2023年02月18日
No.105 メルリアの独占episode7(R18)
パトは急いで雪花を追いかけた、雪花は自分のミスでメルリアに恥をかかせる行為をした。
その罪悪感できっと雪花は深く傷ついていると考えた。
パト「雪花・・・何処に行ったんだよ!!」
走りながらすれ違った侍女達に雪花の行方を聞き、雪花を見かけたという情報を頼りに追いかけて行った
・・・・・・
場所は雪花の自室だった。
パト「あいつ・・・無茶苦茶足早くなってんなぁ・・・全然俺、追いつけなかったんだけど・・・」
パトは雪花の部屋をノックする、鍵は開いていたため、そのまま申し訳ないと思いながらも雪花の部屋に入る。
すると雪花が部屋の隅で泣いている姿があった。
パト「雪花・・・」
パトはどう雪花に話しかければいいかわからなかった、元はと言えば自分の責任で雪花が傷ついてしまったのだ、だからこそ、「心配ない」という言葉を掛けるにはパトは言葉が上手く出てこなかった。
雪花「ごめんなさい、私のせいで・・・メルリアにも悪い事をしたわ・・・」
パト「雪花だって俺のために動いてくれたんだろ?そんなに責めないでくれ、勘違いだったなら謝ればいいじゃないか・・・」
雪花「それで相手の股間に指突っ込んで凄んでいいってわけ!?私は怒るにしてもあまりにも下品で無礼過ぎた・・・相手の事を一切考えなかった、聞く耳すらも持たなかった、あの二人が私に見てきた目線・・・あれはもはや軽蔑の眼だった、もう私はあの二人から好かれる事もないし、今後仲良くもなる事がない、それが私だけの問題ならいい、けどそれが関節的にパトの負担にもなる、私の勝手な行動が多くの人を傷つけた、そんな真実を打ち付けられて平気な顔をしてられないわよ!!」
雪花は机を思い切り叩き、大声でパトに叫ぶ。
パト「それは・・・雪花の反省する点だ、フォローのしようがない」
雪花「ならどっかに行って!何も考えてないのに私の前に来ないで!!」
パトは雪花の言葉で感情的になり、雪花に声を荒げる。
パト「なんだよ!その言い方は!!俺はお前が心配だから追っただけだ!理由なんて知るか!お前のミスならお前が勝手に反省すればいいだろ!!俺は自分の責任で雪花が傷つくのが辛い!!だからこうやってここまで来たんだよ!!」
雪花「なによそれ!結局自分のためじゃない!!私の事なんてどうでもいいんでしょ!!薄情者!!」
パト「ああそうかよ!!言葉の意味も伝わらないんだったら何言っても意味ないよな!なんで俺の言葉に耳を貸さないんだよ!!!」
パトは雪花の前ギリギリまで近づき睨みつける
パト「殴るか?蹴るか?暴力でまた誤魔化して俺の言葉を遮るのか?それが今回の失敗なんだろ!!それを直す気ないなら一丁前に凹んでんじゃねえよ!!!」
パトは雪花に怒鳴る、雪花はパトに本気で怒鳴られて怒りよりも恐怖の感情で泣き崩れそうになった。
雪花「・・・ごめんなさい・・・」
パト「俺も感情的になり過ぎた・・・ごめん・・・」
雪花「・・・わかってる、感情的になったら人の話をろくに聞こうともしないのは私の悪い癖だって・・・でも辛かったんだもん・・・」
パト「だから言っただろ、俺は心配してここに来たんだって、落ち着いて話して、もう怒鳴らないから」
パトはしゃがみこんで頭を伏せている雪花を抱きしめ、頭を撫でる。
雪花は静かにすすり泣きながら時間を過ごす、そして少し時間が経って、雪花も落ち着きを取り戻した。
雪花「ねえ、パト、謝ったら許してくれるかな・・・私」
パト「そうだね、すぐには許してくれないかもしれない、それだけ酷い事をしたからね、でも何度も誠意を見せたら3人共許してくれるよ、な?」
雪花はパトの言葉で深いため息を吐いた、それだけ自分のしてきた事が酷い事だと自覚していた。
パト「でも謎だよね、雪花が見た俺のパンツの内側にあった穴、雪花はそれの奥が何か見えたの?」
雪花「いや、一度怒りのままその穴に指をツッコんでその奥にある物を指で思い切り抉ったけど、感触は凄く柔らかかった、それに暖かかったし、ヌルっとしてたから私は女性の体内だとばかり・・・」
パト「もしそうだとしたら、俺の体液を無断で手に入れている事になるし、もし体内に取り込んだらそれなりのパワーアップをするから案外わかるかもしれないな」
雪花「でも今思うとメルリアの体内に私の付けた傷は無かった、かなり強く引っ搔いたから普通に傷がついたと思うし・・・はぁ」
パト「だからメルリアの股間に手を入れたのか?自分の付けた傷跡を確かめるために?」
雪花「ええ、でも無かった、それにその穴があった根拠も無かったし、あの部屋に居た二人の証言も聞いた、流石のメルリアも二人を騙してまでパトを襲わないと思うし、やっぱりメルリアの線は薄いかもしれない、でもそうだとしたら第三者がやったってことになるから面倒なことになったかもしれないわよ」
雪花の言う通り、もしメルリアが今回の犯行の犯人でなければ他にパトを襲った犯人が居るということだ、それはつまり帝国内に裏切り者が居る事になるのだ。
パト「考えたくないな、このタイミングでいきなりそんな事を仕掛けてくるって事になると俺の身の回りに関わっている奴の犯行ってことになるぞ・・・」
雪花「パト、パトが良いなら私と一緒にこの部屋で寝て?その方が私も気が楽なの、お願い・・・」
パト「・・・月花に状況を聞いてみるよ」
パトはそう言いながら脳内で月花を呼び掛けてみた。
パト(月花、そっちの状況はどう?)
