2026年05月06日
No.204 第四期の女帝達episode2
シンはハルの元から離れて少し休憩していた。
シン「あの子、私の攻撃・・・」
結局通用しなかった攻撃、その攻撃はどこまで彼女に通用したのか、本当に本気を出せば通用していたのか、そんな事を考えるシンだが、一度離れてしまった以上もう一度試すという行為を選ぶのは何処かプライドに傷がつく、そう考えた彼女は次の場所に居る【愛全の究極系 アム】の件について考える事にした。
シン「一度ミール様の所に戻ってみようか」
・・・・・・
シンは再度ミールの居る場に足を運ぶ。
ミール「どしたの?忘れ物かな?」
シン「白々しいですよ、見てたんですよね?」
ミール「まあね、シンの思惑通りだよ、彼女、いやもう一人のアムもだけどあの二人には強さの基準というか概念がないから順位が存在しないよ、戦って勝つ事もないし、負ける事もないって所かな、そんな子に順位をつけろっていうのが無理な話だと思わない?」
シン「では私でも勝てないと?」
ミール「どうだろうね、私なら勝てると思うけど、でもそれって強さでっていうよりほぼズルで勝つって意味に近いんだよね、私自身の力で勝つというよりかは帝園という世界そのものを利用して脅す感じかな、そうでもしないと勝敗をつけれない子に勝てないんだよ」
シン「ミール様程の人でもそんな子が帝園に居るんですね」
ミール「そうだね、でもそれって凄く特殊というか特別枠だね、例えば君達の母、エステルだって私は彼女を殺せないし、彼女自身に順位はないよ、勝ち負けとかいう概念が彼女にはないからね」
シン「そうなんですか、てっきり私達のような従属を作る事に特化した方なのかとばかり・・・」
ミール「その認識で間違いないよ、でもそんな彼女をもし殺そうとしても絶対に死なないって話、例えば私が世界を使って彼女を無限に殺したとしも私は彼女を殺しきれないんだよ、勿論彼女自身に戦う力は備わってないから私が負ける事がない、ほら、勝敗がつかないでしょ、だから順位がつけられないんだよ、なんで死なないかって話になると彼女自身が帝園と直結してるからかな、別に帝園にだけに限らないんだけどね」
シン「そうなんですか?私エステル様の事、結構知ってるようで何も知らないんですね、少しでもいいので教えてもらってもいいですか?」
ミール「ユグドラシルって知ってる?世界樹でもいいけど」
シン「はい、知ってます」
ミール「あれって星の生命エネルギーと直結して育つ植物ってイメージだよね、エステルはそんな感じの能力も持ってるんだ、つまり帝園だから栄えたんじゃないんだ、エステルが帝園に居るから栄えたんだよ、エステルが帝園のエネルギーを利用する事で君達が生まれた、そして直結した世界とエステルは同化する、つまり人間の姿のエステルを殺しても無意味なんだよ、本体は帝園なんだから、だったら世界を壊せば終わりだと思うでしょ?でもそのエステルの根が私自身にも芽生えていたらどう?つまり私が死なないとエステルを絶対に殺せないって事になるよね、それがエステルを殺せない理由なんだよ」
ミールが語ると少し笑顔になって完結を述べる。
ミール「結論から言うとエステルは帝王様と同じ性質を持ってるの、本人だけ殺しても死なない、多くの条件を満たしたうえで殺さないと死なない、だけどその条件が私でも無理ゲーだから殺せないそれだけの話ってわけ」
シン「そうだったのですね、ミール様ですら殺せないなんて」
ミール「本来御神体の連中ってそんな奴ばっかりだよ、ヘブンズハートのメンバーに第七園の御神体フラ、第六園の御神体リルが居るけど、あの二人はまだ成長過程だからまだ勝敗のつく強さの範疇に居るだけ、元々御神体は帝王様単体から生まれた未成熟な世界王達、シン達が【世界王の素質を持つ従属】とするならば御神体は【成熟する前の世界王】ってことになるのかな、勿論世界王として覚醒してる私みたいなタイプも居るけどね、そして最近世界王として成った第八園御神体エテル・ホープ・ノーミール、が最近私に続いて二人目の世界王として現れた」
シンは聞いていると疑問に思う。
シン「なんでフラやリルをヘブンズハートに?本来であれば世界王として何もしなくても覚醒する従属なのでしょう、ならわざわざ第二園に所属させる意味がないと思うのですが」
ミール「環境が悪いって所かな、ほらフラの所もリルの所も御神体である彼女達に凄く甘いんだよ、つまり現状に全然困ってない、世界王覚醒には余程強力な力を備えているか、もしくは帝王様と契約して一定数の強化を施してもらうかの手段が必要になってくる、御神体単体だけで世界王覚醒まで持っていく事は可能だけどそこまで意識の高い子なんて居ないからね、あの第四園御神体ティエルでさえ自己鍛錬なんてまったくしてないんだから、それが結局の所の現状なのよね、だから第二園で鍛えた方がいいかな~って思って入れたんだ、意味合い的にも別に間違ってるわけでもないしね」
