2023年08月30日
No.119 不愉快極まりない時間
月花が精神的に落ち込み、部署異動が決まってすぐの話。
月花はパト達のおかげで環境が変わった、だがパトにも言われたが現場の問題は解決したが、月花自身の問題は解決してはいなかった。
月花(パトやメリアちゃんが動いてくれたおかげで、技術開発部隊の異動が決まった、次からは新しい部隊と環境・・・)
月花にとっては問題ない、だがミーエルによって直された心でも全てが治るわけではないのだ。
月花(また仕事を沢山押し付けられたらどうしよう、今の私が次の仕事をこなせるのかしら?)
月花は不安だった。
周りから見れば月花は被害者かもしれない、だが月花自身はそう捉えては居なかった。
月花(自分がもっとうまく出来ていればよかったのかな、もう少し強きで断ればよかったのかな、私は出来ると思って頑張り続けたのが間違いだったのかな・・・)
月花は一人の時間、ずっと自問自答を続ける、それは1時間という時間が一瞬で過ぎていくような感覚、周りの優しい言葉が月花にとってプレッシャーであり、嬉しい言葉なのにどこか苦しい、そんな環境の中月花は与えられた時間の中考える。
・・・・・・
月花は答えの出ない思考を辞め、一度街へ出た、それはセキに進められたものだった。
セキ「久しく街を見たが随分変わったのう、娯楽の店が増えた、居心地が良くなってきたのう」
セキは月花に話しかけてくれる、だが月花にとって今、この場で街を歩いているのが強い罪悪感だった、焦燥感と言ってもいい、【他の皆は自分達の役割を全うしているのになんで私は今何もせずに街の中に居るのだろう】そんな気持ちでいっぱいになる
セキ「月花よ、考え過ぎるのは良くないのじゃ、今の月花は休養中、与えられた休みなのじゃ、その権利を使っているのじゃから問題ないじゃろ?」
セキは月花の考えを見抜いたように話す、だが月花の心は晴れない、どうしても自分という人間への自己肯定力がない、今まで自信に満ち溢れていた自分が嘘のように、今はただその場に立っていた、そうただ立っていた。
月花「そうね、今は休養中、しっかり休みましょう!」
月花はセキに心配させまいと精一杯の笑顔で答える、だがそれは笑えていたかどうかは月花にも分からない、正直笑えてなかったかもしれない。
月花(知識として知っていた、鬱状態の人に頑張れと言ってはいけない・・・その通りだと今ならわかる、頑張った結果こうなった、その上頑張れと言われ、何を頑張ればいいのかわからない、そもそも今私は凄く頑張ってる、なんとか皆と同じ所に戻ろうと頑張ってる、常にギリギリ、少しでもネガティブになると胸に大きな穴を空けたいと思う程、死にたいと考える、物理的な痛みでこの心の苦しみがどうにかなるのなら・・・そう過ってしまう、いや、実際その感情が暴走して私は・・・)
月花はまた考えてしまう、気にしないようにしても少しのワードでそのトリガーは引かれてしまう、そして結果的に同じ思考に辿り着く。
セキ(月花・・・)
笑えていない月花の表情が歩く度に暗くなっていく、温泉旅行、パトとの誓い、それは月花にとって救われた言葉だった。だがそれは同じように重荷になってしまっていた。
【皆のために早く復帰しないと】
セキ(焦るでない、月花よ、今求めるのはそこじゃないんじゃ)
・・・・・・
帝国の街に出来た喫茶店、そこで時間を過ごす二人
月花「美味しい・・・」
セキ「おしゃれな味じゃのう、わしには合わんな」
月花は少し真顔のまま、水滴のついたグラスの中身をストローで混ぜる。
セキ「月花よ、どの言葉を選んでもお主にとって重荷になるじゃろう、じゃからわしから言えるのはわしやパトがお主を守っている、とことん甘えるのじゃ、そういえば【でも、それだと皆に】って思考になるのじゃろう、じゃが仕方ない事じゃ、早く治そうと思っても傷は治らん、むしろ無理して復帰しても悪化するのじゃ、月花は辛いという気持ちをずっと抑えて、心の傷があったにも関わらずその場その場でどうにかしてきたから今こうやって限界が来たのじゃ、つまり無理をするのは結果的に悪い結果を生む、ならば今は何もしない、考えの整理がつくまで時間いっぱい休むのが良いとは思わんか?どうせ頑張っておるのなら、その頑張りをもっと月花本人を甘やかせるほうに頑張ってみんか?」
月花「・・・頭では理解してるの、私だって色んな子を見て来た、分かった気で接してきた、あの時の自分が恥ずかしい、人が弱っている時、それは自分が悲劇のヒロインの時もあれば私みたいに【懺悔】に近い感情で生活している人も居たんだって・・・」
月花は語る
