2025年12月30日
No.200 出揃った円卓の王(エテルの進化)後日談
万園に在籍する世界王全員に通達が行き渡る。
ストレリチア「円卓の王 13名はただちに万園の玉座に集まってください」
・・・・・・
誤謬「これが円卓の王だけが許されているというストレリチア様への謁見・・・」
円卓の王 第十三席 誤謬(ごびゅう)
誤謬は円卓の王の中では一番若い世界王であり、最も円卓の王として新しい王。
今までストレリチアから招集に立ち会う事がなかったため動揺する。
・・・・・・
花神「とうとう・・・ですか・・・」
円卓の王 第十二席 花神(かしん)
白い部屋と巨大な純白のクッションの上で裸で横になっているのは花神、彼女は花で服を見繕いながらクッションの上に立ち上がる。
・・・・・・
凄艶「ストレリチア様、動き出すのですね」
円卓の王 第十一席 凄艶(せいえん)
多くの芸術作品、そして大きな舞台の真ん中に立つのは凄艶、彼女は歩みを始める。
・・・・・・
媛命「さて、今回はどんな厄介事を押し付けてくるのかな」
円卓の王 第十席 媛命(えんめい)
心安らぐ豊かな空間の中、彼女は憂鬱そうな顔で空を見上げる。
・・・・・・
怜悧「いくね、きっと私達にとっても良くない事が起きるかもね」
円卓の王 第九席 怜悧(れいり)
神経を研ぎ澄まし、ローブを纏う彼女、そしてその周りには無機質で巨大な手、そして怜悧を囲うように舞う無機質な龍のような生物
・・・・・・
玲瓏「終わらせたい仕事があったのですが、仕方ありませんね、これもストレリチア様、そして主様のお導きなのですから」
円卓の王 第八席 玲瓏(れいろう)
多くの本が積まれている書庫の最奥で一人呟くのは玲瓏、彼女の声は現実にしてしまう効果を無意識レベルで持ってしまうため、効果が出ないように極力声を小さくする。
・・・・・・
仙厳「地獄の始まりか、それとも天国の扉が開く音か・・・」
円卓の王 第七席 仙厳(せんげん)
仙厳は気を引き締めてストレリチアの場所に向かう、その表情は硬く、これから起きる事に対して緊張感を持っていた。
・・・・・・
神籟「さて、このタイミングでって事は主様絡みでしょうね、ただし嫌な形でしょうかね」
円卓の王 第六席 神籟(しんらい)
神籟は今から起るであろうことに大体の予測をつけ、移動を開始する、その足取りは何処か楽し気だった。
・・・・・・
惺紡「私の力をもってしてもか、平穏が崩れる音が聞こえるな」
円卓の王 第五席 惺紡(せいほう)
惺紡は過去の世界王戦争の再来を危惧した。だがそれはストレリチア本人が拒んだ結果、
同じ過ちを繰り返す事はないはずだと心の中で自身を言い聞かす。
・・・・・・
朔薬「・・・・・・いったい誰が告げ口したのでしょうね」
円卓の王 第四席 朔薬(さくやく)
疎ましそうにつぶやく彼女の顔はどこか曇っていた。
・・・・・・
円卓の王達が次々とストレリチアが在籍する世界に集まる。
誤謬「ここが・・・そしてお前達がごびゅ~と同じ世界王・・・」
花神「こうして十三席から四席まで集まる事は稀ですね、過去に一度も無かったのではないでしょうか?」
凄艶「そうだね、でもこうして私達を集める理由はないかな?今まで好きにさせてもらっていたのに」
媛命「どうでもいいよ、どうせストレリチア様が決めた事に断れるわけじゃないんだしさ、そもそもそんな事を考えてたら君達、死ぬよ?」
怜悧「珍しく媛命と意見があったね、変な考察はやめるね、どうせすぐに答えは聞けるね」
玲瓏「・・・」(ただ他の世界王達の話を聞く玲瓏)
仙厳「静かにしろ、今ここには朔薬様や惺紡様も居る、どの発言が刑に処されるかわからないぞ」
神籟「そうですね、ですが自由な発言で罰則はありえません、発言の自由を奪う事はストレリチア様は求めていない、寛大なお方ですからね」