シン「そうですか、色々理由があって所属している子もいるのですね、色々お話出来て良かったです」
シンはミールとの話を終えると次の場所に向おうと準備を始めた。
ミール「あ、次はアムの所に行くんだよね?」
シン「はい、どんな子か私が直接確かめようと思いまして」
ミール「なら粗相は気を付けてね、あの子、自分からは何もしてこないけど、こっちから攻撃をすると多分シンでも負けちゃうかもだから」
ミールはニヤっと笑いながら告げる、その言葉の意味を理解出来なかったシンは不安な表情をしながらもアムの所に向かう。
・・・・・・
シンはアムの居る場所に向かう、場所を聞いていたが同様を隠せなかった。
シン「ずっとここに居たの・・・?」
シンが驚くのも無理はなかった、そこは第二園が存在する時からずっと存在する建物、今や誰も居ない、主が誰かもわからない、御神体を祀る御神殿だった。
シン(ここは私でも足を踏み入れた事が無い場所、というよりかは足を踏み入れられなかった場所、ミール様から聞いている、第二園の御神体カル、名前だけミール様が見つけ出しただけで姿、存在すら認知されていない御神体の一人の唯一の手掛かりになる場所・・・そこに居るっていうの?)
シンは思い出すミールが「御神体かも」という言葉の意味を。
・・・・・・
シンは御神殿の前に立つ、足がすくむ、先ほどシンが御神殿に立ち入らなかった理由でもある、それがこの恐怖心だった。
シン(確かこの場所、ネルが好奇心で入ろうとしてたけど、あのネルでさえ、「興が冷めた、帰るぞ」と言って立ち去った場所、ベルも「ここなんか気持ち悪い、帰る」と言って帰った、私も同じ気持ちだったから立ち去った、今も全然変わらない、でも愛全の究極系アムはここに居る。)
シンは恐怖心を抑えながら御神殿の扉に触れる、するとシンの身体全身に電撃が流れる、実際には流れていない、だがそう錯覚する程にシンの身体は身動きを取る事が出来なかった。
???「立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ」
シンは冷や汗で身体を埋め尽くしていた、今すぐにでも服を脱いで楽になりたい、だけど服を脱いだらきっと死ぬ、そんな命の危機を感じる程にこの扉の威圧感は凄かった。
シン(もし、もし御神体が居た場合、その場合ミール様以上に強いなんてことがありえるのだろうか、でもミール様が名前までしか認知出来ていないという事はそれ以上の情報を意図的に抑えているという事になる、つまり一部とは言えあのミール様を掻い潜る力を持っているという証明になっているのではないか)
シンは長い時間扉の前で立ちすくんでいた、進むのが怖い、だけど進まないとアムという女性に会う事が出来ない、別に会わなくてもいいのではと思いはするがそれでは結局彼女の事を知る事が出来ない。
シン「行こう・・・」
シンは扉をゆっくり押す、既にシンは全力の力を身に宿していた。そして扉を開けて奥に入る。
・・・・・・
そこには一人の少女が居た。
茶色の髪、眼鏡をつけてただ座っていた。
シンは一瞬でわかった、彼女がアムなのだと。
シン(嫌な気配が消えた?良かった・・・)
シンは緊張が薄まった事に安堵し目の前に居る彼女に話しかける。
シン「貴女がアム、でいいのかしら?」
??(アム)「?私の事ですか?私はアムという名なのですか?」
シン「違うのかしら?なら貴女は何者?」
??(アム)「わからない、ずっとここに居るけど、私をアムと呼んだ人は貴女が初めてです、私はアムという名前なのでしょうか?」
シンは確信した、アムという名はミールがつけた名なんだと、名が存在しないからミールが名付けていた名前なんだとすればこの子には本来の名前がある、それが何かをシンは本能で確信して、それを言葉にする。
シン「カル・・・なのですか?」
??(アム)「カル?アムではなく?」
シン「ごめんなさい、気にしないでください、ですが貴女はずっとこの場所に居たのですか、ここは第二園、一般人はこの園どころか、このような場所に立ち入る事すら出来ません、いつからここに居るのですか?」
??(アム)「わかりません、ですが私が認識しているこの一週間の間はずっと自然に衣食住の物が自然と集まりました。」
シンはそう言う彼女の周りを見ると確かに豪華な衣類、充分どころか一人分にしてはあまりにも多く、そして貴重な食材の数々、そしてこの御神殿という住居、全てが整っていた。
シン「一週間というのは、それまでの記憶は存在しないんですか?」
