No.112 独占と共有は相容れない(R18)│No.114 ラルの圧迫面接2

2023年07月03日

No.113 ラルの圧迫面接1

ラルは自身の直属部隊メンバーを見つけるために何度も部隊員を募集し、その度に面接とテストをしていた。

だがその内容が厳しすぎると有名で、最初こそはラルの直属部隊になろうとした条件を満たした天使神達が現れたが、何度も結果を蹴られ続け、最初居た天使神達はラルの面接試験に顔を出さなくなった。

ラル「さて、今回で第八回、いい加減私の腹心が務まる子が現れると良いのだけど」

ソルテ「ハードルが高すぎるのでは?」

ラルとソルテはラルの自室でプライベートを共に過ごしていた。

ラル「直属部隊は替えは効かないのよ、妥協は出来ないわ、枠は常に空けておいて、とびっきり優秀な子を採用してしっかり教育、そこまでは考えて居るのだけどね」

ソルテ「教育を考えて居るのならある程度未熟でもいいのでは?」

ラル「私はポテンシャルで判断してるの、後は性格とやる気、後はそうね・・・考え方も私に似てる方がいいわね、そこばかりは教育でどうにかなる問題でもないし、部下になる子も全然合わない私と一緒に居ても辛いだけでしょうしね」

ラルは自分自身が面倒臭い性格なのは一番理解していた、だがそんな自分と今後一生付き合っていく子を決めるのだ、ラルにとっても適当には決める事は出来ないのだ。

ラル「ソルテはなんですぐに決める事が出来たの?」

ソルテ「私はそもそも指定されてましたけど、ほぼそれでメンバーが確定してましたから、後はそのメンバーを揃えるために急いで動いただけです、皆さん無所属だったので、思いのほか楽でしたけど、もし他勢力の主力に居たり、誰かに忠誠でも誓って居ようものなら強制的に無理矢理でも倒して仲間にいれないといけなかったかもしれないわね、メルリア様みたいな感じかしらね・・・」

ソルテは最悪な状況の事を考えて眉間に指をあてる。

ラル「ソルテの直属部隊の右腕?側近は誰になるの?」

ソルテ「一応シーノね、あの子が聖鬼神の中でも最も地位が高いし、ポテンシャルだけ見れば私よりも上だしね、ああ見えて頭の回転も速いし、総合的に見て彼女しか居なかったわね、他の子は何処か偏っているから」

ラル「いいわね、世界的に見ても優秀な子で、私もソフィア様みたいに神王10人!ってやってみたいわよ、なら考える事も少なかったでしょうし」

ソルテ「最高位の天使族ってそんなに数少ないの?」

ラル「数は居るわよ、この帝国だけでも結構な数は居るわ、でもポテンシャルが低いわね、いやそもそも天使族って荒事をするような種族じゃないのよ、だからそもそもポテンシャルが高くなりにくい種族でもあるの、天使って名の通り【天(神)の使い】をしている一族、その一族の神様だから最高位でも本来の神よりもそんなに強くないの」

ラルはため息をつく

ラル「はぁ、一族を指定されなかったら私もまだ有望な子を知っていたから早い段階で勧誘できたのになぁ・・・」

ソルテ「ラルにも信頼出来る部下は居ますからね、本来はそんな子を側近に置きたいのに置けない、それは同情しますよ」

ソルテはラルの悩みを聞いて同情した、それはソルテ自身にも当てはまる内容だったからだ
ソルテだって普段の仕事で自身が信頼を置いている部下は居る、だがその部下を勧誘したくてもメリアが指定した内容に当てはまっていない、だから勧誘は出来ない、その意図を従属神に教えるわけにもいかない、そんな悩みが最初はあった。

ソルテ「あ、第八回の試験、またこの子が出て来てるわね」

ラル「ああ、その子ね・・・」

ラルは微妙な顔をしながら書類に貼られた写真を眺める

ソルテ「名前はララエル・シフィターニャ、最高位天使族の慈悲系統、青髪に赤い花眼、所属は・・・あれ?無所属?」

ラル「そうなの、私この子とは一切面識ないの、いや・・・第一回の試験から毎回出て来てるから一切ではないわね、でもおかしな子よ、髪の毛は少しボサボサだし、慈悲系統でありながら赤い花眼、中途半端な性能なのは間違いなし、パト君のおかげで覚醒したのはいいけど、まったくダメだったってことでしょ、無所属なのがいい証拠よ、どの部隊も取らなかった子、それを私の側近になんて置けないわよ」

