が死んでた場合、その犯人を見つけるためにはその毒薬の性能を知る必要があるわよね?でも知らないと相手の犯行時間とか症状がわからないのよ、【飲ませた】【吸った】【塗った】少なくともこれだけの可能性があるわけだしね」

パト「やっぱり難しいんだな、僕は事件に遭遇しやすいと思って探偵事務所にしたけどそこまで考えてはなかったな」

琴歌「パト君は雪花ちゃんと同じく力で相手をねじ伏せてくれればいいですよ!実力行使を確実に実行出来る人なんて中々居ませんからね」

パト「ああ、ならいいけど」

パトは考えながら質問する。

パト「学校辞めた事後悔とかしてる?」

琴歌「私ですか?いえ、まったく、むしろ早い段階で自分の役割が決まって良かったです、どちらにせよパト君で出会わなかったらまともに仕事も出来ていません、なにせ無茶は出来ないんですから、ずっと机で作業する事務が関の山ですかね、秘書って何気に動きますからね」

月花「そうね~、私も後悔してないわ、私って基本なんでも出来るし、それに対して学歴があればとりあえず問題ないかなって考えてたくらいで、今はかなり重要な仕事をしてるわけだし、学校が全てとは思わないわ、まあ、学歴が一つの判断材料として機能しているのも確かだからそれは少し勿体ないとは考えるけどね、でもそれだと今も大学生をしてないといけないわけでしょ、時間が勿体ないわ」

パト「そうか、なら良かったよ」

やはり二人は頭がいい分自分の可能性は自分で見つけだし、実力で実行する力がある。
この二人を見ているとパト自身もただ戦うだけではなく、多くの知識として資格を取る必要があると
考えた。

パト「まあ、メリアから色々勉強は教わってるし、そろそろ僕も資格勉強とか始めてみようかな~」

月花「パトはまず英語!多国語の勉強をしっかりして!世界のめんどうくさい問題を請け負うって事は少なくとも多くの国の言語を理解しないと駄目なんだから、どうするの?知らない言語の看板前に集合とか言われたら!まだ翻訳AIだって完璧じゃないのよ!」

パト「でも脳内で月花が翻訳してくれるし・・・」

月花「私の脳みそは一つだけ!だから私が自分の仕事に専念している時はパトの事で相手するのは無理よ!それが嫌なら私を楽させる事ね!常に会社で寝てるだけとか!」

琴歌「それは絶対にあり得ないので安心してください、月花先輩♪私、宝の持ち腐れは嫌いなので♪最大限有効活用させてもらいますよ~」にっこり

月花「じょ、冗談じゃない、そんな黒い笑顔向けないでよ琴歌ちゃん」

琴歌「私だって冗談と理解してますよ、ではパト君、私は家に帰りますが今日は何が食べたいですか?」

パト「いや、数十分前にメリアから連絡来てて、もうご飯作ってるみたいだよ、最初はどうかと思ったけど何気にちゃんと専業主婦やってくれてるね」

パト達が地球でエウレカ探偵事務所で働いている間、メリアは最初こそは帝国で仕事をしていたのだが、やはりパトと離れるのは嫌だとメリアが地球に押しかけ、エウレカ探偵事務所の仕事は一切関わらない、帝国の仕事も緊急でない限り関わらない、という条件でパトと琴歌の家に専業主婦として住んでいるのだ。

琴歌「私が居ない間帝国で何かを進められる可能性を廃除出来る分私にもメリットがある、みたいな交渉をされたら私も断れませんよね、それにエウレカ探偵事務所の件も一切助言はしないと約束してくれましたし、何かあってもエウレカ探偵事務所関係なら手を出さないとも約束してくれましたし・・・破ったら遠慮なく帝国に返してくださいね、パト君!」

パト「わ、わかってるよ・・・」

パトは聞けないでいた、「メリアと一緒で大丈夫か」と
琴歌とメリアは仲が悪い、それはパト含め、専属神内でも有名な話だった。
それは仕事柄仕方ないと思える所がある分、周りもフォローが難しく、個人でなんとかして貰おうと
放置していた、故にパトは少し気まずい環境で過ごしていたのだ。

・・・・・・
帰宅

メリア「ご主人!琴歌ちゃん!おかえりなさい!ご飯とお風呂両方出来ていますので好きな方から選んでください!」

メリアはエプロンを着用して二人を出迎えた。

琴歌「では私はお風呂を頂きますね」

メリア「着替えは置いていますので、あと今日はヘルシーにしてますので油の心配はしなくていいですよ」

琴歌「助かります」

琴歌はメリアに笑顔でお礼を言うとそのままお風呂に入って行った。
パトはそれを見届けるとメリアに話しかける。

パト「専業主婦はどう?」

メリア「暇ですね、ですが帝国でも基本暇でしたのでそこまでって感じです、時間はほぼ無限にありますからね、その長い神生での一間の休息、そう思えればこのような暇はなんでもありません、暇を上手く活用できないようでは専業主婦は出来ませんからね!」

メリアはドヤ顔をしながらパトの上着や荷物を受け取り、着替えの準備をする。

パトとメリアがソファーでくつろぎながら談笑しているとお風呂から出て来た琴歌がパトの隣に座る、
3人の座る位置は決まっている。

琴歌「何を話してたんですか?」

メリア「ご主人が英語の勉強をしたいと言っていたのでそれについて話してまして、ご主人多言語を理解するのが凄く苦手なのか全然コツを掴んでくれなくて」

パト「無茶言うなよ、俺だって結構頑張ってるんだぞ、むしろなんで月花の頭脳を持ってるのにここまで頭に入って来ないんだ?使い方の問題か?」

琴歌「難しいですよね、私はまず基礎を徹底して覚えますね、それがないと文章を作れませんからね」

メリア「琴歌ちゃん帝国に居る間で結構他の星の言語も習得してましたよね?」

琴歌「アリシア様について行って何度も会議に参加させてもらいましたからね、最初なんて毎度違う星に行く旅に聞きなれない言語で喋られるので大変でした、しかも地球みたいに勉強の本があるわけではないので理解するのにも苦労しましたし」

パト「でも理解したんだから凄いよな、最近なんて琴歌だけ向かう機会が多かったんだろ?凄いだろ」

琴歌「いえいえいえいえ~~、その代わり警備はアリシア様の時に比べて4倍は多く動いてましたけどね~~」テレ

メリア「仕事の話で盛り上がるのはいいですがご飯も食べましょう!常に出来たて状態になるように私のオーラでしっかり保護してましたからね!食べたらリラックスして貰って二人共明日に備えて寝てくださいよ!健康第一ですからね!」

琴歌「なんか今のメリアさんが綺麗すぎて違和感が凄い違和感を感じますね・・・」

メリア「仕事だったからですよ、今は使命とか仕事とか何も考えていませんからね、いいじゃないですか私だって何も背負う事なく生きてる方が楽でいいんですよ」

パト「メリアがそれでいいならゆっくりしてくれてもいいんじゃないかな」

琴歌「同感です、むしろ私達がこうして頑張ってる間はメリアさんは何もしないし、させないしで私にもメリットがありますよ」

メリア「仕事関係になると私と琴歌ちゃんは険悪ですからね、別に辞めろとは言いませんが、帝国では容赦しませんよ」

琴歌「ええ、何度でも言葉でねじ伏せて見せますよ」

パト「はいはい!ご飯食べる!バチバチしない!!」

3人はそうしてご飯を食べる。

・・・・・・
就寝

パト(俺の股間が反応しなくなってから夜這いに恐れる事が一切なくなったな、琴歌はそもそもそう言う事は一切しないけど、メリアも全然してこないのは意外だったな・・・)

パトはそう考えながら横で寝ている琴歌とメリアを見る。

基本3人川の字で寝ている、シングルベッドを3つ繋げてマットをトリプルサイズにしている。
メリアは二人が寝る前に裁縫をしていた。

メリアは裁縫が好きらしく、基本自分の服は自分で作るらしい。
よく考えたら幻想郷から出て世界を旅していた時も服はメリアが作ってくれていた。
生地はオーラを編んで実体化させる技術があるらしく、自然素材じゃない分強度が高く、軽量であり、効果的なため敢えて自身のオーラを使っていた。

そうして裁縫しているメリアを眺め、横で資格勉強をしている琴歌を見て、そして二人が就寝したところを見届けてからパトは寝る。

パト(以前はゲームしてたんだけどな・・・どうも気が削がれるんだよな、別に不自由してないからいいんだけどさ)

パトは寝に入った。
今日も一日が終わる。




patopatoblog at 01:52|Permalink│日常 

2025年11月24日

No.194 幸せの代償(R18)

幸せをずっと感じ続けるとどうなると思いますか?

不幸をずっと感じ続けるとどうなると思いますか?

人はどちらも過剰に摂取してはならず、どちらにしても心を壊す要因になります。

例えば幸せ、多くの幸せは身も心も満たし優越感に浸る事が出来るでしょう。
ですがその先に待つのは幸せという麻薬の依存、人は強い幸福感を感じると気持ちが落ち着いた時に心が病むようになっていると思うのです。

不幸なら問題ないのか?不幸は料理に例える事が出来るでしょう。

不幸を知らない人が幸せという美味を感じる事は出来ません、不幸を知っている、不味い料理を知っているからこそ美味しい料理がわかるのです。

そういう意味で言えば適度な不幸は人をより幸せにするために必要な栄養と言えるでしょう。
だがその幸せを過剰に取れば再度不幸に陥る。

人の心は常に波のように揺れ動き、バランスを保たれている。

私は厭悪の究極系 エル・サンダイン。

人の悪感情を利用する事に特化した女帝。
だがただただ悪意を送り込んでも意味がない。

人の心を深く深く追求した技術が必要になる。

私は研究した。

とある話を聞いたことがあるだろうか?

男性の自慰行為、やり過ぎる事で男性ホルモンが減少し、鬱になりやすい
逆に適度な自慰行為は身体共に良き影響を与える。

自慰行為をしなければ男性ホルモンが増え、健康になり異性にモテる。
だがずっと自慰行為をしなければ男性としての性欲が失われると同時に精子の作られる量が減り
結果的に男性ホルモンが減ってしまう。

これは一例だが適度なバランスを保つ事で均衡を保っている現状がある。

帝園は女性しか存在しないためこの一例は現実世界で知った一例であり、私が現実世界に出て自身の厭悪についてしっかりと考えるまで思いつきもしなかった。

これが私にとって究極系の構成員に辿り着けなかった要因。
人を知らなさ過ぎた。

ただの悪意は人によって救いにも居心地の良い空間にもなってしまう、
それを主、パト様との闘いで学んだ。

だから相手にとって最も嫌う悪意を的確に見つけ取り込ませる必要があるのだ。
だがそうなると私は人を知らなさすぎる。

私の出身園 第十二園は軍事国、常に戦争が起き、第十二園内にある国はいつも戦いに明け暮れていた。

元々私もその隊員だった。
当初の実力は中の上くらい、だが邪人族は褐色肌が当たり前なのに私はアルビノ肌、邪人族にしてはあり得ない程白い肌を持っていた、故に同じ隊員から迫害を受けた。

もちろん性的暴行も受けた。

何度も殴られた、舌なんて何度も千切られ、穴という穴に真っ赤になった熱した鉄棒を突っ込まれた。
肌を焦がせば褐色なるのではと何度も拷問を受けた。

それはそれは多くの無慈悲な悪意を受けた。
そこで私は目覚めた。

気付けば私は悪意に対して何も感じなくなっていた。
それどころか悪意が私自身を守ってくれる、癒してくれる、今まで受けていた攻撃も全て当たらない。
私は攻撃の影響を受けない肉体と精神を手に入れた。

そして数年、私は今まで私を虐めた邪人族を辱め続けた。

私の舌を引きちぎった奴らには今まで千切られてきた私の舌をご馳走した。
私の穴という穴に鉄棒を突っ込んだ奴らには丁度股の間に穴が空いていたためそこから鉄棒を突き刺し
きっともっと黒くなりたいと思い、串刺しのまま火あぶりにした。

私は不思議と今まで受けて来た暴行で失ってきた部位がすぐに再生した。
本来であれば帝園で死ぬことで全部位が治るのだが私は自然治癒で治った。

不幸だった。
だけど私はその不幸を受け止める器があり、悪意が私を愛してくれた、それに甘んじて私はただただ悪意と共に寄り添って生きて来た。

幸せだった。
私の幸せを皆にもわからせたかった。だけど他の皆は私と違って不幸を受け止める器がなく、悪意もまた彼女達を愛さなかった、だから死ぬギリギリまでずっと許しを乞うていたのだろう。

そう、私は不幸であり、幸せだった。

話は逸れたが結果的に人は幸せ過ぎても不幸を感じ、不幸を感じなければ幸せを感じれない。
だから私は考えたの、私は主様と対峙した時、めいいっぱい不幸にしてあげよう、そして私という
幸せに満たされ依存させればと。

私はちょっと甘かったのかもしれない、
あの時の反省をずっと私はしていた。
本来の計画で言えば私が雪花や月花に告げ口をし、以前のパトが帰る数日前に雪花と月花と以前のパトが3人で性行為をしている所を主様に見せるつもりだった。

メリアはそのトドメとして用意していた。
目の前で愛する人二人が主様にとって知らない男性の肉棒と繋がっている光景は最大級の不幸を言えるだろう、きっと立ち直れない、これがあとから術中だと知った後でもきっとその光景は消えない。

最大限の不幸、だがそこで終わらせてしまっては意味がない、
そのためのメリアだった。

主様は逃げるように自室に籠るだろう、きっと心を壊すだろう。
そこでメリアと以前のパトがまた性行為をし、今まで自分の前だけ囁いてくれた愛の言葉、艶めかしい喘ぎ声、自分だけしか知らないメリアの肉壺、そこを自由に弄ぶ肉棒、それがトドメだった。

それが最終日、そしてそこで項垂れる主様に私が取り入る。

一晩中愛する、裸で、私がずっと主様に愛を囁く、そして主様は私に依存する。
これで完成だった。

最大限の不幸中の幸福、それは最も無くなっている栄養が一気に満たされ溢れ出るような幸福の洪水。

今まで愛していた恋人達の目の前での裏切りによる悪意で満たされ、私がそこに介入することで主様は悪意に飲まれたままずっと生きていく事が出来た。

だが結果を言えば失敗。
メリアがそれを阻止し続けた。

メリアも同じ依存を得意とする女性、同じ依存を扱う者同士、結果的にメリアは私の能力で作った存在にも関わらず、最初の出会い以降以前のパトと会う事すらしなかった。

それはメリア側にとって最大級の依存攻撃だっただろう。
メリアは一度主様の前で以前のパトの腕を組む事で嫉妬心を生まれさせた。
結果的にそこから雪花と月花が以前のパトと仲良くなる程度で終わったが、それがメリアの価値を高めさせた。

パトはメリアと会えなかった、だから四季家と仲良くなった。
主様にとってパトとメリアに目の前で進展がなかったのは心の何処かでは安堵だっただろう。

それが主様の嫉妬心を持たせながらもメリアを無意識のうちに意識させる高等テクニック。
モテる女は異性をその気にさせるのが上手いと聞いたことがある。

自分が他の男性に惹かれるかも、取られるかも、それを上手く誘導出来る女性は男性からアプローチを受ける。

その中でメリアは私を止めた。
私にとって誘導したかった展開以上にここで動きを止められるという意味を最後の最後まで理解出来ていなかったのが大きかった。

途中までは私の邪魔をするメリアがただただ鬱陶しいだけだったが、結果的に主様が私に対して不信感を抱き、最終日にパトと私の接触を見せつける事で完全に私への好意が絶対的安息の地ではなくなってしまった。

メリアと同じ土俵、「いつかとられてしまうかも」という感情の域に入ってしまった。
それで私はメリアに勝つのは不可能だった。

結果的に私は主様に拒絶され、最後の最後で否定され、負けた。

・・・・・・
ずっと反省してきた、主様を陥れるやり方、周りを陥れるやり方は間違っていなかったと今でも思う。
だがその悪意は主様に拒絶されるだけで、きっと私は消滅するだろう。

だからこそ私は悪意についてもっと学ばないといけない、ただ悪意を埋め込むのではなく、
もっと巧妙に、そして周りがその悪意に違和感を覚えないように。

それが厭悪の究極系、エルの進化論なのだから。

patopatoblog at 00:49|Permalink│日常(R18) 

2025年11月16日

No.193 ハクとティノール

ハクは帝国に残った

パト達が地球に戻りエウレカ探偵事務所を経営している時、
本来であればハクは自分にとって二人の主の元に居なければならない。

だがそれを拒んだ。
それは現時点で自分の役職上離れる事が出来なかった。
そしてやっとハクにとって馴染める環境が整いつつある時にまた別の環境に移動するのが厳しかった。

ハクの立場で言えばそんな事を言ってられないのだが、ハクは自我を優先した。

その判断は数日たった今でも後悔しているし、仕方なかったと思い込むには時間が掛かる出来事だった。

・・・・・・
ハク「もっと勉強しないと・・・」

ハクは最近特訓がおろそかになっていた。
ハクにとっては帝国法治部隊は荷が重すぎる仕事だった。
だがメリアがハクなら出来ると与えられた役職、そして最初こそは嫌だったがパトや雪花、ほかの専属神達と肩を並べる事が出来る唯一の手段だからこそ妥協はしたくなかった。

ハク(私は専属神内で一番弱いんだから・・・)

ハクにはコンプレックスがあった。
それは専属神内序列9位、という肩書だ。
最下位は月花だが、月花が持つ世界【帝園】は専属神内世界ランキング1位、世界王ランキング1位と月花は他の専属神以上の物を持っているため、実質ハクが専属神内で一番弱いと言っても過言ではない立場であった。

ハクは帝国に来てから恐らく専属神内で最も成長した。
時空を自在に操り、時と空間の理解度を高めた事で高火力技を多く生み出し、
単純な攻撃力であれば雪花を上回る程である、勿論将来性を考えた時、破壊神として存在するソルテ以上の火力も出す事が可能となるポテンシャルを持っているうえに、世界に唯一の才能を持つため、自身を卑下する必要はまったくないのだが、ハクにとって現在、現状が最も重要視する。

ハク「はぁ、もうこんな時間か、また特訓出来なかったし、最近自分の世界に入ってないなぁ」

ハクの世界 虚園(イナニスエデン)

虚無の世界であり、その世界には世界王ティノールしか存在しない。
難しいルールも無く、自分の神域解界時の効果を調整するための世界という認識でハクは世界を使っていた。

そこの管理者兼世界王のティノールはたまに会ったら会話相手になる程度で殆どは放置、そもそも日頃の彼女は知能が低く会話もそこまで成立しないため放っておく方が彼女のためでもあった。

ハク「でもずっと会わないと私の事忘れちゃうからたまには顔を見せておかないとだしね」

そうしてハクは自分の世界に入った。

・・・・・・

ティノール「なのね、こうやって私が何かしらやらかした時だけ皆集まって私を責めて来るけどさ、結局の所私を抑制出来ていないルードゥスも悪いと思うんだけど」

ハクが世界に入った時、視界にティノールが立っていた、そして珍しく4体の眷属を纏わせ会話をしていた、ハクにとって知能のあるティノールに会うのはかなり久しぶりであり、恐らく初めて虚園に入った時以来ではないかと考えていた。

ハク「珍しいね、どうしたの?皆揃って」

ハクがティノールに声を掛ける、するとティノールはハクに対して事情を説明する。

ティノール「私がいつもどおり色んな所を散歩してたんだけど、その時どう考えたのか拾之刻空間の設定を触って跡形もなくしちゃったんだよ、それで元に戻そうにも元の数字なんて覚えてる訳もないから困ってたの、それで4人から凄く私が責められてたんだけどルードゥスも悪いと思わない?だって私の管理をしているのに私を止めなかったんだよ、それは私悪くないよね~~」

ティノールはルードゥス(緑目)に指をさし責任転嫁をし、ルードゥスはそれを拒んでいた。

ハク「まあまあ、それは私が治せば良いだけの話だから、でもあれだね、ルードゥス以外の眷属って普段は何をしてるの?ずっとティノールの身体の中には居るんだよね?要所要所で出て来るとか出来ないの?」

ティノールはハクの質問に対して「あ~~」と少し困った顔をして答える

ティノール「要所要所で呼んでいる形ね、東西南北の果てに拠点を置いてるの、本当なら私一人でもいいんだけど、それだと私、本当に自我というか狂暴化しちゃうみたいで、私も記憶がないのよ、だからこの世界の平和のためにもってことでルードゥスが面倒を見てくれてるみたいで、4人には【喜怒哀楽】の属性を持ってる訳なんだけど、ルードゥスは【楽】、楽しいと思える気持ちを司っているから一番私と相性が良いみたいで、ただ能天気で知能が低い子、つまり子供っぽくなっちゃうみたいで、でもそれが一番マシらしいからルードゥスが居てくれるというかね」

ハク「あ、あ~~そうなんだ」

ハクはよく喋るティノールの言葉を追うのに必死だった。

ハク「でも【喜】でも良さそうな感じではあるけど」

ティノール「不気味だって言われた、ずっとニコニコしてるから・・・話しかけてもずっとニヤニヤケラケラで・・・ちなみにあと二つはもうわかるでしょう」

ハク(【怒】は文字通り怒り、【哀】は悲しむ、鬱とかそういうのかな、だとしたら確かに面倒臭いかも)

ティノール「私に誰もついていなかったら【魔王】、4人全員が私に集まっていたら【賢者】それが私、また暇な時は私じゃなく他の眷属の子達にも顔を見せてあげて、唯一この世界で私を管理している【私の一部】だから」

ハク「うん、そうだね」

ハクはそう話していると元々の目的についてティノールに聞かれたため、帝国での事情を話ながら今抱えている不安を話した。

ティノール「大変だよね、でも以外、ハクが主様や雪花様よりも自分を選ぶなんて、それってかなりの進歩なんじゃない、だって元々この二人はハクが自立して貰える事を望んでいたわけでしょ?だから今回の件も二人は別にハクの事を悪いようには考えていないんじゃないかな、それに既に結構な人数が地球に帰ったんだよね?なら主様にとって第二の故郷、帝国の治安を守るのも大事な事だと思うけどね、ハクはこのまま帝国に残って成長してたらいいんだよ、多分地球に行った子達よりも大幅に強くなれると思うから、そう考えたらいいんじゃないかな?」

ハク「そうだね、まさかティノールからそんな話を聞けるなんて思いもしなかったなぁ」

元々はティノールのお世話をしなければという使命感で入っただけだったが良い話を聞けたと満足したハク。

・・・・・・
ハク「色々ありがとう話を聞いて貰えてスッキリしたよ」

ティノール「私も設定を直してもらって助かったよ、それじゃあまた暇な時にでも私に会いに来てね」

ハクはティノールが弄った設定を直して現実世界に戻る。
これはちょっとした出来事のお話。

No.192 帝園の天使王達

ティエルは第四の園(テーセリスエデン)の最高責任者にして天使族の御神体
帝園での全体実力順位は4位、王冠(ケテル)族の天使王も務め、全美徳を司る存在である。

そんなティエルが現状頭を悩ませてる事がある。

それは【各属性の天使王達が問題児しかいない】点だ。

知恵(コクマ―)の天使王 序列2位 リティエル

彼女はプライドの塊であり、自分が優秀である事を疑わない、
その結果他属性の天使を見下し、ほかの天使王とも仲が悪い。

理解(ビナー)の天使王 序列3位 ラクトゥエル

彼女はリティエルとは真逆の性格で誰とでも打ち解け、優秀でありながら
他者を理解出来る心の広さを持つ、だが自分の事を蔑ろにしがちで
割と自分の領地の事になると適当になるという問題点があった。

慈悲(ケセド)の天使王 序列4位 ミーエル

彼女は浅はかであり、幼稚、慈悲の割に怠けたり、ほかの天使に仕事を
丸投げしたり、ほかの園では慈悲とは程遠いあくどい交渉で困らせる等
主との契約問題以外にも多くの問題を起こしていた問題児筆頭

峻厳(ゲプラー)の天使王 序列5位 エミエル

彼女は自己中心的にして我儘、自分が常に第一であり、自分に甘く相手にはとことん厳しい
で有名であり、彼女の身勝手な行動は同じ属性から他属性の天使王からも
嫌がられている、ミーエルと同等レベルの問題児

美(ディファレト)の天使王 序列6位 ミファエル

彼女は美に対する意識が非常に高く、基本拘りが強く少しの歪みも許せない
という面倒臭い性格をしている、基本同じ属性の天使からは好かれているが
他種族の天使からは嫌われている。

勝利(ネツァク)の天使王 序列7位 ユイエル

彼女は最近【第二の園】に種子や候補生ではなく、いきなり構成員として採用された異例の
天使王である。

性格は根暗でオタク気質、感性がおっさんで相手にマウントを取って気持ちよくなるタイプ
同じ趣味や感性、同じ推し等の同じオタクが許せない厄介オタクでもあり、
日頃からアンチやレスバ、天使界にSNSのようなネットワークは存在しないため
他種族で存在するオタク仲間と常日頃から討論している、だが内容は凄くどうでもいい。

極度の負けず嫌いのため、他の天使王からは基本話しかけられない。

栄光(ホド)の天使王 序列8位 ラタエル

仕事人気質で常に結果を求める性格、天使としてはまだマシな部類
結果至上主義のため、結果で栄光を掴めない天使は落ちこぼれとレッテルを張りやすい

天使王達に対しては対等だがそれ以下になると態度が悪いで有名であり
同族にはかなり嫌われている、そして堕天化している天使で最も多い種族でもある。

基礎(イェンド)の天使王 序列9位 ラグリエル

普通、無個性、特徴と言われても何に対しても突出した所がない
影が薄く基本頭数に居れ忘れられている可哀想な存在。

ティエルも思い出さないと頭に残らない程天使王なのに個性がなく
本人も話しかけられなければ話さないタイプのためもっと改善してほしいと
思っている

王国(マルクト)の天使王 序列10位 クオエル

毎年天使王がコロコロ変わる種族であり、当たりはずれがある
今の天使王は比較的当たりだが、3代前の天使王は大外れだった。

同種族内では民主主義的制度をとっており毎年選挙を行って代表を決めているらしい。
クオエルは保守派思考であり、自領土の安定化を考えるリーダシップ溢れる天使王である。
現状天使王で一番人格者。続いてほしいとティエルは思っている。

知識(ダアト)の天使王 序列11位 レエル

学者気質の天使王で学問に対して身を置きたいと考える天使が集まりやすい、
別種族の天使もレエルについてくる者も多く、唯一の他種族領地の長として
日々研究に勤しんでいる。ちなみ喋らせると長いため、ほかの天使王達は
レエルに話しかけない。

・・・・・・
以上、現状の天使王達の特徴と現状、評価を書いたが、問題は

天使王同士の仲が悪い

これが最も問題とする所だった。

ミーエルが問題を起こした時
もちろんティエルは庇った。
だが第2位リティエル、第5位エミエル、第8位ラタエル、第10位クオエルから猛反発を受けたのだ。

擁護派は第1位ティエル、第3位ラクトゥエル、第9位ラグリエル、第11位レエル

無関心は第6位ミファエル、第7位ユイエル

結果的にミーエル降格派と擁護派が半々だったのとティエルのフォローもあり、ミーエルの降格は免れたものの、他種族同士の天使王の仲が悪いためこのような問題が起きた時仲間を守るという感性が一切ないのがティエルの悩みだった。

第5位エミエルが人形になって現実世界に留まっている件も問題になった
第7位ユイエルが第二の園に選ばれ天使王達にマウント取った事で反発や抗議が起きた問題もあった。

基本他種族が問題を起こしたり、功績を出すと他種族の天使王は不満で仕方ないのだろう。

・・・・・・
ラタエル「私は日頃から不満があります!私は間違いなく他天使王に比べ功績を出しており、実力もあります!なのに何故8位のままなのですか!種族事で序列が決まっているのなら私はこれから努力してもずっとあのユイネルよりも格下の順位のまま生きていかねばならないという訳ですか!!」

ティエル「そもそもね、その序列は天使の種族代表を表す数字であってね、決して天使王達の序列を表す数字じゃないのよ?種族としての序列だからそこに天使王達の優秀か否かは採点に入ってないの、だから皆立場で言えば平行線なんだよ?わかる?」

ラタエル「お言葉ですがティエル様、でしたらこの天使族の副責任者は誰なのでしょうか?まさか第2位のリティエルではないでしょうね?私は過去に一度も彼女と競った事がありません、なのに種族的優劣で天使族の副責任者すらも奪われてしまっていたらと思うと」

ティエル「えっと~~、でもね、争いで優劣は決めて欲しくないというか・・・わかってくれない?」

・・・・・・

ミファエル「ティエル様、私達天使族はもっと高貴で優雅であるべきですが、それは美的センスがなければ成り立ちません、なので私、ミファエルに美、いわゆる芸術部門を任せてはいかがでしょうか?」

ティエル「他の種族の子達の歴史もあるからね、やっぱりミファエルだけに全権利を委ねるのはどうかと思ったりね、もちろんミファエルの美的センスは素晴らしいと思うよ?でも皆違って皆良いって言葉もあるし、ほかとは違う感性だからこそ美は輝くと思いますし、ここは自身の領地でもっと美的センスを磨いては如何かなと」

・・・・・・
ティエル「・・・おかしい、天使族は美徳にちなんだ種族のはずなのに、なんでこうも欲望に溢れてるのだろう・・・」

ティエルは頭を抱えながらも天使族の王として日々天使王達と関わり、関係性を調整する。



No.191 ネルがパトの布団に侵入しない理由(R18)

ネルはミーエルと会話をしていた。

ミーエル「そういえばネルって結構強きな事言ってるけどさ、夜這いとか強硬手段を選ばないよね?ネルなら無理矢理襲って既成事実を作ってても全然違和感ないんだけど、むしろネルが毎度主様を振り回してる方が納得出来るけどね」

ミーエルはネルが主であるパトに主従以外にも個人的な恋心を抱いてるのは理解していた。
帝園はそもそも種族によってパトに対する好感度の上がり方が異なり、神族に関しては常に100%、
言わば「生まれた時から主が大好き」という状態で生まれるため、ネルがパトに恋心を抱くのは仕方ないと思うのだが、ネルはその感覚よりも一線を超えてパトに対して好意を抱いていたのはミーエルでも気付いていた。

ネル「まったく品のないただただ胸だけがデカい天使にはわからんのだな、一方的な行為に何の意味があると言うんだ?」

ネルは涼し気な顔で答える。

ミーエル「つまり主様から求められないと自分からいけないヘタレということ?」

ネル「言葉を慎め駄天使、私程の高貴な女帝がそんなことで臆するとでも?」

ミーエル「だって他の皆なんて主様からムードなんて一切作ってくれないから無理矢理作ってる感じだって聞いたよ、そもそも主様って常に性欲だけは満たされてるからムラムラして求めて来るみたいな状況にはなりにくいから仕方ないと思うんだけどね、せめて3日くらいインターバルを設けていれば多少は性欲が回復して主様からも従属の誰かに対して性交渉をしてくると思うんだけどね」

ネル「お前の無駄な考察は不要だ、私はただ主様が求めていない行為に対して私からねだっていても仕方ないと言っているんだ、考えてみろミーエル他の従属は主様と肉体関係になりたいがために自身を売って誘惑しているのだ、みっともないと思わんか?だが私は敢えて主様から来るのを待つ、それはまさにプライドなんだ、私からはお願いしない、私が欲しいなら主様から要求するんだとな!」

ネルは胸を張りドヤ顔をしてみせる。

ミーエル「そう考えてるから売れ残るんだよ、このままだと他の子も肉体関係持ったのにネルだけ・・・なんて事にもなりかねないよ、そういえば以前シンがパト様の部屋から夜遅くに出て来てたな~、なんかシンは火照っていたような~~」

ミーエルは嘘をついた、シンがわざわざ一人でパトの部屋に出る必要はない、何故ならパトに召喚されて出るか、パトから出て来るか、戻るかなので全てパトで完結するため、わざわざ他の部屋に向かうという行動が必要ない、だがその嘘にネルはまんまと引っかかる。

ネル「は?!抱かれたのか?!ズボズボされたのか?!」困惑

ミーエル「表現が下品!!」

ネルは平常心を装うために近くにあった布で手を拭く。

ミーエル「そもそも他の子だって女性的魅力があるんだから主様が欲情しても仕方ないでしょ?あれだよ、「ヤラせてくれない女よりもヤラせてくれる女がモテる」みたいな」

ネル「そんな穴モテ女に私はなりたくないぞ!!」

ミーエル「でも主様との関係で次のステップに行くためには少なくとも肉体関係は必須じゃない、むしろそこをいつまでも超えないからネルって今の関係のままなんじゃない?雪花とかメリアを見なよ、恋人であり良き相棒!って感じが凄いじゃん、人生のパートナー感が出てるじゃん?でもネルって主様の忠実なるしもべ感はあるけど相棒とはちょっと違うじゃん?」

ネル「・・・・・・」困惑の表情

ミーエル「私思うんだ、別に何もしないていいけどさ、せめてちょっとくらいは攻めたらいいんじゃない?このままだと本当に色んな人は肉体関係を持ったのにネルだけって事にもなりかねないよ、私はそういう気はないけど、もし主様が私を求めたら絶対に身を委ねるしね、忘れてるかもだけど私慈悲の天使だし、基本主様の願いは叶えないといけないしね」

ネル「まさかお前?!もう主様と?!」

ミーエル「全然、というか多分私性的対象で見られてないね、以前着替え中に裸見られた事あるけどまあすごい、オブジェを見てるかのような平常心、逆に私が困惑してしまったくらいだよ、「え、なんで私の裸見て平常心なの?まさか性欲枯渇した?」って」

ネル「それは哀れだな、まあ涙ふけ」

ネルはそう言いながらもさっきまで持っていた布をミーエルに渡すが、「そんなネルの手汗でベトベトな布なんていらない!!」っと拒絶されてしまう。

ミーエル「でもベルはわからないけどさ、シンとか比較的に抱かれやすそうじゃない?ルラ様も奉仕に関してのポテンシャルずば抜けて高そうだし、ルナなんて肉体関係持ってても違和感が全然仕事しないし、ネルよりも関係を持ちやすそうな子なんて沢山居るんだから早くしないと拗らせるだけになると思うよ~」

ネル「わかった・・・襲いはしない、だがせめて同じ布団で寝るくらいは・・・」

ミーエル「そうだね!それがいいよ!ちなみに私が主様と同じ布団で寝た時はくすぐられたり、身体をちょんちょんされて虐められただけだったよ、悲しいね~」

ネル「帝国の時だろ、あれは見ていたがお前が女性的魅力が無いのが悪いだろ、あれではただのガキではないか・・・」

ネルはミーエルを煽りながら会話を続け今晩作戦を実行に移した。

・・・・・・
ネルはミーエルとの会話を終えるとパトの部屋に向っていた。

ネル「主様よ、今日は主様の部屋に泊まるぞ、ベッドを用意させろ」

パト「そうなの?わかったメルリアにお願いしておくよ」

パトはそういうとメルリアの元に向いベッド追加のお願いをしていた。
ネルはその時パトとメルリア、そしてその会話に加わるエイリやフルールの姿を見る

ネル(こいつらは私が寝ている間に4人同時に性行為をしたんだったな・・・私も居たのに私だけ省かれた、それが一番悲しいな、私はあの3人よりも魅力がないと言うのか・・・)

ネルは胸に痛みを覚えながらも今晩実行する計画のためにお風呂に入り、パト達と共に過ごす。

・・・・・・
パト「おやすみネル」

パトは自分のベッドの中で眠った。
ネルはそれを見計らってパトのベッドにもぐりこむ。

ネル(入ってしまったーーー!!)赤面

ネルは横向きで寝ているパトの前に寝て、自らパトの手を自分の腰当たりに回すように運ぶ、そしてパトがネルを抱き枕のように支えている状況を作る。

ネル(よし、この状態で私も寝る、そして主様が起きた時に寝ている私が目の前に居た時、私を襲ってくれれば!!)