惺紡「神籟のストレリチア様至上主義には尊敬に値するね、それはストレリチア様から直接仕事を頂ける立場故かな?神籟?」
神籟「代わりたければ譲ってもいい、だけど果たして惺紡がそんな事出来るのかな?いや出来たとしても話の意図を理解できないだろうね、君は所詮暴力にものを言わすしかないんだからね」
朔薬「神籟、惺紡、これ以上言い合いは辞めてください、そろそろトップ3が入ってきますよ」
朔薬がそういうと3つの光の柱が現れる。
・・・・・・
ストレリチアが座る玉座、その前に3つの椅子が現れる。
誕爛「皆もう集合してるね、こうやって皆の姿を見られるのは凄く感慨深い、気を休めるといい」
円卓の王 第三席 誕爛(たんらん)
円卓の王の中で最も身長が低い誕爛が現れた椅子の上で足を組む、そしてその視線は全員を凍らせるには充分だった。
神籟「相変わらずずっと威嚇してるのね、怖いのよ、いい加減」
誕爛「すまないね、どれだけコントロールしてもこの微細な漏れはどうしようも出来ないんだ、なにせこれは【息を吸って吐く】のと同じ程度の微量なオーラなのだから、これを止めるのは息をするなというのと同義だ」
祖占「いやいや、同義じゃないよ、それは君がオーラの制御が下手だからだよね?下手の理由をオーラの責任に擦り付けるのは私としてはどうかなって思うわね」
円卓の王 第二席 祖占(そうらな)
誕爛「いえいえ、僕のオーラ量は祖占殿以上のものでしてね、というよりほぼオーラという概念を持たない貴女に到底理解出来るものではない、そもそも僕が本気を出せばランクを一つあげるくらい容易だ、あまりデカい態度で居ると僕は君を第三席の座に座らせないといけないな」
祖占「やってみろよガキ、お前みたいな軍隊蟻を量産して出した所で雑魚は雑魚だろうが、それともまさかお前が指揮した従属なら私に届くとでも思ってるのか?それこそ心外だ、第七席連中ならそれで充分殺せるが私を殺せるとは到底思えないけどね」
第三席と第二席が睨み続ける。
軍として最強の力を持つ第三席
個として最強の力を持つ第二席
この二人の意見がかみ合う事は一切ない。
・・・・・・
「待たせたね、全員集まってるね、嬉しいわ」
円卓の王達「「「「来たな」」」」
最後の一席に一人の女性が現れる。
祖占「重役出勤お疲れ様界羅、随分遅かったんじゃない?」
界羅「色々準備に手間取ってね、祖占も誕爛も元気そうね、ずっと自分の殻に閉じこもってばかりじゃなくたまには表に顔を出したらどう?」
誕爛「お生憎だね、僕は既に僕の力を分け与えた僕の世界王を主様の専属神の一人、カナに送っている、彼女は優秀だよ、ランク以上に出来る事が多い、強すぎればカナ本人が壊れる可能性があるからね、あの程度の世界王で丁度いいと僕は思ってるんだけどね」
祖占「それを言えば私もだね、四季雪花、彼女の力はまさに私の後釜に相応しい、私がユミルを送り込んだ、上手くいけばきっと四季雪花は私のような力を手に入れる、全てを失う代わりに全てを得る最強の力をね、それこそ主様が求める最強の専属神だと思わないかい?」
界羅は二人の話を聞き、少し笑いながら首を横に振る。
界羅「お話にならないね、確かに結果的に言えば世界王も世界の質も貴方達二人が関わった子は別格の物となっている、結果的に帝王様の力になれる、それは大変すばらしい事だと私は思います、ですが肝心の帝王様本人を蔑ろにした政策に一体何の意味があるのでしょうか?」
円卓の王 第一席 界羅(かいら)
第四席より下の世界王達はトップ3の会話をただただ聞いていた。
聞く以外の選択肢がなかったのだ。
神籟「聞きたい事は山ほどある、だけどここで口を挟めば誰かの機嫌を損ねてしまうかもしれない、トップ3の実力は万園内でも異常な程の上だ。
その3人の逆鱗に触れる事が何よりも恐怖だった。
