No.82 十三天の心 テル│No.84 十三天の心 セラ

2022年12月04日

No.83 十三天の心 ニア

今回【十三天の心】に選ばれたニアには二つの顔がある

・元気で天然な愛玩動物のようなニア
・暗殺を得意とし、獲物を絶対に仕留めるニア

二つの顔を持つニアだが答えは簡単で人格が二つあるのだ。

その切り替え方は頭に着けている鈴であり、その鈴は特別でニア本人かニアの主である者でしかその鈴を鳴らす事はできない仕様になっている。

つまりニアの人格を変えるには現時点ではニア本人、パト、ミール、シンの4名のみとなっている。

普段の温厚なニアは戦闘という戦闘が一切出来ないため、戦場や戦闘が必要な時は残虐性のあるニアに切り替え、戦うのである。

・・・・・・

ニア「お花畑だ~~綺麗だね~~」

ニアは普段は能天気過ぎて、仕事で山菜を取る間に寄り道をして一人でお花畑ではしゃぎ遊び呆けるような子だった。

だが種族的にそのような子が多い種族なのでそれに対してそこまで咎める者も居なかった。

ニア「【十三天の心】に選ばれて何か変わるかなって思ったけど特に変わったことないね~」

ニアは【十三天の心】に選ばれた後も元々住んでいた森の中にある狸族の里で過ごしていた。
幹部に利益を与える行為さえしなければ何処に住んでてもいいというのが【十三天の心】のルールなのだ。

なので余程物好きではない限り何の文化もない【第二の園】には誰も済まずにあらゆる文化が整っている他の園に他のメンバーも過ごしているのだ。

ニア「あの時皆で顔を合わせた時以来他の子に会ってないし、女帝と呼ばれるようになったらしいけど特にやる事もないし・・・あ!そういえばもう一人のニアの仕事が無くなったんだよね!どうしよう!お金なくなるよ?!」

ニアは草食なので食事には困らないのだが、何分それ以外の生活費が必要であり、それらを払うための資金源が絶たれてしまい困惑していた。

ニア「ここのお花畑のお花を売ってお花屋さんでもしようかな?それか山菜を都会に持って行って売りに行くか・・・でもそれって女帝のニアがしていいのかな?威厳がどうこうとか言われそう・・・」

能天気なニアにしては珍しく困っていた、いつもは元気にぴょこぴょこ動く耳も萎れてしまい、お花畑の真ん中で困り果ててしまう

ニア「そうだ!こういう時こそ!メンバーに聞くべきだよね!」

ニアはそう言い、叡天の羅針盤に赴く

・・・・・・
ニア「こんにちは~~」

ニアはゆっくりとドアを開ける、するとそこには守備の究極系であるベルが居た。

ニア(ベル様だ!以前は話せなかったけど、この際だからお話出来たらいいな~)

ニアはそう思いながらベルの元までトコトコと走り、そして話かける

ニア「ベル様!教えて欲しい事があるの!」

ニアは大きな元気な声でベルに話しかける、その大きな声に対して眉間にしわを寄せ、あからさまに嫌な顔をしながらベルは応える

ベル「なに?・・・要件があるなら手短にしてほしい・・・と思う」

ニア「ベル様は普段どのようにして生計を立てているのですか?」

ベル「ここに来たら・・・生活に必要な資金は・・・各自分シンが用意してるから・・・そこから資金を降ろせばいいと・・・思う」

ニア「そうなんですね!良かった~、今まで働いて生計立ててたからどうしようって思っちゃって」

ベル「女帝が他の園で働くのは・・・駄目、直接じゃなくても間接的に幹部のためになるから・・・だから自分のための生活をするのはいいけど・・・資金は絶対にここから取らないと駄目だと・・・思う」

ニア「え~でも、それって他の園の物を買ったらその分経済回すからそれも間接的に幹部の人のためにならないですか?」

ベル「商品を買うのは・・・自分が生きるためだから・・・問題ない、自分が助かるためであって別に相手を助ける意図はないから・・・て理屈だと思う」

ニア「へえ~そうなんですね!ありがとうございます!えっとどこからお金を降ろしたらいいか教えて貰っていいですか?」

ベル「メンドクサイ・・・って思う」ム~

ベルは本に顔を埋め、「これ以上話しかけるな」という合図を送る、だがニアは空気が読めないため、お構いなしにベルにお願いする。

ニア「お願いしますベル様!このままだとニア生活出来ないの!」

ベルはとうとう我慢の限界が来たのか、能力を使う。

ベル「~ムオンノセカイ~」

するとベルの周りが無音になり、ニアもベルに話しかけているのに一切声がベルに届かないのだ、そしてベルは涼しい顔に戻り、読書に戻った。

ニア(酷いよ~~!教えてくれるくらいいいじゃん~~)

ニアはそう思いながらもベルに拒絶された以上どうしようもないため自分でなんとか自分用の資金を降ろす方法を考える。

・・・・・・
ニア「叡天の羅針盤って大きい図書館って感じだよね、特に特別な機械とかあるわけじゃないし、それっぽい魔法陣とか施設があるわけじゃないし・・・どうなんだろう?」

