No.201 メリアの闇Ⅱその後│No.203 経営対策会議(微R18)

2026年05月04日

No.202 第四期の女帝達 episode1

今ここで4名の女性が新たな女帝として君臨しようとしていた。

絆結の究極系 ユイ 【朧(ろう)】
厭悪の究極系 エル 【黎(れい)】
涅槃の究極系 ハル 【桜(よう)】
愛全の究極系 アム 【銅(どう)】

ユイは第四の園 天使族で元所属は神園帝使の序列7位、勝利属性の天使王として玉座に座っていた。
ユイの力、勝利属性の天使が持つ能力は勝つ事が全て、そのため戦闘寄りの能力になりやすい傾向にあった、その中でユイネルの能力は全ての力を一つにして戦う、もしくは集めた能力を他の子に分配してしまう能力にあったため、ある意味集団の力を彼女一人で全て補ってしまう、そのため勝利の天使王として君臨していた。

経歴に問題なく立派な女帝だ。

エルは第十二の園 邪人族で元所属は最高重罪人として最深部の牢獄に捕らわれていた。
理由は邪人族の肌は褐色であるのが普通だがエルは白色、そして邪人族は漏れなく主パトや月花、パト寄りの人間達を嫌う傾向にあるがエルはその逆でパト達に強い好感を抱いていたため即処刑を言い渡されたが物理攻撃が一切通用しないエルを誰も殺せなかった、むしろ増大な悪意で一時的に帝園順位30位以内の実力を発揮した事でその場に居た邪人族全員を一掃した経歴があり、その結果誰も殺せないという事で監獄内に捕らわれていた。

経歴に問題ない実績を持っていた。

ハルは第七の園 聖人族で元所属は禁忌として扱われていたため、園内では腫物として扱われていた。

ハルは技術の究極系テルの姉に当たる存在で第七の園内で多くの実績を残し続けたテルに比べてハルは逆に多くの実績を奪い続けて来た。
それは彼女自身が望んだものではなく、彼女の特性がそうされたものだった。
彼女の周りには生も死も存在しない、彼女しか存在しない、してはならない、そのような独特な領域が存在する、つまり彼女が存在ある物に触れると消滅してしまうのだ。例外として遺伝子の繋がりがあるテルは例外として触れる事が出来たが、テルの能力は例外ではなかったため絶縁している。
ハル自身は消極的な性格のため誰も近寄って来ない事をむしろ好都合と考えていたため、今まで問題なく過ごしていた。

知名度とその評価は問題なく女帝の実績だった。

アムは第二の園で偶然発見された謎だらけの存在だった。

アムに記憶はなく、記録もなく、ミールが見る事で明らかになる情報全てが何もない、帝園の順位も表示されない、異質な存在だった。

ここで何も持たないアムに実績を与えたのはミールだった。
彼女はアムに対して殺す勢いで密に攻撃を与え続けた、ミール自身に殺意はなかったが、ミールの範囲外に位置する彼女がどれほどの力量を持つのか不明だったため、それなりに遠慮せずに攻撃を行った。

結果だけ言えば全て無傷、アムが何かをしたわけではなく世界そのものが時空を歪めミールの攻撃を拒んだのだ。
そこから何をしてもアムに攻撃は届かなかった、あと観察して気付いたのだがアムが例えば水を求めた時、水が自らアムの口元まで近づいてアムの体内に入って行った。
食料を求めた時には近くの生物が果物をアムに届けてくれた、果物だけでは身体に悪いと考えたのか、焼けた肉等の食糧が偶然アムの前に現れたりもした。
ミールはこの現象を見て【今だ正体を現していない御神体ではないか】と考え保護する形で女帝に任命した。アムという名もミールが決めた。

彼女はミールを認めさせる事で女帝となった。

・・・・・・
ミール「今回私が選抜した女帝はこの4人かな、どう?結構凄いのが集まったと思わない?」

シン「確かに経歴は問題ありませんが、戦闘面での実績が少ない子が多過ぎませんか?」

シンはミールからの言葉で質問を投げかける。

シン「本来第二の園に所属する女帝は強くて当然、何かに突出しているだけの曲芸師を集めているわけではありません、強さあってこそです、欲を言えば一人で園全体を壊滅するだけの力は欲しいんです。」

ミール「それが出来るのはネル、ベル、シンまででしょ、いやフラも出来るか・・・ノラもギリギリかな~」

シン「別に最難関である五光帝連合(第一園から第五園までの園)の園を単独で壊滅とは言いません、例えば第十二園を最低でも一人で壊滅出来るだけの実力は最低限持っていて欲しいと思うのです。