界羅「今回の提案も私が行いました、由々しき事態であり、そして今後の万園の在り方を・・・それを明確にしてもらうための時間です、そこで私は貴方達でも帝王様のお力になれる政策を考えストレリチア様に提案しました。あの方は最初こそ悩みはしましたが最後は了承してくれました。」
祖占「おい待て、私達はストレリチア様の話を聞きに来たんだ、お前の話を聞きに来たわけじゃないぞ界羅、これ以上出しゃばるな」
祖占は界羅を睨みつける、だが界羅はそれをものともせず話を続ける。
・・・・・・
界羅「まず一件、万園経由から外れた世界王が生まれた、名はエテル・ノーミール。もとは帝園(ミガドルエデン)出身の従属だった、だけど最近昔の私がそのエテルに敗れたの、それはもう一方的に・・・そして不手際でまさかの私が彼女の相手にすることになった・・・」
仙厳「それが本当ならば異常事態ですね、早く万園の世界王として登録するべきです、でなければ制御が効かずに主様に被害が」
界羅「余計な事はしなくていい、むしろ喜ばしい事です、良い傾向です、なにせただの従属が世界王に進化した、本来ならば世界王に適正がある従属が各世界で育て、万園と帝王様がその従属を選びこの万園の世界王として扱う、だけどその流れを無視したイレギュラー、それをすぐに排除するのは勿体ない、そうは思いませんか?」
凄艶「界羅様、仙厳様や玲瓏様はその状況を放置できない立場にあります、元々界羅様は私達を集めてどうするつもりだったのか、それを聞かせてはくれませんか?」
界羅「世界王としてのトリガー、それは世界王遺伝子を取り込む事、それは誕爛もわかっていることでしょう、なにせ全世界で世界王を作れるのはストレリチア様と私と誕爛の3人だけ・・・今まではその世界王遺伝子を適正がない子に植え付けても身体が朽ちるだけだった」
界羅は冷たい眼差しで円卓の王全員を睨む。
界羅「エテルは元々世界王適正外の従属だった、だけど世界王に進化した、SSSクラスの私を殺す程の力を持って・・・でもそうね、相性で勝っただけで彼女自体のランクをつけるとするなら・・・E+かDかな、進化した【死界の手】はまさに即死級、どんな策も現象もその手の前では無力、近いと言えば祖占に近いかな、それはいいとして、彼女は私の権限で見守る形をとってもらう、一切の接触を許さない」
誕爛「彼女は何が目的なのか、把握して、それで尚安全という保障を得ての発言と取っていいのかな?」
界羅「そうだね、あとはそうね、私を殺そうとしたけどそれでも私の可愛い娘みたいな存在なの」
界羅は笑う。
朔薬「次の話はどのような内容なのでしょうか?」
界羅「これは第七席から言える事なんだけど、君達、実力は確かなんだけど経験値が圧倒的に足りてない、それって偽りの強さともいえるのではないかなって思うの」
神籟「まさか!?あの話が進んだの?!」
神籟は自分の世界から立ち上がる。
界羅は神籟を見て頷く。
界羅「ええ、万園に上層世界と下層世界を設ける。ピラミッド式で条件を満たせば上の層に上がれる仕組み、そして最上層は私達が居る空間、最上層は戦う事はしない、死んだら困るからね、でもそれより下は話は別、居てもいなくても帝王様の力になれない、だから死んでも別に構わない、だから現在円卓の王以外の世界王達は最上層より一段下に降りてもらう、そして条件を満たした者だけこの層に居る権利を与える。」
界羅は笑う。
界羅「別に円卓の王だけが優秀だとは思っていないからね、だからこそ優秀な世界王は歓迎する、勿論帝王様が選んだ別世界の世界王も最上層だ、彼女達は大事な客人であり、帝王様の力になってくれる大事な存在だからね」
円卓の王達全員の表情が曇る。
神籟「ストレリチア様は許したというのですか?!」
界羅「帝王様のため、それで納得してくれました、現時点で約50億体の世界王生成を完了しました。あの方は以前の【世界王戦争】の時に比べて大きな力を得ました。そして世界王戦争はあくまでストレリチア様が世界王を作る練習として増やしていたにすぎない、だけど今回は明確に、目的をもって世界王を作る、その結果が一日で50億体の世界王投入、素晴らしい。私では到底真似できない芸当です、誕爛はどうですか?真似、出来ますか?」
