No.209 界羅│No.211 帝国・帝王直属侍女部隊

2026年08月26日

No.210 世界辞典 著者不明

この記録は誰かが記載したものである。

記録

世界黙示録

天帝神王の器を超えた存在が現れた。
その名は光世界 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

彼の存在は光世界三代目世界王が隠し続けて来た。
それは全世界の常識を揺るがす化物だった。

どう化けたらあの存在が生まれる?
どんな配合をすればあんな世界王が生まれる?

全てが謎に包まれた存在、だが言える事は彼の力は過去、天帝神王の地位についたものでさえ
理解出来ない領域にいる事だろう。

その代表例が【世界辞典(ミール・スラヴァ―リ】という力だろう。

彼の完成形とも言える神羅万象を超えた絶対的力、それは世界そのものを無数の本に記録し、それを呼び起こす事で彼の持つ【無数の世界から呼び出される】仕組みなのだ。

彼の持つ世界の数は誰も把握していない。
著者曰く能力を持つ彼ですら把握できていないと言っていた。

彼曰く
「この本は見る度に項目が増える、【部】【章】【節】【項目】【順】と正式に並び増えている、中身もよく変わるから覚える事もない、把握しても増え続ける、だからもう把握はしていない、その本と世界を管理している奴に全部任せてる、これだけの数があると似たような世界が沢山ある、だから似た世界は【項目】内で順位が定められている、それで順位が低ければ管理者が選ぶことはないだろう、でも別に壊れて良い程度のものだと捨て駒として差し出すかもしれない、今更世界が一つ壊れても何も影響しないしそもそも気付けない、もう考えるのを辞めたんだ」

そういう彼の右手には一冊の分厚い本があった、外見からして1000ページは超えるだろうか。

「分厚いだろう?この中を開くと目が痛くなる程の世界の数と情報が開示されているんだ、昔世話になった星で「カラオケリスト」を思い出して笑ったかな、わからないだろう?その時は殆ど電子機械を使って検索すれば思い通りの結果が出て来てたんだよ、だけど昔は違くてすっごく分厚い本に「曲名、歌手、入力番号」がびっしり順番通りに並んでたんだ、一度だけ見た事あるんだ、今思うと不便だったと思う、今それをやらされている気分だよ、この本にも「世界の名前、世界王の名前、世界の主名、順位」が記載されてる、そこにどんな世界でとか情報なんてないんだ、ただ項目として記載されてるだけ、こう見たら順位が高い奴を選べば安牌だと思うよね、それがこの順位の狙いだと思うんだ」

彼は笑いながら本とパラパラと適当にめくるとそのまま本を閉じた。

「本当狂ってしまった、世界と世界王を持つのは帝王神候補級、それが昔の常識だった、でも今は違う。世界と世界王を持つ事が当たり前になってしまった、それは生態系を大きく変えてしまった、昔の価値観で言えば一般人全てが帝王神候補級の実力者とでも言うのかな、実際に悪いと思ってる、だからもう現実世界に手を出すのは辞めたんだ、でもまさか世界の中で世界持ちと世界王を持たせるなんて考えもつかなかった」

彼は頭を抱えた。

「甘かったんだ、現実世界だけ気にしていればって、でも違った、もう止まらないんだ、例えば一つの世界で多くの従属が存在するとしよう、今まではあくまで各世界の従属だからとほぼ影響を受ける事がなかったんだ、だけど現実世界に手を出さなくなったと分かれば自分の世界は自身で作った世界の従属に世界と世界王を与えだした、結果無限に世界と世界王が増殖し続けるという事案が発生してしまった、まるで三面鏡で永遠と鏡を向かい合わせた自分を見つめるみたいに増殖し続ける、なにもしなくてもこうして分厚い本が作られていく、現実世界に干渉しない方が都合が良いと判断したんだろう、自分で作った従属なら雑に扱っても誰も気づかないからきっと試験的な意味も含めて世界を与えたりしているんだと思う」

