2025年09月14日
No.176 諦められない気持ちepisode2
フィロンはずっと泣いていた。
家に帰るとずっと身体が重かった。
フィロン(なんで、私何も何も悪い事してないのに、どこで狂ったの?何がいけなかったの?私はただこんな私でも役に立てたらって、お父さんや二人の兄さんのように頑張れたらって・・・。)
・・・・・・
フィロンが防衛軍に入隊したのは今から4年前、
ファルドラが東京異変を起こす2年前。
選抜2位合格、1位はレーデ・ラルフッドに負けた。
だがこんな私でも決勝まで進めた、自分に自信が持てた、そして情報という分野では入隊した時点で誰よりも優秀だった。
隊長がファルドラだったこともあり、第四部隊での私の待遇は凄く良かった。
何かあれば私は裏方として情報を提供し、仕事に貢献してきた。
そして将来は第四部隊の副隊長、兄妹揃って隊長、副隊長となり隊長を支える副官として生きる
そんな未来を私は夢見て頑張ろうって・・・ずっと考えていたのに。
・・・・・・
フィロン「私の関係ない所でその夢は壊れちゃった・・・」
・・・・・・
エウレカ探偵事務所が第四部隊に訪れる日、
第四部隊内でも話題になっていた。
パトは女性人気も男性人気も凄く高かった。
女性からはどこか可愛らしい所があるのに凄く男らしい一面もあるのが良い
周りに女性しか居ないという事はそれだけ魅力があるって事、あの中に私も加わりたい。
男性からは間違いなく隊長クラスの実力があるのに謙虚である事。
本来自身に力があり、優秀であればそれを表に出したい、大胆に自慢する事はないが
微かにでも自慢をしたいと思うのが人というもの。
だがパトにはそれがない、それが同じ男として凄いと思う、後女性から沢山好かれて羨ましい死ねばいいのに。
みたいな尊敬と嫉妬が混ざったような評価。
フィロン「パト、正直全然興味がない、確かに東京異変ではお兄の事件を解決してくれた人、だけど、だからといって何かに惹かれるような事はない」
フィロンは少し虚ろな目で会談室に向かう。
・・・・・・
琴歌「今回お話してくれるのはフィロン副隊長、あのファルドラ・ニートロフの妹さんみたいです。」
パト「ファルドラの妹か、雪花から聞いたな、確か僕が2年前帝国に連れて行かれている間にファルドラ捜索を手伝ったって」
月花「今も探してるのかしら、だとしても真実をフィロン副隊長に話すの?」
パト「いや、それはステラとの契約違反だ、黄金卿はステラが管理しているけど組織自体の主導権は僕にある、それだけ黄金卿に投資してあるからね、黄金卿の不利益は僕達の不利益だ、今後エウレカ探偵事務所の仕事を黄金卿にもやらせるつもりだ、もちろん悪信教絡みに限りだけどね、だからこそ部外者に情報を与える事は出来ない、兄妹であろうが組織が違えば他人、部外者だよ」
パトは冷たく言い放つ、今までのパトなら温情で悩んでいただろう、
だがこの2年でパトも変わった、良くも悪くもメリアの影響を受けたのだろう。
そう話していると扉からノックの音がする。
・・・・・・
フィロン「お待たせしてすみません、私が地球防衛軍第四部隊副隊長フィロン・ニートロフです。今回はここまで足を運んで頂きありがとうございます。早速で申し訳ないのですが本題を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?」
フィロンは世間話をする気はないと言わんばかりに即座に本題を話せと言う。
琴歌も臆せず、そのまま本題を話す。
琴歌「地球防衛軍第四部隊はネットワーク情報関係に強いと伺っております。私達エウレカ探偵事務所は第四部隊の業務分野で何かしらのお手伝いが出来ると考え、ここに足を運ばせて頂きました」
フィロン(やっぱり・・・)
ヘルナとフィロンの予想通りだった。