誕爛「1日では無理ですね、それにストレリチア様が作るとなると・・・弱くないですよね、ストレリチア様が直々に作る世界王の強さは最低SSランク、つまりそのレベルの連中が最下層から競い合い、喰らいあい、この層にやってくると」
神籟「EXクラスの量産が目的ですか?」
界羅「あれはストレリチア様ですら作れない領域、そしてただ喰らうだけでなれる領域ではない、そこまでは期待しない、だけど将来的にはそれもありかもですね」
惺紡「今居る円卓の王が落ちた場合、そのままこの層に残留する、その認識でいいのかな?」
界羅「そうだね、既に私達は帝王様にとって大事な存在、そして例外としてメリアの世界で世界王をしている無命、ノルン、も最上層です、目的は先ほども言いましたが帝王様を強くするためです、私達の地位なんて無意味、我々は帝王様に尽くすために生まれた存在、それはストレリチア様だって変わらない、その目的に沿って私は動いた、それだけ、すぐに結果は出ないでしょう、ですが、私はエテルを見てまだこの世界もやり方によってはまだまだ化けると考えた、そして先ほどは否定しましたが今居る円卓の王達が全員EXクラスに到達出来る事を夢見てます、それが結果的に帝王様のためになるのですから・・・」
・・・・・・
その後、界羅は一通りの説明を終えると黙ったまま、ストレリチアを待つ。
その後ストレリチアが現れ、界羅が説明した要件そのままの内容を話す。
そしてこの会議は終える。
円卓の王が下層に向かう事は不可能である、そしてもし今の自分に不満を感じるのであれば円卓の王という立場を失う事を条件に下層に降り、進化を狙う事を許可するという話で落ち着いた。
だが現状円卓の王達が下層に降りるという判断をする者は誰もいなかった。
それもそのはず、この戦いは一部の人を除いて誰も望んでいない結果だったからだ。
だがその中で自分は例外という条件を出してもらえるならその恩恵にあやかりたいと考えるのは普通の事だった。
だが不安もある、もし下層から上がって来た世界王が円卓の王の座を賭けて勝負を仕掛けてきたら、戦闘経験が浅い第七席以下の世界王は太刀打ちできるのか?そういう疑念を持ちながらも各自の世界に戻った。
・・・・・・
神籟「最後に言われた・・・【この事は円卓の王内だけの超重要機密事項である】他の世界から来た従属達に絶対に伝えてはならない、勿論主様本人も、これは万園が独自で行う選別である・・・と」
神籟は界羅という第一席を侮っていた。
元々ミールの時から主様至上主義の考えを持つ、従属も自分すらも主様の為だけの存在、それ以外はあい、だからミールはどこか従属を物として扱う事がある、そしてきっと何か主様関係で起きた時、ミールは無情に従属を殺すだろう、だがそれがミールであり、界羅だ。
ミールはパト以外はどうでもいいと考えているサイコパス気質であり、ヤンデレ思考の持ち主。
最も主を裏切らない存在であり、最も主の善良な心を苦しめる存在、だがストレリチアと同様に最も主に近い存在故に世界はミール、界羅の異常性を隠し通さなければならない。
神籟「本当・・・トップ3にろくなやつがいない・・・全員狂ってるよ。いや、それはトップ3に限らずか、あの戦争で生き残った私達6人全員・・・揃って狂ってるのかもね・・・」
自分のそうだったら、という空想が界羅に奪われ、実現してしまった責任を感じながら神籟は自身の世界に戻った。
そして最下層では再度地獄が始まろうとしていた。
ストレリチア「・・・ごめんなさい、娘たちを殺し合わせるような真似をして・・・許してとは言いません、ですが万園の質を今以上にするために、停滞させないために、そのためなら私は・・・心を鬼にします!」