ネルは淡い期待を抱きながら眠りについた。

・・・・・・
深夜4時ごろ

パトは違和感で眼が覚めた、普段に比べてベッドの中の温度が高い、そして何かがある、いつもと違う状況を気にしてパトが眼を覚ました時、目の前にはネルの後ろ髪が見えていた。

パト(え、なんでこんなところにネルが居るんだ?もしかして寝ぼけて俺のベッドに入ったのか?別に何もされてないな・・・夜這いとか何かイタズラをしたわけでもなさそうだし、ネルがそもそもそういう事してくるタイプにも思えないし・・・まあいいか)

パトは自分の手がネルの腰当たりに触れている事に気付く、最初は戸惑ったが、深夜に起き、目の前に無防備な女性が居るという状況がパトのイタズラ心を刺激する。

パト(なんか寝込みを襲うみたいだけど・・・)

パトはそっとネルを抱きしめてみる。

パト(細い・・・筋肉質かと思えばそうじゃなく、でもしっかり整えられている、こんな華奢な身体で普段みたいな戦闘が出来るなんてとてもじゃないけど想像が出来ないな、でもいつも俺を導いてくれてたんだよな・・・)

パトは目の前のネルの事で気持ちがいっぱいになる、そして発情したパトがネルに対して後ろ首あたりに軽くキスをしながらもう片方の手をネルの胸を撫でる。

パト(ネル・・・ネル・・・ネル・・・)

パトは寝ているネルに対して愛撫を繰り返す、だが起こしては申し訳ないと体勢は変えず、そしてパト自身も現状の体勢のままでネルを感じたいと考えた結果、パトはネルの胸の突起物に狙いを定める。

パト(そういえばネルって敏感な所あるのかな、意識したこともなかったな・・・)

パトはネルの乳首を服の上ごしから優しく、そして一定のリズムで撫でる。
ネルの口からは甘い吐息が吐かれながら、たまに身体がビクンとはねる。

パト(感じてる・・・ネルって乳首弱いんだ・・・)

パトはそのままネルの乳首を虐める。
そしてネルの吐息が先ほどに比べて荒くなっていたため、これ以上はネルが起きてしまうと思ったパトは欲情した気持ちを抑えてネルへのイタズラをやめてします。

パト(これ以上やったら本当に起こしちゃうな、流石に下も・・・いやダメだ、それ以上はネルだって起きてる時の方がいい、今ここで俺がやってしまうとネルの思い出が・・・ってここまで触っておいて何言ってるんだか・・・)

パトはネルと反対方向に向き、そのまま寝てしまう。

・・・・・・
ネルは勢いよく起きる

ネルの顔は真っ赤で目を見開きパトの方を見ていた、心臓は今にもはち切れそうなほどドキドキしていたのが自分でもわかっていた。

ネル(主様が私を求めた、ずっと私の胸を・・・私の首筋を・・・)

「私に魅力がないわけじゃなかった」その答えがしっかり出た事よりもパトがネルを求めていた時、
間違いなくそこに居たのは男と女、立場も主従も関係ない、一人の男と女の関係がそこにはあった。

つまりネルは主従以上の、主従と言わず傍に立てる資格を持っている、人生のパートナーとしての権利が自分にもあるのだと認識した。

ネル(本来であれば怒るものなのだろうが・・・思い人から求められるというのがこんなにも嬉しいとはな、しかも私はこのまま私の初めてを奪ってくれても良かったのに、私の事を案じて辞めた、ずっと私の下腹部は熱いのに、本当は触ってほしくて仕方なかったのに、でも主様はそれは私が起きている時にと・・・自分の行いが恥ずかしいな・・・あの時寝たふりをせずに求めていたら・・・)

ネルは顔を真っ赤にして反省会を行う、だがその顔を今まで誰も見た事ない、暴君や女帝と呼ばれた女性とは思えない、一人の恋をした女の子の顔をしていた。

・・・・・・
ミーエル「っで、結局ヘタレが発動して自分のベッドに戻ったと?」

後日、ネルはミーエルの元に向い、いつもと同じように会話をしていた。
ネルは基本暇な時はミーエルの所に足を運び適当に雑談をしながら時間を潰すのが日課になっていた。

ネル「だが一歩前進だ、言わば昨日は主様から私を求めたのだ!つまりこのままいけば私は主様から求められるのだよミーエル?」

ミーエル「まあ、いいんじゃない、でもネルがそんな乙女だったなんてね~、なんだったらそのまま主様のペニスで遊んでるかと思ったよ」

ネル「お前濁さないんだな」

ミーエル「別に恥ずかしいものでもないでしょ、陰茎とでも言えばいい?セクシャルにいちいち反応するほど幼稚じゃないの私は、これでも医者だよ?帝国の立ち位置的なもので正式な医者ではないけどさ」

ネル「普通にチンコでもいいだろう、その話はどうでもいい、次はどうやって主様から私を求めてもらうかだ、次はもっと過激なのがいいな!」

ミーエル「ネルが臆病風に吹かれなかったらいくらでも進めるよ、だって充分相思相愛なんだから」

ミーエルは呆れながらも親友であるネルの話を聞き、何もない一日を過ごす。



patopatoblog at 00:01|Permalink│日常(R18) 

2025年11月10日

No.190 ヤクザの道 サン

サンは迷っていた。

まずパトがエウレカ探偵事務所を起ち上げた時、サンとカロは一緒に地球に来ていたが二人はエウレカ探偵事務所に所属しなかった、パトがそれを拒んだのだ。

結果サンとカロは各自住まいと就職先を見つける必要があった。

だがサンは普通に働く事が出来ないのは既に理解していた。
結果自身の力を存分に発揮出来る極道の道を選んだ。

・・・・・・

太陽組

サンが立ち上げた組織だ。

そもそも極道は何をするのかわからなかった。
どうやってお金を得るのかもわからないし、暴力でどうにかこうにかしていたとしてもそれで生活が出来なければ意味がない。

サンは極道系の動画を見た。

覚せい剤密輸販売、賭博や夜の店の用心棒代、民事介入のよる暴力行為や企業対象暴力等、基本暴力で物事を解決する、変な客が集まりやすい店や商売で身を守るための用心棒として働く事で資金を得る。

詐欺行為もあったり、団体からの上納金、テナント貸し借りや土地の貸し借りで得た収入もあったりするらしい。

サン「成程ね、ならまずは資金調達をして土地と空いているビルを徹底的に買うしかないね、漫画を見ると大体各町にはヤクザの島つまり、テリトリーがあるから勝手な事をしたら目をつけられて酷い目にあうと、そこで紛争があったりと揉めたりとか色々問題が発生する・・・うんうん物騒なのは嫌いじゃないよ私は」

サンは早速資金を調達をしたいが得られる手段がないため奪う事にした。

・・・・・・
まずはエウレカ探偵事務所が立っている街の拠点を構えるヤクザ、登龍組に喧嘩を売った。

サン「ねえねえ、この組私にくれないかな?」

組長「ああ?姉ちゃん、あまり馬鹿な事言ってると酷い目にあうのがわからんか?若さにかまけて馬鹿してるもんちゃうで?」

サン「いいから、暴力でわからせたらいいんでしょ?銃でもなんでもするといいけど、そんなので私を殺せるかな?」

サンは銃を構えるように手を組長に向ける。

サン「こんなことだって出来るんだよ」

サンは指から赤い光線を放つ、だがそれは細く繊細で組長の横をすり抜け壁を貫通した。

組長「何をしたんじゃ?」

サン「うしろ見なよ」

組長は後ろを見る、するとそこに小さな穴が綺麗に空いていた、まるで元々そこに穴が空いていたかのように自然と。

サン「まあかなりの高熱で溶かしたからね、穴をよく見たらわかるけど溶かした後も何もないでしょ?これは私の繊細な技術の賜物なんだ、だから証拠なんて一切残さないよ」

組長「脅しのつもりか?」

組長はサンが空けた穴を眺めながら問う。

サン「うん、組員は何人?喋ってくれた方がいいかもよ、もし喋らないと私が今把握している12人の組員全員脳だけ綺麗に焼いちゃうかも、喋ってくれたら組長の言葉を信じてその人数分だけ殺してあげる、0人とか馬鹿みたいな事言ったら問答無用で全員殺すけどね、居なくなってくれたら私がここで商売出来るわけだしね、よく言えば君達が私の配下に居てくれた方が色々楽出来るからいいんだけど?」

組長「俺らにここまでの脅しとはええ度胸じゃのう、どっちかが死ぬまで殺し合おうや!!」

組長は視線の合図を出すと横の部屋から組員が一人現れサンに銃を放つ!

だがその銃はサンに届かずに溶けて消えてしまう。

サン「だから言ったでしょ、多分そこの組員能力者だね、普通の銃にしては威力が高かったけど、結局は鉄、私の高温に耐えれないと思ったよ」

サンのオーラは特異体質であり、オーラには強い熱が込められており、それに触れるだけで跡形もなく溶けてしまうのだ。

だがサンはオーラ技術も高く、薄い膜のようなオーラを身体に纏っている、それだけで大抵の攻撃は防ぎきってしまう、先ほどの銃もサンの薄いオーラに触れただけで跡形もなく消え去ってしまった。

サン「私のオーラは特殊でね、ちなみにその穴をあけたのも能力じゃなくてただのオーラ、君達如きに能力を使うなんて弱い者イジメが過ぎるだろ?オーラでも過剰なのに、でも暴力で納得させたらそこから治療させないといけないし手間じゃん?だから今この段階で納得してくれると助かるわけなんだけど」

サンは笑いながら組長に問う。

サンは普段は礼儀正しい、だがスイッチが入るとどんどん口調が悪くなる。そして私から僕に変わった時が真骨頂、皇園の従属No.1サン・ソレイユの本性が現れる。

組長「撃て!どんどん撃てやボケが!!」

組員は銃を連発する!そして撃ち終えたと思えばサンに向って蹴りを入れる。

サン「馬鹿が」

銃は全て溶けた、そして組員がサンの顔に蹴りを入れようとした瞬間組員の足がサンに当たる部分のみ全て溶けたのだ。

組員「ぎゃあああああああああああああ!!!」

組員は傷みでのたうちまわる!だがその傷口からは血は一切出ていなかった。

サン「止血はサービスだよ、血で汚れたら掃除が大変だ、【僕】は掃除が嫌いなんだ」

サンはそう言いながら地面でのたうち回る組員を見下し、冷たい目で喋る。

サン「こいつは使い物にならないなぁ、死ね」

サンはそういうと一瞬で組員を跡形なく溶かし尽くしてしまった、まるでそこには何もなかったかのように一瞬で

サン「こうやって証拠も何も一切残らないんだ、どうする?あ、僕のオーラは特殊って言ったんだけどもう一つ効果があるんだ、それが気配が消えるって所でね、写真や映像に僕は映らない、そして僕がもっとこのオーラの火力を上げたら僕も透明人間のように消える、もちろんその状態で僕に触れれば溶けて死ぬ、理不尽だよね?でもそれが僕だ」

サンは組長の元に歩く

サン「さあ選べデブ、僕についてくるか、消し炭になって一生見つからない行方不明者となるか・・・まだ海に沈む方がいいんじゃないか?」

組長はサンの威圧に負け、屈した。

組長「好きにせえや、せやけどお前が組員一人一人説得せえ、俺は関与せえへんからな!」

サン「非協力的だな、お前が出来る事なんて組員に威張り散らして仕事させることだろ?それを放棄するならお前要らないぞ?」

サンは組長に近づき手をかざす、その手が組長の腕に触れようとした瞬間腕がドロっと溶けだした。

組長「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」

サン「痛いねえ、今火力下げたんだ、弱火でじっくり、料理が美味しく頂ける秘訣だよね」

サンはじわじわと腕に手を近づける、組長は傷みで表情が歪みながら声に出してサンの言う事を聞く事を誓った。

組長「わかった!俺が全部なんとかする!!だからやめてくれ!!!!!!!!」

サン「うん!素直でよろしい!じゃあ私は帰るから次の日までに説得よろしく!あ!私の事を反対する馬鹿が居たら明日呼んでおいて!さっきと同じ拷問するから」

サンは笑顔で登龍組を後にする。

・・・・・・
次の日

サンは登龍組に足を運ぶ

サン「それでこれで全員?」

組長「全員ついていくと決めました、今後もよろしくお願いします!」

サン「うんうん!良い返事が聞けて嬉しいよ!じゃあ私は次の組潰しに行くからここでいつも通り営業してて」

組長「え、まさかどんどんエリアを増やしていくつもりですか?!」

サン「当然でしょ?こんな小さな島で満足してたら主様に怒られちゃう、どうせなら日本全土を踏破して上納金を貰う方が楽でしょ、私にヤクザの仕事とか向いてないし」

組長含め組員はサンの言葉を聞き恐れたという。

組長(こいつ頭がイカれてる、汚い事に手を出すよりもワイら脅して上納金貰って悠々自適に過ごす方が楽なんてそう簡単に言える言葉ちゃうで・・・怖い奴が現れたもんや)

サン「さて、まず登龍組は月売り上げの2割私に上納してね!優しい値段でしょ?私を怒らせて上納金増やさせないでね?潰れても私、困らないから」

サンは可愛い笑顔のまま扉を閉める、机の上にはサンが作って間もない口座番号が書かれた紙が置かれていた・・・。

patopatoblog at 02:54|Permalink│日常 | メインエピソード

No.189 玲瓏(れいろう)とカロ

万園(オールエデン)には世界王が現時点で27名在籍している。

サンとカロは万園に入るための修行期間として一時的に万園の一部の世界で面倒を見ているが基本は
パトの傍に居させている。

用事がなくてもパトと共に過ごせば適正率も上がるという考えあっての事だった。

パトがエウレカ探偵事務所を起ち上げた時、サンとカロはエウレカ探偵事務所には入らなかった。
それどころかパトと一緒に過ごすわけでもなく、各自活動をしていた。

サンは現在現実世界で自分に適正がありそうな職を探していた。

そしてカロは現実世界で研究員として働けば貢献出来る、だがその信頼度がなくどこの研究機関にも落とされてしまった。

結果的に万園で世界を創る事に集中していたのだが、それも上手くいっていないかった。

・・・・・・
カロ「カロの世界、それはいったいどんな世界なのか、どんな世界がいいのか、悩むなぁ」

カロは考える、そして試行錯誤しながら世界を形成していく、世界を創る時オーラを膨大に消費する、そのため一日に出来る作業量は決まっている、だが考えや構造に行き詰まるともちろん作業も止まる、結果的に一日分全部のオーラを消費した事が今までに一度も無かった。

カロが試行錯誤していると一人の世界王が姿を現した。

玲瓏(れいろう)、万園に所属世界王で円卓の王第八席に属する王

彼女は音を支配する世界王であり、歌姫系統の究極最終系に属する、言わば月詠琴歌や琴歌の世界王ソラリアの最高位に位置する存在である。

玲瓏「おや、世界づくりに苦労していますね、何か助言を差し上げましょうか?」

カロ「えっと・・・心遣い感謝します・・・貴女は?」

玲瓏「私の名は玲瓏(れいろう)この万園の世界王で円卓の王第八席です、よろしくお願いしますね見習いさん」

カロ「あわわわあわあわ?!?!」

カロは圧倒的格上の存在に同様を隠せなかった

玲瓏「慌てないで、私は別に貴女を咎めたりしないわ、頑張ってると思ったから少しでも助言が出来たらなと思っていましてね」

カロ「ありがとうございます!でも今まで会ってきた中で一番偉い方だったので、たしか玲悧様で第九席でしたよね、花姫様で第十二席、はわわわわわ~、やはり役割も凄いのですか?」

玲瓏「私の役割は万園に属する世界がパト様や万園に悪影響、過剰影響を及ぼす可能性がある場合、規制もしくは助言するのが役割、つまりは規制官です」

カロ「という事は私の世界の世界王、リエル様が何か問題を起こそうとしたら規制する役割ってことですよね?」

玲瓏「立場的にはそうですね、ですが私は乱暴を好みません、大体は私の言う事を聞いてくれますので助かりますよ、争いは百害あって一利なしですからね」

カロ(珍しい、この世界で平和主義の人が居るなんて、しかもカロからみても常識人に見える、大体個性派揃いで苦労しそうだなって思ってたのに、なんか安心したかも)

玲瓏「それで世界作りで何か困りごとでも?私で良ければ相談に乗りますよ?」

玲瓏はカロの横に正座で座り、カロの顔を覗き込む。

カロ「えっと・・・自分の世界というのがイメージ出来なくてですね、そもそもカロってどんな世界を求めてるんだろうって考えてたら全然手が動かなくて・・・」

玲瓏「成程、自分の事がわからないから作業が進まないと、カロさんは波動に特化した方ですよね、でしたら波動に満たされた世界を作っては如何でしょうか?」

カロ「一番に考えました、でも波動、つまりオーラなんですけど、想像が出来ないんです」

玲瓏はカロの悩みについて一つ提案をする

玲瓏「ならばオーラで全てを満たしてしまえばいいのですよ、そしてオーラで何でもできる世界を創る、それって凄く面白くないですか?」

カロ「オーラだけで全てを作る世界?」

カロは想像してみる、だがいまひとつピンと来ていなかった。

玲瓏「例えばカロちゃんが日頃から過ごしている環境、それらすべてをオーラで作り上げられた世界を創るとしましょう、そしてオーラを永久的に作る機関も作ってしまえば貴女はオーラを枯渇する事がない無限にオーラを生成出来る世界を持つ世界王になれませんか?そうですね、もっとわかりやすいイメージで言えばお菓子で出来た家です!」

カロ「それならイメージ出来るかも!」

カロはお菓子で出来た家をイメージした、そしてオーラで世界を形成していく、カロはオーラを創る技術を既に持っていたため、それを形として具現化、それらを世界に各地に置く事で無限に湧き出る水の如く世界にオーラが満たされ形が形成されていった。

玲瓏「いいですね、オーラが無限に形成されれば早ければ一日で世界を創る事も現実的になりそうですね」

カロ「ありがとうございます!凄く助かりました!玲瓏様のおかげです!」

玲瓏「カロちゃんは現実では何をしているの?パト様との関係は上手くいってる?」

玲瓏はカロの現状を聞く

カロ「ううん、多分性格とかは凄く合うんだけど、やっぱり日が浅いというかお互いが寄り添うタイプじゃないから全然接点が無くて・・・今回もカロとサンは強すぎるから基本的に自由にしててって言われちゃって、でも現実世界でやりたい事がないというか、あっても全然やらせてくれないしそんな資金もないしで・・・困ってたりします」

玲瓏「そうなのね、だったら私の所で働かない?私こう見えて毎日現実世界に出てるの、私自身がっていうより、もう一人の私がって言っちゃうとややこしくなるよね、簡単に言うと私は万園の玲瓏、そして現実世界で密にパト様に恩恵を与えれるように人間の肉体として活動しているもう一人の私が存在するの」

カロ「二人の玲瓏様が同時に行動しているってこと?」

玲瓏「そうそう、でもこっちの私は疲れる事は一切ないんだけど、現実世界の私は人間の肉体と同じだから万園の私の感覚で働いてたりすると過労で倒れちゃったりするの、だからカロちゃんが私の助手として現実世界の私を甘やかしてくれたら助かるなぁ、研究員として雇いたいけど多分分野が全然違うから」

玲瓏は少し遠慮をしたような態度でカロに話す。

カロ「玲瓏様が現実世界でやっている事はなんですか?」

玲瓏「私がやっているのは詠唱術開発と販売、例えば私が作った詠唱がこもった玉、それを持ってオーラを込めるだけで私が詠唱として埋め込んだ能力が発動するみたいなね、物じゃなくても詠唱を乗せた本とかもあってね、その本を持って詠唱をすることでオーラがあればだれでも詠唱に埋め込んだ能力を扱う事が出来るの!まるで魔法みたいでしょ?」

玲瓏は何もない空間から自分の制作した本を取り出す。

玲瓏「この本の場合は全120ページ、つまり120個の詠唱が描かれていてそれを音読するだけで120種類の能力を扱えるの!」

玲瓏は本を持ち1つの詠唱を唱える、すると本が光りだし、そこから8連撃の炎が飛び出して来た。

玲瓏「コントロールや火力もこの詠唱で全て調整してるから詠唱とオーラを込めるだけで誰でもそれなりの能力を扱える優れもの!ただもっと火力を弱めたいとか強めたいとか、さっきのは8連撃だったけど4連撃でいいとか、そういう微調整は無理っていう欠点があるのよね、でも扱えるだけマシってところかな」

カロ「凄い技術ですね・・・」

玲瓏「一番便利なのはやっぱり本かな、【炎の書】だったら100ページ分で100パターンの状況に合わせた詠唱を入れてるの、現実世界で日本円だと大体1000万円くらいかな、ちょっと相場がわからないからとりあえず1000万円にしたけど、無能力者や能力者が他の能力を扱えるなんてロマンがあると思わない?」

カロ「カロもそう思う!凄いよ!」

玲瓏「商品を買ってもらう時は一応私と面談をして誰でも買っていい状態にはしてないの、あとはオーダーメイドで魔法書を作ったりもしててね、でも毎度詠唱を読むのは手間だって人向けに最初に見せた詠唱球を売ってたりするの、手のひらサイズだったり、銃の玉サイズにして専用の銃に装填して撃つだけでその詠唱が発動したりね、即効性がある分こっちは人気があるかな~」

カロ(この人、凄い研究者気質だ!カロと凄く話が合いそう!)

カロ「カロもそこで働きたい!カロはオーラの研究をしているんだけどもしかすると消費者に求めているオーラを使わずに詠唱球や詠唱書を扱う事も可能かも!」

カロは空中にオーラを使って絵を描く

それは本の裏側等にオーラ充填用スペースを設け、そこに回数分のオーラを詰め込む事で使用者はオーラなしでも詠唱を扱えるというものだ

先ほどの拳銃タイプも装填部分の他にもう一つオーラを蓄えるタンクを備える事でオーラを必要とせずに撃ち続ける事も可能、それどころかオーラを上手く扱えれば連射も可能だったり、銃や詠唱書の反動を抑える役割も担えると語った。

玲瓏「凄いわね、オーラの専門家が加わるとここまで多くのバリエーションが増えるなんて、面白い!ぜひ私の研究所で働いてほしい!もちろん自分の好きなタイミングでいいわ!給料は働いた分出すわ!どうかしら!」

カロ「よろしくお願いします!」

玲瓏とカロは握手を交わす、そしてカロの就職先と師匠が見つかった。





No.188 自尊心を養う散歩と意外な客人

パトはアニメを見ていて最近考えている事があった。

パト「俺の従属達ってなろう系よろしくレベルでチートな連中ばっかりなんだよな、だけど難しいよな、例えば【十三天の心】を使えばすぐに問題を解決出来るだろうけどなんかそれってつまらないんだよなぁ」

パトはそう考えるととりあえずとシン、ノラ、ウルの3名を召喚した。

シン「パト様、今回はどのようなご用件で?」
ノラ「パト様の命を受けに参上致しました、ご指示を」
ウル「私に適した指示を希望するよ、何の用かな?」

パト「この3人だけなんだよなぁ、忠実に従属キャラを徹底してくれるのは・・・」

シン「はぁ・・・?」
ノラ「いったい何のことでしょうか?」
ウル「??」

パト「いや、たまにはさもう俺に忠実な従属がさ、俺の指示一つで無双してくれちゃったりしてほしいなって思ってね」

シン「お望みであればいくらでも戦いますが?」
ノラ「敵はどのような?」
ウル「全部消してあげましょう!」

パト「ごめん、敵は居ないんだ、残念ながら、そして俺が3人を呼んだのはこの3人くらいしか今の俺の欲求を満たしてくれ無さそうだったからさ」

3人はパトの意図が読めないでいた。

パト「今日はね!主と無敵の従属3人を連れてザワザワ言われる日です!なので勿体ないですが君達には20帝オーラずつ提供します!だからガンガン圧を出して帝国中を目一杯ザワザワさせましょう!」

シン「また思い付きで、オーラだって限られているというのに・・・貰えるのは嬉しいですが」
ノラ「また変なノリで・・・たまには私の強さを求めて欲しいですね」
ウル「また私に適さない指示を、でもまあオーラはありがたくいただくけどね」

パト「とりあえず街を歩こう、ザワザワさせるぞ!」

パトは部屋から飛び出した。

・・・・・・
シン「ちなみになんで他の子は呼ばなかったのですか?」

パト「ネルは絶対に従属感出してくれないし、ベルはめんどくさがりそうだし、フラも同様絶対にめんどくさがる、ルラはちょっとキャラ的に違うかな~って思ったし、テルは言う事聞かないし、セラも罵倒ばかりで基本適当だし、ルナは陽射しが駄目だし、ユラもダメ、ニアもダメ、リルは学校、だからこの3人なんだよ」

ノラ「そう考えたら忠実な従属が少なくて申し訳なさを感じますね」

ウル「我儘というか個性派揃いだしね、よくある主様が褒めたらうっとり顔で「主様・・・♡」みたいな忠誠というか信仰に近い感情を持ってる子って全然居ないよね」

シン「それがミール様くらいですね、もっと病的なまでに忠誠心を持つ従属の子が構成員になってくれたらいいんだけど・・・」

パト「別にいいんだ、それは帝国で満たされてる、今の侍女部隊なんかまさにそれだからさ、何をしても話しかけてもずっとうっとりしてくれるし、俺と話した内容とか凄く覚えててくれたりするんだ、でもあの子達はあくまで帝国クラス、あの子達ではザワザワさせれないんだ、だからこそのシン達なんだ」

シン「まあ別に主様が満足するならいくらでも構いませんが・・・」

パトはシン、ノラ、ウルの3名を連れて街を歩いた。

・・・・・・

住人A「パト様だ、しかもあの3人・・・凄い全員が帝王神候補クラスの圧・・・」
住人B「流石はパト様、パト様の傍に居られる従属は既に帝王神候補級の猛者でしか成し得ないという事なのでしょうね、今後もエウレカ帝国は安泰ですね!」
住人C「ああ・・・なんて美しい・・・」

シン「ねえ、ノラ、これ結構気持ちいいわね」ボソボソ

ノラ「そうですね、気恥ずかしいですがなんか尊敬されているっというのは心地いいですね」ボソボソ

ウル「自己肯定感爆上がり!帝園では誰も褒めてくれないから凄く自分が凄いんだって思える!これ癖になりそう!」ボソボソ

パト「どうだ、いいものだろう?たまにはこうやって自尊心を養うのも、たまには忠実な従属と一緒に歩いてこうやってやりたいものだよね」

・・・・・・
パト達が街を歩いている時、偶然メルメア・メルトリアがエウレカ帝国に訪れていた。

メルメア(今日は両国の友好の証として長が国に訪れる日、本当なら私がエウレカ帝国に入った時点で盛大なパレードを開いてほしいものだけど、相手は第一位の国、立場的には私の方が弱いからそこまでの期待は出来ないわね)

メルメアがパトと対談するのは明後日の予定だったため、パトはメルメアが今日来ている事は知らされていなかった。

メルメアは自身の身分を隠しエウレカ帝国の視察を始めた。

メルメア(流石、娯楽も料理もサービスもどれも超一流クラス、この街の通りだけでも1日遊びつくせないわね、女神しかいない女神大国なだけあって治安も良い、脅威の犯罪率0%の超平和国家、一番下の階級でも満足なサービスを受けられる、安泰の生活を送られる仕様とも聞いていたけど何処を見渡しても汚い家なんてない、どれも豪邸、手入れも充分、神の国に相応しい佇まい、正直羨ましいわね)

メルメアの国は多くの種族が共存している国、
故に種族間での争いが多く、どうしても共存は難しかった。

メルメアがどうすればこの国のような完全な平和を手に入れれるか考えていた時強い気配を感じた。

メルメア(何この強い気配?!私と同じ帝王神候補級?!まさかメリアとソフィアとメルリア?!)

メルメアは急いで強い気配の元に足を運んだ、だがそこに居たのはパトと従属3人だった。

メルメア(あれはパト?!あとはあの緑の髪はシンだっけ?他の二人は知らないけど・・・気配の強さは私と同等・・・ネルも強力だったのにまだあのレベルの子達を持っているの?!どうなってるのよ?!第一位は?!)

メルメアは恐怖で青ざめていた。
するとパトがメルメアの気配に気づき、手を振る。

パト「やあメルメア!遊びに来てたのか?どうせなら一緒に散歩しないか?」

メルメア「第一位・・・挨拶が遅れました、今日はボディーガードを連れて散歩ですか?このような平和な国で襲撃なんてあるのですか?」

パト「ボディーガード?あははは、違う違うこの子達は付き添いだよ、だって一人で散歩とか寂しいでしょ?だから従属の子達と一緒に散歩してるだけ」

パト(本当は自尊心を養うためとは言えないわな)

メルメア「成程そうやって定期的に従属とも交流を図っていると、いいですね、私も合流しましょう」

メルメアはパト達と共について行った。

・・・・・・
メルメアはパトと話していた。

メルメア「後ろの3人、相当強いですね、私と同等レベル、以前ネルと戦った時もボロ負けしましたし、そもそも今の帝国にはメリア、ソフィア、メルリアの第一位含む4名の帝王神候補が在籍している、ぶっちゃけあと何人帝王神候補級の従属を持っているのですか?」

メルメアはどうせ濁されるとわかっていながら質問をしてみる。

パト「そうだな、少なくとも後ろのシン達レベルなら今俺が把握している段階では数十体くらいかな、あと後ろのシン達はまだこの程度じゃないよ、今日はこれだけにして貰ってるんだ、これ以上の圧は他の子を怖がらせてしまうからね、そうだな、あの時のネルと同じ位強いって考えてくれたらいいよ」

メルメア「それは怖いですね、少なくとも私以上の戦力が1人以上居る時点で勝ち目はありませんね、これからも私の国とは仲良くしてほしいものですね」

パト「勿論、武力はあっても文明はまだまだだからね!これからもどんどん発展させていくつもりだよ」

シン「後ろから失礼しますが、メルメア様と同程度の実力って意味で言うと既に1万以上存在します、あと私達よりも圧倒的に強い従属もほぼ無限に存在します、一人や二人情報を得た程度では武力で勝つのは不可能ですよ、あと私に関しては情報を抜かれたとしても負けませんがね」

ノラ「同じく、私は貴女がよろしければ無限の時間戦ってあげても構わないよ、ただし、飽きれば終わらせてしまうかもしれませんがね」

ウル「敵になったら君の存在事消してあげるよ、この世に痕跡一つ残さずにね」

パト「お前達威圧するな、友好的であろうとしているんだからさ」

メルメアは既に泣きそうだった。

メルメア(私は帝王神候補序列7位のはずなのに、世界で8番目に強いとされる存在なのに・・・なんでこんなに私よりも強い存在がゴロゴロしてるのよ、意味が分からないわよ・・・)

パト「困らせてしまって申し訳ないメルメア、今日今ならお詫びにプライベートで食事はどうかな?もちろん二人でだ、誰かが居たら警戒してしまうだろう?」

シン「主様、それはメリアが許さないのでは?」

パト「メリアの許可は必要ないでしょ?だって俺は王なんだよ?それに反対するなら専属神の強制命令権を使うまでだよ、これは俺が必要だと思ったからやるんだ、それを邪魔するのは専属神でも許さないよ、勿論シン達もね」

シン「大変失礼いたしました」

シンは慌てて頭を下げる、今のパトの言葉からは「俺に指図するな」という強い意志を感じたからだ。

ウル「あんな主様珍しいね、大体は折れるのに」ボソボソ
ノラ「狙っているのかもしれませんね、そうじゃなくても友好的でありたいと思っている、無粋な真似は気に入らないのだろう、ここは主様の意志を尊重してこそだ」ボソボソ

パト「悪いね、メルメアだって俺の国について知りたい事があるんだろう?安心して俺はこの国の機密情報を一切知らない、喋ったらダメな事はメリアから一切教えられていないんだ、だから別に俺は何も隠さずに君と会話が出来るよ、気になるでしょ?」

メルメア「それは確かに・・・でもそれだと貰い過ぎなのでは・・・」

パト「じゃあ俺もメルメアに聞きたい事沢山聞くよ、それで充分価値の等価交換として成立しないかな?」

メルメア「第一位がいいのなら・・・」

メルメアはパトの対応に困惑していた。

メルメア(何を企んでいるんだ?もしかして第一位はメルリアと同じように私も手に入れようと?!もしかして肉体関係?!男女の仲?!そう言う事?!だからこうやって私を?!どうしよう!私異性からアプローチなんてされた事がないよ!っていうかこれある意味デートよね?!どうしよう!エスコートされちゃうの?!王としてじゃなく一人の女性として?!えええええええええええええ!!!)

パト(ここでメルメアと友好的であれば他のメルトリア兄妹も警戒心を緩めてくれるかも、メリアのせいで他国から警戒されてるのは知ってるし、俺自身戦争なんてする気は一切ないけどメリアは準備が整い次第多分平気で他国に戦争を仕掛けるだろう・・・せめてその時に俺はメリアと方針が違うんだと理解してもらえるように仲の良い存在を作らないと・・・そう考えたらメルメアが一番安心だ、しかもここはエウレカ帝国!自国なら全然安心だ!他の男性のメルトリア国にも足を運びたいけど他国だし、メリア達は男を嫌うしで中々足を運べないしで苦労してた事を考えるとこれはチャンスだ!)

・・・・・・
こうしてパト達は自尊心を養う散歩を終え、シン達は20帝オーラの恩恵時間を残したまま帰るのは勿体ないからと各自自由行動を始めた。

そうしてパトとメルメアは二人でディナーに向った。

・・・・・・

メルリア「メルメア姉様、お元気そうでなによりです」

メルメア「メルリアも元気そうでなにより、どこか表情が和らなくなったわね、貴女に王は向いてないと思ってたけど今の方が向いているのかもね、幸せそうでよかったわ」

メルリア「はい、王としての責務に未練がないわけではありませんが、今は旦那様に使える毎日が凄く楽しいです」

メルメア「第一位、感謝します、本来敵国に負けた王は殺されるか奴隷にされるのが常識だけど、こうしてメルリアを一番傍におき、可愛がってくれるなんて」

パト「もしメルメアが危うくなったら専属侍女になるといいよ、俺は歓迎する」

メルリア「私は反対です、旦那様は私の物です、メリアにだって渡したくありません!」

パト「俺は別にメルリアの物でもないぞ、独占はダメだぞメルリア」

メルリア「はい、でも私の愛をもっともっと受け止めて欲しいです!」

パト「充分受け取ってるし、俺も充分愛を伝えてるつもりだよ?」

メルメア「ねえ、第一位本当に貴方メリアが一番なのよね?お母様から聞いた話と違うわよ」

パト「誰が一番って決めてるわけじゃないよ、あれは口約束、でもメリアは凄く大事だ、なにせこの帝国の全権利をメリアに任せている程、行き過ぎた行為も確かにあるし、きっと俺が知らない所では俺ですら知ればドン引きする程の悪行をしている可能性は大いにある、でもそれだけ信頼しているんだ」

パトはメルリアが持って来た料理を口にし、口の中を美味しい料理で満たした後、笑顔で話す。

パト「この国は信頼で成り立っている、俺はここで王をやっているが王としての業務は一切やっていない、俺に出来る事は日頃の感謝を皆に伝える事だけ、だから皆に愛情を伝える、だからメルメアだってエウレカ帝国と仲良くしてくれるなら歓迎する、メリアがメルメアに対して悪行をしたとしても俺はその件で止める事はしないけど、絶対にメルメアとメルメアが大事にしてきたものは守る、それだけは約束するよ」

メルメア「凄いわね、これが第一位」

メルリア「メリアは絶対に何かしてきます、でもその代わり旦那様が救済してくれます、私達は最終的には私達の代で誰かが帝王神になった時点で帝王神の配下になるか、殺されるかの二択、長生き出来る神生ではありませんし、到底幸せになれるものでもありません、ですが旦那様のついていけば自分の夢を追い続けてもいいと言ってくれました、メルメア姉様はこの意味がわかりますよね」

メルメア「そうね、本来負けが確定した時点で自身の野望は諦めるしかない、だけど第一位は自分の下に入るならその野望を叶えてもいい、むしろ協力すると言ってるのよね、それはなんと魅力的な・・・」

メルリア「メルメア姉様もエウレカ帝国の戦力を把握しているはずです、遅かれ早かれなら今すぐにでも旦那様の専属侍女として務め、恩恵を受ける道を選んだ方が得策かと、ほかの兄様姉様達だとそうはいきませんよ」

メルリアはメルメアを勧誘する。
パトにとってもそれは都合の良い話だが、そうなればメルメアと取り込んだという事で結局のところメルトリア一族に警戒されてしまうのだ。

パト「いい話だね、でもメルメアだって今はまだ自分の望む世界を叶えるために頑張っていたいだろ?なら頑張ったらいいさ、右にも左にも首が振れなくなったら俺に助けを求めてくれたらいいよ、その時はエウレカ帝国が責任もってメルメア共和国を運営するからさ」

メルメア「それは良い話ね、貴方達と手を組んで良かったわ、私の判断は間違ってなかったみたいね」

メルリア「それはそうとメルメア姉様、恐らくですがアリル姉様の国とこのエウレカ帝国に不穏な話が出ているのは知っていますか?」

パト「なんだ?その話は?」

メルメア「ええ、アリルとメリアは兄妹の中でも最も仲が悪い、そしてアリルが最近エウレカ帝国領の星々にちょっかいを出しているみたいね、まだ私の所に応援要請は来てないけど、このまま続けば近い将来戦争になるかもしれないわね」

メルリア「その時はメルメア姉様、ぜひ全面的に強力をお願いします、メリアはきっとそこまでお願いをしません、ですが私はメルメア姉様のお力をお借りしたいです、ここを少しでも壊されたくないんです、出来れば両国無傷のまま、帝王神候補同士の戦いで、アリル姉様を止めたいのです」

メルメア「それは私に決めれない、それに他国同士の戦争に協力すると言っても兵力を渡すという契約を結んだだけで私が出る必要があるという契約ではない」

パト「その考えは捨てた方がいい、メリアがもしその考えを知ればまず最初にメルメア共和国を狙うだろう、メルメアを兵力として咥えたいのに当の本人が言う事を聞かないのであれば自身の配下にしてしまえば楽、メリアは絶対にそう考えるぞ」

メルメア「そもそも第一位の戦力でも充分でしょう!」

メルメアは立ち上がる

メルリア「あの戦力はあまり使いたくない、最終兵器のようなものです、メルメア姉様も世界を持っていますよね?」

メルメア「勿論だ、帝王神候補の条件は【世界】を持っているか否かだ、持っていなければそもそも帝王神候補にはなれない」

メルリア「旦那様はその【世界】を無数に作る【世界】を持っています、つまり一つしか持たない私達如きが旦那様の相手になるわけがない、だけどその力を使うにはあまりにも危う過ぎる、だからこそ今ある力だけで解決したい、旦那様も私もメリアもそう考えています・・・ですがメルメア姉様が反対する、そして私達がメルメア共和国に応援を求める時はアリル姉様から宣戦布告を受けた時です、つまり時間があまりない時、そうなればこちらも致し方ありません、エウレカ帝国の最大戦力をメルメア共和国に使い、主導権を奪ってからメルメア姉様を兵力に加えるという策が採用されるだけです」

メルメア「おかしいじゃない!それをなんでアリルに使わないの?!私には使えるのに?!」

パトはアワアワしながら二人の話を聞いていた。

メルリア「それは機密事項です、ですが、メリアの感覚から言えば元々懐いていない犬に噛まれるより、忠誠を誓っている犬に噛まれる方が腹が立つ・・・そういう事です、私もメリアと少しの間一緒に居たのでちょっとずつメリアの思考が読めてきました、あの子は残忍です、どこまでも冷徹です」

メルメアは冷静に動揺しているメルメアの目を見て話す。

メルリア「メリアは嫌いな子には徹底的に嫌がらせをするタイプです、そして気に入った子にはとことん優しい、そして気に入った子が裏切ったり喧嘩になると短期間でその問題に対して解決しようとします、つまり嫌いな子には長い時間苦しんでほしい、だけど気に入ってる子はそうは考えていないから一瞬の怒りで解決しようとする、専属神の子達との関係でそれはよくわかりました」

パト「確かにそうだね、メリアは身内や仲間には凄く甘いんだ、もちろん喧嘩になったりするけどそれを長引かせる事をしない、そもそもメリアはそういうギスギスした事が苦手だからこそ一瞬で問題解決しようと考えるんだ、だからどちらかと言えばメルメアがメリアに逆らう方が危険っていうのは俺も納得なんだ」

メルメア「なによそれ・・・それじゃあ結局私の所は面倒事が来るだけじゃない」

メルリア「有益な情報でしょう、もし以前のメルメア姉様の感覚のままメリアと対談していたら国を滅ぼされてましたよ、それこそ私が思っていた以上に早く専属秘書になっている未来があったかもしれませんね」

メルメア「悪い冗談は辞めてよ、でも確かに良い情報だったわ、それは感謝するわ」

パト「少なくとも今すぐ始まる問題でもないし、そもそも問題になるかもわからない事さ、互いに警戒しておこう、ほら!もっと有意義な話をしよう、メルメアも俺の国で欲しい技術があるならどんどん言ってよ、俺がメリア達に出来る限り寄り添うように話しておくからさ!」