月花(酷い状況、メルリア様が酷く落ち込んでしまって、エイリもフルールも今二人共凄くメルリア様の心配をしてる、後今回の件が問題になってメリアちゃんとソルテ様も来てる、今回の件は結構大問題になるかも・・・)
パト(俺も今雪花から話しを聞いたんだけど、もしメルリアが犯人じゃないなら第三者が俺を襲っていた事になる、そうなると俺の周りに人全員を疑わないといけなくなるぞ・・・)
月花(そうね、今回に関しては私も容疑者に入るわね、なにせパトは普段私の思考を見てないから私の考えがわからない以上、アリバイを持っているとは言えない、身近でパトの状況が一番わかるって考えたら私が一番疑わしいしね)
パト(待てよ!それを言ったらバレるリスクが一番高いのも月花になるじゃないか!それに月花が雪花を追い込むなんてあり得ない!)
月花(信じてくれるのは嬉しいし、私もしてないから安心してって言ってあげたいけど、今回はパトの周りの人物の犯行、前日は雪花を操ってパトと性行為をさせた、今回は能力禁止エリアにしたにも関わらず能力を使用していた、雪花は多分道具の力だと思って動いたと思うけど、今のパトに痕跡がない以上あの場所で能力が使われたのは確かなの、つまりあのエリアでも能力が扱えて、空間を別の場所と繋げることが出来る能力者、そんな子を見つけないといけないわ)
パト(なら尚更月花は無理じゃないか、月花には空間と空間を繋げるホールを作る能力は持ち合わせていない、そうだろ?)
月花(そうね、そんな芸当は出来ないわ、でももし道具なら?道具ならアリシアコーポレーションで扱っている空間転移のホールがある、技術自体は存在するわよ?)
パト(月花、言ってる事が滅茶苦茶だぞ、さっきは道具はあり得ないって言っただろ!なのになんで次は道具の可能性があるって言うんだ?)
月花(二つの思考パターンを容易したのよ、今の二つの思考的にパトはどっちの線が正解だと思う?私はね、色んな思考パターンを作り出してそこから一番可能性が高い考察を選んで調べてみるのだけど、)
パト(成程、あの場面で能力が扱えないなら能力の線は低い、そしてアリシアコーポレーションの技術は存在する、あと雪花の証言で俺は一度射精をしているらしい、つまりもし相手の体内に俺の体液が入っている場合、俺にとって見覚えのない成長をしている奴が居る可能性があるんだ)
月花(成程、でもおかしいわよね?ならなんで昨日は雪花の身体を操って雪花の体内にパトの体液を出させるような事をしたの?操った側になんのメリットも存在しないじゃない、そこをまず解決しないと一つの問題点だけを探っても正解には辿り着けないわよ)
パトは月花の言葉に悩んでしまう、月花の言う通り、相手の目的がはっきりしないのだ、パトの体液が目的なら雪花を操る必要性がない、それなら最初からホールで搾取すればいいだけなのだから、しかも今回のタイミングを狙って行っているのはおかしいと考えるパトは混乱していた。
雪花「難しそうね、我儘を言ってごめん・・・」
パト「今俺の部屋にメリアやソルテが来ているらしい、雪花が問題じゃない、今回俺を襲った奴が誰かが問題なんだ、だから雪花は気にしなくていい、俺は話を聞きに行くから」
雪花「行かないで・・・」
雪花は切なそうな声でパトの服を掴む
雪花「我儘なのは承知してる、だけどお願い、今日だけは私と一緒に居て・・・じゃないと、耐えられそうにないよ」
パトは雪花の弱っている姿を見て、雪花と一緒に居る事を決断する
パト(とりあえず今日は雪花と一緒に居る、メリアとソルテには今日は戻らないから明日話を聞くとだけ言っておいてくれ、調べる事があるなら自由に部屋を物色していいからって伝えといてくれるか?)