ストレリチア「円卓の王 13名はただちに万園の玉座に集まってください」
・・・・・・
誤謬「これが円卓の王だけが許されているというストレリチア様への謁見・・・」
円卓の王 第十三席 誤謬(ごびゅう)
誤謬は円卓の王の中では一番若い世界王であり、最も円卓の王として新しい王。
今までストレリチアから招集に立ち会う事がなかったため動揺する。
・・・・・・
花神「とうとう・・・ですか・・・」
円卓の王 第十二席 花神(かしん)
白い部屋と巨大な純白のクッションの上で裸で横になっているのは花神、彼女は花で服を見繕いながらクッションの上に立ち上がる。
・・・・・・
凄艶「ストレリチア様、動き出すのですね」
円卓の王 第十一席 凄艶(せいえん)
多くの芸術作品、そして大きな舞台の真ん中に立つのは凄艶、彼女は歩みを始める。
・・・・・・
媛命「さて、今回はどんな厄介事を押し付けてくるのかな」
円卓の王 第十席 媛命(えんめい)
心安らぐ豊かな空間の中、彼女は憂鬱そうな顔で空を見上げる。
・・・・・・
怜悧「いくね、きっと私達にとっても良くない事が起きるかもね」
円卓の王 第九席 怜悧(れいり)
神経を研ぎ澄まし、ローブを纏う彼女、そしてその周りには無機質で巨大な手、そして怜悧を囲うように舞う無機質な龍のような生物
・・・・・・
玲瓏「終わらせたい仕事があったのですが、仕方ありませんね、これもストレリチア様、そして主様のお導きなのですから」
円卓の王 第八席 玲瓏(れいろう)
多くの本が積まれている書庫の最奥で一人呟くのは玲瓏、彼女の声は現実にしてしまう効果を無意識レベルで持ってしまうため、効果が出ないように極力声を小さくする。
・・・・・・
仙厳「地獄の始まりか、それとも天国の扉が開く音か・・・」
円卓の王 第七席 仙厳(せんげん)
仙厳は気を引き締めてストレリチアの場所に向かう、その表情は硬く、これから起きる事に対して緊張感を持っていた。
・・・・・・
神籟「さて、このタイミングでって事は主様絡みでしょうね、ただし嫌な形でしょうかね」
円卓の王 第六席 神籟(しんらい)
神籟は今から起るであろうことに大体の予測をつけ、移動を開始する、その足取りは何処か楽し気だった。
・・・・・・
惺紡「私の力をもってしてもか、平穏が崩れる音が聞こえるな」
円卓の王 第五席 惺紡(せいほう)
惺紡は過去の世界王戦争の再来を危惧した。だがそれはストレリチア本人が拒んだ結果、
同じ過ちを繰り返す事はないはずだと心の中で自身を言い聞かす。
・・・・・・
朔薬「・・・・・・いったい誰が告げ口したのでしょうね」
円卓の王 第四席 朔薬(さくやく)
疎ましそうにつぶやく彼女の顔はどこか曇っていた。
・・・・・・
円卓の王達が次々とストレリチアが在籍する世界に集まる。
誤謬「ここが・・・そしてお前達がごびゅ~と同じ世界王・・・」
花神「こうして十三席から四席まで集まる事は稀ですね、過去に一度も無かったのではないでしょうか?」
凄艶「そうだね、でもこうして私達を集める理由はないかな?今まで好きにさせてもらっていたのに」
媛命「どうでもいいよ、どうせストレリチア様が決めた事に断れるわけじゃないんだしさ、そもそもそんな事を考えてたら君達、死ぬよ?」
怜悧「珍しく媛命と意見があったね、変な考察はやめるね、どうせすぐに答えは聞けるね」
玲瓏「・・・」(ただ他の世界王達の話を聞く玲瓏)
仙厳「静かにしろ、今ここには朔薬様や惺紡様も居る、どの発言が刑に処されるかわからないぞ」
神籟「そうですね、ですが自由な発言で罰則はありえません、発言の自由を奪う事はストレリチア様は求めていない、寛大なお方ですからね」
惺紡「神籟のストレリチア様至上主義には尊敬に値するね、それはストレリチア様から直接仕事を頂ける立場故かな?神籟?」