彼は著者の肩に手を置いた。

「君はきっとある程度満足すれば死ねるよ、それが幸か不幸か関係ない、きっとある程度やりきれたと納得して消える事が出来るだろう、でも自分はダメだ、もう死ねない、寿命だって存在しない、自分に関わった人達も同じだ、きっとこれから死ぬことも出来ない生き地獄を味わう事になるだろう、申し訳ないと思う、でも自分は安心している、今の関係がずっと続く保証なんてない、根拠もない、だけど不甲斐ない自分を知ってくれている人たちが居る、それだけで救われる事もあるんだ、ずっと天帝神王として君臨し続ける事になるだろうからね、きっと世界が自分に追いつく事はこれから一生あり得ないだろう」

著者は聞いた「何故、そう言い切れるのか」と
彼は笑いながら答えた。

「例え死んでもその結果を許さない子が居るからだよ、死ねば死ぬ程本当の【死】が遠ざかっていくんだ、ならもう死なない方がマシだと思わないかい?これからは死ぬことも負ける事も許されない、勝つ事しか出来ない、競う事もない、スリルなんてもう二度と味わう事もないだろう、昔が懐かしい、昔は目の前の事だけを考えていた、だけどもう目の前を見たくないんだ、見ても無限に広がる荒野を眺めているような気分になる、ゴールが存在しない、誰も追いつかない、だからこれは確信なんだ、誰も救えないし、救われない、きっとこの世界は定期的に変わるような神ではなく【不動の頂点】が欲しかったんだろう、人間が神を絶対的存在と信じるのと同じように、神は帝王神を絶対的存在と信じるように、帝王神や天帝神達は天帝神王を絶対的存在と信じるように、これから自分は絶対的であり続けないといけないんだ、それほどつまらないものはないよ、特別扱いだってずっとその扱いなら自分にとっては普通の扱いになるんだからさ」

彼は椅子に座る。
不思議な感覚だ、彼は一人で椅子に座っているはずなのに、気配が一つではないのだ
一人ではあるがそれが無数に重なり合って気配が追い付かない、そんな感覚に近い。

著者「今私が天帝神王様に攻撃を仕掛けた場合、どれだけの従属が私に襲い掛かってくるのですかね・・・」

著者は特質過ぎる気配に対して好奇心が抑えきれずに聞いてしまう。
彼は怒る事なく答える。

「少なくとも、過去天帝神王が手も足も出ない程の子達が100人くらい・・・かな、自分から世界を呼んでそこから従属を呼ぶのがルールなんだけど守らない血の気の多い子が無数に世界があればやっぱりそれなりに居てね、困ってるんだ、無数に出て来られても面倒だから上限早い者勝ちで100名に普段は自動設定してるかな、勿論攻撃だけじゃないよ、守りもさ」

彼は楽しそうに話す。

著者「隠さないのですね、自分の能力について」

「隠したところで意味がないだろう?むしろ知ってもらいたいんだ、知ったうえで自分への対策をしてほしい、でも知ったら皆諦める、そうだろう?本来天帝神王に成れる程の器を持つ神が赤子同然に葬られるんだ、しかもそれが有象無象の世界の世界王ならまだしも有象無象の世界の住人にだ、屈辱にもほどがあるだろう?君にだってそうだよ、別に自分を殺す気で襲い掛かってくれても構わない、別に怒りも何もない、だけど従属が勝手に動くんだ、ちなみにその従属は自分も面識がない子の方が多くてね、命令は聞いてくれるけど誰かわからないから困ってるんだ、なにせ性格もわからないし重要性もわからないからさ、無下にも出来ないのが辛い所なんだ」

著者「天帝神王様が絶対的存在である事は認知しました、そのうえで最後に一つだけもしもの話をさせてください、もし貴方が今望むなら何を望みますか?」

彼は真っ直ぐと著者に向って話す。

「なにも望まないよ、ただこれからも神全体の絶対的存在であり続けるだけさ、全てを手に入れてる存在が何かを望んだらそれはもう絶対じゃないだろう、皆の理想を壊したくないんだ」

著者「ありがとうございました天帝神王、またお時間ある時に今回のような時間を頂いてもよろしいですか」

「ああ、いつでも遊びにおいで」

・・・・・・

記録はここで終わっている。

この記録は過去のものなのか、未来のものなのか、それは定かではない。



patopatoblog at 01:27│日常 
No.209 界羅│No.211 帝国・帝王直属侍女部隊