フィロン「私達の部隊は情報を何よりも大事にしている部隊です、部外者に情報を仕事とは言え一時的に渡す事も、それを取り扱わせる事も出来ません、なので仕事で何かしらの依頼をすることは私達からはないと思います。」
琴歌「そうですね、情報はとても大事なものです、部外者に触れさせる事なんてあってはならない、何故ならその情報は物ではないから、物でない以上抑制は困難です、盗んだかどうかなんて相手の脳を見ないとわからない事ですからね」
フィロン「ご理解いただけて幸いです、でしたら」
琴歌「ですが第四部隊の情報管理技術、それはどこまで信用出来る者でしょうか?」
フィロンは怪訝な表情を浮かべる。
琴歌「傷口に塩を塗るような発言ですが、2年前第四部隊隊長ファルドラ・ニートロフが日本東京で大規模テロを起こしたのはまだ記憶に新しいです、あの復興に私達の企業も多く参加しましたからね、そしてその後押しとなったのは第四部隊の情報だと思っております、そうでなくとも既に反逆者が第四部隊内から出た以上その情報管理にどこまでの信頼性があるのでしょうか?」
フィロン「私達だけでは信用に値しないと?」
琴歌「いえいえ、防衛軍の情報ですから私達外野から何かを申すなんて事はありません、ですがそれだけ大事にしてる情報をどこまで厳重に管理しているのかと、私は疑問に思います。」
フィロン「君達には関係ない話でしょ!!!」
フィロンは怒りを抑えられずに声を荒げてしまう、
それは第四部隊を侮辱されたからではない、ファルドラを侮辱されたからだ。
月花(琴歌ちゃんもえげつない切り方をするわね、でもここは琴歌ちゃんの方が優秀、私達は様子を伺うだけ)
パト(上手いな、敢えてファルドラが悪いという話でフィロンを怒らせたか、でもこうなったら業務提携は難しくないか?)
フィロン「お引き取りください、貴方方から信頼もない第四部隊と業務提携を結ぶ必要なんていないでしょう!!私達は忙しいのです!」
フィロンはその場から立ち去ろうとするが琴歌がそれを許さない。
琴歌「第四部隊の情報、全部私達の組織が奪えると言ったらどうしますか?逆にそれを守れるのも私達の組織だけと言ったらどうしますか?」
フィロンは琴歌の言葉に耳を貸そうとしなかった、だが琴歌は歌姫の力を使い無理矢理フィロンの動きを止め、耳に言葉を入れさせる。
琴歌「私達が貴方達に協力出来るのは貴方達の大事にしているデータを防衛することです。もちろん中身は確認しません、ただ現状のまま管理する、それが私達には出来る、貴方達が大事にしている情報なんて私達からすればすぐに全部盗める、いつでも閲覧出来る、今はそうとだけ言っておきます。」
フィロン「へぇ、面白い、じゃあどんな情報を盗んだの?教えてよ、私も第四部隊の情報は全部知ってるから」
琴歌「フィロンさん、貴女が今防衛軍でいじめを受けている件、それについてどうでしょうか?」
パトと月花は琴歌の方に振り向く、それは最後の切り札だったからだ。
そして極力出したくないカードでもあったからだ。
琴歌「調べてますよ、フィロンさん、貴女はずっと部下から迫害を受けていると、そしてそれに苦しんでいると、直接的な暴力はなくても貴女の部下さんはSNSで匿名で貴女へ誹謗中傷をしてますよね、しかもこれ、防衛軍サーバーから、知ってますよね?でもこれを暴けばフィロンさんに向けられる敵意は増すばかり、それどころか防衛軍内でこんなことをしている人が居ると表に情報が出てしまえばとうとう第四部隊が終わりですね」
琴歌はここぞとばかりに足を組む、普段は絶対に琴歌がしない仕草だがここは威圧を与えるためにわざと足を組み、冷たい表情でフィロンに話しかける
琴歌「【こっちを向いて】」
琴歌が言霊を発した、するとフィロンは琴歌の方を無理矢理向いてしまう。
その時のフィロンの表情は先ほどの怒りを失い動揺を隠せていなかった。