神籟「代わりたければ譲ってもいい、だけど果たして惺紡がそんな事出来るのかな?いや出来たとしても話の意図を理解できないだろうね、君は所詮暴力にものを言わすしかないんだからね」
朔薬「神籟、惺紡、これ以上言い合いは辞めてください、そろそろトップ3が入ってきますよ」
朔薬がそういうと3つの光の柱が現れる。
・・・・・・
ストレリチアが座る玉座、その前に3つの椅子が現れる。
誕爛「皆もう集合してるね、こうやって皆の姿を見られるのは凄く感慨深い、気を休めるといい」
円卓の王 第三席 誕爛(たんらん)
円卓の王の中で最も身長が低い誕爛が現れた椅子の上で足を組む、そしてその視線は全員を凍らせるには充分だった。
神籟「相変わらずずっと威嚇してるのね、怖いのよ、いい加減」
誕爛「すまないね、どれだけコントロールしてもこの微細な漏れはどうしようも出来ないんだ、なにせこれは【息を吸って吐く】のと同じ程度の微量なオーラなのだから、これを止めるのは息をするなというのと同義だ」
祖占「いやいや、同義じゃないよ、それは君がオーラの制御が下手だからだよね?下手の理由をオーラの責任に擦り付けるのは私としてはどうかなって思うわね」
円卓の王 第二席 祖占(そうらな)
誕爛「いえいえ、僕のオーラ量は祖占殿以上のものでしてね、というよりほぼオーラという概念を持たない貴女に到底理解出来るものではない、そもそも僕が本気を出せばランクを一つあげるくらい容易だ、あまりデカい態度で居ると僕は君を第三席の座に座らせないといけないな」
祖占「やってみろよガキ、お前みたいな軍隊蟻を量産して出した所で雑魚は雑魚だろうが、それともまさかお前が指揮した従属なら私に届くとでも思ってるのか?それこそ心外だ、第七席連中ならそれで充分殺せるが私を殺せるとは到底思えないけどね」
第三席と第二席が睨み続ける。
軍として最強の力を持つ第三席
個として最強の力を持つ第二席
この二人の意見がかみ合う事は一切ない。
・・・・・・
「待たせたね、全員集まってるね、嬉しいわ」
円卓の王達「「「「来たな」」」」
最後の一席に一人の女性が現れる。
祖占「重役出勤お疲れ様界羅、随分遅かったんじゃない?」
界羅「色々準備に手間取ってね、祖占も誕爛も元気そうね、ずっと自分の殻に閉じこもってばかりじゃなくたまには表に顔を出したらどう?」
誕爛「お生憎だね、僕は既に僕の力を分け与えた僕の世界王を主様の専属神の一人、カナに送っている、彼女は優秀だよ、ランク以上に出来る事が多い、強すぎればカナ本人が壊れる可能性があるからね、あの程度の世界王で丁度いいと僕は思ってるんだけどね」
祖占「それを言えば私もだね、四季雪花、彼女の力はまさに私の後釜に相応しい、私がユミルを送り込んだ、上手くいけばきっと四季雪花は私のような力を手に入れる、全てを失う代わりに全てを得る最強の力をね、それこそ主様が求める最強の専属神だと思わないかい?」
界羅は二人の話を聞き、少し笑いながら首を横に振る。
界羅「お話にならないね、確かに結果的に言えば世界王も世界の質も貴方達二人が関わった子は別格の物となっている、結果的に帝王様の力になれる、それは大変すばらしい事だと私は思います、ですが肝心の帝王様本人を蔑ろにした政策に一体何の意味があるのでしょうか?」
円卓の王 第一席 界羅(かいら)
第四席より下の世界王達はトップ3の会話をただただ聞いていた。
聞く以外の選択肢がなかったのだ。
神籟「聞きたい事は山ほどある、だけどここで口を挟めば誰かの機嫌を損ねてしまうかもしれない、トップ3の実力は万園内でも異常な程の上だ。
その3人の逆鱗に触れる事が何よりも恐怖だった。
界羅「今回の提案も私が行いました、由々しき事態であり、そして今後の万園の在り方を・・・それを明確にしてもらうための時間です、そこで私は貴方達でも帝王様のお力になれる政策を考えストレリチア様に提案しました。あの方は最初こそ悩みはしましたが最後は了承してくれました。」