月花(わかったわ、雪花の事をお願いね、そんなに弱っている雪花、見た事ないから)
月花の言葉を聞くとパトは月花とのリンクを切った、恐らく月花側は今もパトの思考を読んでいるかもしれないがそんな事はお構いなしに雪花と一緒に居ると決めた。
パト「今日は一緒に寝よう」
・・・・・・
パトと雪花はパトが雪花に腕枕をして抱きしめるように互いに寄り添い合いながら眠っていた。
雪花「私、全然人として成長してないね・・・」
パト「それは俺も同じだよ、むしろ多分地球に居た時の方がしっかりしていた、今の俺は・・・周りの甘い環境に慣れ過ぎてダメになってる」
雪花「それ、私も思うわ、周りが優秀過ぎるのよね、だから私が何もしなくても周りが何でもしてくれる、だけど地球に居た頃ってさ、皆が未熟で欠点を持っていたから大変だった分自分の事をしっかりやらなくちゃいけなかったわよね」
雪花はパトに打ち明ける
雪花「私達にとって帝国という環境はまだ早いんじゃないかな・・・実力という面は仕方ないけど、精神的というか、一個人的な所だと私達はまだまだ帝国に馴染めていないと思うの・・・」
パトは雪花の話を聞いていた、ただその雪花の言葉がパト自身にも深く染み込み、そしてパトにとってずっと考えて居たことだからだ。
雪花「パト、私と一緒に帝国を離れない?今度は一時的なものじゃなくて、私達だけで生活出来るように仕事を始めてさ、その稼いだお金で生活するの、今の地球だってまだまだ悪信教の問題だって片付いてない、色々問題は残ってる、確かに少しづつだけど関与してたけど、私は地球人だもん、せめて地球の問題を解決してから帝国で生きたいわ・・・」
パトにとって雪花の提案は不思議を聴き心地が良かった、パト自身も「悪くないな」と思って居たからだ。
パト「いいかもね、俺も正直疲れたんだ、ずっと誰かの事を考えて、ほぼ毎晩誰かと性行為をして、つい最近は一度に数人としてしまった、正直、俺は今の自分が気持ち悪いんだ、それに怖いんだ、いつか俺は大事だった皆を軽視してしまうんじゃないかって、大事だった性行為も作業になって、愛情すらも感じれなくなっていくのがさ・・・だから俺もこの帝国から離れたい、皆には悪いけど、俺はこの一年ずっと退屈だった、充実はしていたし、沢山の愛情や恩恵を受けた、だけど俺が今欲しいのは愛情や恩恵じゃないんだ、この力を誰かのために使いたい、人助けがしたいんだ、今地球で誰も出来ない事が俺なら出来る、だから俺にしか出来ない方法で地球を救いたい、こんなところでのうのうと生きて居たくないんだ・・・だから雪花の誘いは凄く賛成だし、凄く嬉しいんだ」
雪花「うん」
パト「俺はどうしたらいいんだろうな、俺はどっちを取ればいいんだろうな、地球を取れば俺は数年は間違いなく帝国に帰らないだろう、それはつまり今居る帝国をまた数年空ける事になる、それは従属や専属神を裏切る行為だ、だけど俺は雪花の言う世界で生きたいんだ・・・生きたいんだよ、俺は・・・地球人であり、日本人なんだから・・・」
パトは雪花に悩みを打ち明ける。
パトだって雪花の描く世界で生きたい、だけど帝王であるパトはその選択肢をする重みが生まれる、それはメリアへの最大の裏切り行為でもある、
パトは雪花を抱きしめながら泣く、そして吐き出すように雪花にうったえかける。
パト「俺も雪花と生きたいよ・・・もう嫌だ、こんな世界で生きたくないよ・・・俺は・・・」
雪花「パト・・・私がパトの生きたい世界で一緒に居るよ、私達はお互い未熟すぎるから一緒に支え合って生きていこう・・・」
パト「雪花・・・」
パトは雪花を抱きしめ、そのままお互い泣きながら眠りについた。
・・・・・・
パトは起きた、だがそこはさっきまで居たベッドではなく、帝園だった。
そして帝園でもパトが居たのはルナの屋敷だった。
ルナ「おはようございます、主様」
パト「ルナが呼んだのか?どうしたの?」
ルナは得意げな顔をしてパトに小さな小瓶を渡す。
パト「これは?」
ルナ「雪花の遺伝子、卵子です。」
パトは驚いた、まずなぜルナがそのような物を入手していたかだった。
パト「おい・・・これをどこで・・・」
ルナ「以前主様が雪花の遺伝子を欲していたので、こちらからアクションを起こしました。」
ルナは手に入れた経緯を説明し始めた。
ルナ「まず雪花の卵子を摘出する方法でしたが、私が主様の体液に粘着性を高めて、雪花と交わって主様の体液を輩出した瞬間に体液を操作してひも状にする必要がありました、そして雪花の卵子と主様の精子が接触した段階で私がそのまま両方の遺伝子情報を引き抜き一度一つの小瓶で保管しました、もちろん雪花は私の能力で操作して眠っている間に行為をさせました、通常のように何度も回数を重ねられてしまったら入手が困難になりましたので、」
パト(それって・・・昨日の話だよな・・・!?)