琴歌「フィロンさん、情報のスペシャリストならそれくらい把握してますよね、ですがフィロンさんは何も出来なかった、動けば全ヘイトはフィロンさんに向くから、「エゴサして処罰とかキモ」「部下の処罰の前に仕事しろよ」「兄弟そろって第四部隊の面を汚しやがって」情報から導き出せる評価ですね、それがフィロンさんもわかっていたから怖くて何も言えなかった、そしてそれはどんどん部隊内でエスカレート、フィロンさんは強い、だけどその力を部下に使えば間違いなく批判を喰らう、フィロンさんは何も悪くない、だけど部下は間違いなくフィロンさんを悪者にする、だけどフィロンさんはきっと情報を全て提示して部下が悪いと・・・断罪出来る」
琴歌が今喋っているのはもしもの話だ、実際に起きた話ではない、だがフィロンはその言葉に心当たりがあるのか涙目のまま、唇を震わせながら琴歌の言葉を聞く。聞くしか出来ない。
琴歌「部下と溝が深まるばかり、結果的に今の立場も無くす可能性が高い・・・ヘルナ隊長は優しい方ですからね、きっとフィロン副隊長を守るという意味で副隊長の座を剥奪するでしょう、ですがフィロン副隊長にとってその席は手放したくない大事な物、だから自身が耐えていれば、将来ヘルナ隊長が出世して官長になるか、何かの事件で死亡するかすれば、その時が来るまでこの苦しみを耐えていればいつかはって・・・」
フィロン「もうやめて!!!!!!!!!!」
フィロンは泣きだした、琴歌は言霊を解いた、するとフィロンはその場に座り込んでしまう。
琴歌「今話したのは全て憶測です、根拠も無ければ証拠もない、だけどイジメがあった現状、SNSで誹謗中傷をされている現状、なのになにも対処しない現状からフィロンさんの心境を勝手に代弁したまでです、ですがその表情からするに間違ってはいなかったみたいですね」
フィロン「だって・・・私、何も悪くないもん・・・私は皆のために頑張ってるだけなのに・・・なんで皆私を悪者だって言うの・・・」
琴歌「そうですね、フィロンさんは何も悪くありません、悪いのはファルドラです、後は第四部隊という組織そのもの、閉鎖的な環境ですからね、集団行動では誰かが悪者なっている方が組織は上手くいくものです、きっと今の第四部隊はフィロンさんを悪者にすることで一致団結出来ているのでしょう、汚い話ですが、それもまた事実です。」
国という組織でも政治家がヘイトを買いやすいように
学校のクラスでは大人しい子がイジメの対象になりやすいように
会社では仕事が出来ない上司が陰口の対象になったりと
組織である以上標的は生まれるものだ。
エウレカ帝国ではメリアがその役割を全て担っていた。
全員が円満で居られるようにとメリアが悪役を徹していた。
琴歌はそれを知っていた、誰もやりたがらない、手を汚す仕事をメリアは率先して行っていた。
琴歌は勿論大反発した、今でも納得していない、だがそれが必要な行為である事は理解している。
組織でも作品でも光と影がある。
誰かが凄く好かれるなら逆に誰かは凄く嫌われる。
専属神内で言えば光は雪花、影はメリアだろう。
専属神内で雪花は誰からも好かれる存在だ、誰かと喧嘩した話も聞いたことないし、
雪花の陰口を聞いたこともない。
だがメリアは専属神内でもそれなりに陰口は聞く、だがその反面納得している部分はある。
琴歌は組織である以上どうしようもない現状を理解していた。
だからこそ現在悪者役となっているフィロンに突きつける事でしかこの場の話を進めることは出来なかった。
琴歌(嫌われ者は嫌われ者の立ち回りがあります、きっと第四部隊の総意は【部外者を介入させてはならない】なのでしょうね、ですがフィロンさん、貴女だけはその創意から外れる事が出来る、【部外者を使って組織を安定させる】その方法が取れるのはフィロンさんだけ、今回の会談でフィロンさんだけ来てくれたのは好都合、絶対に私はこの路線でフィロンさんを納得させてみせます!!)