月花「私は別に被害者とかどうでもいいの、ただ申し訳ないという気持ちで今はいっぱいいっぱい、だから正直言うと専属神の子、技術開発部隊の子達とは顔も合わせられない、でもそれは私に非があると考えてるからそう考える、私ね、案外自分の状況を客観視出来るの、だから思う、気持ちが沈んでいる時、それはどうして私は周りの子と違って問題を切り抜ける力がないんだろうって、世の中の人や神は今の私以上にプレッシャーの掛かる仕事、決断を日々行っている、ひとつの判断ミスで死ぬ世界に居る人だっている、なのに私はなんでこう弱いんだろう、これくらいの事でって考えてしまうの、環境が良かったから私はこうやって生きている、だけどそんな環境じゃなければ?誰も私を救ってくれずに死んでた、考えがまとまらないわね・・・でも言いたい事は弱い自分、それに対して迷惑を掛けている自分が嫌で嫌で凄く辛いの、それが今の私の感情・・・なのかな・・・」
セキは月花の言葉を黙って聞いていた、恐らく同じ話を数回聞いた、だがこの数回話す事で月花が考えが変わって居ないか、セキはそこを聞いていた
セキ(まだ月花の考えはまとまっておらんのう、じゃがまだそれは仕方ないことじゃ、ゆっくりと休ませるしかないのう)
月花とセキはひと時を過ごすと部屋に戻った。
・・・・・・
セキ「月花よ、今日はパト坊と会うのかのう?」
月花「いいえ、今日も断っておいたわ、パトは私に優しすぎる、それが辛いの」
月花は力のこもっていない笑顔で答える、それは月花の本心だった。
月花「もちろん普通に接して来られても辛いし、厳しいなんてもってのほかだけどね!つまり今の私は凄く面倒臭い女の子なのです!!」
月花は自虐を混ぜながらセキに心配させまいと陽気にふるまう。
セキ「月花がそう思うのなら良いではないか、わしは最近ハマった編み物をしておるから月花も好きに過ごすといいのじゃ」
セキはそう言いながら月花のベットの横に置いてある椅子に座り、最近始めた編み物を始める。
月花はベッドに倒れ込み、パトから借りたゲームをする。
セキ(月花は以前からそうじゃったが、今も全然眠れておらん、聞いたら【誰かが来ると思うと怖い】【皆が働いている時に眠ると罪悪感で死にたくなる】【明日の事を考えると不安で眠れない】と朝昼晩と理由が異なっておった、つまり時間ごとに考える不安は異なり、その各不安が募り眠れない状態が続いておるって事じゃ、元々重症だったのは知っておるがこれは時間がかかるのう・・・)
ミーエルが直したのはあくまで精神安定剤のような治療、一時的に心を落ち着かせるだけの治療、つまり、こころの病自体はミーエルでも完治は出来ないのだ。
セキ(以前パト坊が言って居ったな、【わし達は死んでも生き返る、じゃが心はそうじゃない、心は一度死ぬと生き返らない、だから死を軽くみるなと】、自分自身が一度精神が壊れた事もあれば、自分自身の不甲斐なさで全てを投げ出そうとした経験があるパト坊は誰よりも心を大切にする・・・じゃから優しすぎるのじゃろう)
こころの傷は治らない、トラウマのように何年経ってもずっと引きずるもの、
心の傷への痛みに耐えられない人間は多く存在する、それ故に犯罪に手を染める人も居れば、
命を投げ出す者、これ以上傷を広げまいと自衛のために引きこもる人も居る。
それほど心というものは人の身体の健康を左右する重要な存在である。
身体は健康でも心が重症だと体調を崩したり、思考は普通なのに涙が出たりする。
だが生きていく以上はストレスを抱え、心に傷を負いながら進む、寿命というゴールまで進むために。
セキ(わらわも1000年は生きた、じゃから言える・・・長寿はゴールが存在せん、じゃからこそ苦悩をずっと抱えて生きていかねばならん・・・それは・・・死んで地獄に落ちるよりも苦しいものかもしれんのう・・・)
セキは不眠と疲れで気を失ったように眠っている月花の髪を優しく撫でながら短い独り言を呟いた。
セキ「今は眠るのじゃ、心は治らんが傷みに慣れる、そうなれば少しは楽になるのじゃ、それまでの間は・・・眠るのじゃ」
そして月花の不愉快極まりない時間から一時的に逃れた月花は安らとは程遠い睡眠につく。
月花はパト達のおかげで環境が変わった、だがパトにも言われたが現場の問題は解決したが、月花自身の問題は解決してはいなかった。
月花(パトやメリアちゃんが動いてくれたおかげで、技術開発部隊の異動が決まった、次からは新しい部隊と環境・・・)
月花にとっては問題ない、だがミーエルによって直された心でも全てが治るわけではないのだ。
月花(また仕事を沢山押し付けられたらどうしよう、今の私が次の仕事をこなせるのかしら?)