ニアは周りをある程度観察するが何処にもお金を降ろせるような場所がないためまたもや困り果ててしまった。

すると扉が開き同じタイミングでメンバーになったユラが現れた。

ユラ「どうしたんだい?ニア、こんなところに?」

ニア「ニアはね、生活用のお金を降ろしに来たんだけど方法がわからなくて・・・」

ユラ「そうなんだね、それは大変、私も協力してあげたいけど生憎ちょっと用事があってね、」

ニア「いいよいいよ!自分でなんとか探してみるから!ユラちゃんありがとうね!」

ニアはそう言いユラはそのまま奥の部屋に入っていく。

ニア「あれ?そういえば奥に部屋があったんだね、なんだろう?ユラちゃんが出てきたら聞いてみようかな?」

ニアはそう考えながら大広間を調べていった。
そして数分もしない内にユラが部屋から出てきて涼しい顔で「それじゃあね」と軽く挨拶をしてその場を去って行った。

ニア「ああ、せっかく聞きたかったのに・・・」

ニアはそう思いながらも「入ればわかるか」と考え、ユラの入って行った部屋に入ろうとするが鍵が掛かっていて入る事が出来なかった。

ニア「あれ?鍵が掛かってる?でもさっきユラちゃん鍵を掛けるような素振りしてなかったと思ったんだけどな~」

ニアはそう考えながらドアの事は諦め、本を漁って探していた、するとそこにシンが現れた。

シン「騒々しいですね、ニア、どうしたの?こんなに本棚から本を出して・・・」

ニア「シン様~、お金~~、生活出来ない~~~」半泣き

シン「貴女、話を聞いてなかったの?生活費は各自の部屋にある金庫に入れてあるからそこから取って行ってって言ったじゃない、あと各自の部屋は寝泊まりは自由だし、絶対に他人は入れないから気負わずに自由に過ごしても良いって・・・はぁ、次はちゃんと話を聞いておくのよ?」

ニア「あれ?でもニア、そんな話聞いた覚え・・・あ。」

ニアはふと思い出したかのように鈴を鳴らす。

裏ニア「シン、その話私ともう一人の私にしないと駄目だ、記憶を共有していない」

シン「それを先に言いなさい、それと貴方達で記憶の共有とか出来ないの?」

裏ニア「記憶は共感できない、共感してしまったら表のニアがニアで無くなってしまうからね、あくまで本能である私は私の人格で居た方がいいの」

シン「そう、なら今度からはしっかり貴女達で情報だけでも共有出来るようにして、主相手に二度も同じ説明をさせるつもり?」

裏ニア「それは無礼だな、気を付けよう、ただ表のニアがそれに気付くかどうかだが・・・」

シン「私が人格入れ替わった後はメモを確認しなさいって言っておくわ、それで引き継ぎたい情報を表のニアに引き継げるでしょう?報連相はしっかりとよ!」

裏ニア「助言感謝します、ちなみに資金とはどの程度」

シン「自称意識高い系ばっかりだからね、相当高額なお金を入れてるわ、一応この叡天の羅針盤内の時間を基準に約300時間ごとに入金してるわ、まあ大金を使い続けるのもセンスが居るっていうくらいだし、表のニアは細々しい生活してるし、お金が無くなるとかは考えなくていいわ」

裏ニア「そうですか、ありがとうございますそれでは」鈴チリーン

ニア「えっと、やっぱりもう一人のニアが知ってた?」

シン「ええ、とりあえず貴方達で情報交換出来るようにメモなんかに書いて互いに情報を引き継ぎなさいって言っておいたわ、それとこれ、メモ帳、渡しておくから今からもう一人の自分に聞いて自分でなんとかしてみなさい」

ニア「ありがとう!シン様!」

シン「ええ、あと、その本はしっかり本棚に戻しておくのよ!」

ニア「は~い」

シンはニアに注意し、その反対側でベルが能力を使いながら読書をしているのを見つける

シン(ベル、ニアの声がうるさくてムオンノセカイ使ってる・・・何かあったら身体ゆすらないと)

シンはため息をつきながら自室に戻る。

・・・・・・
ニア「やった!いっぱいお金あるよ!」

ニアは自室を見つけ、その中にある金庫からお金を確認する。そこにあるお金はそのまま手に入るわけではなく、各園の通貨に変更出来るように加工されている、そのため、まずは機械に欲しい金額を打ち込み、どの園用のお金を作るかを決め、そしてそこから指定したお金が出てくるという形で出来ている、帝園にはカード払いみたいなものが存在しないため、全て現金払いである。

ニア「こんなに沢山お金は要らないから、そうだな~1000ミルあればいいかな~」

【ミル】とはお金の単位である、通過はデザインが違うだけでお金の名称や単価は同じなのである。
各園事にお金と単価事情を出すとミールが管理出来ないとのことで、デザインは変えて専用のお金としてはいいが、読み方や単価は共通なのである。

ニア「お家の支払いが600ミル、水道が100ミル、生活用品で300ミルもあれば大丈夫!これで生きていける~!」

ニアは歓喜し、その場でぴょんぴょんと跳ねる!
そしてそのまま叡天の羅針盤を後にして、自分の家に戻り、食材保管庫に置いてある果物を食べてゆっくり寝た・・・

ニアは考えなかった・・・

ユラが来た時、ユラもただお金を降ろしに来ただけなのにまったく教えなかった事、
そして家の支払いは一括で払い、買い取れば良かったと・・・

だがニアはそんな事を一切考えずにその日の喜びと満足感と充実感の中心地よい夢の世界に向かうのだった。

No.82 十三天の心 テル│No.84 十三天の心 セラ