ミール「ならエルはクリアしてるね、事実壊滅まで追い込んで結果封印されていたような子だからさ」

シン「エルは第四期ではありますが候補自体で言えば第二期のメンバーと同時期です、彼女は私自身も認めてます、だから第三期のメンバーを決める時に最も警戒していました。今回だって反対寄りですが主様も厭悪の扱い方を学ばなければいけない年頃、過保護にし続けるのもいけないと私なりに判断した結果、受け入れる事にしたまでです。」

ミール「じゃあ誰が気に入らないの?」

ミールはまたシンの面倒臭い所が始まったと溜息交じりで肘をついて話しを聞く。

シン「ハルとアム、この2名の実績は納得できません」

ミール「ユイは納得してるんだ?」

シン「ユイエルの実績は本物ですから、帝園内で園外との戦争は基本禁止ですが彼女が単独で戦場に行けば第七園くらいは平気で吹きとばしますよ、それだけの事をしてくれるだろうという信頼があります、だからこそ今回の第四期の首席として私が認めました、元々天使王としての実績もありますから統率も出来るでしょうしね」

シンは真面目な顔で話を続ける。

シン「エルも同様、実績が証明されているのでいいです、ですが他2名は別、何も実績がないじゃないですか」

ミール「う~ん、まあそれなりの実績と地位があれば納得してくれはするだろうけど・・・どうしてもっていうならシン本人で試してみる?結構キツイかもよ?」

シンはミールにそう言われて、実際に確かめるにはそうするしかないかと納得し、ミールの質問に答えた。

シン「そうですね、ここで私が文句を言っても仕方ないですね、私が直接二人を審査します」

シンはそう言うとミールの居る場所から離れた。

ミールは少し笑いながらシンを見届ける。

ミール「ハルとアムの順位は【なし】順位という指標に当てはまらない分野の子達相手にどう立ち向かうつもりなのかな、シンは」

・・・・・・
シンはまずハルの元に向った。

ハルは第七園の禁断の地、【終わらぬ大地】に向った。

シン「第七園の禁断の地【終わらぬ大地】ここでは全ての現象に変化が起きない、外部から新たな生命が立ち入ることもない、全てがこの空間だけで完結していると言われている場所、名前だけは知っていたけどここに住人が居るなんて知らなかったわ」

【終わらぬ大地】では食料となる植物や生物が存在するが食べる事が出来ない、実を取ろうとしてもまったく身動き一つしない、生物を殺そうとしてもその生物に攻撃が一切届かない、刃を立てようとしても生物にも、突き立てた刃にも何も起こらない【死ぬことも生きる事も出来ない】現状維持だけが続く空間だった。

シン(ここでは空気も止まっている、私の中に入る事も無ければ出ていく事もない、存在はするけどまったく活動しない、言わば数値だけはまともな無重力空間のようなもの・・・頭がこんがらがるわね)

シンは自身の能力でその空間に立ち入った。
物音一つ起こらない、音すらも生まれることも無ければ死ぬこともない。

シン(例えば無理矢理音をこの空間内で作ったらその音はずっとこの空間で留まり続けて鳴り響き続けるのかしら、そして作り続けていけば最終的に容量オーバーを起こして・・・どうなるのかしら)

試してみたいと考えていたが今回はそのような要件で来たわけではない。

シンは大地を歩き続ける。それなりに歩き続けた先に異様な光景が広がっていた。
それは綺麗な桜の木達だった。

シン「なにここ、今までとは違って嘘みたいに綺麗ね、ここまで綺麗なのが逆に歪に感じる程に・・・」

ハル「誰ですか?」

シンは声の方向に振り向く。

そこには淡いピンク色の髪をした女の子が立っていた。

ハル「ここにどんな要件でしょうか・・・」

シン(この子がハル、涅槃の究極系としてミール様から選ばれた子、そう言えば順位を聞いていなかったわね)

シン「私は第二園、最高責任者のシン・ハート。第二園がどんな所かくらいは流石の貴女も知ってるわよね?」

ハル「はい、この帝園を統べる女帝達だけが住む園、私の妹も女帝に選ばれたと聞いています」

シン「テルの事ね、絶縁していると聞いてたけどちゃんと情報は入れてるみたいね」

ハル「はい、それで女帝の王様がこんなところに何の用でしょうか?私はただここで一人、過ごしているだけなのですが」

シン「そうね、本来ならこんなところに足を運ぶことなんてしないわ、別に私観光が趣味ってわけでもないしね」

シンは少し世間話をすると本題に入る。

シン「貴女が第二園の女帝に選ばれたと言ったらどうする?」

ハル「・・・私がですか?何もしていない、何も持たない私が女帝ですか?それに一体何の意味があるのですか?私にはわかりかねます、何を求めてるのですか?」

ハルはただシンと出会った時のまま桜の木の下にある大きな石に座ったまま話を続けていた。
丁度その高さがシンを見下すにはちょうどいい高さだった。

シン「それが私にもわからないの、決めたのは私じゃなくこの帝園の長、ミール様だからね、だから試しに来たの、私自らが納得しないとね、誰かが決めた事に不満を抱いたまま引き継がれるのは私としても納得できないし嫌いなの」

