No.98 白鳳の思惑(第五章252話)│No.100 カナの閃きと何気ない1日

2023年01月24日

No.99 メルリアの独占episode4

パトは帝園に足を運んだ。
そしてそこにはいつも通り、ミールが目の前に立っていた。

ミール「ようこそ、帝王様、本日は誰をご志望でしょうか?私でしょうか?私ですかね?そろそろ私のはずですよね?!」(食い気味)

パト「最初は良かったのに後半から欲求が勝っちゃったよこの子、悪いけど今回もミールじゃないんだ、えっと【十三天の心】ルナに用事があるんだけど」

ミール「そうですか・・・ちなみに私でよければお答えしますよ?!」(さらに食い気味)

パト「えっと、【感情や欲求】を専門として能力を扱える?」

ミール「お安い御用です!ですが私が使うと世界規模でないとコントロール出来ないので一人を対象にするのは無理ですね!」

パト「なら無理だ!全世界の感情や欲求をコントロールしたい訳じゃないからな!というかそれが容易に出来るなら世界征服とか簡単過ぎないか?」

ミール「え、世界はそもそも私の手のひらの上にあるので、わざわざ私自らが手を下す必要性が無いと思いましたが・・・」

パト「ああ、もうそんな次元なのね、聞いた俺が馬鹿だったよ、俺はまだそんな大きな規模の話は出来ないんだ、今回はルナに聞くよ」

ミール「ええ~~~・・・」(しょんぼり)

パト「あんまりしょんぼりしないでくれ、ミール、時間があればまたミールにも会いに行くからさ」

ミール「・・・あまり無理なさらないでください、いえ、お気持ちは嬉しいですが、多くの従属にそのように気を掛け過ぎていては主様が持ちません、私の所に来るときは最大の癒しを求めたい時に来てください!最高のおもてなしをして見せます!帝園の総支配者であるミールの名に懸けて!」

ミールはドンっと自身の胸を叩いて見せる。

パト「わかった、その時はそのおもてなしに甘えるよ、それじゃあルナの所にお願い」

ミール「畏まりました、それでは移動します」

・・・・・・

ルナ「ようこそお越しくださいました、主様、呼んでくだされば私からそちらに足を運びましたのに」

パト「今回はそうもいかないんだ、秘密だからな」

ルナ「成程、メルリアの件ですね、羨ましいです、欲望のまま主様を堪能できるなんて、私もそろそろ血を分け合うだけではなく、肉体関係を持っても良いと思って居るのですがね、私の身体は極上ですよ?」

パト「やめろ、今は何を言われても俺の股間が反応しないんだよ」

ルナ「ふふふ、私に掛かれば精力増強くらいお安い御用です、私は【魔神の始祖(ワルプルギス)】ですよ、もちろんサキュバスという淫魔の技程度容易にこなせますよ、【魅了の眼】を主様に使って差し上げましょうか?」

パト「やめろ、しかも俺がルナに聞きたいのはその逆だ、性欲とかの欲望を能力で抑制することは可能か?」

ルナ「抑制ですか、言葉を変えて【奪う】【吸収】【調整】どれが一番しっくりきますか?」

パト「【奪う】【吸収】だと術者にその欲望のエネルギーが渡るだけっぽいよな、【調整】だと時間が掛かりそうだし、俺的には一瞬で対象者の欲望を無くすことが理想なんだけど」

ルナ「欲求を無くすですか、それはダメですね、欲求は一度失ってしまうとまた興味を持つところから始めなければなりません、つまり性欲というのは生まれてから数十年という身体の成長と共に育って認識するものですから、一度奪ってしまえば、また性欲が元に戻るまでに数十年という年月が掛かる可能性があります、なので、無くすというのは一番おすすめしませんね、もちろん実行するのは可能ですよ」

パト「そうか、それは流石にダメだな、とりあえず一時的に欲求を鎮めれればいいんだけどなぁ」

ルナ「贅沢な悩みですね、そのまま愛し合えばいいではないですか?」

パト「それもそうだけど、そうしたら今度は専属神達と愛し合う時間が無くなるんだ、こうやってルナと話す時間も無くなるかもしれないぞ?」

ルナ「そうなった時はその【運命】を書き換えて、維持でもこちらに来てもらいます、それに私が精力増強させて主様からその気にさせる手段は多く持っています、それこそ今のメルリア以上に私の身体を足の指先から髪の一本一本まで堪能してしまうほどに・・・」