ルナ「そして主様の体液と雪花の卵子を分別する必要があったのですが、そのような細かい作業は私ですら至難の業、なので今日私の能力でホールを作り、主様が就寝中に道具を使って体液を入手しました、これを磁石と同じ性質を持たせることで混ざり合った小瓶の中から主様の体液だけを磁石と砂鉄をくっつけるように排除しました、それでも残っている微少の精子を私がなんとか除去して正確な雪花の卵子を入手しました、どうぞ、受け取ってください、これは日頃から私の事を愛してくださっている主様へのプレゼントです、対価は求めません」
パトはルナからいきなり聞かされた経緯を聞きながら手元にある小瓶を見つめていた・・・
正直パトは今持っている小瓶を地面に投げつけたかった。
パト(結局俺が原因かよ・・・俺が馬鹿な事を言ったから、皆を不幸にしたんじゃねえかよ・・・ルナは善意でやっただけだ、それは俺がルナに相談したからルナの好意でやってくれたんだ、だって普段はどんなことでも対価を求めるルナが今回は対価を求めなかった、きっとかなり難しい問題だったからルナも協力したかったんだろう、その気持ちは善意なんだ、俺の感情で無下にするのは間違っている。)
パト「ありがとう、ルナ、本当に嬉しいよ」
ルナ「はい、これで主様の目的も進みますね」
パトは自分の判断でここまで多くの人を巻き込んで迷惑を掛けた、もはやそれが強いトラウマになった瞬間だった。
パト(無理だ、今の俺には帝国の長は荷が重すぎる、複数人を愛するのだって無理だ、平等に愛することだって出来ていない、間違いなく優劣が出てる、俺はそもそも常識というものが欠如してるんだ・・・まずは当たり前の事を当たり前のように自分でやりたい・・・)
パトはルナに掛けた言葉とは裏腹に虚しい気持ちのまま現実世界に戻った。
・・・・・・
パトは起きた、胸元には雪花が包まって寝ていた、雪花のためにしていた腕枕の腕は雪花の頭の重さのせいで血が止まっており、感覚がマヒしていた、だがその雪花の奥にある机にはしっかりとルナから受け取った小瓶が置かれていた。
パト(ソフィアの所に持っていこう、これはケジメだ、俺がしっかりと目的を果たす、そしてその後はもう・・・俺は・・・)
何も指示しない・・・そう考えようとしたがそれを決めてしまえばまた逃げる事になると考えたパトはそのまま眠っている雪花の髪を優しく撫でながら雪花が起きるのを待った。
・・・・・・
雪花「私は今からメルリア様達に謝ってくるわね、後はメリアちゃんも事情を聴きたいだろうし、それも説明してくるわね」
パト「ああ、俺はソフィアに用事があるから・・・」
パトはルナの件は言わなかった。
というより言えなかった。
ルナの責任にしてしまったらルナの善意を否定してしまう事になる、だからパトは自分でホールを使って自慰行為をしているところを雪花が勘違いしてメルリアと揉めたという話で進めようとしていた。
もちろんパトの思考が見えている月花はその考えに異議を唱えた。
月花(本当にそれでいいの?そうやって皆を庇って自分だけ・・・)
パト(いいんだよ、俺が蒔いた問題だ、誰も悪くない、皆俺の被害者なんだ、もういいんだ、後月花、昨日の事を聞いていたんだよな、月花はどう思ってる?俺は月花と琴歌、カナとハクの考えも聞きたいんだ、俺は・・・この問題が片付いたら帝国を離れる、俺は・・・今言った4人と常駐契約をしているエテル・美魅・リルの3人とミーエルとスティア、を連れて行く、メリア達には悪いけど、俺はメリアの力も借りることなく生きたいんだ、そうじゃないと俺は成長出来ないんだよ・・・)
月花(パト・・・)
パト(それじゃ俺は行く、月花は俺の考えた通りに伝えといてくれ、どんなに偽りだと思ってもそれが真実だと、俺が証言した事だと、強く念を押してくれ、俺はちゃんと今回の件の落とし前はつける、じゃないと雪花やメルリアに合わす顔がないんだよ)
パトは小瓶を持って、雪花の部屋を去った。
その罪悪感できっと雪花は深く傷ついていると考えた。
パト「雪花・・・何処に行ったんだよ!!」
走りながらすれ違った侍女達に雪花の行方を聞き、雪花を見かけたという情報を頼りに追いかけて行った
・・・・・・
場所は雪花の自室だった。
パト「あいつ・・・無茶苦茶足早くなってんなぁ・・・全然俺、追いつけなかったんだけど・・・」
パトは雪花の部屋をノックする、鍵は開いていたため、そのまま申し訳ないと思いながらも雪花の部屋に入る。
すると雪花が部屋の隅で泣いている姿があった。
パト「雪花・・・」