メルリア「流石は旦那様、心が広いです♪」

メルメア「そうね、ここで王と話せるのは私にとって凄く優位な事だわ、存分に話させてもらうわね」

こうしてパト、メルメアは食事を堪能し、メルリアが食事を作り、運搬しながら会話に入りながらと有意義な話が出来た。

最初は自尊心を養うだけの散歩から客人との会談と有意義な一日を送る事が出来たパトだった。
おかげで王としても仕事もしたため、自尊心は相当養われた。

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2025年11月09日

No.187 美魅の挑戦【鬼下民】episode3

美魅「帰ったで」

美魅はただそれだけ報告すると疲れた表情のままその場に立つ。

パトはその美魅を見て質問する。

パト「苦しいか?」

パトから見て美魅は自分よりも弱い相手、無抵抗な相手に一方的に攻撃するのは気が向いていないのではないかと感じていた。

美魅「はあ?うちは全然問題ないわ、それにまだ39ポイントやで、まだまだ殺さな出世なんて出来へんのや」

パト「そうか、美魅、非情になれとは言わない、思う所があるならそれと向き合う事だ、無視していいものじゃない、普段の訓練に比べて疲れる原因は何か?現場での緊張、ストレス、果たしてそれだけなのか、もしくは他の要因があるのではないか、そう考えていくんだ、今の美魅を見ていると日頃の訓練よりも疲れているように見てたんだ、勿論本番だからっていうのもわかる、だがあいつらは俺と普段訓練している美魅にとって疲れる相手だったか?俺はそんなに弱いか?」

美魅はパトの言葉を素直に聞いていた。

美魅「・・・疲れたのは別に気を使ってたからやない、そうやな・・・」

美魅は自分の今の状況を考える、どう言葉にすればいいのか考えている様子だ。

美魅「別に個々を襲う時はこんな感情にならへんかった、確かに隠密で気をかなり使って疲れていたのはあった・・・せやけど今回はどこか違う、集団相手を殺してうち一人がその場に立っていた、その現状が凄く・・・孤独に感じたんや」

美魅は自分の気持ちをなんとか言葉にした、そして出て来た言葉が【孤独】。

パト「孤独か、言い得て妙だな、確かに強者は最終的にはその場で孤独になる、そうか、美魅にとってその殺戮の現場は祭りのように高揚していた、そしてそれが終わり、自分だけしか残っていない現状を知って一度冷静になり疲れが出た・・・なのかな」

旅行やテーマパークに行った時の状況に似ている

人は何かをして楽しんでいる時、疲れを感じにくい、だが一度遊び終え、家、主に自分の肉体や精神が休まる場所に戻った時に疲れが一気に出て来る感覚、脳のスイッチが切り替わったような虚無感や脱力感、美魅はその感覚に近いと言った。

パト「美魅、今日はもう休め、明日別の場所に向おう」

美魅「どこで休むんや、第十一園は休む場所なんて・・・」

美魅は自分で喋っていて途中で気が付いた。

美魅「いや、あるな、うちが殺したこの村の家が・・・」

パト「そうだ、美魅、もしお前が望むならこの村は美魅の物になるんだ、それだけの強さと戦いを繰り広げたんだぞ、美魅が」

美魅は眼を見開く。「ここ全部がうちの好きにしてええんか・・・」とボソっと呟く。

美魅「・・・とりあえず休むで、うちはもう疲れたんや」

美魅は村で一番綺麗な建物を選びそこで休む事にした、
それは元々住んでいた鬼族が美魅を殺すために抜け出した家、だからこの家に死体や返り血はない、
だがパトや美魅にとってこの家はボロ屋であり、とてもじゃないが衛生面が整っているとは言えない家だった。

美魅「ここで風呂に入るなら水を布に浸して拭くしかないで」

美魅は家の中にある比較的綺麗な布をパトに手渡す。

パト「じゃあ先に美魅が身体を拭いておいで、かなり疲れてもう寝たいだろ?」

美魅「そうやな、主も別に家の中ならどこででも拭いててえんやで、シャワーとか湯舟とかないんやからな、そもそも溜めて置ける水だって満足にない、綺麗な水なんて貴重品なんや」

パト「ああ・・・」

パトは美魅にそう言われると個室に入りそこで身体を拭く。

・・・・・・
パトと美魅は身を寄せ合うように眠っている。
水で身体を拭いたため体温が下がっている二人は身を寄せ合い、お互いが向き合う形で寝る事で対応を確保しようとしていた。

美魅「うちは温いけど主はええんか?」

美魅は頭から足までパトの内側に収まっていた、パトは美魅に腕枕をし、もう片方の腕を頭を撫で気を落ち着かせていた。

パト「俺だってこういう環境は慣れてる、それに今頑張っているのは美魅であって俺じゃない、一番体力を回復してほしい子に一番休んでて欲しいんだ」

パトは美魅の頭を優しく撫でる、美魅はその手のぬくもりに心を落ち着かせ眠りに入る。

パト「・・・」

パトは考えていた。

パト(美魅は孤独と答え、俺はそれを娯楽特有の疲れと例えた、けどそれは寂しさもある、ずっと美魅は一人だった、そして俺と出会い、エテルというほぼ同じ歳の女の子の友達が出来た、帝国で学校に行かせてあげる事で沢山の友達を作ったとも聞いていた。月花の九騎神使の子達とも仲が良かったと聞いて凄く微笑ましかったしね)

だからこそパトは不安を感じていた。

パト(美魅は・・・本当は殺し合いじゃなくて仲良くしたいんじゃないかな、ここの制度の都合上どしても相手を殺さないと出世できない、そして立場が弱いままだと自分の意見すら言えず、生殺与奪も自分で選ぶことが出来ない、美魅は今その葛藤の中に居るんじゃないか、そう考えてしまうんだ)

本当は殺したくない、仲良くしたい、だけど殺さないとその夢は実現しない

そんな最悪の矛盾を生んだ現状が美魅の中で違和感として残っているのではないかと
だが美魅自身そこに気付いていないのではないかと。

パト(平和を望むために戦争をする・・・そんなジレンマと同じってわけか、これは武力による戦争だ、勝者の方針がこの国の方針になる、強い者が発言した言葉で弱い者達が無償で言う事を聞いてくれる【戦う必要がなくなる】そんな歪んだ正義が美魅の中にあるのではないか・・・と、考え過ぎか)

パトが考えていると美魅は既に眠っていた。

パト(あと何日掛かるかわからない、でも俺は美魅の主であり保護者なんだ、しっかり導いてあげないとだよな)

・・・・・・
そして数日が経過し、美魅は他の鬼下民階級の鬼達を撃破していった。

そして100ポイント取得に成功した。

パト「帝園に入って大体3週間くらいか、結構長かったな」

美魅「せやな本来なら生活しながら地道にポイントを稼ぐもんやからな、時にスピード出世を狙った奴が大量虐殺をするっていうのも珍しいわけじゃないけどな、早く済ませようとしても時間は掛かるもんや」

パト「それでどうするんだ?昇格戦、やるか?」

パトは美魅に提案する、だが美魅は浮かない顔をしていた。

美魅「うち一度だけ格上と戦ってみたいわ、正直今の内はどれだけ強いのか・・・それを知りたいんや」

パト「そうだな、正直次の階級である【鬼中民】の実力は俺も知らないからな」

美魅「鬼中民から人数が限られてくる、つまり一つ階級が上がるだけでも大出世なわけや、こんな広大な大地に鬼中民はたったの約16000人しかおらんわけや、日本の人口に直してもその狭い門やって事はわかるやろ」

パト「そうだな、そう考えたら昇格出来る鬼はたったの4万人、それに対して鬼族の総人口は・・・」

美魅「それは知らんな」

パトはミールを呼ぶ。

ミール(おおよそ9800億人ですかね、鬼族はそこまで多くは作られていませんので)

パト「9800億だって、ってことは1%未満の超エリートって事じゃないか、美魅、本当に挑むのか?なんか数字だけ聞いたらかなり強いんじゃないかって不安になったんだけど」

美魅「ビビってる場合ちゃうで!せっかく挑戦権を得られたのに次に行かんなんてアホやろ!」

パト「待て!冷静になって考えてみろ、9800億の鬼族が居て日々そこまで変動していないって事はそれだけ鬼中民の強さは秀でているって事だ、これが1億程の人口ならまだ向上心が少ないやつが多いのかって納得するけど、9800億も居てここまで殺伐とせず平穏に階級が変動しないのはおかしい」

美魅「ビビりやな、そんなもん簡単な話や100体も殺せないって事や、そもそも鬼族は頭が悪いんや、教養なんて皆無や、算数だってまともに出来ない馬鹿ばかり、1+1なんて簡単な問題も2年前のうちだったら絶対に応えられへんかった、それがこの世界の現状や、うちみたいに教養を得て作戦を立てる頭がないんや、やからとりあえず殺して、殺されてを繰り返して100ポイント溜めてをやって来てるんや、効率なんてもんこの園には存在せえへん!」

パト「そ、そうか、そんなレベルなのかここは」

美魅「そもそもここは常に食糧難や、まともにご飯も食べれへん奴が殆ど、やから共食いやって当然のように起っとる、うちはそれすらもありつけなかった、やから土を、虫を、微かに生えてる雑草を・・・食べて来たんや、弱い奴は共食いにも参加出来へん、むしろ狩られるだけや、ほんで肉体だけは治る」

パトは美魅を強く抱きしめた、当時はただの成り行きで面倒を見る形だった。
だが今は違う、あの時に美魅に出会ってこうやって保護出来て本当に良かった。

パト「美魅、今の生活は満足か?」

美魅「満足?当然や、毎日当たり前のようにご飯が出て来る、当たり前のように勉強が出来る、当たり前のように寒い時は温かい部屋、暑い時は涼しい部屋におられる、お風呂にも毎日入れる、周りに気を許せる友達がおる、それでなんで満足出来ないや?意味がわからへん」

パトは美魅を強く抱きしめる。

パト「今更だな、こんなこと今まで聞いても来なかったから全然美魅の居た環境に対して想像出来なかった、でもこうやって聞いて、美魅が満足しているなら俺は凄く嬉しい・・・」

美魅「今更何言うとんねん、でもやからわかるんや、きっと鬼中民はそんなに強くない、うちは確かに突出した力はない、所詮は子供や、真鬼縛解してやっと戦える程度や、やけど今のうちには知恵がある、技術がある、本能だけでは補う事が出来ない強さがある、多くの敗北もしてきた、多くのタイプの人と何度も戦ってきた、やからこそこの経験は実力以上の物を発揮する、そううちには確信があるんや」

パト「はは、父さんみたいな事を言うんだな、経験に勝るものはなし、かそうだよな、筋力が強くても上手く扱えなかったら意味がない、知恵だけあってもそれを行使出来るものがなければ意味がない、両方があってこそやっと力としても発揮出来る」

パトはいつもこう考えている

力が50 知恵が30だった場合、実際に発揮させる力は30程度に収まるのではないかと

力80 知恵50 だった場合は実際に発揮される実力は知恵の50に影響されて力は50までしか発揮出来ないと

アンバランスでは互いの力を存分に発揮出来ないのではないかと、パトはこの理論を常に頭の中で組み立て教育してきた。

パト「わかった、なら一度鬼中民と戦ってみろ、だけど負けそうになったら今回は俺が仲介に入る、だがそれは美魅を逃がすためだ、代わりに俺が鬼中民を倒すって事じゃない」

美魅「はあ!何勝手な!」

パト「勘違いするな、美魅を守るためじゃない、俺だって鬼中民の実力は把握しておきたいんだ、今後鬼族と契約をするとなれば最低でも鬼中民クラスの連中を相手にして倒したい、俺の都合だ。」

美魅「主はうち以外の鬼族も仲間にする気なんか」

パト「当然だ、鬼族と契約すれば俺の身体能力が向上する、以前俺が帝園の全園の従属大量契約をした話をしただろう、その中には勿論美魅と同じ【鬼下民】の子もいる」

パトは以前契約方式が【討伐式】の従属を中心に多くの契約を得た、そして強化された

精霊族はLv.1を10体
怪人族は一般妖怪を20体
鬼族は【鬼下民】を20体
邪人族は【五等兵】を10体

それ以外で言えば
獣は4体
天使族は【天使】を10体
龍族は4体
聖人族は【五等聖】4体と【四等聖】1体
機械族は4体
魔族は6体

パトは少なくとも88体の従属契約に成功し、それだけ力も得ている、

パト「わざわざ召喚する事もないし、出してないだけでそれなりの従属は既に居る、でもこれからだって力をつける、実戦経験を得るために戦い続ける、真名開示式や任意式だって結局のところ力で屈服させてるなら認めてもいいっていうほぼ討伐式と変わらない契約だって事もわかってるしな」

美魅「なんかずるいわ・・・」

パト「でも美魅はそんな俺を超えたいって努力してるんだろ、なら頑張れ、俺も美魅が強くなれるように傍で見ていてやるからさ、そして【鬼下民】で契約した子が大出世して強くなった!って言わせてくれよ、その方が俺も誇らしいしさ」

パトは美魅の頭を笑顔で撫でる、美魅は複雑そうな顔をするが、パトの笑顔が自分にだけ向いている現状、ここまで我儘を言っても向き合ってくれる、それだけでも美魅の気持ちは充分に満たされた。

美魅(多分これが愛情って奴なんやろうな、ここが居場所なんやって身体が、脳がそう納得しとるんや、エテルも最近家族愛について考えていたって聞いてたし、うちも似たような感覚になってたかもしれんな)

美魅にとってパトは当初と変わらず憎い相手だ、だがそれ以上に我儘を言っても許してくれる、心を開ける大事な存在だ。

美魅「よし、なら探すで!うちが鬼中民を倒しても文句言うなよ!」

パト「言わない言わない、そもそも美魅で倒せるなら俺でも倒せそうだしな~」

美魅「うっざ!ええわ!ここで一気に強くなって主ビビらしたるわ!うちが勝ったらどっちの稽古かわからんなるな~」

パト「俺に勝ってから言えっての!」

パトと美魅はそう話しながら【鬼中民】を探す。

No.186 過去の淫ら(R18)

琴歌とパト、月花の3人は一室でくつろいでいた。

琴歌「正直帝国でのパト君はどうだったのですか?私は殆どが仕事で会える機会が少なかった事もあって正直どうだったのかなって、「上手くやってる」みたいな言葉は聞けたのですが結局のところそうじゃなかったわけですよね?特に性的な事に関しては」

月花「結構ぶっこんで来るわね琴歌ちゃん、あまり目の共有はしてこなかったの?」

琴歌「はい、休憩時間中にたまに程度ですが、基本は自分の事でいっぱいいっぱいでしたね、私もアリシア様からかなりの仕事と訓練を与えられてましたから、あまりパト君の前では言いたくないのですが、何度も吐いたりしましたよ、仕事だって何度も精神を壊したと思います、だからか体力は一般人よりかはついたと思いますし、度胸もつきました、何より完全に受け身は辞めましたね、戦わないとどんどん利用されるだけでしたので、特にアリシア様に関しては」

月花「痛い程わかるわ、私は結局変われなかったから精神を壊して異動になったけど、そう考えると琴歌ちゃんは本当に強いわね、私なんて全然、だって今はあのメリアちゃんやアリシア様と肩を並べて意見のぶつけ合いをしてたのよね?普通に出来ないわよ、それ」

パトは二人の話を聞いてやっと口をあける

パト「それは俺も同感だな、この前アリシアとアリシアコーポレーションとエウレカ探偵事務所の仕事の会議をしていた時だって俺かなり虐められたからな、アリシアって仕事になるとかなりドSなんだな、気付いたら何も喋れなくなったよ」

琴歌「それがアリシア様のやり方なんですよ!まるで将棋やチェスのような競技を連想させるやり方で途中まで上手くいってると思っても途中から雲行きが怪しくなって気付いた時には詰んでいるなんてよくあります、私もこの二年程度では完全にアリシア様を抑える事は出来ません」

月花「凄いわね、メリアちゃんはどうなの?」

琴歌「メリアさんは誘導型ですね、私の目指しているゴールを自分の目的と一致するポイントまで運ぶ、それが凄く強いです、ですからメリアさんが納得した所で一度私はその案件を持ち帰って考えるようにしてます、「決まった、だから決断」ってなると大体はメリアさんのドツボにハマっていますね」

パト「帝国で俺も同じことをされたからわかるよ、どっちに転んでも結果的にメリアの目的に繋がる戦術、正直背筋が凍った・・・」

月花「頭の良い人達の会話ってかなり難しいのよ、私だって交渉は多少出来るけど琴歌ちゃん程頭はまわらないわ、どちらかと言えば分析とか時間を掛けて思考して動く方が得意、でも時間を掛ければ特にメリアちゃんなんかはその時間すらも武器にしてくる厄介極まりない事をしてくるわね」

パト「確かにな・・・」

パトはバツの悪そうな顔で手元のジュースを少しずつ飲む。

琴歌「話が逸れました、パト君の性的は話です、実際何が辛かったのですか?私の時も辛かったとか?」

パト「それはないよ、そもそも性行為自体は凄く心地の良いものだったよ、よく言うじゃないか、年月を重ねて何度も性行為をしていたら最初程性的興奮はなく、最終的には作業的な行為になるって、俺はそれを恐れた、後これ以上経験人数が増えたらきっと軽視していくんだろうなって思ってしまうのが怖かった」

月花「私達はパトしかいないからわからない価値観だけど、私は思考を共有しているからわからなくもないわ、私とパトの価値観が似てるって観点から言わしてもらうけど、事実最初に比べて性行為の価値って言うのは下がっていたわ」

琴歌「どのような感じでですか?」

月花「えっとまずパトの場合、女性の裸を見ても興奮しない、最初は私のおっぱいを見ただけで凄く興奮してたのよ、もうそれはギンギン、でも途中からは前戯を始めてやっとギンギンって感じ」

琴歌「それはわかります、初夜のような興奮はありませんね、でもそれは普通なのでは?」

パト「その話聞く側の俺はかなり気まずいんだが?」

パトの言葉を無視して二人は話を続ける。

月花「慣れは仕方ないわね、でも単純な話、胸で興奮しない、裸で興奮しない、エッチなシチュエーション、行為をしても慣れだけで最初程の勢いってなくなるの、しかもそれが私以外の相手と頻繁にやってたら尚更だし、やっぱり他の子の方が上手いとなると・・・ね」

琴歌「う・・・私基本受け身なのでその言葉は心に刺さりますね、でも前戯は頑張ってるつもりですよ!・・・カナちゃんには絶対に勝てませんが」ボソ

月花「そう、カナには絶対に勝てないのよ、しかもメリアちゃんも上手いし、アリシア様に関してはご奉仕がかなり上手い、ソルテ様は口や手が上手いというか完全に手慣れてるし・・・」ショボン

琴歌「今だに雪花ちゃんとは身体の相性はいいのか、誰よりも乱れてますし、雪花ちゃん自体攻めも受けも上手いうえに他の人に比べて「その体勢でやるのですか?!」みたいな体位でもやりますからね、それがパト君にとっていいのかもしれないですね・・・」ショボン

二人は少し肩を落としながら手元のジュースを飲む、パトはどこか気まずそうに二人の顔を交互に見る。

パト「でも俺だって二人との性行為は楽しみに」

パトがフォローに入ろうとすると月花がパトの言葉を遮る形で話を続ける

月花「そもそもカナちゃんが凄すぎるのよ!私とほぼ同じ専属神特性よ?!なのになんであそこまで差が出てくるの?!あの子絶妙よ?!射精コントロールは当然として興奮度合いもコントロールするし、パトが求めてる事を常に的確にチョイスする、甘え上手だし、あの子の謎のスキルの高さはどこからきたのよ」

琴歌「やはり思考だけではなく感情が強くわかるのは大きいのではないでしょうか?思考だけだと流石に「もっと触って欲しい」なんて考えませんよ、パト君の持ってるエロ本ではないのですから!」

月花「そうね!思考は本当思った以上に役に立たないわね!せいぜい「今のヤバ」「このまま続けたらヤバいかも」「そろそろヤバイ」みたいなパトの状態しかわからないのよね!エロゲ―の絶頂パラメーターを見てる感覚よ!」

パト「おい待てその例えわかりやすすぎてキツイ」

琴歌「私なんてただの視界共有ですよ、せいぜいパト君が他の子と性行為している時にどうやってやってるのかたまに確認する程度です、でもどれもこれも私では再現不可能なものばかり、思いましたよ「ああ、やっぱりパト君はこんなエッチがしたかったんだな~、だから私の所に来てくれないんだな~」って」

パト「それは誤解だよ?!琴歌は常に仕事で大変だし、体力が無い事も考えて無理にがっつくのは違うかなって?!」

琴歌「大体変態チックな体位は全部雪花ちゃんが受けてくれるからいいですよね、私もこれからはパト君の欲望を体現できるように頑張りますので!」

月花「そこの詳しい話は聞かないでおくわ、雪花の姉としての情けだと思いなさい、私、雪花とパトが二人きりで自室に入る時だけ思考共有消してるから」ドヤ

パト「それ単純に姉妹の性事情を知りたくないだけだろ」

月花「当然でしょ、私は雪花とはこういう話は一切したくないの!」

琴歌「私は血がつながった兄妹がいないのでわかりませんが、流石に家族にはバレたくないですよね、ですが私から見るとやっぱり姉妹なんだなって思います!月花先輩は変態的シチュエーションが好きですからね!お姉さん属性を全面的に出したり、仕事の立場を利用した変態的シチュエーションは中々私もそそられました!流石です!月花先輩!」

月花「うわ、自分の事を話されるとなんか凄く嫌な気持ちになるわね」

月花はドン引きしていた。

パト「やっと気持ちを理解してくれたか?俺はずっと気まずいんだよ、本人の前で自分の日頃の変態的性癖を暴露されてるからな、せめて俺の居ない所でやってほしいものだよ」

琴歌「すみません、ですがずっと一度だけ聞きたかったんです!パト君!月花先輩とオフィスエッチ!どうでしたか!やはり興奮しましたか?!私エウレカ探偵事務所でやってみたいと考えてるのですが?!」

琴歌は顔を赤くして食い気味に聞いてくる。

月花「琴歌ちゃんもかなり大体になったわよね、学生時代はこんな話を少しでも臭わせてる子が居たらすぐに赤面してたのに」

琴歌「旦那の性欲を上手く発散させるのも妻の務めです!もちろん旦那が妻の欲を満たすのも務め!だからこそ私はパト君の求める事をしっかり把握しておく必要があります!それが雪花ちゃんや月花先輩から旦那というポジションを奪ってしまった責任ですから!」

月花「私は気にしてないわよ、そもそも私達は地球では既に兄妹として成り立ってるから辞退したってだけで、パトはもちろん養子扱いだけど、別に何も変わらないし、それなら琴歌ちゃんに譲って、「四季 琴歌」って名前になった方がいいでしょ?」

パト「そうそう、もう四季琴歌なんだからそう名乗ったらいいのに」

琴歌「プライベートでは名乗るつもりですよ、仕事では月詠の方が都合が良いので【月詠】を使っていますけどね」

月花「仕事だけ変えない人も居るわよね~」

琴歌「また脱線してます!オフィスエッチです!月花先輩が机の下に潜ってパト君のパト君を舐めたり、机の上に座って月花先輩の月花先輩を舐めさせたり、服を着たままスカートだけをずらして「どうぞ♪ゆっくり召し上がれ♪」なんて言って始める!一度射精する時も「一番奥でね♡」射精しても「一滴も無駄にしたくないの、抜かないで♡」、みたいな甘え言葉!これがパト君の理想なんですか?!」

月花「ぎゃあああああああああああああ!!!」悶絶中

パト「あれはかなり興奮するね」


月花「ぎゃあああああああああああああ!!!」悶絶中

パト「実際抜かないまま二回戦を始める事もあったし、逆に焦らしに焦らして月花から入れてもらう事も」

月花「ぎゃあああああああああああああああ!!!」悶絶中

パト「月花うるさい!聞こえないでしょうが!」

月花「これはかなり効くわね、私も恥ずかしすぎて心臓がはじけ飛びそうだったわ・・・琴歌ちゃん、恐ろしい子ね」

琴歌「そうでもないですよ、私が普通の事しかしてないから他の皆を把握しているだけです!」

月花「なんで私が言った言葉まで把握しているかは聞いた方がいい?」黒い笑顔

琴歌は月花の圧に目線を逸らし「それは返答を控えさせていただきます」とだけ言って汗な流す。

月花「私ね~知ってるんだ~、琴歌ちゃんってすっごく受け身だしドM気質なのよね~」黒い笑顔

琴歌は顔を真っ赤にして硬直する

月花「もっとイジメて、もっと私を求めて、もっと沢山キスして、耳が気持ちいい、身体全体を食べられちゃう!溢れる私の大事な所、召し上がってくれますか?」黒い笑顔

琴歌「あがががががががががががががががががが」

琴歌は月花のセリフを耳に入れないようにヘドバンをくりだした!琴歌の髪の毛が龍の如く舞う!

月花「琴歌ちゃんて言葉でしっかりパトを刺激するわよね、どこかねっとりしているというかね、あれは普通とは言わないかな~、もう超濃厚、琴歌ちゃんってパトのエロゲ―を参考にしてるのか、全部言葉にしちゃう癖があるわよね~「入ってくる、私の中に」とか普通には言わないわよ~」

琴歌「あれは癖です!パト君のエロゲ―は見た事も聞いたこともありません!」

琴歌は顔を真っ赤にして月花に指をさす、だが月花はドヤ顔で言葉を返す

月花「ああ、ならあれは官能小説の影響かな、言葉選びが絶妙だと思ったのよ~」黒い笑顔

琴歌「かかかか、官能小説なんてそんな事はありません!私はそんなもの読んだ事なんて」

月花「へえ~~」

二人は話で盛が合っている所、パトは二人の話を聞いていてこう思っていた。

パト(どちらにせよ、俺の息子、全然機能してないんだけどな・・・)



patopatoblog at 00:13|Permalink│日常(R18) 

2025年10月16日

No.185 美魅の挑戦【鬼下民】episode2

パトと美魅は準備をして帝園に入った。

パトが帝園に入るとそこには十三天の心 ノラが立っていた。

ノラ「主様、お待ちしておりました、第十一園ですね、では今すぐ案内します」

パト「話が早くて助かるよ」

美魅「・・・」パトの後ろに隠れる

パト達はノラに運ばれ第十一園の【鬼下民】達が過ごす部落で止まった。

ノラ「ここまでしていいか考えましたがいずれはこのような場所に辿り着く、そのため私が最も効率よくポイントを稼げる場所に案内しました」

パト(やだ!この子しごできだわ!(仕事が出来る人の略))

美魅「よし・・・やるで・・・」

ノラは二人を心配そうに見つめながら拠点に戻る。

パト「美魅、最初に作戦を聞かせてくれるか?」

美魅「作戦、まずは離れの民家を狙う、子供、老人を狙う、そして不意打ちや、正面でやりあって増援されたら返り討ちにあう可能性もあるからな」

パト「うん、悪くない、正面突破って言わない限りは了承するつもりだったから問題ないよ、好きにやってごらん」

パトはそう言い美魅の背中を押す。

パト(美魅に卑怯な手で勝ってほしくないって気持ちは当然ある、だけどこれは戦場であり、この園では合法、ならその手段を使わないなんてありえないだろう)

パトは卑劣な行為に対して目を瞑りながら美魅の行動を見守る。

・・・・・・
美魅はまず作戦通り一番遠い民家を狙う、気配探知はやめておく、美魅が探知するという事は相手も美魅の気配を探知する事が出来るからだ、隠密行動では表に何も出さない、これはもちろんパトから学んだ事だ。

美魅(この隠密でうちは何度も寝込みを襲われ、反応できずに首に刃を突きつけられた(もちろんおもちゃの)つまりそれだけ隠密行動スキルが高かったら実力差があっても戦わずして勝つ事が可能ってわけや、身をもって知った事や、油断はせえへん!)

まず美魅は民家の中に何処から侵入するかを調べる、物音一つ立てれば相手は勘付き逆に攻められる可能性もある、【鬼下民】はマシな所であればそれなりの家に住んでいるが、基本は木造の穴が空いたボロ屋、それはまだいい方で野宿をしていつ襲われてもおかしくない状況で睡眠をとる鬼も存在する、美魅もその一歩手前まで来ていたため、第十一園の治安の悪さは理解していた。

美魅(よし、やっぱりこのボロ屋、玄関の鍵が窓の施錠と同じ、外からはどうやっても施錠出来ない欠陥品、ほんでこんだけボロやとそもそも玄関のドアごと取れるもんや)

美魅はドアを持ちあげる、そして少しずつ揺らしながら鍵部分を解錠する、少しずつ動く、錆びているため戻る事なく徐々に解錠されていき、何度か美魅が揺らす事で完全鍵を開ける事に成功した。

そして美魅は民家に潜る、床の木が軋むため、壁側により、脚を上げずにすり足で進む、勿論、足を動かし体重をかける前に軽く確認する、そうして各部屋を探る。

すると寝室らしき部屋を見つける。
現在深夜、部屋に電気なんてものはなく、ロウソクで灯す手段しかない、そのため部屋の電気が暗く、そして玄関で戸締りをしていた段階で家の中に鬼が居る事は確実だった。

美魅(よし、このまま睡眠薬を吸わせて首をナイフで切れば完璧や)

美魅は今回のために帝国の技術開発局から気体の睡眠効果がある薬を無断で盗んでいた。

美魅(おった、あれは・・・老婆と子供か)

美魅はターゲットを確認すると作戦通りに睡眠薬を二人の口元に近づける、そして数分待ち、効果が出ている頃合いを見計らって二人の首をナイフで切る、それは派手さはなくただ無音のまま殺害が実行された。

・・・・・・
パトは美魅が動いてから1時間ほど身を潜めて待っていた。

パト(さて、上手く出来てるのかな美魅は、大騒ぎになってない所を見るにバレてはないみたいだ、でもあの美魅が隠密を選ぶとはね、でも勝つなら間違いない選択だ、美魅はまだ子供、真鬼縛解(しんきばっかい)で力を解放すれば一時的に戦えるかもしれない、だけどそれは短期決戦限定、集団相手にまったく向いていない、だからこそ子供状態でも戦える方法を身に着ける必要があった、子供の美魅はなんとて非力だ、以前まで持っていた大剣なんて絶対に持てない、今持ってる刀は軽量化してあるから持つ事は出来るけど重さが無い分持ち主の力が必要になる。美魅は非力故に軽量の刀を持ってるだけ、となると・・・勝負向けではなく自衛向けの武器という事だ・・・)

パトは考えていた、美魅を1年間面倒を見て、どう戦える状態にするか、それを考えて来たからだ。
1年経ったと言っても美魅は11歳の女の子、それは鬼族であっても変わらない、そこの認識をまず持たないと美魅は何も出来ないのだ。

そうこう考えている内に遠くから美魅が歩いてきた。

美魅「帰ってきたで」

パト「お疲れ様、どう?上手く行ったか?」

美魅「ああ、とりあえずは4つの民家を狙ったわ、どれも上手くいった、殆どが一人暮らしやったんやけど、一つだけ二人暮らしやったんや、おかげで今は5ポイント、残り95ポイント、先が長いで・・・」

パト「そうか、夜が明けるまでがタイムリミットだ、陽が上がる前だと散歩する鬼が居てもおかしくない、農家だったら尚更朝は早い、そこも踏まえてしっかり動くんだぞ、朝を迎えればすぐに襲撃の情報は村人に入る、明日もここを狙うとなれば難易度はかなり跳ね上がるぞ、既に5人の犠牲者を作ってるんだからな、後村のコミュニティは狭い、すぐに情報なんか回る、油断するな」

美魅「わかったで、今日が一番楽やからしっかりやれってことやな」

美魅はそう言うと闇の中に消えていった。

パト「本当言うなら正々堂々力比べをしてポイントを貯めろ!じゃないと修行にならないだろ!って言いたいんだけど・・・100人切りをって言われたらどうしても効率を考えるなぁ、それに美魅の弱点も考えると・・・とてもじゃないけど指示出来ないや」

パトは陽が出るころまで待った。

・・・・・・
美魅は襲撃に何度も成功していた、美魅は自分の弱点をしっかり把握出来ているため、力技を選ばない、少なくとも子供の姿では絶対に。

美魅(うちは非力や、勿論この刀もうちの非力じゃ一刀両断なんて技は無理や、せいぜい出来るのはこの刀の切れ味を生かしてゆっくりと刃を入れることだけ、でもそれを理解してるならそれでええ、しっかりやれることをやるんや)

結果的に11名の殺害に成功した美魅。

・・・・・・
パト「よし、とりあえずこの村から距離をおくぞ」

美魅「そうやな」

パトと美魅は当てもなく村を離れる、そして山の中で身体を休める。

パト「一応ここを拠点に出来たらと思って穴を掘っておいたよ、残り89人、まだまだ先は長いな」

美魅「せやな、しかもここから奇襲の件が行き渡る、警戒が強まるってわけやな」

二人は一晩を過ごす、その間美魅は休み、パトは村の方に出向き情報を集めていた。

・・・・・・
パト「うん、しっかり情報が回ってた、それで今日緊急で役員達が集まって策を練っていたみたいだ、内容までは聞けなかったけど相当警戒してないといけないぞ美魅」

美魅「ならここからは隠れてもダメって事やな、ここで力を解放して戦うしか」

美魅がそう話しているとパトがその言葉を遮る。

パト「それはまだ早い、むしろ今一番警戒されている、ならそれを利用しない手はない」

美魅「どうするんや?」

パト「今日は何もしない、だけど言葉通り何もしないわけじゃない、そうだな、遠くから民家に爆竹を投げて音を出してもいい、まずは相手の警戒を強めて疲弊させよう、投げる距離も離れてる方がいい、だから銃のようなデザインがいいだろうな」

パトはそう考えると召喚でネスを呼ぶ

ネスは第十園 妖怪族でネス工房という独自の工房で生計を立てているパトの従属。

ネス「うっす、えっと、なんのようっすか?」

パト「ネス、着弾時すっごい音がなる銃弾、それとそれなりに距離がでる銃を作ってくれないか?」

ネス「えっとなら見積もりと製作期間を」

パト「悪いけど製作時間は明日の夜までだ、それ以上は待ちたくない、後見積もりは後日にしてくれないか?俺はいつもネスが求める金額をしっかり払ってるだろう?信頼してくれないか?」

ネスは考える。

ネス「いいっすよ、ほかの従属なら逃げられるかもっすけど、主は逃げられないっすからね、あと明日までなら全然余裕っす、銃弾は何発必要なんすか?明日までなら1000弾くらいなら余裕っすけど」

パト「流石だな、だけどそんなに持てないから100弾でいいよ、ありがとうな、ネス」

パトはネスの頭を撫でる、ネスをはわわわ~っと慌てながらもパトの手を受け入れる
それを横から見ていた美魅は少し不貞腐れるが今自分に出来る事を考え、パトがそれに対して最大限のバックアップをしてくれている事を考えると我儘は言えないと考えていた。

・・・・・・
一日が経った。

パトはネスを呼ぶために基地で待機していた。
美魅は村に偵察に向っていた。

美魅「自警団みたいな連中がおるな、やけど気配的にどいつもこいつも大した事なさそうやな」

パト「油断するな、相手も鬼、美魅と同じ真鬼縛解を持ってる、あれは最も力が出やすい肉体に変化して戦う鬼族特融のスキルだろ、それは間違いなく相手も持ってるんだ、使われたら美魅だって苦戦するかもしれないぞ」

美魅「知っとるわ、うっさいな、ほんでネスは来たんか?」

パト「今から呼ぶところだ」

パトはネスを呼ぶ、するとネスの手には銃と銃弾100発分を手に持っていた。

ネス「やっと呼ばれたッス!いつ呼ばれるかヒヤヒヤしてたっすからずっと両手に持って待機してたっす!」

パト「あ、そうなの、悪いね、でもありがとう、料金はまた見積もりしてくれたらその金額渡すから」

ネス「暇だったんでしっかり見積もり作って来たっす!」っす!

ネスは笑顔で見積書をパトに渡す。
パトはそれを確認し、了承し、金額をネスに渡す。

ネス「まいどっす~~♪」

パト「ちなみにネス、素材の原価はいくらだ?」

ネス「え?あ、その・・・忘れたッス・・・」ささ

パト「またどんぶり勘定で査定したなーー!お前それ出来ないとずっと赤字経営だぞ!!」

ネス「すんませんっすーーー!!」

ネスがパトにつかまり、じたばた暴れる、そしてパトはネスに追加の金額を手に持たせネス工房に戻す

パト「いいかネス、多分本来ならこれくらいの金額にはなるはずだ、持っとけ!あと帰ったらすぐに原価を確認!いいね!」

ネス「うっす・・・ありがとうっす・・・」すぅ~~

ネスは消えた、そして準備が整い、パトは美魅にその銃弾一式を手渡す。

パト「撃つのは美魅だ、それに殺傷性はない、凄い音が出るだけだ、1日10発、それをあらゆる方向から撃つ、そして相手の警戒心を高め疲れさせる。ずっと警戒してたら精神がやられるからな」ドヤ

美魅「これどうやって使うんや?」

パト「弾を充填してここをセットして、引き金を引く、それだけだ、出来れば民家にぶつけて鳴らすのが一番だな、その方が村の中で何かが起こったって思ってくれる」

美魅「やったるわ・・・」

そして二人は夜を待つ。

・・・・・・
夜

美魅は銃を構える。

美魅「撃つで・・・」

美魅は構える、ターゲットは暗い中でうっすら灯る民家の光、それを狙い定め撃つ!

バン!!!

弾は美魅の想定の弾道を外し、民家から離れた所に着弾し、けたたましい音が鳴り響く

パ―――――――――――――ン!!!!

村が大騒ぎになったのを確認した。

美魅「なんやこれ!大分ズレたで!!」

パト「そりゃそうだ、距離があるってことはその間の空気抵抗、風の向きだってある、それらを考えないと弾道なんて変わる、そもそもこんな距離素人がどうこうするなんて無謀なんだよ、それより移動するぞ、次は別の方向から撃つ、それをそうだな5日間はやる」

美魅「ちまちましとんな・・・」

パト「俺はここでのポイント稼ぎ、美魅は子供のままクリアしてほしいんだ、子供の美魅は戦う事が出来ない弱い存在だ、ならどこで補うか、それかこういう策で地道に狙う、これだって勝利しやすくするための手段、手を抜いていいものじゃないわかるか?」

パトは美魅に教育をしながら野山を走り次のポイントに向かう。

パト「ここだ、美魅ここで撃て」

美魅「はぁ・・・はぁ・・・待てや、今息が上がってそれどころじゃないんや・・・」

パト「これも鍛錬だ、自然の野山を走るのは疲れるだろう、地面が整ってないし暗いし、障害物多いし、速度を出せば出す程障害物という情報が早く美魅を襲う、それは戦闘でも同じだ、自分が早く動けばそれだけ早い判断能力を必要とする、美魅はスピードタイプで強くなるなら判断力を高める必要があるんだ」

美魅はパトの言葉に耳を貸しながら呼吸を整え銃を構える、そして発砲、民家に命中する事なく近くの木に命中、そして再度けたたましい音が鳴り響く!!

・・・・・・
この作戦を5日間続けた、昼は帝国に戻り、夜は発砲する。

それを続けた結果成果が出始めた。

美魅「ええ感じやな、全然覇気がないで、あいつら」

パト「かなり疲弊しているんだろう、ここはあまり裕福な村じゃないしな、食料だってまともに手に入ってないんだろう、どの鬼の女性も皆細い、狩られる側の鬼だからこそって感じだ、美魅、自警団を闇討ちで狙え、後ろからだ、2人ずつくらい削れ、大体8人だからな、徐々に削って自警団を消滅させればそのまま真鬼縛解で打ち落としていい、実力者はその時には不在だろうからな」

帝園のルールで帝園内で死んだ場合、1週間後に蘇る、そのため自警団を狙うと決めた以上1週間以内に決着をつけないといけない。

美魅「わかったで、なら行ってくるわ」

・・・・・・

美魅は上手く気配を消し、疲弊しきっていた自警団を狙う、そして自警団の二人が美魅が隠れている民家の横を過ぎる瞬間、美魅はそのタイミングを逃す事ないく一人の首を切る!