月花は不安だった。
周りから見れば月花は被害者かもしれない、だが月花自身はそう捉えては居なかった。
月花(自分がもっとうまく出来ていればよかったのかな、もう少し強きで断ればよかったのかな、私は出来ると思って頑張り続けたのが間違いだったのかな・・・)
月花は一人の時間、ずっと自問自答を続ける、それは1時間という時間が一瞬で過ぎていくような感覚、周りの優しい言葉が月花にとってプレッシャーであり、嬉しい言葉なのにどこか苦しい、そんな環境の中月花は与えられた時間の中考える。
・・・・・・
月花は答えの出ない思考を辞め、一度街へ出た、それはセキに進められたものだった。
セキ「久しく街を見たが随分変わったのう、娯楽の店が増えた、居心地が良くなってきたのう」
セキは月花に話しかけてくれる、だが月花にとって今、この場で街を歩いているのが強い罪悪感だった、焦燥感と言ってもいい、【他の皆は自分達の役割を全うしているのになんで私は今何もせずに街の中に居るのだろう】そんな気持ちでいっぱいになる
セキ「月花よ、考え過ぎるのは良くないのじゃ、今の月花は休養中、与えられた休みなのじゃ、その権利を使っているのじゃから問題ないじゃろ?」
セキは月花の考えを見抜いたように話す、だが月花の心は晴れない、どうしても自分という人間への自己肯定力がない、今まで自信に満ち溢れていた自分が嘘のように、今はただその場に立っていた、そうただ立っていた。
月花「そうね、今は休養中、しっかり休みましょう!」
月花はセキに心配させまいと精一杯の笑顔で答える、だがそれは笑えていたかどうかは月花にも分からない、正直笑えてなかったかもしれない。
月花(知識として知っていた、鬱状態の人に頑張れと言ってはいけない・・・その通りだと今ならわかる、頑張った結果こうなった、その上頑張れと言われ、何を頑張ればいいのかわからない、そもそも今私は凄く頑張ってる、なんとか皆と同じ所に戻ろうと頑張ってる、常にギリギリ、少しでもネガティブになると胸に大きな穴を空けたいと思う程、死にたいと考える、物理的な痛みでこの心の苦しみがどうにかなるのなら・・・そう過ってしまう、いや、実際その感情が暴走して私は・・・)
月花はまた考えてしまう、気にしないようにしても少しのワードでそのトリガーは引かれてしまう、そして結果的に同じ思考に辿り着く。
セキ(月花・・・)
笑えていない月花の表情が歩く度に暗くなっていく、温泉旅行、パトとの誓い、それは月花にとって救われた言葉だった。だがそれは同じように重荷になってしまっていた。
【皆のために早く復帰しないと】
セキ(焦るでない、月花よ、今求めるのはそこじゃないんじゃ)
・・・・・・
帝国の街に出来た喫茶店、そこで時間を過ごす二人
月花「美味しい・・・」
セキ「おしゃれな味じゃのう、わしには合わんな」
月花は少し真顔のまま、水滴のついたグラスの中身をストローで混ぜる。
セキ「月花よ、どの言葉を選んでもお主にとって重荷になるじゃろう、じゃからわしから言えるのはわしやパトがお主を守っている、とことん甘えるのじゃ、そういえば【でも、それだと皆に】って思考になるのじゃろう、じゃが仕方ない事じゃ、早く治そうと思っても傷は治らん、むしろ無理して復帰しても悪化するのじゃ、月花は辛いという気持ちをずっと抑えて、心の傷があったにも関わらずその場その場でどうにかしてきたから今こうやって限界が来たのじゃ、つまり無理をするのは結果的に悪い結果を生む、ならば今は何もしない、考えの整理がつくまで時間いっぱい休むのが良いとは思わんか?どうせ頑張っておるのなら、その頑張りをもっと月花本人を甘やかせるほうに頑張ってみんか?」
月花「・・・頭では理解してるの、私だって色んな子を見て来た、分かった気で接してきた、あの時の自分が恥ずかしい、人が弱っている時、それは自分が悲劇のヒロインの時もあれば私みたいに【懺悔】に近い感情で生活している人も居たんだって・・・」
月花は語る