パトはどう雪花に話しかければいいかわからなかった、元はと言えば自分の責任で雪花が傷ついてしまったのだ、だからこそ、「心配ない」という言葉を掛けるにはパトは言葉が上手く出てこなかった。
雪花「ごめんなさい、私のせいで・・・メルリアにも悪い事をしたわ・・・」
パト「雪花だって俺のために動いてくれたんだろ?そんなに責めないでくれ、勘違いだったなら謝ればいいじゃないか・・・」
雪花「それで相手の股間に指突っ込んで凄んでいいってわけ!?私は怒るにしてもあまりにも下品で無礼過ぎた・・・相手の事を一切考えなかった、聞く耳すらも持たなかった、あの二人が私に見てきた目線・・・あれはもはや軽蔑の眼だった、もう私はあの二人から好かれる事もないし、今後仲良くもなる事がない、それが私だけの問題ならいい、けどそれが関節的にパトの負担にもなる、私の勝手な行動が多くの人を傷つけた、そんな真実を打ち付けられて平気な顔をしてられないわよ!!」
雪花は机を思い切り叩き、大声でパトに叫ぶ。
パト「それは・・・雪花の反省する点だ、フォローのしようがない」
雪花「ならどっかに行って!何も考えてないのに私の前に来ないで!!」
パトは雪花の言葉で感情的になり、雪花に声を荒げる。
パト「なんだよ!その言い方は!!俺はお前が心配だから追っただけだ!理由なんて知るか!お前のミスならお前が勝手に反省すればいいだろ!!俺は自分の責任で雪花が傷つくのが辛い!!だからこうやってここまで来たんだよ!!」
雪花「なによそれ!結局自分のためじゃない!!私の事なんてどうでもいいんでしょ!!薄情者!!」
パト「ああそうかよ!!言葉の意味も伝わらないんだったら何言っても意味ないよな!なんで俺の言葉に耳を貸さないんだよ!!!」
パトは雪花の前ギリギリまで近づき睨みつける
パト「殴るか?蹴るか?暴力でまた誤魔化して俺の言葉を遮るのか?それが今回の失敗なんだろ!!それを直す気ないなら一丁前に凹んでんじゃねえよ!!!」
パトは雪花に怒鳴る、雪花はパトに本気で怒鳴られて怒りよりも恐怖の感情で泣き崩れそうになった。
雪花「・・・ごめんなさい・・・」
パト「俺も感情的になり過ぎた・・・ごめん・・・」
雪花「・・・わかってる、感情的になったら人の話をろくに聞こうともしないのは私の悪い癖だって・・・でも辛かったんだもん・・・」
パト「だから言っただろ、俺は心配してここに来たんだって、落ち着いて話して、もう怒鳴らないから」
パトはしゃがみこんで頭を伏せている雪花を抱きしめ、頭を撫でる。
雪花は静かにすすり泣きながら時間を過ごす、そして少し時間が経って、雪花も落ち着きを取り戻した。
雪花「ねえ、パト、謝ったら許してくれるかな・・・私」
パト「そうだね、すぐには許してくれないかもしれない、それだけ酷い事をしたからね、でも何度も誠意を見せたら3人共許してくれるよ、な?」
雪花はパトの言葉で深いため息を吐いた、それだけ自分のしてきた事が酷い事だと自覚していた。
パト「でも謎だよね、雪花が見た俺のパンツの内側にあった穴、雪花はそれの奥が何か見えたの?」
雪花「いや、一度怒りのままその穴に指をツッコんでその奥にある物を指で思い切り抉ったけど、感触は凄く柔らかかった、それに暖かかったし、ヌルっとしてたから私は女性の体内だとばかり・・・」
パト「もしそうだとしたら、俺の体液を無断で手に入れている事になるし、もし体内に取り込んだらそれなりのパワーアップをするから案外わかるかもしれないな」
雪花「でも今思うとメルリアの体内に私の付けた傷は無かった、かなり強く引っ搔いたから普通に傷がついたと思うし・・・はぁ」
パト「だからメルリアの股間に手を入れたのか?自分の付けた傷跡を確かめるために?」
雪花「ええ、でも無かった、それにその穴があった根拠も無かったし、あの部屋に居た二人の証言も聞いた、流石のメルリアも二人を騙してまでパトを襲わないと思うし、やっぱりメルリアの線は薄いかもしれない、でもそうだとしたら第三者がやったってことになるから面倒なことになったかもしれないわよ」
雪花の言う通り、もしメルリアが今回の犯行の犯人でなければ他にパトを襲った犯人が居るということだ、それはつまり帝国内に裏切り者が居る事になるのだ。
パト「考えたくないな、このタイミングでいきなりそんな事を仕掛けてくるって事になると俺の身の回りに関わっている奴の犯行ってことになるぞ・・・」
雪花「パト、パトが良いなら私と一緒にこの部屋で寝て?その方が私も気が楽なの、お願い・・・」
パト「・・・月花に状況を聞いてみるよ」
パトはそう言いながら脳内で月花を呼び掛けてみた。
パト(月花、そっちの状況はどう?)