??(アム)「わかりません、私も自分の事を考えた事があります、自分が何者で何処から来たのか、何故この建物の中に存在しているのか、でもそう考えていても答えは出ません、ただ私自身何も出来ない、でも目に見えない誰かが私の事をずっと見守ってくれてるみたいに色々助けてくれるんです、だから私はここに居た方が良いんだと思って・・・ずっとここで過ごしていました。」
シンは彼女の言葉を聞き、一言「ちょっと調べさせて貰ってもいい?」と承諾を得て建物内を調べる。
・・・・・・
綺麗な建物、生活感があるが一週間以上住んでいると根拠づける物が一切ない。
シン「片付けや洗濯は全部自分で?」
??(アム)「いえ、私は一度もやった事がありません、ただ着替えが必要だと思ったら置いてくれている服に着替えていました、食事も料理が出来ないのですが誰かが私の口に合う料理と食材を選んで作ってくれます、建物もいつも綺麗になっています、一度私が食事を落として汚してしまっても自然にその汚れが消えてしまいました、でもそれがこの建物での日常であるなら私はそうなのだと受け入れていました、なにせ自分自身の事が一番わかっていませんので・・・」
シン(これは厄介ね、さっきから言ってる誰かの気配なんて一切感じない、それなのにこの子は一貫して誰かに守られていると言ってる、私は全然気配を感じないのに彼女は何かを感じている、それが全然わからない)
今までにない得体の知れない存在。それがシンにとってアムの第一印象だった。
シンはその存在を確認するために御神殿に攻撃を仕掛けた。
シン(ごめんなさい、でも試させて、正直私ですら意味がわからないのよ)
シンは無数の攻撃を御神殿にうち放つ、その威力はネルに及ばずだがその性能に最も近い威力で撃ち抜き続ける。
シンは能力の究極系、その性能は全究極系が集結した時、どの分野に置いても一番ではないにしても二番手であれる程の素質を持つ、それは別名【万能の究極系】とも言いかえれる程の性能を持っている。
シンはネルの即死性能を持つ絶対的攻撃性、ベルの絶壁性能を持つ絶対的防御性を兼ね備え、ノラの無限性能を持つ無限性能を掛け合わせ御神殿に対して攻撃を続ける、その威力は帝園序列6位に相応しい、あの第七園御神体であるフラ以上の力を持つ化物的性能を発揮する。
シン「はああああああああああああああああああ!!!!!」
ガガガ!ドドドドド!!!バババ!!!
建物は粉々に壊れていく、その破片がアムの無情にも降り注ごうとしていた。
シン(女帝ならこの程度でくたばったらダメ!!)
シンは心を鬼にしてアムに特大の光線をうち放つ!その性能はテルやセラレベルですら受ければ無傷では居られない程の火力!
シンは攻撃を止めた。
そして見た。
アムの周りの次元が歪んでいた、全てを抑えていた。
アムは怯える所か現状を一切把握していなかった、恐らくアムの見ている風景は何も変わり映えのしない風景なのだろう、アムを怖がらせてはいけない、そう思わせられる程歪んだ空間内は何も変わり映えのしない空間が広がっていた。
シン(無傷、どんな現象ですら絶対に突破する性能を持った攻撃を狙ったのだけど・・・)
アムの周りで留まっていた現象が歪んだ空間の中に取り込まれていく、そしてシンが反応した一瞬の間でシンの周りの空間が真っ白に広がる!
シン「な?!」
シンは驚きを隠せなかった、全てが何事も無かったかのように元通りに戻っていたのだ。
シン「時戻し?時空を操った?でもそんな気配は一度も?!」
シンも能力の究極系、時を支配する事は造作もない、むしろそれも考慮して時耐性を強力にし絶対に干渉させないようにしていたほどだった、だが通用しなかった。
シン「どんな手品を使ったのよ?!」
アムは何事もなかったようにシンの元に歩く。
シン「・・・この感覚、まさか姉妹とフェアとティエル、ミール以外で感じる事になるなんてね」
シンは本気の目になる。
シン「フィルドレッド・ハルグレンダーサ・シュパローン」
シンの周りに全次元が集結する
シン「穿て!!」
シンは全次元をドリルのように回転させ、アムに攻撃を仕掛けた!
シン「それで終わると思うな!!ウラドラーマ!!!カガファードラ!!ニュトラスラボエンダ!!!!」
全時が止まった、未来も過去も全ての選択肢も全てが止まった!完全にシンが「完全的中」という絶対だけを引き当て確実にアムに当てる準備を整える!
世界の耐性という概念を全て壊した、これでシンの意志一つで全てが崩壊する、全ての生命も虚しく崩壊する!
シンの肉体は高次元体となる、結果全ての攻撃が無効化は勿論全ての攻撃がシンに当たった場合高次元物質へと変換され相手の特別な特性全てを適応させた絶対的貫通性を持って反射する!