帝国部隊には無所属というのが存在する、従属神100万名の内たった5万名だけ何処にも配属せずに普段の行動から自由を認められている従属神が居た、ララエルという天使族はその無所属従属神だったのだ

ソルテ「無能と決めつけるのはちょっと酷なのでは、実際もう今回の選考で応募してきたのはこの子だけですし、面接くらいはした方がいいのでは?」

ラル「・・・同じ事を何度もするだけよ、私だって一応面接は全員としてるわ、だけど、この子は精神論で喋ってくるから疲れるのよ、論理的じゃない、私がどんな事を聞いて脅しても、「やれます!頑張ります!努力します!」としか言わないの、頑張る、努力するのは当たり前でその成果がいつ得られるか、どのように貢献できるか、そこを具体的に聞きたいのだけどね」

ソルテ「大変そうね、でもラルにはそんな子が向いているかもしれないですよ?だって精神論で話すってことは彼女自身がそんなタイプってことでしょ?賢い子だとラル様の圧に負けてしまうけど、自分が努力すれば!っていう精神の考え方を持つ子を傍に置いておけばとりあえず仕事のやる気は見せてくれるのでは?」

ラルはソルテの考え方も一理あると考える、

ラル「もう一度面接してみるか、後は実技も含めて深い所も聞いてみてもいいかもね、どうせ彼女一人しかいないわけだし」

ラルはそう言いながら自身が定めだ日時まで過ごした。

・・・・・・

ラル「では入って来なさい」

ララエル「はい!し、失礼致します!!」

そう言うと勢いよく開けられた扉の中央には髪が少し飛んだ天使族、ララエルが立っていた。

ラル「そこに座りなさい、速く、私に時間を取らせないで」

ララエル「すみません!ラル様!!」

ララエルは即座にラルの前に置かれた椅子まで走る、そして座ろうとするが、目の前に居るラルは立ったままだった。

ラル「どうしたの?座りなさいと言ったのだけど?」

ララエル「いえ、ラル様が立っていらっしゃるのに私が座る事は出来ません、どうかラル様がこの椅子をご使用ください、私は床に座らせて頂きます」

ラル(ちゃんと礼儀を学んだようね)

ラルはララエルが持ち運んできた椅子に腰かける、そしてラルは床に座ろうとするララエルを制止し、能力で椅子を生成する

ラル「その椅子に座りなさい、床に直接座るなんて品のない事は辞めて、私まで品性を疑われてしまうわ」

ララエル「申し訳ございません、自身の事ばかり・・・」

ラル「それで本題なのだけど、正直、貴女の事は何度も面接をしているし、今更こうやって取り繕られても仕方ないの、それに貴女は常に精神論、私の話したい内容を理解していない、それはこの短期間でどうにかなる問題でもないと私は考えるのだけど、貴女はどう?」

ララエルは目に見えて困惑する、ラルの言ってる事が理解出来ていないのだ、精神論と言われてもララエルにとって考えられた回答であり、それを否定されてもララエルにはどう答えていいかわからなかった。

だが【短期間でどうやって問題解決をするのか?】ここだけはテンパったララエルの頭でも理解できたため、ララエルはこう答える。

ララエル「誠心誠意努力し、問題解決に努めます!」

ラル(やっぱり同じ回答、話にならないわね、やっぱり無理よ)

ラル「努力って簡単に言ってるけど具体的にはどんな努力をするのかしら?現時点で貴女は8回も私の試験を受けている、だけど8回もやって私の話の意図を一切理解出来ていない、全然努力の成果が出て来てないのだけど?」

ララエル「えっと・・・その・・・」

ララエルは明らかに目を泳がせていた、それは今目の前で不機嫌な顔で自身を見つめて来るラルにどう答えればいいか、それを考えていたからだ。

ララエル「何度失敗してもチャンスはある内はまだ成功の可能性がある・・・だから・・・」

ラル「そんな話してないのだけど?私の話を無視しないでくれる?そもそもチャンスがあると思ってるの?いい加減貴女には呆れているから次からは選考書類が届いた時点で拒否するつもりなのだけど?」