自警団A「うが?!」ぶしゃああああ
自警団B「誰?!どこにいるの?!」

自警団BはAの様子を見てすぐに警戒を強めた、そして大きな声で威嚇するがその時には美魅は姿をくらませ、背後から自警団Bの首を切る、そして二人共地面に伏し、息絶える。

美魅(あかんな、いまの大声で集まってくるかもしれん、となると作戦とは違うけどここで狩れるだけ狩っておく方がええか・・・)

美魅はその場で身を潜める、すると先ほどの声を聴きつけて二人組の自警団CとDが現れAとBの惨状を見て唖然とする、だが偶然二人は同じ体勢、同じ同線に居たため美魅はチャンスと二人同時に首を切る!

自警団C「うがぁ?!」
自警団D「おのれーーー!!!」

自警団Dがもたつく足を何とか動かし美魅に反撃を仕掛ける、だが美魅は距離を取り、瞬時に懐に入ると自警団Dの首を再度切りつける、そこから出血多量で倒れる。

15ポイント。

美魅「さて、戻るか・・・」

・・・・・・
次の日

パト「自警団の人数は増えてないな、美魅が昨日二人多く倒したから今日は4人行動だ、多分離れる事はないだろうな、ということではい、銃!」

美魅「行ってくるわ」

美魅は村に降りると4人行動をしている自警団を見つける、すると美魅は少し離れた民家に向って銃を撃つ、するとけたたましい音が鳴り響く、美魅も初めて近くで発砲したためその音のデカさに驚く。

自警団4人は慌てて音がなった場所を確認する、もちろん4人居たとしても一人は確実に3人よりも後ろに立つ事になる、美魅はそこを狙う。

自警団E「うぎゃああああああ!!!」

残りの自警団が振り向くと首を切られ、血をまき散らしながらのたうち回る仲間の姿があった。

自警団F「警戒して!!」

美魅「もう遅いで」

美魅は少し離れた場所から再度一発、だが今度はそれを自警団に撃つ」

自警団F「うが?!」

殺傷性はなくともそれなりの勢いで飛んできたものが当たれば激痛だ。
そしてその弾の本来の性能は音。

パ――――――――――――――――ン!!!!!!!

自警団達「ぎゃあああああああああああああ!!!」

3人が耳を抑える、だが美魅をそこを狙う、

1人・・・2人・・・・3人!!!!!

混乱の中美魅は3人の首を切る事に成功した!

そして地面で暴れる3人の首を再度刺し、その場を離れた。


19ポイント

・・・・・・
美魅「これで自警団はおらんなったな」

パト「ああ、だけど次の行動はどうなるか、わかるか?」

美魅「わかるで、集団行動やろ、身を寄せ合って身を守る、やからうちが真鬼縛解して一気に畳みかけるって話やろ」

パト「そうだ、集団の守り状態に居たらまともに相手は戦えない、だけどこっちは狙い放題、もうこっちが有利なのは変わりない、無慈悲に全滅させてこい!」

美魅はパトに言われるまま次の日の夜、鬼達が集まる集会所を襲撃する。


・・・・・・

39ポイント

美魅「これで全部やな・・・」

むせかえるほどの血の臭い、美魅の一撃が多くの村人の頭や胴を飛ばした。

美魅(これでもたったの39ポイント、ほんまに誰も住んでないんやな)

美魅は帰る、パトの元へ。



No.184 美魅の挑戦【鬼下民】episode1 ※設定説明あり

美魅はパトと出会った1年で強くなった。

ネルとの約束で帝国でもパト以外誰も美魅に特訓の面倒を見なかった。
パトがずっと美魅の鍛錬をしていた。

結果的にパト達が出場した第五回WCBT、その次の年に開催された第六回WCBTにてベスト16という
輝かしい結果を残した。

だがこの結果に美魅は納得しておらず負けた事でパトに無理を言って訓練を続けていた。

・・・・・・

美魅は悩んでいた、【もう挑んでみてもいいのかしれない】と。

元々美魅は帝園 第十一園の従属であり、階級は一番下の【鬼下民】

もっとも弱く、そして一番多く所属する落ちこぼれの地位でもある。

地位の決め方にはルールがあり、
鬼下民の階級達は誰かを殺す事で1ポイントが入り、逆に殺されれば1ポイントを失う。

100ポイント溜める事で一つ上の階級【鬼中民】への挑戦権を得られる。
【鬼中民】であれば誰にでも挑戦しても良く、勝てば昇級、負ければ100ポイントを失う、再度0ポイントから集める必要がある。

【鬼下民】側が勝てば挑んだ【鬼中民】と階級を入れ替わる。
そこからはピラミッド式に限られた席を奪い合い、時には死守をする。
鬼族達は己の階級を最も大事にしており、そして最も戦いを好む戦闘種族。

露草美魅は生まれてから誰にも勝つ事が出来ずにいた、それどころか負け続け与えられていた領土も奪われ、畳1枚分の領地しか存在しなかった程の崖っぷちに居た10歳の少女だった。

あれから一年、師を得て技を磨き、戦術を得て力を手に入れた。
美魅は今再度下克上を起こすべく挑戦を始めようとしていた。

・・・・・・
美魅「主、うち帝園に一度戻りたいんや・・・一緒にきてくれんか?」

パト「いきなりどうしたんだ?何か忘れ物でもしたか?」

美魅「馬鹿か、うちは何ももってへん、やからある奴らから奪いたい、つまりは挑戦したいんや」

パトは美魅の言葉を聞き、とうとう戦いの場に身を投じるのかと考える。

パト「わかった、なら一緒に行こう、俺の他に同行者は居るか?」

美魅「いらへん、あと手出しも無用や、別に死んでも生き返る、ちゃんとそういう仕組みや、うちが危ないからって庇うんやないで、これは正々堂々の殺し合いや、そこに鬼族でもない部外者が介入したとなったら末代までの恥や」

パト「そうか、わかった、ならサポーター兼コーチとして美魅を見守ってる、それで昇級までに何が必要なんだ?」

美魅「手っ取り早く言うとやな、100人【鬼下民】を殺せばええ、格上の連中殺しても同じ1点やからな、無差別に戦いを挑んでたらいつまで経っても昇級なんて夢のまた夢や、やからまずはしっかりと格下、もしくは同程度の奴らを殺す」

パト「うん、冷静だ、その判断は間違ってない、偉いぞ美魅」

パトは美魅の頭を撫でる。
美魅は少し顔を赤くしながらパトの手を受け入れる、だが目線は右へ逸らし少し居心地悪そうにパトが頭を撫で終わるのを待つ。

パト(最初に会った頃の美魅なら片っ端から戦う、相手を選ぶなんてそんな卑怯な真似は出来へん!!とか言ってただろうな、ちゃんと学んだんだな)

美魅「とりあえずいつまでも【鬼下民】じゃ恰好がつかん、いずれは最上位の階級になるんや!」

パト「そう言えば階級ってどれだけあるんだっけ?」

美魅「全部で13階級や・・・


【鬼下民】→【鬼中民】→【鬼上民】→【鬼女爵】→【鬼子爵】→【鬼伯爵】→【鬼侯爵】→【鬼公爵】→【鬼大公】→【鬼王】→【鬼親王】→【鬼皇帝】→【鬼天皇】

【鬼下民】所属数は無制限
【鬼中民】所属数は16384名
【鬼上民】所属数は8192名
【鬼女爵】所属数は4096名
【鬼子爵】所属数は2048名
【鬼伯爵】所属数は1024名
【鬼侯爵】所属数は512名
【鬼公爵】所属数は256名
【鬼大公】所属数は128名
【鬼王】所属数は64名
【鬼親王】所属数は32名
【鬼皇帝】所属数は16名
【鬼天皇】所属数は13名

昇降級条件
【鬼下民】⇔【鬼中民】
1殺害1ポイント(合計100ポイント)で【鬼中民】挑戦権獲得
相手は誰でも可、【鬼下民】が勝利した場合、昇格
【鬼下民】に負けた【鬼中民】は降格
【鬼下民】に勝った【鬼中民】は残留、【鬼下民】はポイント全剥奪

【鬼中民】⇔【鬼上民】
ランキング制 年4回
【鬼中民】上位128名と【鬼上民】下位128名が決闘
【鬼中民】が勝てば昇格、【鬼上民】が勝てば残留。

【鬼上民】⇔【鬼女爵】
ランキング制 年4回
【鬼上民】上位128名と【鬼女爵】下位128名が決闘
【鬼上民】が勝てば昇格、【鬼女爵】が勝てば残留。

【鬼女爵】⇔【鬼子爵】
ランキング制 年4回
【鬼女爵】上位128名と【鬼子爵】下位128名が決闘
【鬼女爵】が勝てば昇格、【鬼子爵】が勝てば残留。

【鬼子爵】⇔【鬼伯爵】
ランキング制 年4回
【鬼子爵】上位128名と【鬼伯爵】下位128名が決闘
【鬼子爵】が勝てば昇格、【鬼伯爵】が勝てば残留。

【鬼伯爵】⇔【鬼侯爵】
ランキング制 年2回
【鬼伯爵】上位64名と【鬼侯爵】下位64名が決闘
【鬼伯爵】が勝てば昇格、【鬼侯爵】が勝てば残留。

【鬼侯爵】⇔【鬼公爵】
ランキング制 年2回
【鬼侯爵】上位32名と【鬼公爵】下位32名が決闘
【鬼侯爵】が勝てば昇格、【鬼公爵】が勝てば残留。

【鬼公爵】⇔【鬼大公】
ランキング制 年1回
【鬼公爵】上位16名と【鬼大公】下位16名が決闘
【鬼公爵】が勝てば昇格、【鬼大公】が勝てば残留。

【鬼大公】⇔【鬼王】
ランキング制 年1回
【鬼大公】上位8名と【鬼王】下位8名が決闘
【鬼大公】が勝てば昇格、【鬼王】が勝てば残留。

【鬼王】⇔【鬼親王】
ランキング制 2年に1回
【鬼王】上位4名と【鬼親王】下位4名が決闘
【鬼王】が勝てば昇格、【鬼親王】が勝てば残留。

【鬼親王】⇔【鬼皇帝】
ランキング制 2年に1回
【鬼親王】上位2名と【鬼皇帝】下位2名が決闘
【鬼親王】が勝てば昇格、【鬼皇帝】が勝てば残留。

【鬼皇帝】⇔【鬼天皇】
承諾制 (最高責任者と当事者2名の計3名の同意の元で行われる3ラウンド2先取決闘制)
【鬼皇帝】と【鬼天皇】が決闘
【鬼皇帝】が勝てば昇格、負ければ10年間の挑戦権を剥奪
【鬼天皇】が勝てば残留、負ければ10年間の挑戦権を剥奪

【鬼天皇】1位~13位内
承諾制 (最高責任者と御神体、当事者2名の計4名の同意の元で行われる3ラウンド2先取決闘制)

挑戦権は年に1回のみ、挑まれた側は消費なし、
挑戦者は勝ったら順位入替、負けたら挑戦してから1年間指示に従う(拒否権はなし)
応戦者は勝ったら順位残留、負けたら挑戦者順位を入替、1年間指示に従う(拒否権なし)

っていうのがルールやな」

パト「よし、メモッた、成程、現実世界で言うと将棋とかの昇格戦に似てる所があるな、とりあえず美魅が目指すところは【鬼中民】、100ポイント獲得のために100人の鬼族を殺害、結構大変そうだな」

パトは美魅に拳をつきだす。

パト「だけど決心したんだろう、なら全力だ、やるぞ!美魅!」

美魅「任せえ!!」

2025年10月10日

No.183 エテルの進化episodefinal

エテルが目を覚ますとそこにはパトが居た。

エテル(あれ、あれからあまり時間経ってないけど、どれくらい時間が経ったんだろう?それともただ朝を迎えただけ?)

エテルは脳内で考えるが答えは一瞬で出た。

月花「んん・・・」

その布団には何故か月花も居た。

エテル(主様と月花が寝てるって事は数日は経ってるのかな?何かやってたというより夜遅くなったからそのまま寝たみたいな感じかな)

エテルは狭いベッドから抜け出し、カーテンを開ける。

エテル(まだ夜、時間は深夜3時、えっと、デジタル時計に表示されてるカレンダーからするに・・・3日程経ってるね、やっぱり時間の進み方が全然違うんだね、帝園は)

エテルは寝静まった街と暗くなった街のおかげでよく見えるようになった星空を眺め終えるとカーテンを閉め、机の上に置かれている書類に目を通す。

エテル(見積書、成程、建設会社から見積書が届いたから見比べてたのか、あ、設計書もある、色々メモしてるね、一応主様と月花なりにメリットデメリットを考えてたんだね、確かにそれらをまとめないと他の皆に伝えられないからね、でもこれ、まとまるのかな?)

エテルが見ていた設計書はどれもよく出来ていた。
事実どの設計書もしっかりをメモが記載されており、パト達が凄く悩んでいるのが見て取れた。

エテル(とりあえず設計書、私も見ておこうかな、暇だし)

エテルは設計書を暗い部屋の中でただ見つめる、エテルは機械族のため暗くてもしっかり内容は把握出来る。

エテル(ミール様に勝った、だけど得体の知れない人に負けた、でも力は失ってない、という事はあのまま覚醒した状態で現実世界に出られたって事だね・・・でももう二度と帝園には戻れないな)

エテルは設計書を眺めているが先ほどまで行われていた戦闘を思い出す。
結果的にエテルは覚醒し、その力を得たまま現実世界に戻ることが出来た。

エテルは自分にどのような変化があったのか、冷静に考えていた。

まずシオから御神体であるホープ・ダイヤモンドのデバイスを受け取った。

そしてミールと対峙し、御神体が自分自身と一体化する感覚があった。

ミールの世界を殺し続け、そのエネルギーを吸収した事で莫大なエネルギー、パト流で言うならゲームの経験値のようなものが大量に入った、そして御神体と一体化した身体は進化した。

そう、私はただの従属ではなく、【世界王】として覚醒した、しかもネルとは違う、誰かからの恩恵で進化したわけではなく、独自の力のみで覚醒した。

エテル(世界王に進化したからどうなったってわけじゃない、さっきまで凄く感情が高ぶってたのに今はいつも通り、私自身が変わったとはいえ、私という人格が変わるわけじゃない、そういう事なんだね)

エテルはもう設計書を見ていなかった。

エテル(決めたんだ、私は主様のためだけにこの力を使うと、だから進化出来たのかもしれない、ただ目標もなく前を進もうとしてたら多分何も成し遂げられなかっただろうね、そうか、こうやって道を決める事が出来たのも私が成長した証なのかな)

エテルは思い出す、自分の故郷第八園から追い出され、ただ帝園という広大な大地を歩き続けた日々を、ただそれには目標はなく、ただ何も求める事なくただ景色が変わっていく風景を眺めながら歩いていた、その先にパトとの出会いがあった。

パトと出会った事がエテルにとって人生最大の分岐点だった。
スティアとの会話を聞いていたエテル、最初はただ気まぐれだった。

【暇だし、何かあればいいかな】

そんな気まぐれがパトという運命の相手を見つけた。

エテル(この2年、凄く楽しかった、私は愛されてるんだって自覚出来たし、疑いもしなかった。そんな愛情を与え続けてくれた、あれからも多くの従属と接点を持ったのに私をずっと傍においてくれた、こんな私を特別にしてくれた、従属なのに従属としてではなくまるで家族のように接してくれた、沢山の事を教えてくれたし、褒めてもくれたし、怒ってもくれた、私以上に私の事を考えてくれた。こんな幸せな事はない)

エテルの顔から笑みがこぼれる。
凄く充実した感覚、エテルはきっとパトの事が好きだ。

ただそれは異性としてではなく、家族愛、まるで自分の親に向ける愛情、替えの効かない存在

エテル(私に家族は居ない、だけどもし両親が居たとしたらお父さんは主様、それでお母さんはシオなのかな、二人から沢山の物を貰った、だから二人にために私の力を使いたい、使えたらいいな・・・)

そう考えるエテルの眼には光が宿っていた。
それはまるで機械族の表情ではなく、年相応の女の子の表情、幸せに満ち足りた笑顔。

エテルは間違いなく豊かな感情を手に入れた。
朧げに感じていた自分の感情が今ならよくわかる。

エテル(私、世界王に進化したなら自分の世界があるのかな、それなら一度世界に入ってみたいな、どんな世界なんだろう)

エテルは望んだ、自分の世界が一体どのような世界なのか、エテルは自分の世界に何を望んだのか、エテルという存在からどのような世界が生成されたのか、それが気になって仕方なかった。
だからエテルは自分の世界に入るために意識を鎮める。

・・・・・・
エテルは眼を開く、

風がある、陽が当たる、温かくて心地いい世界だ。

エテルの視界には広大な自然が広がっていた。

エテル「綺麗な世界・・・あれ、頭の中に名前が浮かぶ?」

【崩園(デストルエデン)】

エテル「崩園、名前からして物騒な世界だと思うけど・・・一体ここはどんな世界、・・・あ」

エテルは広大な自然の大地に一つ浮かび上がる球体を目にする。

エテル「なにこれ?」

エテルは不自然に浮かぶ球体に触れる。
何もわからないエテルの中に多くの情報が入ってくる。

【未練はないか、もしあるならその未練を崩壊させましょう】

エテルの脳内に入って来たのは今苦しんでいるパトの姿だった。

帝国で多くの過ち、挫折、後悔をして苦しむパトの姿。
それを見たエテルは心が苦しくなる、だけど自分ならこんな苦しい出来事をどうにか出来る。

そう確信した。

エテル「そっか、ここは私が納得できない未練を崩壊させる場所なんだね、それは悪い事も良い事も含め全部、それが私の世界なんだね」

エテルは歩く、そして次の球体を見つける

そこには神羅万象支配という才能を開花させたシオの姿が映し出された、そして無理矢理自分の居場所を奪われ、法を破り、孤独に苦しみ、ミールやパトを恨み、時にパトと対峙したがその結果エテルを救ってくれた恩人に対して酷い事をしたという罪悪感からミールの世界に閉じこもってしまったシオの姿。

エテルはここまでのシオを知らない、だけど全ての経緯、そして未練の元凶が映し出される、だがその映像には色がない、まるで記録として存在しているだけで何も意味を成さない、そう見せつけられているようなもどかしさを感じる。

エテルは歩き続ける。

次の球体、そこには糾弾した第八園への怒り、苦しみ、これはエテルの未練、恐怖の対象としか見られなかったことで孤独になったエテルの記憶、だけどこの映像にも色がない。

エテルは歩き続ける、そこには先ほどに比べて小さい球体が空中に散らばっていた。

エテルは球体に触れていく、それは日常での後悔、日常での思い出、美魅とリルと遊んだ時の思い出、
そのどれもがエテルにとって大事な記憶だった。

エテル「そっか、わかったよ、ここは記憶の世界なんだ、私が今まで記憶してきたものがこの球体として保存されている、だけどこれはその記憶の前後、私が知るはずのない経緯も記録として残ってるんだ、例えば私が美魅と口喧嘩した日、私はただ美魅の機嫌が悪いから怒ってるって思ってた、けどこの球体を見てわかった、美魅は嬉しい出来事があったんだ、だけど私はそんな事も知らずに美魅の嬉しい気持ちを共有出来なかった、それが美魅にとって悔しい出来事だった、だから喧嘩になった。そしてその後、美魅は私の事に対して文句を言ってる、だけど次は絶対に羨ましいと思わせてやる、そういう出来事の続きがあった。」

やりなおした・・・

エテルは思う、こんな現状を知ればもっと美魅が満足する言葉を選んであげられた、きっと美魅は満足するだろう、そしてこの記録は嫌な思い出ではなく良い思い出として残るだろう。

それが崩園、記録を崩壊させる世界、きっとここで変えた記録は現実の結果も変えるのだろう、だけどそれは難しい程球体は大きく、簡単な程球体は小さい、さっきの美魅とのお話、エテルは球体に触れる事で同じ環境を体験した。

・・・・・・
美魅「エテル!今日なあの駄主から一本とったんやで!あの悔しそうな顔!エテルにも見せてやりたかったわ~」

エテル(もう間違えない、ここで私が出す答えは)

エテル「凄いね、美魅は本当に努力家だね、次もきっと一本とれるよ」

エテルは薄く笑う、それはわざと。
美魅がエテルに対して疑問を抱かない程度に。

美魅「せやな!これならあの駄主を超える日も近いで!日頃の特訓にもやる気が出るってもんや!!」

美魅は喜んだ、エテルは美魅の喜びの気持ちを分かち合った。
始めて他人と気持ちを共有した。

エテル(そっか、他人の感情を知るってこんなこともあるんだ、なんでだろう、私の事じゃないのに美魅の嬉しさが伝わってくる、私も何故か嬉しくなる、共感覚、不思議な感覚だな・・・)

たったそれだけのこと、日常でありふれた出来事の一つ、だけどエテルが納得した結末に辿り着いた。
エテルの意識は球体から離れる。

・・・・・・
エテルが眼を開けると、その球体には色がついていた、鮮やかな記憶。
エテルは再度球体に触れる、すると先ほどまで感じていた温かい気持ちがあふれてくる。

エテル「凄い、私は嫌な出来事を殺したんだ、そして新たな出来事を誕生させた、これが私の死と生の世界」

エテルは走る、最初に触れた球体、パトが苦しんだ記録。

エテルは触れる、だがその球体に入る事が出来ない、するとそこにはパズルのような景色が広がる。

エテル「そっか、この記憶に触れるためには条件が必要なんだ、それがパズルとなって存在する、きっと全てのピースを埋めればこの記憶にも干渉出来る・・・」

エテルはシオの記録に触れる、同じくパズルが現れる、エテルの記憶に触れる、同様にパズルが現れる。

エテル「きっとこの記録に触れるためには私の知っている事だけではダメなんだ、私の知らないピースを知って、得る必要があるんだ、そして全てのパーツが揃う事でやっと干渉して美魅との思い出みたいに変える事が出来る、私が不都合な出来事を殺して生まれ変わらせる事が出来る」

それは誰かにとって幸せでも誰かにとっては不幸になる出来事かもしれない。
そのことで未来が大きく変わるような修復はきっと出来ない、だけど思い出を変える事は出来る。

でもそれで充分だ、悪い思い出が良い思い出になる、それだけで人は前に進める。
前に進めるだけの改変が出来ればきっと・・・パトもシオも前を向ける。

エテル「もっと先に行こう!」

エテルは歩く、そして沢山の球体を目にする。
そして大事な球体を管理する事が出来る事を知ったエテルは思い描く建物を構築する、するとエテルが望んだ理想の建物が現れる、そこにエテルは球体をしまっていく。

無くさないように、忘れないように、

まるでパソコンのフォルダ分けのように球体を仕分けていくエテル。それは凄く希望に満ち溢れていた。

エテルの居る崩園、破壊のためだけに使おうと考えていたらきっとこのような球体は現れなかっただろう、エテルが望んだから才能が開花し、エテルが望んだ世界が生まれた。

エテルは仕分けを終えた。
全ての球体を仕訳けたわけではない、これから生きていけばきっと球体は増え続けるだろう、
だから全てを拾わない、それでいい、全てを救う事は出来ないのだから。

エテルは自分が大事だと思える人達のためにこの力を使う。
エテルが得た力はパトのために使う、誰かを無差別に傷つけるための力ではなく、
パトという存在、肉体的にも精神的にも支えられる、パトがエテルにやってきた事を次はエテルがパトに恩返しをする。

エテル「よし、戻ろう!」

エテルは崩園から抜け出す、その時にエテルは自身の姿を球体越しで見る。

エテルの姿が変わっていた、緑の髪と青い髪、そして今の今まで気付かなかった長い髪。

エテル(これが今の私、だけどきっと私が変わっちゃうと主様は寂しくなるよね、だからこの身体は大事な時に、普段はいつも通りの私でいよう、今まで通り・・・)

エテルは元の姿に戻る、そしてパトの元に戻る。
それがエテルの成長、進化のお話しである。

2025年10月09日

No.182 エテルの進化episode5

エテルはミールの世界から出た。

その場にはミールしか居なかった。

ミール「変わったね、シオから力が失った、もう彼女は女帝の器じゃない、そうか、それが御神体の正体だったってわけだ・・・ホープ・ダイヤモンド、現実世界に存在するブルーダイヤモンド、まさかそのままの形状をしていたなんてね、私の予想は外れたけど結果的にエテルが御神体になったわけだ」

ミールは少し笑いながらエテルに話しかける。

ミール「それでシオから御神体の力を得て何か答えを得られた?君が一人の才能を奪ってまで得た答えは?」

エテルはミールの問いに答える。

エテル「悩む事なんてなかった、私は主様を無条件で助けるよ、そのためなら何者にだってなる、手段だって選ばない、例えこの才能がどこまでも成長出来たとしても私はこの力を主様のためだけに使う、それが私を助けてくれた恩返しだよ」

ミール「言葉でわかる、以前のエテルじゃないね、機械族とは思えない程の力強い意志を感じる、でもまだ君は御神体に乗っ取られた身体に過ぎないよね?私としては誰かに取り付かないと御神体としての力も発揮出来ない同僚に少し、いや、かなり落胆してるわけだけどさ、どうするの?このまま主様の所に戻るの?」

ミールはエテルに近づく。

エテル「うん、だってこのままだと主様はきっと私達と心の距離を空けるよ、それはもう二度と戻らないかもしれない、そうなる前に私が繋ぎとめる、主様のトラウマなんて殺してやる」

ミール「過剰戦力・・・そう言わざるを得ないわね、エテル、第二園に所属し、究極系として主様を守りなさい」

ミールは今のエテルの力はパトが扱っていい次元のものではないと考え、今後開花するであろう才能を見越して第二園へ所属させてしまおうと考えた、そうすれば第二園のルール上、帝オーラを都度提供しなければ力を発揮出来ない、それでバランスをとる事が出来る。

エテル「断るよ、それだと主様は救えない、私は今の私のまま現実世界に戻るよ」

ミール「逆らうと・・・では力づくで・・・いくしかないですね」

ミールはエテルに対して世界そのものをぶつける!!

エテルはミールの世界に飲み込まれる。

そこはマントル世界、無限に続くマントルの世界。その中にエテルは入っていた。
だがエテルはそのような世界で傷つく事もなく平然と漂う。

そしてエテルは自身の手でタナトスハンドを出し、ミールの世界を殺す。

ミールは次々とエテルに世界をぶつける、エテルはミールの作る世界を次々とタナトスハンドで相殺する。無限に近い数の世界を、次々とエテルはタナトスハンドで壊し続ける。

世界を殺し続ける、そのエネルギーがどんどんエテルの身体に蓄えられる。
そしてエテルの姿が変わっていく。

エテルの髪下半分が青く染まっていく、そして後ろ髪がどんどん伸びていく。
御神体の力がエテルの中に溶け込んでいく。

シオのように御神体の力をただ借りていただけとは違い、エテルが御神体を吸収し、エテル自身が御神体となっていった。

そしてミールの膨大な力を殺し続ける事でエテルは急速に成長し、御神体エテルはさらに進化を果たす。世界王として覚醒する。

ミール(まずい!!こいつ!私と相性最悪だ!!世界を次々と殺される!!)

ミールは焦る、今この時点で帝園に二人の世界王が現れた、ミールとエテル。

エテルのタナトスハンドは見た目が変わり禍々しい手から青く何処かプログラムのような手に変わっていた。

エテル(これが私の真のタナトスハンド・・・)

エテルは身体から無数の青いタナトスハンドをミールに向けて飛ばす!!

今まではエテルが触れなければ効果がなかったタナトスハンドだったが、世界王と覚醒した今、触れなくてもタナトスハンドが自我を持ち、無数に現れては敵と認識した相手に向って飛んでいく!

帝園産の世界王、それはまさに化物だった。

エテルの留まらない猛攻にミールは押される!
ミールの表情には今までにない程の焦りが現れる!

ミール(私が押されてる?!私が負ける?!こんな一従属だった子に?!!)

ミールは必死に理不尽な世界を創ってはエテルにぶつける、だがエテルはその世界を涼し気にただただ殺し続ける、そしてダメージを負わないエテルはただただミールの喉元だけを狙う。

エテル「私を現実に返して、それだけでこの戦いは終わる、もしこのまま返さないなら・・・殺す!!!!!」

エテルに殺意が芽生える、それに同調するかのようにエテルのタナトスハンドは勢いを増す!
そしてとうとう1本の手がミールの頭を捕える!!!!

ミール「うが???!!!!」

ミールは飛ばされた、ミールに初めて外傷を与えた存在となったエテル。

ミールが吹き飛ばされた事で世界生成が遅れる、そしてエテルは勢いのままミールの対して無数のタナトスハンドをぶつけ始めた!!

ミールはどんどん跡形もなく朽ちていった。
それはどんどんミールだったものとなっていく、いやタナトスハンドに触れた段階でミールだったものは既に絶命していた。

そしてエテルの感情が治まり、ミールへの猛攻が止む。
そこには血すら残らない黒い後だけが残っていた。

エテル「勝った・・・私があのミール様に・・・」

エテルは立ち尽くしていた、自分自身が世界王に進化し、姿が変わっている事も気付かずに。
だが疲れで立ち尽くしているとエテルは世界に包み込まれ眠りについてしまう、そして元に姿に戻ってしまった。

・・・・・・
エテルが眠った。

そのエテルの前に立っていたのはミールだった者。
いや、それは本来のミールだった。

???「まさかミールの人格が負けるなんて・・・想像しませんでしたね、私が最も【未熟】な時代の姿では流石に完璧には程遠いですか・・・」

その姿はミールであってミールではない、ミールの髪は短かったが彼女の髪は地面につく程の長い髪、そして少し前髪は眼を覆っていた、だがその立ち振る舞いはまさに高みの存在。

界羅「私がこの姿に戻ったのは万園では数百年ぶり・・・帝園では・・・何万年ぶりでしょうか・・・」

万園 円卓の王 第一席 界羅(かいら)

その正体は本来のミール。
本来のミールは帝園のミールの髪飾り5つの宝石で封印しており、
本来ミールは5段階の強化があり、その最終形態として界羅の姿が待っていた。

だが今回はタナトスハンドがミールの封印の髪飾りを取った事で段階を飛ばして界羅が現れた。

界羅は万園含む全世界でストレリチアが作った世界王で最強を誇る存在。
それはパトの全てを凝縮した存在、パトの全てであり、現時点で界羅に勝てる存在はどの世界含めても存在しない。そのような圧倒的存在だった。

界羅「ミールももう少し改良が必要ですね、せめてタナトスハンドで世界が壊されないくらいの強度がある世界を作って貰わないと・・・」

界羅はまだ壊れていない状態の封印の髪飾りを見つけ、自身の頭に身に着ける。

界羅「キング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、お騒がせしました、ポーンであるミールが敗れたのですが、その拍子に髪飾りを飛ばしてしまったみたいでして、即座に私が対応する事になってしまいました、本来ならこれほどの事象であればナイトで充分でしたのですがね、ポーンはまだ意識を失っていますので、ナイトの人格のミール、ポーンの人格のミールのデスペナルティーが終えるまでの間、よろしく頼みますね、私はまた眠りにつきます・・・」

界羅の姿が変わり、徐々に以前のミールの姿に戻る、だが以前のミールに比べ身長が少し高く、身体全体がある程度発育している状態のミールだった。

ミール(ナイト)「まさか我の人格が出る時がこの帝園で来るとは、この少女は末恐ろしい潜在能力を持っていますね」

ミールは賞賛に値すると、第二園への移籍はなしにし、そのまま帝園に在籍のまま外に出してしまった。

ミール(ナイト)(世界王に進化した事で【崩園】という世界を解放していましたね、中身は見ていませんでしたが、万園産とは違う方式で生まれた世界、果たしてそれはどんな世界なのか・・・帝王様にだけに力を使う、才能を使うと豪語した子ですからね、きっと帝王様にとって都合の良い世界である事を望みますよ」

ミールはその場を後にする。
そしてエテルは現実世界で目を覚ます。

No.181 エテルの進化episode4

ミールはエテルが第八園の御神体ではないかと頭によぎる。

ミール(帝園のは12体の御神体が存在する、それは各園事に存在する、だがその中には今だに姿を現さない者も居る、この世界はそもそも月花様の帝園をパト様が上塗りした世界、そして12体の御神体はパト様経由で生まれた準世界王のような立ち位置、もちろんその中には世界王として覚醒している者も居る、といってもそれは私だけ、そしてこの帝園には私ですら把握していない第玲園という領地が存在する事も知っている、だがどこに存在しているかわからない、そのように実在するのは知っているがどこにあるかわからない、そのような存在が帝園の王ミールですら存在する)

第一園 神族 御神体エステル
第二園 究極 御神体カル
第三園 獣族 御神体フェア
第四園 天使族 御神体ティエル
第五園 精霊族 御神体ミール
第六園 龍族 御神体リル
第七園 聖人族 御神体フラ
第八園 機械族 御神体ホープ
第九園 魔族 御神体ワルプルギス
第十園 妖族 御神体ティス
第十一園 鬼族 御神体鬼媛 漸(おにひめ やや)
第十二園 邪人族 御神体 闇(アン)

その中でも現時点で実物を今だに見せていない者が存在するそれが
第二園・第八園・第九園・第十園・第十二園

どこで何をしているのか、どのような存在なのか、全てを把握しているはずのミールですら把握出来ない御神体、それは一部の分野でもミールを超える何かを持つという意味なのか、それすらも把握出来ない存在。

ミール(その不明の御神体の一角第八園の御神体ホープ、それがもしこのエテルなら・・・私は彼女を同格の存在として警戒しなければならない・・・)

ミールは確かめたくなった、今までにない存在であるエテルだからこそ彼女がミールが把握していない御神体なのではないかと、そのためにミールはエテルにとある提案をする。

ミール「エテル、いいでしょう、私も意地悪をしたいわけではありません、そこまでエテルが帝王様の事を考えているのなら、私もそれなりに協力しましょう、まずはそうですね、望み通りシオに合わせましょう、それでどうですか?私としてはこれ以上の物をエテルに提供は出来ませんが」

シンは驚く、あのミールがたかだか一従属の話を聞き条件を飲んだ、普段なら絶対にあり得ない、何故ならミールは基本帝園の従属をパトを強化するための道具でしか見ていない、だから帝園の従属が最低限の生活が出来ているならそれ以外はどうでもいい、興味がなく、パトの都合でその従属が邪魔なら容赦なく消す事だって厭わない、きっとパトがミールに「あの従属を殺せ」と言えばミールは擁護する事なくその従属を邪魔だと切り捨て殺すだろう。それがシンやネルが把握しているミールである。

自分が全て、それ以外はミールの傀儡、操り人形、所詮この帝園もミールにとっては小さな箱庭、おままごとの駒程度の存在が帝園の従属。

シン(何か思惑が?でもここでもし私が反論してミールの機嫌を損ねたら折角のチャンスを無駄にする、ネルならきっとこんな場面でも聞いちゃうんだろうな)

シンは経緯を見守るしかなかった。
エテルはミールの提案に対して考える、まさか了承されると思わなかったからだ。

ミール「どうしますか?入るなら今ここで私に触れてください、そうすればシオの居る世界に繋げましょう」

エテルはミールの近くまで歩く。
ミールはエテルに手を伸ばす、そしてエテルはその手を取る。

するとそこから光が発せられエテルは包み込まれる。
そしてエテルはミールの世界に入り、その場から消えた。

ミール「シンは帰っていいですよ、エテルの要件が済めば私が現実世界に送り届けます、大丈夫ですよ、エテルは帝王様の大事な常駐契約の従属、傷物になんかしません、いえ、そもそもこの子は傷物にはならない存在でしたね」

シンはエテルがミールの中に入った事でやっと疑問をぶつけた

シン「どうして了承したのですか・・・」

ミール「んん、気分です、いえ、正直言うと興味が湧きました、シン、今のエテルを見てどう思いました?私は異様に見えました、「なんだこいつ?これが機械族か?」と、あまりにも異質過ぎる、そもそも彼女は生まれから異質過ぎる、機械族は元々守りに特化した種族、なのにエテルは守りは勿論、攻撃力もずば抜けて高い、タナトスハンドなんて代物をあの機械族が持つ意味は?生まれてからずっと叡天眼所持のエテル、私は彼女がもしかすると行方不明の御神体ではないかと・・・考えました」

シン「行方不明の御神体・・・」

シンの御神体の件は把握していた。

ミール「もしエテルが私の力だけでただ名前だけ知っているだけの御神体の正体ならば・・・十三天の心のメンバーに加える必要がありますね、ただ覚醒していないだけで・・・ふふふ」

シン「エテルが御神体・・・そんな事、あるはずがない・・・」

・・・・・・
エテルは真っ白な世界の真ん中に立っていた。

エテル「ここはどこ・・・こんなところにシオが居るの?」

シオ「エテル・・・?」

エテルは声の方向を振り向く、そこには驚いた表情でエテルを見るシオの姿があった。

シオ「ど、どうしたの?こんなところで・・・もしかしてエテルもミール様の逆鱗に触れたの?」

シオは今にも泣きそうな顔をする、だがエテルは応える

エテル「違うよ、私は自分の意志でここまで来たの、シオに会いたいからシンに頼んで、ミール様に頼んで、ここまで来たんだよ」

シオはその言葉で泣き崩れる。

シオ「強くなったんだね、自分の意志でここまで来れる程にエテルは強くなったんだね・・・」

エテルは泣いているシオの元に行こうとするがシオがそれを止める。

シオ「来ちゃダメ、私は貴女に会わせる顔がないの、今のエテルは私には眩しすぎるの」

シオはそう言うと自らエテルと距離を取る。
エテルはシオの行動に対して強い動揺を覚える。

エテル「なんで、会わせる顔ならあるよ、だって私はシオを頼りにここまで来たんだよ、教えて欲しい、主様が今凄く辛い思いをしてる、皆はそれを主様自身の問題だから、時間がきっと解決してくれるからって見守ってる、でも私はね、近くで主様を見てきっとそんな悠長な事を言ってられないんじゃないかなって思ってる、でも主様が誰も頼らない、自分自身の力で克服したがってるからって見守ろうって・・・皆そう考えてるのに私は主様の力になりたい、そう思うのは私がおかしいからなのかな・・・」

エテルはシオに語る、だが話していくうちにエテルの表情は曇っていき、最終的には俯いてしまう。

エテル「ねえ、機械族はこんな感情を持たないんだよね、教えて、これはどの回路のどの部分から来てる信号なの?私は壊れちゃったのかな?今までこんなに誰かのために力を使いたいって考えた事もなかった、だけど今は凄く主様のために力になりたい、ねえ、シオならどうしたらいいと思う?」

