2025年05月22日
No.171 万園 世界王戦争
神籟は自身の世界でゆっくりとジュースを飲んでいた。
そして飲み干したジュースをゴミ箱に入れては次のジュースを作り出し、コップに飲み物を移す。
神籟「平和だなぁ・・・」
神籟はそう呟くと手元のモニターをONにする、すると暇そうにしているネルが居た。
ネル「なあ先輩!遊びに来たんだから相手してくれてもいいんじゃないか!どうせ暇だろ!そうだ!ちゃんと暴力的ではなく淑女らしくお茶をしようではないか!先輩達の強さというものを知っておきたいのだ!それくらいは安い物だろう!」
ネルは一人叫んでいた。
神籟は呆れ、そのままモニターをOFFにする、基本的に万園の世界王達は自分自身の世界に閉じこもっていることが多い、そして各自好き勝手に自分の世界を統括している。
神籟は宝石に囲まれた青い世界、特に広すぎず狭すぎず、一人で過ごすには充分過ぎる空間の中で過ごしていた。
神籟(なんか懐かしいなぁ、昔はネルみたいに殺伐とした子が沢山居たんだけどね、名前はもう忘れちゃったけど)
万園が覚醒し、独自の世界として成り立った時、神籟は後半の方に作られた世界王だった。
最初に作られた10体の世界王は既に多くの世界王を喰らい、強化されていた。
神籟はそんな世界の中世界王達を同じく喰らい、そして最強の10体の内2体を喰らい数十年と続いた世界王戦争に生き残った。結果的に生き残った6名の世界王、そしてその中で最強の10体で残ったのはたったの3体、それらは今でも序列は上位1位、2位、3位を総なめしている、そして後に生まれながらも最強の10体を倒し、喰らい、生き残ったのが残りの3名、4位、5位、6位となる。
神籟(今の子はルールも変わった事もあって成長する機会が一切なくなった、本当に生まれ持ってのポテンシャルだけでなんとか生きて行かないといけない、弱ければ弱いままだし、強ければ仙厳のように7位まで上り詰める事は出来るけど・・・結局は一度も世界王同士で本気の殺し合いを経験した事もない、経験値がまったくない、可哀そうって思っちゃうよね)
神籟は世界王戦争の時代を少なくとも悪くは思っていなかった、とにかくスリルがあった、いつ襲われてもおかしくない、集団で狙われるかもしれない、出た杭を打とうと強い連中が首を狙ってくることもあった、そんな殺伐とした世界が心地よかった。
神籟(そんな事言ってたら結局私も戦闘狂だって言われちゃうのかな)
神籟はクスクスと笑いながら飲み干したコップにジュースを注ぐ、そして再度暇だったためネルの居る空間を眺める。
・・・・・・
ネル「どいつもこいつも全然出て来やしないな!まったく全然やる気を感じられん!これでは腕が鈍ってしまうな、結局帝園に居た方がまだ暇つぶし出来るのか」
ネルがそう言いながら万園から去ろうとすると空間から神籟の声が鳴り響く。
神籟「ネル、そのような場所で時間を無駄にせずに己を世界を創り、そこで己が描く理想郷を築き上げなさい、それが貴女の修行になるのですから」
ネルはやっと反応したかと言わんばかりに神籟の言葉に返事をする。
ネル「生憎だが、私は既に帝園で好き勝手している、まさに理想郷だ、私よりも強い奴が居て、私の意見に対して文句を言ってくる馬鹿が一定数居て、そして私が赴くままに動けば身の程も弁えずに狙ってくる馬鹿も居る、そんな帝園こそが私の理想郷だ、私が一番偉い空間なんてつまらなくて仕方ないんでね」
神籟「実家に居た方が楽という子供と何が変わらないんですか、自分の家を持って独立しなさいと言っているんですよ、私は」
ネル「成程、他人の理想郷ではなく自分の理想郷を作ってそこで居心地よくなってみせろと、それが出来なくて何が万園の世界王かって煽りたいわけだな?お前は?」
神籟「その通りです、そしてお前ではなく神籟(しんらい)です、目上にはしっかりと名前で呼んでください。」
