No.176 諦められない気持ちepisode2│No.178 エテルの進化episode1

2025年09月14日

No.177  諦められない気持ちepisodefinal

琴歌はフィロンに問う。

琴歌「フィロンさん、どうでしょうか?どうせ今部隊から嫌われているならこのまま嫌われる事をしませんか?どうせ良い事をしても覆らなかったのでしょう?なら嫌われ者のまま成果を出していきませんか?もう貴女の立場はその立ち回りでしか評価を得られません、【誰もフィロンを認めないけど、結果がある以上だれもフィロンに対して文句を言わせない】そんな状況を作りませんか?」

パト(本当上手いな、嫌われ者としての立ち回りとして僕達を使えと、第四部隊で使うのではなくフィロンがエウレカ探偵事務所を使えという流れか)

フィロン「・・・やっぱり無理だよ、だって私は嫌われたくないんだもん、嫌われたくないから頑張って来たんだもん、別に好かれたい訳じゃない、でも誰かから認められて好かれもせず、嫌われもせず、適度な距離感でずっと仕事をしていたかっただけだもん・・・だから琴歌さんの案に賛同は出来ません」

琴歌「なら防衛軍辞めたらどうですか?」

琴歌はきっぱりと言い放つ。

琴歌「無理ですよ、現状が回復するなんて、雪花ちゃんから聞いてます、貴女、兄をまだ探しているのですか?もし探しているのならなんの目的で探しているのですか?」

フィロン「家族が無事かどうか心配するのはおかしいことですか!?」

琴歌「おかしいなんて言ってません、ですが2年も貴女程の情報のスペシャリストが探して一切情報を得られないのはおかしいじゃないですか、なのに何故諦めないのですか?」

フィロン「それは・・・」

フィロンも最近わからなくなっていた事だ、

勿論家族として心配だ、だが最近はファルドラがもし生きており、ファルドラの東京異変が正義によるものだったとすればきっと第四部隊での自分の評価が変わる、フィロンにとってファルドラの存在は希望なのだ。

琴歌は眼の力を使い、フィロンの一瞬の思考を読む、そしてそれを言葉にする。

琴歌「ファルドラさんが希望なんですね、可哀想に・・・こんな目的でもしファルドラさんが見つけられてもきっと心の底から喜べないでしょうね・・・妹が自分を探して言う事が「私の無実を証明して!!!」ですからね」

フィロンの表情は絶望に染まる。

琴歌「ごめんなさい、私思考を読む力があるのですよ、今一瞬フィロンさんは悩みましたよね?その時に考えた疑問を私は見逃しませんでした、わからなくなってるのでしょう?この現状のせいで、ただ家族として安否を気にしていただけなのに、目的が変わってきてる、この現状がフィロン自身一番納得できないのでしょう?ならもう防衛軍辞めたらどうですか?」

パト「悪い事は言わない、僕からも今までの話を聞いてフィロンさんは防衛軍に居るべきではないよ、僕は2年前ファルドラと最後まで戦った、だから言える事だってある、ファルドラは今のフィロンさんに会っても絶対に喜ばない、いや、悲しむだろう、それがわからないか?」

フィロン「うう・・・うう・・・」

フィロンはただその場でうずくまる、全てが真実で、全てがフィロンにとっての現実だったからだ。

月花(どうするの?このままだと契約なんて無理だよ、パト)

パト(契約?ああ、僕は今の第四部隊と一緒に仕事をする気なんてない、そもそもこれが正義だと言えるのか?ふざけるなよ、僕はこのままフィロンを第四部隊に置いていたらきっとファルドラから殴られるだろうな、「何故その環境から妹を救わなかった!!」ってね、だから僕はもう第四部隊と一緒に仕事をする気はない、だけどフィロン、この子は僕が助けるよ)

パト「提案だ、フィロン副隊長、エウレカ探偵事務所に来ないか?」

フィロンは驚くような表情でパトを見る

パト「今現状君が防衛軍に縋っている意味がもしファルドラ捜索であればエウレカ探偵事務所はそれに関して最も適した環境だと言えるだろう、それともしエウレカ探偵事務所に所属してくれるならファルドラの情報を僕は提供出来る、君がこの2年間見つけられなかった情報、僕はそれを大量に持っている、それを条件にうちに来ないか?このままだと僕はきっと君の兄、ファルドラに怒られてしまうんだ、友人としてね。」

フィロンの頭の中は多くの思考でいっぱいだった。

フィロン(私が防衛軍を辞める?ここまで頑張って来たのに?でも何のために私はここまで頑張って来たんだろう?名誉のため?でも私一度も名誉なんて欲してない、なのにそのためにこれからも頑張る理由は何?それにパトはお兄の情報を今も持ってる、もしかして生きてる?でも私はこの2年間何も情報を得られなかった、という事はパトがお兄を匿っているんだ、だから情報を持ってる、だけどお兄もパトのアシストがあって今も生きてる、でもここまで情報を隠しきれるパト側の技術は本物、きっとこれからも防衛軍で私が独自で詮索しても何も出てこない、ここで断ればきっと二度とお兄の情報は得られない、その等価交換が防衛軍第四部隊副隊長の地位を捨てた私自身。)