月花(酷い状況、メルリア様が酷く落ち込んでしまって、エイリもフルールも今二人共凄くメルリア様の心配をしてる、後今回の件が問題になってメリアちゃんとソルテ様も来てる、今回の件は結構大問題になるかも・・・)
パト(俺も今雪花から話しを聞いたんだけど、もしメルリアが犯人じゃないなら第三者が俺を襲っていた事になる、そうなると俺の周りに人全員を疑わないといけなくなるぞ・・・)
月花(そうね、今回に関しては私も容疑者に入るわね、なにせパトは普段私の思考を見てないから私の考えがわからない以上、アリバイを持っているとは言えない、身近でパトの状況が一番わかるって考えたら私が一番疑わしいしね)
パト(待てよ!それを言ったらバレるリスクが一番高いのも月花になるじゃないか!それに月花が雪花を追い込むなんてあり得ない!)
月花(信じてくれるのは嬉しいし、私もしてないから安心してって言ってあげたいけど、今回はパトの周りの人物の犯行、前日は雪花を操ってパトと性行為をさせた、今回は能力禁止エリアにしたにも関わらず能力を使用していた、雪花は多分道具の力だと思って動いたと思うけど、今のパトに痕跡がない以上あの場所で能力が使われたのは確かなの、つまりあのエリアでも能力が扱えて、空間を別の場所と繋げることが出来る能力者、そんな子を見つけないといけないわ)
パト(なら尚更月花は無理じゃないか、月花には空間と空間を繋げるホールを作る能力は持ち合わせていない、そうだろ?)
月花(そうね、そんな芸当は出来ないわ、でももし道具なら?道具ならアリシアコーポレーションで扱っている空間転移のホールがある、技術自体は存在するわよ?)
パト(月花、言ってる事が滅茶苦茶だぞ、さっきは道具はあり得ないって言っただろ!なのになんで次は道具の可能性があるって言うんだ?)
月花(二つの思考パターンを容易したのよ、今の二つの思考的にパトはどっちの線が正解だと思う?私はね、色んな思考パターンを作り出してそこから一番可能性が高い考察を選んで調べてみるのだけど、)
パト(成程、あの場面で能力が扱えないなら能力の線は低い、そしてアリシアコーポレーションの技術は存在する、あと雪花の証言で俺は一度射精をしているらしい、つまりもし相手の体内に俺の体液が入っている場合、俺にとって見覚えのない成長をしている奴が居る可能性があるんだ)
月花(成程、でもおかしいわよね?ならなんで昨日は雪花の身体を操って雪花の体内にパトの体液を出させるような事をしたの?操った側になんのメリットも存在しないじゃない、そこをまず解決しないと一つの問題点だけを探っても正解には辿り着けないわよ)
パトは月花の言葉に悩んでしまう、月花の言う通り、相手の目的がはっきりしないのだ、パトの体液が目的なら雪花を操る必要性がない、それなら最初からホールで搾取すればいいだけなのだから、しかも今回のタイミングを狙って行っているのはおかしいと考えるパトは混乱していた。
雪花「難しそうね、我儘を言ってごめん・・・」
パト「今俺の部屋にメリアやソルテが来ているらしい、雪花が問題じゃない、今回俺を襲った奴が誰かが問題なんだ、だから雪花は気にしなくていい、俺は話を聞きに行くから」
雪花「行かないで・・・」
雪花は切なそうな声でパトの服を掴む
雪花「我儘なのは承知してる、だけどお願い、今日だけは私と一緒に居て・・・じゃないと、耐えられそうにないよ」
パトは雪花の弱っている姿を見て、雪花と一緒に居る事を決断する
パト(とりあえず今日は雪花と一緒に居る、メリアとソルテには今日は戻らないから明日話を聞くとだけ言っておいてくれ、調べる事があるなら自由に部屋を物色していいからって伝えといてくれるか?)