ネル「説教か?なら実力で黙らせてくれよ、私は馬鹿だからな、痛い思いをしなければ学ばないんでね」
ネルはニヤニヤと煽る、だが神籟はその煽りに乗る事なく流し、そのまま去ろうとする。
ネル「まただんまりのまま消えるのか?本当お前は良い御身分だな、ただポテンシャルが高かっただけの存在のくせにな!」
神籟はネルの言葉に対して怒りではなく好奇心で聞いてみた。
神籟「ネルは世界王を殺し、喰らった事はありますか?」
ネル「そもそも世界王なんてホイホイいるようなものではないだろう、今の所実際に会った事ある奴と言えばミールとノルンくらいだな、だが・・・正直勝てる気はしないな」
神籟「もし世界王同士で殺し合うような世界があったとすればネルはその世界に行ってみたいですか?」
ネルは悩む事なく即答する。
ネル「勿論だな、弱い奴を虐めるのも楽しいが飽きる、だが強い奴と戦えば色々策も考える、そしてそのピリピリするような緊張感を常に味わうことが出来る、ぜひ行ってみたいものだ」
ネルは笑顔で答えるが神籟は淡々と質問を続ける。
神籟「それは貴女のコンディションが整っている事前提の話ですよね?もし連戦で疲れていたら、寝込みを襲われて睡眠不足が続く中戦わなければならないとすれば?それが数百年と続けば?それでもその世界で過ごしたいですか?」
ネル「まるでそんな世界で生きていたみたいに言うんだな、だがどれだけ言われようが変わらん、私は世界王同士で戦える場があるならぜひその世界で生きてみたい!」
神籟「弱いくせに・・・」
神籟はただその言葉だけを残して去ってしまう。
ネルはその言葉が煽りではなく本心で言っていた事に疑問を感じる。
ネル「弱いくせに・・・か、本来ならただの煽りにしか聞こえないのだが神籟の立場で言えば私は弱いだろうな、確か世界王ランクはAランク、きっと私はAランク以上になると多分戦う事が億劫になるのかもしれんな、なにせノルンに私は勝てないのだから、あいつでA+ランク、+がつくかつかないかでまったく強さの次元が変わる、ちょっと努力すれば強くなるとか、覚醒すれば強くなるとかの話ではないんだろうな、世界王となると」
ネルはそう独り言を呟くと白けたと言わんばかりにその場に座り込んでしまう。
・・・・・・
神籟はネルの言葉にモヤモヤっとした感情を感じながらジュースを飲む。
神籟「本当の格上を知らないからあんな事が平気で言えるんだよ、私が生まれた時のランクはBランク普通に餌になる側だった中、EXランクまで上げて来た、Bランク時代の時にSランクの連中とも何度も殺し合ったし、命乞いをしてきた格下のランクの子達を何度も虐殺してきた、生きるために仲が良かった子と殺し合った事もあった、格上と戦う度に自分の持っている何かを切り捨てないと勝てない、そんな世界で生きて・・・果たしていつまで正常な精神が持つかな・・・」
神籟にとって7位の仙厳も雑魚の部類に入る、EXランクというのはそれだけの次元に存在する、
SSS+ランクがEXランクの下だとしてもその差は歴然であり、SSS+ランクの世界王が1000体が居てやっとかすり傷程度、それだけEXランクの世界王は多くの世界王達を喰らい、強くなっているのだ。
もちろんEXランクよりも上に位置するEX+ランクはEXランクよりも別次元に属する、このクラスになると神籟でもまったく相手にかすり傷を与えられない、疲れさせれればよし、その場から動かせればスタートラインというレベルに入る。
EXランクという称号を得ている神籟にとってAランクのネルが言う言葉はどうしても軽く感じてしまうのだ。
神籟「ストレリチア様も以前のような世界にしていれば良かったのに、もちろん戦いたくない世界王はずっと自分の世界に立てこもってたらいい、血の気の多い世界王はそういう世界に行かせればいい、それだけの話だと思うんだけどね、でもストレリチア様・・・泣いちゃうからなぁ」
神籟は昔の万園を思い出しながらゆっくりと平和を堪能する。