シンの持つ最強クラスの能力を一気に3つも使用した!
シン(妥協はしない!さっきハル相手に私は無様を晒した!試すならここまでしないと何もわからない!ミール様が勝敗でどうにかなる次元ではないと言った以上その言葉がどこまで真実か、それを確かめる必要が私にはある!!!)
シンはアムに攻撃を仕掛けた!!!
・・・・・・
シンは目を一切逸らさなかった、次はちゃんと全て見えた。
アムはダメージを負った、アムを守っていた歪みがシンの猛攻に耐え切れずにアムに傷を与えてしまった、だがその瞬間だった。
アムの頭に鬼の角が現れた。
アム「最も攻撃性に優れた姿で・・・」
アムがそう呟いた瞬間全ての能力攻撃をアム自身が全て弾き飛ばし始めた!
その間に一度貫通した次元は修復し、さらに強固なものになった、そしてシンを敵と認識したのか
その歪んだ次元はシンに襲う!だがそれを想定していたシンにその攻撃が届くことが無かった!
だが歪んだ次元がシンに触れた事でシンがその歪んだ次元の正体を理解出来た。
シン(帝園?!?!)
その答えは帝園そのものだった。
帝園という世界そのものがアムを守っていた、そして帝園がシンに敵と認識し襲い掛かって来た!
シン(馬鹿な・・・帝園そのものがあのアムに纏っていたというの?!愛全って・・・まさか世界そのものも含まれるの?!馬鹿げている、全てに愛される究極系・・・それでミール様はそんな名前を)
シンは次に見たものは鬼化していたアムが次に精霊化したのだ、そして全ての現象を吸収し始めた、
そして次に聖人化、エルフの耳を生やした彼女が凝縮した現象全てをシンに向けて撃ち返してきたのだ!
シンは自分が一度高次元体に変換した物質のため防ぎきれないと考えかわす!
シンが一瞬目を話した瞬間にアムは再度鬼化してシンの頭部に蹴りを入れる!!
シンは軟体化しその衝撃を吸収し、変幻自在を扱い、アムを取り押さえる!
シン「もう攻撃はしない!治まりなさい!!!」
アム「抑えられて動けない、もっと力が欲しい」
アムはそう言うと帝園がアムに向けて力を与える!その中にはシンの力も含まれている!
シン「はあ?!馬鹿げている!!愛されているからってそんな事まで貢がせるつもり?!もういい加減にしなさい!!」
シンはアムの頬にビンタする!だがその攻撃も辛うじて歪みが抑える。だがその行動でアムが冷静になるには充分だった。
・・・・・・
シン「悔しいけど本物だわ、強いわ、それに・・・」
シンは確信した、彼女は第二園の御神体カルだと。
シン(記憶を失っている理由も全然わからないけど絶対に彼女はカルだわ、あんな戦い方が出来る従属なんて絶対に居ないわよ!そもそも色んな種族に変わっていたのもどの種族の特徴にも当てはまってないし!神族の私ですらそんな芸当なんかできないわよ!)
シンは頭を悩ませた、ミールは気付いてないのか?彼女が今まで姿形も現さなかった御神体だってことを、恐らくミールの攻撃がアムに通用しなかったのは同じく帝園を利用した攻撃だったからだろう、だから同じく帝園の力を扱うアムに通用しなかったのだ。シンの攻撃は相当に火力を上げてしまえば貫通した、彼女が何故記憶喪失かはわからないがもし、その力を満遍なく扱えたならシンですら勝つ事は困難になるだろう。
シン(愛全って事は魅了の力が凄まじいって事?という事は最悪私も魅了されて無力化したところをって事もあり得る力なのか、普通に怖いし強いじゃない!勝敗つくわよ!全然強いし負けるわよ!本当ミール様も適当が過ぎる!)