シオ「それをなんで私に・・・」

シオはエテルに尋ねる、エテルは少しの間をおいて答える。

エテル「私が知ってる機械族の中で一番感情が豊かだからだよ、私にはわからない機械族特融の感情をきっとシオなら知ってる、同じ機械族のシオじゃないときっと私のこの現状を理解出来ない、そう考えたから私はシオを頼ったの・・・」

エテルは前を向く、そしてずっと泣いているシオを見る。
シオはそんな真っ直ぐな目をしているエテルの顔を見て感じていた。

シオ(この子は・・・到達したんだ、私ですら辿り着けなかった領域に)

シオはエテルを見つめる。

シオ(気付いてる?今の貴女、凄く人間らしい顔になってるよ)

シオから見たエテルは何処か苦しそうで、でも真っ直ぐと強い意志でシオを見つめていた、
ただボーっと見つめていただけのエテルとは違う、目にはしっかりと意志が宿っていた。

シオ(気付いてる?今の貴女、私よりも立派だよ)

シオから見たエテルの佇まいは今にも倒れそうで何かの支えがないと立っていられないシオとは違い
堂々と立派に立っていた、それは誰にも揺るがせない強い意志が見て取れた。

シオ(気付いてる?今の貴女、どの機械族よりも・・・)

シオはエテルを見つめる、そして決断する。

【【私はもういいかな】】

シオはエテルに声を掛ける、「こっちに来て」とただその一言を、そしてエテルは真っ直ぐとシオの所まで歩く。

シオ「私がエテルに教えられる事は何もない、それは私も知らない感情だから、きっと機械族の誰もそれを知らない、貴女は今機械族の誰よりも前に居る、それは誰よりも感情豊かな環境で育って来たから、主様から沢山の愛情を頂いたから得られた物、それは私ですら持ち合わせない、エテルだけの唯一無二だよ・・・それに」

シオは自身の頭についている宝石を取る。

シオ「私は偽物だよ、私はね、この宝石のおかげで誰よりも感情を持っていたの、きっとこの宝石を無くせば私は他の構成員の子達と変わらない、ただの機械族に戻っちゃうの」

エテル「そうなの?でもその宝石はシオのメインデバイスじゃないの?」

機械族には身体の一部にメインデバイス、その人物の情報を管理するために機械がついている、エテルは頭についている二つの機械、そしてシオは宝石のような機械と花のような機械。

シオ「ううん、この宝石はね、私のじゃないの、この宝石は【第八園の御神体】この宝石が御神体そのものなの、実在する人物じゃない、このメインデバイスが御神体なの、その力で私は力を覚醒させ候補生までなった、機械族の力を飛躍的に上げる事が出来る上に本来の感情がより豊かになるの、私はただ継承してただけ、本来なら機械族の最高責任者に代々継がれるもの、だけど私はこの力も含めて第二園に選ばれた、だからずっと身に着けてたの」

シオはエテルの頭に宝石を乗せる。

シオ「だけどもう要らない、これはエテルにあげる、きっと私は才能を失う、多分神羅万象を失って第八園に戻るでしょうね、そして今の最高責任者がよければきっと私は元の席に戻るでしょう、それでいい、私には有り余る席だったのよ、だからこうやっていつまでも十三天の心のメンバーにもなれずにここで閉じこもってた、ずっと間違い続けた、だからね、最後くらいは間違えたくないの」

エテルはシオの言葉に涙を流す。
エテルは感じてしまった、「きっとここで自分が知っているシオと二度と会えなくなる」と
それは実質シオという人格の死を意味する。
そして第二園に選ばれる程、候補生とまでなったシオの物語の終わりを迎えようとしている事を。

エテル「教えてよ・・・ただ託されただけだと私、ここに来た意味がないよ」

シオ「それはきっとこの宝石が答えてくれる、だって私より詳しいもん、私はその感情を知らない」

エテルは泣き続ける、でもそれは何故?目的を達成できなかったから?違う。

エテル「シオはもう・・・帰ってこないの?」

シオ「ううん、私は帰るよ、エテルがもう帰ってこないの、別の所に行っちゃうんだよ、私達が心の底から望んだ存在、どの生物よりも高みに上り詰めた存在、その世界に」

エテル「私はそんな事望んでないよ・・・」

シオ「ううん、きっと望むよ、だってそこでしか今のエテルが抱える問題を解決出来る策はないんだよ、だからエテルはそのまま前に進んで、そして御神体と一体化したらもう一度ミール様の前で考えてみて、そこでもし答えが出たなら、それがエテルの望む答えだと・・・私は思うから」

エテル「うん・・・ごめんなさい、シオに何もあげられなくて・・・」

シオ「ううん、最後にこんなにも成長したエテルを見られて凄く嬉しかったよ、ありがとう、ここまで来てくれて。もしエテルが一人でここまで来てくれなかったら私はきっと気付けなかった、また間違ってたかもしれないから」

エテルは涙を拭く。そんな姿を愛おしく見つめるシオ、だがシオの中で心境の変化が明らかに出て来ていた。

シオ(あ・・・ダメだ、エテルを見ても何も感じなくなってきてる、さっきまで凄く感情で溢れてたのに、その感情が枯渇していってる・・・本来の私に戻ろうとしてる・・・)

シオ「エテル、笑って・・・」

シオは感情が消える中、エテルに伝える。
エテルはその言葉を聞き、最後だからと満面の笑みでその言葉に応える

エテル「にこ~~~!シオ!大好きだよ!!!!」

シオ「・・・・・・すっごく可愛い・・・最高の笑顔だよ、エテル、ロリコンで本当に良かった~~」

シオはもう以前のように笑えない、シオはもう以前のように泣けない、だけど最後の最後に温かい気持ちになれた、心が揺さぶられるような幸福感溢れる気持ちを得た。

シオ(良かった、私はきっと今までの得て来た感情を忘れない、この気持ちも、きっと最後まで忘れないよ)

ここからのシオはただ記憶にある感情を演じるだけの機械族となった、
エテルはシオと話しているとそれがわかり、次第に心が辛くなった。

エテル(シオは以前ように感情が溢れてこない、ただこの時はこういうリアクションを取ればいい、そういう記憶を遡ってなんとか違和感を出さないように話してくれてる・・・けどわかるよ、だってもうシオの声からイキイキとした言い表せない力みたいなものが感じられないから・・・)

エテルは次第に感情を得ていく、そして相手の言葉から感情を理解したり、空気から多くの情報を得る事が出来るようになった。

それがきっとエテルにとっての御神体への進化だった。



2025年10月08日

No.180 エテルの進化episode3

帝園第三園

エテル「そっか、私あの時から帝園には戻ってなかったんだね」

エテルが居た場所、それは約2年前パトと初めてあった場所から少し進んだ場所だった。

エテル「私が召喚された場所から変わってない、でもいいよ、私の目的ははっきりしてるから」

エテルは眼を瞑る、そして第二園へ電脳化で実体を電脳世界に移し移動する。

・・・・・・
エテルは第二園へ到着した、場所は【叡智の羅針盤】十三天の心のメンバーしか立ち入る事が出来ない建物だ。

エテル(う~ん、ネルに会いたかったけどどうすればいいんだろう?チャイムとかないのかな?)

エテルは入り口で困ったように立っていた。
すると扉が開き中からシンが現れた。

シン「エテル、珍しくお客さんかと思ったら、中には入れないから・・・っと」パチン!

シンが指を慣らすと即座に空間が変わり、広い室内になる。

シン「次元支配で部屋を生成してみました、これで問題ないでしょ、それで誰に用事があってここまで?」

エテル「う~ん、ネルに聞こうと思ったけどシンの方が詳しそう、ねえ、主様の心の傷をどうやったら治せる?」

シンはエテルの言葉に驚く、それはエテルがパトのためにここまでの行動を起こしたからだ。

シン「エテルはどうやったら主様の心の傷を癒せると思う?」

エテル「質問を質問で返すなんて・・・でもどうだろう、私は機械族だから・・・ちょっと嫌な事があってもすぐにどうでもよくなる気がする」

シン「じゃあエテルが今主様に感じてる感情、それは時間が経てばどうでもよくなる?」

エテル「・・・わからない、でも主様はずっと私を面倒見てくれた、こんな私を嫌な顔一つせずにずっと美魅と一緒に傍に居させてくれた、私が甘えても絶対に応えてくれる、今も私の好きなようにさせてくれる、のびのびと過ごさせてくれる、それを時間が経ったからと言ってどうでもよくなるなんて・・・」

シン「そう言う事です、もしかするとエテルも主様と100年程関係を絶てば先ほど言った通りどうでもよくなるかもしれない、それを私達は【時間が解決してくれる】って言うの、だけど今すぐとなるとどうしても色々考えてしまうから忘れたくても忘れられない、心の傷ってそういうものだと思うの」

エテル「だからミーエルの治療でも治らないんだね」

シン「ええ、感情の浮き沈みを和らげるくらいなら私でも出来る、それはどちらかと言えば脳を騙すという行為に近くてね、でも本当の心の傷は治せない、要因を廃除するか、克服するか、それくらいしかないの」

シンは椅子に座り、真剣な眼差しでエテルに応える
エテルも椅子に座り、空間が出来たと同時に机に置かれている飲み物に手を出し、口に含む。

エテル「じゃあ今の所誰も主様を治す事は出来ない、だけど主様、凄く苦しそう、いや悲しそうなんだ、だからどうにかしてあげたくて」

シン「見守るしかない・・・って言いたいけど納得しないんでしょうね、だからここまで来た、帝園で心の傷を癒す能力を持つ従属を見つけてでも、そう考えてる?」

エテル「うん・・・だから最初にネルに話して協力してもらおうって思ったの、ネルは主様の事になると協力的だから、でも甘やかしたらダメだって断られる可能性も勿論考えてた、だから少し悩んでた」

シン「流石ね、私も半分半分って感じるわ、むしろネル本人が「他の女の事も政治の事も全部忘れさせてやる!さあ抱け!主様よ!!!」って言いかねないわね」呆れ

シンはネルの物まねをするが溜息をつき、ネルの物まねをした事を少し後悔する。

シン「私から言える事は心の傷のみを治す能力者は居るわ、勿論私含めて多くね」

エテル「そうなの!でもどうやって!」

シン「忘却支配、消滅支配、破壊支配、幻惑支配、幻想支配、精神支配、色々な能力で対応可能よ、でも共通して言えるのは強制的に忘れさせる、そして忘れても尚身体が覚えているのは別の事が原因と上塗りする」

シンは指を立てる、そして立てた指が光、映像が映し出される。

シン「今主様の身体で最も影響が出ているのはおちんちんです!」

エテル「んん?」

シン「これは保健体育だと思ってください、結構大真面目なので、今の主様はどれだけ女性からアプローチを受けても全然おちんちんが反応しません!それは心の傷が間違いなく影響しています」

エテル「んん・・・」?

シン「色々な理由を言ってますが間違いなく性交渉、つまりセックスが原因です!ただでさえ複数の人と関係を持つのは疲れる、なのに主様が心に傷を負う出来事が何度も起きた、帝国従属全員とキスをし、強制的に覚醒させた事件から始まり、専属従属の3名、メルリア、エイリ、フルールの3人と4Pセックスをキメて、セックス価値観が瓦解した、そしてそんな時にギリギリ全員を平等に愛してるからセーフ!!っていうセーフティーラインをメルリアが壊した、独占事件だね!「私とだけセックスして!私以外とセックスする気が起きないくらい朝と夜でしっかり性処理します!!」って数日逆レイプまがいな事をずっとされてとうとう主様の最後のラインも壊れ、最終的に性的な事が怖くなった。」

シンは顔を真っ赤にしながらも事の経緯を大袈裟に話す。

シン「つまり、簡単に言えば女性が怖いんです、今の主様は、だからおちんちんが立たない!そりゃあ女性からアプローチされても立ちませんよ、だってエロじゃなくて恐怖の対象なんですから!でも顔見知りは信頼出来るからなんとか平然と居られる、だけど多分知らない女性相手だと警戒して心も開けない、これが今の主様の現状、それを書き換えればいいの」

エテル「ああ、元々の話を忘れてたよ、途中から主様のトラウマの話ばかりしてたから」

シン「今の出来事の記憶を別の記憶に書き換えればいい、そしてトラウマとして反応してしまう現象に関しては別の理由に置き換えてしまえば多少はマシになります。例えば【メルリアから毎日逆レイプをされた、だけどメルリアから距離を取る事で現実的な問題は解決、トラウマはメルリアの逆レイプが原因だからメルリアが居ない今の環境は大丈夫!】ってやったらどう?つまり全部メルリアの責任にしちゃう形ね、それならメルリアだけを悪者にして原因とトラウマを簡単にして克服に持っていく事が出来る」

エテル「成程、全部騙すんだね」

シン「そうそう、だけどそれをやらないのは今回の件は主様にとってもかなり大きく考えてるから、今の主様の中では間違いなく好意の序列がついてる、専属神内でもね、今こうやって地球に連れてきてる専属神が比較的に高かった子じゃないかな、勿論アリシア、ソルテやラルみたいにどうしても帝国に置いておかないといけない人達も居るけどね」

シンは立ち上がる。

シン「エテル、何かをしてあげたい、その気持ちは凄く大事、そして別にエテルが治したいと思うなら誰も止めない、それで主様が悪化したとしても私達がフォローする、だから好きに動くといいわ、貴女も主様に認められた従属なのだから、羨ましいわよ、常駐契約は。本来なら従属全員が喉から手が出る程羨む席、リルから情報は得てるけど今回の件で席が一つ空いた、座れるなら私が座りたい、最高責任者なんてベルでもノラにでも渡して私も一人の女性として、ネルみたいに自由に主様の隣に居たい、私は諦めてないわ、なにせ最近私と主様の適正率が上がって来てるみたいだからね!」

シンは嬉しそうに話す、まるで自慢する子供のように。

シン「エテル、ネルの代わりに私が協力してあげる、何かいい案があったらまたここに」

シンがエテルに手を差し出そうとした時、エテルは即答で答える。

エテル「シオに会いたい、シオは今どこにいるの?」

・・・・・・
あれから1時間後

シンとエテルはミールの間に来ていた。

それはエテルがシオの所在をシンに確認したところから戻る。

シン「シオ・・・幻想の究極系候補生か、今も尚ミール様の謹慎処分中とは聞いてるけど今どこで何をしてるかと言われると・・・気にした事もなかったわね」

エテル「シオからも意見が聞きたい、私、いつも分からない事はシオから聞いてた、シンからさっき私の好きなように動けばいいって聞いて真っ先に思いついたのが【トラウマという現象自体の死】私のタナトスハンドでそもそもトラウマ事殺せたなら後は主様の気持ちの問題だけで済むのにトラウマがそれを邪魔してるように感じた、トラウマっていうのがどんな存在かわからないけど、もし私にそんな事が出来るなら、やってもいいなら・・・でもわからない、だからこういう時シオなら、同じ機械族ならどう答えるか気になった」

シン「成程ね、面白い発想だな、タナトスハンドは命を刈り取る手だとばかり思ってたけど現象そのものの命も奪いとれる、能力への理解度を高めるにしてはありね、でも私とエテルでは種族が違うからどうしても納得できない所があって不安と、なら私がどうこう言う筋合いはないわね」

シンは少しため息を吐き、エテルの言われた通り、シオの所在を能力で調べた。
だがまったく反応する事がなかった、シオは今帝園に居ない。

シン「シオは今帝園に居ないわね、もしかするとミール様が作った独自の世界の中かも、今からミール様に聞きに行くけどどうする?エテルもついて来る?」

エテル「うん・・・行く」

そういう経緯で二人はミールの居る空間に訪れた。
そこにはミールが立っていた。

ミール「どうしました?シン?エテル?珍しい組み合わせですね」

シン「ミール様、一つ伺いたい事があります、第二園 幻想の究極系候補生 シオの現在の所在地を教えて頂いてもよろしいでしょうか」

シンはミールに質問する。
するとミールは特に溜める事なく普通に答える

ミール「今私の作った世界で罪を償ってますよ、罰を受けているので貴女達の都合で合わせることは出来ませんね、ちなみにどのような要件でシオに会いたいと?」

エテル「シオと少しだけお話出来ればそれでいい、教えて欲しい事があるから聞きたい、それだけ、その後は罰の続きをしてもらっていいから」

ミール「成程、まあ先ほどのシンとエテルの話は勿論、現実でも帝王様の現状は全て把握してますのでわざとらしく聞きはしましたが全て把握しています、結論から言わせていただくと辞めた方がいい」

ミールはエテルに対して拒絶する。

ミール「エテルがここまで帝王様のために動いてくれる、それはあの機械族からは考えられない程の進歩です、むしろここまで好意という感情が芽生えるのかと驚いているくらいです、ですが余計な事はしなくていい、それは私が考える事です、私が今回の件で帝王様が帝園を求める場合最善の答えを用意する、私が何も考えてないとでも思いましたか?勿論常日頃から帝王様を見ているので望む物は全て理解しています。」

シンはミールの圧に臆しながらも会話を続ける。

シン「では知ってて助けなかったと?」

ミール「はい、ですが帝王様が帝園に助けを求めたら即座に助けました、私から帝王様にお節介をするのは違います、それはメリアと同じ、いずれ帝王様の心を壊すとわかっていました。帝王様は自分自身で何かを成し遂げられることで自信を得たかったのは知っていましたから、勿論そこにはプライドもあった、だから私は知ってても尚手を差し伸べなかった」

シンはその言葉を聞き怒りを向ける

シン「あの人は確かに助けられる事でプライドに傷をつけるかもしれません!ですがそれで彼が壊れてしまったら意味がないでしょう!貴女は未来のハクの件から何も学ばなかったのですか!!」

シンは自身が立っていた場所から3歩程無意識にミールに向って足を運ぶ、それは強い異議による自然の行動だった。

ミール「難しい事を言いますね、でも現状帝王様は私達従属を求めていない、それが全てじゃないかしら?求めてない、指示も使命も貰っていない一従属風情が感情を持って、帝王様の考えを身勝手に代弁して動く、それは失礼いえ、無礼極まりない行為だと思いませんか?そうですね、現実世界ではそういう人を【勘違い野郎】とでも言うのでしょうかね」

エテル「二人の言い分はわかるよ、私達が勝手に主様の気持ちや考えを代弁しても意味がない「主様はきっとこう考えてる、主様はきっとこうしてほしい」でもそれは私達の憶測であって、直接そうしてほしいって言われたわけじゃない、だからこれは一方的な思い込み、私もそう思う」

ミール「流石は機械族、冷静ですね」

エテル「でも思い込みでも主様のために力になりたい、そう考えるのはおこがましい事?本当に無礼なのかな?わからない、こんなに私以外の事で考えた事がないからわからない、でもあんなに寂しそうな主様を間近で見て見て見ぬふりは出来ない、主様が私に助けを求める事は絶対にない、だって今も私は主様に助けられてるから、助けられてる存在の私が主様を助けるなんておかしな話ってわかってる、だけどそんな理屈じゃない、合理的じゃない考え方が今もずっと私の頭で回ってる、だからわからないんだよ・・・」

エテルの顔には今までにない程の強い動揺が現れていた、今までこんな気持ちになった事がない、こんな自分を知らない、そんな困惑の中でなんとか捻りだしたエテルの今の悩みだった。

シン「エテル・・・」

ミール「機械族・・・いや、もしかしてエテル貴女・・・」

ミールはエテルの異様な態度に困惑を見せる

ミール(ここまで感情をむき出しにした機械族が今まで居たか?いや存在しない、これも帝王様のおかげ?でもここまで感情を持つ事なんてあるの?もしかして機械族という枠を今超えようとしている?)

元々機械族は生物が辿り着けない領域に辿り着くために生まれた種族、
生物は本能があり、生まれ持っての価値観や感性がある、だが機械族にはそれが存在しない、無から全てが生成される、故に多くの事が欠如しており、とても生き物として欠陥品と見られることが多かった。

もちろんミールもその一人であり、機械族に何を期待しても無駄。何故なら彼女達には感情も無ければ全て合理的に判断し、情なんてものは永遠に持ち合わせないから。だから生き物として信用出来なかった。

だがミールの目の前に居るエテルはどうだ、感情があり、合理性等一切なく、自分自身の考えを述べ、それに対しておかしいと思ってもその考えを信じたいという人間のような不条理な思考回路。

ミール(まさか・・・この子、御神体の適正があるの・・・)


No.179 エテルの進化episode2

パトと月花、エテルの3人は建設会社に足を運んでいた。

エテル「なんでわざわざ人間の建設会社を使うの?帝園から従属契約して呼んだ方が早いよね?」

パト「違法建築になるからだよ、一応日本のルールに則った建物を建てないといけないからな、書類申請も業者なら大体やってくれるし、こっちの方が手っ取り早いんだよ、アリシアみたいに国を作ってそこを拠点にアリシアコーポレーションを建てるなんて力技は出来ないって事だ」

月花「そうそう、一部だけ任せるとかしちゃうと相手も稼げないからって仕事自体を請け負ってくれないとかあるし、ここは一から十全部任せてしまうのがいいのよ」

エテル「そうなんだね、なんか面倒臭いね、ただ生きるだけじゃダメなんて」

パト「この世界は中々その日暮らしが難しいからな、ある程度安定してないと生活がままならないんだ」

パトは考える

パト(よく考えたらエテルが地球人の生活をするのは初めてなんだな、エテルにとっては色々面倒臭いルールがいっぱいあるけど、連れて来た以上はしっかり覚えてもらわないとな)

そして3人は建設会社に入る。

・・・・・・
パト「今ので5社目か、次はどこを当たるんだ?」

月花「バンバン建設かしらね、実績はそこそこだし、それなりにデザイン性を拘る会社みたいね、ほかの所は機能性重視だったり、安さ重視、高級感重視と分野に特化した建設会社を当たったからね、私的にはデザイン性と機能性が高い会社が良いんだけどね」

月花はそう話しながらエテルにも声をかける。

月花「エテルは聞いててどう思った?」

エテル「ちょっとしたら壊れそうな構造ばっかり、能力者の襲撃とか防げないね」

月花「そこは想定してないから仕方ないわね、でも自然災害はかなり意識してるから耐震構造とか耐熱防水性能はかなりのものよ、帝園や帝国の技術に慣れられてたらどうしようもないけどね」

エテル「別に私ずっと帝園では野宿だったし、雨風凌げたらどうだっていいかな、帝国は確かに豪華だったと思うけど、わざわざあそこまでの設備で過ごしたいとも思ってないし」

パト「エテルは拘りがないんだな、住めればOK!みたいな感じか?」

エテル「そうだね、実際そうだから、だから私はどんな建物でもいいよ、野宿でも生きていける事を知ってたら基本何も怖くないね」

パト(強いなぁ、エテルは)

・・・・・・
そして5社目にして本日の活動は終えた。

月花「お疲れ様~!とりあえず数日はフリーね!今日パトとエテルちゃんの部屋遊びに行っていい?雪花にはもちろん内緒ね!」

パト「また雪花と喧嘩になるぞ、俺は別にいいけど、エテルもいいよな?」

エテル「うん、私は全然気にしない」

月花「それじゃあ外食してホテルに戻りましょう♪」

・・・・・・
3人はホテルに戻る、そしてそのままパトの部屋に入る。

パト「疲れた~~~~」

パトはベッドの上に勢いよく寝転がる
エテルはそんなパトの横にひょこっと座り、エテルの荷物から本を出し、読み始める。

月花「なんか様になってるわよね、家族みたい」

月花は洗面台で手を洗い、うがいをしながら部屋に足を運ぶ、そしてそのままパトの上にダイブする

月花「きゃ♪」

パト「おいおい、もう少しで顔と頭がぶつかる所だったぞ」

月花「いいの~、こうやってイチャイチャ出来るなんて久しぶりだもの、この際エテルちゃんは気にしないわ~」

エテルは二人の行動に対して意識を向ける事なくただただ本を読んでいた。

パト「ダメだ、エテルの教育に悪い、エテルが変な事覚えたらどうするんだ」

月花「え~~、キスもダメなの~?」

パト「ダメ!」

月花「上脱がすのは?」

パト「ダメ!」

月花「下を脱がすのは?」

パト「悪化してんじゃねえか!!」

月花「仕方ないわね、じゃあ私が脱ぐしかないか」

月花はそう言いながら服を脱ぎだす。

月花「下心なしでそもそも私は部屋では薄着の方がいいのよね、出来れば下着でウロウロしたいタイプなのよね」

パト「それは知ってるけどわざわざ同じ服着直すの面倒じゃないか?」

月花「確かに!でもこのホテルはホテル服があるからお風呂入ってとりあえずホテルの服着て部屋に帰ればいいし、そこまで問題じゃないわ!」

パト「その部屋の服は俺とエテルのどちらかの物だってことは忘れるなよ」

月花「どうせパトはシャツでしょ!エテルちゃんはどうなの?」

パト「ちゃんと服着てるぞ、今は帝国でちゃんと教わったのかお風呂もしっかり入れてるし俺が気にすることもなし!いや~、いい子に育ってくれてよかったよ」

月花「たまには一緒にお風呂入ったら?」

パト「エテルはお年頃だぞ?エテルの方が嫌だろ」

エテルはそういう話をしている間も特に意識を向ける事なく本を読み続ける。

月花「エテルちゃんは何の本を読んでるの?」

エテル「感情を上手く表現する本、人間の感情を理解しないと今後大変だと思って」

パト「実際どうなんだ?」

エテル「わからない、そもそも私は機械族だから相手の感情というか・・・感情そのものがわからない、私にも嬉しいって気持ちはある、でもなんか私の嬉しいって気持ちは他に人に比べたら弱い気がする、強い感情っていうのがわからない、だから理解したい」

エテルはパトを見る

エテル「主様が最近笑顔なのにどこか虚ろに感じるのは私の気のせい?それも感情?だけどそれはどんな感情?私わからないからどう主様に歩み寄ればいいかわからない、だから今こうやって勉強してるの、この違和感を払拭出来ればきっと・・・」

パトと月花はエテルを優しい目で見る。

月花(そうか、エテルちゃんもエテルちゃんなりにパトの事を気にしてるのね、パトはあれから本当に苦しんでる、私達がどうにか出来る問題でもない、時間が解決してくれるのを願うしかない)

パト「エテル、ありがとう、でも気にするな、これは俺自身の問題なんだ、だからエテルも月花も他の皆も気にする必要なんてない、俺がどうしようもなく心が弱い、肉体的に強くなっても結局心は中々強くなれないんだ」

月花「そうね、私だって色々あった頃から完全に心が完治したかと言われたらそんな事ないわ、少しでも業務で疲労を感じるとトラウマが蘇ってしまう、過呼吸になる事だってあるわ、人って年を重ねる事に多くの経験をする、良い経験も悪い経験も含めて、きっと大人って平然としてるけど私達が考えられないような苦しい経験を沢山してそれだけ心にトラウマを植え付けて来てるのよね」

パト「そうだな、歳をとって色々な景色を見ればみるほど抱えるものが増えて来る、楽なもんじゃないよな、きっとこの行動も良い思い出として残るんだろうけど、そこには少なからず嫌な思い出も残る、でも嫌な事から逃げてばかりだと何も出来ないからな、だからこそ前に進むし、心が壊れても立ち止まってられないんだ」

エテル「心が壊れる・・・苦しくないの?」

パト「死ぬ程苦しいよ、エテルに言う事じゃないけどさ、俺の場合股間が反応しないんだ、それは女性関係にトラウマを持ってるって事も勿論ある、だけどそれ以上に自分に自信がないんだ、強くなっても地位を得ても結局俺は大きく変わってない、でも俺が変わらなくても周りは変わり続ける、成長し続ける、変化し続ける、それに適応出来ない自分と適応しようと頑張ろうとする自分、そこに差があってそれが大きくなれば成程その苦しみはきっと癒える事はないんだよ」

エテル「じゃあ・・・私は主様の心を癒してあげる」

エテルは本を置き、パトの頭を優しく抱きしめる。

エテル「いつも主様からやってくれて凄く落ち着いた、こうやって包み込まれてる時は嫌な記憶も忘れられた、だから同じことしてあげる」

パト「ありがとうエテル、本当エテルは優しいな・・・」

パトは笑う、だけどその笑顔はどこか悲しみが浮かんでいた。

・・・・・・
月花「それじゃあ私は帰るわね~、久しぶりに一緒のお風呂、楽しんだわ♪」

エテル「んん」

月花はエテルと一緒にお風呂に入り、髪を乾かした後自室に戻った。
ホテルの部屋服で帰ったため即座に雪花にバレたがそれは別のお話し。

パトは一人でお風呂に入った後エテルと一緒に布団の中に入る、そして互いに向き合い、エテルを包み込むように抱きしめながら眠る。

そうすればエテルは落ち着くらしく、パトもエテルの体温と微かにかおる髪からシャンプーの香り。

パト(不思議だな、どう考えても機械族にも見えない、生身の人間にしか見えないんだけどな)

パトはそう考えているとエテルがパトに話しかける。

エテル「私、一度帝園に戻りたい、ちょっと用事を思い出したの」

パト「用事?」

エテルに用事があるのか?そう疑問に感じるパトだが、意図は聞かない事にした、
何故なら珍しくエテルがパトにお願いをしてきたから。

パト「どれくらいで戻ってくるんだ?」

エテル「う~んどうだろう、無理そうならすぐ、でも可能性がありそうならちょっと時間が掛かるかも?」

パト「なんで疑問形なんだよ、いいよ、なら帝園に戻るといい、数日はフリーだしな、エテルも折角だし好きに行動したらいい」

エテル「うん、ちゃんと帰って来るからね」

エテルはそう言うと光に包まれ、パトの中に消えた。

パト(エテル・・・)

パトは一人、そのまま夢の世界に入った・・・。




2025年10月01日

No.178 エテルの進化episode1

パトの精神は壊れていた。

それは多くの挫折もあっただろう。
今のパトは帝国に行く前のパトに比べて笑わなくなった。
ふざけたりもしなくなった。

だがそんなパトの変化を最も身近で見て来たエテルはその変化も「当然」という形で受け入れて来た。
何故ならエテルは感情の変化が少なく、時に楽しい事があれば笑い、嫌な事があれば顔をしかめる、それだけの事しか出来ていなかった。

だからパトの変化の異常性に気付けなかった。

・・・・・・
これはパト達が帝国から旅立ち、地球に降り立ってすぐの頃のお話し。

パト「さてと、まずは資金だな、会社を起ち上げるためにはまずはお金だ!、とりあえずバイトでもするか?」


パトは雪花達に話しかける。

雪花「普通に防衛軍から仕事を貰えば良いんじゃない?大体いくらくらい資金が居るの?」

琴歌「そうですね、株を買ってもらって資金を集める手段もありますが、実は私もそこまで詳しくないんです、だからまずはある程度の資金を集めたいですね、おおよそ8000万園くらいですかね?商業オフィスを借りるならテナント料金を意識すればいいですが・・・私達がやろうとしている仕事内容を考えたらあまり他社との合同施設を使うのはお勧めできませんね、襲撃を受けた時責任を取りかねますし」

月花「じゃあ会社を一から作る方が良いってわけね!なら業者に声掛けて見積もりをしてみるわ!会社起ち上げの申請も私がしておくから他の皆は仕事をして資金を集めてくれない?そうね、目標はこの一ヵ月で合計1憶!!」

ソフィア「おっけ!じゃあアリシアから貰ってくるね!!」

パト「待て待て!俺達だけの力でやるって言っただろ!でも月花、一ヵ月で1憶なんて無茶苦茶だぞ、どう頑張っても1千万が・・・」

月花「っと言いたいところだけど、実は私達、お金、あるのよね」

パト「え?あったっけ?」

雪花「忘れたの?私達がWCBTの時に悪信教の司教倒してかなりのお金貰ったでしょ、あのお金まだ口座に入れっぱなしだからまだまだ使えるわよ!もちろん1憶なんて楽勝なくらいね!」

パト「まあ、あれは俺達のお金だからな、セーフなのかな」

雪花「使えるお金は使わないと!そもそも株とかよくわからないものに手を出して外部から口出しされるくらいなら自分でどうにかした方が絶対にいいって!ね!もう使っちゃおう!」

月花「そうね、じゃあマイホームも含めて建てちゃう?」

パト「マイホーム?家建てるのか?」

月花「当然、アパートでも良いけどこの人数どうやって住むの?って話じゃない?」

パト「待て!全員が同じ屋根の下で暮らす前提なのか?!」

月花「当然でしょ!まだパトや琴歌ちゃん、雪花や私なら良いけど、ソフィアちゃんとか帝園の従属、帝国の従属達はどうするのよ、生活出来ないわよ」

パト「別に帝国で過ごしてたんだし・・・でも買い物とか料理とか出来ないか・・・」

それにまだソフィアやエテル、美魅、リルは未成年の年齢、ソフィアはまだ良いとしてもエテルと美魅、リルは幼過ぎて生活スキルがあるとは思えない。

パト「仕方ない、じゃあ俺、雪花、月花、琴歌、ソフィア、エテル、美魅、スティア、リル、フルール、エイリの11人が住める家を建てるしかないな、凄い豪邸になるんじゃないか・・・」

月花「最悪従属を減らすって案もあるわね、私はもう帝国に居ないんだからリルちゃんを帝園に戻してもいいと思うわ、後はスティアちゃんは家を守る番犬的な役割がいいわね、仕事を任せてもいいけど本能的に動く子が探偵はちょっと・・・」

こう話している間専属神以外の従属達は買い出しに行っていた。
フルールが地球にある程度馴染んでいたため、買い出し等を頼めるようになっていたのだ。

パト「それも仕方ないか、今は少しでも負担を減らしておきたいしな」

こうして話がまとまり、フルール達が帰って来るのを待っていた。

・・・・・・
リル「常駐契約を破棄?!私が何をしたっていうの?!」

パト「リルは帝国で教育をさせるって事でこっちに居たんだ、だからリルは帝園に戻って貰って十三天の心としての業務に戻って貰おうって思ってね、少なくとも今から行うこっちの生活に比べたら充実しているし、俺としてもリルを万全の状態にして呼ぶ方がいいんだ、ダメかな?」

リル「・・・まあ主様がそういうなら、別に私が嫌になったってわけじゃないんでしょ?」

パト「当然!エテルや美魅と仲良くしてたからこの場面でリルだけ話すのは凄く心苦しい、けどエテルは帝園の居場所はないし、美魅も帝園に戻れば命の保証がない、俺が保護してあげないとこの二人の立場は危ういんだ、わかってくれる?」

リル「そうだね、その事情は把握してるから納得したよ、それじゃあ私は常駐契約解除という事で」

パトは言葉を選び、リルが落ち込まないように説得し、リルとの常駐契約を終わらせ、リルに帰って貰った。

パト「エテルと美魅も寂しくなると思うけど我慢してくれよな」

エテル「?私は別に?」
美魅「?いや全然?」

パト(こいつら、薄情にも程があるだろ・・・)

・・・・・・

リルが減ったとは言え、残り10名、このままでは生活がままならない、家が建つには半年の時間が掛かる、会社を建てるにも同じく時間が掛かる。この期間をどうやって補うか、それを考えていた。

そして今日はとりあえずとビジネスホテルを取り、二人一組で部屋を取った。
パトとエテル
雪花と月花
ソフィアと琴歌
美魅とフルール
スティアとエイリ

そしてパト含む専属神の6名がパトとエテルの部屋で今後について話していた。

パト「とりあえずアパートを探そうと思う、そうだな、1LDKで5人、つまり二部屋を借りる、というのはどうだろう?」

雪花「相当狭いわね、私結構私物あるけど」

月花「それは各自キャリーバックに収まる程度だし、家が出来るまでの我慢としましょう、でも家電は妥協できないわよ、だって5人が住むんでしょ?」

琴歌「そうですね、しかもお布団とバック、食事用の机、これだけでもう一杯ですね」

ソフィア「テレビは絶対に置けないね~、でも仕方ないか」

パト「どうしてもって話なら2LDKの部屋を探したらいいと思う、少し大きめのアパートならそれくらいの部屋はあるだろうし、部屋があれば荷物置き場に出来るし、寝室として使える、便利な場面は多いしね、リビングがごちゃごちゃしないってだけでも充分ストレスフリーだとは思うな」

月花「ここらで2LDKといえば大体12万くらいか、それを半年、しかも二部屋となると・・・120万」

パト「半年で済むならいいけどな、でも拠点は必要だ、それに仕事をするにしてもまずは住所が必要だしな・・・おい今気づいたけど地球出身じゃない奴ってどうやって戸籍手に入れるんだ?」

月花「それは大丈夫、帝国時代に今ここに居る子達は全員アリシアコーポレーション関係でしっかり戸籍を持ってるわ、アリシアコーポレーションは各国に住所を何点か持ってるの、日本だと30階建ての高層ビルね、それが日本で戸籍が必要になった時用の家で住所を持てるから色々便利なのよ」

パト「あくどい事してるな、でもそのおかげで市役所に申請するだけでとりあえずは済みそうだな、琴歌、お願いできるか?」

琴歌「任せてください!」

ソフィア「私達はどうするの?」

パト「俺と月花で会社建設と住宅建設の打ち合わせをしていくしかないな、それで当分はそっちに付きっきりになる、雪花とソフィアはバイトするなり、自由に過ごしててくれ、今の所やってもらう事がないからね」

こう話している間、エテルは座っているパトの膝の上に居た。そしてパトはエテルの頭を撫でながら話す。

ソフィア「そういえば見ない内にエテルちゃんパトに凄く懐いたね!」

パト「そうかな?でもエテルはここが落ち着くみたいだし俺もこうやって話してる時にエテルの頭を撫でてると落ち着くんだ」

エテルは特に表情を出す事なく、パトを見上げるように表情を確認する。

エテル「私こうやって頭撫でてもらうの嫌いじゃないんだ」

琴歌「本当可愛いですよね、羨ましいです、私もパトさんのような力があれば自身の従属をそうやってめでたいですね」

月花「ソラリアさんが居るじゃないww」

琴歌「うう、あの人は一応メリアさんに言ってアリシアコーポレーション側で金銭面は面倒を見るって言ってくれたので・・・もしこっちが面倒を見るとなると・・・禁酒は確実ですね、それか何かしら働いてもらうしかないですね」

月花「琴歌ちゃん、なんか怖いわよ・・・」

・・・・・・
このビジネスホテルはセミダブルサイズのベッドに枕が二つあるタイプの部屋だった。
そのためパトとエテルは一つのベッドで身を寄せ合う形で眠っていた。

パト「エテル、確か睡眠を必要としないんだっけ、大丈夫か?」

エテル「うん、スリープモードがあるし、どうしても暇ならそれで意識を飛ばすよ、気にしないで」

パト「たまにロボ要素出て来るな・・・エテルはこうやって一緒に寝るの嫌じゃないのか?」

エテル「え?なんで?全然嫌じゃないよ?むしろ落ち着く・・・」

パト(本当エテルって年の離れた妹って感じなんだよな、普段中々表情には出さないけどでもやっぱり心を許してくれてるんだなってわかる、なんかいいな、こういうの)

パトは帝国では肉体関係を求められる日常が普通だった。
きっかけはメルリアだったかもしれない、だがパトはメルリアを恨んではいなかった。
今でもメルリアを愛しているし、今回の件で距離を置いてしまった事に罪悪感もあった。

エイリやフルールとも健全な関係かと言えばそうじゃない、時間がある時はエイリとも関係を持っていた。

肉体関係で言えば専属神なんて当然のようにあった。

専属神以外で言えば天野江奏星とも肉体関係があった。
勢いでバハートとも肉体関係を持った事もある。

そのように男女の仲になってしまう、それが当たり前となっていたパトにとってエテルという存在はとても心地よかった。

パト(今は俺の息子も機能してないし、どう足掻いても欲情しないし、それが今は凄く心地いいや・・・)

パトは眠りにつく・・・

エテルは起きていた。
そしてエテルはパトが睡眠に入った事を確認した後、パトを眺める。

エテル(主、ずっと平然としてるけど違和感を感じる、でも何がこんなにも違和感なんだろう、普通の人ならわかるのかな?)