パト「なんだ、定期的に俺を誘惑してこようとするな、もしかして妬いてるのか?」

ルナ「妬いてません!羨ましいとも思って居ません!」(顔真っ赤)

パト「ルナ、お前は大人っぽい雰囲気がある、だけど時に全然隠しきれてないんだよ・・・」

ルナ「こほん!主様のイメージに沿うかわかりませんが【欲求を安定させる】というバランサーが一番いいのではないでしょうか?」

パト「性欲を安定させる?」

パトはルナの言っている事がわからずに聞き返す、それに対してルナは説明する。

ルナ「欲求というのは波形のようなものだと仮定してください、波が小さいほど欲求をあまり感じませんが、波形の波が大きくなるとその分欲求を強く感じる、私が言ったバランサーはその大きな波を安定させるという事です」

パト「成程!つまり精神が安定している状態にするってことか、つまり【精神系能力】を持っている子を見つければいいってことか」

ルナ「事はそんな簡単ではありませんよ、【精神系能力】は私も持っているので言えますけど、かなり難しい技術です、まず干渉するのに時間が掛かります、そしてその術者がメルリアや私同様に主様に好意を持っていたら意味がありません、何故なら悪用する可能性もあるからです」

パトはルナの説明を聞いて、「確かに」とうなずいた。

ルナ「なので精神系能力者でも【主様の事を絶対に好きにならないけど嫌いでもなく、忠誠だけは誠実に持ち、即興で誰に対しても精神系能力を行使して欲求を安定化させれる子】が必要となりますね」

パト「え、かなり条件細かい上にかなり無謀じゃん、まず帝国でその条件を満たせる子、多分絶対に居ないよ、自分で言うのもなんだけど、結構従属は俺に好意を持っているし・・・」

ルナ「居ないなら作ればいい、だから技術開発部隊に聞こうとしていたのではないですか?」

ルナは現実世界でのパトの思考をそのまま読み上げた。

パト「聞いてたな、ルナ」

ルナ「はい、実はここに来る事も、内容も全部知ってました♪ですがお話したかったので、敢えて長話をしてしまいました♪」

パト(くそ・・・なんか理由が可愛いから怒るに怒れない・・・)ぐぬぬ・・・

パト「つまりさっきルナが言った条件に当てはまるような子を技術開発部隊で開発出来ないかってことだよな?」

ルナ「はい、0から作り上げるのか、それとも誰かをベースに作るのかは知りませんが、この技術は本当に難しいと思いますので、頑張ってくださいね」

パト「やっぱり難しいの?」

ルナ「というより0から作るなら普通に子供を作ってしまった方が早い位ですね、神族はそれが出来るのですから、オリジナルベースからのレプリカは・・・ちょっとわかりませんね、人形程度なら私も容易なんですけど、生身となると・・・」

パト「そうか、おっけ!ありがとうルナ!一応聞いてみるよ!」

ルナ「最悪ダメならミール様に聞いてみるのもいいですね、あの方なら主様のご希望に沿ったこの世界の従属をすぐに紹介してくれると思いますし」

パト「そうだな、最悪そうするよ、というか帝園にそういう奴が居ないかも後で聞いてみる!」

ルナ「答えが出たようで何よりです、それでは主様が求める良い結果が得られることを心から願っていますね」

パト「ああ!そうだ血は居る?」

ルナ「はい、頂きますね」

ルナはいつも通りパトに口づけをして、口から一定の血液を貰い、ルナからパトに血液を送った。

パト「俺、本当に変な種族に変ったりしないよな?」

ルナ「主様の種族が完璧なので、変に感化されません、むしろ私が主様の影響を受けているくらいです」

パト「そうなんだ、ならルナの思惑とかもあるだろうし、さっさと目的を達成させて俺の傍に居れるようになれよな」

パトはそう言いながらルナの部屋を後にする。

ルナ「思惑なんてとんでもない、全ては主様のためであり、私が主様に誠心誠意尽くすため、絶対に裏切るような事はしませんよ」

ルナは優しい表情でパトが居た場所を眺め、残り少ない紅茶を飲み干した。

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