祖占「おい待て、私達はストレリチア様の話を聞きに来たんだ、お前の話を聞きに来たわけじゃないぞ界羅、これ以上出しゃばるな」
祖占は界羅を睨みつける、だが界羅はそれをものともせず話を続ける。
・・・・・・
界羅「まず一件、万園経由から外れた世界王が生まれた、名はエテル・ノーミール。もとは帝園(ミガドルエデン)出身の従属だった、だけど最近昔の私がそのエテルに敗れたの、それはもう一方的に・・・そして不手際でまさかの私が彼女の相手にすることになった・・・」
仙厳「それが本当ならば異常事態ですね、早く万園の世界王として登録するべきです、でなければ制御が効かずに主様に被害が」
界羅「余計な事はしなくていい、むしろ喜ばしい事です、良い傾向です、なにせただの従属が世界王に進化した、本来ならば世界王に適正がある従属が各世界で育て、万園と帝王様がその従属を選びこの万園の世界王として扱う、だけどその流れを無視したイレギュラー、それをすぐに排除するのは勿体ない、そうは思いませんか?」
凄艶「界羅様、仙厳様や玲瓏様はその状況を放置できない立場にあります、元々界羅様は私達を集めてどうするつもりだったのか、それを聞かせてはくれませんか?」
界羅「世界王としてのトリガー、それは世界王遺伝子を取り込む事、それは誕爛もわかっていることでしょう、なにせ全世界で世界王を作れるのはストレリチア様と私と誕爛の3人だけ・・・今まではその世界王遺伝子を適正がない子に植え付けても身体が朽ちるだけだった」
界羅は冷たい眼差しで円卓の王全員を睨む。
界羅「エテルは元々世界王適正外の従属だった、だけど世界王に進化した、SSSクラスの私を殺す程の力を持って・・・でもそうね、相性で勝っただけで彼女自体のランクをつけるとするなら・・・E+かDかな、進化した【死界の手】はまさに即死級、どんな策も現象もその手の前では無力、近いと言えば祖占に近いかな、それはいいとして、彼女は私の権限で見守る形をとってもらう、一切の接触を許さない」
誕爛「彼女は何が目的なのか、把握して、それで尚安全という保障を得ての発言と取っていいのかな?」
界羅「そうだね、あとはそうね、私を殺そうとしたけどそれでも私の可愛い娘みたいな存在なの」
界羅は笑う。
朔薬「次の話はどのような内容なのでしょうか?」
界羅「これは第七席から言える事なんだけど、君達、実力は確かなんだけど経験値が圧倒的に足りてない、それって偽りの強さともいえるのではないかなって思うの」
神籟「まさか!?あの話が進んだの?!」
神籟は自分の世界から立ち上がる。
界羅は神籟を見て頷く。
界羅「ええ、万園に上層世界と下層世界を設ける。ピラミッド式で条件を満たせば上の層に上がれる仕組み、そして最上層は私達が居る空間、最上層は戦う事はしない、死んだら困るからね、でもそれより下は話は別、居てもいなくても帝王様の力になれない、だから死んでも別に構わない、だから現在円卓の王以外の世界王達は最上層より一段下に降りてもらう、そして条件を満たした者だけこの層に居る権利を与える。」
界羅は笑う。
界羅「別に円卓の王だけが優秀だとは思っていないからね、だからこそ優秀な世界王は歓迎する、勿論帝王様が選んだ別世界の世界王も最上層だ、彼女達は大事な客人であり、帝王様の力になってくれる大事な存在だからね」
円卓の王達全員の表情が曇る。
神籟「ストレリチア様は許したというのですか?!」
界羅「帝王様のため、それで納得してくれました、現時点で約50億体の世界王生成を完了しました。あの方は以前の【世界王戦争】の時に比べて大きな力を得ました。そして世界王戦争はあくまでストレリチア様が世界王を作る練習として増やしていたにすぎない、だけど今回は明確に、目的をもって世界王を作る、その結果が一日で50億体の世界王投入、素晴らしい。私では到底真似できない芸当です、誕爛はどうですか?真似、出来ますか?」