シンはアムに謝罪をしたうえでミールが出した指示の話をした。
アム「私が【愛全の究極系】として選ばれた女帝?素質あるのでしょうか?」
シン「あの私とほぼ互角にやりあえたんだから大丈夫よ、というか記憶喪失だったのに戦い方は覚えてたの?」
アム「?いえ、どこからか声が聞こえて教えてくれました、そして身を委ねたら自然と戦っていました、不思議な体験でした・・・」
シン「不思議な体験でした・・・じゃないわよ・・・」
多分その声がカルの人格に一枚噛んでいるんだろうとシンは考える。
シン「準備が出来たら叡天の羅針盤にいらっしゃい、移動方法は・・・多分願えば勝手にどうにかなると思うわ」
シン(どうせ帝園が彼女を守ってすべての事をやってくれるでしょ、はあ、凄い規格外が混じって来ちゃったなぁ、どうしよう、また私のメンツが・・・)
シンはそう思いながらその場を去る。
シン「あの子、私の攻撃・・・」
結局通用しなかった攻撃、その攻撃はどこまで彼女に通用したのか、本当に本気を出せば通用していたのか、そんな事を考えるシンだが、一度離れてしまった以上もう一度試すという行為を選ぶのは何処かプライドに傷がつく、そう考えた彼女は次の場所に居る【愛全の究極系 アム】の件について考える事にした。
シン「一度ミール様の所に戻ってみようか」
・・・・・・
シンは再度ミールの居る場に足を運ぶ。
ミール「どしたの?忘れ物かな?」
シン「白々しいですよ、見てたんですよね?」
ミール「まあね、シンの思惑通りだよ、彼女、いやもう一人のアムもだけどあの二人には強さの基準というか概念がないから順位が存在しないよ、戦って勝つ事もないし、負ける事もないって所かな、そんな子に順位をつけろっていうのが無理な話だと思わない?」
シン「では私でも勝てないと?」
ミール「どうだろうね、私なら勝てると思うけど、でもそれって強さでっていうよりほぼズルで勝つって意味に近いんだよね、私自身の力で勝つというよりかは帝園という世界そのものを利用して脅す感じかな、そうでもしないと勝敗をつけれない子に勝てないんだよ」
シン「ミール様程の人でもそんな子が帝園に居るんですね」
ミール「そうだね、でもそれって凄く特殊というか特別枠だね、例えば君達の母、エステルだって私は彼女を殺せないし、彼女自身に順位はないよ、勝ち負けとかいう概念が彼女にはないからね」
シン「そうなんですか、てっきり私達のような従属を作る事に特化した方なのかとばかり・・・」
ミール「その認識で間違いないよ、でもそんな彼女をもし殺そうとしても絶対に死なないって話、例えば私が世界を使って彼女を無限に殺したとしも私は彼女を殺しきれないんだよ、勿論彼女自身に戦う力は備わってないから私が負ける事がない、ほら、勝敗がつかないでしょ、だから順位がつけられないんだよ、なんで死なないかって話になると彼女自身が帝園と直結してるからかな、別に帝園にだけに限らないんだけどね」
シン「そうなんですか?私エステル様の事、結構知ってるようで何も知らないんですね、少しでもいいので教えてもらってもいいですか?」
ミール「ユグドラシルって知ってる?世界樹でもいいけど」
シン「はい、知ってます」
ミール「あれって星の生命エネルギーと直結して育つ植物ってイメージだよね、エステルはそんな感じの能力も持ってるんだ、つまり帝園だから栄えたんじゃないんだ、エステルが帝園に居るから栄えたんだよ、エステルが帝園のエネルギーを利用する事で君達が生まれた、そして直結した世界とエステルは同化する、つまり人間の姿のエステルを殺しても無意味なんだよ、本体は帝園なんだから、だったら世界を壊せば終わりだと思うでしょ?でもそのエステルの根が私自身にも芽生えていたらどう?つまり私が死なないとエステルを絶対に殺せないって事になるよね、それがエステルを殺せない理由なんだよ」
ミールが語ると少し笑顔になって完結を述べる。
ミール「結論から言うとエステルは帝王様と同じ性質を持ってるの、本人だけ殺しても死なない、多くの条件を満たしたうえで殺さないと死なない、だけどその条件が私でも無理ゲーだから殺せないそれだけの話ってわけ」
シン「そうだったのですね、ミール様ですら殺せないなんて」
ミール「本来御神体の連中ってそんな奴ばっかりだよ、ヘブンズハートのメンバーに第七園の御神体フラ、第六園の御神体リルが居るけど、あの二人はまだ成長過程だからまだ勝敗のつく強さの範疇に居るだけ、元々御神体は帝王様単体から生まれた未成熟な世界王達、シン達が【世界王の素質を持つ従属】とするならば御神体は【成熟する前の世界王】ってことになるのかな、勿論世界王として覚醒してる私みたいなタイプも居るけどね、そして最近世界王として成った第八園御神体エテル・ホープ・ノーミール、が最近私に続いて二人目の世界王として現れた」
シンは聞いていると疑問に思う。
シン「なんでフラやリルをヘブンズハートに?本来であれば世界王として何もしなくても覚醒する従属なのでしょう、ならわざわざ第二園に所属させる意味がないと思うのですが」