月花(わかったわ、雪花の事をお願いね、そんなに弱っている雪花、見た事ないから)
月花の言葉を聞くとパトは月花とのリンクを切った、恐らく月花側は今もパトの思考を読んでいるかもしれないがそんな事はお構いなしに雪花と一緒に居ると決めた。
パト「今日は一緒に寝よう」
・・・・・・
パトと雪花はパトが雪花に腕枕をして抱きしめるように互いに寄り添い合いながら眠っていた。
雪花「私、全然人として成長してないね・・・」
パト「それは俺も同じだよ、むしろ多分地球に居た時の方がしっかりしていた、今の俺は・・・周りの甘い環境に慣れ過ぎてダメになってる」
雪花「それ、私も思うわ、周りが優秀過ぎるのよね、だから私が何もしなくても周りが何でもしてくれる、だけど地球に居た頃ってさ、皆が未熟で欠点を持っていたから大変だった分自分の事をしっかりやらなくちゃいけなかったわよね」
雪花はパトに打ち明ける
雪花「私達にとって帝国という環境はまだ早いんじゃないかな・・・実力という面は仕方ないけど、精神的というか、一個人的な所だと私達はまだまだ帝国に馴染めていないと思うの・・・」
パトは雪花の話を聞いていた、ただその雪花の言葉がパト自身にも深く染み込み、そしてパトにとってずっと考えて居たことだからだ。
雪花「パト、私と一緒に帝国を離れない?今度は一時的なものじゃなくて、私達だけで生活出来るように仕事を始めてさ、その稼いだお金で生活するの、今の地球だってまだまだ悪信教の問題だって片付いてない、色々問題は残ってる、確かに少しづつだけど関与してたけど、私は地球人だもん、せめて地球の問題を解決してから帝国で生きたいわ・・・」
パトにとって雪花の提案は不思議を聴き心地が良かった、パト自身も「悪くないな」と思って居たからだ。
パト「いいかもね、俺も正直疲れたんだ、ずっと誰かの事を考えて、ほぼ毎晩誰かと性行為をして、つい最近は一度に数人としてしまった、正直、俺は今の自分が気持ち悪いんだ、それに怖いんだ、いつか俺は大事だった皆を軽視してしまうんじゃないかって、大事だった性行為も作業になって、愛情すらも感じれなくなっていくのがさ・・・だから俺もこの帝国から離れたい、皆には悪いけど、俺はこの一年ずっと退屈だった、充実はしていたし、沢山の愛情や恩恵を受けた、だけど俺が今欲しいのは愛情や恩恵じゃないんだ、この力を誰かのために使いたい、人助けがしたいんだ、今地球で誰も出来ない事が俺なら出来る、だから俺にしか出来ない方法で地球を救いたい、こんなところでのうのうと生きて居たくないんだ・・・だから雪花の誘いは凄く賛成だし、凄く嬉しいんだ」
雪花「うん」
パト「俺はどうしたらいいんだろうな、俺はどっちを取ればいいんだろうな、地球を取れば俺は数年は間違いなく帝国に帰らないだろう、それはつまり今居る帝国をまた数年空ける事になる、それは従属や専属神を裏切る行為だ、だけど俺は雪花の言う世界で生きたいんだ・・・生きたいんだよ、俺は・・・地球人であり、日本人なんだから・・・」
パトは雪花に悩みを打ち明ける。
パトだって雪花の描く世界で生きたい、だけど帝王であるパトはその選択肢をする重みが生まれる、それはメリアへの最大の裏切り行為でもある、
パトは雪花を抱きしめながら泣く、そして吐き出すように雪花にうったえかける。
パト「俺も雪花と生きたいよ・・・もう嫌だ、こんな世界で生きたくないよ・・・俺は・・・」
雪花「パト・・・私がパトの生きたい世界で一緒に居るよ、私達はお互い未熟すぎるから一緒に支え合って生きていこう・・・」
パト「雪花・・・」
パトは雪花を抱きしめ、そのままお互い泣きながら眠りについた。
・・・・・・
パトは起きた、だがそこはさっきまで居たベッドではなく、帝園だった。
そして帝園でもパトが居たのはルナの屋敷だった。
ルナ「おはようございます、主様」
パト「ルナが呼んだのか?どうしたの?」
ルナは得意げな顔をしてパトに小さな小瓶を渡す。
パト「これは?」
ルナ「雪花の遺伝子、卵子です。」
パトは驚いた、まずなぜルナがそのような物を入手していたかだった。
パト「おい・・・これをどこで・・・」
ルナ「以前主様が雪花の遺伝子を欲していたので、こちらからアクションを起こしました。」
ルナは手に入れた経緯を説明し始めた。
ルナ「まず雪花の卵子を摘出する方法でしたが、私が主様の体液に粘着性を高めて、雪花と交わって主様の体液を輩出した瞬間に体液を操作してひも状にする必要がありました、そして雪花の卵子と主様の精子が接触した段階で私がそのまま両方の遺伝子情報を引き抜き一度一つの小瓶で保管しました、もちろん雪花は私の能力で操作して眠っている間に行為をさせました、通常のように何度も回数を重ねられてしまったら入手が困難になりましたので、」
パト(それって・・・昨日の話だよな・・・!?)