誕爛「1日では無理ですね、それにストレリチア様が作るとなると・・・弱くないですよね、ストレリチア様が直々に作る世界王の強さは最低SSランク、つまりそのレベルの連中が最下層から競い合い、喰らいあい、この層にやってくると」
神籟「EXクラスの量産が目的ですか?」
界羅「あれはストレリチア様ですら作れない領域、そしてただ喰らうだけでなれる領域ではない、そこまでは期待しない、だけど将来的にはそれもありかもですね」
惺紡「今居る円卓の王が落ちた場合、そのままこの層に残留する、その認識でいいのかな?」
界羅「そうだね、既に私達は帝王様にとって大事な存在、そして例外としてメリアの世界で世界王をしている無命、ノルン、も最上層です、目的は先ほども言いましたが帝王様を強くするためです、私達の地位なんて無意味、我々は帝王様に尽くすために生まれた存在、それはストレリチア様だって変わらない、その目的に沿って私は動いた、それだけ、すぐに結果は出ないでしょう、ですが、私はエテルを見てまだこの世界もやり方によってはまだまだ化けると考えた、そして先ほどは否定しましたが今居る円卓の王達が全員EXクラスに到達出来る事を夢見てます、それが結果的に帝王様のためになるのですから・・・」
・・・・・・
その後、界羅は一通りの説明を終えると黙ったまま、ストレリチアを待つ。
その後ストレリチアが現れ、界羅が説明した要件そのままの内容を話す。
そしてこの会議は終える。
円卓の王が下層に向かう事は不可能である、そしてもし今の自分に不満を感じるのであれば円卓の王という立場を失う事を条件に下層に降り、進化を狙う事を許可するという話で落ち着いた。
だが現状円卓の王達が下層に降りるという判断をする者は誰もいなかった。
それもそのはず、この戦いは一部の人を除いて誰も望んでいない結果だったからだ。
だがその中で自分は例外という条件を出してもらえるならその恩恵にあやかりたいと考えるのは普通の事だった。
だが不安もある、もし下層から上がって来た世界王が円卓の王の座を賭けて勝負を仕掛けてきたら、戦闘経験が浅い第七席以下の世界王は太刀打ちできるのか?そういう疑念を持ちながらも各自の世界に戻った。
・・・・・・
神籟「最後に言われた・・・【この事は円卓の王内だけの超重要機密事項である】他の世界から来た従属達に絶対に伝えてはならない、勿論主様本人も、これは万園が独自で行う選別である・・・と」
神籟は界羅という第一席を侮っていた。
元々ミールの時から主様至上主義の考えを持つ、従属も自分すらも主様の為だけの存在、それ以外はあい、だからミールはどこか従属を物として扱う事がある、そしてきっと何か主様関係で起きた時、ミールは無情に従属を殺すだろう、だがそれがミールであり、界羅だ。
ミールはパト以外はどうでもいいと考えているサイコパス気質であり、ヤンデレ思考の持ち主。
最も主を裏切らない存在であり、最も主の善良な心を苦しめる存在、だがストレリチアと同様に最も主に近い存在故に世界はミール、界羅の異常性を隠し通さなければならない。
神籟「本当・・・トップ3にろくなやつがいない・・・全員狂ってるよ。いや、それはトップ3に限らずか、あの戦争で生き残った私達6人全員・・・揃って狂ってるのかもね・・・」
自分のそうだったら、という空想が界羅に奪われ、実現してしまった責任を感じながら神籟は自身の世界に戻った。
そして最下層では再度地獄が始まろうとしていた。
ストレリチア「・・・ごめんなさい、娘たちを殺し合わせるような真似をして・・・許してとは言いません、ですが万園の質を今以上にするために、停滞させないために、そのためなら私は・・・心を鬼にします!」
patopatoblog at 02:47│メインエピソード | 万園(オールエデン)シリーズ