家に帰るとずっと身体が重かった。
フィロン(なんで、私何も何も悪い事してないのに、どこで狂ったの?何がいけなかったの?私はただこんな私でも役に立てたらって、お父さんや二人の兄さんのように頑張れたらって・・・。)
・・・・・・
フィロンが防衛軍に入隊したのは今から4年前、
ファルドラが東京異変を起こす2年前。
選抜2位合格、1位はレーデ・ラルフッドに負けた。
だがこんな私でも決勝まで進めた、自分に自信が持てた、そして情報という分野では入隊した時点で誰よりも優秀だった。
隊長がファルドラだったこともあり、第四部隊での私の待遇は凄く良かった。
何かあれば私は裏方として情報を提供し、仕事に貢献してきた。
そして将来は第四部隊の副隊長、兄妹揃って隊長、副隊長となり隊長を支える副官として生きる
そんな未来を私は夢見て頑張ろうって・・・ずっと考えていたのに。
・・・・・・
フィロン「私の関係ない所でその夢は壊れちゃった・・・」
・・・・・・
エウレカ探偵事務所が第四部隊に訪れる日、
第四部隊内でも話題になっていた。
パトは女性人気も男性人気も凄く高かった。
女性からはどこか可愛らしい所があるのに凄く男らしい一面もあるのが良い
周りに女性しか居ないという事はそれだけ魅力があるって事、あの中に私も加わりたい。
男性からは間違いなく隊長クラスの実力があるのに謙虚である事。
本来自身に力があり、優秀であればそれを表に出したい、大胆に自慢する事はないが
微かにでも自慢をしたいと思うのが人というもの。
だがパトにはそれがない、それが同じ男として凄いと思う、後女性から沢山好かれて羨ましい死ねばいいのに。
みたいな尊敬と嫉妬が混ざったような評価。
フィロン「パト、正直全然興味がない、確かに東京異変ではお兄の事件を解決してくれた人、だけど、だからといって何かに惹かれるような事はない」
フィロンは少し虚ろな目で会談室に向かう。
・・・・・・
琴歌「今回お話してくれるのはフィロン副隊長、あのファルドラ・ニートロフの妹さんみたいです。」
パト「ファルドラの妹か、雪花から聞いたな、確か僕が2年前帝国に連れて行かれている間にファルドラ捜索を手伝ったって」
月花「今も探してるのかしら、だとしても真実をフィロン副隊長に話すの?」
パト「いや、それはステラとの契約違反だ、黄金卿はステラが管理しているけど組織自体の主導権は僕にある、それだけ黄金卿に投資してあるからね、黄金卿の不利益は僕達の不利益だ、今後エウレカ探偵事務所の仕事を黄金卿にもやらせるつもりだ、もちろん悪信教絡みに限りだけどね、だからこそ部外者に情報を与える事は出来ない、兄妹であろうが組織が違えば他人、部外者だよ」
パトは冷たく言い放つ、今までのパトなら温情で悩んでいただろう、
だがこの2年でパトも変わった、良くも悪くもメリアの影響を受けたのだろう。
そう話していると扉からノックの音がする。
・・・・・・
フィロン「お待たせしてすみません、私が地球防衛軍第四部隊副隊長フィロン・ニートロフです。今回はここまで足を運んで頂きありがとうございます。早速で申し訳ないのですが本題を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?」
フィロンは世間話をする気はないと言わんばかりに即座に本題を話せと言う。
琴歌も臆せず、そのまま本題を話す。
琴歌「地球防衛軍第四部隊はネットワーク情報関係に強いと伺っております。私達エウレカ探偵事務所は第四部隊の業務分野で何かしらのお手伝いが出来ると考え、ここに足を運ばせて頂きました」
フィロン(やっぱり・・・)
ヘルナとフィロンの予想通りだった。
フィロン「私達の部隊は情報を何よりも大事にしている部隊です、部外者に情報を仕事とは言え一時的に渡す事も、それを取り扱わせる事も出来ません、なので仕事で何かしらの依頼をすることは私達からはないと思います。」