月花「私は別に被害者とかどうでもいいの、ただ申し訳ないという気持ちで今はいっぱいいっぱい、だから正直言うと専属神の子、技術開発部隊の子達とは顔も合わせられない、でもそれは私に非があると考えてるからそう考える、私ね、案外自分の状況を客観視出来るの、だから思う、気持ちが沈んでいる時、それはどうして私は周りの子と違って問題を切り抜ける力がないんだろうって、世の中の人や神は今の私以上にプレッシャーの掛かる仕事、決断を日々行っている、ひとつの判断ミスで死ぬ世界に居る人だっている、なのに私はなんでこう弱いんだろう、これくらいの事でって考えてしまうの、環境が良かったから私はこうやって生きている、だけどそんな環境じゃなければ?誰も私を救ってくれずに死んでた、考えがまとまらないわね・・・でも言いたい事は弱い自分、それに対して迷惑を掛けている自分が嫌で嫌で凄く辛いの、それが今の私の感情・・・なのかな・・・」
セキは月花の言葉を黙って聞いていた、恐らく同じ話を数回聞いた、だがこの数回話す事で月花が考えが変わって居ないか、セキはそこを聞いていた
セキ(まだ月花の考えはまとまっておらんのう、じゃがまだそれは仕方ないことじゃ、ゆっくりと休ませるしかないのう)
月花とセキはひと時を過ごすと部屋に戻った。
・・・・・・
セキ「月花よ、今日はパト坊と会うのかのう?」
月花「いいえ、今日も断っておいたわ、パトは私に優しすぎる、それが辛いの」
月花は力のこもっていない笑顔で答える、それは月花の本心だった。
月花「もちろん普通に接して来られても辛いし、厳しいなんてもってのほかだけどね!つまり今の私は凄く面倒臭い女の子なのです!!」
月花は自虐を混ぜながらセキに心配させまいと陽気にふるまう。
セキ「月花がそう思うのなら良いではないか、わしは最近ハマった編み物をしておるから月花も好きに過ごすといいのじゃ」
セキはそう言いながら月花のベットの横に置いてある椅子に座り、最近始めた編み物を始める。
月花はベッドに倒れ込み、パトから借りたゲームをする。
セキ(月花は以前からそうじゃったが、今も全然眠れておらん、聞いたら【誰かが来ると思うと怖い】【皆が働いている時に眠ると罪悪感で死にたくなる】【明日の事を考えると不安で眠れない】と朝昼晩と理由が異なっておった、つまり時間ごとに考える不安は異なり、その各不安が募り眠れない状態が続いておるって事じゃ、元々重症だったのは知っておるがこれは時間がかかるのう・・・)
ミーエルが直したのはあくまで精神安定剤のような治療、一時的に心を落ち着かせるだけの治療、つまり、こころの病自体はミーエルでも完治は出来ないのだ。
セキ(以前パト坊が言って居ったな、【わし達は死んでも生き返る、じゃが心はそうじゃない、心は一度死ぬと生き返らない、だから死を軽くみるなと】、自分自身が一度精神が壊れた事もあれば、自分自身の不甲斐なさで全てを投げ出そうとした経験があるパト坊は誰よりも心を大切にする・・・じゃから優しすぎるのじゃろう)
こころの傷は治らない、トラウマのように何年経ってもずっと引きずるもの、
心の傷への痛みに耐えられない人間は多く存在する、それ故に犯罪に手を染める人も居れば、
命を投げ出す者、これ以上傷を広げまいと自衛のために引きこもる人も居る。
それほど心というものは人の身体の健康を左右する重要な存在である。
身体は健康でも心が重症だと体調を崩したり、思考は普通なのに涙が出たりする。
だが生きていく以上はストレスを抱え、心に傷を負いながら進む、寿命というゴールまで進むために。
セキ(わらわも1000年は生きた、じゃから言える・・・長寿はゴールが存在せん、じゃからこそ苦悩をずっと抱えて生きていかねばならん・・・それは・・・死んで地獄に落ちるよりも苦しいものかもしれんのう・・・)
セキは不眠と疲れで気を失ったように眠っている月花の髪を優しく撫でながら短い独り言を呟いた。
セキ「今は眠るのじゃ、心は治らんが傷みに慣れる、そうなれば少しは楽になるのじゃ、それまでの間は・・・眠るのじゃ」
そして月花の不愉快極まりない時間から一時的に逃れた月花は安らとは程遠い睡眠につく。
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