そして飲み干したジュースをゴミ箱に入れては次のジュースを作り出し、コップに飲み物を移す。
神籟「平和だなぁ・・・」
神籟はそう呟くと手元のモニターをONにする、すると暇そうにしているネルが居た。
ネル「なあ先輩!遊びに来たんだから相手してくれてもいいんじゃないか!どうせ暇だろ!そうだ!ちゃんと暴力的ではなく淑女らしくお茶をしようではないか!先輩達の強さというものを知っておきたいのだ!それくらいは安い物だろう!」
ネルは一人叫んでいた。
神籟は呆れ、そのままモニターをOFFにする、基本的に万園の世界王達は自分自身の世界に閉じこもっていることが多い、そして各自好き勝手に自分の世界を統括している。
神籟は宝石に囲まれた青い世界、特に広すぎず狭すぎず、一人で過ごすには充分過ぎる空間の中で過ごしていた。
神籟(なんか懐かしいなぁ、昔はネルみたいに殺伐とした子が沢山居たんだけどね、名前はもう忘れちゃったけど)
万園が覚醒し、独自の世界として成り立った時、神籟は後半の方に作られた世界王だった。
最初に作られた10体の世界王は既に多くの世界王を喰らい、強化されていた。
神籟はそんな世界の中世界王達を同じく喰らい、そして最強の10体の内2体を喰らい数十年と続いた世界王戦争に生き残った。結果的に生き残った6名の世界王、そしてその中で最強の10体で残ったのはたったの3体、それらは今でも序列は上位1位、2位、3位を総なめしている、そして後に生まれながらも最強の10体を倒し、喰らい、生き残ったのが残りの3名、4位、5位、6位となる。
神籟(今の子はルールも変わった事もあって成長する機会が一切なくなった、本当に生まれ持ってのポテンシャルだけでなんとか生きて行かないといけない、弱ければ弱いままだし、強ければ仙厳のように7位まで上り詰める事は出来るけど・・・結局は一度も世界王同士で本気の殺し合いを経験した事もない、経験値がまったくない、可哀そうって思っちゃうよね)
神籟は世界王戦争の時代を少なくとも悪くは思っていなかった、とにかくスリルがあった、いつ襲われてもおかしくない、集団で狙われるかもしれない、出た杭を打とうと強い連中が首を狙ってくることもあった、そんな殺伐とした世界が心地よかった。
神籟(そんな事言ってたら結局私も戦闘狂だって言われちゃうのかな)
神籟はクスクスと笑いながら飲み干したコップにジュースを注ぐ、そして再度暇だったためネルの居る空間を眺める。
・・・・・・
ネル「どいつもこいつも全然出て来やしないな!まったく全然やる気を感じられん!これでは腕が鈍ってしまうな、結局帝園に居た方がまだ暇つぶし出来るのか」
ネルがそう言いながら万園から去ろうとすると空間から神籟の声が鳴り響く。
神籟「ネル、そのような場所で時間を無駄にせずに己を世界を創り、そこで己が描く理想郷を築き上げなさい、それが貴女の修行になるのですから」
ネルはやっと反応したかと言わんばかりに神籟の言葉に返事をする。
ネル「生憎だが、私は既に帝園で好き勝手している、まさに理想郷だ、私よりも強い奴が居て、私の意見に対して文句を言ってくる馬鹿が一定数居て、そして私が赴くままに動けば身の程も弁えずに狙ってくる馬鹿も居る、そんな帝園こそが私の理想郷だ、私が一番偉い空間なんてつまらなくて仕方ないんでね」
神籟「実家に居た方が楽という子供と何が変わらないんですか、自分の家を持って独立しなさいと言っているんですよ、私は」
ネル「成程、他人の理想郷ではなく自分の理想郷を作ってそこで居心地よくなってみせろと、それが出来なくて何が万園の世界王かって煽りたいわけだな?お前は?」
神籟「その通りです、そしてお前ではなく神籟(しんらい)です、目上にはしっかりと名前で呼んでください。」
ネル「説教か?なら実力で黙らせてくれよ、私は馬鹿だからな、痛い思いをしなければ学ばないんでね」
ネルはニヤニヤと煽る、だが神籟はその煽りに乗る事なく流し、そのまま去ろうとする。