ルナ「そして主様の体液と雪花の卵子を分別する必要があったのですが、そのような細かい作業は私ですら至難の業、なので今日私の能力でホールを作り、主様が就寝中に道具を使って体液を入手しました、これを磁石と同じ性質を持たせることで混ざり合った小瓶の中から主様の体液だけを磁石と砂鉄をくっつけるように排除しました、それでも残っている微少の精子を私がなんとか除去して正確な雪花の卵子を入手しました、どうぞ、受け取ってください、これは日頃から私の事を愛してくださっている主様へのプレゼントです、対価は求めません」
パトはルナからいきなり聞かされた経緯を聞きながら手元にある小瓶を見つめていた・・・
正直パトは今持っている小瓶を地面に投げつけたかった。
パト(結局俺が原因かよ・・・俺が馬鹿な事を言ったから、皆を不幸にしたんじゃねえかよ・・・ルナは善意でやっただけだ、それは俺がルナに相談したからルナの好意でやってくれたんだ、だって普段はどんなことでも対価を求めるルナが今回は対価を求めなかった、きっとかなり難しい問題だったからルナも協力したかったんだろう、その気持ちは善意なんだ、俺の感情で無下にするのは間違っている。)
パト「ありがとう、ルナ、本当に嬉しいよ」
ルナ「はい、これで主様の目的も進みますね」
パトは自分の判断でここまで多くの人を巻き込んで迷惑を掛けた、もはやそれが強いトラウマになった瞬間だった。
パト(無理だ、今の俺には帝国の長は荷が重すぎる、複数人を愛するのだって無理だ、平等に愛することだって出来ていない、間違いなく優劣が出てる、俺はそもそも常識というものが欠如してるんだ・・・まずは当たり前の事を当たり前のように自分でやりたい・・・)
パトはルナに掛けた言葉とは裏腹に虚しい気持ちのまま現実世界に戻った。
・・・・・・
パトは起きた、胸元には雪花が包まって寝ていた、雪花のためにしていた腕枕の腕は雪花の頭の重さのせいで血が止まっており、感覚がマヒしていた、だがその雪花の奥にある机にはしっかりとルナから受け取った小瓶が置かれていた。
パト(ソフィアの所に持っていこう、これはケジメだ、俺がしっかりと目的を果たす、そしてその後はもう・・・俺は・・・)
何も指示しない・・・そう考えようとしたがそれを決めてしまえばまた逃げる事になると考えたパトはそのまま眠っている雪花の髪を優しく撫でながら雪花が起きるのを待った。
・・・・・・
雪花「私は今からメルリア様達に謝ってくるわね、後はメリアちゃんも事情を聴きたいだろうし、それも説明してくるわね」
パト「ああ、俺はソフィアに用事があるから・・・」
パトはルナの件は言わなかった。
というより言えなかった。
ルナの責任にしてしまったらルナの善意を否定してしまう事になる、だからパトは自分でホールを使って自慰行為をしているところを雪花が勘違いしてメルリアと揉めたという話で進めようとしていた。
もちろんパトの思考が見えている月花はその考えに異議を唱えた。
月花(本当にそれでいいの?そうやって皆を庇って自分だけ・・・)
パト(いいんだよ、俺が蒔いた問題だ、誰も悪くない、皆俺の被害者なんだ、もういいんだ、後月花、昨日の事を聞いていたんだよな、月花はどう思ってる?俺は月花と琴歌、カナとハクの考えも聞きたいんだ、俺は・・・この問題が片付いたら帝国を離れる、俺は・・・今言った4人と常駐契約をしているエテル・美魅・リルの3人とミーエルとスティア、を連れて行く、メリア達には悪いけど、俺はメリアの力も借りることなく生きたいんだ、そうじゃないと俺は成長出来ないんだよ・・・)
月花(パト・・・)
パト(それじゃ俺は行く、月花は俺の考えた通りに伝えといてくれ、どんなに偽りだと思ってもそれが真実だと、俺が証言した事だと、強く念を押してくれ、俺はちゃんと今回の件の落とし前はつける、じゃないと雪花やメルリアに合わす顔がないんだよ)
パトは小瓶を持って、雪花の部屋を去った。
