2024年06月

2024年06月22日

No.150 未熟な二人の王

リフォンはずっと退屈していた。

リフォン「今日もソフィア様来ないなぁ」

ソフィアが最後に遊楽異界に足を運んだのは3歳頃だった。
その時のソフィアには遊楽異界という世界が難しく、興味を持つ事もしなかった、
そのうえ、異質異能を強化出来ると言えど、そもそも強化なしでも帝王神候補として認められる程
強く、努力をする必要性をソフィア自身まったく感じてこなかったため、ソフィアが今まで
遊楽異界に来ることはなかった。

だがソフィアが来ないとその世界の王、リフォンは退屈で仕方なかった。

リフォン「今日も業務なし、おうちに帰ってアニメでも見てようかな~」

リフォンは毎日衣装に着替えては自身の持ち場に足を運び、1時間だけその部屋で過ごすのが日課になっていた、リフォンにとってこの世界は退屈だった。

リフォン(遊び相手になる住人が居てくれたら私だって一人で何処にでも行くんだけど、よりにもよって私の遊び相手になる人がレフォンしかいないんだよね)

レフォン、遊楽異界責任者リフォンの双子に兄である。

・・・・・・
リフォンは遊び相手にレフォンの部屋に向った、
双子の兄妹という事でいつも二人で過ごしている、だがリフォンにとってはもう一つ理由があり
レフォンと過ごしている。

リフォン「レフォン~、暇だから遊ぼう~」

・・・、リフォンはレフォンの部屋の前で話しかける、だが部屋の中から返事はなかった。

リフォン「ねえ~~!まだ寝てるの~~!!もういい時間なんだから部屋から出て遊んでよ!」

・・・。それでも返事がなかった。

リフォン「あれかな、死んじゃったかな?よく考えたら数日ご飯も水も出してなかった気がする、でもまさか流石に自分でお腹空いたら勝手に食べたりするでしょ~~」

リフォンはそう考えるが、扉が開いた形跡が見当たらない所を見ると、徐々に不安が募り、気持ちが焦り始める。

リフォン「ねえ!レフォン!生きてる!?ねえ~~!え!本当にヤバイ感じ?!わかった!今助けるね!待って!扉壊すから!!!!」

レフォン「扉壊すな、お前は遊んだ後絶対に片付けないんだから」ポン

レフォンはリフォンの頭を軽く叩く。

リフォン「レフォン!何処に言ってたの!!」

レフォン「トイレ、というか僕を引きこもりみたいに扱うな、やる事ないから自室の娯楽を堪能しているだけだ、別にやる事があるならわざわざ部屋に籠ったりはしない」

レフォンはそう言いながら自室の中に入ろうとする、だがそれをリフォンがレフォンの服を引っ張る事で阻止する。

リフォン「じゃあ私と遊んで!暇なの!王なのに業務が全然ないから困ってるの!」

レフォン「王も大変だな、僕は選ばれなかったからリフォンの苦労はわからないけどさ、別にソフィア様があんな感じなわけだし、リフォンがそこまで気にする必要ないんじゃない?それにソフィア様だって異質異能の強化が必要に感じれば必然的にこの世界を使うでしょ?なら今わざわざ慌てる必要はないと僕は思うね、どうせいつか忙しくなる、なら今ゆっくりしてても罰は当たらないさ」

リフォン「うん、別に罰なんて考えてないけど、暇なのは変わりないでしょ?退屈って凄く辛いんだよね、ここって娯楽の世界なのに退屈って事は娯楽として不十分って事でしょ?私でも楽しめる世界にしないともしソフィア様が私以上のゲームマスターになった時、これからって所でゲームクリアになると遊楽異界そのものの価値が無くなるでしょ?ゲームにとって怖いのは完全攻略されちゃうことだよ」

遊楽異界は娯楽の世界、だが限度はある、攻略していけばいずれクリアしてしまう、もしソフィアが遊楽異界の娯楽全てを楽しみ終えた後、遊楽異界でやれることは無くなったという事で二度と顔を見せない可能性がある、事実現実のゲームでも完全にクリアすると大抵の人はそのゲームをやらなくなる、クリアという概念がなくても一定の所までキャラクターを成長させれば満足する、リフォンは娯楽特有の悩みについてずっと考えていた。

レフォン「そればかりはどうしようもない、僕やリフォンだって今その状態なわけだ、常に目新しい娯楽に会えるなんて贅沢なんだよ、現実の人達だって同じ娯楽に対して創意工夫をして毎日を楽しんでいる、僕達の世界もそうやって楽しんでもらうしかないんだよ、その結果、僕達2人みたいに時間を持て余すことになるけどね」

レフォンはそう言うと部屋の中に入り、扉を閉めてしまう。(鍵は閉めない、リフォンが入って来れなくなるから)

・・・・・・
リフォン「レフォンは今日もネットゲーム、飽きないね、どう足掻いても一番になっちゃうのに」

レフォンは実力が伴う娯楽が強い、
特に駆け引きに関するものでレフォンはどんな相手にも負けない力がある、それは能力ではなく、本能で相手の思考、思考からの行動、行動からの結果、結果から生まれる次の流れ、それらを全て読み、それ以上の策で押さえつける。

それに対してリフォンは運が伴う娯楽が強い。
リフォンにとって運とは自分の都合の良いように流れを作ってくれる友達のようなものだと判断している、例えば神経衰弱というトランプゲーム、初手の人はまずどのカードが何処にあるか、それを確かめるための一手を選ぶ、だがリフォンは違う、リフォンの一手は【ここに私の求めるカードがある】という確信でカードを選ぶ、その的中率は100%、つまり運が作用するゲームでリフォンのターンが回れば終わってしまう、それほどまでにリフォンの運は強いのだ。

リフォン「そうだ、何回連続でロイヤルストレートフラッシュを出せるかゲームしようよ!」

レフォン「それ僕が絶対に負けるから嫌だ、以前それやってリフォン連続80回出したあたりで辞めただろ、その続きを自分でやってなよ、僕だって流石に初手ロイヤルストレートは無理だ、精々10回に1回でたら上等ってレベルだ、それでリフォンと勝負になるわけないだろ?」

リフォン「つまり1割の確率で当たるんでしょ!ならその1割を何回勝負の場に出せるか、自分の日頃の運がどれだけ見ていてくれてるか、それを確認するのが楽しいんでしょ♪」

レフォン「却下、一人でやってなさい、僕の部屋の中に居て良いから」

リフォン「ぷ~~~~!レフォンのばーーーか!!」

リフォンはそう言いながらポケットからトランプを出し、レフォンの部屋の中にある机で一人連続ロイヤルストレートフラッシュゲームをしていた。

ソフィアが遊楽異界(楽園)に来る前の日常のお話し。

patopatoblog at 08:19|Permalink│日常