エテルはそう思いながらパトの胸の中に顔をうずめる。

エテル(心拍数は普通だ、特に体調が悪いとかの反応もない、だけど今まで主とは違う、何が違うんだろう・・・)

エテルはそうこう考えていると寝ているパトに抱きしめられた。
それはまるで近くに心地いい抱き枕があったかのように。

エテル(起きて・・・ない、ただ寝ぼけてるだけか、でも良かった、苦しくない、むしろ優しく抱きしめてくれるから落ち着く・・・)

エテルは心地よさに身を委ねようとする。
そこでエテルは違和感の正体に気付く。

エテル(そうだ、私は今主に抱きしめられて落ち着いていた、例え私が機械族でも心拍や発汗、脳内から出て来る分泌物作用で身体の反応が変わる、だけど今の主にはそれがないんだ、落ち着いてるから?でも本当にそれだけ?)

エテルはそう考えると自身の手をパトの股間部分に手を伸ばす。
エテルは知識として生殖器は相手の感情を高ぶらせる効果を持つと知っていたため、確認のために触れた、そこには下心は一切なかった。

ムニムニ

エテル(・・・うん?)

だがまったく変化が見られないパトの生殖器、だがそもそもエテルはその生殖器に触れたところでどう変化するかも知らない、何がどうなるのかもわからない、どう感情が高ぶるのかも知らない、故に確かめたものの結果を得られる方法として正しかったのか考える。

エテル(わかんない、そもそも寝てる時に触れても意味がない?じゃあ今度起きてる時にもう一度試そうかな、何かわかればいいんだけど)

エテルはそう考えながらじっとパトの体温に身を委ね時間を過ごしていた。

2025年09月14日

No.177  諦められない気持ちepisodefinal

琴歌はフィロンに問う。

琴歌「フィロンさん、どうでしょうか?どうせ今部隊から嫌われているならこのまま嫌われる事をしませんか?どうせ良い事をしても覆らなかったのでしょう?なら嫌われ者のまま成果を出していきませんか?もう貴女の立場はその立ち回りでしか評価を得られません、【誰もフィロンを認めないけど、結果がある以上だれもフィロンに対して文句を言わせない】そんな状況を作りませんか?」

パト(本当上手いな、嫌われ者としての立ち回りとして僕達を使えと、第四部隊で使うのではなくフィロンがエウレカ探偵事務所を使えという流れか)

フィロン「・・・やっぱり無理だよ、だって私は嫌われたくないんだもん、嫌われたくないから頑張って来たんだもん、別に好かれたい訳じゃない、でも誰かから認められて好かれもせず、嫌われもせず、適度な距離感でずっと仕事をしていたかっただけだもん・・・だから琴歌さんの案に賛同は出来ません」

琴歌「なら防衛軍辞めたらどうですか?」

琴歌はきっぱりと言い放つ。

琴歌「無理ですよ、現状が回復するなんて、雪花ちゃんから聞いてます、貴女、兄をまだ探しているのですか?もし探しているのならなんの目的で探しているのですか?」

フィロン「家族が無事かどうか心配するのはおかしいことですか!?」

琴歌「おかしいなんて言ってません、ですが2年も貴女程の情報のスペシャリストが探して一切情報を得られないのはおかしいじゃないですか、なのに何故諦めないのですか?」

フィロン「それは・・・」

フィロンも最近わからなくなっていた事だ、

勿論家族として心配だ、だが最近はファルドラがもし生きており、ファルドラの東京異変が正義によるものだったとすればきっと第四部隊での自分の評価が変わる、フィロンにとってファルドラの存在は希望なのだ。

琴歌は眼の力を使い、フィロンの一瞬の思考を読む、そしてそれを言葉にする。

琴歌「ファルドラさんが希望なんですね、可哀想に・・・こんな目的でもしファルドラさんが見つけられてもきっと心の底から喜べないでしょうね・・・妹が自分を探して言う事が「私の無実を証明して!!!」ですからね」

フィロンの表情は絶望に染まる。

琴歌「ごめんなさい、私思考を読む力があるのですよ、今一瞬フィロンさんは悩みましたよね?その時に考えた疑問を私は見逃しませんでした、わからなくなってるのでしょう?この現状のせいで、ただ家族として安否を気にしていただけなのに、目的が変わってきてる、この現状がフィロン自身一番納得できないのでしょう?ならもう防衛軍辞めたらどうですか?」

パト「悪い事は言わない、僕からも今までの話を聞いてフィロンさんは防衛軍に居るべきではないよ、僕は2年前ファルドラと最後まで戦った、だから言える事だってある、ファルドラは今のフィロンさんに会っても絶対に喜ばない、いや、悲しむだろう、それがわからないか?」

フィロン「うう・・・うう・・・」

フィロンはただその場でうずくまる、全てが真実で、全てがフィロンにとっての現実だったからだ。

月花(どうするの?このままだと契約なんて無理だよ、パト)

パト(契約?ああ、僕は今の第四部隊と一緒に仕事をする気なんてない、そもそもこれが正義だと言えるのか?ふざけるなよ、僕はこのままフィロンを第四部隊に置いていたらきっとファルドラから殴られるだろうな、「何故その環境から妹を救わなかった!!」ってね、だから僕はもう第四部隊と一緒に仕事をする気はない、だけどフィロン、この子は僕が助けるよ)

パト「提案だ、フィロン副隊長、エウレカ探偵事務所に来ないか?」

フィロンは驚くような表情でパトを見る

パト「今現状君が防衛軍に縋っている意味がもしファルドラ捜索であればエウレカ探偵事務所はそれに関して最も適した環境だと言えるだろう、それともしエウレカ探偵事務所に所属してくれるならファルドラの情報を僕は提供出来る、君がこの2年間見つけられなかった情報、僕はそれを大量に持っている、それを条件にうちに来ないか?このままだと僕はきっと君の兄、ファルドラに怒られてしまうんだ、友人としてね。」

フィロンの頭の中は多くの思考でいっぱいだった。

フィロン(私が防衛軍を辞める?ここまで頑張って来たのに?でも何のために私はここまで頑張って来たんだろう?名誉のため?でも私一度も名誉なんて欲してない、なのにそのためにこれからも頑張る理由は何?それにパトはお兄の情報を今も持ってる、もしかして生きてる?でも私はこの2年間何も情報を得られなかった、という事はパトがお兄を匿っているんだ、だから情報を持ってる、だけどお兄もパトのアシストがあって今も生きてる、でもここまで情報を隠しきれるパト側の技術は本物、きっとこれからも防衛軍で私が独自で詮索しても何も出てこない、ここで断ればきっと二度とお兄の情報は得られない、その等価交換が防衛軍第四部隊副隊長の地位を捨てた私自身。)

フィロンは考える、今自分にとって何が一番大事なのかと、そしてそれは防衛軍に入るきっかけとなり、防衛軍内でも支えてくれた兄、ファルドラの存在だと。

フィロン「そうだ、お兄を敵対視する組織に居ても私は一生浮かばれないんだ・・・」

フィロンは立ち上がる。
月花はその様子を見て、立ち上がる。

月花「もし気が向いたらこの電話番号に電話して、これは私の業務用携帯の電話番号だから、もし貴女からこの電話番号に電話がかかってきたら、エウレカ探偵事務所に入る意志があるって判断するからね」

フィロンは月花から渡された紙を握り締める、するとその場で電話を取り出し、月花が渡した電話番号に即座に電話を発信する。

そして月花の胸ポケットに入っていた業務用携帯が鳴る。

琴歌とパトも立ち上がる。

フィロン「こんな私ですが、よろしくお願いします。悩む必要はありません、私はファルドラ・ニートロフを探します、それは家族として、安否を確認したいからです、そこに不純な動機は要りません、だから私は防衛軍を捨てます、お兄を見つけて「見つかったか」って笑ってもらえるように私も「見つけたよ!お兄!!」ってかくれんぼをして鬼が標的を見つけた時みたいな無邪気な気持ちで言ってあげたいんだ・・・」

琴歌「ようこそ、エウレカ探偵事務所へ、私達は貴女を歓迎しますよ」

パト「第四部隊との契約は失敗だな、でもそれ以上の契約は得られた、僕はそう君を評価するよ、ようこそエウレカ探偵事務所へ」

月花と琴歌はフィロンを抱きしめる。

琴歌「この2年間、頑張りましたね、私達が必ず貴女を悲しませないようにしますから」

月花「もう誰も貴女を否定なんかしない、だから安心してうちにおいで」

琴歌も月花も泣いていた。
そしてフィロンも泣いた。

パト(ファルドラ、これで良かったかな、悪いな、お前は妹に正体をバラしたくない、闇側に関与させたくないって言ってたのに、だけど僕はこれ以上この子を放ってはおけなかったよ)

パトは窓からの景色を見つめる。

きっとこの場所はあいつ、ファルドラが守りたかった景色なんだ、
あいつはいつもお調子者だが確かに正義があった。

パト「まだエウレカ探偵事務所は開業したばかりでまだまともな業務が始まってないんだ、だから一ヵ月、それくらいなら待てる、それまでに引継ぎしておいで、そしてそこからは僕達は仲間だ」

フィロン「はい・・・よろしくお願いします。」

それから10分ほど、3人はお互いを抱きしめ合いながら泣き続け、
パトは窓を眺め続けていた。

・・・・・・
一ヵ月後。

フィロン「不束者ですがよろしくお願いします。」

エウレカ探偵事務所にフィロンは来ていた。
それはどこか不安そうな、だけど期待を抱いているような表情だった。

雪花「いらっしゃい!フィロンちゃん!久しぶりだね!今日から仲間としてよろしく!!」

雪花がフィロンを抱きしめる、フィロンは照れ臭そうに笑う。

フィロン(懐かしいな、こうやってわかりやすく好意を向けてくれるの、凄く温かいや)

琴歌「以前は失礼な発言の数々申し訳ありませんでした」

琴歌は自席から立ち、フィロンの前まで行くと深く頭を下げた。

フィロン「ううん、あれで私も目が覚めたから、きっとあれくらい言ってくれなかったらきっと私は今だに防衛軍にしがみついてた、だけどあれだけ言ってくれたから私は防衛軍を手放す事が出来たんだと思う」

琴歌「貴女が所属する部署は【情報管理課】、所属する班はB班、情報推理班です!班長は四季月花、エテル・ノーミールさん、フィロン・ニートロフさんの3名です!あと【情報管理課】の課長はソフィア・ターフェアイトさん、エテル・ノーミールさん、フィロン・ニートロフさんの3名です!待機中は基本的に情報管理課の部署で仕事してもらい、仕事が入ったらB班・情報推理班として行動してもらいます!二人共知能が高く情報に長けているのできっとフィロンさんも馴染めると思いますよ♪」

雪花「むしろソフィアちゃんから凄く懐かれるから疲れるわよ~」

雪花(あの子も一年前に月花お姉ちゃんを病ませた経験があるし、あれから節度を弁えるようになったから今のソフィアちゃんなら安心してフィロンちゃんを任せられるかな)

パト「エテルも見た目は幼いけど、凄く優秀な子だよ、口数は少ないけどそれは性格だから気にしないであげてね、でもフィロンさんも話すのが得意じゃないならむしろ相性がいいかもね、最低限の会話で成り立つ関係って凄くありがたいからね」

フィロン「あの・・・早速ですがエウレカ探偵事務所はどのような仕事をするのですか?」

琴歌「情報推理班は文字通り情報を入手したり、奪ったり、時には殺人等の推理や調査、一応探偵業務のメインをやって貰います、勿論浮気調査も受け付けますし、一般的な探偵業務もやって貰いますよ」

雪花「つまり馬鹿には出来ない仕事ってわけね!私には不向きな課だわ!」

パト「雪花は武力で制圧してくれたら問題なしだよ、一緒に頑張ろうね」

琴歌「本当なら協力組織があったらいいんですが、まだ見つかっていないのでまたこちらで探しておきますね、情報分野なので信用出来る所じゃないと私達も業務委託は難しくて」

フィロン「大丈夫だよ!この私!情報のスペシャリストフィロンがなんでも解決しちゃうんだから!!」


ああ、この言葉を発するのは2年ぶりだな・・・

フィロン「ぶい!!!!」

patopatoblog at 19:43|Permalink│日常 | メインエピソード

No.176 諦められない気持ちepisode2

フィロンはずっと泣いていた。

家に帰るとずっと身体が重かった。

フィロン(なんで、私何も何も悪い事してないのに、どこで狂ったの?何がいけなかったの?私はただこんな私でも役に立てたらって、お父さんや二人の兄さんのように頑張れたらって・・・。)

・・・・・・
フィロンが防衛軍に入隊したのは今から4年前、
ファルドラが東京異変を起こす2年前。

選抜2位合格、1位はレーデ・ラルフッドに負けた。

だがこんな私でも決勝まで進めた、自分に自信が持てた、そして情報という分野では入隊した時点で誰よりも優秀だった。

隊長がファルドラだったこともあり、第四部隊での私の待遇は凄く良かった。

何かあれば私は裏方として情報を提供し、仕事に貢献してきた。
そして将来は第四部隊の副隊長、兄妹揃って隊長、副隊長となり隊長を支える副官として生きる
そんな未来を私は夢見て頑張ろうって・・・ずっと考えていたのに。

・・・・・・
フィロン「私の関係ない所でその夢は壊れちゃった・・・」

・・・・・・
エウレカ探偵事務所が第四部隊に訪れる日、

第四部隊内でも話題になっていた。

パトは女性人気も男性人気も凄く高かった。

女性からはどこか可愛らしい所があるのに凄く男らしい一面もあるのが良い
周りに女性しか居ないという事はそれだけ魅力があるって事、あの中に私も加わりたい。

男性からは間違いなく隊長クラスの実力があるのに謙虚である事。
本来自身に力があり、優秀であればそれを表に出したい、大胆に自慢する事はないが
微かにでも自慢をしたいと思うのが人というもの。
だがパトにはそれがない、それが同じ男として凄いと思う、後女性から沢山好かれて羨ましい死ねばいいのに。

みたいな尊敬と嫉妬が混ざったような評価。

フィロン「パト、正直全然興味がない、確かに東京異変ではお兄の事件を解決してくれた人、だけど、だからといって何かに惹かれるような事はない」

フィロンは少し虚ろな目で会談室に向かう。

・・・・・・
琴歌「今回お話してくれるのはフィロン副隊長、あのファルドラ・ニートロフの妹さんみたいです。」

パト「ファルドラの妹か、雪花から聞いたな、確か僕が2年前帝国に連れて行かれている間にファルドラ捜索を手伝ったって」

月花「今も探してるのかしら、だとしても真実をフィロン副隊長に話すの?」

パト「いや、それはステラとの契約違反だ、黄金卿はステラが管理しているけど組織自体の主導権は僕にある、それだけ黄金卿に投資してあるからね、黄金卿の不利益は僕達の不利益だ、今後エウレカ探偵事務所の仕事を黄金卿にもやらせるつもりだ、もちろん悪信教絡みに限りだけどね、だからこそ部外者に情報を与える事は出来ない、兄妹であろうが組織が違えば他人、部外者だよ」

パトは冷たく言い放つ、今までのパトなら温情で悩んでいただろう、
だがこの2年でパトも変わった、良くも悪くもメリアの影響を受けたのだろう。

そう話していると扉からノックの音がする。

・・・・・・

フィロン「お待たせしてすみません、私が地球防衛軍第四部隊副隊長フィロン・ニートロフです。今回はここまで足を運んで頂きありがとうございます。早速で申し訳ないのですが本題を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?」

フィロンは世間話をする気はないと言わんばかりに即座に本題を話せと言う。
琴歌も臆せず、そのまま本題を話す。

琴歌「地球防衛軍第四部隊はネットワーク情報関係に強いと伺っております。私達エウレカ探偵事務所は第四部隊の業務分野で何かしらのお手伝いが出来ると考え、ここに足を運ばせて頂きました」

フィロン(やっぱり・・・)

ヘルナとフィロンの予想通りだった。

フィロン「私達の部隊は情報を何よりも大事にしている部隊です、部外者に情報を仕事とは言え一時的に渡す事も、それを取り扱わせる事も出来ません、なので仕事で何かしらの依頼をすることは私達からはないと思います。」

琴歌「そうですね、情報はとても大事なものです、部外者に触れさせる事なんてあってはならない、何故ならその情報は物ではないから、物でない以上抑制は困難です、盗んだかどうかなんて相手の脳を見ないとわからない事ですからね」

フィロン「ご理解いただけて幸いです、でしたら」

琴歌「ですが第四部隊の情報管理技術、それはどこまで信用出来る者でしょうか?」

フィロンは怪訝な表情を浮かべる。

琴歌「傷口に塩を塗るような発言ですが、2年前第四部隊隊長ファルドラ・ニートロフが日本東京で大規模テロを起こしたのはまだ記憶に新しいです、あの復興に私達の企業も多く参加しましたからね、そしてその後押しとなったのは第四部隊の情報だと思っております、そうでなくとも既に反逆者が第四部隊内から出た以上その情報管理にどこまでの信頼性があるのでしょうか?」

フィロン「私達だけでは信用に値しないと?」

琴歌「いえいえ、防衛軍の情報ですから私達外野から何かを申すなんて事はありません、ですがそれだけ大事にしてる情報をどこまで厳重に管理しているのかと、私は疑問に思います。」

フィロン「君達には関係ない話でしょ!!!」

フィロンは怒りを抑えられずに声を荒げてしまう、
それは第四部隊を侮辱されたからではない、ファルドラを侮辱されたからだ。

月花(琴歌ちゃんもえげつない切り方をするわね、でもここは琴歌ちゃんの方が優秀、私達は様子を伺うだけ)

パト(上手いな、敢えてファルドラが悪いという話でフィロンを怒らせたか、でもこうなったら業務提携は難しくないか?)

フィロン「お引き取りください、貴方方から信頼もない第四部隊と業務提携を結ぶ必要なんていないでしょう!!私達は忙しいのです!」

フィロンはその場から立ち去ろうとするが琴歌がそれを許さない。

琴歌「第四部隊の情報、全部私達の組織が奪えると言ったらどうしますか?逆にそれを守れるのも私達の組織だけと言ったらどうしますか?」

フィロンは琴歌の言葉に耳を貸そうとしなかった、だが琴歌は歌姫の力を使い無理矢理フィロンの動きを止め、耳に言葉を入れさせる。

琴歌「私達が貴方達に協力出来るのは貴方達の大事にしているデータを防衛することです。もちろん中身は確認しません、ただ現状のまま管理する、それが私達には出来る、貴方達が大事にしている情報なんて私達からすればすぐに全部盗める、いつでも閲覧出来る、今はそうとだけ言っておきます。」

フィロン「へぇ、面白い、じゃあどんな情報を盗んだの?教えてよ、私も第四部隊の情報は全部知ってるから」

琴歌「フィロンさん、貴女が今防衛軍でいじめを受けている件、それについてどうでしょうか?」

パトと月花は琴歌の方に振り向く、それは最後の切り札だったからだ。
そして極力出したくないカードでもあったからだ。

琴歌「調べてますよ、フィロンさん、貴女はずっと部下から迫害を受けていると、そしてそれに苦しんでいると、直接的な暴力はなくても貴女の部下さんはSNSで匿名で貴女へ誹謗中傷をしてますよね、しかもこれ、防衛軍サーバーから、知ってますよね?でもこれを暴けばフィロンさんに向けられる敵意は増すばかり、それどころか防衛軍内でこんなことをしている人が居ると表に情報が出てしまえばとうとう第四部隊が終わりですね」

琴歌はここぞとばかりに足を組む、普段は絶対に琴歌がしない仕草だがここは威圧を与えるためにわざと足を組み、冷たい表情でフィロンに話しかける

琴歌「【こっちを向いて】」

琴歌が言霊を発した、するとフィロンは琴歌の方を無理矢理向いてしまう。
その時のフィロンの表情は先ほどの怒りを失い動揺を隠せていなかった。

琴歌「フィロンさん、情報のスペシャリストならそれくらい把握してますよね、ですがフィロンさんは何も出来なかった、動けば全ヘイトはフィロンさんに向くから、「エゴサして処罰とかキモ」「部下の処罰の前に仕事しろよ」「兄弟そろって第四部隊の面を汚しやがって」情報から導き出せる評価ですね、それがフィロンさんもわかっていたから怖くて何も言えなかった、そしてそれはどんどん部隊内でエスカレート、フィロンさんは強い、だけどその力を部下に使えば間違いなく批判を喰らう、フィロンさんは何も悪くない、だけど部下は間違いなくフィロンさんを悪者にする、だけどフィロンさんはきっと情報を全て提示して部下が悪いと・・・断罪出来る」

琴歌が今喋っているのはもしもの話だ、実際に起きた話ではない、だがフィロンはその言葉に心当たりがあるのか涙目のまま、唇を震わせながら琴歌の言葉を聞く。聞くしか出来ない。

琴歌「部下と溝が深まるばかり、結果的に今の立場も無くす可能性が高い・・・ヘルナ隊長は優しい方ですからね、きっとフィロン副隊長を守るという意味で副隊長の座を剥奪するでしょう、ですがフィロン副隊長にとってその席は手放したくない大事な物、だから自身が耐えていれば、将来ヘルナ隊長が出世して官長になるか、何かの事件で死亡するかすれば、その時が来るまでこの苦しみを耐えていればいつかはって・・・」

フィロン「もうやめて!!!!!!!!!!」

フィロンは泣きだした、琴歌は言霊を解いた、するとフィロンはその場に座り込んでしまう。

琴歌「今話したのは全て憶測です、根拠も無ければ証拠もない、だけどイジメがあった現状、SNSで誹謗中傷をされている現状、なのになにも対処しない現状からフィロンさんの心境を勝手に代弁したまでです、ですがその表情からするに間違ってはいなかったみたいですね」

フィロン「だって・・・私、何も悪くないもん・・・私は皆のために頑張ってるだけなのに・・・なんで皆私を悪者だって言うの・・・」

琴歌「そうですね、フィロンさんは何も悪くありません、悪いのはファルドラです、後は第四部隊という組織そのもの、閉鎖的な環境ですからね、集団行動では誰かが悪者なっている方が組織は上手くいくものです、きっと今の第四部隊はフィロンさんを悪者にすることで一致団結出来ているのでしょう、汚い話ですが、それもまた事実です。」

国という組織でも政治家がヘイトを買いやすいように
学校のクラスでは大人しい子がイジメの対象になりやすいように
会社では仕事が出来ない上司が陰口の対象になったりと

組織である以上標的は生まれるものだ。

エウレカ帝国ではメリアがその役割を全て担っていた。
全員が円満で居られるようにとメリアが悪役を徹していた。

琴歌はそれを知っていた、誰もやりたがらない、手を汚す仕事をメリアは率先して行っていた。
琴歌は勿論大反発した、今でも納得していない、だがそれが必要な行為である事は理解している。

組織でも作品でも光と影がある。

誰かが凄く好かれるなら逆に誰かは凄く嫌われる。

専属神内で言えば光は雪花、影はメリアだろう。

専属神内で雪花は誰からも好かれる存在だ、誰かと喧嘩した話も聞いたことないし、
雪花の陰口を聞いたこともない。

だがメリアは専属神内でもそれなりに陰口は聞く、だがその反面納得している部分はある。

琴歌は組織である以上どうしようもない現状を理解していた。
だからこそ現在悪者役となっているフィロンに突きつける事でしかこの場の話を進めることは出来なかった。

琴歌(嫌われ者は嫌われ者の立ち回りがあります、きっと第四部隊の総意は【部外者を介入させてはならない】なのでしょうね、ですがフィロンさん、貴女だけはその創意から外れる事が出来る、【部外者を使って組織を安定させる】その方法が取れるのはフィロンさんだけ、今回の会談でフィロンさんだけ来てくれたのは好都合、絶対に私はこの路線でフィロンさんを納得させてみせます!!)





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2025年09月13日

No.175 諦められない気持ちepisode1

その場所では一人に向けて複数の人達がギリギリ聞こえるくらいの声で話す。

「見ろよ、あいつの兄貴あんな事したのによく平気で防衛軍に居られるな」
「あれで副隊長なんてありえない、もっと他にいい人いるだろ」
「そもそもWCBTでも本選にすら残れない副隊長とかいいのか?別の役職にしたらいいんじゃね?第四部隊の質が落ちるっつうかさ」
「なんかずっとゴーグルつけてて不気味なんだよね」
「消えてくんねえかな、あの騒動で俺のダチ死んだんだけど」
「本当防衛軍の面汚しよね、本当最低、家族諸共死んだらいいのに」

「消えろ」「死ね」「邪魔」「ウザい」「キモい」「帰れ」「姿見せんな」

そんな正義の防衛軍内で悪質なイジメが行われていた。
その対象者はフィロン・ニートロフ 地球防衛軍第四部隊副隊長

ファルドラ隊長が日本 東京で大規模テロを起こし、多くの犠牲者と損害を生んだ。
そして隊長が行方不明となり、空席となった席に副隊長だったヘルナが隊長となった。

当時はヘルナの隊長就任に反対する者が多かった。

「隊長の実力じゃない」

ヘルナは強さの基準となっているWCBTでも最高成績はベスト16、
第一回ではラディウスに負け
第二回ではビリアンに負け
第三回ではジョルジュに負け
第四回では再度ビリアンに負ける

ここまで全てベスト16

そして第五回はまさかの本選1回戦敗退、その相手が本選初出場の藤吾 秀という無名選手

仕事の実績も隊長に押せるかと言われたらそこまでではなく
精神面でも弱い所がある。
そして実績が隊長候補であるシェインやジョルジュに比べ少ない。

そんな中ヘルナが隊長に選ばれた、そしてその副隊長として選ばれたのが、
実績はそこそこあれど、現場では活躍はなし、
WCBTも本選出場経験なし、情報に特化したフィロンが副隊長に選ばれた。

だがそれにはヘルナ以上のバッシングがあった。
その最大の原因は兄ファルドラの存在だった。

反逆者の家系が何故今だに防衛軍の最高の地位に立っているのか?
防衛軍は何も学ばないのか?

そのように隊員達にも不信感を抱かれていた。

・・・・・・
フィロンはそんな状況でも兄ファルドラが生きていると信じ、防衛軍の仕事と同時に兄捜索を続けていた。

だが結果で言えば防衛軍の仕事も兄捜索も上手くいっていなかった。

防衛軍

フィロンは情報分野に長けているがそれはアシスト向きのため誰かに指示を出して隊員を動かすという事がまったく出来なかった。

フィロンはただでさえ内気で人見知り、自ら話しかけるなんてもってのほか、言葉も他人にはたどたどしく態度も自信が無さげ、一般人ならそれも可愛いで消化されるだろうが、防衛軍では批判の対象となった。

そして反逆者ファルドラの妹、そんな奴の指示を鵜呑みにしたくない、信用しないという隊員が多かった。

フィロンが情報を集め、隊員達に提出するもその情報をまったく活用しない隊員が多く、結果仕事の効率が悪くなるという現象が起きていた。


現状第四部隊は最悪の状況だった。

東京異変から約2年、そんな壊滅的な状況でも第四部隊は組織として生き残っていた。

それはヘルナの存在が大きかった。

隊長となった事でヘルナは強く成長し、第四部隊の隊長に相応しい存在なろうと努力し、隊員達も
そんなヘルナを見て信頼を得ていった。

だが逆に副隊長になっても今だ変わりもしないフィロンは批判が今まで以上に集中する。

結果
ヘルナ隊長は優秀、フィロン副隊長はゴミ、第四部隊の面汚し、お荷物、汚染の発生源

と言われていた。

・・・・・・
フィロンは限界だった。

兄ファルドラの情報が何も得られず、そして隊員達からも嫌われ自分の立場が全くなかった。
人間不信になっていた。

フィロン「・・・死んじゃった方が楽なのかな・・・」

フィロンはボソっと独り言を口にする。

正義とはなんなのか?
私は何もしていないのに、兄であるファルドラが行った罪を何故私が背負わなければならない。

私がやったわけじゃないのに!!!!!!!!

フィロンの頭の中は憎悪に満ちていた。
だが一つの希望として兄ファルドラが生きていれば、あの東京異変の真相を世に広め、兄が無罪である事を証明できれば


フィロンは誤解し悪意を与え続ける人達を見返せる。

この2年でただ真相を知りたかったフィロンの動機から色々な物がくっついていた。
だがフィロンはそんな事にも気付かずにただ昔のまま兄の情報を探し続けていた。

・・・・・・
とある情報が第四部隊に入って来た。

ヘルナ「明日、エウレカ探偵事務所が第四部隊に訪問に来るらしいわ、フィロン、話を聞いてくれるかしら?」

フィロン「エウレカ探偵事務所?それだれが来るの?」

ヘルナ「四季パトさん、四季月花さん、月詠琴歌さん、この3名ね、名の通り、パト勢力が立てた事業みたいね、恐らく第四部隊の仕事を請け負いたいのかしらね、私は反対だけどフィロンはどう?」

フィロンは考える、普通に考えたら反対だ。
ネットワーク犯罪や世界各国の機密情報をも取り扱う情報特化の部隊、そこに部外者の組織を入れれば
情報漏洩のリスクに繋がる。

基本的に得る情報も含め部外者に知られたくないのだ。

フィロン「私も反対かな、月詠隊長と四季隊長の御子息達っていうのもわかる、だけどそれ以上にパトという人の周りは得体が知れない、私ですら持ちえない情報が多く存在する。そんな存在に私達の情報を一部でも取り扱わせるのは危険、私はそう思います。」

ヘルナ「じゃあそう伝えて貰えるかしら、私は中国拠点に戻らないといけないの、ここ日本拠点に来るみたいだから私は相手出来ないの」

フィロン「はい、わかりました、では私が対応します。」

フィロンはヘルナにそう言い、ヘルナはその日の仕事をフィロンに与え自室に戻って行った。

フィロン(四季雪花、彼女も所属してるのかな・・・あの人は数少ない私の目的を知ってる人だし、
ちょっと来た時に元気かどうか聞いてみよう)




patopatoblog at 20:54|Permalink│日常 | メインエピソード

No.174 世界王が生まれる瞬間(微R18)

万園に大きな力が溢れ出す。

ネルはその現象を眺めている。

ネル「なんだ?この充満されていく感覚は?」

ネルはいつも通り万園のフロアで神籟を誘っていた、だがその途中で世界全体が強い力で満たされている感覚を得る。

神籟「珍しい・・・この万園世界の時間で一体何十年ぶりの世界王誕生でしょうか・・・」

ネル「うお?!今回は現れた?!今更戦う気になったのか?!」

神籟「違うよ、でも珍しい現象なのは間違いないからネルに教えておこうかなってね」

ネルはこの現象を前にして戦うような気分になれなかったため神籟の話を聞く。

神籟「元々この世界は世界王で溢れていたのは知ってるよね?」

ネル「ああ、神籟から聞いたからな、それで世界王同士の共食いが起こって今の人数になったと聞いたが?」


神籟「その通りですよ、あの時に生き残った世界王は6名、そこから要所要所でストレリチア様が世界王を作って22名までになった、その一番若い子が【無命(むめい)】外ではノルンと名乗っているメリアにくっついている子、後は各々世界王を作れる人が世界王を作ったりしていた、つまりここ数十年ストレリチア様が世界王を作ることがなかったの」

ネル「つまりこの莫大なエネルギーは今ストレリチア様が直々に世界王を作っている最中だと?」

神籟「そうね、ストレリチア様が作れる世界王の強さは過去最高でEXクラス、EXクラスは【最強種】と呼ばれるんだけど、それも過去に生まれたのは10体のみ、そして今残っているのは3名、私を含め残りの3名は後天的に生まれた【最強種】」

ネル「それも前に聞いた、つまりもしかするとお前に匹敵する世界王が生まれる可能性があると?」

神籟「ほぼ0に近いけどね、でも言えるのはストレリチア様が産む世界王の強さの最低はSS+クラス、確実にネルよりも強いよ、ネルはAランクだからね、手も足もでないだろうね、残念ながら」

ネル「複雑なものだな、私も別に何かしらの訓練をしたわけではないが万園の世界王として選ばれてから自身なりに訓練をしているのだがな、それでもランクに変動はなし、それが生まれて間もない世界王に負けるのか」

神籟「私は世界王戦争賛成派だから、ネルがお願いするなら第三席 誕爛(たんらん)に声かけるよ、誕爛もストレリチア様同様世界王を作れるから、最高ランクはS+だし、ネルみたいな子達にも丁度いいんじゃないかな?」

神籟は密かに思っていた。
各世界から主パトに適合した従属の世界王化、それは何も問題ないし、今後もパトの覚醒を考えれば積極的に取り組むべき事項。

だがそれと同時に覚醒しても万園の世界王どころか、各従属に与えられた世界の世界王よりも弱い事があるためそこは万園の世界王と名乗るにふさわしくないのではないかと。

神籟「万園も私達やネルのように正式に選ばれ進化した世界王は上層世界、ストレリチア様や誕爛が大量に世界王を作ってそれらを戦わせ覚醒、成長させる下層世界、こうやって二分化することで万園は成長し続ける事が可能だと、私は思うんだよね」

ネル「それは面白い事だな、もちろん上層世界の住人は下層世界に自由に出入りできるんだろうな?」

神籟「私はそれを了承したいけど・・・多分無理かな、なにせ戦うという事は殺し合うって事だからね、死んでも生き返るとかそんな生易しい世界じゃない、負けたら喰われて養分になって終わり、それは流石にパト様も許容しないんじゃない?パト様はネルの事凄く大事そうだしね、もっと自分の事よりもパト様の事も考えてあげなよ、もうネルだけの身体じゃないんだからさ」

ネル「それもそうだな、仕方ない、どの世も女が嫁げば不自由になるもの、暴れたいが主様がそれで私を失って泣いてしまうのは流石にマズいからな」

ネルはどこか嬉しそうに語る、それを横目に神籟はクスっと笑いつつも空を見上げる、すると空に充満した光が一点に集まりだした。

神籟「あ、そろそろだね、・・・今回は4名か、結構多いね、どうしたんだろう?ストレリチア様、4名も世界王を一気に作るなんて、何かあったのかな?」

ネル「あれが・・・」

ネルが空を見上げると4つの光があった。

ネル「あの光が・・・あれがどいつもこいつも私よりも強いのか・・・」

神籟「【神籬(ひもろぎ】【死樂(しらく)】【魂天(こんてん)】【幽夢(ゆうむ)】また花姫(かしん)に測定して貰わないとね」

ネル「待て、何だ?神籟はいったい何が見えた?」

神籟「名前と容姿、ランクとか性格は流石に合ってみないとわからないけど、まあいい子ではないわね、強さを持つって事は何かの個性が秀でてる、無個性は強くなれないから」

ネル「すぐに会う事になるのか?」

神籟「当分はないわね、そもそもストレリチア様がどうして4人も世界王を作ったのか、その意図をまずは円卓の王達が集まって会議しないといけないからね、ストレリチア様に直接聞くのは無礼だから」

ネル「聞いた方がよくないか?」

神籟「聞いて納得するなら私達なんて要らないんだよ、ストレリチア様は一人で全て出来てしまう、本来私達なんて居なくていい存在、何故ならストレリチア様が呼吸をする、そのレベルの事を私達は必死になってやっているんだから、つまり聞くという手間を増やすくらいなら私達なんて要らない、そうなりかねないの」

ネル「面倒な社長様だな、報連相という概念を主様から教わったが皆無過ぎるな」

神籟「ネル、貴女も新人に手を出さないでね、私は自身の世界に戻るから」

ネル「それだけのためにわざわざ私の前に現れたのか?」

神籟「そうだよ、珍しい光景だし、折角だから教えてあげようって思ってね、そうだ、どうせならネルの世界に案内してよ、もし私が納得出来るレベルまで仕上がってるなら喧嘩、してあげてもいいよ?」

ネル「本当か?!なら早速製作を急がねばな!約束守れよ!誰もこの世界でまともに戦ってくれないからな!」

神籟「でも花姫(かしん)とは戦ったんじゃないの?報告ではそう聞いてたけど?」

花姫は第十一席の円卓の王メンバーの一人である。

ネル「・・・負けたさ」

ネルは少し気まずそうな表情でボソっと答える。

神籟「もしかしてテクノブレイクで死んだ?」

ネル「黙れ!!!!あのやられ方は屈辱なんだ!!!!」

神籟「ああ・・・」

神籟はネルに対して哀れみの表情を向ける。

花姫の能力に【孕ませる】力がある、
世界全域という絶対的広範囲領域に花姫の種子をバラまく、そしてそれを花姫以外に付着すると受粉し、花が咲く、花姫はそれを【細胞を孕ませる】【原子を孕ませる】と言う。

ネルは花姫とランク付けをする時に戦った。
結果的にネルは花姫の種子を身体全体に浴び、全細胞が孕んだ。

そして孕み、花として産まれる時にとてつもない快楽を得る、それは人が行う自慰行為で絶頂を迎える時の感度の約500倍、それを一つの種子だけで得る、それを無数に浴びれば身体全体が快楽の波に襲われ、脳や呼吸が過剰になり死に至る、適量ならいいのだが、過度な快楽は【苦痛】でしかない。

神籟「花姫は優しいからちゃんと言えばその快楽を得る前に殺す事もしてくれたでしょうに・・・」

ネル「そんなわざわざ自分から負けを認めるような事するか、快楽という苦痛の中でもなんとか私の絶対で殺してやろうと思ったんだが・・・その能力すらも孕まされたらな・・・」

花姫は物質に限らず能力すらも孕ませる、孕んだ能力は効力を失う、何故なら既にその能力は術者のものではないからだ、孕み主導権を握った花姫のものである。

ネル「嫌な事思い出したな、もう帰る、世界出来たら一番に神籟、お前を呼んでやる、覚悟するんだな!」

ネルはその場を立ち去る。

神籟はその場でクスクス笑いながら「かわいい子」と微笑み、自分の世界に帰る。

2025年07月03日

No.173 奏星の指揮力

今日は数日に掛けて汚染されたERRORの駆除出張だった。

奏星「また当分は気が抜けませんね」

雪花「仕方ないわよ、専攻部隊はそういう部隊なんだから、今回はトールちゃんとロートさんを呼んでるから早く仕事が終わる事を願いましょう、そのためにも私も頑張らないと!」