ミール「環境が悪いって所かな、ほらフラの所もリルの所も御神体である彼女達に凄く甘いんだよ、つまり現状に全然困ってない、世界王覚醒には余程強力な力を備えているか、もしくは帝王様と契約して一定数の強化を施してもらうかの手段が必要になってくる、御神体単体だけで世界王覚醒まで持っていく事は可能だけどそこまで意識の高い子なんて居ないからね、あの第四園御神体ティエルでさえ自己鍛錬なんてまったくしてないんだから、それが結局の所の現状なのよね、だから第二園で鍛えた方がいいかな~って思って入れたんだ、意味合い的にも別に間違ってるわけでもないしね」
シン「そうですか、色々理由があって所属している子もいるのですね、色々お話出来て良かったです」
シンはミールとの話を終えると次の場所に向おうと準備を始めた。
ミール「あ、次はアムの所に行くんだよね?」
シン「はい、どんな子か私が直接確かめようと思いまして」
ミール「なら粗相は気を付けてね、あの子、自分からは何もしてこないけど、こっちから攻撃をすると多分シンでも負けちゃうかもだから」
ミールはニヤっと笑いながら告げる、その言葉の意味を理解出来なかったシンは不安な表情をしながらもアムの所に向かう。
・・・・・・
シンはアムの居る場所に向かう、場所を聞いていたが同様を隠せなかった。
シン「ずっとここに居たの・・・?」
シンが驚くのも無理はなかった、そこは第二園が存在する時からずっと存在する建物、今や誰も居ない、主が誰かもわからない、御神体を祀る御神殿だった。
シン(ここは私でも足を踏み入れた事が無い場所、というよりかは足を踏み入れられなかった場所、ミール様から聞いている、第二園の御神体カル、名前だけミール様が見つけ出しただけで姿、存在すら認知されていない御神体の一人の唯一の手掛かりになる場所・・・そこに居るっていうの?)
シンは思い出すミールが「御神体かも」という言葉の意味を。
・・・・・・
シンは御神殿の前に立つ、足がすくむ、先ほどシンが御神殿に立ち入らなかった理由でもある、それがこの恐怖心だった。
シン(確かこの場所、ネルが好奇心で入ろうとしてたけど、あのネルでさえ、「興が冷めた、帰るぞ」と言って立ち去った場所、ベルも「ここなんか気持ち悪い、帰る」と言って帰った、私も同じ気持ちだったから立ち去った、今も全然変わらない、でも愛全の究極系アムはここに居る。)
シンは恐怖心を抑えながら御神殿の扉に触れる、するとシンの身体全身に電撃が流れる、実際には流れていない、だがそう錯覚する程にシンの身体は身動きを取る事が出来なかった。
???「立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ、立ち去れ」
シンは冷や汗で身体を埋め尽くしていた、今すぐにでも服を脱いで楽になりたい、だけど服を脱いだらきっと死ぬ、そんな命の危機を感じる程にこの扉の威圧感は凄かった。
シン(もし、もし御神体が居た場合、その場合ミール様以上に強いなんてことがありえるのだろうか、でもミール様が名前までしか認知出来ていないという事はそれ以上の情報を意図的に抑えているという事になる、つまり一部とは言えあのミール様を掻い潜る力を持っているという証明になっているのではないか)
シンは長い時間扉の前で立ちすくんでいた、進むのが怖い、だけど進まないとアムという女性に会う事が出来ない、別に会わなくてもいいのではと思いはするがそれでは結局彼女の事を知る事が出来ない。
シン「行こう・・・」
シンは扉をゆっくり押す、既にシンは全力の力を身に宿していた。そして扉を開けて奥に入る。
・・・・・・
そこには一人の少女が居た。
茶色の髪、眼鏡をつけてただ座っていた。
シンは一瞬でわかった、彼女がアムなのだと。
シン(嫌な気配が消えた?良かった・・・)
シンは緊張が薄まった事に安堵し目の前に居る彼女に話しかける。
シン「貴女がアム、でいいのかしら?」
??(アム)「?私の事ですか?私はアムという名なのですか?」
シン「違うのかしら?なら貴女は何者?」
??(アム)「わからない、ずっとここに居るけど、私をアムと呼んだ人は貴女が初めてです、私はアムという名前なのでしょうか?」
シンは確信した、アムという名はミールがつけた名なんだと、名が存在しないからミールが名付けていた名前なんだとすればこの子には本来の名前がある、それが何かをシンは本能で確信して、それを言葉にする。
シン「カル・・・なのですか?」
??(アム)「カル?アムではなく?」
シン「ごめんなさい、気にしないでください、ですが貴女はずっとこの場所に居たのですか、ここは第二園、一般人はこの園どころか、このような場所に立ち入る事すら出来ません、いつからここに居るのですか?」
??(アム)「わかりません、ですが私が認識しているこの一週間の間はずっと自然に衣食住の物が自然と集まりました。」