フィロンは考える、今自分にとって何が一番大事なのかと、そしてそれは防衛軍に入るきっかけとなり、防衛軍内でも支えてくれた兄、ファルドラの存在だと。

フィロン「そうだ、お兄を敵対視する組織に居ても私は一生浮かばれないんだ・・・」

フィロンは立ち上がる。
月花はその様子を見て、立ち上がる。

月花「もし気が向いたらこの電話番号に電話して、これは私の業務用携帯の電話番号だから、もし貴女からこの電話番号に電話がかかってきたら、エウレカ探偵事務所に入る意志があるって判断するからね」

フィロンは月花から渡された紙を握り締める、するとその場で電話を取り出し、月花が渡した電話番号に即座に電話を発信する。

そして月花の胸ポケットに入っていた業務用携帯が鳴る。

琴歌とパトも立ち上がる。

フィロン「こんな私ですが、よろしくお願いします。悩む必要はありません、私はファルドラ・ニートロフを探します、それは家族として、安否を確認したいからです、そこに不純な動機は要りません、だから私は防衛軍を捨てます、お兄を見つけて「見つかったか」って笑ってもらえるように私も「見つけたよ!お兄!!」ってかくれんぼをして鬼が標的を見つけた時みたいな無邪気な気持ちで言ってあげたいんだ・・・」

琴歌「ようこそ、エウレカ探偵事務所へ、私達は貴女を歓迎しますよ」

パト「第四部隊との契約は失敗だな、でもそれ以上の契約は得られた、僕はそう君を評価するよ、ようこそエウレカ探偵事務所へ」

月花と琴歌はフィロンを抱きしめる。

琴歌「この2年間、頑張りましたね、私達が必ず貴女を悲しませないようにしますから」

月花「もう誰も貴女を否定なんかしない、だから安心してうちにおいで」

琴歌も月花も泣いていた。
そしてフィロンも泣いた。

パト(ファルドラ、これで良かったかな、悪いな、お前は妹に正体をバラしたくない、闇側に関与させたくないって言ってたのに、だけど僕はこれ以上この子を放ってはおけなかったよ)

パトは窓からの景色を見つめる。

きっとこの場所はあいつ、ファルドラが守りたかった景色なんだ、
あいつはいつもお調子者だが確かに正義があった。

パト「まだエウレカ探偵事務所は開業したばかりでまだまともな業務が始まってないんだ、だから一ヵ月、それくらいなら待てる、それまでに引継ぎしておいで、そしてそこからは僕達は仲間だ」

フィロン「はい・・・よろしくお願いします。」

それから10分ほど、3人はお互いを抱きしめ合いながら泣き続け、
パトは窓を眺め続けていた。

・・・・・・
一ヵ月後。

フィロン「不束者ですがよろしくお願いします。」

エウレカ探偵事務所にフィロンは来ていた。
それはどこか不安そうな、だけど期待を抱いているような表情だった。

雪花「いらっしゃい!フィロンちゃん!久しぶりだね!今日から仲間としてよろしく!!」

雪花がフィロンを抱きしめる、フィロンは照れ臭そうに笑う。

フィロン(懐かしいな、こうやってわかりやすく好意を向けてくれるの、凄く温かいや)

琴歌「以前は失礼な発言の数々申し訳ありませんでした」

琴歌は自席から立ち、フィロンの前まで行くと深く頭を下げた。

フィロン「ううん、あれで私も目が覚めたから、きっとあれくらい言ってくれなかったらきっと私は今だに防衛軍にしがみついてた、だけどあれだけ言ってくれたから私は防衛軍を手放す事が出来たんだと思う」

琴歌「貴女が所属する部署は【情報管理課】、所属する班はB班、情報推理班です!班長は四季月花、エテル・ノーミールさん、フィロン・ニートロフさんの3名です!あと【情報管理課】の課長はソフィア・ターフェアイトさん、エテル・ノーミールさん、フィロン・ニートロフさんの3名です!待機中は基本的に情報管理課の部署で仕事してもらい、仕事が入ったらB班・情報推理班として行動してもらいます!二人共知能が高く情報に長けているのできっとフィロンさんも馴染めると思いますよ♪」

雪花「むしろソフィアちゃんから凄く懐かれるから疲れるわよ~」

雪花(あの子も一年前に月花お姉ちゃんを病ませた経験があるし、あれから節度を弁えるようになったから今のソフィアちゃんなら安心してフィロンちゃんを任せられるかな)

パト「エテルも見た目は幼いけど、凄く優秀な子だよ、口数は少ないけどそれは性格だから気にしないであげてね、でもフィロンさんも話すのが得意じゃないならむしろ相性がいいかもね、最低限の会話で成り立つ関係って凄くありがたいからね」

フィロン「あの・・・早速ですがエウレカ探偵事務所はどのような仕事をするのですか?」

琴歌「情報推理班は文字通り情報を入手したり、奪ったり、時には殺人等の推理や調査、一応探偵業務のメインをやって貰います、勿論浮気調査も受け付けますし、一般的な探偵業務もやって貰いますよ」

雪花「つまり馬鹿には出来ない仕事ってわけね!私には不向きな課だわ!」

パト「雪花は武力で制圧してくれたら問題なしだよ、一緒に頑張ろうね」

琴歌「本当なら協力組織があったらいいんですが、まだ見つかっていないのでまたこちらで探しておきますね、情報分野なので信用出来る所じゃないと私達も業務委託は難しくて」

フィロン「大丈夫だよ!この私!情報のスペシャリストフィロンがなんでも解決しちゃうんだから!!」


ああ、この言葉を発するのは2年ぶりだな・・・

フィロン「ぶい!!!!」

patopatoblog at 19:43│日常 | メインエピソード
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