雪花と奏星は更衣室で原祖聖戦女神(オリジンセントヴァルキリー)の制服に着替えていた。

雪花「正直トールちゃんとロートさんを同じ現場に持っていくのは抵抗あるけど、状況が状況だからね、奏星さんも大変だと思うけど指揮よろしくね」

奏星「大丈夫です!任せてください!」

雪花と奏星は着替え終わり、世間話をしながら宇宙船に乗る。

・・・・・・
トール「来るのは良いけど邪魔しないでよね、僕こんなことで始末書とか書かされるの不本意なんだからさ」

ロート「安心しろ、お前とは真逆の配置にしてもらうつもりだ!お前も自分のテリトリーだけで仕事するんだな!絶対に私の仕事エリアに入って来るんじゃないぞ!」

トールとロートは言い合いをしていた、雪花はその状況を見て頭を抑える。

雪花「もう喧嘩してるし、というかテリトリーとかないから!臨機応変に動いてもらうからね!トールちゃんは勢力が固まっている所を集中的に狙ってほしいし、ロートさんは相手の情報をいち早く集めて駆除対応の方針を早く固めるために前半戦は多くの情報収集をしてもらいたいし、お互いが一部のエリアなんて事は絶対にあり得ないわ、互いに尊重しあってもらわないと!」

トール「でもこいつ平気で私の攻撃エリアに残るんだよ!馬鹿だよ!自殺志願者だよ!」

ロート「私が辞めろと言ってもお前が辞めないだろ!お前は快楽殺神者じゃないか!」

雪花「そうならないためにも!!!今回も奏星さんの言う事を絶対に聞いてね!さっき言った直後に言うと矛盾になるけど、別にトールちゃんがロートさんの言う事を聞きたくないならそれでいい!でも奏星さんの指令を聞けないなら始末書だけじゃ済まないわよ」

トールは雪花の説教に渋々頷く、ロートは自身の仕事に支障が無ければ文句が無いタイプのため、雪花の言葉を素直に受け入れる。

雪花「ほら、ロートさんは原祖聖戦女神(オリジンセントヴァルキリー)に入っての初任務なんだからお願いね!私すっごく期待してるから!ずっと欲しかった神材だったからね!」

ロート「私をお高く評価してくれるのは構わないが、それなりに私のやり方を尊重してくれなければ結果を満足に提供出来ないとだけは認識しててくれ」

奏星「勿論です、皆さんが自分が一番活躍出来る仕事をしたいと考えています、勿論私もその考えには賛成ですし、極力そうさせてもらいたいと考えていますよ」

しっかりと制服を着こなしている奏星が三人の前に現れる。

トール「やっぱり仕事となると服は脱がないんだな」

奏星「仕事はしっかりします、むしろ仕事から解放された時に身も心も解放するのが心地いいんですよ、常に解放していたらそれだけでは満足出来なくなります、適度に自分を縛る事も必要なんですよ、トールさん」

トール「僕とは逆だね!仕事以外では暴れられないからウズウズしてるけど仕事になると暴れられるからドカン!!って解放出来るからね!」

奏星「そうですね!それと同じです!一気に解放するのが快楽なんですよね♪」

宇宙船は目的の星に到着した、今回は帝国の星から近い星だったため、移動時間はそうそうかからなかった。

・・・・・・

宇宙船は星に着陸はせずに空に浮遊している。
それは大地がもし汚染されている場合乗っ取られる恐れがあるからだ。

過去帝国を襲ったERRORが城内に侵入してきた経路は地下だった、だが空なら上から下まで管理が行き届く。

宇宙船の扉が開く、そして雪花は大地を見る、するとそこには黒いネバネバした生き物が大量に徘徊していた、それは一瞬見ただけでは分からず、大地一体が黒い何かで覆われているように見える、だが目を凝らしてみると大量のERRORがウジャウジャと移動しているのがわかった。

奏星「では・・・指揮を開始します。」

奏星の表情が変わる、目の光を無くし、無表情になる。

ロート(天野江 奏星、地球から来た元人間の神、力は下級神クラスで弱い、だが原祖聖戦女神(オリジンセントヴァルキリー)の癖の強いメンバーもそうだが、専攻部隊全員が奏星の指揮に反対しない、そもそも奏星が専攻部隊の副総長であることに誰も疑問を抱かない、それが疑問だ、実力重視の部隊が弱者を認めるなんてあり得ない、ましては下級神、ここはお手並み拝見といこうか)

奏星「ERRORの種類は7種類、下級ERROR、数はおよそ4000万体強、一度張り付くと汚染が開始し、消滅する恐れが多いため、遠距離攻撃で様子を見ましょう、それでは遠距離部隊、作戦名【多彩】開始」

奏星が指揮をすると宇宙船の甲板に訳500体の神が各自別々の性質を持つ能力を放つ。

奏星「互いに干渉しないように放て」

奏星の合図で一斉に殲滅が開始される。

空からは多種多様な攻撃が降り注ぐ、統一性のない多くの色に溢れた攻撃が星全土を覆うように地上に落下していく、そして次々と攻撃がERRORを襲う。

雪花「攻撃成功、奏星、次だ」

奏星「イメージを全員に送ります」

奏星が淡く輝く、すると奏星の頭の中のイメージが全員に伝達する、頭の中で空間が展開される感覚だった。

奏星「ダメージに成功した攻撃は19弾、その配置と性質を送りました、その結果に基づいて班を再編成します、実際にダメージを与える班、一点に集める誘導班、この2部隊で確実に攻撃を当て続けてください」

奏星はトールを見る

奏星「トール、貴女の攻撃は通用します、一点にERRORが固まったら遠慮なく攻撃してください、一撃目は大地が損傷しても問題ありません、ただし、二撃目以降は一撃目で抉った場所とは違う箇所で攻撃を続行してもらいます、そして私が指示を出すまで二撃目以降の攻撃で大事を抉る事は禁止します」

トール「おっけ~~」

奏星は次にロートを見る

奏星「ロート、貴女は二班とは別の動きをして貰います、トールの一撃目で抉った大地で情報を集めなさい、ERRORの性質、大地の汚染度、大気汚染度、ERRORの生活習慣まで分かれば攻略範囲が明確になります、助手を20名容易します、その者に荷物を運ばせます、ロートは現地で即座に解析を」

ロート「わかった」

ロート(ほう、私は仕事に集中させ、雑用は全て隊員にやらせるのか、効率が良いな)

ロート「私の知識は専門的なものだが、それらを理解できる部隊員が20名もいるのか?」

奏星「随時私がアシストします」

奏星はそう言うとロートの方に向かずに雪花を見た

奏星「雪花、貴女は待機です、ある程度の情報が揃えば一斉総滅を開始します、その時に原始支配を大地に大量に流してください、その効果範囲の確認とERRORを集める作業はこちらで行います」

雪花「わかったわ、なら皆!いち早く帰れるように頑張ってきなさい!!」

雪花の号令を合図に部隊員は各自大地に向けて飛び出していった。

・・・・・・
作戦は順調に進んだ。

トール率いる攻撃班は誘導班が各所に集めたERRORに対して一斉攻撃を始めていた、最も多い場所にトールが攻撃し、指令通りに大地を大きく抉った。

それを確認したロートが大地に降り立ち調査の準備を始める、ERRORの一部を集めさせている間に機械を設置し、汚染調査を開始したロート。

ロート(思ったよりも汚染度が高いな、何種類か浄化できるフィルターを持ってくる必要があるな、だがあいつらに種類がわかるのか?)

ロートがそう考えたすぐに部隊員が「フィルター150種類ですね!持ってきます!」とロートが指示していないのに部隊員がロートの前に現れ願った事を実行してくれた。

ロート(まさかこれが奏星が言っていたフォロー・・・下級神と侮っていたが・・・流石だな、仕事が凄くやりやすい、この環境に一度慣れてしまったら他の部隊での仕事がストレスになるだろうな)

ロートが調査を進め、ある程度の結果が出た事で自動的に全部隊員に情報が流れる。
そして脳内で指示が届く。

奏星(このエリア内にERRORを集めます、地中に居るERRORを地表に近づけるために誘導班はオーラを大量放出、20秒後に宇宙船に帰還、攻撃部隊も誘導部隊が帰還した事を確認した後、帰還してください、終わらせます。)

・・・・・・
奏星の指示通りに現場は動いた、そして部隊員全員が宇宙船に戻った事を確認した奏星が雪花のみを星に残し、宇宙船を星外に出してしまう。

雪花は宇宙船から飛び降りた勢いのまま原始剣を構える、そして全力の一撃を大地に向けて放つ!!

すると地中に居たERRORが一斉に地上に出て来た!
その数は最初に地上を張っていた数の約4倍!!雪花の周りは黒一色に染められていく中、空から無数の光が降り注いだ。

奏星「星に願いを・・・シューティングスター」

奏星はオーラを使ったわけではない、ただ星々に願った、するとそれに答えるように星々は光輝き、星のエネルギーを奏星が求めるエリア一点に攻撃を放つ、その数はなんと5984正(10の40乗)の光が一つの星に降り注ぐ、威力は奏星が願う事で威力が上がり続ける。

星々の攻撃は雪花を避けて一斉に放たれる。
ERRORは木っ端微塵に跡形なく消え去る。

雪花「相変わらずの馬鹿攻撃範囲と馬鹿攻撃威力・・・お疲れ様、一日で全部終わったじゃない」

数日かかると思われていたERROR討伐は1日で全てが完了した。

その後宇宙船は再度星の内部に戻り、ロートに最終調査を行わせ、ERRORの残りが無いかを確認させた。

結果ERRORは確実に全て殲滅されている事がわかり、専攻部隊の任務は完了した。
ここから別部隊の仕事になるため、雪花達は帝国に戻った。

・・・・・・
雪花「どうだった、ロートさん、奏星の仕事っぷりは?」

ロート「正直に言わせてもらうと・・・副総長に最もふさわしいと認めざるを得ない、いや、本音を言わせてもらうと私が護衛部隊の副総長をしていた頃よりも全然仕事が出来ている、私がいかにも副総長して力が不充分だったかがわかって・・・恥ずかしいと感じたな・・・」

雪花「適材適所だよ、奏星は私達みたいに現場に立つ事は出来ない、扱える技もあんな馬鹿みたいな攻撃だし、運よく司令塔の仕事が天職だった、だから副総長として私の隣に居て貰ってるの、私は現場でしか活躍出来ないから、馬鹿で視野が狭いから皆のめんどうは見れないしね」

ロート「それを全面的に任せられるトップも私は素晴らしいと思うぞ、私は」

雪花「私が完璧ならいいけど、不充分だらけだから、皆から力を貸してもらわないとまともに仕事も出来ないの、私は、だから原祖聖戦女神(オリジンセントヴァルキリー)はある意味私が出来ない事を代わりいやってもらうためのメンバーと見て貰ってもいいかな、誰も代わりが効かない、ロートさんはトールちゃんと同じ動きは出来ないし、他の子と同じ動きは出来ない、それは他の子も同じ、ロートさんの専門知識は誰も真似できない、だから私は欲しかった。」

雪花はロートの顔を見つめる

雪花「期待してるわ、私達が出来ない分野で助けて、そうすれば皆が笑顔でいられるから」

ロート「ああ、わかった」

二人は満足そうに微笑む、奏星は司令塔の仕事の後は脳が極度の疲労状態になるため深い睡眠に入っていた。

雪花「今回は1日だけだから1日睡眠かな、司令塔モードになった時間分睡眠が必要となるから長丁場の現場の後になると奏星さんも最悪数日起きない事もある、けどこの力は専攻部隊ではなくてはならないものになってる、ありがとう、次も期待してるからね」

こうして雪花達は帝国に戻った。

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2025年05月22日

No.172 奉園(ミニステエデン)

メルリア「どうでしょうか?クリアーラ?」

メルリアは自身の世界に入っていた、その世界の名は奉園(ミニステエデン)

メルリアが元々所有していた世界がパトの万園に干渉された事により進化した世界。

そしてその世界に居た世界王はそのままという形で今も尚メルリアの世界王として世界を統括していた。

クリアーラ「順調ですね、最近は強い個体が沢山現れましたからね、今まで名を上げていたTier0の学校がランクダウンして無名校が逆に名を上げて来たりしてます、今まであまり変動なかったのに、良い傾向だと思います」

メルリアの世界は奉仕がメインの世界、元々は宗教的な世界であり、神となるメルリアを強く信仰する世界、そしてメルリアに対して奉仕が出来る者にこそ価値があるとされる世界で、この世界では強さと同等にどれだけメルリアに奉納、つまり貢献出来るか、礼儀や作法を心得ているか、という忠誠心が評価点となっている。

例えばこの世界の場合、クリアーラから直接依頼が来るのはTier2までの学校であり、メルリアが直接依頼出来るのはTier1までの計12校までである。

つまり学校対抗で評価を高める必要があるのだが、Tier2に入るというのが世界全体の目標であるため、在校生と教員が結託して学校の評価を上げようとしている世界である。

・・・・・・
学校とは現実でいう大学付属のような小中高大学一貫校のような機関であり、大人になってもその学校の教員や学校独自の技術を活かした生活、そして研究機関を設け、数多の分野における研究を行い、他校と差別化を図ろうと一致団結している機関になる。

そのため、まずはどの学校に所属するか、そして学校からは戦力になり得るか否かを面接や試験を行う、学校から他校への引き抜きを行うこともあれば、スパイを入れて情報を奪う等の情報戦、そしてそれらの結果を発表する集大成、学校対抗戦、このコンテストで評価する世界王クリアーラが贔屓なしで正確に判断する事でこの世界は成り立っている。

・・・・・・
クリアーラ「それでですね、最近生まれる子達は皆何かしらのポテンシャルを強く秘めているので今生まれるニュージェネレーションズをどうにかこうにかして採用しようとする動きが最近目立つんですよね、やっぱりパト様の万園の影響ですかね」

メルリア「それは間違いないですよ、万園のおかげで私達の世界は凄く大きくなりましたので、しかもこの万園の恩恵は他の世界とはまた違ったもの・・・それが凄く嬉しいです」

奉園は多くの世界と繋がる事が可能な世界、例えば現在繋がっているのはフルールが持つ豊園(アフニアエデン)、エイリが持つ薬園(リカールエデン)、この流れからして専属侍女同士の世界は繋がるという法則性がある。

奉園はパト(万園)に忠実な配下を提供する事になっている、パトが命令出来る学校はTier0の選ばれた4校のみ、だが全てが最上級、万園に選ばれるような従属は期待できないが、技術面で他の世界と共同で開発する事で提供出来る可能性を秘めている。

クリアーラ「このままいけば貢献度No.1世界!となるのも時間の問題ですかね」

クリアーラはクスリと笑う、メルリアはクリアーラを見て苦笑いで返す。

メルリア「次の学校対抗戦はいつでしたっけ?」

クリアーラ「奉園歴第15年第三期は後2ヵ月後ですね、1年で行われる学校対抗戦は四期、この世界は万園と繋がった際に季節というものが出来ましたからね、おかげで春夏秋冬を楽しむ文化も芽生えて来てます、それらにちなんで四期分に分けているのですけどね」

メルリア「次は旦那様も連れて来たいと考えてまして、そしてその御呼びするのに相応しい学校を選んでもらえたらなって思いましてね」

クリアーラ「でしたらTier0ミルフィート学園都市がよろしいかと、ひとつの学校で大きさは超巨大国家、学校内でも派閥の学校を多く作っている向上心の高い学校ですね、ここならパト様も楽しんでもらえるかと」

メルリア「お願いしてもいい?そして最大のおもてなしを」

クリアーラ「喜んで!きっとミルフィート学園都市も大変喜ばれると思いますよ!」

メルリアはクリアーラと要件を話し終えると自身の世界の将来について話し合った。

No.171 万園 世界王戦争

神籟は自身の世界でゆっくりとジュースを飲んでいた。

そして飲み干したジュースをゴミ箱に入れては次のジュースを作り出し、コップに飲み物を移す。

神籟「平和だなぁ・・・」

神籟はそう呟くと手元のモニターをONにする、すると暇そうにしているネルが居た。

ネル「なあ先輩!遊びに来たんだから相手してくれてもいいんじゃないか!どうせ暇だろ!そうだ!ちゃんと暴力的ではなく淑女らしくお茶をしようではないか!先輩達の強さというものを知っておきたいのだ!それくらいは安い物だろう!」

ネルは一人叫んでいた。

神籟は呆れ、そのままモニターをOFFにする、基本的に万園の世界王達は自分自身の世界に閉じこもっていることが多い、そして各自好き勝手に自分の世界を統括している。

神籟は宝石に囲まれた青い世界、特に広すぎず狭すぎず、一人で過ごすには充分過ぎる空間の中で過ごしていた。

神籟(なんか懐かしいなぁ、昔はネルみたいに殺伐とした子が沢山居たんだけどね、名前はもう忘れちゃったけど)

万園が覚醒し、独自の世界として成り立った時、神籟は後半の方に作られた世界王だった。

最初に作られた10体の世界王は既に多くの世界王を喰らい、強化されていた。
神籟はそんな世界の中世界王達を同じく喰らい、そして最強の10体の内2体を喰らい数十年と続いた世界王戦争に生き残った。結果的に生き残った6名の世界王、そしてその中で最強の10体で残ったのはたったの3体、それらは今でも序列は上位1位、2位、3位を総なめしている、そして後に生まれながらも最強の10体を倒し、喰らい、生き残ったのが残りの3名、4位、5位、6位となる。

神籟(今の子はルールも変わった事もあって成長する機会が一切なくなった、本当に生まれ持ってのポテンシャルだけでなんとか生きて行かないといけない、弱ければ弱いままだし、強ければ仙厳のように7位まで上り詰める事は出来るけど・・・結局は一度も世界王同士で本気の殺し合いを経験した事もない、経験値がまったくない、可哀そうって思っちゃうよね)

神籟は世界王戦争の時代を少なくとも悪くは思っていなかった、とにかくスリルがあった、いつ襲われてもおかしくない、集団で狙われるかもしれない、出た杭を打とうと強い連中が首を狙ってくることもあった、そんな殺伐とした世界が心地よかった。

神籟(そんな事言ってたら結局私も戦闘狂だって言われちゃうのかな)

神籟はクスクスと笑いながら飲み干したコップにジュースを注ぐ、そして再度暇だったためネルの居る空間を眺める。

・・・・・・
ネル「どいつもこいつも全然出て来やしないな!まったく全然やる気を感じられん!これでは腕が鈍ってしまうな、結局帝園に居た方がまだ暇つぶし出来るのか」

ネルがそう言いながら万園から去ろうとすると空間から神籟の声が鳴り響く。

神籟「ネル、そのような場所で時間を無駄にせずに己を世界を創り、そこで己が描く理想郷を築き上げなさい、それが貴女の修行になるのですから」

ネルはやっと反応したかと言わんばかりに神籟の言葉に返事をする。

ネル「生憎だが、私は既に帝園で好き勝手している、まさに理想郷だ、私よりも強い奴が居て、私の意見に対して文句を言ってくる馬鹿が一定数居て、そして私が赴くままに動けば身の程も弁えずに狙ってくる馬鹿も居る、そんな帝園こそが私の理想郷だ、私が一番偉い空間なんてつまらなくて仕方ないんでね」

神籟「実家に居た方が楽という子供と何が変わらないんですか、自分の家を持って独立しなさいと言っているんですよ、私は」

ネル「成程、他人の理想郷ではなく自分の理想郷を作ってそこで居心地よくなってみせろと、それが出来なくて何が万園の世界王かって煽りたいわけだな?お前は?」

神籟「その通りです、そしてお前ではなく神籟(しんらい)です、目上にはしっかりと名前で呼んでください。」

ネル「説教か?なら実力で黙らせてくれよ、私は馬鹿だからな、痛い思いをしなければ学ばないんでね」

ネルはニヤニヤと煽る、だが神籟はその煽りに乗る事なく流し、そのまま去ろうとする。

ネル「まただんまりのまま消えるのか?本当お前は良い御身分だな、ただポテンシャルが高かっただけの存在のくせにな!」

神籟はネルの言葉に対して怒りではなく好奇心で聞いてみた。

神籟「ネルは世界王を殺し、喰らった事はありますか?」

ネル「そもそも世界王なんてホイホイいるようなものではないだろう、今の所実際に会った事ある奴と言えばミールとノルンくらいだな、だが・・・正直勝てる気はしないな」

神籟「もし世界王同士で殺し合うような世界があったとすればネルはその世界に行ってみたいですか?」

ネルは悩む事なく即答する。

ネル「勿論だな、弱い奴を虐めるのも楽しいが飽きる、だが強い奴と戦えば色々策も考える、そしてそのピリピリするような緊張感を常に味わうことが出来る、ぜひ行ってみたいものだ」

ネルは笑顔で答えるが神籟は淡々と質問を続ける。

神籟「それは貴女のコンディションが整っている事前提の話ですよね?もし連戦で疲れていたら、寝込みを襲われて睡眠不足が続く中戦わなければならないとすれば?それが数百年と続けば?それでもその世界で過ごしたいですか?」

ネル「まるでそんな世界で生きていたみたいに言うんだな、だがどれだけ言われようが変わらん、私は世界王同士で戦える場があるならぜひその世界で生きてみたい!」

神籟「弱いくせに・・・」

神籟はただその言葉だけを残して去ってしまう。
ネルはその言葉が煽りではなく本心で言っていた事に疑問を感じる。

ネル「弱いくせに・・・か、本来ならただの煽りにしか聞こえないのだが神籟の立場で言えば私は弱いだろうな、確か世界王ランクはAランク、きっと私はAランク以上になると多分戦う事が億劫になるのかもしれんな、なにせノルンに私は勝てないのだから、あいつでA+ランク、+がつくかつかないかでまったく強さの次元が変わる、ちょっと努力すれば強くなるとか、覚醒すれば強くなるとかの話ではないんだろうな、世界王となると」

ネルはそう独り言を呟くと白けたと言わんばかりにその場に座り込んでしまう。

・・・・・・
神籟はネルの言葉にモヤモヤっとした感情を感じながらジュースを飲む。

神籟「本当の格上を知らないからあんな事が平気で言えるんだよ、私が生まれた時のランクはBランク普通に餌になる側だった中、EXランクまで上げて来た、Bランク時代の時にSランクの連中とも何度も殺し合ったし、命乞いをしてきた格下のランクの子達を何度も虐殺してきた、生きるために仲が良かった子と殺し合った事もあった、格上と戦う度に自分の持っている何かを切り捨てないと勝てない、そんな世界で生きて・・・果たしていつまで正常な精神が持つかな・・・」

神籟にとって7位の仙厳も雑魚の部類に入る、EXランクというのはそれだけの次元に存在する、
SSS+ランクがEXランクの下だとしてもその差は歴然であり、SSS+ランクの世界王が1000体が居てやっとかすり傷程度、それだけEXランクの世界王は多くの世界王達を喰らい、強くなっているのだ。

もちろんEXランクよりも上に位置するEX+ランクはEXランクよりも別次元に属する、このクラスになると神籟でもまったく相手にかすり傷を与えられない、疲れさせれればよし、その場から動かせればスタートラインというレベルに入る。

EXランクという称号を得ている神籟にとってAランクのネルが言う言葉はどうしても軽く感じてしまうのだ。

神籟「ストレリチア様も以前のような世界にしていれば良かったのに、もちろん戦いたくない世界王はずっと自分の世界に立てこもってたらいい、血の気の多い世界王はそういう世界に行かせればいい、それだけの話だと思うんだけどね、でもストレリチア様・・・泣いちゃうからなぁ」

神籟は昔の万園を思い出しながらゆっくりと平和を堪能する。

2025年05月21日

No.170 カナ冒険記その3

カナはまずは旅に出るために資金調達、そしてそこから道具や保存食を買って準備を整えなければならないと考え、野宿した後そのまま狩りを始めた。


ウルフの群れを見つけたカナ

カナ「よっしゃーー!!ウルフの毛皮1枚で50ロンだから、どんどん剥ぎ取れば塵積で金になる!」

カナはそう叫びながら次々と現れるウルフを殴り倒していく!

そして一時間後・・・

カナ「よし、ざっと100体くらいかな、今から剥ぎ取るのが面倒なんだよね~、しかもこれ全部取ったとしても5000ロンって・・・時給換算したらいったい何円なんだか・・・割に合わないなぁ、バイトした方が稼げたりするのかな?時給いくらか見てなかったよ」

カナは文句言いながらもウルフの皮を剝ぎ続け、村に戻る、そして買取屋に向かう。

カナ「今日は大量のウルフを見つけたからこれ!大量っしょ~~♪」

買取屋「うわあ~~~、勿体ない・・・」

カナ「え?なんで?」

買取屋「ウルフが群れで生息しているって事は間違いなく農家かこの村から討伐依頼が出ているはずなんですよ、だからそこから依頼を受けて討伐したらもっと収入があったのに・・・これだとタダ働きですね~」

カナ「え!!それっていくらくらいになるの?!」

買取屋「ざっと1万ロンですかね、結局こういう毛皮は追加報酬みたいな位置ですしね、報酬と手元に入れるお小遣い的な?」

カナ「ミスった~~~!!」

カナはその場で項垂れながらウルフの毛皮買取料5000ロン記載される。

・・・・・・
カナ「ねえ、いい仕事ない?」

カナは半泣きで受付嬢に話かける。

受付嬢「ど、どうしました?先ほど買取屋の所で項垂れてましたけど」

カナ「聞かないで、不幸な事故があっただけだからさ・・・、それより仕事!」

受付嬢「仕事の募集はあそこのパソコンから確認してください、そしていい仕事を見つけたら自分の冒険者IDを記載して申請していただけたら受注完了です!後は早い物勝ちになりますね!いつも朝8時に依頼が更新されますので冒険者の基本は朝早くにここに来て仕事を見つける事です!それが面倒という方は自分でパソコンを買ってますね、ネットワークさえ繋がって入ればギルドのサイトにいつでもログインできますので」

カナ「超現代的・・・でもわかりやすい!ありがとう!!」

カナはそう言われるとすぐにギルドに沢山並べられたパソコンに触れる、そして自身のIDを入力して依頼一覧を確認する。

・バルバートン討伐 報酬8万ロン
・レッドウルフ討伐 報酬6千ロン
・ベアウッドの卵10個収集 報酬2万ロン

カナ「え?たったの3つ?!全然仕事ないじゃん!これで生計立てれるの?!」

カナは考える、いち早くここでお金を集めて次の街に向わなければ先に進めないと。

カナ「とりあえずバルバートン討伐任務やるか・・・っていうか夜なのにまだ仕事残ってるって事は結構面倒臭いのかな?それか誰か仕事してるけど時間が掛かる的な?生息地が遠いとか?」

まずは情報収集しかないなと考えるカナ。

・・・・・・
カナはとりあえず今晩のご飯をと考え食堂を探し、見つけてはそのままお店に入る。
そして今日の報酬金を使ってお腹いっぱいになるまでご飯を食べる、その金額460ロン

お腹を満たしたカナはそのまま聞き込みを始める、まずは店員さんに話かけ、相場を確認する。

店員「バイトの大体の時給?時給換算とか面倒ではないですか?基本的に日当換算ですね、ちなみに1日4時間以上で1500ロンですよ!、一ヵ月分(30日)働けば4万5千ロン、お金に困ってる人は掛け持ちで仕事をしているのが普通なので、朝は建設、昼は配達、夜はお店のスタッフ、みたいにやってて、最高なら13万ロンくらいなら稼げるかな~」

カナ(一般人、12時間以上の勤務で月約13万ロンか、宿代一泊1000ロンだったり、今日の食事でも460ロン、これを30日分で考えた場合、宿代約3万ロン、食費約1万5千ロン、最低でも月4万5千ロン稼いでおかないと生きていくのは大変って事か)

カナ「ここって税金みたいな制度ってあるの?」

店員「もちろんよ、冒険者の場合はどこで仕事しているかによるわね、例えばこの街の依頼を最後に受けたらこの街に納税する事!みたいなね!」

カナ「へぇ、納税ってどれくらいなの?」

店員「年に50万ロン、それだけ払えば問題ないわよ、どんなに貧乏でも裕福でも50万ロンさえ払えば義務は果たされるの、だけどそれはこの村での話、例えば隣の街の【シルムコッド】なんて年200万ロンも払わないといけないの!だから時期が来ると冒険者はこぞってこの村に来るわね、もう依頼争奪戦!ただでさえこの街の仕事はかなり少ないのに街を拠点にしてる冒険者がこぞってここに来るから、おかげで住んでもないのにこの村に沢山納税してくれるから村なのにあんなデカいギルドが建てられたり、設備が豊富だったりするんだけどね~」

カナ「へぇ~そんな事情があるんだね~、それっていつもどの時期なの?」

店員「12月はとくに凄いわね、その年の最後に受けた依頼達成場所で決まるから1月に達成しても意味ないのよね、だからこの村も12月は普段は出てこないような難しい任務ばかり、それでも皆こぞって仕事をしてくれるから便利なものよ~」

カナ「それはもちろん個人依頼は適応されないんだよね?」

店員「されないわね、それを許したらズル出来るからね、ギルドからの正式な依頼をこなしてやっと正式に認められる!聞けば1月の段階で既に税金を払って後はのびのび過ごしている冒険者が多いって聞くし、強いって自由よね~、私なんて全然実力ないからこういう仕事しか出来ないのにね」

カナ(つまり私の納税義務はこの村って事か、ラッキーだね!でも良い話が聞けた!ギリギリで納税額の少ない街で仕事をこなす!)

・・・・・・
カナはそのまま次に別の卓で食事をしている女性達に話しかける。

カナ「ねえねえ!私今度初めて【シルムコッド】に行こうと思うんだけどあっちの物価って高いの?」

女性A「高いわね~、でもこの村では絶対に売ってないような物ばかりだから仕方ない所はあるかもね~、人によってはシルムコッドで住むのは無理だからこの村からシルムコッドに行って仕事する人多いわよ」

女性B「でもこの村は食材が安いのが救いよね~、家も建てやすいし、借家でも支払い金少ないし、基本的に掛かるお金が少ないっていうのが魅力的なのよね~、仕事がないのは辛い所だけど!あはは~~」

女性A「だから公務員になれば安泰なのよ!ほら!ギルドとか!受付嬢の倍率高いからね~~」

女性B「だってわざわざ都会の街で良い学校行ってこのへんぴな村に来てギルド職員になるって・・・わりにあわないって・・・」

女性A「勉強とかかなり難しいらしいしね~、でも一度くらいシルムコッドよりも都会の街に行ってみたいわよね~」

女性B「わかる!私港街に住んでみたい!でも港街の人からすれば山側に住む私達を羨ましいって思うのかもね~」

カナ「うんうんなるほどね~、良い話聞けたよ!ありがとう!ジュースおごるね!」

・・・・・・
カナは店を出て武器屋や道具屋に向かう。

カナ「アルミソード750ロン、鉄ソード2500ロン、鉄の鎧8000ロン、高いねぇ~」

武器屋「お嬢ちゃん冒険者かい?ならそんな重たい武器よりもレイピアみたいな軽い武器の方がいいんじゃねえか?なんか得意な武器とかあるか?」

カナ「私槍と武術が得意なんだよ!槍を持たせたらもう!それはそれは!」

武器屋「槍か!いいね!なら鉄槍とかどうだ?1500ロンだぜ!」

カナ「ナックル的な奴も欲しいな~硬くない的にわざわざ槍を使うの面倒だしさ!ある程度は殴って蹴って終わらせたい!」

武器屋「いいね!ならこの装備一式でどうだ!全部で5000ロンだぜ!」

カナ「買った!!!!」

・・・・・・

カナ「回復ポーション、疲労回復ポーション、アツアツポーション、サムサムポーション、エラ呼吸ポーション(30分)、ハイ回復ポーション、状態異常回復ポーション、結構揃ってるね!」

道具屋「いらっしゃい!何か必要な物はありますか!冒険のお供から日用品まで全て揃えております!」

カナ「鞄とかある?」

道具屋「もちろん!丈夫がウリの皮の鞄です!沢山入りますよ!」

カナ(そっか、この世界は魔法という概念がないからなんでも入る魔法の鞄みたいな概念無いんだ・・・)

道具屋「もしかして新規の冒険者様ですか?ならなんとこのお店の特別商品!初めてセット!なんと各種類のポーション1本セットと鞄!そして冒険に欠かせない革製の靴や服も合わせて1万ロン!どうでしょう!」

カナ「買う!でもお金ないからまた明日以降でお願いします!!!」

カナは道具屋を後にする。

・・・・・・

カナ「今日も野宿か・・・」

所持金6000ロン
食費460ロン
武器防具一式5000ロン
現在所持金540ロン

カナの冒険はまだまだ始まらない・・・

2025年05月20日

No.169 カナ冒険記その2

カナは自身の世界、【界園】に入る。

するとそこには以前死んだ場所と同じ場所に立っていた。

カナ「はぁ~、まさか死んだ場所からか~、まさか前回夜に獣たちに襲われるとは・・・しかもこの世界!現実世界の私のHP全無視じゃん!なにさ!HP概念あるなら表示くらいしてくれてもいいじゃん!馬鹿!アホ!不良品!!」

カナはその場で地団太を踏む、だがその行動に何も意味はなく、仕方なく世界攻略を始める。

カナ「前回は確か、街を探そうとしてたんだっけ?久しぶりに入ったから目的忘れちった・・・」

カナはとりあえず先に進む、結局水は見つけられずにいた、そのため獣の血を狙うしかないと考えたカナは街を探しながら獲物が現れるのを待つ。

カナ「武器は前回倒したウルフの骨、それが無くても別に倒せるけど・・・血か・・・すっごく生臭いから嫌なんだよなぁ・・・しかも変な菌が移ったらどうしよう、この世界に感染症とかあるのかな、あるよね!普通に!むしろこういう世界だからこそ感染症とは伝染病とかの設定が生きて来るもんね!あ~~あ!やってらんない!」

カナは大声で一人で喋り続ける、気が狂ったわけではなく、こうした方が獲物からカナの方に寄ってくるのだ。

カナの作戦は上手くいきまた野生のウルフがカナを狙う。

カナ「来たね来たね~~!」

カナはウルフの様子を伺う、そしてウルフが襲ってくるとカナは軽くかわし、そのまま回し蹴りをウルフの顔面に食らわせる!

そのまま吹っ飛んだウルフに対してカナは容赦なく頭を踏みつける!そして血が吹き溢れる!
カナはウルフの血液をすくい、飲み干す、マズかった、口の中に残る生暖かく、そして喉に引っかかるねっとりとした感触、中々退かない臭み、やはり不愉快という感情が勝った。

カナ(我慢我慢!生きるために食事をする!世界旅をしてた時にメリアから教わった!あの時は猪だっけ・・・う、あの後お腹壊したの思い出した、原因を出せないからただただ皆で苦しむっている苦行だったな・・・)

カナはそのままウルフを裁き、食事をする、やはり美味しくなかった。

カナ(マズイ、でも薄く切ればまだ食べれる、香草を使えば多少はマシになるし、工夫次第でどうにかなるものなのかな~)

カナは近くにあった香りがある野草を取っていた、それと一緒に肉を焼く事で野草の臭いで肉の臭みを誤魔化し、食べる事にしたのだ。

そしてある程度食事を済ませ先に進む。

・・・・・・

カナ「やった・・・初めての村だーーーー!!!」

カナはやっとの思いで村に到着した、まずは資金調達とこの時のために倒して来たウルフの毛皮を大事に持っていたカナは買い取り屋みたいな建物を探す

カナ「ねえねえ!ここらで獣の皮を買い取ってくれる店知らない?」

村人A「ああ!それならギルドがいいね!ギルドならそれを買い取ってくれるぜ!だけど嬢ちゃん、冒険者か?とてもそんな風には見えねえが・・・」

カナ「ああ!よくある奴ね!私ギルドに加入するために今までギルドの無いへんぴな村で鍛えて来たのさ!だからこうやってウルフも軽くボコボコに出来るってわけ!」

村人A「なるほどな!ウルフを倒せるなら大丈夫だろ!ギルドはあの一番デケェ建物だ!頑張れよ!」

村人Aは軽く手を振り去っていく。

カナ「中々気前のいいおじさんだったね!でもまさにチュートリアル!よくあるパターン!王道!このまま進めば順調に冒険者ライフを過ごし!将来はカルティナが言ってたこの世界を統べる真龍の所まで行ける!・・・かも」

カナはそう言いながらギルドに到着する、そしてギルドの受付で冒険者新規登録手続きを行うために受付嬢に話掛ける。

受付嬢「新規の方ですね!では登録しますのでまずはこちらの書類を記載して貰っていいですか?」

カナ「ねえねえ!職業とかあるの!ジョブってやつ!あとは属性適正とか!レベルは!そういう奴を見られるステータスカードみたいなのないの?」

カナはとりあえずと小説やゲームで培った知識を受付嬢に全てぶつける、だが受付嬢から帰って来た答えはカナの期待に応えることはなかった。

受付嬢「魔法?ジョブ?職業は冒険者ではないのですか?属性とは?武器で戦うのに属性は必要なのですか?ステータス?そんなもの視覚化出来たらどれだけ楽か、夢がありますね・・・」

っと苦笑いされてしまった・・・。

カナ(つまんな!魔法もジョブもないの?!でも武器は自由に選べるっぽいけど・・・こんなんで連載出来ると思ってんの!!普通はステータスをオープンしたら類稀な才能があったりとか!逆に平凡以下だけど何かの条件で爆発的に強くなるとか!そういうファンタジーはないわけ!!)

カナは不貞腐れた、せっかくのファンタジーがことごとく砕かれていく。

・・・・・・
受付が終わり、新規登録を済ませた。

受付嬢「では後はご自由にお仕事を探してください!頑張ってくださいね!」

カナ「待った!まさかギルドランクみたいなのもないの?!」

受付嬢「ランク?冒険者様が自身で取って来た仕事をわざわざ私達で選ぶなんて恐れ多い、私達ギルドからは勿論仕事を紹介しますが、それをやるやらないは冒険者様達が決める事で私達はそれを承諾するのみです」

カナ「なんでそこはリアルと同じなの~~」

受付嬢「まずはキャリアと名声が必要なのは間違いないですけどね!もちろんギルドから毎度仕事を貰うのもいいですが自身で仕事を見つけ顧客を捕まえ独立し!独自のチームを作るのも手ですね!」

カナ「やっぱりあるの!人気のあるチーム!!」

カナは心躍らせる!やはり名声の高いチームがギルド内に居るのは王道!