琴歌「そうですね、情報はとても大事なものです、部外者に触れさせる事なんてあってはならない、何故ならその情報は物ではないから、物でない以上抑制は困難です、盗んだかどうかなんて相手の脳を見ないとわからない事ですからね」
フィロン「ご理解いただけて幸いです、でしたら」
琴歌「ですが第四部隊の情報管理技術、それはどこまで信用出来る者でしょうか?」
フィロンは怪訝な表情を浮かべる。
琴歌「傷口に塩を塗るような発言ですが、2年前第四部隊隊長ファルドラ・ニートロフが日本東京で大規模テロを起こしたのはまだ記憶に新しいです、あの復興に私達の企業も多く参加しましたからね、そしてその後押しとなったのは第四部隊の情報だと思っております、そうでなくとも既に反逆者が第四部隊内から出た以上その情報管理にどこまでの信頼性があるのでしょうか?」
フィロン「私達だけでは信用に値しないと?」
琴歌「いえいえ、防衛軍の情報ですから私達外野から何かを申すなんて事はありません、ですがそれだけ大事にしてる情報をどこまで厳重に管理しているのかと、私は疑問に思います。」
フィロン「君達には関係ない話でしょ!!!」
フィロンは怒りを抑えられずに声を荒げてしまう、
それは第四部隊を侮辱されたからではない、ファルドラを侮辱されたからだ。
月花(琴歌ちゃんもえげつない切り方をするわね、でもここは琴歌ちゃんの方が優秀、私達は様子を伺うだけ)
パト(上手いな、敢えてファルドラが悪いという話でフィロンを怒らせたか、でもこうなったら業務提携は難しくないか?)
フィロン「お引き取りください、貴方方から信頼もない第四部隊と業務提携を結ぶ必要なんていないでしょう!!私達は忙しいのです!」
フィロンはその場から立ち去ろうとするが琴歌がそれを許さない。
琴歌「第四部隊の情報、全部私達の組織が奪えると言ったらどうしますか?逆にそれを守れるのも私達の組織だけと言ったらどうしますか?」
フィロンは琴歌の言葉に耳を貸そうとしなかった、だが琴歌は歌姫の力を使い無理矢理フィロンの動きを止め、耳に言葉を入れさせる。
琴歌「私達が貴方達に協力出来るのは貴方達の大事にしているデータを防衛することです。もちろん中身は確認しません、ただ現状のまま管理する、それが私達には出来る、貴方達が大事にしている情報なんて私達からすればすぐに全部盗める、いつでも閲覧出来る、今はそうとだけ言っておきます。」
フィロン「へぇ、面白い、じゃあどんな情報を盗んだの?教えてよ、私も第四部隊の情報は全部知ってるから」
琴歌「フィロンさん、貴女が今防衛軍でいじめを受けている件、それについてどうでしょうか?」
パトと月花は琴歌の方に振り向く、それは最後の切り札だったからだ。
そして極力出したくないカードでもあったからだ。
琴歌「調べてますよ、フィロンさん、貴女はずっと部下から迫害を受けていると、そしてそれに苦しんでいると、直接的な暴力はなくても貴女の部下さんはSNSで匿名で貴女へ誹謗中傷をしてますよね、しかもこれ、防衛軍サーバーから、知ってますよね?でもこれを暴けばフィロンさんに向けられる敵意は増すばかり、それどころか防衛軍内でこんなことをしている人が居ると表に情報が出てしまえばとうとう第四部隊が終わりですね」
琴歌はここぞとばかりに足を組む、普段は絶対に琴歌がしない仕草だがここは威圧を与えるためにわざと足を組み、冷たい表情でフィロンに話しかける
琴歌「【こっちを向いて】」
琴歌が言霊を発した、するとフィロンは琴歌の方を無理矢理向いてしまう。
その時のフィロンの表情は先ほどの怒りを失い動揺を隠せていなかった。