シンはそう言う彼女の周りを見ると確かに豪華な衣類、充分どころか一人分にしてはあまりにも多く、そして貴重な食材の数々、そしてこの御神殿という住居、全てが整っていた。
シン「一週間というのは、それまでの記憶は存在しないんですか?」
??(アム)「わかりません、私も自分の事を考えた事があります、自分が何者で何処から来たのか、何故この建物の中に存在しているのか、でもそう考えていても答えは出ません、ただ私自身何も出来ない、でも目に見えない誰かが私の事をずっと見守ってくれてるみたいに色々助けてくれるんです、だから私はここに居た方が良いんだと思って・・・ずっとここで過ごしていました。」
シンは彼女の言葉を聞き、一言「ちょっと調べさせて貰ってもいい?」と承諾を得て建物内を調べる。
・・・・・・
綺麗な建物、生活感があるが一週間以上住んでいると根拠づける物が一切ない。
シン「片付けや洗濯は全部自分で?」
??(アム)「いえ、私は一度もやった事がありません、ただ着替えが必要だと思ったら置いてくれている服に着替えていました、食事も料理が出来ないのですが誰かが私の口に合う料理と食材を選んで作ってくれます、建物もいつも綺麗になっています、一度私が食事を落として汚してしまっても自然にその汚れが消えてしまいました、でもそれがこの建物での日常であるなら私はそうなのだと受け入れていました、なにせ自分自身の事が一番わかっていませんので・・・」
シン(これは厄介ね、さっきから言ってる誰かの気配なんて一切感じない、それなのにこの子は一貫して誰かに守られていると言ってる、私は全然気配を感じないのに彼女は何かを感じている、それが全然わからない)
今までにない得体の知れない存在。それがシンにとってアムの第一印象だった。
シンはその存在を確認するために御神殿に攻撃を仕掛けた。
シン(ごめんなさい、でも試させて、正直私ですら意味がわからないのよ)
シンは無数の攻撃を御神殿にうち放つ、その威力はネルに及ばずだがその性能に最も近い威力で撃ち抜き続ける。
シンは能力の究極系、その性能は全究極系が集結した時、どの分野に置いても一番ではないにしても二番手であれる程の素質を持つ、それは別名【万能の究極系】とも言いかえれる程の性能を持っている。
シンはネルの即死性能を持つ絶対的攻撃性、ベルの絶壁性能を持つ絶対的防御性を兼ね備え、ノラの無限性能を持つ無限性能を掛け合わせ御神殿に対して攻撃を続ける、その威力は帝園序列6位に相応しい、あの第七園御神体であるフラ以上の力を持つ化物的性能を発揮する。
シン「はああああああああああああああああああ!!!!!」
ガガガ!ドドドドド!!!バババ!!!
建物は粉々に壊れていく、その破片がアムの無情にも降り注ごうとしていた。
シン(女帝ならこの程度でくたばったらダメ!!)
シンは心を鬼にしてアムに特大の光線をうち放つ!その性能はテルやセラレベルですら受ければ無傷では居られない程の火力!
シンは攻撃を止めた。
そして見た。
アムの周りの次元が歪んでいた、全てを抑えていた。
アムは怯える所か現状を一切把握していなかった、恐らくアムの見ている風景は何も変わり映えのしない風景なのだろう、アムを怖がらせてはいけない、そう思わせられる程歪んだ空間内は何も変わり映えのしない空間が広がっていた。
シン(無傷、どんな現象ですら絶対に突破する性能を持った攻撃を狙ったのだけど・・・)
アムの周りで留まっていた現象が歪んだ空間の中に取り込まれていく、そしてシンが反応した一瞬の間でシンの周りの空間が真っ白に広がる!
シン「な?!」
シンは驚きを隠せなかった、全てが何事も無かったかのように元通りに戻っていたのだ。
シン「時戻し?時空を操った?でもそんな気配は一度も?!」
シンも能力の究極系、時を支配する事は造作もない、むしろそれも考慮して時耐性を強力にし絶対に干渉させないようにしていたほどだった、だが通用しなかった。
シン「どんな手品を使ったのよ?!」
アムは何事もなかったようにシンの元に歩く。
シン「・・・この感覚、まさか姉妹とフェアとティエル、ミール以外で感じる事になるなんてね」
シンは本気の目になる。
シン「フィルドレッド・ハルグレンダーサ・シュパローン」
シンの周りに全次元が集結する
シン「穿て!!」
シンは全次元をドリルのように回転させ、アムに攻撃を仕掛けた!
シン「それで終わると思うな!!ウラドラーマ!!!カガファードラ!!ニュトラスラボエンダ!!!!」
全時が止まった、未来も過去も全ての選択肢も全てが止まった!完全にシンが「完全的中」という絶対だけを引き当て確実にアムに当てる準備を整える!
世界の耐性という概念を全て壊した、これでシンの意志一つで全てが崩壊する、全ての生命も虚しく崩壊する!
シンの肉体は高次元体となる、結果全ての攻撃が無効化は勿論全ての攻撃がシンに当たった場合高次元物質へと変換され相手の特別な特性全てを適応させた絶対的貫通性を持って反射する!