ラルはそう言いながらララエルの選考書類をララエルの目の前にかざす

ラル「貴女に二択をあげる、諦めて帰るか、ここで書類を破られて二度と試験資格を失うか」

ラルはそうララエルに詰め寄った、これはラルなりのやり方であり、ララエルという従属神がどこまでの度胸を持ち、自身の精神論をラルにぶつけてくるか、それを確かめるためのソルテと考えた作戦だった。

ララエル「書類を破られたら何度でも書きます、名前を変えてでも書きます、写真が駄目なら他人の顔写真を使ってでも応募します、ここで帰るだけはしたくないです!!」

ララエルはラルのプレッシャーに耐え切れず涙を流してしまうが、ラルに対して啖呵を切って来た。

ラル「へぇ、なら貴女はなんでここまでして私の直属部隊に入りたいのかしら?入ったら即護衛部隊の幹部になれるから?」

ララエル「・・・私はそんな野望なんてない、そもそも私は馬鹿だから部下なんて言われても面倒なんて見れない・・・だけどラル様の役に立てる!それだけで十分だから私は・・・直属部隊に入りたいです。」

ラル「私の役に立つ・・・なら一つテストしてあげる、そのテストで私が納得したら貴女のその言葉を許容してあげる、口でならなんとでも言える、ついてきなさい」

ラルはそう言いながら椅子を立ち、部屋を出ていく、ララエルも戸惑いながらもラルの後をついていった。

・・・・・・

ラルとララエルは大きな崖に立っていた。

ラル「この崖から飛び降りて、もちろんオーラも能力も特性も全て解除して生身で」

ラルは冷徹な目でララエルに崖から飛び降りろと命令する。

ラル「私の命令は絶対、どんな役にでも立ちたいならこれくらい楽勝よね?馬鹿なら自分の命の一つや二つ笑顔で賭けれるくらいじゃないと割に合わないわ」

この内容には流石のララエルも想定外だったため、顔面蒼白になる。

ララエル(ラル様は私に死ねと・・・言ってるのかな・・・)

生意気な事を言ったからラル様を怒らせた、悪意ある形で自害させてしまおうというラル様の考えなのかと考えが埋め尽くされ、絶望したララエルは足元から力が抜け、崩れ落ちる。

ラル「ほら、どうしたの?まさかそんな覚悟もなく、私の役に立ちたいと言ってたの?やっぱり口だけね」

ラルはララエルを煽る、だがそれが効いたのかララエルは再度立ち上がり、吹っ切れたように崖の前に立つ

ララエル「私の考えは本気!!だからここで死んでもかまわない!!!」

ララエルはそう言いながら崖から思い切り飛び降りた!!

ララエルの目に映るのは駆け抜けていく景色、そして近づいてくる地面、どうせ何度やってもダメならここで死んでしまっても同じことだろうとララエルも躍起になっていた。

だがギリギリでラルの能力【境界支配】で地面スレスレの所でララエルは止まった。

そして崖の下まで降りて来たラルがララエルに話かける

ラル「60点、私が煽らないと動けないなんて覚悟が足りないんじゃないかしら?」

ラルからすれば素直に崖から飛び降りた事に驚いていたが、そこで終わらせない

ララエル「ごめんなさい、馬鹿なのに後先考えました・・・」

ラル「そう、及第点として貴女の発言は許容してあげる、それで貴女はもし私の直属部隊に入ったらどんな仕事を率先してやるのかしら?入った場合護衛部隊の幹部、初めてなんて通用しないわ、すぐにでもリーダーシップを発揮して貰わないといけない、それが出来るの?」

ララエル「・・・努力します!それが私の役目なら!!」

ラル「・・・面接試験合格、次は実技試験とポテンシャル測定を行うわ、やる気だけで務まる程護衛部隊は甘くないの、さっき貴女が崖から飛び降りた、でも護衛部隊は国を守る部隊、何かあった時、肉壁になって死ぬ覚悟を常に持って居ないといけない部隊、全員とは言わないけど、護衛部隊に居る子はそうやっていつか私の指示で死ぬ覚悟がある、崖から飛び降りた事が凄いなんて思わない事ね、それが普通、私が死ねと命令すれば死なないといけない、それが国を守る部隊なの、わかった?」

ララエル「はい・・・わかりました」

ラルはそう言いながら次の試験会場に向かい、ララエルもラルについていく

patopatoblog at 00:29│日常 | メインエピソード
No.112 独占と共有は相容れない(R18)│No.114 ラルの圧迫面接2