受付嬢「えっと・・・この街でとりあえず仕事を任せておけば安心と言われるのは【ナリアナグループ】、依頼料は高いですがほぼ難しい依頼も達成するまでこなしてくれる!逃げた事や放棄した事は今までに一度もない!【ジンワークス】、一般価格よりも安く依頼を受けてくれるけど達成率は50%、達成できれば安上がりに済んでラッキー!失敗しても安く済んでるからメンタル的にダメージが少ない!貧乏人の強い味方!【リストアップ!】この3グループですかね」

カナ「そうそう♪そういうの待ってたんだよ~~♪」

カナ(【ナリアナグループ】はよくある企業って感じ、【ジンワークス】は少し高価な弁護士事務所!みたいなイメージかな、【リストアップ!】はなんか地域密着型の小さい企業って感じかな~、私的には【リストアップ!】がお好みかな~)

受付嬢「他にも多くのグループはありますので、どこかに所属したいのであればぜひ自身を上手くアピールする事ですね!独立して自身でグループを立ち上げるならまずは名声を!そしてカナさんにこそ依頼したい!と思ってくださるお客様を沢山見つけることですね!」

カナ「そうだね!色々考えてみる!沢山教えてくれてありがと~~♪」

カナは受付嬢に御礼を言いながらウルフの毛皮を買い取ってくれる買い取りカウンターに向かう、そして毛皮を渡すと100ロンを記載されたカードを手渡される。

買取屋「君お金カードを持って居なかったから特別にあげるよ、そのカードは財布と同じだから絶対に無くしたらダメだぞ!もし心配なら体内にチップを打てば手をかざすだけで会計が全て事済むけど?」

カナ「それは便利だね!じゃあまたその施術をしてくれる店を探すよ!いくらぐらいするの?」

買取屋「無料ですよ!ですがこの街では行っていないのですよ、少し離れた所にここよりも栄えた街【シルムコッド】があるのでそちらに向かって頂けたら」

カナ「【シルムコッド】ね!というかこの村ってなんて名前なの?」

買取屋「【ウェコ村】ですよ!自然豊かで作物がよく育っている村なんですよ!この村から先ほどの【シルムコッド】に食材を提供しています!ぜひゆっくりしていってくださいね!」

・・・・・・
カナはギルドを後にする、先ほど紹介されたグループは全て【シルムコッド】に拠点があるらしい、この村もグループはあるがまったく名声はなく、細々と暮らしているらしい、だがこんな街に居座ってくれる冒険者は珍しく、村の住人は凄くありがたい存在だと思ってくれてるらしい。

カナ「なんかいいよね、お互いが求められている関係って、現実だと中々目に見えないからさ・・・」

カナはそう思いながら宿っぽい店を見つけ、一泊しようと受付に話しかける。

宿屋「一泊1000ロンだよ!」

カナ「・・・・・・」

カナは野宿した・・・。

2025年05月16日

No.168 カロとサン

サン「こうやって対面で会うのは久しぶりかな、カロ、天園でも元気にしてる?」

サンはカロに手を差し伸べる、だがカロはサンの差し伸べた手を受け取らなかった。

カロ「すみません、どうしても貴女に会うと卑屈になってしまいます、皇園から逃げた私、あんな劣悪な世界でずっと【一輝星】であり続けたエリート」

サン「カロは私を買い被りすぎだ、【強化分野】はあまり需要がないのだ、君みたいな【波動分野】みたいに人気な分野とは違う、なにせ一週間の決闘で強化分野は半年同じ相手だったこともある、それだけ後継者が生まれないものなんだよ」

カロ「それはサンが完璧だったからでしょ、サン以上の強化分野に特化した従属を作れなかったからずっと放置されていた、それに比べて私の波動分野は次から次へと新しい子がやって来ては私の席を狙ってきた、それでも最高成績で【四輝星】が限界だった、あれだけ大変なのにサンには届かない、それが皇園の現実だった・・・」

サン「カロ・・・」

カロはそう言うとサンを避けて先に進む。

その光景を傍から見ていたネル。

ネル(こいつら何かしらの因縁があるのか、まったくこれからは同期だというのに、結局万園に選ばれなかった時点で全員が敗者、選ばれればどんな人生を送ろうが勝者、私も万園に来て実感した、私達は万園に認められるレベルの従属になってやっとスタートライン、万園以外の世界でいくら最強と言っても万園の中では最弱、広いと思っていた世界も万園に入ればその常識が覆される、だからあまり深く考える必要はないんだがな)

ネル「とりあえず難しい事は後は、主様の所に向うか♪」

ネルはパトの所に向う、今日は万園に選ばれた3名、ネル、サン、カロの対面式を行うらしい。

・・・・・・
ネルは帝国の玉座の間にやってきていた。

ネル「主様、遅れてスマンな、ミーエルと乳繰り合っていたら遅くなった」

月花「意味わかって言ってるとしたら恐ろしいわね、ネル、百合の花でも咲いちゃった?」

ネル「馬鹿め、冗談に決まっているだろう、正確に言えばただただミーエルを弄んでいただけだ、あいつは帝国で孤立しているからな、私がこうして相手してやらねば寂しくて哀れな天使に成り下がってしまうだろう?」

パト「ちゃんとミーエルにも友達とか仲の良い奴はいるし、結構充実してるよ!まったく!」

パトは玉座の間の隅にあるソファーに寝転がっていた。

ネル「おやおや珍しい、ソルテがよく許してくれたな」

ソルテ「今は休憩中ですからね、ずっと玉座に座っているのが仕事だとしても休憩時間は必要です」

ネル「そうかい、なら私もソファーにお邪魔しようかな」

ネルは空いているソファーに腰を鎮める、そしてソファー周辺で待機している侍女部隊の侍女に「紅茶を」と一言放つ。

ネル「それでまだサンとカロはここに来ていないのか?さっきここに来る前に見かけたんだがな」

月花「まだまだ時間があるからね、ネルくらいよ、こんな早い時間に玉座に足を運ぶのは、普通は恐れ多くて入ってこれないんじゃないかしら」

ネル「私が?馬鹿言うな、どんな立場になろうがこのヘタレで鈍感で脱いだ靴下を裏返したまま洗濯機に入れてしまう系の主様にどうやって恐れろと言うのだ」

ネルはクスクスと笑う、パトはその姿を見て「別に俺だって威厳を出そうとだなんてしてないっつうの」っと不貞腐れる。

ネル「それより主様、家族びいきと所属びいきだが、もっと私達と関わりを増やすんだな、他所の従属が今回こうして私と肩を並べるようになったわけだが、正直あまりいい気はしないんだ、青系統の連中を理解しろとは言わんが、せめてシンでもいいから攻略してくれてもいいんだぞ、やはり姉だからな、妹達の進路を気にしてしまうものなのだ・・・」


ネルは紅茶を口に含み、少し寂しそうに話す、だがパトは容赦なくネルに聞く

パト「その心、パシリが居なくて大変だって言いたいんだね!!」

ネル「よくわかっているじゃないか、シンなら容赦なくパシリに出来る、他の奴らだと頼みにくいのだ、頼んで下手に主様への貢献度を上げてしまえば意味がないからな」

パト「ネル側にも味方を起きたいって話かよ、まったく暴帝なら自分でなんとかしたらいいんだよ」

この話をしているとずっと空気になっていたメルリアが話に入ってくる。

メルリア「パシリとは言ってますがネルも本心で身内が優遇されて欲しいって気持ちはあると思いますよ、ツンデレですからね♪」

メルリアはパトに膝枕をしていた、最近見慣れた光景のため誰もそのことに対してツッコむ事はもうない。

ネル「そもそも一般従属はそもそも候補に入らないというのがシビアなものだな」

パト「確か最低条件が【神羅万象】持ちだからね、それ持って居ないとそもそも万園の従属に選ばれない、だからどの世界も神羅万象持ちの従属を優遇するんだろ?」

ネル「言ってみただけだ、可能性というのは不平等だ、私はその不平等の中チャンスを得て、そして主様と最も相性が良かった、それだけの話だ」

こうしていつも通り世間話をしていると約束の時間になる。

・・・・・・・
サン「皇園出身 強化分野筆頭 【一輝星】サン・ソレイユ、主パト様に呼ばれ参上いたしました!」

カロ「天園出身 王冠第三首席 波動分野局長 カロ・ムーンライト、主パト様に呼ばれ参上致しました。」

ネル「カロは確か元々皇園の従属で波動分野で1位の座を奪われ、奪還を狙うも最終順位は18位まで下がり、天園に転生したという経歴持ちらしいぞ」

パト「おいネル、本人の前であまりべらべらと」

カロ「いえ、隠す事ではありません、むしろ主様に隠し事等恐れ多い事をするなんて・・・」

ネル「サンは皇園では私と同じ立場に居たようだな、常に世界王に続くNo.2、ずっとその席を譲る事もなく絶対的な存在、うんうん」

パト「あまりイジる所がないからってうんうんで終わらせる奴があるかよ」

ネル「んで、こいつらを呼んだ理由は?」

パト「わかってんだろ、今現時点で万園に最も選ばれやすい候補2名、そしてそれは今後俺の成長に最も役立つであろう要素でもある、ネルが【攻撃】ならサンは【強化】、カロは【波動】そしてサンもカロもネルと同じく接点がなくても元々の適正率が高い、現時点であまり接点がないのに70%越え、万園は90%超えたら万園入りの条件を満たす事が可能だ、だがそこから自分が受け入れるか否かで最終の合否が決まる、今のままだと俺は二人がもし適正率を独自で上げたとしても許可は出せない、世帯の知れない奴を万園に入れたくはないからな」

ネル「その通りだな、私も得体の知れない奴を入れるのは反対だ」

パト「そこでだ、ネルの元で二人は定期的に集まって万園に選ばれる心得というかノウハウを学んでほしい、そして出来れば定期的に俺の元に来てほしい、サンやカロの持つ技術や分野のノウハウを教えてほしい、確か俺が二人からノウハウを教えてもらい理解する事で適正率が跳ね上がると聞いたことがある、二人にとっても嫌な話じゃないと思うんだけどな、どうだろう?」

サンとカロはパトの言葉で様子を伺うと思われたが、思いのほかあっさりと返答する。

サン「願ってもない事です、という事は主様から私を定期的に召喚してくださるという認識でよろしいでしょうか?」

パト(確か皇園から従属を出すときはアリシアが凄く苦しむんだよな、かなり気が引けるけど・・・仕方ないか)

パト「ああ、アリシアには承諾を得ている、何か他にもいい案があれば提示してくれるなら助かる、帝国なら常駐契約みたいな特別な契約があったりね」

カロ「天園は営業出張という名目であれば力は出せませんが現実に出る事は可能になります、もちろんリエル様とラル様から許可申請が降りればの話になりますが」

ネル「そこは大丈夫だ、ラルはパトの言う事なら二つ返事、リエルだってストレリチアが絡めば嫌でも頭を縦に頷くだろうさ、そもそもお前達が万園に選出されれば世界王はメリットしかないんだ、応援する事はあれ、拒むなんてありえないだろう、それをするのは零園のユミルくらいだ、あいつは根っからの変わり者だからな」

サン「ならば私も皇園で何かしらの特別処置がないかシリノア様からお聞きしましょう、力を出せないけど召喚は出来るという応急処置なら出来ると思いますし、なにせ従属に特化した世界ですし」

パト「ああ、二人とも頼むよ、ネルからは何か言う事は?」

ネル「別に何もって言いたいところだが、やる気がない奴は評価しない、やる気というのは別に一生懸命教えるとか仕事をするとかそういう話じゃない、お前達のそもそもの使命、主様に尽くすという使命に対して全うするか否か、その話をしている、使命よりもお前らの世界王、専属神を優先するようであれば万園には不適格だ」

ネルはパトの元に歩き、後ろから抱きしめる、そして二人に言い放つ。

ネル「私は身勝手な暴帝だ、常に自由人で命令なんて聞かない、だが、何よりも主様を第一優先にしている、主様のために動く、主様のために尽くす、主様のためならこの手をいくらでも汚す、それだけの覚悟がない奴が万園に来ることを私はお勧めしない、万園はどいつもこいつも主様ファーストだ、主様の二の次に回した時点で万園で死ぬことになるぞ?」

サンとカロはネルの脅しに涼しい顔で聞く。

ネル「まあ、何が言いたいか、まずは自分の上司くらいは黙らせる、もしくは有利な条件になるよう上層部である万園に営業をかけさせてでも自身に有利な条件を作れって事だ。そういう意味でもうちのミールは相当優秀だぞ?なにせストレリチアのお気に入りでもあるからな」

サン「シリノア様にも聞かせてあげたいですね、あの人は皇園の自室から中々出てきませんからね」

カロ「リエル様は遊び過ぎるからもっと世界王らしい仕事をしてほしいですね、羨ましい」

パト(やっぱり思う所があるんだな、ミールはなんだかんだいって仕事は出来るからな、こまめにフォローしてくれるし)

ソルテと月花、メルリアは今回の経緯を見守っていた。

ソルテ(強化と波動、サンは龍でカロは天使、まさにパトさんの種族とも適合している、ネルは神族だし)

月花(本当私の世界ってかなり整っているのね、なんか誇らしいわね)

メルリア(いずれは私の世界からもこうやって旦那様の側近になれるような従属が現れるように頑張りたいですね!)

パト「それじゃあさっそくだけど、親睦会も兼ねてサンとカロについて教えてくれ、もちろん俺の事も知ってもらうためにどんどん話そう!」

こうして親睦会も兼ねてソファーでパト、ネル、サン、カロの4名は互いに自己紹介を兼ねて話を募らせていった。




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2025年04月26日

No.167 万園の住人

ここは万園(オールエデン)、統括している世界王の名はストレリチア・オール・ロイヤル。
そして万園に在籍している世界王の数は現在24名。

最近万園の世界王として選ばれたネルとストレリチアを除く22名の実力は果てしなく、現在メリアの世界王として在籍しているノルンも元々はその1名に入っていた。

これはノルンが万園に居た頃のお話し。

・・・・・・
無命(むめい)、ノルンが生まれた時に名付けられた名前であり、元々は万園出身の世界王だった。

万園には【円卓の王】と呼ばれる世界王の中でも最強の13名だけに与えられた称号があった。

その【円卓の王】の中でも序列が存在し、1位から6位の世界王はどの世界王が生まれても絶対に覆る事がない絶対的な強さを誇る世界王であり、力も唯一無二のものとなっていると聞く。

7位から10位は帝園(ミガドルエデン)のミールと同等クラス、11位から13位なら無名が努力すればなんとか手が届きそうな順位となっている。

つまり万園の世界王でも序列は努力次第で変更は可能であり、場合によっては【円卓の王】に選ばれる事だって夢ではない。

無命、ノルンが生まれた時に与えられた序列は22位中16位、ノルンが【円卓の王】に選ばれるためにはまだ本メンバー以外にも2名の世界王が存在する、そして下も油断ならず、18位までの世界王とは実力が拮抗しており、いつ負けてもおかしくない、そんな世界にノルンは立たされていた。

・・・・・・
無命(この世界は退屈だ、全員が果てしなく強く、戦いを挑んでしまえば永遠と戦いが続くだろう、だがそれは程よく運動がしたい時には本当に相性が悪い、ほぼ無敵の私達にとってただの近接戦でダメージを与える事なんて不可能に近い、故に互いにずっと涼しい顔で相手を殴りあうのは見ていても実際に殴り合っていても全然楽しい物ではない、強さとは虚しいだけだ・・・)

無命は自身に与えられた世界でただ外を眺めていた、
無命の世界は自分の部屋が檻の中あり、外は広大な空が広がっている世界、それはきっと外の世界には自分の想像が出来ない程の楽しい事があるという夢をずっと抱き続けたい、自分はずっと檻の中に居るという再現をしたのだ。

無命「はぁ、退屈、誰かと仲良くする気にもなれないし、円卓共は偉そうだし、関わりたくないんだよなぁ、何か楽しい事ないのかなぁ」

万園の時間は歪である。
例えばそもそも万園が生まれたのはパトが神羅万象支配を持った時だ、パトが神羅万象を持ったのはパトの器が壊れ、メリアがパトの体内に入った時だ、その時に神羅万象は存在した。だがその時であればメルトリア神国でのメリアの結婚式騒動の時にはまだ3年、なのに万園内では存在して既に100年以上の月日が流れていた、それは万園の王、ストレリチアの力が原因である。

ストレリチアが生まれた時、彼女がまず行った事は事実の改変だった。

生まれたのは3年ちょっと、それが事実だ、だが万園という存在ごと数百年前まで飛ばし、そこから万園の世界王達を生み出し続けたのだ。最初はもっと世界王も多く、ネルクラスが1000体以上居るのが当たり前の世界だったと聞いた、だがそれでは世界としては弱いと考えたストレリチアから作られた世界王達が共食いを始めた、実際に食べた訳ではなく勝者が敗者を吸収するという形だった。そして一気に数が減り現在【円卓の王】の1位から6位の6名が残ったと聞く、この6名の強さはあのミールでさえ、【手も足も出ないし、実際に何もやらせてくれない】という次元の強さになる程である。

無命「あまりに強くなりすぎると圧倒するというよりかは、もう何もやさせてもらえないって次元になるんだな~、いや~~興味深い!自分で体現したいとは思わんがね!」

無命は一人で笑って見せる、誰かに見られているわけでもないのに。

話は戻り、残った6名を見た時、ストレリチアは酷く泣いたというストレリチアが作った世界王達に愛情があったのだ、そして同じ過ちを犯さまいと考えたストレリチアが考えたのが時間を掛けて世界王を作り、無差別に倒すのではなく序列制にして切磋琢磨に互いに高め合ってほしいと願い、今の制度になったと聞く、そのため世界王の数は以前に比べると非常に少ないが一人一人の個体は非常に強い。

万園にはランクというものが存在する。
それは万園、万園に属する世界王達の強さを表すランクである。

・・・・・・

EX(EX-~EX+++)
SSS(SSS-~SSS+)
SS(SS-~SS+)
S(S-~S+)
A(A-~A+)
B(B-~B+)
C(C-~C+)
D(D-~D+)
E(E-~E+)

そして【円卓の王】含め万園に関係する世界の世界王達のランク

ストレリチア(EX+++)
序列1位(EX++)
序列2位 祖占(そうらな)(EX++)
序列3位(EX+)
序列4位(EX)
序列5位 惺紡(せいほう)(EX)
序列6位 神籟(しんらい)(EX)
----
序列7位 仙厳(せんげん)(SSS+)
序列8位 玲瓏(えいろう)(SSS+)
序列9位 怜悧(れいり)(SSS+)
序列10位 媛命(えんめい)(SSS)
序列11位(SSS)
序列12位(SSS-)
序列13位(SSS-)
----
序列14位(SSS-)
序列15位(SSS-)
序列16位 無命(むめい)ノルン・ノーネーム(SSS-)
序列17位 慧海(けいかい)(SSS-)
序列18位 王牙(おうが)(SSS-)
序列19位 揺籠(ゆりかご)(SS+)
序列20位(SS+)
序列21位(SS+)
序列22位(SS+)
---
序列23位 帝国出身 赫権(かくけん)ネル・ハート(A)


帝園王 ミール(SSS)
零園王 ユミル(SS+)
皇園王 シリノア(S+)
天園王 リエル(S+)
界園王 カルティナ(S)
獄園王 ノルン(A+)←無命 獄園世界王状態
楽園王 リフォン・レフォン(A+) リフォン(B) レフォン(A)
想園王 ソラリア(B~A+)
虚園王 ティノール(B-)
聖園王 エクレシア・ヨハネ(B-) エクレシア(B) ヨハネ(B-)

星園王 フ―テリ(S+)
奉園王 クリアーラ(A)
奪園王 ヘレルノ(B)
豊園王 エウリア(C+)
龑園王 ミカエミ(B+)

帝園世界王未覚醒
帝園 第零園 (C)(月花の本来の世界王)覚醒済み
帝園 第一園 エステル(E)
帝園 第二園 (S+)
帝園 第三園 フェア(B-)
帝園 第四園 ティエル(B-)
帝園 第五園 ミール(SSS)覚醒済み
帝園 第六園 リル(E-)
帝園 第七園 フラ(B-)
帝園 第八園 (C-)
帝園 第九園 (D+)
帝園 第十園 (D+)
帝園 第十一園 (D+)
帝園 第十二園 (D)

・・・・・・
無命はため息をついていた、だがそこでストレリチアから使命が与えられたのだ。

ストレリチア「無命、貴女はメリア・メルトリアの世界王としてメリアを管理しなさい、メリアの世界王はなにせ身勝手で我儘です、私の言う事を全然聞きませんし、野心が強いです、メリアに忠実なには良いですが、パトに忠実になるかどうかは・・・不安です、なので私が完全に封印しますので、貴女がメリアの世界王として使命を果たして頂ければ・・・どうでしょう?」

無命はこれは二度とないチャンスだと考えた、出世欲もない、ただ日常に刺激が欲しい無命にとって誰の世界王になろうが、それによって弱体化しようが、結果的に不便で刺激的な日常を送れるのであればそれ以上に魅力的な事はなかった。

無命「仕方ないなぁ~~、じゃあやっちゃおうかな~~♪」

こうして無命は自分の檻から抜け出し、広大な大空に足を踏み出した。

無命からノルン・ノーネーム、そしてノルン・プリズンと名前を変えて。

そして彼女は獄園という世界で活動を始め、手始めに現実世界に足を運ぶのだった。

2025年03月16日

No.166 援泉に入ってみよう!!※R18

琴歌は自身の歌姫の力を上げるために想園に来ていた。

琴歌「とうとう来てしまいましたか・・・」ゴクリ

琴歌は援泉の前に立っていた、以前ソラリアからはこの泉に入れば状態強化系の力を上げる【援歌】を強化する事が出来ると聞いていた、だがその熟練度を上げるためには泉の中に入って強制的に欲情状態になるため、それを発散する必要があるのだ。

琴歌(調べました、あまりにも気持ちいい体験は脳を壊す恐れがある、依存状態に入りやすいと、この泉は今後私の脳を壊して快楽漬けにしてしまう恐れがある・・・そして多分、今はまだ理性があるから良い所で辞めようって考える事が出来る、けどいざ入るとそのセーブが効かなくなるかもしれない、怖い・・・)

だが琴歌は足手まといで居たくないと考えていた、そして皆に置いて行かれたくと、メリアからは専属神内序列4位というあのラル達を上回る序列を与えられた、その期待に応えたいと、琴歌は強い思いを持って泉に入る覚悟を決める。

・・・・・・
まずは服を脱ぐ、そして裸になった、ここは温泉移設ではないのでタオルや身体を洗う石鹸等があるわけではなく、ただ泉がある。

琴歌「裸で入って、出て、そして身体が乾くまでが修行の一環だとソラリアさんは言ってましたね、だからタオル等で拭いても泉の水は吸収しないから意味がないと・・・最初から最後まで厄介ですね」

琴歌は頭の中で不満を抱えながらも泉の中に入る。

琴歌(凄くいい湯ですね、長く入っていられそうなほど温度が丁度良い・・・)

琴歌は想像以上に入り心地の良い泉にリラックスをしてしまう、だが今だに性欲が高まるような効能は出て来ていない

琴歌(すぐに効果は発揮しないのでしょうかね・・・そもそも発情している状態っていざ言われるとどういう状態なのかわかりませんね、もしかすると私の考え過ぎだったのかも・・・)

琴歌は数十分ほど入って何も起こらなかったため、拍子抜けと言わんばかりにその場を去ろうとしていた、【欲情してその性欲を高め、発散する、その感度の波の振れ幅が大きい程熟練度が上がる】という話だったため、欲情しないのであれば長湯しても効果を得られないと考えたからだ」

琴歌が泉から立ち上がった時、琴歌の股からはあり得ない程の液体が出ていた、琴歌はそれに気付き、恥ずかしくなってその場で再度しゃがみこんでしまう。

琴歌(え?!なに?!なんでこんなに濡れてるの?今まで全然気付かなかった、え?なんで?)

琴歌は気が動転した、確認のために自身の股間に触れる、すると脳に電撃が走る、身体全体が震える、そして一気に性欲が琴歌の脳を満たし、身体がそれに反応するように感度を増す。

琴歌(一気に・・・これマズいかも、ムラムラするだけじゃなくて・・・感度も上がってる、これだとすぐに・・・)

琴歌は咄嗟に股間に伸ばした手を胸元まで戻し、自身を抱きかかえるようにしたため、琴歌の腕が自身の胸にある突起物を刺激する。

琴歌はそれも振り払い、両腕は胸から逃がしたが、咄嗟に足と身体を動かしたため、水の流れが琴歌の股間を優しく撫でるように刺激する、次はその刺激に耐え切れずに泉の中で股間を抑えるように伏せてしまう

琴歌(感度が・・・このままだと本当にマズイ、この気持ちよさを覚えちゃダメ!!身体がこの快楽を覚えちゃう!!)

琴歌は泉から出ようとする、快楽に身を委ねるのがあまりにも怖かった、だが激しく動けば股間に刺激が走る、その度に股間を手で抑えようとする、だがその行動が琴歌にとって過ちとなる。

琴歌が咄嗟に抑えようとした手は確かに自身の股間を隠した、だが中指が自身のワレメの奥に触れてしまった、その刺激が、自分自身で与えてしまった刺激が琴歌の理性を少し飛ばし、そのまま奥へ指の侵入を許してしまう。

琴歌「あ・・・あ・・・あ・・・」

琴歌は耐えきれない快楽にその場で足を止めてしまう、既に泉の淵までたどり着いていた、後は泉から上がれば済む所まで来たが、琴歌が作った快楽から逃げる事が出来なかった。

琴歌は自身の指で自身の中を乱暴に弄る、それはまるでパトと一夜を過ごしているのを想像するように、ただ自分が気持ちよくなるだけの快楽ではなく、不規則に乱暴に動かす事で長い間快楽に身を委ねられるようにと。

琴歌「ああ、ダメ、もう止まらない・・・」

琴歌(一度だけ、そう一度だけ発散してしまえば!その時にこの泉から上がれば!!!)

琴歌は一度果ててしまえばいいと快楽の誘惑に負ける、そうなればもう我慢はしない、自身の空いている手を意図的に自身の胸に手を伸ばし、刺激を与える、我慢しなくていい、一度快楽に身を委ねればいい、そう考えた琴歌はどうせならと泉の中にしっかり身体を浸からせてしまう、そして最も快楽を得られやすい体勢でそのまま自身を慰める、泉の身を包み込んでくれるような温度が琴歌を優しく包み込み、そして快楽を促進する。

琴歌(もう・・・イきたい)

琴歌はそのまま一度そう考えるとそのまま果ててしまった。
その時に入った快楽は今までの自慰の中でもダントツだった、だが泉の効果で興奮させられていたため、どこか物足りなさがあった。

琴歌(よ、よし・・・今なら泉から出る事ができ・・・)

琴歌がイって身体がボーっとしているにも関わらず泉から抜け出そうとする、片足の膝が地に付いた時、琴歌の眼からパトの視界共有を発動してしまう。それは琴歌にとって間違ってリモコンが身体の何処かに当たり、勝手にテレビがついてしまった程度のアクシデントだった、だが琴歌が見た光景がマズかった。

琴歌(!!!!!!!!!?????)

琴歌が見た物とはパト視点で現在営んでいるメリアの姿だった。
声は聞こえない、見えるだけだ、だが今琴歌の見た光景は声は聞こえなくとも脳内で補完されるほどメリアの顔は蕩け、パトによって快楽を与えられている裸のメリアの姿だった、琴歌の前では絶対に見せる事のないメリアのあられもない姿、琴歌はそれが視界に入ってしまったため、地に膝がついていたのだが、そのまま泉に身体を戻してしまう。

琴歌(こんなに激しく、そしてこんなにも気持ちよさそうに・・・パト君、今君は私じゃなくてメリアちゃんを抱いているんだね、私じゃなくて他の子と繋がっているんだね・・・凄く寂しいよ、凄く嫉妬しちゃうます・・・)

琴歌は一瞬で興奮が戻り、快楽に身を委ねる、先ほどまで自身の奥に入れていた指をもう一本増やす、疑似的でもパトを感じていたいからだ、視界に入るメリアの体勢を真似して今こうやってパト君と繋がっていると実演しながら自慰を営む・・・

それから数十分後・・・

・・・・・・
琴歌は泉からなんとか出ていた、琴歌の視界から見えるメリアとパトの営みも終えていた。
琴歌はまだ乾ききっていない泉の水を乾くのを待つ、股間は何度もいじったため、ジンジンと痛みがあった。

琴歌(まだ胸の鼓動が・・・もう身体が動きませんが、もしまた触れてしまうときっとまた始めてしまう・・・私ってこんなにもいやらしい子だったのでしょうか・・・)

琴歌は自分を責める、そしてそのタイミングでソラリアが現実世界から帰って来る。

ソラリア「姫、どうでしたか?」

琴歌「もう二度と入りたくありません、こんな泉・・・」

ソラリア「そうですか、気に入ってくれて何よりです♪」

ソラリアはそう言いながら琴歌の泉の水とは違う濡れ方をしている股間を見て笑顔になる、それに気付いた琴歌はそれを隠すように仰向けから横向きになる。

ソラリア「安心してください、この泉には美容効果はもちろん、傷を治す効果も含めています、今回の事で身体は傷つく事もありませんし、姫の大事な所を痛める事もありません、清らかな見た目のままですよ、遊び過ぎて黒ずんだとか言われたら私は責任取れませんしね」

琴歌「下品ですよ、ソラリアさん、まさか酔ってます?」

ソラリア「それはもちろん♪それでは私も折角ですし泉を堪能しましょう♪」

ソラリアはそのまま服を脱ぎ、援泉に入ってしまった。
琴歌はソラリアの行動に驚きながら見てしまう。

ソラリア「あ~~~気持ちいですね~~♪もう私自身の力で欲情する事が出来ませんからね、この世界の私は20代の頃の私を使っていますが、精神年齢は何千万歳以上ですからね~、もう欲情する方が難しくて難しくて・・・」

琴歌「ソラリアさんは欲情しないのですか?」

ソラリア「してますよ?今もムズムズしてます、ですがもう慣れました、恐らく姫と同じくらいには発情してますよ、ですがその程度です、性欲発散したとしても私の身体はそこまで快楽を得られません、少し気が晴れる程度です、例えば・・・」

ソラリアは笑顔のまま琴歌の視線から見えないが自身の股間を弄る、そしてものの一瞬で達してしまう、だがソラリアは達したとしても顔を赤らめる事もなければ艶めかしい声を出す事もない、まるで爪を切るかのような仕草で終わった、琴歌はそのあまりにも自然過ぎる動きで本当に目の前で致したのかすらわからなかった。

ソラリア「まあ、この程度ですね、私にとってはこの程度なのですよ、だから姫がそこまで放心状態になる程性欲を満たせてる事が羨ましいです、私も出来る事なら精神年齢も記憶も全て20代の頃に戻れば・・・姫のように乙女な反応が出来たのでしょうね」

琴歌「ソラリアさんは今まで何人の殿方と身体を交えたのですか?」

ソラリア「そうですね、私が初めて身体を交えたのが5000歳くらいの頃だったかしら・・・もちろん一人ですよ、穢れがありましたからね、私の殿方も私一人としか交わる事はありませんでしたね、神界では珍しい方でしたよ、姫にとっての先祖に当たる方になると思いますが、そこで息子が生まれ、息子は何千人という女神に子を宿し、その子がまた多くの女神と交わり子が生まれ・・・そうやってローレロットの遺伝子が継がれていったのですね・・・特別ではないんです、ローレロット一族というか私の遺伝子を持つ子は・・・歌が上手い人、歌で人を魅了出来る人が私の遺伝子が強い、実は今ある全世界の80%の神や生物の始まりは私なんですよ♪」

琴歌「・・・凄い話ですね・・・」

ソラリア「もう私の殿方の記憶は思い出せません、私が知っているのはまるで私のようで私ではない私の記録、私がローレロットの名を万園に取り込まれる時に捨て、ウトピア・ファウンダーに名前を変えた時に新たなソラリアが生まれたのです、ローレロットのソラリアはまた歌姫適正100%の子を求めて現実世界で彷徨っていると思います。」

今のソラリアは琴歌が元々持って居た世界王とは似て非なる存在、それは万園にとってソラリアは取り込むには厄介過ぎる存在だったため、ソラリアを捨て万園産ソラリアを琴歌の中に取り込ませる事で万園は琴歌の世界を支配したのだ。

ソラリア「だから私は身体年齢は20代前半、記憶は姫が生まれた時から今に至るまで、記録として以前のソラリアの記録があり、そのため精神年齢だけが異様に高いという状態なのです、きっと万園は時と場合でこの身体を殿、この場合パト様に捧げろと言いたいのでしょうね、姫と共に・・・」

琴歌「ソラリアさん・・・」

ソラリア「ですがご安心ください、私は殿を尊敬はしていても好みではありません、だから身体を許すことはないでしょう、それに発情も出来ないこの身体で殿を喜ばせる事は不可能です、それに私は姫とも致す事は出来ません、女性同士キスとか・・・出来ません出来ません!!」

ソラリアは想像する素振りをしては顔を横に振って拒絶する。

ソラリア「私には特殊性癖はありませんので、ぜひ二人で堪能してください」

そう言いながらソラリアは援泉を堪能していた、たまに溜まった水を抜くかのような感覚で自身の股間を弄り、さらっと性欲を発散させながら。

琴歌はそんなソラリアを見て・・・「私もあれくらい同様せずに性欲を発散しながら泉に入れたらなぁ・・・」とやっと半分乾いた身体とそれと同時に股部分のヌルヌルした感覚を感じながら呆けながら再度仰向けになり、空を眺めていた。




No.165 ソラリアと琴歌の歌姫

琴歌は歌姫の力を扱う特訓を続ける。

琴歌「目の力は歌姫の力に影響されない・・・ここ大事な所ですね」

ソラリア「それは姫の力であって歌姫の力ではありませんからね」

琴歌は次に杖を構える。
そして自身が思い描いた攻撃を放つ、目の前の的は木っ端微塵に砕け散る。

ソラリア「今の攻撃で15%歌姫の力が蓄えられました、まだまだ表現体現力が足りませんね」

琴歌「歌姫の力が上がりにくい方が良いんですか?逆に上がりやすい方が良いんですか?」

ソラリア「早く覚醒したいなら上げない方がいいですね、ですが一度覚醒して覚醒が解けた場合、反動で能力が使えなくなる、それはつまり戦いに離脱しないといけないという事です」

琴歌「逆に長く戦えるようにすれば歌姫の力を沢山扱わないと覚醒はしない、だから格上相手に挑みたくても中々戦況が変わらないと・・・どうなんでしょうか、私が歌姫を鍛えたとしてもそれはメリットなのでしょうか?」

ソラリア「間違いなくメリットですよ、なにせ姫は沢山の歌姫の力を長い間扱えますから、歌姫はオーラを必要としない分、他の人とは全然戦い方が異なります、歌姫という力だけで姫は戦わないといけない、そうなれば相当に苦労すると思いますよ」

琴歌「そうですね、それで歌姫を強化するために想園の泉に入る必要性があるんですよね」

ソラリア「はい、各泉には表現力を上げる効果を持って居ます、例えば第一区の援泉は【援歌】分野の熟練度を上げる効果があります、【援歌】とはバフ効果を持つ能力を扱う際に発揮される力ですね、ですが泉に入っている間は欲情して、凄くムラムラしちゃうと思います、というより恐らく沢山自慰行為を強制させられます、そして高まった感度を発散して落ち着かせる、その波の振れ幅で熟練度が上がりますからね、出る時は多分凄く股間がヒリヒリしているかもしれませんね~」

琴歌「なんでそんな訳の分からない効果がつくんですか・・・」はぁ・・・

琴歌はため息をついた、琴歌としては味方に状態強化をしてあげたい気持ちは強い、だがそのために泉に入って誰もいないとはいえ、一人でずっと泉の中で発情しないとならないのは屈辱的だった。

ソラリア「味方への状態強化が嫌なら戦闘で活躍するための【闘歌】、味方や自身を癒すなら【癒歌】、相手に状態異常を付与したいなら【暗歌】、自身や味方を護りたいなら【護歌】、特性強化や特性付与を一時的に行い戦いを有利に運びたいなら【勇歌】、オーラ回復やオーラを作ったりして運用したいなら【魂歌】、呪いで相手をずっと不幸に陥れたいなら【呪歌】、まだまだ沢山あります!どの分野を鍛えてもいいんですよ!姫!」

琴歌「再確認ですが、それらの分野を鍛えると強化されるのと、歌姫ゲージを上げにくくする効果があるという認識でいいですね?」

ソラリア「はい!その認識で問題ありません!例えば最初におっしゃった【援歌】、今使うと【援歌熟練度】が0%の場合、歌姫ゲージが20%も上昇して、強化も60%ほどだとします、ですが【援歌熟練度】が50%の場合、歌姫ゲージは約12%上昇、強化もまあ85%くらいですかね、ゲームのスキル強化みたいなものです」

琴歌は考える、頭を悩ませる、それはどの泉も癖が強すぎるからだ、泉によっては熟練度を上げやすい泉が存在する、第一区の【援泉】もただ欲情するだけのため簡単、第三区の【癒泉】粘着湯適温、つまりはただのローション水のため、むしろ美容効果も高いため簡単、しかも優しい気持ちを維持し続ければいいだけという琴歌にとって最も適した力だと言える。

琴歌「第二区と第四区と第五区と第八区、【闘歌】【暗歌】【護歌】【呪歌】、戦闘で最も使いたい分野は全部不可能レベルで難しいのはなんの嫌がらせですか・・・」

ソラリアは琴歌の嫌味を含んだ言葉に笑顔で返す。

ソラリア「争いに興じる力なのに良い気持ちになってどうするのですか?攻撃するのですから苦しむ事をもっと理解しないといけない、もちろん勝つためにも闘争心を高めないといけない、状態異常もですし、護るのも苦しみを全て自分が請け負うイメージが必要です、呪歌なんて相手を呪うのですよ、悪意に満ちてないと出来る訳ないじゃないですか」

琴歌は何も言い返せなかった、だがはっきりとした、「自分の歌姫は戦う力ではなく、味方に力を与える分野で力を強く発揮出来る」と

ソラリア「まずはそれでいいですよ、姫が前線に出て戦うのは最終手段です、歌姫は前線で戦うものではなく、戦場の流れを歌で支配する、戦う力はそれらを護るためにあるのだと、理解してください、だからこそ戦闘面の熟練度向上は非常に難易度が高いのですから」

琴歌はうなずく、ソラリアは納得した琴歌を見て満足そうに答える。

ソラリア「一人で寂しいなら殿を連れて来るといいですよ、最近ご無沙汰なら殿と一緒に援泉に入ってはどうでしょう?夫婦仲も円満になって熟練度も性欲も満たされて一石三鳥くらいはありますよ」

琴歌は顔を真っ赤にしながらソラリアの肩をポンポンと叩く。

ソラリア「ふふふ、私は姫の次の世代、次はいったい何年後に現れるかわからない歌姫適正100%持ちの次世代の歌姫のために、姫はしっかり子孫を残してくださいね♪」

ソラリアは想園で琴歌の力の説明を終えるとそのまま現実世界に出て行ってしまった、琴歌は援泉に入ると思っての事だった。

琴歌「・・・はぁ」