シンの持つ最強クラスの能力を一気に3つも使用した!
シン(妥協はしない!さっきハル相手に私は無様を晒した!試すならここまでしないと何もわからない!ミール様が勝敗でどうにかなる次元ではないと言った以上その言葉がどこまで真実か、それを確かめる必要が私にはある!!!)
シンはアムに攻撃を仕掛けた!!!
・・・・・・
シンは目を一切逸らさなかった、次はちゃんと全て見えた。
アムはダメージを負った、アムを守っていた歪みがシンの猛攻に耐え切れずにアムに傷を与えてしまった、だがその瞬間だった。
アムの頭に鬼の角が現れた。
アム「最も攻撃性に優れた姿で・・・」
アムがそう呟いた瞬間全ての能力攻撃をアム自身が全て弾き飛ばし始めた!
その間に一度貫通した次元は修復し、さらに強固なものになった、そしてシンを敵と認識したのか
その歪んだ次元はシンに襲う!だがそれを想定していたシンにその攻撃が届くことが無かった!
だが歪んだ次元がシンに触れた事でシンがその歪んだ次元の正体を理解出来た。
シン(帝園?!?!)
その答えは帝園そのものだった。
帝園という世界そのものがアムを守っていた、そして帝園がシンに敵と認識し襲い掛かって来た!
シン(馬鹿な・・・帝園そのものがあのアムに纏っていたというの?!愛全って・・・まさか世界そのものも含まれるの?!馬鹿げている、全てに愛される究極系・・・それでミール様はそんな名前を)
シンは次に見たものは鬼化していたアムが次に精霊化したのだ、そして全ての現象を吸収し始めた、
そして次に聖人化、エルフの耳を生やした彼女が凝縮した現象全てをシンに向けて撃ち返してきたのだ!
シンは自分が一度高次元体に変換した物質のため防ぎきれないと考えかわす!
シンが一瞬目を話した瞬間にアムは再度鬼化してシンの頭部に蹴りを入れる!!
シンは軟体化しその衝撃を吸収し、変幻自在を扱い、アムを取り押さえる!
シン「もう攻撃はしない!治まりなさい!!!」
アム「抑えられて動けない、もっと力が欲しい」
アムはそう言うと帝園がアムに向けて力を与える!その中にはシンの力も含まれている!
シン「はあ?!馬鹿げている!!愛されているからってそんな事まで貢がせるつもり?!もういい加減にしなさい!!」
シンはアムの頬にビンタする!だがその攻撃も辛うじて歪みが抑える。だがその行動でアムが冷静になるには充分だった。
・・・・・・
シン「悔しいけど本物だわ、強いわ、それに・・・」
シンは確信した、彼女は第二園の御神体カルだと。
シン(記憶を失っている理由も全然わからないけど絶対に彼女はカルだわ、あんな戦い方が出来る従属なんて絶対に居ないわよ!そもそも色んな種族に変わっていたのもどの種族の特徴にも当てはまってないし!神族の私ですらそんな芸当なんかできないわよ!)
シンは頭を悩ませた、ミールは気付いてないのか?彼女が今まで姿形も現さなかった御神体だってことを、恐らくミールの攻撃がアムに通用しなかったのは同じく帝園を利用した攻撃だったからだろう、だから同じく帝園の力を扱うアムに通用しなかったのだ。シンの攻撃は相当に火力を上げてしまえば貫通した、彼女が何故記憶喪失かはわからないがもし、その力を満遍なく扱えたならシンですら勝つ事は困難になるだろう。
シン(愛全って事は魅了の力が凄まじいって事?という事は最悪私も魅了されて無力化したところをって事もあり得る力なのか、普通に怖いし強いじゃない!勝敗つくわよ!全然強いし負けるわよ!本当ミール様も適当が過ぎる!)
シンはアムに謝罪をしたうえでミールが出した指示の話をした。
アム「私が【愛全の究極系】として選ばれた女帝?素質あるのでしょうか?」
シン「あの私とほぼ互角にやりあえたんだから大丈夫よ、というか記憶喪失だったのに戦い方は覚えてたの?」
アム「?いえ、どこからか声が聞こえて教えてくれました、そして身を委ねたら自然と戦っていました、不思議な体験でした・・・」
シン「不思議な体験でした・・・じゃないわよ・・・」
多分その声がカルの人格に一枚噛んでいるんだろうとシンは考える。
シン「準備が出来たら叡天の羅針盤にいらっしゃい、移動方法は・・・多分願えば勝手にどうにかなると思うわ」
シン(どうせ帝園が彼女を守ってすべての事をやってくれるでしょ、はあ、凄い規格外が混じって来ちゃったなぁ、どうしよう、また私のメンツが・・・)
シンはそう思いながらその場を去る。