ネル「まただんまりのまま消えるのか?本当お前は良い御身分だな、ただポテンシャルが高かっただけの存在のくせにな!」
神籟はネルの言葉に対して怒りではなく好奇心で聞いてみた。
神籟「ネルは世界王を殺し、喰らった事はありますか?」
ネル「そもそも世界王なんてホイホイいるようなものではないだろう、今の所実際に会った事ある奴と言えばミールとノルンくらいだな、だが・・・正直勝てる気はしないな」
神籟「もし世界王同士で殺し合うような世界があったとすればネルはその世界に行ってみたいですか?」
ネルは悩む事なく即答する。
ネル「勿論だな、弱い奴を虐めるのも楽しいが飽きる、だが強い奴と戦えば色々策も考える、そしてそのピリピリするような緊張感を常に味わうことが出来る、ぜひ行ってみたいものだ」
ネルは笑顔で答えるが神籟は淡々と質問を続ける。
神籟「それは貴女のコンディションが整っている事前提の話ですよね?もし連戦で疲れていたら、寝込みを襲われて睡眠不足が続く中戦わなければならないとすれば?それが数百年と続けば?それでもその世界で過ごしたいですか?」
ネル「まるでそんな世界で生きていたみたいに言うんだな、だがどれだけ言われようが変わらん、私は世界王同士で戦える場があるならぜひその世界で生きてみたい!」
神籟「弱いくせに・・・」
神籟はただその言葉だけを残して去ってしまう。
ネルはその言葉が煽りではなく本心で言っていた事に疑問を感じる。
ネル「弱いくせに・・・か、本来ならただの煽りにしか聞こえないのだが神籟の立場で言えば私は弱いだろうな、確か世界王ランクはAランク、きっと私はAランク以上になると多分戦う事が億劫になるのかもしれんな、なにせノルンに私は勝てないのだから、あいつでA+ランク、+がつくかつかないかでまったく強さの次元が変わる、ちょっと努力すれば強くなるとか、覚醒すれば強くなるとかの話ではないんだろうな、世界王となると」
ネルはそう独り言を呟くと白けたと言わんばかりにその場に座り込んでしまう。
・・・・・・
神籟はネルの言葉にモヤモヤっとした感情を感じながらジュースを飲む。
神籟「本当の格上を知らないからあんな事が平気で言えるんだよ、私が生まれた時のランクはBランク普通に餌になる側だった中、EXランクまで上げて来た、Bランク時代の時にSランクの連中とも何度も殺し合ったし、命乞いをしてきた格下のランクの子達を何度も虐殺してきた、生きるために仲が良かった子と殺し合った事もあった、格上と戦う度に自分の持っている何かを切り捨てないと勝てない、そんな世界で生きて・・・果たしていつまで正常な精神が持つかな・・・」
神籟にとって7位の仙厳も雑魚の部類に入る、EXランクというのはそれだけの次元に存在する、
SSS+ランクがEXランクの下だとしてもその差は歴然であり、SSS+ランクの世界王が1000体が居てやっとかすり傷程度、それだけEXランクの世界王は多くの世界王達を喰らい、強くなっているのだ。
もちろんEXランクよりも上に位置するEX+ランクはEXランクよりも別次元に属する、このクラスになると神籟でもまったく相手にかすり傷を与えられない、疲れさせれればよし、その場から動かせればスタートラインというレベルに入る。
EXランクという称号を得ている神籟にとってAランクのネルが言う言葉はどうしても軽く感じてしまうのだ。
神籟「ストレリチア様も以前のような世界にしていれば良かったのに、もちろん戦いたくない世界王はずっと自分の世界に立てこもってたらいい、血の気の多い世界王はそういう世界に行かせればいい、それだけの話だと思うんだけどね、でもストレリチア様・・・泣いちゃうからなぁ」
神籟は昔の万園を思い出しながらゆっくりと平和を堪能する。
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