No.192 帝園の天使王達│No.194 幸せの代償(R18)

2025年11月16日

No.193 ハクとティノール

ハクは帝国に残った

パト達が地球に戻りエウレカ探偵事務所を経営している時、
本来であればハクは自分にとって二人の主の元に居なければならない。

だがそれを拒んだ。
それは現時点で自分の役職上離れる事が出来なかった。
そしてやっとハクにとって馴染める環境が整いつつある時にまた別の環境に移動するのが厳しかった。

ハクの立場で言えばそんな事を言ってられないのだが、ハクは自我を優先した。

その判断は数日たった今でも後悔しているし、仕方なかったと思い込むには時間が掛かる出来事だった。

・・・・・・
ハク「もっと勉強しないと・・・」

ハクは最近特訓がおろそかになっていた。
ハクにとっては帝国法治部隊は荷が重すぎる仕事だった。
だがメリアがハクなら出来ると与えられた役職、そして最初こそは嫌だったがパトや雪花、ほかの専属神達と肩を並べる事が出来る唯一の手段だからこそ妥協はしたくなかった。

ハク(私は専属神内で一番弱いんだから・・・)

ハクにはコンプレックスがあった。
それは専属神内序列9位、という肩書だ。
最下位は月花だが、月花が持つ世界【帝園】は専属神内世界ランキング1位、世界王ランキング1位と月花は他の専属神以上の物を持っているため、実質ハクが専属神内で一番弱いと言っても過言ではない立場であった。

ハクは帝国に来てから恐らく専属神内で最も成長した。
時空を自在に操り、時と空間の理解度を高めた事で高火力技を多く生み出し、
単純な攻撃力であれば雪花を上回る程である、勿論将来性を考えた時、破壊神として存在するソルテ以上の火力も出す事が可能となるポテンシャルを持っているうえに、世界に唯一の才能を持つため、自身を卑下する必要はまったくないのだが、ハクにとって現在、現状が最も重要視する。

ハク「はぁ、もうこんな時間か、また特訓出来なかったし、最近自分の世界に入ってないなぁ」

ハクの世界 虚園(イナニスエデン)

虚無の世界であり、その世界には世界王ティノールしか存在しない。
難しいルールも無く、自分の神域解界時の効果を調整するための世界という認識でハクは世界を使っていた。

そこの管理者兼世界王のティノールはたまに会ったら会話相手になる程度で殆どは放置、そもそも日頃の彼女は知能が低く会話もそこまで成立しないため放っておく方が彼女のためでもあった。

ハク「でもずっと会わないと私の事忘れちゃうからたまには顔を見せておかないとだしね」

そうしてハクは自分の世界に入った。

・・・・・・

ティノール「なのね、こうやって私が何かしらやらかした時だけ皆集まって私を責めて来るけどさ、結局の所私を抑制出来ていないルードゥスも悪いと思うんだけど」

ハクが世界に入った時、視界にティノールが立っていた、そして珍しく4体の眷属を纏わせ会話をしていた、ハクにとって知能のあるティノールに会うのはかなり久しぶりであり、恐らく初めて虚園に入った時以来ではないかと考えていた。

ハク「珍しいね、どうしたの?皆揃って」

ハクがティノールに声を掛ける、するとティノールはハクに対して事情を説明する。

ティノール「私がいつもどおり色んな所を散歩してたんだけど、その時どう考えたのか拾之刻空間の設定を触って跡形もなくしちゃったんだよ、それで元に戻そうにも元の数字なんて覚えてる訳もないから困ってたの、それで4人から凄く私が責められてたんだけどルードゥスも悪いと思わない?だって私の管理をしているのに私を止めなかったんだよ、それは私悪くないよね~~」

ティノールはルードゥス(緑目)に指をさし責任転嫁をし、ルードゥスはそれを拒んでいた。

ハク「まあまあ、それは私が治せば良いだけの話だから、でもあれだね、ルードゥス以外の眷属って普段は何をしてるの?ずっとティノールの身体の中には居るんだよね?要所要所で出て来るとか出来ないの?」

ティノールはハクの質問に対して「あ~~」と少し困った顔をして答える

ティノール「要所要所で呼んでいる形ね、東西南北の果てに拠点を置いてるの、本当なら私一人でもいいんだけど、それだと私、本当に自我というか狂暴化しちゃうみたいで、私も記憶がないのよ、だからこの世界の平和のためにもってことでルードゥスが面倒を見てくれてるみたいで、4人には【喜怒哀楽】の属性を持ってる訳なんだけど、ルードゥスは【楽】、楽しいと思える気持ちを司っているから一番私と相性が良いみたいで、ただ能天気で知能が低い子、つまり子供っぽくなっちゃうみたいで、でもそれが一番マシらしいからルードゥスが居てくれるというかね」

ハク「あ、あ~~そうなんだ」

ハクはよく喋るティノールの言葉を追うのに必死だった。

ハク「でも【喜】でも良さそうな感じではあるけど」

ティノール「不気味だって言われた、ずっとニコニコしてるから・・・話しかけてもずっとニヤニヤケラケラで・・・ちなみにあと二つはもうわかるでしょう」

ハク(【怒】は文字通り怒り、【哀】は悲しむ、鬱とかそういうのかな、だとしたら確かに面倒臭いかも)

ティノール「私に誰もついていなかったら【魔王】、4人全員が私に集まっていたら【賢者】それが私、また暇な時は私じゃなく他の眷属の子達にも顔を見せてあげて、唯一この世界で私を管理している【私の一部】だから」

ハク「うん、そうだね」

ハクはそう話していると元々の目的についてティノールに聞かれたため、帝国での事情を話ながら今抱えている不安を話した。

ティノール「大変だよね、でも以外、ハクが主様や雪花様よりも自分を選ぶなんて、それってかなりの進歩なんじゃない、だって元々この二人はハクが自立して貰える事を望んでいたわけでしょ?だから今回の件も二人は別にハクの事を悪いようには考えていないんじゃないかな、それに既に結構な人数が地球に帰ったんだよね?なら主様にとって第二の故郷、帝国の治安を守るのも大事な事だと思うけどね、ハクはこのまま帝国に残って成長してたらいいんだよ、多分地球に行った子達よりも大幅に強くなれると思うから、そう考えたらいいんじゃないかな?」

ハク「そうだね、まさかティノールからそんな話を聞けるなんて思いもしなかったなぁ」

元々はティノールのお世話をしなければという使命感で入っただけだったが良い話を聞けたと満足したハク。

・・・・・・
ハク「色々ありがとう話を聞いて貰えてスッキリしたよ」

ティノール「私も設定を直してもらって助かったよ、それじゃあまた暇な時にでも私に会いに来てね」

ハクはティノールが弄った設定を直して現実世界に戻る。
これはちょっとした出来事のお話。

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