シンはそう言いながら手元で作った能力が凝縮した刃をハルに投げつける。

だがその攻撃はハルに一切届かなかった。
ハルに届く前に消滅したのだ。

シン「能力・・・じゃないわね、体質、特性的なものかしら」

シンは次に特性や体質等の恩恵を無効化する能力を付与し直して再度攻撃するために刃を生成し、ハルに攻撃を仕掛ける。

シュン・・・・・・・

だがそれでもハルには一切届かなかった。
能力がハルの所に届く前に消滅してしまったのだ。

シン(なにこれ、特性でも恩恵でもない、あらゆる系統の能力を無効化する能力を付与して攻撃したのに・・・なんだこの力は)

シンは動揺をしながらも次は近接へと攻撃手段を変更する。

シュン、シュン、シュン、シュン。

不思議な現象だった。

シン(攻撃の威力が・・・死んでる、いや、失っている。どんな勢いのある攻撃も全て勢いがなくなって最終的には止まってしまう)

シンの攻撃が一切通用しない、届かない。これは確かに不気味だと感じたシン。

シン(これ、私が全力を出しても攻撃が届くのかしら、というかベルの守備もネルの攻撃もこの子の前で通用するのかしら・・・全てが無に返されてしまう、ウルとは全く違う系統の無)

ハル「あの、満足していただけましたか?」

シン「え、まあ、そうね、色々不思議ではあるけど・・・そうだ、貴女から私に攻撃してくれないかしら?出来れば本気で、それできっと納得できると思うわ」

シンの想像が正しければ彼女の攻撃はシンに届かない、きっと彼女の力、涅槃とは不変の力であると考えていた。

ハルはオーラで攻撃を放つが、その攻撃はシンに届かなかった。

シン「やっぱり、今の本気なのね、だとすれば貴女は不変の天才なんだと思うわ、だから強さが存在しない、何故なら優劣を付けられないから、恐ろしいわね、倒す事も出来ないし倒される事も出来ないなんて、場合によっては矛盾を起こしそうな存在なのね」

ハルはシンの言葉を耳に受け入れてはいるがまったく頭に入っていなかった。

シン「無欲、不変、それが私達同様【絶対】の価値を持つ、久しぶりに見たわ、私達と同格の子、それはミール様も選ぶわけだわ、だけどどうやって叡天の羅針盤に来てもらおうかしら、色々貴女自身危険な存在よね?勝敗はつかないにしてもその無欲、不変を絶対に共用させてしまうんだから、困ったものだわ」

シンは頭を悩ませる、この子はこの場から動かさない方がいい。

今ここまでシンが歩いてきた道、その距離にして25キロ、その範囲内は全てハルのテリトリーだった。
空気が止まっている、音も止まっている、風も、生物も、全てが不変となり老いる事もなく死ぬこともなく、ただ静止している、生きている、ただそれだけの状態にさせられる。

シン「ねえ、貴女が触ったものはどうなるのかだけ教えて」

シンはお菓子を取り出し、ハルの近くまで投げる、先ほどと同じくそのお菓子は描いていた放物線が弱まりハルに届く事なく落ちてしまった。

ハルはそのお菓子の元に足を運ばせ、触ろうとする、するとそのお菓子は見るも無残に砂のように散ってしまった。

ハル「あ・・・まただ・・・」

シン(確定だわ、この子は女帝にしておかないといけない、禁忌の意味がよくわかった。彼女の居る空間の範囲では輪廻が止まる、つまり生死が全て止まる、だけど彼女に触れた瞬間止まっていた輪廻が急激に回って破滅をもたらす、何も残らない、これが彼女の全て、多くの事が出来る私達と違ってこの子はこれしか出来ない、でもきっとそれだけで充分)

シン「ハル、貴女は私が許可するまではここに居なさい、本来であれば全員を集めてってしたかったけど今回のメンバーは違う意味で曲者揃い、まともに集めてはいけないのかもしれないわ・・・だから私が許可するまではここから出る事を禁止します」

ハル「つまりいつも通りってことか・・・」

シンは(不気味な子・・・)と考えながらその場を後にする、シンですら能力が無ければハルの居る地に足を踏み入れる事が出来ない、その禁忌的存在を実感しながらもう一人の元に足を運ぶ。


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