琴歌「フィロンさん、情報のスペシャリストならそれくらい把握してますよね、ですがフィロンさんは何も出来なかった、動けば全ヘイトはフィロンさんに向くから、「エゴサして処罰とかキモ」「部下の処罰の前に仕事しろよ」「兄弟そろって第四部隊の面を汚しやがって」情報から導き出せる評価ですね、それがフィロンさんもわかっていたから怖くて何も言えなかった、そしてそれはどんどん部隊内でエスカレート、フィロンさんは強い、だけどその力を部下に使えば間違いなく批判を喰らう、フィロンさんは何も悪くない、だけど部下は間違いなくフィロンさんを悪者にする、だけどフィロンさんはきっと情報を全て提示して部下が悪いと・・・断罪出来る」
琴歌が今喋っているのはもしもの話だ、実際に起きた話ではない、だがフィロンはその言葉に心当たりがあるのか涙目のまま、唇を震わせながら琴歌の言葉を聞く。聞くしか出来ない。
琴歌「部下と溝が深まるばかり、結果的に今の立場も無くす可能性が高い・・・ヘルナ隊長は優しい方ですからね、きっとフィロン副隊長を守るという意味で副隊長の座を剥奪するでしょう、ですがフィロン副隊長にとってその席は手放したくない大事な物、だから自身が耐えていれば、将来ヘルナ隊長が出世して官長になるか、何かの事件で死亡するかすれば、その時が来るまでこの苦しみを耐えていればいつかはって・・・」
フィロン「もうやめて!!!!!!!!!!」
フィロンは泣きだした、琴歌は言霊を解いた、するとフィロンはその場に座り込んでしまう。
琴歌「今話したのは全て憶測です、根拠も無ければ証拠もない、だけどイジメがあった現状、SNSで誹謗中傷をされている現状、なのになにも対処しない現状からフィロンさんの心境を勝手に代弁したまでです、ですがその表情からするに間違ってはいなかったみたいですね」
フィロン「だって・・・私、何も悪くないもん・・・私は皆のために頑張ってるだけなのに・・・なんで皆私を悪者だって言うの・・・」
琴歌「そうですね、フィロンさんは何も悪くありません、悪いのはファルドラです、後は第四部隊という組織そのもの、閉鎖的な環境ですからね、集団行動では誰かが悪者なっている方が組織は上手くいくものです、きっと今の第四部隊はフィロンさんを悪者にすることで一致団結出来ているのでしょう、汚い話ですが、それもまた事実です。」
国という組織でも政治家がヘイトを買いやすいように
学校のクラスでは大人しい子がイジメの対象になりやすいように
会社では仕事が出来ない上司が陰口の対象になったりと
組織である以上標的は生まれるものだ。
エウレカ帝国ではメリアがその役割を全て担っていた。
全員が円満で居られるようにとメリアが悪役を徹していた。
琴歌はそれを知っていた、誰もやりたがらない、手を汚す仕事をメリアは率先して行っていた。
琴歌は勿論大反発した、今でも納得していない、だがそれが必要な行為である事は理解している。
組織でも作品でも光と影がある。
誰かが凄く好かれるなら逆に誰かは凄く嫌われる。
専属神内で言えば光は雪花、影はメリアだろう。
専属神内で雪花は誰からも好かれる存在だ、誰かと喧嘩した話も聞いたことないし、
雪花の陰口を聞いたこともない。
だがメリアは専属神内でもそれなりに陰口は聞く、だがその反面納得している部分はある。
琴歌は組織である以上どうしようもない現状を理解していた。
だからこそ現在悪者役となっているフィロンに突きつける事でしかこの場の話を進めることは出来なかった。
琴歌(嫌われ者は嫌われ者の立ち回りがあります、きっと第四部隊の総意は【部外者を介入させてはならない】なのでしょうね、ですがフィロンさん、貴女だけはその創意から外れる事が出来る、【部外者を使って組織を安定させる】その方法が取れるのはフィロンさんだけ、今回の会談でフィロンさんだけ来てくれたのは好都合、絶対に私はこの路線でフィロンさんを納得させてみせます!!)
